国際文化研究科 - 愛知県立大学

愛知県立大学大学院
国際文化研究科
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
Graduate School of International Studies
2016
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
自文化の探究と
異文化理解への道
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
はじめに
養成する人材像
博士前期課程
自文化に精通しつつ、国際社会に関わる高度な専門的知識を持ち、多文化の共生関係を深く理解して、国際社会及び地域社会の様々
ヒューマニズムの学術展開
愛知県立大学大学院 国際文化研究科案内
な分野において積極的に活躍することのできる国際感覚に優れた知的素養のある人材です。
2016
愛知県立大学大学院国際文化研究科長
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
Graduate School of International Studies
上川 通夫
大学院への進学は、人生の一大選択であろうと思います。
志もってこの「愛知県立大学大学院国際文化研究科案内」を
手に取られた皆さんに、心から敬意を表します。
国際文化研究科(博士前期課程・博士後期課程)には、国
際文化専攻と日本文化専攻があります。外国語学部と日本文
化学部を土台にした、外国研究と日本研究を2本柱とする大
学院です。ここでは、知的人材として高度な専門職業人や研
究者を育て、内外各界の第一線での活躍を促しています。
地球大世界の連動が促進される一方、地域の個性が一層重
目次
はじめに
愛知県立大学大学院国際文化研究科長
視される現在、さらなる次世代にどのような理想価値を据え
ることが必要なのか、確かな学術に基づく提言はますます重
上川通夫
養成する人材像
博士前期課程
01
しい今日、人類の理想をヒューマニズムを基盤として探究す
博士後期課程
国際文化研究科の概要
これまでの実績
01
沿革
博士前期課程
教育課程の特色
要になるはずです。しかも、科学技術の飛躍的展開がめざま
02
教育課程の考え方
る人文・社会科学の分野は、ますます重要になるはずです。
とはいえこの課題は、単独の研究者や個別の学問分野によっ
国際文化専攻
日本文化専攻
豊かな人間性と外国語のコミュニケーション能力を備え、国際社会及
び地域社会における様々な社会的・文化的諸問題社会を解決する能力の
ある人材、高度専門職業人、研究者。
国際的な視野に立って自文化の伝統を深く掘り起こし、日本社会に生
起する様々な社会的・文化的諸問題を解決する能力のある人材、高度専門
職業人、研究者。
博士後期課程
現代社会と国際社会に対してグローバルな視野を備え、しかも、個々の文化のローカルな特徴にも十分な理解を併せ持った人材、
大学・研究所等の教育研究機関で活躍することができる教職員・研究者、官公庁・企業・報道機関等において高度な専門分野を担っ
て活躍することができる専門的職業人です。
国際文化専攻
日本文化専攻
前期課程で培った国際社会に対する専門的知識と問題解決能力をより
高度な次元で発揮できる専門的な教育者・研究者ないしは官公庁・企業な
どでの指導的組織者として国際社会の第一線で活躍できる人材。
前期課程で培った国際社会に対する専門的知識と問題解決能力をより
高度な次元で発揮できる専門的な教育者・研究者ないしは官公庁・企業な
どでの指導的組織者として国際社会の第一線で活躍できる人材。
国際文化研究科の概要
愛知県立大学大学院国際文化研究科は、外国語学部及び日本文化学部を基礎とした研究科です。同研究科は国際文化専攻、
日本文化専攻の2専攻から成り、国際文化、日本文化それぞれの領域における進んだ専門知識を学ぶとともに高い理解能力を
養い、同時に両専攻間の教育・研究交流を通して、自文化認識及び異文化理解を深め、グローバルな多文化共生の実現に貢献し
うる高度専門職業人ならびに研究者の養成をめざしています。
さらに、本研究科は博士前期・後期両課程において昼夜開講を実施し、社会人に充実した高等教育の場を提供します。
これまでの実績
本研究科は1998年に設立された、少人数教育に基づく小規模な大学院です。博士課程の満期修了者を初めて世にだしてから、
て立ち向かえるものではなく、学的共同が不可欠な性質のも
博士号の取得者は留学生も含めて順調に増え続けており、大学で教鞭をとる研究者の数は10名を越えました。博士前期課程の修
本研究科の入試日程
02
のです。この点で、国際文化研究科のカリキュラムと研究指
了者においても、政府機関や国内外の公共団体・民間企業において国際交流や海外事業を担当する者が年々増加するなど、本研究
博士後期課程
03
導体制は、今日に要請されている学術課題に即しているとい
科が育成をめざす人材は着実に広がっています。
教育課程の特色
えます。
教育課程の編成
修士論文・博士論文の題目例
本研究科修了後の進路
03
本研究科で取得できる教員免許
本研究科のサポート体制
院生のための施設・設備
04
名古屋市立大学大学院との単位互換制度(博士前期課程)
研究科論集
奨学金制度
長期履修制度
TA(ティーチングアシスタント)
と RA(リサーチアシスタント)制度
国際交流
博士前期課程・博士後期課程カリキュラム
06
英語高度専門職業人コース
06
院生の声
08
修了生の声
08
専攻研究分野と専任教員の紹介
09
日本文化専攻の教員紹介
共同性を発揮するのは当然として、大学院生には独自の位置
2002年 大学院国際文化研究科博士後期課程設置。
第一に、研究者としての自立を目標に研鑽してください。
昼夜開講
1966年 愛知県立大学発足(愛知県立女子大学募集停止)。
1998年
思います。次の3点がそれです。
日本学術振興会特別研究員
(DC)
制度
1957年 愛知県立女子大学発足(母体は愛知県立女子短期大学)。
よってこそ意味を持ちます。多分野の教員群が大学院教育に
づけと役割、そして期待があることを理解していただきたく
院生図書費
国際文化専攻の教員紹介
ただし、形式と方法は、内容を満たす人間の意思と努力に
沿革
