科目名 地域論 Regional Studies Title 科目区分 観光政策基礎科目 担当教員 教授 担当教員との連絡方法 西野 寿章(ニシノ トシアキ) E-Mail 配当年次 1・2 単位区分 選択必修 単位数 開講時期 前期 目的 本講義では、地域政策学の基礎となる考え方や地域問題の捉え方について講じる。今、日本社会は人口減少社 会へと変化しつつありますが、日本は戦後、世界に類を見ない経済の成長を成し遂げ、経済大国となった。1973 年のオイルショックを経験して、80年代は先端技術産業の発展によって世界をリードしたが、1985年のプラザ合 意を契機としたバブル経済の生成と崩壊、急速な円高は、日本の経済に大きな影響を与え、バブル崩壊後は失わ れた10年とも20年とも言われる長期経済不況、デフレ経済の継続を経験しました。こうした経済変化は、地域に も大きな影響を与え、様々な地域問題を生み出しています。こうした様々な地域問題にどのようにアプローチし ていけばよいのかについて、3人の専任教員が講義する。 達成目標 本講の目標は、生活の基本圏域における身近な問題を知り、認識することにある。地域づくりには、広い視野と 見識を必要とする。本講では、国内外の具体例から地域の諸問題を考え、諸問題の背景にある要因や構造的な問 題、制度や仕組み、それらの現状と問題点を理解したい。 スケジュール 第 1回 地域政策学とは何か(3クラス共通)・参加と協働のまちづくり (大宮) 住民自治、団体自治などについて講じる 第 2回 分権時代に求められる地域リーダーの能力 (大宮) 地域リーダーに必要な能力について講じる 第 3回 住民参加のまちづくり①(大宮) 群馬県富岡市と長野県小布施町の事例 第 4回 住民参加のまちづくり②(大宮) 徳島県神山町と島根県海士町の事例 第 5回 私が関わったまちづくり(大宮) DNA、すまいるーぷ、桜プロジェクト 第 6回 地方都市の公共交通のあり方を考える (西野) 衰退する地方都市の交通について欧米の地方都市と比較して考える 第 7回 身近な環境問題から地域を考える①(西野) ごみ問題の日独比較 第 8回 身近な環境問題から地域を考える②(西野) 観光地の環境保全について日欧を比較しながら考える 第 9回 バブル経済期における二つのリゾート開発(西野) バブル期における二つの地域のリゾート開発への対応の対照性を考える 第10回 地域づくりの本質を考える(西野) 西野担当分の事例から地域づくりとは何かを考える 第11回 地方消滅論を検討する(村山) 地方消滅論とその批判を紹介し、地域政策のあり方を考える 第12回 高度経済成長の全国総合開発計画(村山) 全国総合開発計画、新全国総合開発計画の問題点を学ぶ 第13回 低成長期の全国総合開発(村山) 第三次総合開発政策の問題点を学ぶ 第14回 バブル経済下の全国総合開発計画(村山) 第四次全国総合開発計画とリゾート開発の問題点を学ぶ 第15回 内発的発展論と地域政策(村山) 地域振興の理論である内発的発展論、EUのネオ内発的発展論を紹介し、今後の地域政策について検討する 教科書・参考文献 教科書 特に指定しない。必要に応じて、講義中に紹介する。 参考書 必要に応じて紹介する。 授業外での学習 授業で学んだり、考えたりしたことについて、さらに図書館やインターネットを使って掘り下げて考えることが 必要である。シラバスに予告してある内容についても調べたうえで講義に出席することが望ましい。 評価方法 毎回、出席調査を兼ねた講義内容に関連したリアクションペーパーの提出を求め、平常点とする。試験は3人の 教員が1題ずつ出題し、合計点を試験点とする。平常点と試験点の割合は、2:8とする。 履修上の注意 この科目は必須科目である。毎回、リアクションペーパーを用いた出席調査を行う。授業回数の2/3以上出席し ないと試験を受けることはできない。 観光政-1 科目名 観光政策論 Tourism Policies Title 科目区分 観光政策基礎科目 担当教員 教授 担当教員との連絡方法 南 賢二(ミナミ ケンジ) E-Mail 配当年次 1・2 単位区分 選択必修 単位数 2 開講時期 前期 目的 観光政策論においては、観光が国民や地域、国家に対して担うべき役割を理解すると共に、その実現のために必 要とされる政策を体系的に学び、観光の全体構造と今後の取り組みのあり方を理解する事を目的とする。 先ず、我が国の観光が、古来から現代までどのような経緯をたどり、そこにおいて国や地方の政策あるいは国民 の余暇政策として、どのように扱われてきたかについてその大要を把握し、その延長線上にある現代の観光政策 について、関連する法体系の整備状況や国や地方の課題等を理解する。