参画と協働のまちづくりフォーラム ~「つながり」を考えてみよう

参画と協働のまちづくりフォーラム
~「つながり」を考えてみよう~
H25.3.16 篠山市民センター多目的ホール
基調講演
「地域を拓く、未来につなぐ。~地縁社会と情報社会の協働に向けて~」
NPO法人
情報社会生活研究所代表理事 小橋昭彦
● プロフィール
1965 年生まれ。総務省地域情報化アドバイザー。広告制作
会社勤務時代の‘98 年、メール情報誌『今日の雑学+(プラス)』を創刊、ニフティサ
ーブホームページグランプリを受賞するなどの評価を得た後、丹波市にUターン。N
PO法人を設立し地域情報の発信や地域資源の活用、まちづくり人材育成など地域
づくり活動に携わる。平成 17 年度地域づくり総務大臣表彰受賞。丹波市在住。
‘87 年、カタログやチラシなどのコピーライターとして社会に出た。時代はITバブルへ向かい、知り合いか
ら誘われてITのベンチャーを立ち上げた。当時考えていたのは、ITベンチャーを地域に呼ぶのではなく、
地域資源をどう活かしていくかにITを使うということ。その方が地域のためになると思っていた。
‘02 年春日町(現丹波市)にUターン。地域での活動を始めた。
最初にやったのはHPを開設して何気ない田舎の日常を動画で発信することだった。「キャベツに青虫
が付いていた。」、「草むらの中をバッタが飛んだ。」のような情報を地域の人に投稿してもらうようなHPだっ
た。当時は一般人の投稿が珍しがられ、多くの人に喜ばれた。ぼく自身が子どもの頃遊んでいた目線で情
報を届け、「小さな情報の中にも田舎の魅力がある。」という日常を理解してほしいとの思いで取り組んだ。
同時期に「里山ウオークデイ」という事業に取り組んだ(‘04 年~’10 年)。
この事業は地図を持って集落内を自由に歩くだけのイベント。タイムスケジュールもルートも決まってい
ない。地図には訪問してよい家やおすすめの体験スポットが記されていて、途中、集落内の民家を訪ね、
縁側でおにぎりを頂いたり、柿の実をもじったり、わら草履づくりや小川でささ船を流すなど、思い思いに楽し
んでいただいた。
この事業は有志で考え資金確保を始めたが、集落内を知らない人たちが歩く事業なので、地元自治会
の了解がないと実現できない。そこで「有志+自治会」で実行委員会を結成し、協議を重ねて準備した。
実行委員会では地域の歴史や文化を紹介する本をつくり、訪問者や地区内に配布し喜んでもらった。
当時、「地域の情報化(地域の皆さんが地域の情報を如何に発信するか、地域の皆さんがまちづくりに
参画して動かしていくか)」を研究しており、地域との協働関係を創るときに意識した。
【実行委員会形式(1年目)】
地域には「自治会」や「消防団」、「子ども会」や「PTA」などがある。これをひとくくりに「地域」というので
はなく、地域内には様々な‚層‛があるととらえる。ある人は自治会の役員でもあり子ども会の役員や会員で
もあることや、消防団の団員でありPTAの会員であるといったように、いろんな組織で顔を合わせている。
そのなかで親しさを養い、地域内でのコミュニケーションが活発になっていると思う。
一方で、NPOは地域の外にも開かれているので会員は地域の外にもいるが、地域の人たちと顔を合わ
せることは少ない場合も多い。
NPOが新しい事業の提案を自治会にしても、すぐに受け入れられることは難しい。普段からの付き合い
があったうえで受け入れられるものであると思っていたので、自治会の通常の行事を変更することなく、有
志(NPO)と自治会による実行委員会を新たにつくる形で「一緒に話してみよう」ということにした。
【協力関係での実施(2年目以降)】
しかし、自治会の役員は2年で交代されることが多いので、実行委員会に関わっておられる役員も交代
される。自治会役員の方から、「役員が変わると組織が動かなくなることが心配されるので、有志主体であ
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る程度進めてほしい」との提案を受け、実行委員会は自治会役員が抜け、有志で構成することになった。
そのうえで、自治会と「実行委員会」が協力関係で進めることになった。
結論から言えば、この方式は失敗した。自治会とNPO(実行委員会)を分けてしまったために、いくら協
力しているといっても、地域から見れば「実行委員会が好きなことをして
いるだけ!」という思いが芽生えてきた。来訪者のことを「実行委員会が
呼んできたお客さん(自分たちが呼んだお客ではない)!」という認識にな
った。このような現象が現れ、7年間続けた実行委員会側のボランティア
が疲れてしまい終了した。
事業を「自分ごと」と考えて取り組んでもらうには、「協力する」関係では
