▼『児童福祉法』改正の概要 2016(平 28)年 6 月 3 日施行 ・児童の福祉を保障するための原理の明確化(第 1 条・第 2 条) ➡ 1947(昭 22)年の制定時から改正されていなかった,法の理念規定の見直し. ・家庭と同様の環境における養育の推進(第 3 条の 2) ➡虐待など家庭で適切な養育を受けられない場合,児童養護施設等の施設が中心の 養育から,家庭に近い環境での養育を推進するため,養子縁組や里親・ファミリー ホームへの委託を一層進める. ・市町村,都道府県,国の役割と責務の明確化(第 3 条の 3) ・児童及び保護者に対する通所・在宅における指導措置(第 26 条第 1 項第 2 号) ➡児童相談所による指導措置について,市町村に委託して指導させることができる こととする. ・一時保護の目的の明確化(第 33 条) ➡一時保護は,児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため,又は児童の状況 を把握するために行うものであることを明確化する. ・国による要保護児童に係る調査研究の推進 ➡国は,要保護児童の保護に係る事例の分析その他要保護児童の健全な育成に資す る調査及び研究を推進するものとする(第 33 条の 9 の 2). ▼『児童福祉法』改正の概要 2016(平 28)年 10 月 1 日施行 ・支援を要する妊婦等に関する情報提供 ➡病院,診療所,児童福祉施設,学校その他児童または妊産婦の医療,福祉または 教育に関する機関及び医師,看護師,児童福祉施設の職員,学校の教職員その他 児童または妊産婦の医療,福祉または教育に関連する職務に従事する者は,要支 援児童等と思われる者を把握したときは,当該者の情報をその現在地の市町村に 提供するよう努めなければならない(第 21 条の 10 の 5 第 1 項). ・児童相談所の体制強化 ➡都道府県は,児童相談所に❶児童心理司,❷医師又は保健師,❸指導・教育担当 の児童福祉司を置くとともに,弁護士の配置又はこれに準ずる措置を行うものと する. ・親子関係再構築支援 ➡乳児院,児童養護施設,障害児入所施設,情緒障害児短期治療施設及び児童自立 支援施設の長並びに小規模住居型児童養育事業を行う者及び里親は,施設に入所 し,または里親等に委託された児童及びその保護者に対して,関係機関(市町村, 児童相談所,児童家庭支援センター,教育機関,医療機関等)との緊密な連携を 図りつつ,親子の再統合のための支援その他の当該児童が家庭で養育されるため に必要な措置をとらなければならない(第 48 条の 3).
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