この場合、観光の全体像や仕組みを理解 するとともに、特に地方振興の観点から観光にかかわる農林漁業や自然保護等の諸領域に対してどのような政策 課題があり、どのような取り組みが行われているか、また、観光地振興の考え方やそこにおける行政や住民、事 業者、NPO等の役割等についても、各地の取り組み事例も組み込みつつ学習する。 達成目標 国家レベル及び地方レベルにおいて観光が果たす基本的な役割を理解するとともに、その実現のために必要とさ れる政策的な課題について、既存の法体系を元に学ぶ。その上で、観光にかかわる旅行者や民間事業者、住民、 行政等に必要とされる施策・政策等の現状や課題を知り、さらに地方振興の観点から、今後の観光政策をどのよ うに推進すべきかについて、各地の実践的な事例も交えつつ基本的な手法を理解することを目標とする。 スケジュール 第 1回 ガイダンス 講義計画、観光の役割とそのとらえかた 第 2回 観光のとらえ方とその役割 観光のとらえ方と政策的な位置づけ他 第 3回 観光の歴史と観光政策の変遷(1) 我が国における古来からの観光の変化と政策 第 4回 観光の歴史と観光政策の変遷(2) 近代における観光の変化とその政策① 第 5回 観光の歴史と観光政策の変遷(3) 〃 ② 第 6回 観光の歴史と観光政策の変遷(4) 我が国の観光の歴史と観光政策の総括 第 7回 現代の観光政策 戦後における観光関連法と各省庁の政策 第 8回 観光の領域別政策(1) 旅行者の志向と行動特性、旅行タイプと政策 第 9回 観光の領域別政策(2) 各旅行タイプに係る政策① 第10回 観光の領域別政策(3) 各旅行タイプに係る政策②マーケティングへの対応 第11回 観光の領域別政策(4) 旅行業、キャリア等への政策 第12回 観光の領域別政策(5) 着地側の観光事業者への支援誘導政策、観光振興政策 第13回 観光の領域別政策(6) 観光地の運営体制と広報宣伝政策、緊急対応政策等 PP:日本の温泉リゾートとその振興策+試験 観光地の運営体制と広報宣伝政策、緊急対応政策 第14回 国や地方行政等の役割(1) 政府と地方行政等の政策的な役割 第15回 国や地方行政等の役割(2) 観光政策の課題と総括 教科書・参考文献 教科書 無し(適宜資料配付) 参考書 無し 授業外での学習 さまざまな情報媒体をもとに、人々の旅行行動と観光の活性化を目指す各地域の動きを把握し、その目的と課題 を把握し、国や地方の政策的な課題を見出すよう心がける。必要に応じて講義時に質問するように。 評価方法 期末試験以外に、中間試験を2回程度実施する 履修上の注意 人が移動し余暇を楽しむ上では、多様な法律や政策そして人材が関わってくる事を理解し、複雑系とも言われる 観光の体系とその動かし方を学ぶことにより、観光の推進に果敢に取り組む事のできる人材となることを目指す 人のための講義である。 観光政-2 科目名 観光経営論 Tourism Management Title 科目区分 観光政策基礎科目 担当教員 教授 担当教員との連絡方法 大野 正人(オオノ マサヒト) E-Mail 配当年次 1・2 単位区分 選択必修 単位数 2 開講時期 前期 目的 観光経営には、個々の観光産業の経営とそれが属する観光地全体の経営という2つの視点がある。本講座では 最初に観光旅行者の動向と特性を理解した上で、様々な観光産業のなかから、着地側に立地する観光産業の代表 例である宿泊産業と、観光資源の価値を高めるためのガイド・エンターテナー業を中心に、その経営特性と課題 を学ぶ。また、発地側の観光産業については、旅行流通の動向と特性を理解した上で、旅行業・オンライン予約 サイト等の旅行流通事業者が地域の観光経営に果たす役割と影響を学ぶ。 最後に観光地経営の視点から、今後の観光地活性化に重要な役割を果たす地域の観光推進組織の在り方につい て、滞在需要促進、住民との交流促進、一次産業との連携、住民のホスピタリティ意識などを中心に理解する。 達成目標 様々な観光産業の経営特性の理解と、そこへの経営学の具体的な応用方法についての習得。また、様々な観光 産業寛における競合や連携等の相互関係の理解。さらに、今後の観光地での観光振興政策を進めるにあたって、 観光産業・一次産業・二次産業、住民、観光行政という様々なプレイヤーの協働による地域活性化手法の理解。 