なく、初期からプロセスを共有する、「協働する」関係でないといけなかっ
たと思う。
ここから見えてきた、自治会などの地縁型組織とNPOなどのテーマ型の組織の違いを整理してみたい。
【自治会(地縁型組織)】
地域内で関係性をつくる組織なので地域的な広がりはないが、2年ごとに役員が交代する。言い換える
と組織員が役員になる可能性がある開かれた組織で、新陳代謝を重ねて未来につなげていく面白さ、良
さがある。これはPTAや子ども会も同様で、役員交代により新しい人材が入ってくる仕組みがある。
【NPO(テーマ型組織)】
NPOは代表者が疲れたら解散といったことも考えられる。次々に新しい人を入れていくことが苦手。
しかし、外から様々な人に関わってもらえる。「テーマ型」なので、テーマに共感してもらえれば協力しても
らえる、外とのつながりをつくりやすいという良さがある。
これからの参画・協働社会に向けてのヒントは、このふたつ(地縁・テーマ)の良さ、特徴を分かって組み
合わせていくこと、さまざまな手法を用いて具体的に実現していくことではないかと考えている。
例1) 地縁団体主催の事業。参加者が地縁系の人達ばかりで広がりがないとの課題を抱えていた。NPO
に主催側での協力を依頼したところ、NPOのネットワークにより老若男女の多くの人達が参加した。
例2) NPO 主催の事業。大阪・神戸・京都などで、田舎で過ごしたい若者が集まる会を開催、毎回30人
程度が集まり熱心に議論をしている。地縁団体が主催に加わることで、持続性と、集まってくる若者
たちに地域の熱意を伝える効果が付加された。
協働のポイント
【テーマ型組織が地縁型の組織と連携するとき】
・ 長い歴史を持っている地域での話し合いでは、決定を出すのに時間がかかるということを理解する。
地域としては、歴史を未来につないでいくための決断であり、必要な時間である。
【地縁型の組織がテーマ型組織と連携するとき】
・ 「補完性の原則」が大切。自分たちに無い外からの遺伝子(地域の中に無いもの)を利用するとい
う視点が必要。「頼りにする」こと、「ありがとう」が一番の報酬。
・ プロセスを共有することを大切にする。一緒に組み立てていくことが大切。
・ やっている活動を良いと思えば、引き継いでいける形にすればテーマ型にとってもうれしい。
【行政にとって】
・ 協働は市の政策の範囲だけとは限らない。社会的課題の解決を一緒にやろうとするもので、「市と市
民」だけでなく「市民と市民」の協働もある。
地域の中に、外からの遺伝子を入れて突然変異を起こす役割が、情報社会におけるテーマ型組織の持
っている特徴ではないかと思っている。一方で、地縁型の組織の一番の役割は、自分たちの遺伝子を「未
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来につなぐ」こと。両者の相乗効果で地域が発展することを願っている。
パネルディスカッション
テーマ「
『つながり』を考えてみよう!」
コーディネーター 神戸商科大学名誉教授、ひょうごボランタリープラザの名誉所長 小森星児
パネリスト
篠山市自治会長会副会長 西潟弘 、大芋活性化委員会事務局長 江坂道雄、
新しい風プロジェクト副代表、丹波篠山・まちなみアートフェスティバル実行委員 中西文枝、
NPO法人風和施設長 向井千尋 、篠山市市民生活部長 堀毛宏章
コメンテーター
NPO法人情報社会生活研究所代表理事 小橋昭彦
西潟 弘 氏(篠山市自治会長会副会長 野中自治会長)
私は新潟県出身で、平成9年に野中に転入、平成22年から自治会長
をしている。
人口減少が進む篠山市でも城南地区は人口が増加した地区。ただし、
城南地区全体をみると、人口は南部では減少し北部では大きく増加して
いる。野中でも 56%の世帯がこの20年のうちに転入しており、子育て支援や居場所づくり、安心安全や若
い世代と自治会のかかわりなどの課題がある。自治会として、通学時の見守りや年4回の環境美化活動、
七夕祭りや秋祭りでの子ども御輿の巡行などの行事を行い住民相互のつながりをつくっている。
自治会は行政との連携をはじめ、単位自治会を中心に活動している。まちづくり協議会は、地区内の相
互関係を図り、地区の活性化にとりくむことが急務と思われる。自治会の集合体がまちづくり協議会であり、
まちづくり協議会は自治会が手の届かないところを補う活動をし、互いに協働していく必要があると思う。
私は、第二の故郷として篠山の野中に住んでいる。私がかいた汗の分だけ子どもたちが幸せになると信
じている。
江坂 道雄 氏(大芋活性化委員会事務局長)
篠山市の東部に位置する農村地域である大芋では、平成11年4月に比べ平成24年3月末で296人
減少し人口が913人、高齢化率は 33.33%が 39.65%に上昇した。
