科目名 法学 Japanese Law Title 科目区分 基幹教養 担当教員 教授 担当教員との連絡方法 齋藤 康輝(サイトウ コウキ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 前期 目的 物事を法的・論理的に考え、的確に判断する能力(リーガル・マインド)を養うため、基礎的な法知識を習得 して、その解釈適用を基本的な事例を通じて学ぶ。 ところで、「法」を意味するドイツ語のRecht (レヒト)は、同時に「権利」という意味もあるので、「法」 と「権利」は一体のものといえる。また、このRechtには「正義」という意味もある。つまり、本来、法や権利 はひとつの正義が実現されたものであり、法を学ぶ目的は、正義とは何かを考えることでもある。 本講義では、テキストの目次に沿って法の体系に基づいた項目を順次取り上げるが、できる限りライフステー ジを意識した展開を心がけ、視聴覚教材を多用したり、各種書類(出生届、婚姻届その他)のコピーも配布する などして、法律を身近なものとして実感できるような授業を行う。 達成目標 法学の基礎知識を身につけ、論理的な思考方法によって難しいテーマと向き合うことの大切さを理解する。そ して、自分の意見が言えるようになることを目ざす。 スケジュール 第 1回 法の学び方(パワポプレゼン) 第 2回 法の概念 第 3回 法の目的・機能 第 4回 法の存在形式(法源論)、法の分類 第 5回 法の解釈と適用 第 6回 人権と法(パワポプレゼン) 第 7回 統治と法 第 8回 家族と法(1) 第 9回 家族と法(2) 第10回 財産と法 第11回 犯罪と法(パワポプレゼン) 第12回 企業と法、雇用と法 第13回 裁判と法(パワポプレゼン) 第14回 行政と法 第15回 情報と法 教科書・参考文献 教科書 高橋雅夫編『Next教科書シリーズ 法学』(弘文堂、2015年) 参考書 齋藤康輝他共著『アトラス 法学憲法』(文教出版会、2014年) 授業外での学習 教科書を熟読すること。 評価方法 受講状況(30%)、定期試験の成績(70%)で評価する。 履修上の注意 私語厳禁! 基幹教-1 科目名 法学 Japanese Law Title 科目区分 基幹教養 担当教員 教授 担当教員との連絡方法 新田 浩司(ニッタ ヒロシ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 この授業では国民として、住民として生活する上で必要な法というものの考え方、及び国家の根本法である憲法 について、現実に発生する様々な問題にも言及しつつ講義を進める。初めて法学を学ぶ者も法的思考にはどのよ うな特殊性があるのかを理解し、法学の基本概念、現代法の仕組みや基本原則などの基本的な知識について学ぶ ことにより、専門科目での各法学科目を学ぶ際の基礎を作るものとする。 達成目標 一般教養としての「法学」の知識の習得と、法的なものの考え方や法学の学び方についての素養を身につけるこ とを目標とする。 スケジュール 第 1回 ガイダンス 第 2回 法と法学 第 3回 法と国家 第 4回 法と他の社会規範との関係 第 5回 法の目的 第 6回 法の構造 第 7回 法の淵源 第 8回 法の分類 第 9回 法の解釈 第10回 法の適用-法が適用される事実、法を適用する機関- 第11回 法の効力 第12回 権利と義務 第13回 憲法とは何か 第14回 日本国憲法の概要 第15回 総括(まとめ) 教科書・参考文献 教科書 名雪健二編著『公法基礎入門〔改訂増補版〕』 参考書 六法を持参することが望ましい(スマートフォン等のアプリでも可)。 授業外での学習 教科書を熟読すること。また、新聞やTV等から法律に関連する情報を積極的に収集し何が問題なのかを自分なり に分析してみること。分からないことがあれば、積極的に質問すること。 評価方法 出席状況、期末試験の成績により評価する。 履修上の注意 授業中の私語は厳禁です。 基幹教-2 科目名 政治学 Political Science Title 科目区分 基幹教養 担当教員 担当教員との連絡方法 非常勤講師 加藤 秀治郎(カトウ シュウジロ ウ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 前期 目的 政治学全般にわたる概説を行なう。その際、日本政治に関する説明を多くする。内容は、スケジュールのタイト ルを見てもらえば分かるように、全般をカバーしている。従って、公務員試験(国家II種、地方上級など)にも 対応できる内容となっているので、志望者はぜひ受講されたい。 達成目標 政治学全般について基本的知識を得るようにする。特に日本政治について理解を得るようにする。 スケジュール 第 1回 政治権力 第 2回 政治的リーダーシップ――日本の政治指導 第 3回 政治思想とイデオロギー 第 4回 デモクラシーの理論 第 5回 近代国家と議会制民主主義――近代日本の政治制度 第 6回 政党と政党制――日本の政党制 第 7回 圧力団体と住民運動――日本の圧力団体 第 8回 選挙制度――日本の選挙制度 第 9回 政治意識と投票行動――日本の投票行動 第10回 官僚制――日本の官僚制 第11回 大衆社会の政治 第12回 現代社会における国家 第13回 国際政治――国際社会と日本 第14回 政治学の理論 第15回 比較政治学の理論 教科書・参考文献 教科書 堀江湛『政治学・行政学の基礎知識 第3版』一藝社、2500円 参考書 加藤秀治郎『日本の統治システムと選挙制度の改革』一藝社、2200円 授業外での学習 テキストの章だてにそって講義するので、予習としては当該の章を読んでおくことが望ましい。復習としては、 やった分につき読み直しておけば理解が深まろう。 評価方法 期末試験の評価を中心とする(80%)。10回目前後に、中間試験に類する試験を行い、参考にする(20%)。 履修上の注意 教科書にそって講義を進めるので、履修者は毎回、持参のこと。参考書は、各自で関心のある部分を読んで、質 問があれば受けることとする。 