スケジュール 第 1回 観光経営に携わる様々な産業の概観 -観光産業、宿泊産業、ホスピタリティ産業などの概念と定義- 第 2回 観光産業と観光地域が対象とする顧客の属性 -国内観光旅行者の属性と旅行形態の分類- 第 3回 観光産業の経営特性 -観光経営の経営課題とその対応策- 第 4回 宿泊産業の概観 -提供するサービスと対象とする顧客の特性- 第 5回 都市のホテル等の経営特性 -様々に分化した都市の宿泊施設の業態と、都市機能との関係- 第 6回 観光地の旅館等の経営特性 -観光地の立地条件により分化した宿泊施設の業態と、温泉街との関係- 第 7回 非日常を提供する宿泊施設の付加価値 -顧客のライフスタイルにより異なる非日常体験- 第 8回 観光地の滞在化と温泉資源が果たす役割 -温泉と温泉地の発展過程と様々な温泉の活用法- 第 9回 ガイド・エンターテナー業の概念と分類 -観光地におけるサービス業としての位置付け- 第10回 ガイドツアー(着地型旅行商品)の経営特性 -地域住民参加のビジネスモデル- 第11回 コミュニティビジネスとしての観光経営 -観光まちづくりのビジネス展開の手法- 第12回 観光経営における流通チャネルと旅行業の役割 -発地側の観光産業としての旅行業- 第13回 観光産業と他産業、地域住民との関係性 -観光地経営の概念と、それを推進する組織の在り方- 第14回 観光に対する住民意識 -観光まちづくりの推進に向けて- 第15回 講義の総括とQ&A 教科書・参考文献 教科書 「観光産業論」(原書房、2,800円) 参考書 「観光地経営の視点と実践」(丸善出版、2,800円)、「魅力ある自然ガイドツアーづくりの手引き 」(公益財団法人日本交通公社) 授業外での学習 講義ノートをもとに復習をしておくこと。また、新聞・インターネット等で常に関連するニュース、概念などを 検索して理解しておくこと。 評価方法 出席と授業理解への意欲(10%)、講義中の小レポート3回程度(30%)、及び、期末試験(60%)を予定する。 履修上の注意 観光経営は観光産業、一次産業、二次産業、地域経済、地域行政まで、扱う分野が多岐に渉るので、欠席が多 いと理解は難しいことを理解すること。特にマーケティングや損益と財務等の経営学の基礎的な学習を同時に行 っていることが望ましい。 観光政-3 科目名 観光経営論 Tourism Management Title 科目区分 観光政策基礎科目 准教授 担当教員 担当教員との連絡方法 井門 隆夫(イカド タカオ) E-Mail 配当年次 1・2 単位区分 選択必修 単位数 2 開講時期 後期 目的 本講義では、観光業の事例をもとに、論理的思考力をはじめとする「経営的発想」を養うことを目的とする。 大きく3つのタームに分け、1~5回では「ビジネスの基本的構造」とその成績表である決算書(B/S、P/L) の見方について初心者向けに解説する。6~10回では、「代表的な観光業」をケースとして、各業界のビジネス の特徴や代表的企業について決算書を参照しながら紹介。地方自治体に関しても政策と財政の側面から「経営的 発想」で概説する。11~15回は、近年の観光業を取り巻く経営的課題を採りあげ、今後の観光業の活性化と地方 創生にどう結び付けていけばよいか、受講生とともに、事業の当事者になったつもりで考えていきたい。 達成目標 ①観光経営に関する知的好奇心を養う:日本の観光業にはどのような経営的特徴や課題があるか興味を持つ。 ②論理的思考力を養う:ロジカルシンキングは経営的発想の基本。物事を論理的にとらえられるようになる。 ③数字に慣れる:ロジカルに考えるうえで数字の活用は必須。実例に触れることで、数字アレルギーをなくす。 スケジュール 第 1回 ガイダンス ~講義の進め方と評価方法、論理的思考力の基礎(考える練習にトライ) 第 2回 ビジネスの基礎 ~消費者発想から生産者発想へ(少子化の時代にブライダルビジネスを伸ばすには) 第 3回 ビジネスの3ステップ ~ビジネスの成績書「決算書(B/S、P/L)の構造と事業活動とのつながり 第 4回 ビジネスの主要指標① ~ROEをはじめとする財務指標の意味と事業活動とのつながり 第 5回 ビジネスの主要指標② ~財務諸表に表れない指標「労働生産性」の意味と重要性(カネを生むのもヒト次第) 第 6回 観光ビジネス研究① ~旅行業(JTB、H.I.S.、KNT-CT、ニッコウトラベル、一休ドットコム) 第 7回 観光ビジネス研究② ~宿泊業(帝国ホテル、外資系ホテル、スーパーホテル、日本旅館、星野リゾート) 第 8回 観光ビジネス研究③ ~運輸業(JAL、ANA、スカイマーク、JR東日本) 第 9回 観光ビジネス研究④ ~テーマパーク業(オリエンタルランド) 第10回 観光ビジネス研究⑤ ~地方自治体の観光(観光の経済効果、成功と失敗の要因、各地の事例) 第11回 観光経営の課題① ~日本版DMO(いかに観光協会のプロフィットセンター化を図るか) 第12回 観光経営の課題② ~観光業の労働生産性(いかに生産性を高めることができるか) 第13回 観光経営の課題③ ~宿泊業の債務超過(地方の宿泊業にイノベーションはないのか) 第14回 観光経営の課題④ ~地方の人材不足(どのように地方に人材を誘導するか 第15回 ふりかえりとまとめ ~地方創生を図るには(必要な経営的発想力と人材育成) 教科書・参考文献 教科書 講義資料は毎回スクリーンに投影。