2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 1 / 24 インドネシアにおける問題点と要望 区分 1 外資参入規制 意見元 No 問題点 日商 (1) 外資出資比率規制 ・新しくネガティブリストの改正を行うと通知されているが、ディストリビューター、 建設業などの外資率はインドネシアで事業をするにあたりまだ低すぎる。国内 の協力会社の能力がまだ向上されておらず、国内事業拡大の支障となってい る。 ・2014年5月の新投資法に基づくネガティブリストの改正にて、国内卸売業者 (ディストリビューター)に対する外資比率が100→33%に制限された(その 後、2016年2月11日の発表で66%に引き上げられることが決定)。 日機輸 日機輸 日商 日機輸 JEITA 建産協 日商 医機連 日商 日商 問題点内容 要望 準拠法 ・外資比率の見直しを行うと共に、国内企業 能力向上を計ってほしい。 ・現在、2016年4月の改訂に向けたネガテ ・大統領規程2014年第39 ィブリストの見直しが投資調整庁にて行わ 号「投資分野において閉 れている。政府間協議を通じて、ディストリ 鎖されている事業分野及 ビューター分野の規制緩和に向けたフォ び条件付きで解放されて ローをお願いしたい。 いる事業分野リストに関す る規程」 ・インドネシアに建設業に該当する水処理設備Engineering会社を保有してい ・海外技術導入による環境向上への貢献効 ・2010年付大統領令36号 る。外資の出資上限が67%までとネガティブリストに規定されているため、事 果も是非配慮いただき、本事業領域にお ・外国投資法ネガティブリス 業拡大のための増資が簡単に出来ない。 ける外資規制のさらなる緩和あるいは撤 ト(2010年第36号法律) (継続) 廃を実現いただきたい。 ・新規にTrading会社設立の場合、外資比率が33%以下に制限される。 ・規制撤廃。 (継続) ・現地に販売子会社を設立する場合はネガティブリストの「商業サービス:ディ ・外資出資比率の制限緩和、または撤廃。 ・大統領規定2014年第39 ストリビューター」に分類され、外資出資比率が最大33%までに制限されてい 号 るため、支配権を確保できる販売子会社の設立ができない。 ・2014年ネガティブリスト ・パソコン、サーバー等当社製品を現地法人が輸入した場合、直接お客様に ・外資制限の撤廃、付加価値のないディスト ・大統領規定2014年第39 販売できず、ディトリビューターを経由する事が必須となり外資は33%までとさ リビュータの排除等を行なうことが、長い目 号 れた。このため、商流が多層となり、現地法人が商談を進めたお客様であって でインドネシアの発展につながると考える も、現法が価格をコントロールできないだけでなく、当社販売価格の値引きが ので、改善をお願いしたい。 必要となり、損益悪化、商談推進が困難になっている。 ・外資ディストリビューターは現地法人設立のためには、ローカル企業との合弁 ・ディストリビューターとしては現地に有力な ・2014年4月24日付大統領 の形態をとらねばならず且つ出資比率が33.3%上限と規定されており、メジャ 販売パートナーは必要。合弁形態はむし 令第39号 ーシェアを取れない。 ろ歓迎だが出資比率上限をせめて51%ま *ただしこの後の改訂履 で上げて欲しい。 歴が混乱しており上記 が現行最新規制なのか 不明。 ・現在小売業は外資の参入(出資)が制限されている。 ・消費活性化の観点からもせめて33%程度 ・大統領令2014年39号 の外資出資を容認してほしい。 (ネガティブリスト) ・卸売業への外資規制が33%以下となった。 ・外資規制そのものを撤廃してほしい。 ・大統領令36号 ・ネガティブリストで、自動車販売に関わる業種の外資参入が規制されている。 ・自動車販売に関わる新業態、新手法の導 ・投資ネガティブリスト 販売店(外資0%)、ディストリビューター(外資最大33%) 入のために、外資規制を緩和していただ きたい。 ・2014年大統領令第39号第7条の規定で出資比率の変更の暫定処置(2年間 ・規定撤廃。 ・2014年大統領令第39号 限定)が設けられているが、2年経過後は元の比率に戻さなければならない。 ・柔軟な増資、資本比率の変更。 第7条の規定 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 2 / 24 区分 1 意見元 No 問題点 日商 (2) 外資参入禁止業種 ・自動車販売店がネガティブリストで外資出資比率が0%の業種として規制され ・外資規制の緩和。 ている。 ・小売業の内資限定。 ・小売の参入障壁の緩和。 日商 日商 日商 日機輸 日商 日鉄連 日機輸 (3) ダイベストメント義 務の不透明 (4) フレートフォワーダ ーに関する最低資 本金規制及びグラ ンドファーザークロ ーズ欠如 (5) 石炭生産量上限設 定の政府強制 (6) 外国企業建設業駐 在員事務所の規制 強化 問題点内容 ・飲食業の外資参入規制。 ・石油ガスサポートサービスの規制。 ・「外国投資法に基づいて設立された会社の株式所有に関する政令1994年20 号」の第7条に基づき、外国資本100%で設立されたインドネシアの会社は、 商業生産開始時点から起算して最長15年以内に株式の一部をインドネシア 人/インドネシア法人へ売却しなければならないとされている。2013年4月12 日付BKPM長官令5号によりその義務が再掲された(同年9月12号令で一部 改正)が、依然として、具体的な売却方法(売却スキーム、売却先、売却すべ き株数/パーセンテージ等)につき法令又はガイドラインでの定めはなく、 BKPMの運用・指導もまちまちである。さらに、上記12号令の公布後は、一度 売却した株式を外国企業が買い戻して再び外国資本100%とすることも適法 と解釈されているが、このような運用を認めるのであれば、そもそも売却義務 は何を目的としているのかがますます不明である。 (継続) ・運輸省が発布した大臣規則第74号にては、外資のフレートフォワーダーは最 低投資額USD10Mil、授権資本の25%を払込資本金とする事が明記され た。会社法の資本金規制との関連、最低投資額=最低授権資本と解釈する のかも含め、最低払込資本金の額が不明。また、通常認められているグランド ファーザ―クローズが無い。 ・インドネシア政府は毎年、国内向け供給義務を負う各生産者の生産量を把 握・調整すべく生産計画の提出を指示。例年は、政府・生産者間での当該生 産計画に関する協議が行われるに止まっていると認識しているが、2014年で は政府通達による生産量の上限に関する計画遵守の圧力が強まっていると の情報がある。本件は、自由な生産・流通を妨げるような、政府による生産数 量上限設定が強制力を持った形で運用される可能性があり、懸念される。 (継続) ・2014年10月に突如、「外国企業建設業駐在員事務所」の規制が強化された。 従来から存在している各日系駐在員事務所の運用も混乱している模様(内容 は以下)。 −Previous Regulation (PMK-05): Foreign Representative Office of Construction Service is only allowed to perform complex construction project, high risk and/or high technology. −New Regulation (PMK-10): Foreign Representative Office of Construction Service is only allowed to perform high risk construction project, high technology and high cost. 要望 準拠法 ・投資ネガティブリスト ・2014年4月投資ネガティ ブリストに関する大統領規 定第39号 ・2014年大統領令39号 ・外資規制の撤廃。 ・規制の趣旨が不明確であることから、当該 ・外国投資法に基づいて設 規制は撤廃してほしい。 立された会社の株式所有 に関する政令1994年20 号 第7条 ・2013年4月12日付け BKPM長官令5号108 条、同12号108号 ・内資との条件差が顕著。今一度、この内 ・運輸大臣規則2015年第 容に関する明確な説明を大臣規則の改正 74号、同78号、同146号 令として発布願いたい。 ・将来的には、当地建設業ライセンスを保 有した企業との協業(M&A、JV、JO等) を模索していく必要があるが、短期的には 運用や解釈での緩和、もしくは当地企業と の協業条件により大きく緩和して頂く等の 細則が追記される事が理想。 ・[Ministry of Public Works] −Previous Regulation: PMK-05 −New Regulation: PMK-10 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 3 / 24 区分 意見元 1 日商 2 国産化要請・現地 日機輸 調達率と恩典 自動部品 日商 4 撤退規制 医機連 No 問題点 問題点内容 −PMK-10 also regulate the definition of each criteria: -- High risk: construction work which endanger public safety, property, human life and the environment. -- High technology: construction work which need a specific and sophisticated technology, include many Experts. -- High cost: construction work with contract value more than IDR 100 billion (equivalent to USD 8,333,333 – assumption 1 USD = IDR 12,000). 全社方針に則り海外B2B/G事業の立上・成長を実現していくにあたり、主要 な要件となるバリューチェーン強化(箱売りからソリューション販売へのシフト) の制約(特に早期事業立上という側面から)となりつつある。 (継続) ・2014年10月の規則改定により、外国建設駐在員事務所の規制が強化され た。具体的には、 ①同ライセンスの申請(更新含む)には、地元建設業協会への登録が必要とな り、また、一定数の技術者の雇用も必要となり、取得できるライセンスも細分 化され非常に煩雑且つコストがかかる。 ②J/Oを組成してプロジェクトに取り組む際、J/Oには外国企業が1社しか入れ ない。 (1) ローカルコンテンツ ・インドネシアでは、ローカルコンテンツ規定が設けられているが、以下の問題 要求の定義・基準 があり、案件への参入を困難にしている。 値の不明確 ①ローカルコンテンツ比率を満足した場合、入札条件の仕様、性能を満足で きない場合がある。 ②ローカルコンテンツ比率の定義が不明確である。 ③契約時と工事完成時でローカルコンテンツ比率が変動する事で罰則を受 ける可能性がある等。 ・LCGC適合車対応のための現地調達を要請されているが、法規制であるにも かかわらず、具体的な数値目標や現調化定義などが不明確である。 (継続) (2) 現地生産物の国内 ・生産物(特にガス)の国内供給義務が強化され(25%以上)、同国内供給義務 向け供給義務 量によっては、輸出可能数量に影響が出る可能性がある。 (継続) (1) 減資手続の困難 ・減資に関する規定が、全債権者の合意が必要との条件あり。 要望 準拠法 ・左記2点により、商社が駐在員事務所を設 ・2014年公共事業大臣規 立してEPC案件等に取り組む際のハード 則第10号 ルが非常に高くなり、投資阻害要因となり 得る。 ・ローカルコンテンツ規定に関し、以下の改 ・No.54/m-IND/PER/3/ 2012 善をインドネシア政府に要望いただきた い。 ①ローカルコンテンツ比率を引き下げる。 ②比率の定義を明確にする。 ③Waiverの手続きを簡素化するなど。 ・対象部品、数値目標、現調化定義などを、 文書で明確にして公表して欲しい。 ・国内供給の重要性は理解しているもの の、海外買主との長期販売契約に支障が 出ないよう、国内供給量については事業 実施者と十分な協議をすべきである。 ・国内供給価格は市場競争力のある価格で ある必要があり、経済性の確保等、プロジ ェクト推進に支障が無い内容で合意される ことが望ましい。 ・撤廃して欲しい。 ・憲法裁判所判断 ・政令2009年第55号 ・エネルギー鉱物資源大臣 令2010年第3号 (・改訂新石油ガス法案(未 発布)) ・会社法44条1項 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 4 / 24 区分 意見元 8 投資受入機関の 日機輸 問題 9 輸出入規制・関 税・通関規制 日機輸 日鉄連 日機輸 日機輸 日商 日商 No 問題点 問題点内容 要望 準拠法 (1) 投資許認可手続の ・過去、許認可手続の煩雑さ、複数の行政機関を経由する必要性から、大型案 ・ワンストップサービスの実現に向け、政府 煩雑・遅延 件で申請から承認まで数年を要することもあった。新政権下、行政のワンスト 間協議に於いても状況のフォローをお願 ップサービス(事業計画の提出窓口を投資調整庁に一本化する等)による民 いしたい。 間投資の促進を掲げており、エネルギー・鉱物省、環境・林業省を始めとした 各省庁は省力化に取り組んでいる。 (継続) (1) 高輸入関税 ・単機能プロジェクタが無税(ITA製品)である一方で、多機能プロジェクタに高 ・問題解決への働きかけをご検討いただき 関税を課す国が散見される。 たい。 (継続、要望一部削除) ・今後の動向についても継続的に情報をご 提供いただきたい。 (2) 輸入規制措置の導 ・2014年6月2日、商業大臣令28号公布。合金鋼の輸入にあたっては、商業大 ・措置の撤廃。 ・商業大臣令28号 入 臣が合金鋼製造輸入業者(IP)あるいは合金鋼登録輸入業者(IT)と認定した ・適用除外措置の設置。 会社のみ合金鋼を輸入でき、認定を得るためには商業省への申請が必要。 ・手続きの明確化・簡素化。 また、合金鋼輸入業者(IT)による輸入の際は、その都度、商業省より輸入承 ・WTO輸入許可手続きに関する協定に整 認書を取得することも必要。原則として毎回積荷国で船積み前検査を行う必 合的な運用。 要があるが、4業種(自動車・電機・造船・重機)の合金鋼製造輸入業者(IP)、 USDFS(日尼EPAに基づく特定用途免税制度)あるいはその他スキームに より工業検査証明書(SKVI)を保有する合金鋼製造輸入業者(IP)、 BM-DTP(関税政府負担便宜)を通じた工業検査証明書を保有する合金鋼 製造輸入業者(IP)には適用されない。 2014年7月2日、商業大臣令28号施行。輸入業者の認定・輸入承認等が5営 業日以内に処理されると規定されているにも拘わらず遅延したり、船積み前 検査の実施体制整備がなされていないまま運用が開始され、船積み前検査 証なしの多くの貨物がインドネシアに滞留する事態が発生するなど混乱が生 じている。また、輸入承認の際に数量枠が設定され、輸入制限的に運用され ている。 ・2014年7月2日から施行の合金鋼輸入規制が安定的な貿易取引維持の障害 ・左記した船積み前検査の除外、また、船 ・インドネシア商業省令28 となっている。 積ライセンス取得や更新手続きにおける 号 2015年3月23日実施の日尼鉄鋼対話において、ライセンス更新手続きの迅速 迅速な手続きをお願いしたい。 化、電磁鋼板、ブリキ原板、およびコイルセンター、伸線メーカー、商社が輸入 する特定4業種(自動車、電機、造船、重機)向けの船積み前検査の除外につ き要請したが、工業省からは尼政府内で検討中との応答のみでその後も具体 的な動きはない。 ・政府は国内での消費を増加させるために、輸入や税関の規制を設けて輸入 ・Refer to Malaysian Regulation about their 制限を行っている。 Foreign Exchange ・輸入規制及び輸入許可が煩雑かつ時間がかかる。 ・手続の簡素化、時間の短縮。 ・2015年に出された一連の輸入規制(新設/改正)については、趣旨の説明が不 ・省庁間で見解を整理して頂きたい。 ・商業大臣規程2015年第 足していたり、省庁間(商業省と税関総局)の見解が異なっていたりして、現場 ・また、説明会等を開催し、規定の内容に 48号 に混乱が広がっている。 ついて周知する機会を設けて頂きたい。 ・商業大臣規定2015年70 号 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 5 / 24 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 準拠法 9 ・商業大臣規定2015年118 号他 日商 ・木材製品の輸入業の営業許可を受け、木材製品輸入のAPI-Uも保有してい ・規制の緩和。 ても、新たな規制追加により木材製品については実質的には輸入が出来な い。 ・コンベヤベルトに使用する帆布を中国から輸入しているが、過去から通関で ・輸入ライセンス(API-P)を、受けており輸 きていた製品が突如として輸入規制品として取り扱われる。 入が出来る業者になっている。又、輸入す る帆布が衣料に使用できる帆布では無く 現物確認を行い、判断して欲しい。 日商 自動部品 日商 日機輸 日機輸 日機輸 日商 (3) 中古設備の輸入規 ・中国から輸出する中古金型の現地輸入規制の申請から許可までのL/Tに関 ・許可申請の変わりに輸入者が誓約書を当 ・Decision 41/2005/QDTTG 制 して非常に長く、複数の関係省庁の申請と複雑な申請手続のため、生産移転 局に提出することで輸入許可証に代わる の準備に支障が出てしまう。 書類としてもらいたい。 ・製造より20年以上経過した設備の輸入が例外なく出来ない。 ・年数制限なく輸入が出来るようにして頂き ・商業大臣令2015年127号 日本の工場で使っていた設備の移設が短期でタイムリーに出来ない。 たい。 ・ダメな場合、整備し、新品同等のコンディ ションの設備は、輸入出来るようにして頂 きたい。 (4) 輸入ライセンス制 ・新法令・規制が公表後、短期間で施行されるため、対応が困難。これまでPI 度(API-U, API-P, ライセンスの元、API-P保有者には完成品輸入が認められていたが、このPI PI)の急な変更 ライセンスを無くす(製造者は完成品輸入が出来なくなる)新規制が2016年1 月より施行されるとの情報が、その3ヶ月前に公表された(MOT No. 70/MDAG/PER/9/2015)。結果的に改定は見送られたものの、施行されていた場 合、輸入販売に大きな影響を及ぼしていたもの。 ・輸入許可が一社一件の登録になっており、PMIは部品の輸入、PGIは完成 品の輸入件を持っているものの、将来的な製販一体会社の設立検討の際に、 大きな障害となる。 ・関係する業界団体・企業の意見を十分に ・Minister of Trade No. 70/M-DAG/PER/9/2015 収集・分析した上で、法改正頂きたい。 (5) 製造輸入業者輸入 ライセンス(API-P) の輸入可能品目の 変更 ・施行される事による影響の度合いを垣間 ・商業大臣規程2015年第 見ず、公布後に改正を行う杜撰な公布は 70号及び商業大臣規程 混乱を招く原因となるため、聞き取りやシ 2015年第118号 ユミレーションを重ねた上、双方共に有効 な公布を望む。 ・準備を整えた上での公布と余裕のあるリ ードタイムを設けたパブコメを行ってほし い。 ・業界としての意見具申(JJC等で推進 ・インドネシア商業大臣令 中)。 118号 ・2016年1月1日からの施行を予定していた第70号規定では、これまで製造輸 入業者番号(API-P)を付与された会社に認めていた完成品の輸入に関する 条項を削除。これにより、製造業者は16年以降、原材料と半製品しか輸入で きず、完成品が輸入できなくなる見込みだったが、製造業者は市場テストやア フターサービス、補完などの目的で完成品の輸入が必要な場合があるため、 第118号規定によって今後も完成品の輸入を一転して認めることにした。現 在、申請方法等未だ不明確な点は多く、JJC主催でBKPMと官民会議を開く 事になっている。 ・製造業が取得できる輸入ライセンスで認可される輸入品が、補給用かマーケ ットテスト用となっており、現地自動車完成車メーカーへ納入する現地部品メ ーカーが、その取引口座を使って一部本社からの輸入品は現地付加価値を つけずに納入することができない。(現在は緩やかな対応) ⇒販売会社を別に設けなければならないケースも出る可能性もあり、完成車 としてコスト高の構造になる。 ・一つの会社で、材料・部品と完成品の両 方の輸入許可を持てる様に法令改正が必 要。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 6 / 24 区分 9 意見元 No 問題点 自動部品 日商 (6) 関税領域内搬入前 輸入許可取得手続 の不透明 日機輸 日機輸 (7) 輸入許可取得手続 の遅延 日製紙 日機輸 (8) 船積前検査導入に よる負担増 問題点内容 要望 準拠法 ・従来、申告により自社使用に限り例外輸入権限として与えられていた完成品 輸入が、API-P改正により例外撤廃となった。 1月1日施工ながら法改正自体に不明瞭な点も多く、また実質運用の徹底度 合いも不明瞭(継続申請により1年間輸入可など)ながら、商社登録のないサ プライヤーによるパススルー品購入が法令上不可能、その後の産業界からの 批判による変更草案に基づく暫定運用となっている。 ・商業省が発布した大臣規則第48号にて、輸入貨物がインドネシア関税領域 内に入る前までに輸入許可書を取得していない場合、貨物のシップバック、 輸入者登録(API)の凍結・剥奪の処分が決定されると規定されている。関税 領域前がどの時点なのか、関係省庁間(商業省・税関等)が全く成されておら ず、現段階でも不明。 ・2015年7月、輸入分野における総則に関する商業大臣規程2015年第48号を 公布。本大臣令では、港湾での貨物滞留時間の短縮を図ることを目的に、 『輸入商品が関税領域内に搬入される前』に『輸入許可』を取得するよう規定。 これに違反した場合、輸入業者番号(API)の凍結、もしくは再輸出(シップバ ック)などの処分も規定。商業大臣令の規定を読む限り、『関税領域に搬入す る前』とはどのタイミングかまた『取得しておくべき輸入許可』は何かが不明瞭 となっているが、第10条通り2016年1月1日から発効のままで取り下げられ ず、単に先延ばしとなっている。 ・インクジェットカラープリンタについては、1)SFP、2)MFP 3in1、3)MFP 4in1のカテゴリー別に6ヶ月毎輸入許可申請を行う必要があるが、申請から認 可までの時間が非常にかかり、かつ申請台数に対して認可台数に制限を掛 けられるケースが発生しており、販売活動に影響が出ている。 ・木材由来製品を扱う輸入業者は同国政府にライセンス登録をする事を義務付 けられ、輸入する製品の原材料情報を銘柄毎に予め提出しなければならな い。昨年よりライセンス取得に掛かる情報提供を行っているが、一向に当社取 引先の登録が完了せず、供給を一方的に止められている。 ・インドネシア通関において、他国と近似した形で輸入実績とその信頼性に基 づいてRed/Yellow/Greenライン別に通関プロセスが分かれている。Redの 場合はコンテナ開梱検査も含めて実施され、Greenの場合は書類審査のみ で通関可能。 この中で別途、各出荷地での出荷前検査が大半の商品について義務付けら れており、非常に煩雑且つ長い輸入プロセスの一因となっている。 理屈としては、信頼又は実績のない輸入者による通関時には、開梱検査が義 務付けられているにもかかわらず、出荷前検査が更に必要であることは理に かなっていないと思われる。 また、信頼又は実績のある場合は、当該事実が認定されてGreenライン通関 となるにも関わらず、出荷前検査が要求されるのも理にかなわないと思われ る。何故ならば、Greenラインにおいても、不定期に抜き打ちでの開梱検査が 実施される為。 (継続) ・実務への諸影響の事前調整に基づく、明 ・商業大臣令70号 確な法改正後の運用指示と施工時期決 ・輸入業者識別番号(API) 定。 に関する規則改正 ・関税領域搬入時点の解釈に関する明確 ・商業大臣規則2015年第 な説明を大臣規則の改正令として発布願 48号 いたい。 ・商業省、財務省関税総局、その他関係省 ・商業大臣規程2015年第 庁・機関との調整が取れていない状態で 48号 の公布は不適切であり、混乱を引き起こす ため、準備を整えた上での公布ときちんと したリードタイムを設けたパブコメを行って ほしい。 ・許認可プロセスの迅速化と整備徹底、及 び輸入制限の撤廃。 ・現行のインドネシア通関規定に応じた、不 必要な出荷前検査プロセスの廃止。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 7 / 24 区分 9 意見元 日機輸 JEITA 日鉄連 日商 日鉄連 No 問題点 問題点内容 要望 準拠法 ・インドネシアはASEANで唯一、船積前輸出検査が必要な国である。 ・パソコン(ノート、デスクトップ)、ハードディスク、DVD等光学メディア機器の 輸出に際して、事前に日本での検査が義務づけられ、納期の長期化、検査対 応コストが発生し、商談に影響が出ている。 ・船積前輸出検査の廃止を要望する。 ・検査の目的が分からず、納期、コストとも にビジネスにインパクトがあるため、製品 レベルでの包括的許可を導入する等、簡 素化するか廃止して欲しい。 ・2009年2月18日、商業大臣令8号により、対象の製品に関しては、2010年12 ・有効期限での措置の撤廃。 月31日まで輸入者登録と船積み前検査が義務付けられた。 ・WTOルールにおける事前公表義務の厳 ・2009年6月11日、改正規定である商業大臣21号が発効。(自動車、電機・電 格化。 子、重機、エネルギー、優先レーンの輸入者などは除外)輸入者による船積 み毎の検査費用負担、鉄鋼メーカーによるミルポートでの実地検査対応が必 要となっている。 ・2010年12月28日、商業大臣令54号が公布され、2011年1月1日発効。措置 内容は前大臣令21号に準拠したもので、有効期間は2012年12月31日まで の2年間の時限措置。直前まで新規定の公表がなされず、検査の要否判断が 不安定な期間が生じた。 ・2012年1月にHSコード体系変更が行われたものの、船積み前検査を義務付 ける法令「商業大臣令」が適切に修正されなかったため、従来船積み前検査 対象外であった品種(具体的事例として線材)が船積み前検査対象となり通 関できなくなった。 ・2012年3月1日、商業大臣規定改正8号が公布、発効。改正令では AHTN2012に基づいた対象品目リストに変更され(HSコード上では166品目 から212品目に増加)、措置期間が3年間延長され2015年12月31日までとな った。時限措置として導入された後、十分な再検証を実施することなく、長期 に渡る輸入制限的措置が継続されている。 ・2015年12月30日、商業大臣規定改正113号が公布、発行。措置期間が1年 間延長され2016年12月31日までとなった。 (追加) (9) 船積前検査の遅延 ・設備部品中古品及びスチールコード輸入に事前検査が必要。輸入ラインセ ・自国に粗悪品を入れないことを目的として ンス取得するのに輸出先の検査含め3週間から1ヵ月と時間がかかる。 いるが、過剰な国内保護政策に思える。 産業育成が目的であれば、そちらに力を 入れるべき。 (10) アンチダンピング 措置の濫用 ・2011年6月24日、冷延鋼板類に対するAD調査を開始。対象国は日本を含 ・措置の撤廃、適用除外措置の設置。 み、韓国、台湾、韓国、中国、ベトナムの5ヵ国・地域。 ・2013年3月19日、財務省が対象5ヵ国・地域すべてをクロとし、5.9%∼55.6% のAD税を3年間賦課することを最終決定。輸入HSコード分類上は区別でき ないが、日本から輸入される調査対象の冷延鋼板の多くは自動車、電機・電 子向け産業に使用され、品質および供給量において国内生産される冷延鋼 板とは異なり同種の産品ではないことから、国内産業へ損害を与えていない とする日本側の主張は一切考慮されていない。 ・2014年4月17日、Interim Review(中間見直し)を開始。 ・NOMOR 87/M-DAG/ PER/10/2015 ・商業大臣令8号 ・同 改正令21号 ・商業大臣令54号 ・同 改正令8号 ・同 改正令113号 ・Ministry of Trading Permendag No.113/ M-DAG/PER/12/2015 ・Ministry of Trading Permendag No.127/ M-DAG/PER/12/2015 ・インドネシア政府規程34 号(アンチダンピング法) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 8 / 24 区分 意見元 9 日機輸 日商 日鉄連 日機輸 日機輸 建産協 No 問題点 問題点内容 ・2014年12月22日、財務省が一部の品種をAD税賦課対象から除外すること を最終決定。 ・2015年9月4日、Sunset Reviewを開始。 (追加) ・冷延鋼板に対するアンチダンピング(AD)課税 日本製品は自動車、家電用の高品質が求められる顧客向けが多く当国では 品質面で供給が困難と見られる品目で、実質当国産の冷延鋼板と競合してお らず、当国での不利益は事実上ないと思われ、当該需要分野での当課税除 外を主張。 冷延AD措置は2016年3月19日にて終了予定となっており、日本側からは予 定通りの終了をかねてから尼国政府に求めていたが、残念ながら尼国鉄鋼業 界からの申請により、継続要否に関する調査(サンセットレビュー調査)2015 年9月に開始。未だAD委員会からの調査結果は何も出されていない。 尚、今後、AD委員会による最終報告公表→National Interest Committee での検討→商業大臣から財務大臣への建議→財務大臣決定、というプロセス を経て、最終決定が下される予定。 (内容・要望ともに変更) ・産業界全体の問題だが、板厚3mm未満、板幅1250mm以下の非合金鋼冷 延コイルおよびシートにつき、アンチダンピング(AD)課税をされている。 課税されれば、その分、割高な材料を使用せざるを得ないことになる。 (11) セーフガード措置 ・2011年以降、多数の鉄鋼製品に対するセーフガード措置を発動。具体的に の濫用 は線類(2011年3月23日、賦課開始)、鋼線(2012年11月20日、賦課開始)、 オイル・ガス掘削用継目無鋼管(2013年8月6日、賦課開始)、非合金アルミ・ 亜鉛めっき鋼板(2014年7月5日、賦課開始)、線材(2015年8月18日、賦課 開始)、合金形鋼(2015年1月21日、賦課開始)。 日本以外の他国からの輸入急増に対抗する措置と思われるところ、日本が巻 き込まれる安定的な貿易環境の維持の障害となっている。 (追加) (12) 関税分類事前教示 ・関税分類判断が容易でない製品について、事前教示による書面での確認を 制度の未導入 行いたいが、インドネシアは事前教示制度を未導入につき、書面での回答入 手不可能。 (13) 通関手続の不透 ・各税関でのHSコード、関税評価、C/O上の軽微な記載ミス等において、統一 明・恣意性 的解釈・透明性が確保されておらず、税関担当の判断で不当と思われる関税 を徴収されるケースが頻発している。国内産業育成に偏重し、貿易に関する 通関等、諸手続の品質向上が見られない。新政権下でも税収確保が命題とな っているが、これを曲解した税関が、同様の指摘を繰り返す事態を懸念する。 (継続) (14) 通関手続期間の遅 ・輸出入に依然、時間がかかっている。港の交通渋滞に関しては以前に比べる 延・不安定 と若干解消されてはきたが、システムダウン/港湾デモ/ストライキ/トラック 通行規制など工場生産/輸出に影響を受ける可能性が大きい。その場合、い つ通関が完了されるのか不明で計算が出来ない。 要望 準拠法 ・当国は日本から冷延鋼板を輸入してお ・インドネシア政府規程34 り、その70%は自動車向け、5%は電気・電 号(アンチダンピング法) 子製品等向けである。日本側(経産省、日 本大使館、鉄鋼連盟、JJC鉄鋼)からは冷 延AD措置の終了を主張。また、尼国需要 業界からは自動車用途への除外を、日尼 合弁メッキ製造メーカーからは冷延原板 の除外を夫々要望しているが、同様のこと をお願いしたい。 ・業界としての意見具申(JJC等で推進 中)。 ・インドネシア アンチダン ピング員会(KADI) ・セーフガード措置乱用の中止。 ・インドネシア政府規程34 号(セーフガード法) ・事前教示を導入し、問題を未然防止でき る仕組みを構築頂きたい。 ・通関制度上の判断基準等(日本において 定められたC/O上の軽微な記載に関する ガイドライン等)を、尼国の通関に対して指 導し、品質向上を図って頂きたい。 ・輸入通関手続きの簡素化。 ・港の拡張/交通渋滞の改善。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 9 / 24 区分 9 意見元 No 問題点 日商 (15) 再輸入手続の煩 ・インドネシア製タイヤ製品の再輸入が通常申請では認められていない。不具 ・再輸入の許可(時間、手間を掛けず)。 雑・遅延 合品の解析などの為に再輸入する際、多大な時間と労力が必要。 (16) 輸入通関における ・生産設備輸入時の通関検査に関する課題: ・通関事前申請制度の明確化。 粗荒な開梱検査 100%開梱検査で内梱包(ビニール梱包+シリカゲル)を全て開梱。これに伴 ・事前申請により貨物内容を把握した状態 い工場搬入時に錆発生の事例あり。 で検査を実施いただきたい。 通関手配作業者の木枠解体作業が荒く、設備を固定している足場にダメージ が発生(通関以降の搬送で荷崩れ(設備ずれ)等のリスクになる)。 (17) 保守用品の輸入手 ・顧客納入システムの構成品として回転機器(遠心脱水機)をインドネシア国外 ・海外調達製品への保守を目的とした潤滑 続の煩雑 から輸入し、納入している水処理設備Engineering会社をインドネシアに持っ 油輸入に関する規制撤廃。 ている。納入後の保守時に、保守用品として潤滑油(Lubricant)の購入依頼 を受けることがあるが、機器と同時に潤滑油を輸入する場合は何ら制約を受 けないにも関わらず、製品納入後に潤滑油単独で輸入する際にはNPT (Nomor Pelumas Terdaftar :潤滑油に関する登録番号)が必要と同時に、 Engineering会社が所有する輸入ライセンスでは販売先が提供する潤滑油 のみを単独で輸入することができず(Lubricanting Oilの輸入は製造輸入業 者(IP)に限定)、納入顧客の適正な保守実施に困難が生じている。 (18) 赴任者の免税荷物 ・赴任者の免税荷物の通関にKITAS(滞在許可書)・IMTA(労働許可書)のオリ ・左記の制約事項の緩和をして頂きたい。 の通関の煩雑・遅 ジナルが必要となり、本人到着後荷物受取までに1ヶ月以上かかる。 延 免税通関の回数が船便は1家族1回までとなり、本人初回入国後より、3ヶ月以 内に通関開始できない場合、全量課税となる。 航空便もKITAS、IMTA取得後でなければ免税通関ができない。未取得の 場合は課税での通関となる。 (継続) (19) 貿易手続シングル ・関連法規制の変更、新規法令の発令後、各省からのインドネシア・ナショナ ・アップデートに必要なスタンダードリードタ ウィンドウのデー ル・シングル・ウィンドウ(INSW)へのアップデートがタイムリーでなく、且つ何 イムの設定、関係者への説明会開催、及 タ・アップデートの 時アップデートされるかも不明である点が問題。 びシステム導入等の改善を求める。 遅延・不透明 (20) FTAでの第3国イ ・ASEAN−中国で結ばれたFTAで2010年1月より関税が大きくとりはらわれ ・現場としては、選任の書類確認係を設置 ンボイス活用困難 たが、フォームEが第三国経由(仲介取引)の場合適用されず、オリジナルの し、工場がFormDを発行する前に輸入時 関税を適用される。タイ・ベトナムなどは第三国経由が認められたが、同じ の書類確認担当者のチェックを受ける運 ASEANのインドネシアではまだ認められていない。 用を実施し、通関でのトラブルを低減しよ 2011年10月より、インドネシア税関当局より、第三国経由の場合でもFTA うと試みている。要望としては、通常の国 (FormE)が認められる通達が発信され、11月中国工場出荷分より順次適用 であれば不備と取られない程度のものに を進めている。 