基幹教-3 科目名 政治学 Political Science Title 科目区分 基幹教養 担当教員 教授 担当教員との連絡方法 増田 正(マスダ タダシ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 現代政治学の基礎的な概念と理論について、具体的な事例を挙げながら平易に解説する。講義の範囲は、プラ トン、アリストテレス以来の古典的政治学ではなく、主として20世紀前半に成立した現代政治学とその展開であ る。今日、統治システムとしては、代議制民主主義が支配的であるが、情報技術の革新が驚くべき速度で進展し ており、政府の電子化は統治機構を変容させつつある。たとえば、アラブ諸国の「ジャスミン革命」は、SNS等 のコミュニケーションメディアのもつ潜在力を我々に示した。また、熟議民主主義を実現するため、討論型世論 調査(DB)などの新手法も登場してきている。今後は政府と有権者の間の双方向性が強まることが予想される。 本講義では、20世紀の政治学の展開を概観したうえで、21世紀の政治学を展望することになろう。 達成目標 社会科学の一分野である政治学の学問的な位置について理解し、政治学的アプローチの基礎を身につけられる ようにする。本講義では、政治現象を後付けで解説する政治評論や、自説の展開に終始する教義的論説を避けな がら、教養的な政治学を身につけることによって、バランスのとれた政治感覚を養成したい。 スケジュール 第 1回 ガイダンス 第 2回 政治学の成立と展開 政治科学としての現代政治学 第 3回 直接民主主義、間接民主主義、SNSと民主主義 東浩紀の一般意志2.0 第 4回 多数決型の政治と合意型の政治 ウェストミンスター・システムの規範性と逸脱 第 5回 熟議型民主主義の成立可能性 フィシュキンの討論型世論調査とサンスティーンの集団極化 第 6回 政党システム論の形成と展開 デュヴェルジェの分類とサルトーリの類型 第 7回 包括政党とカルテル政党 キルヒハイマーからカッツとメイヤーまで 第 8回 脱物質主義と静かなる革命 イングルハートの脱物質主義仮説をめぐって 第 9回 日本の政治を考える 政治改革から自民党一党優位への回帰まで 第10回 大統領制・議院内閣制・半大統領制 アメリカ、イギリス、日本、フランスの政治 第11回 議会の類型 変換型議会とアリーナ型議会 第12回 政治過程と政策過程 政策過程の5つのステージ 第13回 圧力団体と住民運動 圧力政治と日本の圧力団体 第14回 投票行動の理論 争点投票モデル、業績投票モデル 第15回 総括授業(講義のまとめ) 教科書・参考文献 教科書 堀江湛編 『政治学・行政学の基礎知識』(第3版)一藝社(2014) 参考書 池谷知明、河崎健、加藤秀治郎編著 『新西欧比較政治』 一藝社(2015) 授業外での学習 シラバスに対応した講義項目に関する事前学習(予習)を行うとともに、講義後にもテキストで内容を復習して おくことが望まれる。 評価方法 学年末試験と平常点(質問・コメント、授業参加度)によって採点する。毎回授業の途中で質問・コメント記入 時間を設け、優秀なものには加点する。 履修上の注意 出席はコメントペーパーにより把握する。学生証による出欠情報は予備的にしか活用しない。出席は義務であり 出欠は厳格に管理する。 基幹教-4 科目名 行政学 Public Administration Title 科目区分 基幹教養 担当教員 担当教員との連絡方法 非常勤講師 新垣 二郎(アラカキ ジロウ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 前期 目的 わが国では、国・都道府県・市区町村という3層の政府レベルを通じて多種多様な行政が展開されています。こ れらの行政活動は、「ゆりかごから墓場まで(from the cradle to the grave)」と言われるように、我々が日 常生活を送る上でのほぼ全ての場面に影響を及ぼしていると言っても過言ではありません。ただし、果たして行 政がどの程度まで我々の生活を支えるべきかという点については、各国の成立経緯や為政者の方針、社会状況な どによって自ずと異なってきます。 本講義では、「歴史」という縦軸と「国際比較」という横軸を意識しながら、わが国における行政の制度構造や 改革動向を多角的に解説していきます。行政というものをめぐる理論・視座の形成や変容がどのような形で実際 の行政活動に影響を与えたか、そのダイナミズムを理解してもらうことが本講義の目的です。 達成目標 行政に関する基本的知識や歴史的経緯、および現状における意義と課題などを総合的に理解することで、受講者 自らが市民としての自覚を持ち、今後のわが国の行政のあり方について主体的な考えを展開できるようになるこ とを目標とします。 スケジュール 第 1回 イントロダクション(講義概要、スケジュール、成績評価の確認など) 第 2回 行政の役割と守備範囲 第 3回 内閣制度 第 4回 中央省庁の組織編成 第 5回 国家公務員制度 第 6回 政策過程 第 7回 予算編成 第 8回 行政管理と行政改革 第 9回 行政責任と行政統制 第10回 地方自治 第11回 中央地方関係 第12回 官僚制論① 第13回 官僚制論② 第14回 行政学説史 第15回 講義全体の総括・確認 教科書・参考文献 教科書 参考書 特定の教科書は指定しません。各回の講義は、講師が用意したpowerpoint資料をもとに進める予定で す。 必要に応じて講義のなかで紹介します。 授業外での学習 特に規定を設けませんが、なるべく日常的に政治行政に関するニュースに触れるよう努めて下さい。また、各回 の講義に臨む際には、事前に前回の講義内容をよく確認しておいて下さい。 評価方法 期末試験60%、平常点(リアクションペーパー、小テストなど)40% 履修上の注意 各回のテーマはあくまで目安であり、講義の進捗状況や受講生の関心等によって変更する場合があります。 講義内容に関して質問がある場合は毎回配布するリアクションペーパーに記入して下さい。可能な限り次回の講 義で返答していきます。