第二に、みずから没頭する学問分野の存在意義を考えてく
大学院国際文化研究科設置。
愛知県立女子短期大学募集停止。
愛知県立大学、愛知県立看護大学と統合。
大学院国際文化研究科に、外国語学部を土台とする国際文化専攻と日本文化学部を土台とする日本文化専攻を設置。これにより、学部と大学院のより一
層の緊密な連携が可能に。また、授業担当者を大幅に増加。
2009年
セメスター制の導入。
これにより、たとえば、前期に海外で調査活動を行い、後期に集中的に単位をとるということが可能に。※セメスター制とは、従来週1回1年間で行われ
ていた授業を、週2回半年で行う方式のこと。
2015年 国際文化研究科国際文化専攻博士前期課程に、英語高度専門職業人コースを設置。
ださい。
第三に、学びの道を進む者としての範たる姿を示してくだ
さい。
以上3点です。愛知県立大学国際文化研究科での学びに、
あなたの2年間ないし5年間をかけてみてください。自身に
とっても、社会にとっても、意味ある成果を生むに違いあり
ません。
01
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
博士前期課程
博士後期課程
教育課程の特色
教育課程の特色
博士前期課程では、国際文化専攻と日本文化専攻に共通する研究の土台を「言語文化」と「社会文化」の2専門と捉え、両専攻とも
それぞれの専門にさらに2研究分野を置いています。すなわち、国際文化専攻の言語文化専門には「言語研究」と「文学文化研究」、
社会文化専門には「国際社会研究」と「地域社会研究」が、そして、日本文化専攻の言語文化専門には「言語研究」と「文学思想研究」、
社会文化専門には「歴史文化研究」と「地域文化研究」がそれぞれ置かれています。
各専攻の教育の特色は以下の通りです。
国際文化専攻
本専攻は、文化の基本的骨格が言語と社会であることに鑑み、言語文化と
社会文化の2専門を置いています。そして、
その内部を基礎的な学問分野の分
類範疇に基づき、
言語文化専門を言語研究と文学文化研究の2研究分野に、
社
会文化専門を国際社会研究と地域社会研究の2研究分野に分けています。言
語研究分野には外国語学部の各国言語関係教員が、
文学文化研究分野には各
国文学・思想関係教員がそれぞれ責任を持ちます。また、
国際社会研究分野に
は、
外国語学部の地域研究関係教員のうち国際的な法・政治・経済に関わる教
員を、地域社会研究分野には、主に歴史と地域に関わる教員をそれぞれ配置
しています。
以上のように、
国際文化専攻では、
日本を除くほとんどの国・地域を対象と
し、
諸学問の基礎を重視した教育・研究が行われます。学部のほぼ全教員が大
学院の授業を担当するため、
各授業科目は複数の教員が様々な角度から研究
した内容を反映して、複合的かつ重層的に深化したものになっています。ま
た日本文化専攻との間で共通カリキュラムを組むことで、
本研究科の理念た
る自文化認識と異文化理解の2本柱を意識した構成になっています。
日本文化専攻
本専攻では日本文化学部国語国文学科の上に言語文化専門を置き、その
内部を言語研究と文学思想研究の2研究分野に分け、同学部歴史文化学科の
上に社会文化専門を置き、
その内部を歴史文化研究と地域文化研究の2研究
分野に分けています。このようなカリキュラム編成によって、日本文化の総
合的な教育・研究が可能となりました。
これは、本研究科の理念たる多文化共生の骨格である自文化認識と異文化
理解の2本柱のうち、自文化認識に独自に責任を持つということを意味しま
す。もちろん、日本文化専攻は国際文化専攻のカリキュラムとの間で共通部
分を設けることで、2つの柱を関連づけ、真に国際的な視野のもとで異文化
理解を深めます。
教育課程の考え方
本研究科の教育課程は、
共通基礎科目、
専門科目、
共通関連科目、
研究指導から成っています。
共通基礎科目の
「国際文化論」は、1年生の必修科目として、研究科の基礎概念である国際文化・国際社会に対する導入の意味を
持ち、学部教育からより専門的な教育に入っていくための橋渡し科目です。さらに選択必修として
「多文化共生論」があり、本大学
院の理念である多文化共生をめぐる問題を把握することを目的としています。
専門科目は、
外国語学部4学科及び日本文化学部2学科における各学科の独自性を活かし、
自文化と異文化の融合的認識及び多
文化共生社会の実現という教育理念に対して必須要件となる授業科目を設置しています。
国際文化専攻の専門科目は、4つの研究分野、すなわち言語、文学文化、国際社会、地域社会それぞれの分野の特性を活かした授
業科目とともに、
日本文化専攻と共通した科目を各分野に置くことで、
研究の原理的系統性と地域的包括性をともに得られるよう
にしており、
このことは日本文化専攻の専門科目にもあてはまります。日本文化専攻の専門科目は、
言語、
文学思想、
歴史文化、
地域
文化の4つの研究分野から成ります。
また、英語高度専門職業人コース
(2015年4月開始)では、英語専修免許の取得に必要な授業科目をはじめ、学士課程で培った英
語の言語知識及び運用能力をプロフェッショナルとして活躍できる閾にまで高め、
洗練することのできる授業科目を配置しています。
共通関連科目は、
国際文化と日本文化の両専攻の合同クラスです。本研究科にとって重要な言語運用能力を高める授業科目とし
て国際コミュニケーション
(英語)
を設置するほか、
日本語教育に関わる授業科目を設けています。
「国際文化研究
(研究指導)
」ないし
「日本文化研究
(研究指導)
」は2年間にわたり4単位必修として設置しています。その具体的
指導は、
修士論文のテーマ設定、
構想、
資料収集、
論文執筆の仕方、
研究発表などの指導です。
以上のほかに、
研究科会議の承認によって、
教育研究上の必要に応じて学部や他研究科の授業履修も認めることにしています。
教育課程の編成
博士後期課程は、
研究指導科目
(必修)
として、
国際文化専攻に
「国際文化特別研究
(研究指導)
」
、
日本文化専攻に
「日本文化特別研究
(研究指
導)
」
を置き、
院生の持つ個別の課題に即して学位論文を作成するための指導を行います。同時に、
専攻ごとに特殊講義科目を設定しています。
国際文化専攻
特殊講義科目(選択)として右記5つの授業科目群
が置かれ、その中から2科目群以上を履修し、学位論