講義終了後、ポータルに保存する。 参考書 「会社四季報」「会社四季報業界地図」(いずれも東洋経済新報社)。その他授業で随時紹介する。 授業外での学習 授業中に紹介した企業のうち興味のある会社について、会社ホームページ(IR情報)を閲覧したり、ブックマー クしておくこと。授業外学修の指示があった場合は、指示内容について考えてくること。 評価方法 毎回のワークシート(毎回ワークシートの問を考えながら記入し、講義終了後提出。採点後次回返却)60% 最終レポート(講義の内容に関して最も興味を持ったテーマをひとつ選択し経営のイノベーションについて論述)30% 受講態度(ワークシートの提出状況)10% 履修上の注意 講義のボリュームが多く、授業は欠席しないことが前提ですが、欠席(公欠等を含む)の場合は必ずその回の授 業資料をポータルで確認し、次回の授業に臨むこと。 観光政-4 科目名 英米文化論 Anglo-American Cultures Title 科目区分 観光政策基礎科目 担当教員 担当教員との連絡方法 非常勤講師 津久井 良充(ツクイ ヨシミツ) E-Mail 配当年次 1・2 単位区分 選択必修 単位数 開講時期 後期 目的 ヨーロッパの片隅に位置するイギリスという国が7つの海を支配する大英帝国を形成し、政治的・経済的に世界 に君臨していた時代はもう過去のものです。今のイギリスには華やかに着飾った貴族たちの集う光景は見られま せん、同じことがヨーロッパの国々についても言えるでしょう。イギリス、フランス、ドイツなどヨーロッパの 国々に対して私たちの抱くイメージは、19世紀から20世紀にかけて作られたものです。21世紀に入ると、まだ私 たちの知らない新たなヨーロッパの文化が生まれようとしています。学生と一緒にグローバリズムの中で変貌す る「ヨーロッパの文化と観光」について学んでいきます。 達成目標 1)ギリシャ・ローマ時代から続く伝統文化を未来に伝える現代ヨーロッパの試みについて検討する。 2)ナショナル・トラストや世界遺産を支える新たな観光のビジョンを探る。 3)グローバリズムへの道を切り開く「国境なき世界」における観光の在り方に焦点をあてる。 スケジュール 第 1回 イントロダクション 「文化の多様性」とツーリズムとの結びつきについて 第 2回 イントロダクション 「ライフスタイル」と観光との関係について (スライド上映、イギリス) 第 3回 「世界旅行」の始まりはいつだろうか? (スライド上映、クレタ島) 第 4回 古代ヨーロッパの文化 (スライド上映、ギリシア) 第 5回 古代ヨーロッパの自然 (スライド上映、サントリーニ島) 第 6回 中世におけるイギリスの「文化と観光」ーー湖水地方について検証 第 7回 近代における「風景」の誕生ーー湖水地方の変貌 (スライド上映、湖水地方) 第 8回 自然保護思想の誕生 第 9回 ナショナル・トラストとピーター・ラビット (映画上映、「ミス・ポター} 第10回 観光の大衆化ーー開発か自然保護か? 第11回 海辺のリゾートの誕生 (スライド上映、ランズ・エンド) 第12回 海辺のリゾート地ブライトンについて 第13回 海辺の開発が始まる (スライド上映 ランズ・エンド) 第14回 多文化主義と観光 第15回 総括授業ーー「異文化の他者」との出会い 教科書・参考文献 教科書 森正人『英国風景の変貌―-恐怖の森から美の風景へ』里文出版 参考書 講義の中で紹介します 授業外での学習 海外への興味や関心を持つと、とても視野が広がります。海外の人々の視点に立ちながら、私たちの生き方と考 え方を見つめなおすと、思いがけない発見があります。海外旅行に出かけるつもりになって、テキストの予習や 復習をしたり、レポートの準備をしてください。 評価方法 レポート、出席状況、そして講義への取組姿勢などを総合的に評価して成績を決めます。具体的には2回のレポ ートの合計75%、出席点15パーセント、その他10パーセントの配分になります。 履修上の注意 一人の人間を理解するには、その人に会い、その人に向き合い、その人との対話を積み重ねていくことが必要で す。イギリスのこの講義では、国境を飛び越えて異文化の人々と出会うことの楽しさと難しさについて考えてい きます。 