なお、リアクションペーパーは出席状況を確認する意味も含みます。名前・学籍番号等 の基本情報以外の部分を白紙で提出した場合は欠席扱いとします。 基幹教-5 科目名 行政学 Public Administration Title 科目区分 基幹教養 担当教員 教授 担当教員との連絡方法 佐藤 徹(サトウ トオル) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 ・行政の果たすべき役割が増大する今日において、まずはその実態面として、国及び地方自治体の組織と構造を 把握する。つぎに、行政管理の理論と実態を理解した上で、政策過程について学習する。また英国等の行政改革 から培われたNPMがわが国にどのような影響を与えたのか等について検討する。また地方自治の観点から、参加 と協働、ガバナンスに焦点を当て、その歴史・理念・手法について考究する。そして、行政学がこれまでどのよ うに「行政」を捉え、どのような理論を構築してきたかについて概観する。 ・将来、政府や自治体をはじめ公共部門で活躍したいと考えている学生にとっては、非常に有用な内容となるで あろう。 ・以下のスケジュールはあくまで目安であり、臨機応変に進めていく。 達成目標 人口減少、少子・高齢化、価値観の多様化、財政危機の深刻化等により、国及び地方自治体は国民・住民に対す る説明責任を果たしながら、サービスの効率化や成果重視の行政運営が求められている。こうした中、行政はい かにして国民・住民のニーズに対応した政策を立案・実施し、問題解決を図ればよいのだろうか。こうした問題 意識に立脚しながら、「行政」の実態を構造的に把握でき、学術的に考察できるようになることをめざす。 スケジュール 第 1回 イントロダクション 講義概要、スケジュール、成績評価、注意事項等 第 2回 「行政」とは何か 行政学における「行政」の定義 第 3回 中央政府の組織と構造 議院内閣制、内閣、国会 第 4回 地方政府の組織と構造 二元代表制、首長、地方議会 第 5回 行政管理と計画行政 行政計画、総合計画、分野別計画の策定と管理 第 6回 行政管理と予算編成 予算編成の手法と過程、増分主義、枠配分予算 第 7回 政策過程の理論と実態(1) 問題発見とアジェンダ・セッティング 第 8回 政策過程の理論と実態(2) 政策決定のモデル 第 9回 政策過程の理論と実態(3) 政策の評価 第10回 行政改革とNPM サッチャー以降の諸改革とNPM、日本の行政改革への影響、ポストNPM 第11回 自治と参加(1) 市民参加の歴史と変遷 第12回 自治と参加(2) 政策過程における市民参加とその方法 第13回 自治と参加(3) 協働、ガバナンス、地域経営 第14回 行政学の理論 ドイツ官房学、政治・行政融合論、官僚制理論 第15回 本講義の全体総括 教科書・参考文献 教科書 講義のなかで指示、紹介する。 参考書 必要に応じて講義のなかで指示する。 授業外での学習 次回の授業範囲について、配布資料をダウンロードし、ひと通り目を通しておくこと。また、新聞やニュースな どに関心を持って、積極的に行政や政策に関する情報の収集に努めること。授業後は、関連文献などを適宜参照 し、学習内容の定着を図ること。 評価方法 定期試験又はレポート(100%)。ただし、授業における積極的な発言は別途加点する。 履修上の注意 ・受講意志のある者は第1回目の講義(イントロダクション)に必ず出席すること。 ・講義で使用する資料は原則として佐藤徹研究室ホームページに掲載する。各自ダウンロード・印刷して講義に のぞむこと。なおデータを開くためには講義中に知らせるパスワードが必要である。 基幹教-6 科目名 経済学 Economics Title 科目区分 基幹教養 担当教員 担当教員との連絡方法 非常勤講師 宇都宮 仁(ウツノミヤ ヒトシ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 前期 目的 新聞の記事には,毎日多くの経済問題が掲載されている。たとえば株価やガソリンの価格の高騰や暴落,企業の 合併,為替レートの変動などで,いずれも私たちの生活に大きな影響を及ぼすものである。これらの経済問題に 対し,自分の頭で考え,理解するためには経済学の考え方を身に着ける必要がある。 本講義では日常生活から経済問題まで,様々なテーマを例にとりながら,経済学の考え方,分析方法について学 習する。 達成目標 ミクロ経済学・マクロ経済学のそれぞれの視点,考え方について理解を深め,日々の経済ニュースの背後にある メカニズムについて理解できるようになることが目標となる。合わせて,公務員試験の経済学分野の基礎知識の 習得も目指す。 スケジュール 第 1回 経済学とはどのような学問か:経済学的思考,ミクロ経済学とマクロ経済学の違いの解説。 第 2回 ミクロ経済学①:需要と供給の分析。 第 3回 ミクロ経済学②:消費者行動から需要曲線を考える。 第 4回 ミクロ経済学③:生産者行動から供給曲線を考える。 第 5回 ミクロ経済学④:市場の価格メカニズムと余剰分析。 第 6回 ミクロ経済学⑤:ゲーム理論の考え方。 第 7回 ミクロ経済学⑥:独占的競争と完全競争。 第 8回 ミクロ経済学⑦:外部効果のある経済と政府の役割。 第 9回 マクロ経済学①:マクロ経済における需要と供給。 第10回 マクロ経済学②:有効需要と乗数メカニズム。 第11回 マクロ経済学③:貨幣の需要と供給。 第12回 マクロ経済学④:マクロ経済政策とそれをめぐる論争。 第13回 マクロ経済学⑤:インフレと失業の関係。 第14回 マクロ経済学⑥:財政政策の短期的・長期的考察。 第15回 マクロ経済学⑦:経済成長と経済発展。 教科書・参考文献 教科書 伊藤元重「入門経済学(第4版)」日本評論社 参考書 適宜紹介する。 授業外での学習 事前に指定した教科書をよく読み予習すること。また新聞などにも目を通し,講義に関連する記事は読んでおく こと。 