文作成の基盤となる各学問分野の方法論とグローバ
ルな視点を学びます。
●研究指導科目(必修)
●特殊講義科目(選択)
○国際文化特別研究(研究指導)
○外国語学研究科目群
○外国文学研究科目群
○国際関係・国際社会研究科目群
○国際歴史社会研究科目群
○比較地域研究科目群
●研究指導科目(必修)
●特殊講義科目(選択)
○日本文化特別研究(研究指導)
○日本語学研究科目群
○日本文学研究科目群
○日本歴史研究科目群
○日本地域研究科目群
日本文化専攻
特殊講義科目
(選択)
として右記4つの授業科目群が
置かれ、
その中から3科目群以上を履修し、
学位論文作
成の基盤となる各学問分野の方法論と日本研究として
の総合的視野を学びます。
本課程の修了要件は、3 年以上在学し所定の単位を修得のうえ、博士論文の審査および所定の試験に合格することです。国際文化専攻において博士論文の審査および所定の試験に合
格した者には「博士(国際文化)
」の学位を、日本文化専攻において博士論文の審査および所定の試験に合格した者には「博士(日本文化)
」の学位を授与します。
修士論文・博士論文の題目例
修士論文題目
国際文化専攻
日本文化専攻
○中世期末のヴァルド派 1430年フライブルク・ヴァルド派裁判
○韓日間異文化コミュニケーションとしてのビジネス日本語
―ビジネス日本語教材の分析と KB・JB の意識調査を通じて―
○竹内好と「アジア主義」―戦後思想空間における「アジア」へのまなざし―
○ Acquisition of Early Japanese Clauses
○ポスト・チャンドラーの時代とアップル社
○映画における表現の自由と人格権 -映画の差し止めをめぐる報道の
自由・芸術の自由と人格権の衝突に関するドイツの判例分析を中心に-
○メソアメリカにおける月のシンボリズム
-テオティワカンに具現化された月の考察-
○メソアメリカ・サポテカ文明におけるモンテ・アルバンの成立起源の検証
○日中ビジネス場面におけるコミュニケーション問題の分析
-中国のビジネス日本語教育の改善に向けて―
○明治期における小学校教育と地域住民
○和泉式部和歌表現論 ―切実なる<聞く>欲求―
○「平家物語」乳母子論考
○古代朝鮮半島と日本の文字表記に関する研究 ―異体字を中心に―
○摂関期における太上天皇
○藩政改革と地域社会の研究 ―加藤右衛門七磯足と尾張藩天明改革―
〇京極和歌の思想に関する研究
○非対話的な環境における対話表現の研究
○源氏物語研究
博士論文題目
○ポスト社会主義モンゴルにおける
カザフ社会の動態に関する文化人類学的研究
○ LANGUAGE AND COLOUR PHENOMENA:A PHILOLOGICAL
APROACH 言語と色彩現象 ―史的テクストをもとに―
○江戸時代前中期における郷土の社会的存在意義
―主に軍事・軍団との関わりを視点に―
○渡来人伝説の研究
○白澤論
○古代東アジアにおける漢字文化の研究
○ヨーロッパの一体性を求めて
―欧州統合へのイギリスの政府間主義的アプローチ―
本研究科修了後の進路
本研究科の修了者は、
多文化共生社会の実現が求められているなか、
教育・研究機関、
官公庁、
民間企業、
国際関係機関など、
国際社
会および地域社会の様々な分野での活躍が期待されています。これまで修了者はつぎのような国内外の広い分野で活躍しています。
本研究科の入試日程
入試日程(秋季)
試 験 日
出願期間
合格発表
入学手続
国際文化専攻博士後期課程は、前期課程の国際性と学際性の特色をさらに深めて、グローバル化とローカルな動きが同時進行
する世界の趨勢に対応しながら、既存の学問には見られない視点で研究を進めます。
日本文化専攻博士後期課程は、
前期課程の総合性と学際性の特色をさらに深めて、
日本社会を閉鎖的な島国として理解する傾向に陥
ることなく、
列島・文化について多面的で多様な理解を深め、
既存の学問には見られない視点で研究を進めます。
入試日程(春季)
平成27年10月3日(土)
平成27年8月31日(月)~9月7日(月)
平成27年10月15日(木)
平成28年2月16日(火)
試 験 日
出願期間
合格発表
入学手続
博士前期課程・後期課程とも同日程です。
平成28年2月13日(土)
平成28年1月6日(水)~1月13日(水)
平成28年2月22日(月)
平成28年3月15日(火)
大学教員( 海外大学 を 含 む )、大学非常勤講師、地方自治体職員、高校教員、中学校教員、公立学校事務員、大学図書館職員、本学後期課程進学、
他大学後期課程進学、一般企業、外国領事館職員など
本研究科で取得できる教員免許
国際文化研究科の博士前期課程修了者は、
下記の中学校および高等学校の専修免許が取得できます。
ただし、
専修免許を取得できるのは、
学部在学中に中学校または高等学校の一種免許状の授与を受け、
またはその資格を有する方に限られます。
免許の種類および教科
○中学校教諭専修免許状(英語)
○中学校教諭専修免許状(社会)
02
○高等学校教諭専修免許状(英語)
○高等学校教諭専修免許状(国語)
○高等学校教諭専修免許状(地理歴史)
○中学校教諭専修免許状(国語)
03
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
長期履修制度
本研究科のサポート体制
長期履修制度とは、働きながら大学院で学びたい、育児や介護をしながら学びたいけれども通常修業年限(2年)で修了すること
院生のための施設・設備
が困難な場合、最長4年に渡り計画的に教育課程を修了する、社会人の学びを支援する制度です。
大学院においては、学部以上に研究時間の確保が必要になります。本研究科には、学年ごとの院生室の他、国際文化研究科院生
専用パソコン室、他研究科との共同談話室、印刷室があります。また、コピーカードを一人1枚貸与し、年間2,000枚まで使用する
ことができます。
名古屋市立大学大学院との単位互換制度(博士前期課程)
愛知県立大学大学院国際文化研究科及び名古屋市立大学大学院人間文化研究科の単位互換に関する協定に基づき、名市大にお
いて開設されている科目を履修することができます。名市大で修得した単位を、学則に定められた範囲で修了に必要な単位とし
て認定することもできます。
院生図書費
●ヒトは死ぬまで「学ぶ」それが人生!
