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従業員とのかかわり
一人ひとりがいきいきと行動し、持てる力を最大限に発揮できる、やりがいのある職場をつくります。
意欲と責任を持って働ける労働環境を目指す
「人間尊重」をCSRのひとつの柱に位置づけ、2005年9
安全・健康で安心して働ける会社であるために
●労働災害防止
月に人間尊重いきいき委員会を設置しました。
「労働環境
労働安全衛生マネジメントシステム導入に向けて、安全衛
整備の推進」、
「健康増進(心とからだ)の推進」、
「障害者
生管理規程とそれに付帯するリスクアセスメント実施要領等
雇用の推進」、
「人権問題に関する啓発活動の推進」に取
の細則を制定しました。2005年11月から、関東第一支店・中
り組んでいます。
部支店の2支店で試行し、2006年4月から全社運用を開始
また、
これまでも従業員の能力開発と育成を目的に、人事
給与制度の改定などを進めてきました。今後はさらに研修
しました。2005年度は休業4日以上の労働災害事故は17件
(2004年度比81%)で、死亡災害事故は0件でした。
体系を再構築し、従業員の能力開発や資質の向上に力を
入れていきます。
●健康管理
労働安全衛生法に基づく定期健康診断に加え、検査項
労使の信頼関係を築き、相互理解を深める
目を選択できるオプション健診を取り入れ、個人の希望に応
じてきめ細かな健診ができるように配慮しています。
さまざまな経営計画を実現するためには、経営層と従業
メンタルヘルス対策は管理者用と個人用の対応マニュア
員の意思疎通が非常に重要です。そこで、定期的に実施し
ルを作成し、社内イントラネットに掲載して、従業員に周知し
ている本社や支店の労使懇談会や労使協議など、労働組
ています。新たに管理職になった者に対しては、新任管理
合と経営層とが直接コミュニケーションを図る場を設けてい
者研修でメンタルヘルスに関する知識を深めるよう、教育を
ます。この会議では、経営方針や施策などの浸透を図るとと
行っています。
もに、
より良い職場環境づくりのため、職場ごとの問題などに
また、疾病予防のために、常勤の保健師4人を配置し、保
ついても話し合いを行っています。労使それぞれの委員で
健指導やメンタル疾患への早期対応など、従業員の心身
構成する委員会を設置し、従業員の意見を会社の施策に
両面にわたる健康づくりを支援しています。
反映させるなどの活動も行っています。今後も引き続き、労
使間の信頼関係を築き、相互理解に努めていきます。
さらに、
アスベスト問題の重要性に鑑み、全社の建物・構
築物(全531ヵ所)の吹き付けアスベストの使用状況の確認
を実施しました。
1ヵ所で飛散性アスベストが認められたため
労使で構成する委員会と役割
●安全衛生委員会
災害事故原因の分析と対策、安全衛生管理の企画立案に関する検討
●労働時間検討委員会
除去工事を行いました。
●休暇制度
従業員が傷病で長期欠勤せざるを得ない場合に、安心
労働時間の実績分析および問題点の把握と対応策の検討
して治療に専念できるよう、
従来は毎年失効した有給休暇を、
●苦情処理委員会
最大40日まで別途積立ができるようにしました。
従業員の苦情等の検討
●再雇用に関する労使検討委員会(2006年6月に廃止)
定年退職後の再雇用に関する検討
●年金委員会
定年退職後の生活安定に資するため退職年金運営の検討
また、従業員が仕事に専念できるのは家族の支えがあっ
てこそとの考えに基づき、配偶者や扶養する子どもが疾病な
どにより看護を必要とする場合に、積立失効年休を利用し
家族看護ができる制度を導入しています。
NIPPO Environmental Report 2006
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社会とのコミュニケーション
地域社会への貢献に力を入れるほか、地域に根ざした地道な活動にも積極的に取り組んでいます。
地域の環境活動への参加
全国約500ヵ所の事業所は、地域の環境保護、防犯、美
化活動に積極的に参加し、定期的に事業所周辺の清掃活
動を行うなど、周辺住民の皆さまとの交流や社会貢献活動
を積極的に進めています。
2005年度は地域美化活動に、延べ1880人の従業員が
小千谷市の改良土プラント
参加しました。春・秋の
全国交通安全週間行
土プラントに誇りを持ち、災害復旧工事に総力をあげて取り
事への参加、協力や地
組んでいます。
域防犯活動への協力も
引き続き実施しました。
ホームページで環境保全技術情報を発信
東京都中央区宝町交差点
ホームページに、環境保全技術や事業を紹介するコーナ
ーを設け、
環境に配慮した製品・工法を詳しく紹介しています。
地域イベントへの参加
同コーナーでは、近年問題となっているヒートアイランド現象
地域の祭りや町内会・子ども会などの行事に、従業員が
に有効な舗装工法、雨水流出
積極的に参加しています。また、
イベント会場や駐車場とし
の抑制や路面下への浸透を促
て会社施設を提供するほか、飲料の差し入れなども行って
す舗装工法、
リサイクル原料を
います。
使った資材、環境に配慮した生
ごみ乾燥機、土壌・地下水の浄
事業所網を生かした迅速な災害復旧支援
化技術などを紹介しています。
環境事業の紹介ウェブサイト
全国に設置された事業所のネットワークを生かし、地震、
〈URL〉http://www.nippo-c.co.jp/ourbuiss/enviro.html
豪雨、台風、豪雪などの自然災害が発生すると、
いち早く現
地に駆けつけ復旧支援にあたっています。
平成16年10月23日の中越地震において、小千谷市周辺
の下水道管マンホールは地震の液状化現象により壊滅的
2ヵ月に1度、舗装工法や製
な影響を受けました。その下水道の災害復旧に大いに役立
品の最新情報を盛り込んだ「ニ