ついては、確認要件を緩和して頂く交渉 但し、中国CIQでの第三国経由取引におけるFormE取得が未だ不安定であ をお願いしたい。 り、80%のCIQでFormE発行を拒否されるとのこと。 ・少なくともFormD/Eに関しては、書類上に 輸入通関に関連した書類において、FormD/Eについて、輸入インボイスの 輸入者向けのIV番号が記載されていて、 請求金額の記載が要求され、工場出荷金額とは異なる為、商品の工場出荷 輸入者が税関に対してそれを別途提示で 後しか、書類発行手続きが行えない。この為、インドネシアから近い国からの きれば問題ないと思われるので、金額記 出荷の場合、商品が書類の完成よりも早く着いてしまうケースがある。結果、 載を不要にできないか、そういった制度運 通関に時間を要してしまう。 用に変更頂く働きかけをして頂きたい。 自動部品 日機輸 日機輸 日機輸 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 ・2001年7月20日付工業商 業大臣決定2001年第233 (No.233/MPP/Kep/7/20 01) ・IRG 2012/10/11 JMC情報 FormDのFOB価格の記 載要件の廃止で、 ASEANが合意(関税番 号変更の場合に限定)。 2013年2月の承認、2013 年半ばでの発効を目指 す。 2014/1/17 現時点でまだリジェクトさ れている。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 10 / 24 区分 意見元 No 問題点 9 日機輸 (21) FTA原産地証明書 の遡及適用不可 自動部品 (22) FTAでの第三者原 産地証明取得手続 の煩雑 日商 (23) 原産地証明書の過 剰な税関監査 日機輸 日鉄連 日製紙 日鉄連 問題点内容 また、この運用制約により、一部OEM商品に関して、販売会社への販売価格 がOEM工場に開示されてしまう為、OEM工場との価格交渉に悪影響を及ぼ す事が懸念される。ASEAN域内の通関に際してもフォームDの内容を異様 に細かく確認して、通関を遅らせることがある。 (継続) ・インドネシアでの輸入通関完了後のFTA原産地証明書の遡及適用ができな い。また適用には特定原産地証明書の原紙が必要となる。そのため、緊急貨 物である空輸については、FTAを利用できない場合がある。 (継続) ・現在のEPAやFTA、今後のTPPを締結した国々との貿易では優遇関税の取 引が活発になると予想されるが、優遇関税を適用するには特定原産地証明を 出荷毎に商工会議所に出向いて入手し、輸入国での輸入通関に間に合うよう に発送する必要がある。 ・輸入先の政府が発行する原産地証明書に不備があると指摘された他、その 有効性の証明も監査される会社に求めるため、対応が難しかった。 要望 準拠法 ・遡及適用、もしくは、コピー(PDF)可として 頂きたい。 ・貿易サブシステムなどを活用し、申請、取 得、輸入者への提出が電子的に行えるよ うにする。 ・一企業から先方の政府に証明書の有効性 を確認することはできないのが普通。G to Gで確認してほしい。 (24) 更正通知とブロック ・HSコードの見解相違と原産地の理解の仕方に食い違いがあり、更正通知が ・他諸外国では、まず修正申告の検討要請 (申告拒否)制度の 発行されるが、輸入者に更正通知が回答期限直前に届く等で、通知の確認 があり、第3者の申告のブロックは行なわ 調整不足 が遅れ、抗弁の機会あるいは追徴金の支払いができず、EDIがブロックされ ないことが一般的である。更正通知発行 るケースが散見される。 前における事前連絡のルール化等の改 善を要望する。 (25) 輸出関税の賦課・ ・石炭の輸出に関し、2015年8月8日以降、IUP(鉱業事業許可)事業者に対し ・税の撤廃。 ・財務大臣令107号 引上げ て、輸出FOB額に一律1.5%の輸出税を賦課。一方、当該輸出税分は法人 税から控除できることから、事実上「法人税の前払い」として機能。サプライヤ ーのキャッシュフローへの影響が懸念される。なお、年度の最終損益が赤字 で法人税を納付しない事業者にとっては、当該輸出税負担は純増。 ・2014年7月に木材チップを輸出する際の輸出関税がGMTあたり2US$から ・輸出関税の撤廃もしくは単価の引き下げ 3.5US$へと突然値上げされた。タイなどの輸出関税のかからない国とのコス および運用基準の徹底。 ト競争力の面で不利になる。 また、運用面でも本船出港前に支払う必要があるという担当者もいれば、本船 出港後の支払いで良いという担当者もおり、基準があいまいである。 (内容・要望ともに変更) (26) 未加工鉱物輸出規 ・2009年1月12日、新鉱業法が成立し、5年後に発効の予定。 ・規制適用の回避。 ・新鉱業法(鉱物石炭鉱業 制措置の導入 鉱物輸出規制が懸念されており、ニッケル鉱石が対象となった場合、国内フ 法) ェロニッケル生産者の事業継続性へ重大な影響をもたらすこととなる。結果、 国産フェロニッケルを使用するステンレスメーカーへの影響も重大である。 2012年5月から輸出関税の課税を開始した。 工業大臣令により実際2012年5月からニッケル鉱石の輸出が一時的に(約1ヵ 月間)停止した。6月以降は一定の条件を満たす企業は20%の輸出税を払う ことを条件に輸出再開可へ(在庫使用により大きな混乱は回避できた)。 2014年1月12日、新鉱業法のNi鉱石禁輸措置発効。未加工のNi鉱石は輸 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 11 / 24 区分 意見元 No 問題点 9 日機輸 日商 日鉄連 (27) 輸出へのLC(信用 状)決済義務化 日商 (28) 関税の為替レート 適用時期を港到着 時レートに限定 日鉄連 (29) インドネシア語での 商品ラベル表示義 務 JEITA 11 利益回収 日機輸 (1) ロイヤルティの否 認・送金の困難 日商 (2) 投資コストの回収 制限 問題点内容 出禁止へ。国内フェロニッケル生産者は一時的に原料在庫の積みあげ等に より対策を講じているが、今後何らかの緩和措置もなく輸出禁止が継続した場 合、生産への影響が懸念される。 (継続) ・貿易相は、新鉱業法2009年第4号を施行し、2014年1月12日に国内での鉱 物の製錬・加工を義務付け、ニッケル鉱石の輸出を全面禁止した。銅精鉱と 鉄鉱石の輸出に際しては、純度に応じて多額の関税が課される等、鉱業会社 に甚大な影響が生じている。 (継続) ・輸出業の営業許可を受けていても、木材製品の輸出においては、規制によ り、輸出ライセンスを持たない工場の製品しか取り扱いが出来ない。 ・2015年1月5日、商業大臣令4号公布。石炭・石油・ガス・鉱物等、全43種の輸 出について、2015年4月1日よりL/C決済を義務化。 2015年8月31日、商業大臣令67号公布。石油・ガスのL/C決済義務を撤廃。 ・関税の為替レート適用時期が港到着時の為替レートを使用するよう限定され たため、事前の通関申告ができなくなった。通関期間中の倉庫料負担増及び 港から工場までのリードタイムが伸びる恐れがある。政府が掲げた「港のコン テナ搬出期間の短縮」とは真逆の行為に思える。各省庁で対応がばらばらで 統一されていない。 ・2009年12月21日、商業大臣令62号公示。 2010年5月21日、同改正令22号が公布。対象品目の削減(電機・溶融亜鉛め っき鋼板、ティンフリーが除外)、生産工程で必要な原材料は輸入者が申請し て、商業省が認めれば対象から除外されることが新たに規定された。中間財 として最終製品の原材料に使用される鉄鋼製品を義務対象から除外すること で大幅な改善が見られた。 2010年9月1日、改正令22号発効。 ・特定商品に関して、インドネシア語でのラベル表記が義務付けられているが、 対象品すべてで対応が義務化されると、不要なコストアップを招くことになる。 ・インドネシアでは、ロイヤリティについて経済合理性がないとして全て否認。 送金も困難。 (継続) ・石油ガス田の探鉱開発に係る政府との生産分与契約(PSC)上で事業者に与 えられた投資コストの回収権を制限する大臣令、政令等が発布されており、既 存のPSCにも一部遡及適用されることから、今後の事業の採算性に影響を与 える可能性がある。 (継続) 要望 準拠法 ・新鉱業法2009年第4号 ・規制の緩和。 ・規制の撤廃。 ・商業大臣令4号 ・商業大臣令67号 ・突然施行される。周知期間をしっかり設け ・Ministry of Finance て、施行してほしい。 「Peraturan Menteri Keuangan PMK Nomor 227 /PMK. 04/2015」 ・商業大臣令62号 ・同 改正令22号 ・HSコードで対象が決められているが、 B2B取引は対象外とするべき。 ・62/M-DAG/PER/12/ 2009 ・投資環境や事業採算性の確保の観点か ら、今後はこれらの法規制の導入に先立 ち、外資をはじめとする石油ガス事業実施 者との十分な対話機会が持たれることが 望ましい。 ・エネルギー鉱物資源大臣 令2008年第22号 ・2009年国家予算法(2008 年11月10日付2008年法 第41号、2009年8月25日 付 2009年法第26号で改 訂) ・コスト回収・所得税に係る 政府規則(2010年第79 号) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 12 / 24 意見元 No 問題点 11 日商 12 為替管理 日機輸 (3) 輸出代金の相殺に ・海外の取引先と相殺による決済は認められているが、輸出時にinvoice(販売 よる決済の困難 先・金額・入金日)を中央銀行に登録している事から、相殺による輸出代金回 収に齟齬があると、中央銀行に理由を説明する手続きが必要であり、実質相 殺ができない。 (1) ルピア為替取引へ ・現地通貨ルピア関連の為替取引については実需取引に限定されていることか の実需原則適用 ら同一グループのシンガポール金融会社とのルピア関連為替取引が不可能。 (継続) (2) 国内取引のルピア ・2015年7月1日より、インドネシア国内における取引についてルピア使用が義 使用義務化 務化されたが、拙速な施行により準備期間少なく混乱を招いている。 また、内容的にも一部許容しがたいものが含まれる。 区分 日商 JEITA 日機輸 医機連 日機輸 日機輸 (3) 外資建オフショア 債務規制 問題点内容 ・インドネシア国内において、ルピア取引が義務付けられたことで、従前インド ネシア国内の代理店を介して行ってきた取引に関して、ルピア取引を嫌う得 意先から、代理店を経由しない直接取引(輸入)への変更要求を受けるケー スが増えた。インドネシア国内の代理店を活用したビジネス展開が困難にな っている。 ・政策趣旨は理解するものの、基軸通貨変更を3ヶ月以内(実務規程が出たの は施行の1か月前)に行わなければならないというのはあまりに拙速であっ た。その後、各企業ごとに延長が認められたものの、依然として準備期間が不 足している状況。 ・外貨建オフショア債務について、以下の規制がある。 −ヘッジ比率:10万ドル以上の場合、少なくとも25%ヘッジすること。 −流動比率:四半期末から3か月以内に期日が到来する外貨建債務に対し、 少なくとも70%の外貨建資産を保有しなければならない。 −格付取得義務:2016年1月1日以降に外貨建対外調達を行う場合、事前に 「BB‐」相当以上の外部格付取得が必要、格付有効期限は取得日から最長 2年間、国内格付会社による格付は国外格付会社と同等に扱う。 ・2011年10月3日、BIは「輸出代金及び、オフショア借入資金に関する新規 制」を発表。上記規制の中で“2012年迄は輸出者が輸入者とネット決済するこ とは可能なるも、2013年からはグロス決済のみ“現在同一グループのシンガ ポール金融会社と貿易代金、経費、為替決済及び、借入の決済において差 額決済のみを実施しているが、グロス決済のみになった場合、ディール単位 でのグロス決済になることから煩雑なオペレーションとなる。 (継続) ・2014年10月28日 BIは「外貨オフショアローンに関する新規制」を発表。当 規制の中に、定められた計算式で対外債務をヘッジをすることが義務付けら れているが、USD決算会社が適用となるかについては不明確。USD決算会 社がUSDで借り入れる場合は為替リスクは発生しないため、適用すべきでは ない。 (継続) 要望 準拠法 ・相殺処理の簡素化。 ・為替取引の自由化。 ・BI規定 ・少なくとも保税地域内の取引については ・中銀通達 外貨決済を容認頂きたい。 (17/3/PBI/2015) ・インフラプロジェクトについては、下請けも 含めて包括的に外貨決済を容認頂きた い。 ・ルピア取引の強制を見直して欲しい。 ・インドネシア中央銀行令 第17/3/PBI/2015号 ・施行の更なる延長・猶予期間をご検討い ただきたい。 ・中央銀行令2015年第17 号 ・撤廃してほしい。 ・中央銀行規制 16/21/PBI/2014 ・外貨決済の自由化(左記規制の撤廃)。 ・BI規定 ・外貨(USD)建て決算会社への非適用。 ・BI規定 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 13 / 24 区分 12 意見元 No 問題点 日機輸 日商 日機輸 医機連 13 金融 日商 日商 14 税制 日機輸 JPETA 日商 日機輸 自動部品 問題点内容 要望 準拠法 ・国外外貨建て借入に関するインドネシア中央銀行規制が2014年から適用さ れているが、突如とした変更が生じており各法人にとっては対応しづらい状況 となっている。またヘッジをインドネシア国内銀行で実施する必要があること、 加えて格付取得等の規制等は一部法人にとっては負担が大きいものと考えら れる。 (継続) (4) 急激な為替変動 ・外国為替変動による差益、差損が産業経済、特に外国投資報告に大きな影 響を与えている。 (継続) ・急激な為替変動により製品輸出価格、現地原材料調達価格の変動により採 算が悪化している。 (1) 輸出代金及び海外 ・輸出代金と海外借入金のインドネシア国内銀行での受取を義務化されること 借入金の国内銀行 による、既存および将来のファイナンススキーム(国外銀行を使ったTrustee 経由受取義務 Borrowing Scheme)への悪影響が懸念される。 (継続) (2) 煩雑な口座開設手 ・政府系金融機関の口座開設の際に、本社役員及び監査役全員のパスポート 続き コピー、サインを求められている。 ・本規制の見直し。 ・規制の緩和。 ・16/20/PBI/2014(旧規 定)→16/21/PBI/2014 (12月29日改定) ・急激な為替変動の抑制。 ・Refer to Malaysian Regulation about their Foreign Exchange (1) 税務調査・否認・追 ・ロイヤルティ、ブランドフィーなどの否認や移転価格税制で法外な追徴の決 徴課税の不透明・ 定。あるいは非現実的な否認で、多額の資金が凍結される。不服申し立て、 恣意性 裁判は行うが、長期間の資金が凍結。税務調査において十分な説明と議論 なしにロイヤリティ、ブランドフィー等モノを伴わない取引が税務否認されてい る。 (継続) ・親会社が提供する経営指導、債務保証に対する対価の支払いに関し、インド ネシアに所在する子会社においては、すべて配当とみなされ損金処理が認 められず追徴課税が発生した。高いコストを払い移転価格文書化を遵守して いるが、調査段階で深い分析もなく課税されているのが実態と思われる。 (継続) ・担当官毎に見解の違いが大きく、これまで問題のなかった課題が急に問題と して指摘され、ペナルティを受ける事がある。例えばこれまで、関税システム のデータと当方保管の実際データとの間の差異について、指摘を受けた事が 無かったが、急に指摘されるようになった。 ・移転価格税務調査は特別チームによる独立した調査ではなく、一般税務を担 当している調査官が移転価格も担当し、しかも調査のたびに違う担当官となる ため、企業が行っている事業について機能・リスクなど十分な理解のないまま 事業評価することで、独立企業間価格の算定アプローチに一貫性がなく更正 させられる場合がある。 ・本社経理部門より国税庁等に対して現状 の説明を行い、国家間の問題に持ち込む べきロビー活動を実施中。 ・十分な説明と議論をした後、公正に判断し て欲しい。 ・為替の安定。 ・中銀規制を順守する場合、海外レンダー ・インドネシア中央銀行規 からの借入金返済に支障が出ないような 則2012年第14号(2011 取り決めが必要である。 年第13号改訂) ・駐在員の権限に収めてほしい。 ・移転価格文書に対する十分な検証プロセ スを経た上で、納税者が理解可能な課税 説明を頂きたい。 ・税務調査に関する統一的な方針や手法を 示してほしい。 ・担当官の引継ぎがきちんとなされ、一貫性 のある更正内容となる体制作りをお願いし たい。 (2) 税金の還付請求に ・法人税を還付請求した際に毎回税務調査が入るが、調査結果に統一性がな ・税制の整備。 対応した税務調査 い。異議申立を行う場合、時間及び税務対策費用がかさみ事業遂行に支障 ・解釈の統一。 の実施 が出かねない。 ・インドネシア税法全般 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 14 / 24 区分 14 意見元 No 問題点 日商 日機輸 JEITA (3) PE認定の基準が あいまい 日商 (4) 税法実施規則・運 用基準の不透明 日商 日機輸 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 ・期末に前払い超過となった場合、税務調査を経た後でないと還付受けられ ず、期末締め後還付までに約1年半を要し資金負担大きい。また、徴税予算 (ノルマ)との兼ね合いで、還付を拒む“理不尽な課税”が横行している。 ビジネスモデル上、毎年還付ポジションとなる会社には毎年税務調査が入る ことになり、本当に税務調査が必要な会社に税務調査官の人手が回らない。 ・税務当局に対しVAT還付請求をすると必ず税務調査が実施され、対応に時 間を要する。 ・インドネシアの得意先から、工場の敷地内に在庫を保有するよう、要求される ことがあるが、非居住者によるVMI(Consignment stock)取引のPE認定の 基準があいまいであり、事実上の参入障壁・内外格差となっている。 AECが発足により、ヒト・モノ・カネの自由化を謳いながら、PEの問題であった り、外国企業に対する事業ライセンスであったり、障壁は残っており、各国国 内法の整備が追いついていない。その結果、ASEAN域内でのより自由度の 高いフレキシブルな事業展開の足かせになっている。 ・物理的に実行不可能な税務規則があるほか、税法の解釈が曖昧であったり 履行細則が無い中で、それらの税制に基づく徴税が行われ、ペナルティーも 課されるため、事業遂行に支障がある。追徴令状を受けた時に支払わず、税 務裁判で負けた場合のペナルティーが100%(つまり倍額)となっているが、 他国では一般的ではなく、過重な負担となる。 (追加) ・石油ガス上流権益の譲渡に対する課税を含む、所得税関連の新政令が発布 されたが、2011年に当社が行った権益譲渡に関して支店利益税は課されな いことを当時の管轄税務署長と文書で確認していたところ、今般、2011年分 の税務調査の結果、課税されるとの見解が税務当局から示されている。本追 徴示唆は、不当なものと考えている。 (変更) ・税金還付と税務調査は切り離して頂きた い。 ・所得税法 ・国税通則法 ・モラル ・VAT還付期限の設定と税務調査実施要 件の緩和を要求させて頂きたい。 ・APECやTPP、FTAといった国際的な経 済連携の潮流に沿った各国国内法の整 備。 ・履行細則を含む税制の整備を希望。また ・財務大臣令No73/ 税制整備に際しては、外資を含む事業実 PMK03/2010(VAT関 施者・業界団体等との十分な対話機会が 連) 持たれることが望ましい。ペナルティーは ・租税局長令2013年第45 撤廃するべき。 号(租税局長令 2012年 第163号改訂)、他 ・当時の管轄税務署長との非課税の確認は ・財務大臣令(2011年第 有効なものであり、追徴課税は不当である 257号) ことを税務署が理解し、追徴令状を出さな ・コスト回収・所得税に係る いことを希望。 政府規則(2010年第79 号) ・2008年法第36号(第4次 改訂所得税法31条D) ・厳しい税制の運用。 ・税制運用の透明性向上。 ・Tax Treaty Regulation ・インドネシアでは個人所得税計算に累進課税計算が適用されている。弊社が ・年度途中帰任の駐在員に対する所得税 ・所得税法17条1項a インドネシアに保有する水処理設備のEngineering会社では2013年3月に 計算根拠の透明性確保。 日本帰任した駐在員の個人所得税率計算を2013年1∼3月までの所得で計 算(※a)し納付手続き実施。しかし、税務当局から税務調査指示を受け当該 期間の所得証明書類を提出。その結果として、2013年1∼3月までの所得を4 倍し年間換算とした場合に計算される所得税額の1/4の税金(※b)を納付す るようにという結果が通知された。 (※b)の計算だと(※a)の額より納付すべき税金が増加する結果となり無理や り徴収税額を増加させているように見受けられる。インドネシアの会社から反 駁してもその計算根拠を示す規定などが不明な状況。指示事項に関する反 駁等を繰り返すと大規模な税務調査対応を迫られるうえ,過度な追加課税要 求などがあるとの他社事例も聞いており対応に苦慮している。 (継続) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 15 / 24 区分 14 意見元 No 問題点 日商 (5) VAT還付に関する ・政令2010年第79号(2010年12月20日発効、以下GR79)では、同政令以降 新税制実施の不透 に締結される生産分与契約(PSC)においては上流事業に係るVATを含む間 明 接税はコントラクターが支払った上で、コスト回収に含まれることが規定され た。本件については2015年4月8日の経団連ミッションのJokowi大統領との 面談において、石油ガス開発で本来消費者が負担すべきVATを生産者が負 担していると指摘したところ、大統領からVATについては所管する財務相が 検討すると発言があったが、その後進展はない。 GR79以前に締結されたPSCのVATについては、2014年12月に発布された VAT還付に関する新規則において、還付方法が規定された。①LNGプラン トのVATが還付対象外と規定されたことでコントラクターが行う操業に係る VATは還付されると規定するPSCとの間で齟齬が生じていることや、②還付 の原資が限定されVATの還付が十分に行われない可能性があることなど、プ ロジェクト経済性への影響が懸念される。 自動部品 (6) 頻繁な税制改正 日商 (7) 前払い法人税徴収 ・輸入通関時に多額の前払い法人税(PPh22=2.5or7.5%)を徴収され、企業 ・本制度は他国に類を見ず、また多額の資 ・インドネシア所得税法22 の重い負担 のCash Flowに甚大な影響を与えている。ビジネスモデル(利益率)や法人 金負担となり円滑な企業運営の障壁にも 条 実効税率が当制度の導入当初から変わっているにもかかわらず、税率が減る なっており、撤廃頂きたい。 どころか一部上がっているものもあり。 ・前期の税額を元にした当期の法人税予納は、業績の急変時にはCash Flow ・周辺諸外国で見られる、企業による自主 ・インドネシア所得税法25 が負担大きい。また、期中での減免申請の承認プロセスも不透明で、承認が 計算(見積もり)をベースにした予納制度に 条 されなかったり、却下理由を示されないケースもあり。 改正頂きたい。 日商 15 価格規制 問題点内容 要望 準拠法 ・新税制導入、税制や税率変更に際して ・財務大臣令 No218/ は、外資企業に対話機会を提供するととも PMK02/2014 (VAT還 に、十分かつ妥当な説明を実施するなど 付) 透明性を確保して頂きたい。 ・当該税制の整備を、外資を含む事業実施 者・業界団体等との十分な対話の上、行っ ていただきたい。 ・Indonesian Minister of Finance's Regulation no:132/PMK.010/2015 HS code 3926.90.5900 ・突然の税制変更により、EPAによる免税メリットがなくなり、収益を悪化させて ・対話・検討の機会の提供。 いる(変更前ベース関税率5%、EPA関税率0%⇒変更後ベース15%、 ・適用猶予期間の設定。 