観光政-5 科目名 比較文化論 Cultural Anthropology Title 科目区分 観光政策基礎科目 担当教員 教授 担当教員との連絡方法 小牧 幸代(コマキ サチヨ) E-Mail 配当年次 1・2 単位区分 選択 単位数 開講時期 前期 目的 世界の人びとは、どのような宗教・文化的、政治・経済的な状況のもとで、どのような暮らしをしているのでし ょうか。この講義では、世界のさまざまな社会や文化の見方に関する「文化人類学」の基本概念を学びます。そ れによって、各地の社会・文化に固有の生活のあり方を理解するとともに、グローバル化がすすむ諸問題のなか にそれらを位置づけ直し、生活様式や価値観の多様性や創造性、あるいは混交のあり方などを、歴史的・同時代 的に比較の視点をもって考えていきます。最終的には、多様な生活様式や価値観を単に「他文化」のものととら えるのではなく、身近な例と比較する視点をもつことで「自文化」を振り返るきっかけをつかみます。理論が中 心の講義ですが、多数の画像を使うことで理解を容易にします。 達成目標 最近では、ニュース番組やドキュメンタリー番組だけでなく、バラエティ番組などでも世界のさまざまな社会の ユニークな文化のあり方が紹介されています。それらは私たちの文化とは全く「異質」のものとして取り上げら れることが多いのですが、果たして本当にそうでしょうか?本講義の目標は、文化に関する理論を学ぶことで、 「自文化/他文化」を意識化する時間・場所・状況に自ら気づけるようになることです。 スケジュール 第 1回 ガイダンス~文化人類学の目的と独自性、異文化理解と自文化理解、文化の比較とその困難 第 2回 文化人類学の歴史と概要~イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、日本 第 3回 文化の定義とその変遷、文化のモデルとしての言語 第 4回 文化人類学理論前史~大航海時代、宗教改革、啓蒙主義、植民地主義と帝国主義 第 5回 進化論1~社会ダーヴィニズムと婚姻形態・政治制度の発展段階説、狩猟採集民社会「コイサンマン」 第 6回 進化論2~原始宗教(アニミズム、フェティシズム、トーテミズム、マナイズム)と宗教の発展段階説 第 7回 進化論批判~文化相対主義と反文化相対主義・反反文化相対主義 第 8回 進化論批判~新進化論と伝播論・文化圏説 第 9回 機能主義~マリノフスキーが描いたメラネシア(トロブリアンド諸島)の贈与経済「クラ交換」 第10回 機能主義~エヴァンス=プリチャードが描いたアフリカの宗教と社会 第11回 構造主義~レヴィ=ストロース、エドマンド・リーチ 第12回 象徴人類学~ヴィクター・ターナー、メアリー・ダグラス、ダン・スペルベル 第13回 解釈人類学と実験的民族誌~クリフォード・ギアーツ、ヴィンセント・クラパンザーノ、アイケルマン 第14回 今日の動向~オリエンタリズム批判、ポストモダン人類学、ポストコロニアル人類学 第15回 まとめ 教科書・参考文献 教科書 毎回、資料を配付します。 参考書 綾部恒雄・桑山敬己編 『よくわかる文化人類学 第2版』 ミネルヴァ書房 授業外での学習 毎回配布するレジュメを授業後にも読むなどして知識の定着を図るとともに、その知識を活用し、常に身近な出 来事や現象に関心をもつよう心がけてください。そのなかで生まれた疑問は、授業中や授業の前後に、遠慮なく 教員にぶつけてみてください。 評価方法 レポート(40%) 定期試験(60%) 履修上の注意 授業で学んだ理論に基づいて、授業時間内にレポートを書く機会が4回あります(制限時間は15分)。その理論 を適用するための具体的な事例は、予め各自で図書館やインターネットなどで調べて、メモやノートにとるなど して授業に持参してください。どのような事例を調べてくるかについては、レポート実施回の直前の授業で指示 します。なお、レポートは1回10点満点で、内容に応じて10段階評価をします。 観光政-6 科目名 観光産業論 Tourism Industries Title 科目区分 観光政策基礎科目 准教授 担当教員 担当教員との連絡方法 伊佐 良次(イサ リョウジ) E-Mail 配当年次 1・2 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 観光産業は、観光客が求める財・サービスを供給する民間部門である。つまり、生産する財・サービス自体で定 義される一般の産業と異なり、ある観光地域を訪れる観光客の消費活動に依存する。したがって、観光産業を定 義する際には、地域の観光資源や産業構造を把握することと同時に、観光客の動向も捉えることが重要となる。 