博士前期課程2年 フリー翻訳業 河合 利昌さん
●働きながら学べることに感謝
博士前期課程2年 村山 幸代さん
…とばかりに定年間近の私でも研究にチャレンジ。周りは自分の
子供ぐらいの世代―ばかりでもなく人生の先輩方もみえて、これま
た楽しからずや。
夜遅くまで先生方にお付き合い戴けることも、
なお有り難し。生き
るためには働かざるを得ない。が、学問の道も閉ざされてはいない。
とは言え独学はいまいち。研究はちょっと、と思っている皆さん、長
期履修制度はその有効な利用手段。ぜひ一度ご活用を。
働きながら、大学院に通っています。私が大学院を目指すことを後
押ししてくれたのが、長期履修制度でした。実際、大学院での研究は、
予想以上にハードです。でも、この制度のおかげで精神的に、身体的
にも緩和され、申請して良かったと思っています。大学院志望の社会
人のみなさん、長期履修制度を利用してみませんか。
昼夜開講
本学では、豊富な蔵書を取り揃えていますが、院生自身による選書制度を平成23年度より試みています。この制度により、自身
の研究に必要な図書を図書館の蔵書として迅速に入れることも可能となりました。
本研究科は、社会人の院生のために、夜間の授業時間帯に授業を行っています。
TA(ティーチングアシスタント)と RA(リサーチアシスタント)制度
研究科論集
本研究科の紀要として、教員及び優秀な院生、修了生による「国際文化研究科論集」を毎年発行しています。博士後期課程の在学
者で研究指導教員の推薦を受けた方、博士前期課程の修了者のうち、修士論文において優秀な成績を修め、かつ掲載許可の認定を
受けた方は執筆が可能です。
日本学術振興会特別研究員(DC)制度
TA は、授業や学習の補助業務を行う制度で、一定の給与が支給されます。RA は、博士後期課程の院生を対象に、特定の研究プロ
ジェクトの参画を通して、経済的支援によって学生生活の充実を図るとともに、研究者としての育成も視野に入れた制度です。本
学では、TA・RA を積極的に活用しています。
国際交流
この制度は、将来の学術研究を担う優れた若手研究者を養成・確保するため、日本学術振興会が研究奨励金を支給する制度です。
● 博士後期課程修了
授業料は、3年または4年で履修する場合でも、2年分の授業料を分割して納めることになります。
博士(日本文化)方 国花さん
日本学術振興会特別研究員制度は日本人学生、留学生を問わず、優れ
た若手研究員を養成するための素晴らしい制度です。修士課程2年目
から申請できますが、私は博士課程2年目に申請しているので、もう少
し早く申請すればよかったと思っています。一番いいのは、大学院に
入る前にこの制度について知っておいて、修士課程1年目に準備をし、
2年目に申請することです。そうすると、自分の研究を計画的に進めら
れていい研究成果に結びつくでしょう。
海外留学
チューター・メイト制度
本学には42の協定大学のほか、世界各国の大学、大学院への留学実績
があります。協定大学等海外の大学で修得した単位は、本学の規程に照ら
して審査され、最大10単位(他大学で修得した単位の合計を限度とする)
まで認定を受けることができます。
外国人留学生に対して、本学学部生や院生が個別に生活や学習・研究の
助言や援助を行う制度です。協定大学からの交換留学生等が、日本での生
活にスムーズに適応することを目的とし、またチューター・メイト自身の
国際交流の経験を支援します。
協定大学一覧(平成26年12月1日現在)
奨学金制度
本学の大学院では、下記のように多くの奨学金制度を有しています。
特に優れた業績による返還免除
日本学生支援機構奨学金
大学院において日本学生支援機構第一種奨学金の貸与を受けた学生で
あって、在学中に特に優れた業績をあげた者として機構が認定した場合
には、貸与期間終了時に奨学金の全部または一部の返還が免除される制
度です。
学問分野での顕著な成果や発明・発見のほか、専攻分野に関する文化・
芸術・スポーツにおけるめざましい活躍、ボランティア等での顕著な社会
貢献等も含めて評価されます。本学においても、毎年、数名の院生が返還
免除の認定を受けています。
●第一種(無利子)前期課程 50,000円、
88,000円から選択
●第一種(無利子)後期課程 80,000円、
122,000円から選択
●第二種(有利子)前期・後期課程
50,000円、
80,000円、
100,000円、
130,000円、
150,000円から選択
その他奨学金
大幸財団、豊秋奨学会、横山育英財団など、各種奨学金の募集がありま
す。詳細は、入学後に学生支援課で紹介します。
04
●シャルル・ド・ゴール=リール第三大学(フランス)
●ブリストル大学(イギリス)
●コー大学(アメリカ)
●プエブラ・ラス・アメリカス大学(メキシコ)
●湖南大学校(韓国)
●南京師範大学(中国)
●アシュランド大学(アメリカ)
●四川師範大学(中国)
●ケルン大学(ドイツ)
●アリカンテ大学(スペイン)
●ポートランド州立大学(アメリカ)
●サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学(スペイン)
●プンペウ・ファブラ大学(スペイン)
●プレスビテリアン大学(アメリカ)
●メキシコ国立自治大学(メキシコ)
●グアダラハラ大学(メキシコ)
●東呉大学(台湾)
●ラドフォード大学(アメリカ)
●ニューヨーク州立大学フレドニア校(アメリカ)
●マイアミ大学キューバ研究所(アメリカ)
●ローマ・トル・ヴェルガータ大学ヴォルテラセンター(イタリア)
●ライプツィヒ大学(ドイツ)
●アリゾナ州立大学(アメリカ)
●清州大学(韓国)
●サンパウロ大学(ブラジル)
●ガジャマダ大学(インドネシア)
●シベリア連邦大学(ロシア)
●セントラル・ランカシャー大学(イギリス)
●ア・コルーニャ大学(スペイン)
●ペルー・カトリカ大学(ペルー)
●オッターベイン大学(アメリカ)
●プエブラ自治栄誉大学(メキシコ)
●ニューカッスル大学(イギリス)
●静宜大学(台湾)
05
合計
日本語文法研究
日本語表現研究
日本古代文学研究
日本中世文学研究(韻文・思想)
日本中世文学研究(散文・伝承)
日本近世文学研究
日本近現代文学研究
日本文化思想研究
文学思想特別研究
日本古代史研究
日本中世史研究
日本近世史研究
日本近現代史研究
日本考古学研究
日本地域研究
日本地域史研究
日本法政治研究
日本社会研究
日本思想史研究
地域文化特別研究
日本語教育学研究
国際コミュニケーション(基礎)
国際コミュニケーション(応用)
国際文化特殊研究Ⅰ・Ⅱ
国際文化特殊研究Ⅲ・Ⅳ
海外大学院修得科目
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
日本語音韻・表記研究
単位数
言語特別研究
授業科目の名称
・
・
・
・
)
地域社会特別研究Ⅰ
地域社会特別研究Ⅱ
日本語教育学研究
)
国際コミュニケーション(応用)
国際文化特殊研究Ⅲ・Ⅳ
海外大学院修得科目
)
)
国際コミュニケーション(基礎)
国際文化特殊研究Ⅰ・Ⅱ
)
)
・
・
・
1
2
・
1
2
1
2
・
1
2
1
2
1
2
・
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2