評価方法 出席課題 10% 中間課題 30% 期末試験 60% 履修上の注意 毎講義後にその日に習った内容の小テスト(出席課題)を行なうので,講義はしっかりと聞き,わからないこと がある場合には,できるだけ講義中に質問できるようにすること。 基幹教-7 科目名 経済学 Economics Title 科目区分 基幹教養 准教授 担当教員 担当教員との連絡方法 米本 清(ヨネモト キヨシ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 現代社会は経済的な要素のみで成立しているわけではないが、ほとんどの物事は経済的な要素を考慮することな くして語ることができなくなっている。 本科目では経済学の諸理論に基づき、実際の社会や政治を考察する。 経済学の諸理論は一般的に抽象性が高いが、初歩的な知識から昨今の新しい理論まで、現実経済への応用例も含 めて幅広く紹介する予定である。この分野を特徴づける数多くの学派、学説に触れることで、現実の経済をさま ざまな角度から眺め、最終的に自分の頭で理解し、考察するための素養を培う。随時、具体的なトピック、特に 経済問題とからめて理解を深める。 達成目標 ・日本経済や世界経済の実態に関する大学レベルのトピックに触れる。 ・経済学の分析対象やその可能性、限界について理解する。 ・マクロ経済学・ミクロ経済学の基本的な考え方を知る。 ・学習した範囲で、現実の経済情勢を考察する。 スケジュール 第 1回 経済学への導入 経済学の考え方 第 2回 経済学とは何か? 考察の枠組 第 3回 GDPを理解する(1) マクロの経済指標と三面等価 第 4回 GDPを理解する(2) GDPの決定 第 5回 景気の動きをつかむ(1) 日本の景気 第 6回 景気の動きをつかむ(2) 景気対策 第 7回 個人・家計の選択(1) ミクロ経済学的な視点 第 8回 個人・家計の選択(2) マクロ経済学的な視点 第 9回 企業の営み(1) 企業の行動 第10回 企業の営み(2) 生産・出荷・在庫,資金繰り 第11回 市場メカニズムの働き 効率性と市場の失敗 第12回 金融を理解する 金融の仕組み 第13回 財政・社会保障を理解する 歳出と歳入 第14回 経済の開放・グローバル化 貿易と国際収支・国際金融システム 第15回 残った話題・まとめ 教科書・参考文献 教科書 浅子和美・石黒順子『グラフィック経済学(第2版)』新世社 参考書 伊藤元重「入門経済学(第4版)」日本評論社 授業外での学習 毎回、教科書の該当する章を予習するとともに「考えてみよう」の部分を読み、自ら考えてから出席すること。 評価方法 途中2回、小テストを実施する。小テスト(30%)、定期試験(70%)により総合的に評価する。 履修上の注意 授業には積極的に参加し、小テストでは自らの頭で考えた解答を示して下さい。 基幹教-8 科目名 経営学 Business Management Title 科目区分 基幹教養 担当教員 講師 担当教員との連絡方法 若林 隆久(ワカバヤシ タカヒサ ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 前期 目的 企業は、現代の社会において大きな役割を果たしており、様々な形で私たちの生活に関わっている。また、多く の人が企業内で働くこととなり、人生の少なくない時間を企業内で過ごすことになる。そこで、本講義では、企 業とは何か、経営とは何か、優れた経営とは何か、企業と個人の関係、企業と産業の関係、について理解を深め ることを目的とする。受講者が実践的・主体的に現実の企業を捉えられるようになることを目指すため、できる 限り身近な実際の企業の事例を取り上げながら授業を行う。その上で、授業で学んだことがいかに現実に活用で きるかを考えてもらう。 達成目標 本講義の到達目標は以下の2点である。 1. 経営学全般にわたって基礎的な知識、概念、専門用語、考え方を身に付ける。 2. 現実の企業や産業に対して、それらの考え方を適用し、自分なりの考えを述べることができるようになる。 スケジュール 第 1回 イントロダクション、企業とは何か 第 2回 企業の目的・活動 第 3回 経営資源、企業の仕組み 第 4回 資金調達、財務諸表、会社制度 第 5回 企業グループ、財閥 第 6回 経営戦略 (1):全社戦略 第 7回 経営戦略 (2):事業戦略 第 8回 マーケティング 第 9回 消費者行動 第10回 イノベーション 第11回 リーダーシップ 第12回 モチベーション 第13回 キャリア、人的資源管理 第14回 日本企業の経営管理の仕組みと特徴 第15回 講義のまとめ・振り返り 教科書・参考文献 教科書 教科書は定めず、毎回講義資料を配布する。 参考書 講義開始時および講義の進行状況に応じて、適宜紹介する。 授業外での学習 配布資料や授業中に紹介した参考文献に目を通し、授業内で十分に理解できなかった内容についてもしっかりと 理解するように努めること。また、学んだ内容に関連する事柄について、新聞、ニュース、Web上の記事、企業 のホームページなどをチェックすること。 評価方法 講義内で実施する提出物(約30%)、期末試験(約70%)をもとに評価する。 履修上の注意 講義中に、講義内容に関連する小レポートを課すことがある。受講者には、経営や組織に関連する身近な現象に 興味関心を持ち、それに対する自分の感想・考えを表現することが求められる。 基幹教-9 科目名 経営学 Business Management Title 科目区分 基幹教養 担当教員 教授 担当教員との連絡方法 坪井 明彦(ツボイ アキヒコ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 今日の経済社会において企業の果たす役割は大きく、その存在は私たちの生活に大きな影響を与えています。 経営学はこのような企業行動の解明を研究対象にしています。この講義では、企業がどのように経営活動を行っ ているのかについて、事例を用いて解説します。講義の目的は、こうした事例と関連付けて、経営学の基本的な 用語や概念を理解することにあります。 