Column ご参考資料 「投資のヒント」 2016年5月10日 足もとの為替ヘッジコスト(対米ドル)と今後の見通し 足もと対米ドルの為替ヘッジコストの実勢値と理論値に差が 生じる状況が続いています。ここで改めて、為替ヘッジコストに ついて確認してみましょう。 為替ヘッジとは、一般に、外貨建資産を組み入れた際に為替 変動リスクを低減するために用いられる方法です。 ⾜もとの為替ヘッジコスト(対⽶ドル)の推移 (理論値と実勢値の⽐較) (2016年1月4日~2016年5月6日、日次) ※為替ヘッジを行った場合でも、為替変動リスクを完全に排除できるとは限りません。 ◆為替ヘッジコストの実勢値と理論値(短期金利差)の比較 米ドル建資産を対円で為替ヘッジする場合、為替ヘッジコスト とは、理論的に米ドル短期金利と円短期金利の差となりますが、 それに加えて円に対する米ドルの調達コストからも影響を受け ます。 米ドルを売って円を買うという先物取引は、当方が資金の受 渡しをするまで円を元にして米ドルを借りる(調達する)という行 為と同様です。したがって、マーケットにおける米ドルの調達コ ストが円に比べて高ければ、その調達コスト分が為替ヘッジコ ストに上乗せされることになります。 5月6日現在の為替ヘッジコスト(対米ドル)を見ると、日米短 期金利差(1ヵ月LIBOR*1)から算出した理論値とフォワードレー ト*2(1ヵ月)から算出した実勢値に差が生じています。すなわち、 理論値に比べて、実勢値には米ドル調達コストが上乗せされて いることが分かります。それはマーケットにおいて、米ドル需要 が高いことを示しています。 0.89% 0.48% (年/月) (出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 為替ヘッジコスト(対⽶ドル)イメージ図 *1 LIBOR:ロンドン市場における銀行間での資金取引金利。短期金利の国際的 な指標 *2 フォワードレート:為替フォワード市場で実際に取引されているレート ◆要因・背景 その背景にあるのは、主に以下の2点です。 ①米国が利上げに踏み切った一方で、日本では金融緩和が継 続されており、日米の金融政策の方向性の差異が意識され、 米国金利の上昇が見込まれる形で米ドル需要が高まったこ と。 ②日銀によるマイナス金利政策導入を背景に、国内債券の利 回りが大幅に低下したことから、国内投資家が相対的に金利 の高い米国国債などに資金を振り向けるだろうとの見方が強 まったこと。 ◆今後の見通し ※上記は為替ヘッジコストの概念をご理解いただくためのイメージ図であり、将来 の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません 為替ヘッジコスト(対⽶ドル)の推移(理論値ベース) 5.0 (2007年12月末~2016年5月*、月次) (%) 為替ヘッジコスト 4.0 米ドル短期金利(1ヵ月LIBOR) 日本円短期金利(1ヵ月LIBOR) 3.0 2.0 足もとの対米ドルの為替ヘッジコスト実勢値の上昇は、日米 の金融政策の方向性の差異などをマーケットが先取りして織り 込んだことが要因の一つです。 そのため、米国の利上げペースが緩やかになるとの見方が出 てきているなか、市場の正常化、需給の改善が進めば米ドル調 達コストの上昇も一服し、為替ヘッジコスト実勢値は理論値に 近づくものと考えられます。 以上 2016年5月6日 為替ヘッジコスト 1.0 0.48% 0.0 -1.0 07/12 09/12 11/12 13/12 15/12 (年/月) * 5月は6日現在のデータ ※為替ヘッジコスト:短期金利差(米ドル短期金利-日本円短期金利) (出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料は、三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、 証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/2 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したもので あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益は 全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発 元もしくは公表元に帰属します。 当資料は、三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、 証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 2/2
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