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2
・
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2
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2
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2
・
1
2
・
1
2
・
1
2
・
1
2
・
・
英語圏文化批評研究(各論)
1
2
1
2
1
1
通
2
2
2
2
2
2
2
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2
2
4
8
4
文化人類学研究(
)
文化人類学研究(
比較地域研究(
)
比較地域研究(
東アジア歴史社会研究(
欧米地域研究
東アジア歴史社会研究(
ヨーロッパ歴史社会研究(
)
ヨーロッパ歴史社会研究(
英米歴史文化研究(各論)
英米歴史文化研究(総論)
国際社会特別研究Ⅱ
国際社会特別研究Ⅰ
)
東アジア政治経済研究(
)
東アジア政治経済研究(
)
欧米経済研究(
)
欧米経済研究(
中南米政治経済研究
ヨーロッパ政治研究(
)
ヨーロッパ政治研究(
イギリス政治研究
)
国際関係論研究(
)
国際関係論研究(
文学文化特別研究Ⅱ
文学文化特別研究Ⅰ
英語表現演習(リテラル)
翻訳演習(英・日)
翻訳研究(英・日)
)
中国文学文化研究(
)
中国文学文化研究(
中南米文学文化研究
ヨーロッパ文学文化研究(
)
ヨーロッパ文学文化研究(
イギリス文学研究(発展)
イギリス文学研究(基礎)
言語教育特別研究Ⅱ
言語教育特別研究Ⅰ
)
言語学研究(
)
言語学研究(
英語表現演習(オーラル)
通訳演習(英・日)
通訳研究(英・日)
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
必修
合計
英語表現演習(オーラル)
英語表現演習(リテラル)
国際文化論
多文化共生論
国際文化特殊研究 Ⅰ・Ⅱ
国際文化特殊研究 Ⅲ・Ⅳ
)
国際コミュニケーション(応用)
国際文化研究 研( 究指導科目
国際コミュニケーション(基礎)
通訳演習(英・日)
翻訳研究(英・日)
翻訳演習(英・日)
言語教育特別研究Ⅰ・Ⅱ
文学文化特別研究Ⅰ・Ⅱ
英語教育学研究(発展)
現代英語学研究(言語構造)
現代英語学研究(言語機能)
歴史英語学研究(形態論・統語論)
歴史英語学研究(語彙論・意味論)
通訳研究 英(・日)
英語教育学研究(基礎)
科目区分
日本近現代文学研究特講
日本古代史研究特講
日本中世史研究特講
日本近世近代史研究特講
日本地域研究特講
日本思想史研究特講
・ ・
・ ・
・ ・
・ ・
・ ・
・ ・
・ ・
・ ・
日本中世文学研究特講
合計
日本古代文学研究特講
・ ・
・ ・
日本語学研究特講
フランス歴史文化研究特講
東アジア歴史文化研究特講
地理学研究特講
人類学研究特講
・ ・
・ ・
必修
フランス政治研究特講
単位数
外国語文学研究特講Ⅱ
・ ・
配当年次
アメリカ文学研究特講
・ ・
比較地域研究特講Ⅱ
比較地域研究特講Ⅰ
国際歴史社会研究特講Ⅱ
国際歴史社会研究特講Ⅰ
国際関係・国際社会研究特講Ⅱ
国際関係・国際社会研究特講Ⅰ
外国語文学研究特講Ⅰ
外国語学研究特講Ⅱ
外国語学研究特講Ⅰ
授業科目の名称
・ ・
イギリス文学研究特講
研究指導科目 国際文化特別研究
科目区分
配当年次
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
中国文学研究特講
合計
授業科目の名称
研究指導科目 日本文化特別研究
日本地域研究
・
多文化共生論
配当年次
歴史文化特別研究
国際文化論
合計
英語圏文化批評研究(総論)
・
2
・
アメリカ文学研究(応用)
・
2
中南米・新興国研究
アメリカ文学研究(基礎 )
イギリス文学批評研究(応用)
1
2
)
イギリス文学批評研究(基礎)
1
2
特殊講義科目
研究指導科目 日本文化研究
共通基礎科目
科目区分
4
1
2
必修
07
06
8
1
2
中国語教育研究
英米歴史文化研究(各論)
イギリス政治研究
英米歴史文化研究(総論)
24
4
1
2
・
12
12
2
1
2
・
92
2
1
2
)
12
2
1
2
中国語学研究
4
4
1
2
ヨーロッパ言語研究(
英語圏文化批評研究(各論)
4
4
1
2
・
4
4
2
)
4
4
2
ヨーロッパ言語研究(
英語圏文化批評研究(総論)
4
4
1
2
・
4
4
1
2
・
4
4
1
2
英語教育学研究(発展)
4
4
英語教育学研究(基礎)
イギリス文学批評研究(応用)
・ ・
4
4
・
フランス語言語研究特講
4
4
歴史英語学研究(語彙論・意味論)
イギリス文学批評研究(基礎)
英語言語研究特講
4
4
・
アメリカ文学研究(応用)
4
単位数
4
4
歴史英語学研究(形態論・統語論)
アメリカ文学研究(基礎)
内容
4
4
・
必修
4
4
現代英語学研究(言語機能)
イギリス文学研究(発展)
単位数
4
4
・
科目名
イギリス文学研究(基礎)
4
4
1
2
24
4
4
1
2
12
4
4
1
2
12
4
4
1
2
48
1
通2
3
2
1
2
12
3
4
1
2
4
2
3
4
1
2
4
1
2
3
4
1
2
4
1
2
3
2
1
2
4
3
2
1
2
4
2
3
1
1
通
2
2
1
2
4
1
2
3
1
2
1
2
4
1
2
3
1
2
1
2
4
3
1
2
2
4
2
3
1
2
2
1
通2
3
1
2
3
1
2
1
2
1
2
3
3
2
1
2
1
2
3
2
3
1
2
1
2
1
2
3
1
2
3
1
2
1
2
1
2
3
1
2
3
1
2
1
2
1
2
3
1
2
3
1
2
1
2
1
2
3
3
1
2
1
2
1
2
3
2
3
2
1
2
1
2
3
1
2
3
1
2
1
2
1
2
3
1
2
3
1
2
現代英語学研究(言語構造)
科目区分
国際文化研究科 日本文化専攻 博士後期課程
国際文化研究科 国際文化専攻 博士後期課程
1
2
1
2
多文化共生論
必修
修論を執筆するための実践的な演習
1
2
1
2
日本歴史研究
比較地域研究
国際歴史社会研究
国際関係・国際社会研究
異文化理解を円滑にするための講義
1
2
1
2
日本文学研究
外国文学研究
英語母語話者による演習
2
1
2
単位数
第二言語習得論を中心に
翻訳、通訳業を行うための演習
1
2
配当年次
2
1
2
1
2
授業科目の名称
2
1
2
1
2
国際文化論
2
1
2
研究指導科目 国際文化研究
科目区分
2
1
2
1
日本語学研究
外国語学研究
8
4
2
2
研究特講Ⅰは国際文化専攻2年次以上、研究特講Ⅱは国際文化専攻3年次にお
いて、各自の主指導教員の担当する授業科目に限り受講できる。
特殊講義科目
4
4
2
2
4
英語研究に必要な
2
2
2
2
6
専門的知識を涵養する
国際教養力を高める
2
2
2
2
4
英米文化を広く学び、
2
34
2
2
2
2
2
2
2
2
8
4
2
78
2
4
8
[F 群]
学術論文演習