EPA5.5%)。 公布日2015年7月9日、適用日2015年7月23日より。 日機輸 JEITA (8) 過少資本税制 JPETA (9) 租税条約上の債務 ・インドネシアとの租税条約において使用料の所得源泉地として債務者主義が ・租税条約上の債務者主義撤廃による使用 ・租税条約 者主義採用による 採用されていることにより、駐在員事務所で賃借している車、コピー機の使用 料の源泉徴収義務の廃止。 駐在員事務所にお 料に源泉徴収義務が生じている一方、現地業者から日本国の税金負担の理 ける使用料の源泉 解は得られず、納税義務者である当社の負担にならざるを得ない状況になっ 徴収義務 ている。 日機輸 (10) 統括会社への合算 ・統括会社を設立しても、グループ会社全体での合算課税のメリットが無い。 課税のメリット不足 医機連 ・Ministry of Finance ・純資産の4倍を超える借入金部分に対する金利の損金算入が不可。(2016年 ・規制緩和または撤廃。 1月以降開始事業年度より適用) ・新政権の自由化の流れを受けて、合算課 税を実現することで、統括会社設立のメリ ットを得る。 (1) 公的機関発注にお ・国公立機関からの発注窓口としてEカタログが昨年より本格稼働となったが、 ・撤廃して欲しい。 ける価格統制 価格設定に際し、LKPP(大統領直轄機関)が原価明細を確認し、マージン 率にまで規制をし、価格統制がされている。 ビジネス上大きな障害となる。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 16 / 24 意見元 No 問題点 15 日鉄連 16 雇用 日機輸 (2) 石炭輸出への基準 ・2010年9月23日、国際マーケット価格から計算式に基づき決定される石炭基 価格の設定義務 準価格を参考にして、インドネシア鉱山会社が輸出価格を設定することを義 務付けた。輸出価格が石炭基準価格を下回る場合には、石炭基準価格をもと に課税する。 (継続) (1) 労働者に有利な労 ・インドネシア労働法では、会社のステータスの変更、合併、併合、所有者の変 働法 更が発生し、労働者が労使関係の継続を望まない場合、経営者は労働者に 対して解雇処分を科すことができ、この場合、労働者は、所定の退職手当等 (割増あり)を受け取る権利があると規定されている。つまり、会社の株式が譲 渡される場合でも労働者に優先条件で退職する権利を与えているので、従業 員を一括で引き受けることを目的としたM&Aにおいて、不確実性を生じさせ ることになる。また、この規定は、会社の株式が同一企業グループ間で譲渡さ れる場合にも適用されるため、企業内の円滑な再編を阻害することにもなる。 さらに、こうした労働者保護の行き過ぎにより、単なる社名変更の場合にも(本 来はその必要がないにもかかわらず)労働者に対し補償金の支払いを検討 せざるを得なくなっている。 (追加) (2) 過激な労働組合運 ・毎年、法定最低賃金が上昇しており、恒常的な減益要因となっている。ジャカ 動と賃上げ要求 ルタでは毎年複数の労働組合が主導する大規模デモが起こっており、操業を 停止せざるを得ない企業もある。 (継続) ・毎年政府による大幅な賃上げ率が発表され、労務コストは早いペースで増加 し、企業の負担増となっている。 またデモ発生時には、道路遮断で交通渋滞となり、従業員の遅刻・部品調達 難等の影響がある。加えて、デモ部隊に多数の従業員を出せざるを得ない状 況下、工場生産人員が不足する。 ・労働組合との毎年の交渉とその妥結に非常に長い期間を要する。11月ごろよ り交渉開始し、その妥結は1月末となる。 区分 日製紙 日機輸 日商 JPETA 医機連 問題点内容 要望 準拠法 ・制度の撤廃。 ・エネルギー及び鉱物資源 大臣令17号 ・株式譲渡の場合など、会社の組織に変化 ・労働法第163条 がなく、会社従業員の雇用関係に何らの 変更を生じさせない場合は労働者を保護 する意義に乏しく、法律の改正が望まれ る。 ・企業が企業努力により競争力を維持でき る範囲の法定最低賃金の上昇。 ・最低賃金の合理的な計算基準を設定す べき。 ・またデモの規模をコントロールし、違法な 活動を取締り、交通・生産への影響を最小 限とする。 ・毎年の最低賃金上昇が妥当なのかどう ・各会社で2年おきに設定 か。政府がまずきちんと説明をする必要が する(組合とともに作成し ある。組合側の十分な理解がないまま、一 た)労働協約 方的に賃上げ要求をしている状況が毎年 続いており、交渉に割く時間も多く、改善 措置を要望したい。 (3) 最低賃金の大幅な ・当社製造子会社のある、同国のブカシ県では、2016年の公定最低賃金が ・行政にもっと公平な立場で労使の仲介者 引上げ 11.5%アップした。2015年度の16%アップに比べると下落したものの、依然と としての役割を担ってほしい。 して上昇率は高い水準にある。また労働組合の活動は激しさを増すばかり で、行政には労使の仲介者としての役割は到底期待出来ず、企業側はスト、 操業ストップを避ける為、労働者の非合理的な要求を飲まざるを得ない。 (変更) ・毎年高率で最低賃金の改定が行われており、今年は11.5%の賃上げが計画 ・賃上げ率を可能な限り少ない率にして欲 ・2015年政令78号最低賃 されている。弊社の過去の実績は2013年61.9%、2014年17.6%、2015年 しい。 金決定法 31.6%。製造原価への影響が大きい。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 17 / 24 区分 16 意見元 医機連 日製紙 日機輸 日機輸 日商 自動部品 日製紙 日機輸 日商 No 問題点 問題点内容 要望 準拠法 ・最低労働賃金の高騰により、収益を圧迫し、適正な人員採用が困難となって いる。 ・2013年度1月より30% UP。 ・国際競争力がなくなる。 (継続) (人件費アップのコントロール) (4) 外国人の就労ビザ ・一部報道(*)で、英語を母国語としない外国人(すなわち日本人も含むと思わ ・英語を母国語としない外国人でも英語の 取得要件の厳格化 れる)の就労ビザ発給要件としてインドネシア語の能力試験を課すという方向 能力を十分兼ね備え英語によるインドネシ で労働省令の改定が進められているとの情報がある。 アへの技術移転を達成できる人材が多い (*)参考 と考えられるため、公的試験(例. http://news.nna.jp/free/news/20150105idr006A.html TOEIC、TOEFL、インドネシア語技能検 http://news.nna.jp/free/news/20141126idr006A.html 定)の結果等により能力試験を免除が可 (継続) 能などの対応を是非考慮いただきたい。 ・外資を積極的に誘致したいとする政策と相反し、保護主義政策(自国民の就 ・積極的な外資導入政策の内容に沿って、 労機会確保)の強化に伴い外国人労働者就労許可(IMTA)の発給規制およ 就労許可の発給に関する対応を緩和する び運用が、厳格化されつつある。 よう、労働省に強く申入れ頂きたい。 ①非製造業者AdvisorタイトルのIMTA有効期間が1年→6か月に短縮、 Managerタイトルの増枠が困難。 ②労働移住省の推薦状(TA01)発行日数が、従来の最大約1ヶ月から大幅に 延びており、4か月超のケースも報告されている。 (5) 就労ビザ取得手続 ・駐在員のビザ発給に係る監督官庁(SKK MigasおよびMIGAS)による審査 の煩雑・遅延 に時間が掛かり、人員計画通りに進まないケースがしばしばある。特に、2014 年から2015年のビザの切り替えがまったくうまく進まなかったため、駐在員が 数週間∼数か月ほど就業ができないという状況になっている。 (継続) ・生産開始前に短期で日本より応援者が現場支援をする場合、就労ビザ・一時 滞在ビザを取得する必要がある。しかし手続きが煩雑で時間も掛かり、現実と かけ離れ理に適っていない。 ・外国人労働者の雇用に関 する労働相令(2013年第 12号) ・2015年1月14日付労働省 公示 ・ビザ発給手続きや審査の迅速化を希望。 ・現実を考慮し、ビザ要件の緩和と、手続 き・期間の明文化と、末端の担当係官への 周知徹底。 (6) 短期技術指導者の ・短期技術指導者を直ちにインドネシアに派遣したくても就労目的の一時滞在 ・技術指導(インドネシア人の育成)というこ ・新大臣規則16号 就労ビザ取得義務 VISAの取得申請をしなくてはならず、派遣までに時間がかかる。 とで、VISA申請プロセス及びリードタイム の短縮。 ・日本人支援者(設備導入、設備改修、品質改善等)に労働許可取得が義務付 ・左記の支援者に対する労働許可取得の ・政令NO.31 けられており、時間的制約がある場合にタイムリーな支援に支障をきたしてい 免除を要望。 る。 ・外国人の現場作業を伴う入国の場合は作業期間・就労形態に限らず雇用就 ・雇用ではなく一時的海外他社(外国人)に ・労働移住大臣規定 労VISAの取得が義務付けられ、海外製製造機器の急な修理などで急な一 よる現場作業には雇用就労VISAとは分 時的期間で作業を行う海外メーカーの技師の入国手続きが出来ない。また手 けて一時的な現場作業VISAを設け、簡 続き条件が複雑で申請所用期間が不明な為、製造活動に必要な定期メンテ 易的な手続きにすることを希望する。 ナンスをスケジュール通りに実施することが難しく安定的な製造活動を困難に している。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 18 / 24 区分 16 意見元 No 問題点 自動部品 (7) 工場視察訪問・建 ・視察等で工場を訪問する必要があるが、就労ビザを取得しないと工場を訪問 設現場立ち入りへ できない。一方で就労ビザの取得は手続きが複雑で最終的にはインドネシア の就労ビザ取得義 に入国して手続きを実施する必要があるため、そのためだけに必要もないの 務 に長期間インドネシアに滞在する必要がある。 ・一般的に短期滞在出張者は到着ピザ(VOA)で入国している。VOAの入国目 的は、「物品やサービスの売買及び物品もしくは製品の品質監督といった商 談を行う」である。 建設工事の場合、出張者が建設物(サービス・製品)の売買、品質監督の商 談のため、現場に立ち入ることがあるが、現場内でヘルメットを装着し、打合 せなどをしていた場合、入国管理局は就労ビザを取得せずに「就労」したとみ なし、不法入国の理由で、多額の罰金などを請求するケースがある。 (8) 短期就労許可 ・2015年7月に、短期就労許可(IMTA)に必要な渡航の定義として記載されて (IMTA)手続の頻 いる「一時的性質の業務」に会議参加、講演等の項目が明確に明文化され 繁な変更 た。 その後、再度2015年12月に、当該規定の改正(緩和)があり、現在は下記3点 の出張に関して、IMTA取得必須要件となっている。 1) インドネシアにある支社において1カ月を超える期間、監査、生産品質管 理、もしくは検査を行う場合 2) 機械・電気の取り付け、アフターセールスサービス、若しくは事業調査中の 製品に関わる業務を行う場合 3) 商業映画の製作に参加する場合 上記の通り、頻繁に外国籍就労者の手続き内容が変更するため、ビジネス上 の問題が起きるケースがあった。 ・ビザ改定が何度も、それも非常に短い期間に(発行して1年経たずに無効に なる等)変更されており、実際の入国管理官の対応も法規と異なった例が多数 散見されている。 日商 日機輸 JEITA 日商 自動部品 日鉄連 建産協 問題点内容 要望 準拠法 ・工場訪問のためのビザの制約の緩和、就 労ビザの手続きの簡素化または工場を短 期間訪問可能で手続きが簡素なビザの新 設。 ・短期滞在ピザ(VOA)で「建設現場内の打 ・入国管理局長令2006年 合せ、検査が可能」と明記していただきた 第434号 い。 ・政府として一貫した規定運用をお願いし たい。 ・インドネシア労働大臣令 2015年第16号第16条 ・法規の変更は関連省庁との調整の上、確 ・2014年法務大臣規定第 実に行ってほしい。また法規変更前に実 27号 務者への周知を徹底してほしい。 ・2015年労働大臣規定第 16号 ・2015年入国管理総局長 回状IMI-3673.GR.01.07 (9) 長期技術支援を行 ・現在のVISAの体系では、長期の技術支援を行うことのできるVISA種類が設 ・左記VISA種類を新設するか、あるいは左 うビザの不備 定されていない。 