また、企業経営の全体像―社会全体の中での企業の役割、企業を動かす仕組み、企業と企業の関係、製造過程 の管理、社員の行動、人材育成の仕組み、製品販売の方法―を理解することも目的としています。 達成目標 この講義の到達目標は次の二つです。 1. 企業の事例と関連付けて、経営学の基本的な用語や概念を説明できる 2. 経営学の基本的な用語や概念を正しく理解し、自分が所属する組織の運営に活用できる スケジュール 第 1回 ガイダンス 講義概要、スケジュール、評価方法の説明 第 2回 会社の経営とはどんなことか―企業経営入門 企業、経営、管理、ゴーイング・コンサーン、株式会社 第 3回 会社はどのようにして社会に役立っているのか―企業 企業の3機能、NPO、私的セクター、共的セクター、社会的責任 第 4回 会社は誰が動かしているのか―コーポレート・ガバナンス 所有と経営の分離、株主、執行役員、コーポレート・ガバナンス 第 5回 会社はどのような方針で動いているのか―経営理念と戦略 経営理念、企業ドメイン、経営戦略、PPM 第 6回 会社はどんな仕組みで動いているのか―組織形態 組織形態、職能別組織、事業部制組織、マトリックス組織、カンパニー制 第 7回 会社は他の会社とどのように協力しているのか―組織間関係 組織間関係、系列・下請、サプライ・チェーン・マネジメント、企業集団 第 8回 会社はどのようにしてモノを造るのか―生産管理 テイラー・システム、規模の経済性、QCサークル 第 9回 社員は仕事をどのように分担しているのか―組織構造と職務設計 組織構造、分業、学習効果、職務設計 第10回 社員はなぜ働くのか―モチベーションとリーダーシップ 職務満足、キャリア、モチベーション、リーダーシップ 第11回 社員はなぜ組織にとどまろうとするのか―雇用システム 職務、終身雇用、定年制 第12回 社員はどのような報酬を求めるのか―報酬制度 内的報酬、外的報酬、年功賃金、成果主義、目標管理 第13回 社員はどのようにして育てられるのか―人材育成制度 OJT、OFF-JT、キャリア・デザイン、 第14回 会社はどのようにしてモノを売るのか―マーケティング マーケティング、STP戦略、差別化、マーケティング・ミックス 第15回 会社は海外でどのように経営しているのか―国際経営 海外直接投資、プロダクト・サイクル論 教科書・参考文献 教科書 上林憲雄ほか 『経験から学ぶ経営学入門』 有斐閣ブックス 2007年 参考書 受講生の興味や理解度に合わせて適宜紹介します。 授業外での学習 次回の授業範囲に関連する項目について、指定した教科書をよく読み、予習しておくほか、ビジネス雑誌などの 関連記事から積極的に情報収集すること。また、授業後は必ず配布資料に目を通し学習内容の定着を図ること。 評価方法 期末試験と受講状況(平常点)を70%と30%で配分し、評価します。 履修上の注意 講義は、基本的にテキストに沿った内容で進めます。なお、授業の最初にプリントを配ります。遅刻は、平常点 から減点します。 遅刻しないようにしてください。 基幹教-10 科目名 社会学 Sociology Title 科目区分 基幹教養 准教授 担当教員 担当教員との連絡方法 森 周子(モリ チカコ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 前期 目的 *社会学的思考を身につける。 *社会学の多様性と可能性とを知る。 *社会学の成り立ちと現状を理解し、今後の展開可能性を考える。 達成目標 *社会学的思考を駆使して現代社会を自分なりに分析できるようになる。 *社会学の歴史、主要な理論、主要な研究者の主張に対する理解を深める。 スケジュール 第 1回 ガイダンス&はじめに:社会学とはどのような学問か 第 2回 社会学前史 第 3回 ウェーバーの社会学 第 4回 ウェーバーの社会学(つづき) 第 5回 デュルケムの社会学 第 6回 テンニエスとジンメルの社会学 第 7回 機能主義 第 8回 機能主義(つづき) 第 9回 現象学的社会学とシンボリック相互作用論 第10回 社会システム理論と批判理論 第11回 社会システム理論と批判理論(つづき) 第12回 ブルデューの社会学 第13回 ギデンスの社会学 第14回 福祉社会学 第15回 福祉社会学(つづき) 教科書・参考文献 教科書 富永健一(1995)『社会学講義―人と社会の学』中公新書 参考書 新睦人・大村英昭・宝月誠・中野正大・中野秀一郎(1979)『社会学のあゆみ』有斐閣選書 新睦人編(2006)『新しい社会学のあゆみ』有斐閣アルマ 授業外での学習 次回の授業範囲に関連する科目について、テキストをよく読み、予習しておくこと。また、講義後は必ずノート やレジュメに目を通し、学習内容の定着を図ること。 評価方法 期末試験(100%)。 履修上の注意 基幹教-11 科目名 社会学 Sociology Title 科目区分 基幹教養 准教授 担当教員 担当教員との連絡方法 佐藤 彰彦(サトウ アキヒコ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 本講義では、受講生が社会学の基礎的な視角を理解し、そこから得られる多様性と可能性を学び、社会学的な思 考を身につけることを目的とする。したがって、講義内容を理解・習得する過程において、自分たちが直面して いる社会で生起しているさまざまな事象を、社会学的な視座から捉え、自ら仮説を立て、発展的に理解できる思 考を身につけることを期待する。 達成目標 本講義では、主として講義で扱う事項を中心に、受講生には主に次のことを理解・習得し、それらを発展的に適 用できることを期待(=目標と)する。①家族、都市と地域、国家と社会を取り巻く社会経済状況の変容過程と それらの現代的特徴について理解し、説明できる。②少子化・高齢化・人口減少など縮小社会の特徴についての 理解し、説明できる。③現代の社会問題や生活問題に関する理解を深め、考えることができる。 