[E 群]
異文化論
1
2
1
1
1
[D 群]
英語母語話者による演習
[C 群]
英語通訳論・翻訳論及び演習
[B 群]
英語学・英語教育
[A 群]
英米文化論
2
2
1
28
34
1
2
2
2
1
2
4
1
2
34
1
2
4
1
2
2
1
2
2
2
2
30
30
122
1
2
1
1
1
1
2
1
地域社会研究分野
国際社会研究分野
文学文化研究分野
共通基礎科目
共通関連科目
4
28
共通関連科目
言語研究分野
1
2
社会文化専門科目
言語文化専門科目
152
2
国際文化研究科 日本文化専攻 博士前期課程
特別研究科目については、国際文化専攻2年次において、
各自の主指導教員の担当する授業科目に限り受講できる。
国際文化研究科 国際文化専攻 博士前期課程
4
特別研究科目については、日本文化専攻2年次において、
各自の主指導教員の担当する授業科目に限り受講できる。
社会文化専門科目
言語文化専門科目
地域文化研究分野
歴史文化研究分野
文学思想研究分野
言語研究分野
1
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
博士前期課程カリキュラム
英語高度専門職業人コース このコースは国際文化専攻博士前期課程に設置されています。
英語高度専門職業人コース履修イメージ
博士後期課程カリキュラム
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
国際文化専攻(平成 28 年4月予定) Department of International Studies
院生の声
●国際文化専攻
D
博士前期課程 2年
今井友理さん
●国際文化専攻
私は2014年3月に県大英米学科を卒業し、4月から大学院に入学しまし
た。卒業論文では、認知言語学の観点から、身体部位を用いたイディオム
を分析しました。そして認知言語学の理解をより深めたいと思い、大学
院への進学を決めました。留学生や社会人の方々と共に勉強できる環境、
丁寧な指導をしてくださる先生方の存在、自分の専門分野以外の講義を
受講できることなど、県大大学院の魅力は数多くあります。特に私は、専
門外の講義を受けることによって、自分の専門分野に関連する部分があ
ることを知って視野が広がり、学部生の時とは違った学びの楽しさや深
さを感じることができました。県大大学院の様々な魅力のおかげで、充
実した研究生活を送っています。
●国際文化専攻
博士後期課程2年
市川浩代さん
博士前期課程2年
●日本文化専攻
山本智穂さん
李嘉輝さん
私は中国の深圳大学英語学科を卒業し、
言語文化を深く理解したいと思っ
て愛知県立大学大学院の国際文化研究科に入学しました。今は、多文化
共生に関心を持って多言語支援・多言語サービスをテーマにして研究し
ています。県大大学院の魅力を感じているのは、少人数で講義を行うこ
とです。少人数の講義では、質問しやすく、専門知識を学びやすい環境で
す。また、専門分野以外の講義もあるので、視野を広げつつ、関連性のあ
るものを取捨選択する能力を身につけました。そして、研究を進めるに
おいて、指導教員だけでなく、様々な分野の先生方にも丁寧にサポート
していただいています。このような大学院生活で学んだことは、グロー
バル化が進んでいく世界で活かせると思い、今充実した留学生活を送っ
ています。
愛知県立大学スペイン学科の卒論でピカソの
「ゲルニカ」
をテーマに選びました。
中学時代から絵画に興味を持っていました。鑑賞的立場から制作へと、より直
接的なかかわりを求めて、愛知県立芸術大学油画科に入学し卒業、日本に於け
る美術教育の実態を体験しました。しかし、明確な造形の理論や表現に関わる
自身の理解が得られないまま大学の課程を修了してしまいました。この事をきっ
かけとして古典的な技法や論理的な基礎造形の講義の充実しているスペイン
のマドリード コンプルテンセ大学大学院修士課程に入学、
修了。そこで、
西洋絵
画の伝統技法と基礎造形教育のシステムが確立されていた、
スペイン サンフェ
ルナンド王立美術学校のカリキュラムを伝える技法書のシリーズと出会いま
した。このテキストの読解と分析が本学に於ける博士課程の研究テーマです。
居心地の良い環境で研究できることは幸せです。
●日本文化専攻
博士前期課程2年
博士前期課程1年
中村しほみさん
国際文化研究科の魅力のひとつとしてあげられるのは、少人数で議論を
することができるという環境ではないでしょうか。一人ひとりが机に向
かって自身の専門性を高めることはもちろんですが、少人数、なおかつ、
多様な研究分野の人々が集まる環境での議論は、自分では気がつかない
ような視座に出逢う機会となり、日々とても刺激を受けています。また、
日本文化専攻では、史資料と向き合うことはもちろん、フィールドワー
クのような現地調査を重視した研究も行うことができます。私の専門は
社会学ですが、歴史学や地理学、言語学、文学など様々な領域を専門とす
る先生方からアドバイスをいただきながら、研究の幅が拡がり、深まっ
ていくことの面白さを実感しています。
●日本文化専攻
私は元々在籍していた大学では、自分がやりたいと考える中世歌論につ
いて十分に研究ができるとは思えなかったので愛知県立大学の大学院
に進学しようと決めました。現在は様々な歌論を精読し、それぞれの違
いを比較しています。大学院の授業は自分の専門分野以外の授業も履修
するため、学部生の時以上に広く深い知識を得る事ができ、それは自身
の研究に大いに役立ちます。また、授業は少人数で行う発表形式が多い
ため、ちょっとした疑問や意見がとても言いやすいところや他人の発表
をきき、直接先生に指導していただいているところを見ることが何より
も勉強になります。そして、
そのことは他の授業などの自分の発表や研究、
勉強方法に活かすことができます。
博士後期課程2年
加藤彩さん
国際文化研究科における日々は、
「つながり」
による面白さに満ちています。
様々な研究分野で活躍される先生方とのつながり、それぞれの生活を抱
え独自の研究テーマに取り組む仲間とのつながり。その中で、中島敦作
品の短歌(韻文)と小説(散文)のつながりに注目し研究する私が発見し
た些細な何かが、思わぬところへとつながり、見たことのない世界の片
鱗が顔を出します。この面白さこそが、本研究科における醍醐味であり、
混沌とした世の中で生きて行くための力になると思います。
博士前期課程修了生
成瀬晴正さん
●国際文化専攻
私は2013年に愛知県立大学外国語学部を卒業したのち、メキシコ合衆国南
部に位置するオアハカ州で栄えたサポテカ文明に関して研究するため同校
の大学院に進学しました。在学中の一日の流れとしては、
朝から研究室に行き、
夕方からはアルバイトで生活費を稼いでおりました。また時々、
サークルでサッ
カーをしたりし、生活にメリハリをつけていました。2年次には就職活動も
行い、
時間管理に追われる日々を過ごし、
秋以降は研究室で寝泊まりし、
修士
論文執筆に尽力しました。当時は大変でしたが、
今では良い思い出です。
在学中は多くの先生方に支えられるだけでなく、
良き友人らと勉学に勤しみ
ながら非常に有意義な学生生活を楽しんでおりました。現在は学生時代に
身に付けた知識や、
技術を活かしながら社会で頑張っております!
