職員採用の学歴・年齢制限を撤廃 多様な人材が市役所に運ぶ新風

City Voice Journal
7
T O P I C S
City Voice Journal
ポイ捨て、路上喫煙、犬のふんの放置の禁止で
健康、安全、清潔なまちづくりを
市民マナー条例
5
T O P I C S
職員採用の学歴・年齢制限を撤廃
多様な人材が市役所に運ぶ新風
市川市職員採用試験
民間経験者は仕事に慣れるのも早い。入庁3カ月後に
はすでに現場に出た田尻さん(左)。
あらゆる方法でマナー
向上を訴えている。
「最近、駅周辺が気持ちよくなった」と
持に関する条例」(通称:市民マナー条
感じませんか?
例)では、路上喫煙、吸い殻や空き缶な
募集条件から年齢・学歴の垣根を外して、 人1年生も40代の民間企業経験者も混じ
2004年4月1日から施行している「市
どのポイ捨て、犬のふんや配布した印刷
さまざまな経歴を持った人材を広く募集
っています。みんな同期として2004年4
民等の健康と安全で清潔な生活環境の保
物の放置を禁止しました。また、6月1
しました。4099人の中から見事合格し
月1日から、市川市役所職員になりました。
市川市は、2003年の職員採用試験の
た新規採用者39人の中には20代の社会
日からは、JR市川駅、本八幡駅、
田尻剛生さん(43歳)は新規
東京メトロ東西線妙典駅、行
採用者の中で最年長。一級建築
徳駅、南行徳駅周辺に設けら
街頭で指導を続ける市職員は「過料を取らなくても気持ちよく暮らせるま
ちになるようにしたい」と語る。
8
T O P I C S
士の資格を持ち、民間会社で建
れた路上禁煙地区でのマナー
市民が組織した「健康・安全・清潔な
築現場の監督として活躍してい
違反者に対して、職員が過料
地域づくり協議会」も、駅前を通る人へ
ました。その経験を生かすべく
所の仕事は想像以上に多忙で驚きました」
を徴収し、指導・勧告をして
チラシやティッシュペーパーを配ってマ
建築指導課に配属され、建築の
と田尻さん。
います。職員は「ポイ捨てが
ナーの向上を訴えました。「条例がいら
許可・認定及び道路に関する調
減ってきて、条例の認知度は
なくなるくらいに自分たちのまちがきれ
査などに携わっています。
意識にも変化をおこし、相乗効果で市の
確実に上がっていると実感し
いになれば」と、活発な活動が続いてい
「同じ建築でも分野の違う仕事
サービスをより良くしていくねらいもあ
ています」と話します。
ます。
ですが、専門家と接する機会が
ります。今後も幅広い選択肢の中から、
多いのは変わりませんね。市役
多彩な人材を採用していきます。
新人研修では、民間経験者のプロ意識に触発された社会人1年生
も多い。これからの活躍が大いに期待できる。
救命率の向上に期待
県内初の「気管挿管」資格取得者が市川市から!
市川市消防局救急救命士 鈴木富雄さん
6
T O P I C S
ドイツと日本の若者たちの
教育、スポーツ、文化における交流を応援
ローゼンハイム市とパートナーシティー締結
今までは医師でなければできなかった「気
院では、医師からも患者さんからも『救
管挿管」の使用が、2004年7月から救急救
命に役立ててほしい』と快く研修に協力
命士もできるようになり、市川市消防局
していただきました。救命に対する理解
市では鈴木さんのほか、28人の救急救命
イツ連邦共和国ローゼンハイム市を訪問し、 人がお茶や生け花、折り紙などをロー
救急救命士の鈴木富雄さん(49歳)が、
が広がって、資格取得者が増えるといい
士全員の資格取得を予定しています。
ガブリエレ・バウアーローゼンハイム市
ゼンハイム市民に披露し、交流を深め
長と、パートナーシティー提携に関する
ました。
ですね」と鈴木さんは語ります。
より適切ですばやい人命救助を行うため、
県内で初めてその資格を取得しました。
2004年7月14日に千葉光行市川市長がド
盟約書に署名をしました。この都市締結は、
心肺停止に陥った患者の気管に酸素を
催され、市川市から参加した市民約90
両市の青少年が、互いの国のいろい
送り込む「気管挿管」が救急救命士の手
教育、スポーツ、文化における分野で、
ろなことを学びあえるような支援を続
で施されるようになれば、お餅などで喉
青少年交流の一層の促進を図りながら両
けていきます。
をふさがれた状態の患者や、おう吐で気
市民間の交流を拡大していこうというも
道確保が難しい場合などの救命率が格段
ので、市川市の少年サッカーチームとロ
にあがります。
ーゼンハイム市民との、10年以上続く交
資格取得には62時限の講習のほかに、
実際の患者さんに対しての実施研修が30
例も必要とされます。「研修を行った病
29
「一人でも多くの命を助けることができれば」とさらなる勉
強を重ねる鈴木さん。
民間の考え方や新しい視点が現職員の
実施研修で、人
形ではわからな
かった体つきの
違いも体験した。
流がきっかけとなり締結されました。
上・下段左/美しい街並みの
ローゼンハイム市。
下段右/パートナーシティー
提携を結んだガブリエレ・バウ
アーローゼンハイム市長と千
葉光行市川市長。
また、7月14、15日の2日間にわたって
日本の文化を紹介する「日本デイ」も開
28