ったのが、
当社の改良土プラントです。これは現況の掘削残
ッポ・ニュース」を発行し、得意
土を改良し利用するものです。砕石、砂等が不足しており、
先に配布しています。環境に配
省資源、
ローコスト、資材確保の面から掘削残土を再利用し
慮した製品・工法の施工事例
たいという同市からの要請を受け、
2ヵ月でプラントを立ち上げ、
や旬の話題などを紹介していま
平成17年6月に稼動しました。
す。2006年7月号では、環境舗
3
3
繁忙期には、1,000 m /日、平成17年は70,000 m を出荷し
ました。関係者一同、災害復旧の大きな力となっている改良
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環境舗装、環境資材の最新情報を提供
NIPPO Environmental Report 2006
装や環境資材、当社の取り組
みを詳しく紹介しました。
「ニッポ・ニュース」2006年7月号
第三者意見
CSR意識の向上目指す
今年の環境報告書は、
CSRの視点を大きく掲げて
いるのが特徴だ。企業の不祥事が連日のようにマスコミ
に取り上げられる背景には、利益追求一辺倒の企業活
動に限界がきていることを示している。これからの企業
は経済的側面だけではなく、
法令を遵守し、
環境的側面、
社会的側面のバランスのとれた経営が求められている。
千葉商科大学政策情報学部
教授
三橋 規宏
氏
企業市民として積極的に社会貢献をしていくことが必
要だ。このような時代潮流を受け止め、林田社長のイニ
シアチブで企業理念の中にCSR意識の浸透を盛り込
順調に動いてきている印象を受けた。産業廃棄物不法
んだことは評価できる。
投棄への対応もしっかり情報が開示されており好感が
報告書では、
CSRの最重要課題として環境を位置
持てる。
づけている。中核事業の舗装・土木事業では、舗装廃
材のリサイクルシステムを構築し、年間480万トンのアス
温暖化対策は中期的視点が必要
ファルト舗装廃材を全量、
自社工場で再生し、利用して
課題としては、
CO2の排出削減目標は単年度だけで
いる。
さらに燃料のガス化や資材の輸送も海上輸送に
はなく、
3年なり5年といった中期的な目標も提示して欲
切り替えるなど、省エネ、省資源化の努力が軌道に乗っ
しい。それが加わると、御社の温暖化対策にさらに説得
てきており歓迎できる。環境マネジメントシステム
(EMS)
力が加わるのではないか。従業員とのかかわりの中では、
に基づく2005年度の環境目標は一部未達成のものが
労使の対話の場としてCSRを話し合う委員会などをつ
あるが、大部分は達成できたようだ。PDCAサイクルが
くると、
CSR活動に他社と違う厚みが加わると思う。
●ご意見をいただいて
環境安全・品質保証部長
橋本
博
でまいります。従業員に対する情報開示については、
三橋教授には、過分な称
CSR委員会の審議内容を社内ネットワークで公開
賛と貴重なご意見をお寄せい
しています。
さらには、内部監査制度を導入し、
PD
ただき厚くお礼申し上げます。
CAのデミングサイクルを推進するとともに内部統制
平成18年度は、次のような
取り組みを始めました。三橋
の充実を図ってまいります。
「環境報告書」としては、いまだ未成熟で課題も
教授のご意見にもありました労使対話については、
ありますが、次号からは、上記のようなCSRの取り組
労使懇談会の議題にコンプライアンスや社会貢献
みを重点的に記載した「CSRレポート」としてご報告
等のCSR活動を取り上げて、労使一体で取り組ん
させていただきます。
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Close up 2005-2006
人と環境にやさしい道づくり
富山県魚津市桃山運動公園内にスギとヒノキの皮を主原料に
した舗装「パーフェクトシーダー」を施工しました。捨てられること
の多かった針葉樹の皮を舗装体に有効利用することで、廃棄物
の削減に貢献するとともに、
クッション性のある心地よい歩行感
の舗装を創出できます。針葉樹皮の自然な色合いにより、周辺環
境との調和も図ることができるため、景観舗装としての側面も併
せ持っています。転んでもケガをしにくく、足腰への負担も軽減で
きるため、お年寄りや子どもが多く利用する園路や遊歩道、
ジョギ
ングコースなどの舗装に適しています。
この工法は1998年に建設省(現国土交通省)から「木質系材
料を活用した舗装工法の開発」に関する評価書を受けました。
編集後記
最近、テレビ・ラジオなどの企業CMは、環境への取り組みを題
材にしたものが増え、環境に配慮した製品の開発や企業の社
会的責任を果たすことで、会社が評価される時代になっています。
また、
この1年を振り返ると、CSRに関する問題として、アスベスト
や構造設計偽造などが大きな社会問題となりました。
今回の環境報告書では、
これらの問題について、当社の対応を
説明させていただきました。環境報告書も3号目となり、
これまで取
り組んできた環境活動のデータも、経年比較を掲載できるまでに
なりました。
今後とも、皆さまとのコミュニケーション・ツールとしてご利用い
ただけるよう研鑽し、
さらに内容を充実させてまいりますので、ぜひ
忌憚のないご意見、
ご感想をお寄せいただきますよう、
よろしくお
願い申し上げます。
お問い合わせ先
株式会社NIPPOコーポレーション
環境安全・品質保証部
〒104-8380 東京都中央区京橋1-19-11
TEL: 03-3563-6734 FAX: 03-3567-4085
URL: http://www.nippo-c.co.jp/
2006年9月発行(次回発行予定2007年9月)
この報告書は「FSC認証紙」を利用し、印刷には環境にやさしい「大豆油インキ」と「水なし印刷」を
採用しています。