●国際文化専攻
博士後期課程修了生
山本恭子さん
博士後期課程修了生
●日本文化専攻
栗田佳美さん
08
佐野浩子さん
博士前期課程修了生
井上麻美さん
私は日本文化専攻で、
「問い返し疑問」という疑問文の一種を研究テーマ
として取り上げました。日頃目にする、あるいは自分でも使う表現に着
目し、小説・漫画・インターネット上の書き込みやニュース記事などから
用例を集め、分析しました。地味で時間のかかる作業ですが、自分の立て
た予想を裏付ける資料が見つかった時は嬉しいものです。大学院の授業
はかなりの少人数ですから、院生同士で意見を交換しあったり、先生方
に親身に指導して頂いたりしながら、研究を進めることができます。また、
大学院生の毎日は、研究活動だけではありません。TA として学部の授業
をサポートしたり、講演会などの行事にスタッフとして参加したり、学
外で行われる学会に出かけたりと大忙しです。修士課程は二年間で、
あっ
という間でしたが、充実した院生生活を送ることができました。
●日本文化専攻
私は学部と大学院を愛知県立大学で過ごしました。日本中世史を専門にし
て、大学院在学中に、国際文化研究科論集や学外研究誌に論文を公表しま
した。その過程で、普門寺
(豊橋市)や大御堂寺
(美浜町)などで古文献を調
査し、
愛知県史や三重県亀山市史の編纂事業のお手伝いにも参加しました。
思い返せば、
美浜町の自宅から片道2時間以上の通学を、
10年間続けたこ
とになります。それが持続できたのは、県大こそ私にとっての学びの拠点
だという思いがあったからです。そこで身につけたのは、
“ 研究心 ” であっ
たように思います。子育てまっ最中の今、
公務員の仕事をも創造的に、
この
“ 心 ” を活かすつもりです。遠きにありて思う県大にも、また学びに訪れた
いという実感です。
博士前期課程修了生
「自らが如何に知らぬかを知るには、如何に多くのことを知らねばならぬ
か」大学院で過ごした4年間は、正にこの自分自身への問いかけに終始し
てきました。果たして、
その思いに応えてくれたのが、
大学院の講義でした。
私が在籍した国際文化研究科は、
その名が示すように、
様々な研究分野の
講義が提供されていました。当初は自身の研究分野の講義が限られてお
り不安を感じましたが、多岐にわたる研究分野、多様な価値観、視点を知
り得たことは、
修論執筆への大きなステップになったと確信しています。
今、
「遅れてきた中年」
の私に言えるのは、
大学院での学びが遅きに失する
ことはなかったということです。そんな思いを共有できる方が増えるこ
とを願って止みません。
私は外国語学部中国学科を卒業し、国際文化研究科に進学しました。卒論は中国文化に関する
もので、進学後も中国学科の先生方に引き続きご指導を頂き、修士論文に向かうことができま
した。また、カリキュラムの必要上、他分野の授業を受け、先生方から異なる観点を教えて頂き
ました。文献資料や論文を収集するため県大図書館はもちろん、他の図書館にもよく行きました。
書庫を歩くと検索ではわからない文献を発見するという楽しみがあります。研究科では自分
がおもしろいと思う事を見つけ、
調べ、考えること、
そして研究は楽しいということを学びました。
修了後は金沢大学大学院博士後期課程に進学し、現在、博士号取得を目指してさらに研究を続
けています。
●日本文化専攻
参照頁
東 弘子 教授
石原 覚 教授
石野 好一 教授
江澤 照美 教授
大森 裕實 教授
櫻井 健 教授
高橋 慶治 教授
月田 尚美 教授
長沼 圭一 教授
中村 不二夫 教授
人見 明宏 教授
広瀬 恵子 教授
宮谷 敦美 教授
吉池 孝一 教授
池田 周 准教授
糸魚川 美樹 准教授
熊谷 吉治 准教授
中西 千香 准教授
森田 久司 准教授
日本語学、社会言語学
英語学、古英語、英語文献学
フランス言語学、意味論・語用論
スペイン語教育、スペイン語学
英語学、歴史言語学
言語学、北欧語学、言語変化・言語接触
キナウル語記述研究
言語学、類型論、台湾原住民諸語
フランス言語学、統辞論
英語学、英語史、近代英語統語論
ドイツ語学・文法、テクスト言語学、統語論
英語教育学、第二言語ライティング研究
日本語教育学
中国語学、文字音韻学、中国周辺の文字
英語教育学
スペイン語学、社会言語学
英語学、情報構造と韻律論
中国語学(主に現代中国語における前置詞の機能)、中国語教育
英語学、言語学、統語論、意味論
主
主
主
副
主
主
主
副
主
副
副
主
副
主
副
主
副
副
副
副
主
10
11
12
文学文化研究
鵜殿 悦子 教授
小澤 正人 教授
木全 滋 教授
工藤 貴正 教授
田中 敬一 教授
松本 三枝子 教授
村山 瑞穂 教授
山本 順子 教授
平井 守 教授
榎本 洋 准教授
梶原 克教 准教授
川尻 文彦 准教授
佐藤 久美子 准教授
原 潮巳 准教授
四ツ谷 亮子 准教授
アメリカ文学、批評・理論
イギリス文学、H.G. ウェルズ、ユートピア文学
アメリカ文学、ホイットマンと19世紀文学
中国近現代文学、魯迅研究、中国現代主義文学
ラテンアメリカの文学・文化、先住民小説、メキシコ壁画運動
19世紀イギリス文学、女性文化、女性雑誌研究
アメリカ文学・文化、アジア系アメリカ文学研究
ドイツ文化、表現主義とダダイズム、知覚変容論
ドイツ文学、ゲーテ
イギリス文学、ヴィクトリア朝小説
英語圏文化、批評・理論
中国近現代思想史、近代東アジア思想文化交流史
フランス文学、文学批評
19・20世紀フランス小説、ベル・エポックの文化
ドイツ文学、現代演劇、舞台芸術論
主
主
主
主
主
副
主
副
主
主
主
副
副
副
副
副
副
副
13
14
15
国際社会研究
修了生の声
●国際文化専攻
M
言語研究
博士後期課程修了生
服部光真さん
国際文化研究科では、学問的刺激に満ちた、厳しくも楽しい日々を過ご
しました。指導教員の先生からは、専門研究に関するご指導はもちろん
のこと、調査の段取り、学会発表の準備、投稿論文の作成など様々な局面
できめ細かいご助言を受けることができました。また、隣接諸分野の先
生方や院生との距離も近く、日常的な交流や共同研究を通して人文・社
会科学の課題についての視野を広げられ、自分の研究の問題意識にも広
がりと深みを得ることができたことも大きなメリットだったと思います。
基本的には自主性を重視していただけるので、研究者としての自立に向
けて、良い緊張感を持って、自由に、主体的に、研究に専心できる場です。
木下
草野
小池
今野
中田
野内
奥田
奥野
髙阪
鈴木
杉原
竹村
中屋
西野
郁夫 教授
昭一 教授
康弘 教授
元 教授
晋自 教授
美子 教授
泰広 准教授
良知 准教授
香津美 准教授
隆 准教授