これらの項目が前半で講義する内容である。 後半では、観光産業が当該地域の経済や環境に与える影響(他産業への経済波及効果やごみ問題等)、観光に関 わる公的部門について解説を行う。講義形式として、受講する学生が観光産業を経済学的に理解できるように、 適宜、練習問題(達成度テスト)を解いてもらう。 達成目標 観光産業を構成する個々の産業、その経済効果や環境への影響を定量的に把握すること。 スケジュール 第 1回 講義ガイダンス 第 2回 観光産業の定義と特徴① 第 3回 観光産業の定義と特徴② 第 4回 観光客の消費① 第 5回 観光客の消費② 第 6回 宿泊業 第 7回 飲食業 第 8回 旅行業 第 9回 運輸業 第10回 観光産業の経済効果① 第11回 観光産業の経済効果② 第12回 観光産業と地域政策① 第13回 観光産業と地域政策② 第14回 観光産業と環境問題 第15回 達成度テストの解答と解説 教科書・参考文献 教科書 指定しない。 参考書 配布する講義ノートで紹介する。 授業外での学習 講義中に与えられた計算問題をExcelで検算すること。 評価方法 期末試験、授業態度などを総合して評価する。その具体的な評価方法は、第1回の講義ガイダンスで説明する。 履修上の注意 講義の際に、行列演算を行う。もし講義中に理解できなくても、別の機会に質問を受けるので、数学が苦手な学 生であっても、観光産業に関心があれば是非受講してほしい。 観光政-7 科目名 観光社会学 Sociology of Tourism Title 科目区分 観光政策基礎科目 准教授 担当教員 担当教員との連絡方法 石井 清輝(イシイ キヨテル) E-Mail 配当年次 1・2 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 前期 目的 現代社会において、観光は巨大な社会現象になっている。観光現象が人々の生活や意識に大きな影響を与える と同時に、人々の生活や意識のあり方の変容が観光現象の変質を生み出している。本講義では、このような観光 現象と社会との関係を中心に、社会学的な概念や理論、実証研究の蓄積を踏まえて、マクロ・ミクロな視点を交 差させつつ考察していく。具体的には、擬似イベント、社会のディズニーランド化、観光のまなざし、観光と地 域社会、オルタナティブ・ツーリズム、オーセンティシティ、グローバル化など、社会学的な概念、視点を通し て、実際に生じている観光現象について解説する。本講義は、①基本的な社会学的なものの見方、考え方を身に つけてもらい、観光現象を社会学的に説明できるようになってもらうこと、②現代社会における観光現象の特質 や実態を理解してもらうこと、の2つを目的とする。 達成目標 観光現象は複雑で多様な要因が絡まりあって生成している。このような複雑な社会現象である観光について、社 会学的な概念や理論によって説明し、さらに、観光社会学的な問いを設定できるようになることが受講生の目標 となる。 スケジュール 第 1回 ガイダンス 講義概要、スケジュール、評価方法 第 2回 観光社会学の対象と目的 観光社会学的な問いとは? 第 3回 擬似イベント論① ハワイ観光から考える 第 4回 擬似イベント論② 擬似イベント論の限界 第 5回 ディズニーランドの社会学① 消費社会とシミュラークル 第 6回 ディズニーランドの社会学② 社会のディズニーランド化 第 7回 観光のまなざし① 海浜リゾートの誕生 第 8回 観光のまなざし② 多様化・個別化するまなざし 第 9回 観光と地域社会① 観光まちづくりの理念 第10回 観光と地域社会② 観光まちづくりの現実 第11回 現代観光の動態① マスツーリズムとオルタナディブツーリズム 第12回 現代観光の動態② 観光におけるインタープリターの役割 第13回 現代観光の動態③ グローバル社会における文化観光 第14回 現代観光の動態④ グローバル化が提起する問題群 第15回 講義のまとめ 教科書・参考文献 教科書 特になし 参考書 安村克己ほか編『よくわかる観光社会学』ミネルヴァ書房 大橋昭一ほか編『観光学ガイドブック―新しい知的領野への旅立ち』ナカニシヤ出版 その他、講義内 授業外での学習 授業中に配布した資料を読み、学習内容の定着を図ること。新聞やニュースから観光に関する情報を積極的に収 集すること。 評価方法 授業態度及び毎回の小レポート(30%) 定期試験(70%) 履修上の注意 毎回、授業時間内に、授業内容に関連する小レポート(簡単な質問及び授業の理解状況の確認など)を書いても らいます。 