平成17年度に若者の流出による少子化で小学校が廃校になるのではないか?高齢化率の上昇でコミ
ュニティの力が低下するのではないか?主要な施設(保育園やJAなど)がなくなるという危機感から、大
芋自治会長会が各種団体に呼び掛けて地域課題を解決する組織として大芋活性化委員会を設立した。
また、並行して篠山市総合福祉計画の大芋地区アクションプランにも取り組んだ(子どもやお年寄りの見
守り、高齢者の移送、誰もが集える機会づくり)。
平成17年度からの初期の段階は活動を展開したものの、地域が元気にならなかったので平成21年に
地域を元気にしたいとの思いで「大芋地域活性化フォーラム」を開催、それが活性化のきっかけになった。
それまでは地域内に向けた活動を中心に行っていたが、地域の活性化には地域外に向けた取り組みが
大切だとの思いから都市との交流事業を行った。
自治会とまちづくり協議会の関係においては、人口減・高齢化により自治会の活力が低下していくことに
対して、他の自治会と協働する関係をつくる必要があると考え実施している。
それらの活動を展開しての成果は、喜んでくれる人が増えたこと。また課題は、一部役員の自己満足、
住民への情報伝達丌足、人材育成丌足、役員の負担大などがあげられる。
本年度は、これからの地域づくりに向けて、福祉、里山保全、安心・安全、交
流人口増、広報活動充実などを盛り込んだまちづくり計画を策定した。
中西 文枝 氏(新しい風プロジェクト副代表、丹波篠山・まちなみアートフェス
ティバル実行委員)
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「丹波篠山・まちなみアートフェスティバル」とは、国の重要伝統的建造物群保存地区の河原町を中心
に、町屋に美術作品を展示する祭典。篠山在住の作家、篠山ゆかりのアーティスト30名程が25軒以上
の町屋で作品を展示している。築城400年祭を機に「町屋が美術館に変わる」をテーマに、町屋とアート
のコラボが他の美術館にはない新たな感動をよんでいる。
この実行委員会は平成20年6月に結成。当時は重伝建地区の修復が進み、美しくなっていたが、高
齢化・少子化の進行で元気のない町並みだった。実行委員会が祭典をしたいとの思いを自治会に働きか
け、自治会への説明や公開いただきたい個々の町屋へ説明して了承をもらった。
同年11月にプレイベントを行い5千人、平成21年には約2万人、その後もかなり多くの方に来ていただ
いている。平成23年度には、東日本大震災復興支援の取り組みを行った。
このような祭典を行うためには、地元自治会や町屋の持ち主の方の理解は欠かすことができない。地道
な積み重ねを通じて理解が深まり、今まで続いている。
また、実行委員会は、文化団体、コンサート、狂言師、昔話、学生等々様々なグループとの協働活動
を展開しているが、日頃の地道な話し合いのなかで関係性ができてきたと思う。
現在は自治会の方々にお世話になっているが、今後は自治会の要望を取り入れてプロジェクトができれ
ばと思っている。更に、小中学生にも美術展を見てもらえるようなも
のにしていきたい。
現在、市などからの助成を受けているが、将来的には、企業から
も評価される祭典とし、協賛金を得て自立をめざしたい。
向井 千尋 氏(NPO法人 風和施設長)
篠山にUターンして5年間社会福祉協議会で勤めたあと‘02 年に
NPO法人を設立。NPO法人風和は、地域の子どもから高齢者まで誰もが活き活きできるような活動や居
場所をつくることを目的にしている。
福祉や医療を専門とする30代の女性と地域の自治会長や民生委員など地域活動を中心的にされて
いる方を理事会に迎えて、専門性と地域の人とが一緒になって設立した。
風和は地域福祉推進ということで、介護保険事業(デイサービスや訪問サービス)を行いながら、地域
の子どもから高齢者が集まれる場所づくりをしている。
その中で、2,3年前からまちづくり協議会との協働で、地域のサロンを開くなどの事業を行っており、まち
づくり協議会の拠点で子ども達と一緒にアロマサロンや子どもから高齢者までが参加して外国(アフリカ)の
コンサートを実施したこともある。
昨年度からは、都市に住む子育て世代の親子を招き篠山暮らしを体験してもらう事業や震災の被災者
を招き保養してもらう事業を行政と一緒に実施している。
市の東部はかなり高齢化が進んでいて、地域の中にもいろんな課題がある。今一番大切なのは、フォ
ーラムのテーマでもある「新しいつながりをつくりだそう」ということだと思う。既存の自治会やまちづくり協議
会と専門性を持つNPOなどが協働して考えていくことになると思う。
堀毛 宏章 氏(篠山市市民生活部長)
篠山市の人口で最も多かったのは戦後の昭和20年代で約6万人。その後人口が減少し、現在は約4.