記の場合はVISA免除としてもらいたい。 (短期商用であってもVISAが必要である ことを考慮すると免除とすることは難しい か) (10) 現地人の雇用義務 ・現地に進出する企業は、外国人労働者1人につき、インドネシア人3人の雇用 ・規制の撤廃。 が義務付けられている。 (継続) ・従前より商業省規制により駐在員派遣1名に対して3名のローカル雇用義務 ・労働法規制の頻繁かつ無茶な変更を控 ・2015/6/29付労働大臣規 が進出企業に義務付けられていたが、2015年6月突如労働省の新規制とし えて頂きたい。また管掌省庁を一本化して 定2016年16号第3条 て駐在1名につき10名のローカル雇用義務が課され対応困難として駐在派遣 いただきたい。 を諦めかけたが、4か月もたたずに1:10規制廃止。参入障壁消滅。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 19 / 24 区分 16 意見元 No 問題点 日商 (11) 外国人使用規制の ・石油ガス上流・下流事業およびその支援事業における外国人使用の規制を ・外国人使用の規制に関し、プロジェクトオ ・エネルギー鉱物資源大臣 強化 強化するエネルギー鉱物資源大臣令が発布、施行された(2013年10月24日 ペレーター会社に関してはある程度の規 令2013年第31号 付)。特に①継続勤務期間(最長6年⇒最長4年)、②勤務可能年齢(30歳∼ 制適用除外措置を希望。 60歳⇒30歳∼55歳)、③禁止ポジション(1.人事・法務・QHSE・調達分野の 全員、2.Superintendentまたは同格より下のレベル)の規制が強化されたこ とにより、プロジェクト遂行のための適切かつ十分な人材をタイムリーに配置 できず、業務に支障が生じている。 (変更) ・駐在員事務所では外国人枠が3名と限定されている。 ・ROH制度を構築して、人数枠の制限を広 げてほしい。 日商 日機輸 (12) 国民健康保険制度 導入による外国人・ 外資企業の二重負 担 日商 日商 日製紙 (13) APECカードの承 認手続の遅延 問題点内容 ・BPJSによる健康保障制度(国民皆保険制度)の適用が2015年1月1日から日 系企業にも適用されているが、6か月以上インドネシアに滞在する外国人にも 強制加入義務があり日本側の国民健康保険、あるいは海外駐在員向け個人 医療保険等との二重負担となりえること、さらには皆保険制度における準備不 足・及び対応医療機関が限定される等の面が残念ながら見受けられる。 (継続) ・2015年1月1日から実施されているBPJS制度(国民皆保険)について、インド ネシアの一部の医療機関でしか使用できない等の制約が多いため、従来の 民間医療保険との併用が避けられない。 その結果会社側は、医療保険の二重払いが発生しているため福利厚生経費 が増大する。また、外国人労働者についても保険料が徴収されるが、実際外 国人労働者が使用するレベルの医療機関ではないため、保険料の掛け捨て となっている。 ・国民皆保険(大統領規定2011年 No.24)、定年退職金詰め立てプログラム (インドネシア政府規定2015年No.45)、国民持ち家プログラム(2018年施行 予定)などの国民・労働者を保護する各種のプログラムが政府により施行さ れ、従業員には加入義務が課され雇用側の会社にはその加入費用の一部を 毎月負担しなければならず、雇用者側の従業員に対する負担金額が年々増 している。 要望 準拠法 ・対応医療機関の充実や、外国人に対する ・健康保障に関する大統領 多重負担防止等の改善を検討頂きたい。 規程2013年第12号(第 111号改正令含む) ・BPJSのインドネシア全医療機関での早 ・健康保障に関する大統領 期の実施を望むと共に、外国人労働者を 規程2013年第12号の改 適用外としていただきたい。 正に関する大統領規程 2013年第111号 ・施行前に有職者会議・経営者協議会など ・大統領規定 の関係者と事前の対話・協議を持ち、費用 ・インドネシア政府規定 各 負担関係者の合意を経ての施行を希望す 種 る。 ・APECカードの承認手続きに時間を要する。 ・インドネシアにおける迅速な処理。 (実例) 申請者A:2015年5月末にAPECカードを申請。インドネシアの承認を2016年 1月に取得する。 申請者B:2015年8月中旬にAPECカードを申請。10月下旬に申請番号が発 行される。2月22日現在、インドネシアについては承認待ち。(インドネシア以 外の国については承認が取れている。) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 20 / 24 区分 意見元 17 知的財産制度運 日機輸 用 日機輸 日機輸 日機輸 日機輸 日機輸 18 技術移転要求 日機輸 19 工業規格、基準 安全認証 日鉄連 No 問題点 問題点内容 要望 準拠法 (1) 出願人による自発 ・インドネシアでは、特許出願から審査までに平均6、7年かかっている。権利付 ・マレーシア、シンガポールでは、対応外 的な対応外国出願 与の迅速化のために、出願人が自発的に対応外国出願に関する資料を提出 国の登録クレームを提出することで、審査 に関する資料の提 できることが望ましいが、現在そのような規定にはなっていない。 を迅速化する修正実体審査制度(MSE制 出不可 特許法28条では、総局が、対応外国出願での審査情報に係る資料を請求で 度)が採用されている。また、ベトナム、タ きる規定になっているが、出願人が自発的に対応外国出願に関する資料を イでも法令では規定されていないが、実 提出できる規定にはなっていない。 質的にMSE制度が運用されている。権利 (継続) 付与の迅速化、安定した権利取得のため にも、インドネシアでもMSE制度の採用を 検討してほしい。 (2) 拒絶査定時に分割 ・出願人は、拒絶査定時に分割出願することができない。 ・拒絶査定時に分割出願できるようにしてほ 出願不可 (継続) しい。 (3) 特許出願の願書へ ・特許出願の願書に発明者の国籍等の記載が求められている。 ・願書に発明者の国籍や番号の記載の義 の発明者の国籍等 個人情報の関係から国籍情報を取得する行為は手続き上大変煩雑となって 務化をなくす。 の記載要件 おり、出願人において負荷となっている。 (4) 高い特許出願コス ・インドネシアの特許庁費用が高額である。特に、特許登録時に出願係属件数 ・出願中の維持年金の廃止、又は減額を進 ト 分の累積での出願維持年金を支払うが、年金額が高額である。 めていただきたい。 (継続) (5) 特許料年金未納に ・特許料年金納付停止後、3年間権利が維持され、その間の年金費用及び追 ・権利放棄の規定を主要国に合わせ、年金 よる権利放棄の制 徴金が出願人に課され、支払い義務が発生すること。 の追納・年金不払いによる権利遡及消滅 度 米・欧といった主要国においては一般的に年金未納後、一定の追納・復活期 の制度を導入していただきたい。 間が設けられ権利放棄となるため、出願人が意図せず権利が存続するという 事はない。 年金未納による権利放棄の運用を採用しているため、インドネシア案件につ いてのみ権利放棄の請求を行うためにはシステムの変更に加え、案件毎に権 利放棄を請求する作業やコストの負担も発生する。 (継続) (6) 知的財産権情報の ・権利化ニーズが高まる新興国において、件数等の統計情報や出願データベ ・先進国特許庁との連携協力を進め、早期 開示不十分 ースの整備が不十分のため、正確な他社特許リスクを把握できない。 DBの整備を進めていただきたい。 (継続) (1) 技術移転要求実施 ・技術移転要求の不透明な実施。 ・それぞれの機関に関する実施および技術 の不透明 移転契約に関する政府による更なる監督 が必要。 (1) 鉄鋼製品への強制 ・2009年1月1日、建設向け亜鉛めっき鋼板の強制規格化を実施。 ・制度の撤廃、手続き(除外制度を含む)の 規格の実施 ・2009年5月6日、厚板を含む熱延鋼板類の強制規格化を実施。 明確化・簡素化。 熱延鋼板類に関しては、自動車用途、電機・電子用途、1.8㎜未満もしくは25 ㎜超などの製品については、工業省の認可があれば除外。 ・2009年7月6日、亜鉛アルミめっき鋼板の強制規格化を実施。 ・2010年10月11日、ブリキ、形鋼、撚り線、PC鋼線に対する強制規格導入を WTO TBT通報。 ・2011年6月1日、冷延鋼板類の強制規格化を実施。 SNI規格と異なる仕様を有している鋼材、自動車とその部品産業、家電品・電 ・インドネシア特法28条 ・インドネシア特許法36条 ・インドネシア特許法 −第88条 −第89条 −第90条 −第115条 −第116条 ・Refer to Minister of Labor and from each Country ・工業大臣規定 テクニカルガイダンス 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 21 / 24 区分 意見元 No 問題点 19 日機輸 (2) 工業規格・安全認 証(SNI)取得の煩 雑・遅延 日機輸 21 土地所有制限 日商 22 環境問題・廃棄物 日製紙 処理問題 JEITA (1) 土地収用の合意確 認プロセスの不透 明 (1) ヘイズ(煙害)の深 刻化 問題点内容 機電子とその部品産業向けの原材料として利用される鋼材は、工業省の技術 的判断書を取得することを要件として、本制度の適用を受けないことを規定 (適用対象外リストとして別表に日本鉄鋼連盟規格や、一部のユーザー規格・ メーカー規格を記載)。 ・2012年2月21日、形鋼の強制規格化を実施。 ・2014年12月3日、棒鋼の強制規格化を実施。 ・2015年1月20日、厚板を含む熱延鋼板類の新テクニカルガイダンスを施行。 自動車用途、電機・電子用途、板厚1.2㎜以上1.8mm未満もしくは25㎜超な どの製品については、工業省の認可があれば除外。 (追加) ・SNIの承認を得るため輸出元工場の安全規格検査で、頻繁に中国等への出 張要請がある。 SNI取得自体も、上記出張監査も含めて2ヶ月超という非常に長いリードタイ ムを要する。 このSNIの適用対象品目が拡大傾向になり、2012年度からはエアコン、冷蔵 庫、洗濯機等の大型商品も対象となってくる。これら大型商品だけではない が、監査対象に製造現場の視察も当然含まれるが、新商品等の場合は発売 の数ヶ月前に監査を受けることが困難な場合がある。しかしながら、SNI対象 品目でありながら認証を取得していない場合、輸入・通関自体が出来ない 為、その他の各種ライセンス取得や営業サンプル輸入が滞り、新商品立上が 思い通りの期日までに実施できないリスクが想定される。 (継続) ・製品各国認可申請においての認可取得日数が75日と長い。そのため、インド ネシア認可を含むAP 220V系モデルの生産が、インドネシア認可取得を待っ てからの生産開始や、インドネシア認可取得後に設計変更での製品立上げと なっている。 ・マルク州ヤムデナ島サムラキへの陸上資機材基地建設のための土地収用に つき、関連法令では、地権者の合意確認プロセスが複数回設けられており、 合意が得られなければ次のプロセスに移行しないことになっているが、プロジ ェクトの実施を見込み、土地を一部買占めたものは用地を手放さない旨を繰り 返し表明しており、土地収用にかかる想定スケジュールへの影響が危惧され る。また、司法プロセスによる解決となった場合でも今後、土地買占めを行っ ているものが地域住民を扇動した上で当社建設開始の妨害等のアクションを 起こす可能性も否定できない。この場合、環境NGOや各種メディアで報道さ れる可能性があり、本プロジェクトへの影響や当社のレピュテーションリスクを 負うことが懸念される。 ・2015年に問題となったヘイズに起因する操業停止が続いている。ヘイズに関 係のない会社でも操業停止を受けており、長期の操業停止となっている。 ・ヘイズと呼ばれる煙害の深刻化。昨年の夏のヘイズは非常に深刻で、社会全 体に大きな影響を及ぼした。主にはインドネシア、スマトラ島での大規模な森 林の伐採、焼畑が原因となっている。 要望 準拠法 ・特に新商品立上に際して長大且つ不安 ・Water Pump: SNI 定なリードタイムを要するようになる為、こ 04-6292.2.41:2003 れを現実に即した基準・手順とする働きか ・Electric Iron: SNI 04-6292.2.3:2003 けを実施頂きたい。 ・CRT TV: SNI 04-6253:2003 ・工業規格/基準安全認証の認可処理日数 の短縮を要望したい。 ・土地買占めた者が地域住民を扇動して当 ・2012年法律2号(公益の 社建設開始の妨害等を行う事態になった 発展のための土地収用 としても、イ国政府として関連法令の手続 法)- Law No.2/2012 きに則り、最終的な司法プロセスによる解 Land Procurement for 決案(強制収容等)が迅速に実施されるよ Public Interest う対応願いたい。 ・ヘイズに無関係の会社への早期操業再 開許可。 ・インドネシア政府に抜本的な対策を取るこ とを要望して欲しい。何年たっても改善が 見られない。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 22 / 24 区分 意見元 23 諸制度・慣行・非 日機輸 能率な行政手続 日機輸 自動部品 日機輸 日機輸 日機輸 JEITA No 問題点 問題点内容 (1) 登記手続の並行実 ・インドネシアでは、定款変更や株式譲渡を行う場合、投資調整庁(BKPM)の 施不可 認可を得たあと、法務人権省(MoLHR)での登記手続が必要である。オンラ イン申請により、MoLHRの登記手続の審査期間自体は従来より短縮されて いるが、手続管理のシステム上、会社につき一つの登記手続が完了するまで 別の登記手続を並行して申請することができない。システム上のエラーも多 く、更なる期間短縮へ向けた取組みが望まれる。 (変更) (2) 企業グループ内メ ・インドネシアにある、グループ現法に対し「メールシステム」などの日本(本社) ールサービスシス からのサービス提供は、政府規制に抵触する恐れがあるためサービス提供が テムによるサービス できない。このため、弊社がアジア地域で展開する「標準システム共同利用」 提供規制 を提供することができず、インドネシアは個別構築となるため、初期、継続費 用ともに高額にならざるを得ない。 (弊社グループ内での統一システムで機密管理強化も狙う) (3) 許認可担当者への ・制度変更があっても、担当者が新制度のガイダンスを知らず、許認可の際に 制度周知徹底不足 常に混乱を招く。 (継続) (4) 契約・覚書でのイン ・2009年7月9日、Law No.24において、インドネシア法人との契約は、インド ドネシア語の使用 ネシア語を使用することが義務付けられたが、当該法令の適用対象を決定す 義務 る施行令が公布されておらず(前記法令公布後2年以内とされている)、いか なる類型の契約にインドネシア語の使用義務があるのかが明らかではない。 2015年8月、インドネシア最高裁判所は、英文契約書のみで締結されたロー ン契約が当該義務に反し無効であるとしたジャカルタ高等裁判所の判断を支 持する判決を出したが、契約で使用する言語は当事者間の自由に委ねられ るべきであり、インドネシア語の使用強制は、国外法人・個人に不当な負担を 課すものと言わざるを得ない。 (変更) ・2009年7月の法律にて、契約書はインドネシア語使用と規定された。同年12 月に、民間同士は英語で可との法務大臣令が出状されたものの、2014年5月 に、ジャカルタ高等裁判所は外国企業がインドネシア企業との間で締結した 英文の融資契約書が無効との判決を下し、2015年8月31日に最高裁が上告 を棄却した。 ・2009年7月の法律にて、インドネシア法人との契約書はインドネシア語を使用 することが義務付けられた。同年12月に、民間同士は英語で可との法務大臣 令が出状されたものの、2014年5月に、ジャカルタ高等裁判所は外国企業が インドネシア企業との間で締結した英文の融資契約書が無効との判決を下し た判例があり、現在最高裁で争われている。 (継続、要望追加) 要望 準拠法 ・MoLHRの手続管理システムを改善し、同 一会社の複数の登記手続を並行して処理 できるようにすることが望まれる。 ・他国のグループ会社システムの利用規制 ・インドネシアのGR82(電 の緩和。 子システムと業務の実行 に関する政府規制 No.82) ・規則についての正確な情報を周知徹底 する。 ・契約におけるインドネシア語の使用強制 制度は撤廃が望まれる。少なくとも、法令 の有効性を明らかにし、インドネシア語を 使用すべき契約の範囲を限定すべきであ る。ただし、その範囲は、確かにインドネシ ア語を使用しなければならない理由が明 確でなければならず、国外法人・個人にと って負担を受け入れられる合理的なもの でなければならない。 ・Refer to Minister of Labor and from each Country ・Law No. 24, dated 9 July 2009, regarding Flag, Language, National Emblem, and National Anthem ・民間企業の活動を著しく阻害しかねない ・国旗、国語、国章及び国 判決を避けるべく、実態に即した法令の制 歌に関する法律2009年 定・施行を望む。 第24号 ・契約におけるインドネシア語の使用強制 制度は撤廃が望まれる。少なくとも、法令 の有効性を明らかにし、インドネシア語を 使用すべき契約の範囲を限定すべきであ る。ただし、その範囲は、確かにインドネシ ア語を使用しなければならない理由が明 確でなければならず、国外法人・個人にと って負担を受け入れられる合理的なもの でなければならない。 ・民間企業の活動を著しく阻害しかねない 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 23 / 24 区分 意見元 No 問題点 23 日商 24 法制度の未整 備、突然の変更 日商 (5) FDAの一方的な見 解による食品・飲料 の商品販促活動の 制限 日機輸 (1) 法令施行規則の不 備・運用の不透明 日商 日商 (2) 法制度・規制の頻 繁で突然の変更 日機輸 日商 日商 (3) 規格の英語版の未 発行 日機輸 (4) 情報公開・周知体 制の不備 日商 (5) 税務ペナルティの 前払金の利息請求 不可 問題点内容 要望 準拠法 判決を避けるべく、実態に即した法令の制 定・施行を望む。 ・政府系企業の契約書類がインドネシア語だけである。例としてガス供給会社 ・英語併記として頂きたい。 PGNの契約書は、インドネシア語オンリーで専門知識が必要な内容の場合 政府系以外の合弁企業や、プライベート にリスクがある。 企業は、英語併記がされている。 ・消費者に誤解を与えかねないというFDAの一方的な見解による判断を理由 ・消費者の知る権利を認識し、有識者会議 ・インドネシア食品・医薬監 に食品・飲料の商品名変更を余儀なくされ、世界で展開しているブランドをイ などを設け、他国の状況なども参考にしな 督庁規定 各種 ンドネシアで展開出来ない。商品の健康面への価値を訴求し国民の健康増 がらFDAが管理すべき規定内容を見直し 進に寄与したいと願うが、上記と同様な理由且つ理不尽な既規定を理由に商 て欲しい。 品の健康面への価値を記載・消費者に訴求出来ない。 ・法律、政令等が曖昧で分かりにくい。さまざまな場面で解釈に大きな違いが 生じる。 (継続) ・法令が発令されても運用実態が異なっていたりすることがよくある。 ・運用の適正化。 ・2015年度だけ見ても、様々な法令変更が発布された。一方で、発布後、施行 ・法令変更発布前の十分な検証をお願いし までの間に更に変更や取り消しとなるケースも散見される。また、実際の運営 たい。 が不明瞭な事が多い。そのたびに法令順守の為に対応を検討したり、内容を 確認・調査するのに大きな労力が必要となっている。 ・外貨使用規制、非居住取締役労働許可・入国VISA取得免除・損害保険タリ ・外資企業及び担当執行機関への十分か フ等の多くの法制度・規程が近年も変更されたが、突然の変更も多く、また執 つ妥当な説明と導入までの時間的余裕を 行機関への徹底が不足しており担当者により解釈に差異あり。 確保して頂きたい。 ・労働大臣規定2015年16号により、労働許可に関する様々な規定が新設、改 ・頻繁な法改正を改め、改正があった際に ・労働大臣規定2015年16 定されたがその後もイミグレ総局長回状その他で新たな変更等が続いてお は地方や末端の担当官にも法令を周知さ 号 り、その都度対応に追われ極めて効率が悪い。 せること。 ・日本商工会(JJC)との対話の機会を増や していただきたい。 ・2013年に下記SNI規格が改訂されたが、インドネシア語のみで英語版が未 ・英語版の即時発行。 発行。他地域への展開ができない状況。 SNI 0098-2012, SNI 0099-2012, SNI 0100-2012, SNI 0101-2012 SNI 6700-2012(上記はタイヤの規格だが、タイヤ以外の他の製品の規格も 同様のことが起きているのではないかと推測される) ・制度・規則変更に関し、関係省庁間での充分な理解や大使館・空港等の現場 ・制度・規則変更時には、関係省庁間での に周知されていない等の運用準備不足により、手続きの際に混乱を招くこと 充分な意思疎通を行い、また税関窓口・ がある。 空港の担当官まで周知徹底の要請。 例えば、到着ビザ(Visa on Arrival)について、観光や会議に出席する場合、 不要との法改正が行われたが、実際に空港において、ビザが必要と言われ、 トラブルになるケースがある。 ・税務署からの更生通知に対し、異議を申し立てる際、ペナルティを全額支払 ・裁判勝訴もしくは当方の異議が認められ、 うが、後に当方の異議が認められたとしても、利息を請求する事ができない。 ペナルティの返却を受ける事が出来る場 裁判期間を含めると、5年以上税務署に預けたままだが、勝訴しても利息は返 合は、利息の請求を可能にしてほしい。 ってこない。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2016 年速報版 インドネシアにおける問題点と要望 24 / 24 意見元 No 問題点 24 日商 26 その他 日機輸 (6) 裁判手続での判決 ・税務裁判所での審議終了後、判決が出ていない案件がある。裁判に進む過 期限の不設定 程は国が手続きの期限を定めているにもかかわらず、審議終了の後、判決を 出す事に期限が設けられていない。既に追徴課税とペナルティで多額の資 金を支払っているが、未だ返ってくる目途は全くない。 例:2008年法人税調査⇒2012年12月審議終了も、未だ判決が出ていない状 態。 (1) 交通インフラ未整 ・地下鉄・モノレール等の大量公共輸送機関がなく、ジャカルタ市内及び周辺 備 は常に大渋滞。人の移動、物流に時間を要する。 (継続) ・ひどい渋滞のため、配送に遅れが生じる。 (継続) ・ジャカルタ市内から東のカラワン県に通勤するのに時間がかかる。 (2) 国際物流インフラ ・バタム島の国際物流に関して、シンガポールに頼っている状況。海外輸出に の未整備 は、シンガポールから空コンテナを受け入れ、対象製品が一旦シンガポール に輸送されているが 往復40"コンテナで約SGD1,380。 (片道、シンガポール⇒神戸港より高い)。 (3) 電力供給の不安 ・電気の停電・瞬時停電が良く発生。料金も大幅値上げが実施される。 定・電気料金の大 (継続) 幅値上げ ・電気料金の10%上昇。 (継続) (4) 通信インフラの未 ・インターネットの高速通信網は一部のみ施設。大量の情報送信は不可。また 整備 繋がりにくい。 (継続) (5) 生活インフラの未 ・治水が悪く、雨季には洪水が起こりやすい。 整備 (継続) 区分 日機輸 日製紙 日機輸 日機輸 日製紙 日機輸 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 ・審議終了後、適切な期間を持って判決が 出る仕組みを構築してほしい。審議終了 から判決までの期間を決めて頂きたい。 ・交通規制による渋滞解消対策。 ・バタムのインフラがもっと充実すればシン ガポール経由ではなく世界へアクセス出 来るようになることを希望。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会
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