観光政-8 科目名 観光資源論 Tourism Resources Management Title 科目区分 観光政策基礎科目 准教授 担当教員 担当教員との連絡方法 片岡 美喜(カタオカ ミキ) E-Mail 配当年次 1・2 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 前期 目的 わたしたちがドライブヘ出かけたり、旅行をしたりするとき、つまり“観光”するとき、有形無形の“資源” を目的にでかけ、利用し、その恩恵を受けている。例えば、美しい自然風景やめずらしい動物を見に行くことや スキーなどで雪山を利用することは、自然資源を活用した観光となる。また、古い町並みをおとずれること、祭 りや伝統芸能を楽しむこと、コンサートやスポーツ観戦に出かけることは、人が作り出した文化資源を活用した 観光である。このように“観光”は、自然・文化・人など、あらゆるものに価値を見出したことで生まれる“観 光資源”抜きには成立しない重要な関係にある。 この講義では、観光を“資源”の側面からとらえ、概念と成立の背景、識者による考え方の相違を理解したう えで、観光資源に関する基礎的な認識を養い、その保護と育成の方向性を学ぶ。 達成目標 ・「観光」にまつわる基本的な認識を身につけることができる。 ・「観光資源」とはなにか、自分の考えを含めて説明することができる。 ・「観光資源」の活用と、保全・保護の問題に対して説明することができる。 スケジュール 第 1回 講義ガイダンス * 講義の目的、授業評価、学んでほしいポイントなど 第 2回 「観光」とはなにか(1) 旅の歴史、「観光」概念の生成 第 3回 「観光」とはなにか(2) 「観光」の語源・定義、性質と特徴 第 4回 「観光資源」とはなにか 「観光資源」の語源、観光における観光資源の位置づけ 第 5回 観光資源概念の拡大と現状 拡大する観光資源概念を事例から理解する 第 6回 自然観光資源とその現状(1) 自然観光資源のとらえ方、国内での現状 第 7回 自然観光資源とその現状(2) 自然観光資源に関する法制度、政策など 第 8回 ケーススタディ(1) 講義内容に関する事例を映像資料等から学ぶ 第 9回 文化観光資源と政策(1) 文化観光資源のとらえ方とその政策が進展した背景を学ぶ 第10回 文化観光資源と政策(2) 同上 第11回 観光資源の保全と活用(1) 第12回 観光資源の保全と活用(2) 第13回 観光地の発展と観光資源の関係 観光地の発展を資源活用の観点から考える 第14回 ケーススタディ(2) 講義内容に関する事例を映像資料等から学ぶ 第15回 講義のまとめ 教科書・参考文献 教科書 参考書 基本的に、配布するレジュメを教科書に充てる。受講生が多い場合は、指定サイトからテキストを各 自ダウンロードし、プリントアウトのうえ、持参する方式とする。 足羽洋保『観光資源論』中央経済社、1997年 北川宗忠『観光資源と環境』サンライズ出版、2001年 授業外での学習 講義時間中に、講義時間外での学習について指示を行う。主には配布資料の読み込みなどである。 評価方法 講義内課題もしくはレポート(20%)、期末テストもしくは期末レポート(80%)を評価対象とする。 履修上の注意 第一回の講義ガイダンスでは、講義内容や評価について重要な説明をしているので、必ず出席すること。 観光政-9 科目名 社会起業論 Social Entrepreneurship Title 科目区分 観光政策基礎科目 准教授 担当教員 担当教員との連絡方法 八木橋 慶一(ヤギハシ ケイイチ ) E-Mail 配当年次 1・2 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 社会的企業は、社会的な課題(貧困、福祉、教育、環境など)をビジネスの手法を通じて解決をはかり、事業 であげた利益は株主のために使うのではなく、事業への再投資とコミュニティのために活用する事業組織と言わ れます。本講義では、この複雑な性格を持つ社会的企業について、ソーシャル・イノベーションや社会的経済と いった関連理論だけでなく、国際比較やケーススタディを通じてその実態をみていきます。そして社会的企業の 特徴、日本での捉え方を理解し、「社会を変える仕事」「社会起業」とは何であるのかについて、受講生が自分 の意見を持てるようになることを目的とします。 達成目標 ①社会的企業の多様性、他のセクター(営利法人や協同組合、NPO)との関係性を理解する。②社会的企業の 活動の盛んな諸外国との比較を通じて日本の社会的企業の特徴を把握する。 スケジュール 第 1回 イントロダクション:講義概要・講義の進め方・成績評価 第 2回 社会的企業の定義:社会起業家と社会的企業 第 3回 欧米の社会的企業 第 4回 日本の社会的企業 第 5回 社会的企業の事業戦略:ソーシャル・イノベーションとは? 