隣接士業者が被用者となる弁護士を雇用する場合に遵守するべき事項 1 隣接士業者である雇用主(以下「雇用主」という 。)は,被用者である弁護士 (以下「被雇用弁護士」という 。)に,次に掲げる業務に限り行わせることがで きるものとし,これを超えて業務を行わせてはならない。ただし,資格の如何に かかわらずなし得る事務等については,この限りでない。 (1) 雇用主が有する隣接士業の資格において適法になし得る業務であり,かつ, 弁護士の資格においてもなし得る業務 (2) 雇用主が設置する事務所(以下「事務所」という 。)の賃貸借,雇用等雇用 主の自己の法律事件に関する業務(内部統制事務を含む。) 2 雇用主は,被雇用弁護士が第1項記載の業務以外の業務を行うことを認める 場合には,被雇用弁護士の弁護士業務に関し,次に掲げる事項を遵守しなければ ならない。 (1) 被雇用弁護士に対し,自らの業務の依頼者(依頼者であった者を含む 。), 顧問先その他これに準じる者の事件を紹介し,又はこれらの者の事件について 被雇用弁護士に弁護士業務を行わせてはならない。 (2) 被雇用弁護士の弁護士業務の独立性を尊重し,被雇用弁護士の弁護士業務 に関与してはならない。 (3) 事務所内において,被雇用弁護士が弁護士業務に係る秘密を保持できるよ う態勢を整備しなければならない。 (4) 被雇用弁護士の弁護士業務において,雇用主の依頼者を相手方とする事件 その他雇用主の依頼者との関係で利害が相反する事件が取り扱われないように しなければならない。 (5) 被雇用弁護士に対し,当該被雇用弁護士が行う弁護士業務が雇用主と関係 がなく,被雇用弁護士が個人の責任において行っているものであることを明確 にさせなければならない。 (6) 雇用主の隣接士業者としての業務に対する報酬と被雇用弁護士の弁護士業務 に対する報酬とを厳格に区別し,雇用主が被雇用弁護士の弁護士業務に対する 報酬の分配を受けるような事態を生じさせないようにしなければならない。 (7) 被雇用弁護士の弁護士業務に対する報酬の決定,請求及び受領に関与しては ならず,当該報酬が直接被雇用弁護士に支払われるようにしなければならない。 3 雇用主は,法律事務所又は弁護士の表示をし,又は被雇用弁護士の雇用によ り自らが弁護士業務を取り扱い得るとの誤認を生ぜしめる一切の表示をしてはな らない。
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