4万人。平成32年には更にそれが進み、まさに少子高齢化現象といった事態になろうとしている。
一方で、篠山市を含む丹波地域は地域での活動が積極的に展開されている地域で、兵庫県が行った
住民意識調査においても、環境保全や安心安全、スポーツ・文化やまちづくりなどの活動への参加割合
は、県内でも上位に位置している。
また、自治会やまちづくり協議会の活動等々、地縁型の活動実態のほか、ボランティアやNPO、文化や
青少年健全育成、地域おこしなどテーマ型の活動も盛んである。
現在、市の事業はややもすると画一的、また、公正公平を確保する面から細かい地域の特性に応じた
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サービスができなくなっているというデメリットがある。
これからは、地域の特性に応じたサービスを続けるためには、地域の皆さん自らの発想・企画によって
自分たちのまちをつくっていくという方法が求められ、その方が効率的で、地域の特性にそった課題解決に
つながると思っている。
NPOのみなさんには精力的に活動いただいており、今後とも幅広さや奥の広さが期待される。これから
は、まちづくり協議会や自治会のみなさんとNPOやボランティア団体とのコラボレーション、地縁団体とテー
マ型団体のコラボレーションによる新たなまちづくり活動が期待される。
市としても、みなさんの活動が活性化するように側面から支援していきたい。
意見交換
Q1. 城南地区がこの20年で50%以上の方が転入されたとのことだが、新しく来られた方がまちづくり
に参加さえるうえで旧来の住民との温度差は無いのか?
西潟 : 私自身が転入者なので、古き良きものは残したうえで、新しい住民が参加できることを考
えていった。ちょうど野中に御輿があったので秋祭りを中心に活動を始めた。
Q2. 大芋地区は平成21年に活性化フォーラムを開かれ、それをきっかけに変わっていったということ
だが、意識や活動にどのような変化があったのか?
江坂 : 県民交流広場事業に取り組んだが地域が変わってないとの反省から、地域を少し元気
にしようという声が出てきた。平成21年度に篠山城築城400年祭の年であったことで、活
性化フォーラムから400年祭のプレイベントへと進んでいった。
Q3. まちなみアートフェスティバルはセンスが良い。篠山でやろうとしたきっかけと、実施するうえで地
域の人や展示される人との調整など、進め方の最初のステップはどうだったか?
中西 :
河原町に美術館があることや、芸術家が住んでいたこと、近くにはカメラマンがいるなど、
アートに関係する人が数多くいた。一軒の町屋の中でアート展示をした際に「これは、ここ
だけにとどまらず、まちなみ全体にアートを展示できないか」という話が出た。
地元も、町屋の修理も進み町並みが綺麗になっていた時期で、町屋を見せることへの
抵抗も薄れ始め、「今変わらなければだめじゃないか」との機運があった。
Q4. 風和はまちづくり協議会とどのような連携を持たれているのか?