スケジュール 第 1回 オリエンテーション──社会学という学問と視座 第 2回 家族の形態/機能とその変容 第 3回 世代/家族とライフコース 第 4回 教育と職業 第 5回 社会階層と格差 第 6回 国家と社会―制度としての権力 第 7回 国家とグローバル化/トランスナショナル──社会変容/地球規模の課題 第 8回 社会集団と組織/ネットワーク化 第 9回 メディアとコミュニケーション 第10回 少子化・高齢化・人口減少の進展と縮小社会 第11回 産業社会の変化/組織の変容 第12回 都市化・過疎化の進行と変容する地域社会 第13回 貧困、社会的排除、社会的孤立 第14回 犯罪・逸脱・社会問題 第15回 社会問題と社会運動/市民活動 教科書・参考文献 教科書 参考書 基本は授業で配布するレジメ。社会学初学者向けに、長谷川公一・浜日出夫・藤村正之・町村敬士『 社会学』(有斐閣、2007) 参考文献については、講義のなかで適宜紹介する。 授業外での学習 講義内容の理解を深めるため、毎回の講義に関連する教科書・参考書の該当箇所を予復習することが望ましい。 評価方法 ①出席+コメントシート+発言【10~20点】、②中間レポート【30点】、③期末試験【50点】。成績は、出席状 況、レポート、試験を総合的に判断して評価する。 履修上の注意 社会学的な思考を習得し、現代社会を「良い意味で批判的にとらえる」習慣を身につけることは、実社会で大い に役立つスキルとなる。したがって、その習得のためにも、(大教室での授業となるため、教員と受講生の双方 向コミュニケーションは困難なことが予想されるが、)毎回の講義で扱う各テーマには各自、積極的な姿勢で取 り組むことを期待する。 基幹教-12 科目名 地理学 Geography Title 科目区分 基幹教養 担当教員 担当教員との連絡方法 非常勤講師 堤 純(ツツミ ジュン) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 前期 目的 地理学とくに人文地理学の諸分野とその基礎的概念、考え方、分析視点を理解する。地理学は歴史のある学問分 野であると同時に、GPSやGISのように、最先端のITにも関わる先進的な学問でもある。この授業では、地理学の カバーする領域を幅広く取り上げる。歴史、文化、都市、農村、交通、移民等々はみな地理学の手法が有効に活 用できるトピックスである。このような現代的な事例を紹介しながら、この授業では地理学の視点から地域をみ る目を養うことを目的とする。 達成目標 様々な地域問題の背景、所在、現況、展望等を理解し具体的な問題について自ら方策を考えられるようになる。 また、それらをわかりやすく説明する能力を身に付ける。 スケジュール 第 1回 「土地利用」という指標 古くて新しいキーワード 第 2回 城下町の土地利用 (松山の城下町プランと武家屋敷、町人街、寺町など) 第 3回 日本の土地利用の基本パターン(平野と丘陵地、里山と「原風景」など) 第 4回 農業的土地利用のパターン(チューネンモデルで考える地域) 第 5回 オーストラリアの農業(ライフスタイルから考える農業のパターン) 第 6回 果樹生産の歴史的・文化的背景(ニシンとリンゴの不思議な関係・・・北海道余市町の事例) 第 7回 厳しい自然環境の克服と栽培作物選択(北海道十勝平野の事例) 第 8回 工業的土地利用のパターン(ウェーバーモデルで考える地域) 第 9回 プロダクトサイクル理論と工業地域(町工場からみた地域) 第10回 商業中心地の立地パターン(クリスタラーの中心地理論からみた地域) 第11回 大型専門店と中心商業地(都市住民のライフスタイルから考える地域) 第12回 都市の内部構造(バージェス・ホイト・ハリスアルマンモデルからみた地域) 第13回 都市成長と企業行動(「支店経済」からみた地域・・・札幌の事例) 第14回 都市成長と移民1(ニューヨークの事例) 第15回 都市成長と移民2(メルボルンの事例) 教科書・参考文献 教科書 なし 参考書 毎回の授業時のパワーポイントに挙示する。 授業外での学習 毎回の授業で用いる教材(パワーポイント資料、アウトライン)を、授業前後各1週間(合計2週間)に限ってネ ット上で公開する(公開元のURLは初回授業時にアナウンスする)。次回授業においてどんなトピックスが話さ れるかについて、関連する情報を各自で事前に収集してから授業に臨むこと。 評価方法 試験実施70%、平常点(3〜5回配る予定のコメントシート(小テスト)の記述内容)30%。 欠席回数が高崎経済大学の基準回数以上の場合は、学期末試験の受験資格が無くなるので要注意のこと。 履修上の注意 毎回の授業で用いる教材(パワーポイント資料、アウトライン)を、授業前後各1週間に限ってネット上で公開 する。授業時間中にネット接続して閲覧することは可とするが、紙媒体でじっくり詳細を確認したい者は各自で 事前にダウンロードのこと。なお、出席記録の不正については厳正に対処するので注意のこと。 基幹教-13 科目名 地理学 Geography Title 科目区分 基幹教養 担当教員 担当教員との連絡方法 非常勤講師 秋元 菜摘(アキモト ナツミ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 地理学は古くに成立した学問の1つであり、多様で幅広い学問領域を形成しています。現代では、自然科学分 野に属する地球科学と人文・社会科学分野に属する人文地理学・地誌学などから成立しています。更に、地理情 報システムを代表とする空間情報科学分野の確立、経済学や都市工学など関連する学問との複合的な研究が進め られるなど、現在も発展しつつあります。このような中で、地理学の特徴は、自然環境と人間環境の相互関係に 基づきながら、空間を伴う事象の解明や空間的視点を用いた地域分析にあります。 本講義では、地理学の概要を押さえつつ、地理学的視点の有用性と課題について認識を深めることを目的とし ます。それらを具体的に理解するため、学問領域の概説とは別に、地理学的研究に用いられる空間分析やフィー ルドワークの手法についても説明します。なお、主に人文地理学について取り上げます。 達成目標 地理学の概要を理解し、社会的課題や自らの関心に惹きつけて、地理学的視点の有効性と課題についての認識 を深めることができること。