第 6回 (ゲストスピーカー:社会起業家を予定) 第 7回 国際比較①アメリカ・イギリス:「ビジネス」重視のタイプ 第 8回 国際比較②イタリア・スウェーデン・韓国:「協同組合」重視のタイプと政府の役割 第 9回 日本のケーススタディ①:ビッグイシューほか 第10回 日本のケーススタディ②:ワーカーズ・コレクティブほか 第11回 ソーシャル・マーケティング 第12回 ソーシャル・ファイナンス 第13回 (ゲストスピーカー:ソーシャル・ファイナンスの専門家を予定) 第14回 社会的企業の評価 第15回 まとめ 教科書・参考文献 教科書 山本隆編『社会的経済:もうひとつの経済』法律文化社2014 参考書 神野直彦・牧里毎治編『社会起業入門:社会を変えるという仕事』ミネルヴァ書房2012 谷本寛治 編『ソーシャル・エンタープライズ:社会的企業の台頭』中央経済社2006 授業外での学習 次回の授業範囲について、教科書や参考書、関連文献を読んで予習してください。また、授業後は必ずノート や配付資料に目を通し、復習をしてください。 評価方法 期末試験80%、小レポート20%で評価します。 履修上の注意 授業中の私語、携帯電話は厳禁です。小レポートを適宜課しますので、普段から出席していない場合は単位の 取得が難しくなります。 観光政-11 科目名 異文化コミュニケーション Intercultural Communication Title 科目区分 観光政策基礎科目 担当教員 講師 担当教員との連絡方法 木暮 律子(コグレ リツコ) E-Mail 配当年次 1・2 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 文化的背景の異なる人々が交わる異文化接触場面では、コミュニケーション上のさまざまな問題が生じる。本 講義では、そうした異文化間のコミュニケーションについて取り上げ、異文化間の誤解や摩擦が生じる原因を考 察しながらその解決方法を探っていく。 前半の講義では、異文化コミュニケーションを理解するうえで重要な概念について概説するとともに、異文化 理解に関するセルフチェックを通して、自分自身の行動や考え方、コミュニケーションの取り方を振り返る。 後半の講義では、異文化間協働のグループ・ワークを行い、実践的なトレーニングを通して、異文化コミュニ ケーション能力を身に付ける。 達成目標 1)異文化間における「誤解」の原因を理解し、異文化接触場面において有効なコミュニケーション・スキルを 身に付ける。 2)自分が属する文化・社会における行動様式とその特徴を理解し、異文化接触場面における問題を解決してい く力を養う。 スケジュール 第 1回 ガイダンス 講義概要の説明 第 2回 コミュニケーション・ギャップ体験 文化とは何か 第 3回 コミュニケーションとは何か コミュニケーション・スタイル 第 4回 非言語コミュニケーション-身体動作・空間の使い方・時間の感覚 第 5回 自己開示 ステレオタイプ 異文化適応 第 6回 トレーニング(1) 日本語を母語としない人のことを考えて書く 第 7回 トレーニング(2) 日本語を母語としない人のことを考えて話す 第 8回 わかりやすさとコミュニケーション 相手に伝えるための工夫 第 9回 トレーニング(3)「やさしい日本語」による情報提供① 第10回 トレーニング(4)「やさしい日本語」による情報提供② 第11回 グループ・ワーク(1) 課題の作成 第12回 グループ・ワーク(2) 課題の検討・修正 第13回 グループ・ワーク(3) 課題の完成、発表準備 第14回 発表会 課題の発表・評価 第15回 まとめ 評価結果発表・講評 教科書・参考文献 教科書 指定しない。プリントを配布する。 参考書 講義のなかで紹介する。 授業外での学習 スライド資料は、講義終了後にポータルサイトにアップする。各自ダウンロードして復習に活用すること。 評価方法 受講シートの内容(40%)、課題・発表(20%)、レポート(40%)を総合的に判断したうえで評価する。 ※出席回数が3分の2に達しない者は評価の対象としない。 履修上の注意 本講義では出席と受講シートの記述を重視し、受講生による積極的な発言、活発な意見交換を期待する。遅刻や 授業中の私語・携帯電話は厳禁。ルールを守れない学生は受講を認めない。 ※第1回の授業で講義の概要や評価方法、履修上の注意について説明するので受講希望者は必ず出席すること。 観光政-12
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