向井 : 地元が日置地区なので、日置のまちづくり協議会の部会に入れてもらっている。福住
のまちづくり協議会とは福祉部会と協働でサロンを開いている。平成25年度からは、行
政からの委託事業として後川でいきいき塾を実施する。
小橋 :
丹波市に住んでいると、人口は丹波市の方が多いのに篠山の方が大きいまちのようなイメー
ジがある。南にあるまちの方が都会のイメージがする。アートフェスティバルのデザイン性や城南
の地域間の交流、市民プラザがあるなど篠山の方が進んでいる印象がある。
テーマ:「つながり」について
小森 :
「つながり」には、ボンディング(団結型)とブリッジング
(橋渡し型)の2種類ある。
ボンディングは仲間内の団結を強める力で、コミュニティや
同窓会などがこれにあたる。同じ土地に育った、同じ学校
を出たなどのつながりで、お互い信頼を深め同じ目的に向けて取り組むもの。ただし、この活動
は会員、仲間のためにおこなう共益的なもので、どうしても閉鎖的になってしまう。後から来たも
のには入りにくい、事情が良くわからないなどのことがある。
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西潟
江坂
中西
向井
堀毛
小橋
小森
ブリッジングは、様々な活動をつないでいく。今日の話では地縁的と思われているまちづくり
協議会でも、いろんな活動をつないでいく機能を持っている。市民活動においては、まさにブリ
ッジングが求められる。
まちなみアートでは、バラバラでやっていたアートの活動を、ひとつに集まっていただきフェス
ティバルをすることや、東北の芸術家と篠山の芸術家を結ぶといった橋渡し機能。
つながりには、そういう二つの機能が必要。「つながり」というと、昔からのつながりを大切にしよ
うとするが、それに含まれない人たちをつないでいく役割も大切であることを、今日の話で改め
て痛感した。
: 「一人では出来ない事も、大勢でやれば多くの成果を得ることが出来る。失敗を恐れず一歩
踏み出そう。」。自治会長をする前は2年間隣保長をしていた。そのころ自治会運営は前例通り
で全て型が決まっていて、若い人の参加も少なかった。自分が自治会長になった時、どうしよう
かと考えたとき、人の意見を聴くことで良いアイデアをもらえることが分かった。
: 「笑顔の連鎖」。笑顔が続いていくことがまちづくりには大切だと思う。
: 「まちづくりには、人と人のつながりが丌可欠です。つながりができればまちづくりは進むと思い
ます。」。自治会の方、作家の方、その他多くの方とむすびあうことでアートフェスティバルも進ん
でいる。まちづくりも同じようにいろんな人のネットワークが広がることで進んでいくのだと思う。
: 「未来の篠山にむかって『古き良きもの』と『新しき良きもの』がとけあう『心の通う ひと と ひと
のつながり』を創ること」。自分が住んでいる篠山が大好きなので、大好きな篠山を未来の子ども
たちにつないでいきたい。
: 「反省も踏まえてですが、『まちづくり』は出来るだけ多くの人が参加できるよう常に窓口を拡げ
ておくことが大切だと思います。一緒にやりませんかと声をかける勇気と特定の個人の負担が重
くならないような気配りが組織の中で息づいていればいいと思います。」。組織の活動を活性化
させ、効率的に運営できるためには広く間口を開け、多くの人に参加いただくような努力を常日
頃からしていく必要がある。同時に、組織の中で一生懸命する人が特定され疲弊してしまうこと
があるが、それを避けるためには皆が役割分担をして特定個人に負担がかからないようにするこ
とが必要ではないかと思う。
行政としては、まち協とまち協のコラボレーション、まち協とNPO、NPOとNPOのコラボレーショ
ンにより相乗作用でまちづくりが進むことを期待しており、それを側面から支援していきたい。
: ボンドといえば「絆」だが、「助ける」と押し付けてしまうと息苦しくなり、断ち切るべき対象の結束
になりがち。むしろ「助けてほしい」と相手の力を求めて、相手を信頼して頼っていくということが、
ゆるやかでやさしいつながりのなかで相手と一緒の良い環境をつくっていくことになると思う。
: 「他人をどこまで信用できるか?」国民性によっても異なるが、調べたところ、人を信じる割合
が一番高いのは丌思議なことにアメリカだった。なぜ丌思議かというと、アメリカは多様な人種が
集まった国で知らない者が多い。にもかかわらず、2人に1人は他人が信用できるという結果だ
った。一方、他人は信用できないとする割合が一番高いのは日本あるとする結果だった。
どこに違いがあるか?ある学者によると、それは「社会経験の差」で、他人を信用できるかどう
かは人を見る目が大切で、狭い社会で同じような仲間で育った人ではなかなかそういう目が育
たない。一方、たくさんの人の中で異なる民族、宗教、言語と触れ合って育った人は、人を見る
目が自然にできてくるということであった。
市民活動は、人を見抜く目を持っているかが決め手になってくる。自治会や同窓会は昔から知
っている間柄で、知っているものが安心で、知らないものは用心しない方が良いという初歩的な
分け方であるが、そうではなく、協働を進めるとなると大切なのは、人、活動、グループは信用で
きるかを見抜く知恵を持つことが大切。
本日は活動を支える資金の話が出なかったが、公益的な活動を支える資金確保を我々がど
う支えるかといった議論も参画と協働を考えるうえで大切になってくる。
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