また、地理学的分析の基礎を理解し、それらを扱うことができること。 スケジュール 第 1回 ガイダンス 第 2回 地理学の概要 第 3回 地理学の発展と現在 第 4回 地理学の諸分野 第 5回 地域における研究と分析方法 第 6回 地図学 第 7回 統計の扱い方 第 8回 主題図の作成 第 9回 フィールドワークの手法 第10回 フィールドワークの利用 第11回 地理情報科学の基礎 第12回 地理情報システムの利用 第13回 地理学の地域政策への応用 第14回 地理学的視点の有用性と課題 第15回 まとめ 教科書・参考文献 教科書 特に定めません。 参考書 竹中克行 編 2015. 『人文地理学への招待』 (ミネルヴァ書房) 梶田真 仁平尊明 加藤政洋 2012『地域調査ことはじめ―あるく・みる・かく―』(ナカニシヤ出版) 授業外での学習 参考書や授業中に紹介した文献などを通して、各自の関心に応じた地理学的視点の醸成を図ってください。 評価方法 期末試験(70%)と受講状況・レポート等(30%)により評価します。 履修上の注意 本講義ではパワーポイントを利用します。 基幹教-14 科目名 公共哲学 Public Philosophy Title 科目区分 基幹教養 担当教員 担当教員との連絡方法 非常勤講師 田畑 真一(タバタ シンイチ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 前期 目的 公共哲学とは、公共性を巡って現れる諸問題を哲学的に考察する営みである。ここで問題となるのが「公共性 とは何か」という問いである。本講義では、この問いに答えるべく、最初に公共性についての代表的見解を紹介 し、それらに共通する基底部分を確認する。その上で、自由、平等、立憲主義、民主主義の4つの個別的論点か ら、公共性への考察を深めていく。それらの論点は互いに対立する契機をはらみつつも、同時に公共性を支える 基礎となっている。この相対立する契機をどのように調和させるのかを問うことで、現代の公共性をめぐる問い の諸相を明らかにすることを目指す。 多様な価値観をもつ我々が共に生きていく上で必須となる論点を検討することで、公共性を成り立たしめてい る哲学への理解を深めることを目指す。 達成目標 受講者それぞれが「公共性とは何か」について一定の見解をもち、それについて他者と議論できるようになる ことを目標とする。公共性とは多様な価値観の存在を前提としており、その中で他者を尊重しつつ、いかにして 自分の意見を形成できるのかが問われている。本講義では、そのための前提知識と基本的論点の習得を目指す。 スケジュール 第 1回 ガイダンス 第 2回 公共性とは何か(1) 第 3回 公共性とは何か(2) 第 4回 公共性とは何か(3) 第 5回 自由とは何か(1) 第 6回 自由とは何か(2) 第 7回 平等(1) 第 8回 平等(2) 第 9回 自由と平等との関係 第10回 憲法と立憲主義(1) 第11回 憲法と立憲主義(2) 第12回 デモクラシーとは何か(1) 第13回 デモクラシーとは何か(2) 第14回 立憲主義とデモクラシーの相克 第15回 総括授業 教科書・参考文献 教科書 参考書 齋藤純一『公共性』(岩波書店、2000年) 山岡龍一、齋藤純一編『公共哲学』(日本放送教育振興会、2010年) 授業中に適宜示していく。 授業外での学習 公共哲学で扱う問題は、我々の身近な問題です。日々の生活でおかしい、もしくは疑問に感じたことに、講義で 触れた論点を当てはめて考えてみて下さい。考えがまとまったら、毎回配るコメント用紙に考えたことを書いて 下さい。その内容を講義で取り上げ、全体で考える論点にします(論点を提出してくれた人は評価します)。 評価方法 基本的に期末試験と中間レポートで評価する。 毎回講義で配るコメント用紙への回答も評価に加味する。 履修上の注意 私語厳禁。 基幹教-15 科目名 公共哲学 Public Philosophy Title 科目区分 基幹教養 准教授 担当教員 担当教員との連絡方法 福間 聡(フクマ サトシ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 「公共性とは何か」「どうすれば他者との間で合意に至ることができるのか」「公共的な生の指針となる思想と はどのようなものか」「我々の生命・身体に対してどのような権力が作用しているのか」「これからの労働や社 会保障はどうあるべきか」「家族の中にも正義は必要か」「フクシマでの出来事をどのように我々は受けとめる べきか」といった諸問題を本講義では考察し、それを通じて公共哲学的な思考法を身につける。現代社会で課題 となっている諸問題を参加者と共に問い直すことが、本講義の目的である。 達成目標 「公共性」にまつわる諸問題を考察することを通じて、我々にとって望ましい公共的な生とはどのようなもので あるべきかについて自分の考えを持てるようになる。 スケジュール 第 1回 導入 公共性とは何か 第 2回 公共性についての哲学的思考 ―公共的な諸問題へのアプローチ― 第 3回 公共性についての哲学的思考 ―公共的正当化― (小テスト) 第 4回 公共的な生についての哲学・1 ―リベラリズム― 第 5回 公共的な生についての哲学・2 ―コミュニタリアニズム― 第 6回 公共的な生についての哲学・3 ―ハンナ・アーレント― (小テスト) 第 7回 生命・身体と公共性 ―ミシェル・フーコー― 第 8回 労働と公共性・1 ―労働の現在― 第 9回 労働と公共性・2 ―労働の行方― (小テスト) 第10回 社会保障と公共性・1 ―ベーシック・インカムの可能性― 第11回 社会保障と公共性・2 ―労働への権利とは何か― 第12回 親密圏と公共圏 (小テスト) 第13回 フクシマの公共哲学・1 ―福島/フクシマをどう考えて行くべきか― 第14回 フクシマの公共哲学・2 ―低線量被曝のモラル― 第15回 まとめ(小テスト) 教科書・参考文献 教科書 特に使用しない。適宜プリントを配布する。 参考書 山岡龍一・齋藤純一『公共哲学』(放送大学教育振興会2010)、柘植尚則他『経済倫理のフロンティ ア』(ナカニシヤ出版2007)、福間聡『「格差の時代」の労働論』(現代書館2014) 授業外での学習 次回の授業範囲に関連する項目について、配布した資料をよく読み、予習しておくこと。また、授業後は必ずノ ートや配付資料に目を通し、学習内容の定着を図ること。 評価方法 期末試験ないしはレポートの成績で評価する。 履修上の注意 基本的に、講義形式の授業だが、クラス・ディスカッションなど学生が発言をする機会をできる限り提供してい きたい。授業中の私語や携帯電話、スマートフォン等の使用は絶対に禁止。 基幹教-16 科目名 歴史学 History Title 科目区分 基幹教養 担当教員 担当教員との連絡方法 非常勤講師 中山 学(ナカヤマ マナブ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 前期 目的 歴史学の歴史、歴史学が拠り所としてきた方法等を通じて歴史学とはどのような学問かについて理解を深める。 また、近年の歴史学批判にも触れ、歴史学がどのような問題に直面しているか知見を広げる。歴史的思考はおよ そ全ての学問研究に介在する。こうした学習を通じて広く学問研究のあり方自体を再考する力としたい。 達成目標 ・歴史学が主張するその役割、研究の具体的方法について理解を深める。 ・近年の歴史学批判の内容について、具体例をもって知見を深める。 スケジュール 第 1回 ガイダンス 第 2回 歴史学の目的 第 3回 日本における歴史学の歴史-古代国家の歴史書編纂 第 4回 日本における歴史学の歴史-中世の歴史記述 第 5回 日本における歴史学の歴史-近世の史学思想 第 6回 日本における歴史学の歴史-近世社会と地域史 第 7回 日本における歴史学の歴史-近代歴史学の成立 第 8回 地域史研究の発達-郷土史の成立と普及 第 9回 地域史研究の発達-戦後歴史学と地域史 第10回 地域史研究の発達-地域史の転換 第11回 地域史研究の発達-地域史の可能性(群馬の歴史から考える) 第12回 地域史研究の発達-地域史の可能性(群馬の歴史から考える) 第13回 歴史学批判-国民国家と歴史学 第14回 歴史学批判-歴史解釈と歴史叙述 第15回 まとめ 教科書・参考文献 教科書 レジュメを用意する。 参考書 塚本学「地域史研究の課題」(『岩波講座 日本歴史』25・別巻2に所収)、永原慶二『20世紀日本 の歴史学』(吉川弘文館、2003年)など。その他はガイダンスで提示する。 授業外での学習 参考書を読み、内容を整理しておくこと。 評価方法 平常点50% 期末試験(リポート)50% 履修上の注意 ・配布プリントは必ずファイリングし、毎回すべて持参すること ・プリントの再配布はしない 基幹教-17 科目名 歴史学 History Title 科目区分 基幹教養 担当教員 教授 担当教員との連絡方法 西沢 淳男(ニシザワ アツオ) E-Mail 配当年次 1 単位区分 選択 単位数 2 開講時期 後期 目的 歴史学は、過去の事実を知る学問である。歴史学には、政治史・外交史・思想史・文化史等々多様化する諸分 野史があるが、とりわけ「地域史」は歴史研究の土台となる重要な一分野である。 本講義では、一つの地域を多角的に考察し、民衆史や生活史のなかから、これから取り組んで行かなくてはな らない地域の課題を解明していく研究である「地域史」を概論(研究方法や学問の概要)していく。 県外者も多いことから、概論の前に地域を先ず日本列島の中の関東地方、関東地方の中の群馬県という視点か ら歴史や文化の個別性を概観し、群馬県の歴史的成り立ちを理解してもらう。 地域の歴史や文化を理解し、その共通性と個別性を考えることは、今日地域を取り巻く少子高齢化・過疎化・ 市町村合併・地方分権といった諸問題や地域振興・福祉を考える上でも有用であることを学んでもらいたい。 達成目標 現代における地域に内在する諸問題を解決するヒントとして、地域史を学ぶ意義と、地域史研究法の一端を理 解すること。 スケジュール 第 1回 開講ガイダンス・アンケート : ガイダンスと講義計画・評価について 第 2回 歴史学と地域史 : 地域史とは何か、地域史を学ぶ目的・意義、史実と俗説 第 3回 関東の地域性 : 関東の地域的特質 第 4回 上州の古代・中世 : 古代・中世の群馬の歴史と文化 第 5回 上州の近世・近代 : 近世・近代の群馬県の歴史と文化 第 6回 近代以前の地域史・地誌編纂 : 風土記から江戸時代における地域史編纂事業 第 7回 近世から近代への地域史・地誌編纂 : 江戸時代から戦前の地域史編纂事業 第 8回 郷土史 : 郷土史とは何か 第 9回 郷土史から地方史へ : 郷土史への批判と地方史研究 第10回 地方史から地域史へ : 地方史への批判と地域史研究 第11回 地域史研究論 : 地域史の研究史 第12回 地域史と公文書館(1) : 公文書館法と史料保存 第13回 地域史と公文書館(2) : 公文書館法と史料保存 第14回 地域史と自治体史編纂 (1) : 自治体史編纂の現状と問題点 第15回 地域史と自治体史編纂(2) : 自治体史編纂の現状と問題点 教科書・参考文献 教科書 特になし。プリントを適宜配布する。 参考書 講義時に紹介する。 授業外での学習 提示した当該回の参考文献をよく読み予備知識をつけておくとともに、次回につながるように復習し、知識の定 着を図ること。 評価方法 期末に論述試験を実施します。論述試験(70%)、リアクションペーパー(30%)。出席は厳密に毎回取ります。欠 席3回目から1回につき総合評価点より5点減点します。遅刻は、2回で欠席1回と見なします。公欠は除きま す。始業時より10分経過で遅刻、30分以降は欠席扱いとします。 履修上の注意 出席は厳密に取ります。皆出席が望まれます。受け身ではなく、積極的に授業に参加するようにして下さい。評 価対象のリアクションペーパーを毎回求めます。 基幹教-18
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