周治 准教授
仁美 准教授
宏隆 准教授
真由 准教授
国際機構・国際紛争、外交関係
国際経済論
ラテンアメリカ政治・外交、キューバ研究、国際協力論
ドイツ政治思想、政治学、ヨーロッパ国際政治史
現代フランス政治、地方分権と市民参加
EU 経済、フランス経済
イギリス政治・外交、国際関係史、インテリジェンス研究
近代カタルーニャ経済史、カタルーニャ地域研究
多文化共生・ポルトガル語教育
現代中国政治、中国政党史、政治体制論
ドイツ法、憲法学、メディア法
国際法、国際刑事法
ドイツ経済、戦後ヨーロッパ統合史
現代中国経済
副
副
主
主
副
主
主
主
副
副
副
主
副
主
副
副
副
16
17
地域文化研究
天野 知恵子 教授
大野 誠 教授
黄 東蘭 教授
杉山 三郎 教授
竹中 克行 教授
エドガー・ライト・ポープ 教授
秋田 貴美子 准教授
池田 利昭 准教授
伊藤 滋夫 准教授
亀井 伸孝 准教授
小座野 八光 准教授
久田 由佳子 准教授
谷口 智子 准教授
半谷 史郎 准教授
福岡 千珠 准教授
矢野 順子 准教授
渡会 環 准教授
エレノア・ロビンソン・山口 講師
D:博士後期課程
M:博士前期課程
フランス近現代史、フランスの子ども・家族・学校の歴史
イギリス史、近代イギリスの科学・技術の社会史
中国近現代史・近代日中関係史
中米考古学、アメリカ原住民文化
地理学、現代都市論、地中海ヨーロッパ
民族音楽学、日本とアメリカのポピュラー音楽史
文化人類学、異文化コミュニケーション、女性学
ドイツ中世都市、ドイツ近世国家、犯罪の社会・文化史
フランス中世・近世史、財政史研究、公債の研究
文化人類学、アフリカ地域研究
東南アジア近現代史、ジャワ村落社会研究
アメリカ近代史、建国初期~南北戦争前の社会史・家族史・女性史
宗教学、ラテンアメリカ地域研究
ロシア研究
社会学、アイルランド研究
東南アジア政治、東南アジア地域研究
ブラジル地域研究、人種・エスニシティ
日英交流史
主:主指導担当教員
副:副指導担当教員
主
副
主
主
主
主
主
主
主
主
主
副
副
副
副
主
副
副
副
副
副
副
副
副
18
19
20
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
東
弘子
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
教授
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
石原
[あずま ひろこ]
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
言語学研究
日本語学、社会言語学
名古屋大学大学院文学研究科
博士課程後期国語学専攻 単位取得満期退学
博士(文学)
覚
教授
[いしはら さとる]
歴史英語学研究
英語学、古英語、英語文献学
東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退
文学修士
高橋 慶治
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
月田 尚美
教授[たかはし よしはる]
言語学研究
キナウル語記述研究
京都大学大学院博士後期課程研究指導認定退学
京大博士(文学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
教授[つきだ なおみ]
言語学研究
言語学、類型論、台湾原住民諸語
東京大学大学院人文社会科学研究科
博士(文学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
言語をあるがままに分析しようとする言語学の視点をふまえ、一つのスタンダードを指向する大衆
私は古い時代の英語を教育・研究の対象としています。英語の歴史は、紀元1100年頃までの古英語
私の専門分野は野外調査による言語記述です。対象とする言語はチベット・ビルマ諸語の一つであ
私の専門分野は言語学で,特に興味があるのは,形態論,統語論,言語類型論である。台湾に野外調
的視点またはそれを操作しようとする権力との関係について考察することを、研究の目的とし
期、1100年頃から1500年頃までの中英語期、そしてそれ以降の近代英語期に分けられ、私の授業で
るキナウル語であり、この言語はインド北西部のヒマーチャル・プラデシュ州キナウル地区で話さ
査に出かけて台湾原住民の言語の記述に取り組んでいる。台湾原住民の言語は,若い世代がその言
1. 現代日本語の統語論と語用論の接点に関する研究(心理述語文、敬語、授受表現等)
はそれらのうちいずれかの時代の文献を扱うことになりますが、私が専門に研究しているのは古英
れています。言語の記述では、その言語がどのような発音や単語をもち、どのような文法体系をもっ
語を話せなくなっている。つまり,消滅の危機に瀕している。それを再活性化させていきたい,と考
2. 規範意識等、社会制度の中での言語学
語(Old English)です。より詳しく私の個人的関心について言えば、古英語期に、その当時の人々の
ているかを明らかにすることを目標とします。私の教育方針は、学生が自分で研究できる力をつけ
える人たちもおり,言語学者としてそれを支援するのも課題の一つである。
を研究課題として掲げている。
精神に比類なき影響を及ぼした書物である聖書の言葉が、どのように表現されているのかというこ
るようにすることです。そのため、学生には自分の考えを発言するように求めます。むろん、その考
指導学生には,自分が興味を持った言語を一つ選んで,現地調査に赴くなどして,言語の記述に挑戦
大学院生には、自ら研究課題を発見し、広い視野と汎用性のある問題意識を持つことができるよう、
とに特に興味を持っています。古い時代の英語の文献を読み解くのは、一方で確かに苦労の多い営
えは言語学的な発想に基づく必要があります。思いつきではなく、十分根拠のある発想を得るため
してほしい。それを演習形式の授業で発表し,論文に仕上げてもらう。調査で得た資料を分析し,言
専門的知識だけに留まらない学習スタイルを持つよう指導している。
みではありますが、他方で現代英語を学ぶのとは異なる知的醍醐味を与えてくれるものでもあり、
には、その背景となる知識が必要です。したがって、学生には関連図書をなるべくたくさん読んで
語を記述するのに必要な知識,技量はたくさんあり,授業ではそれもしっかり学んでほしい。その
それを多少なりとも共有できたらと思います。
いただきたいと思います。
言語あるいは周辺の言語の先行研究を踏まえることももちろん重要である。
● `On the deictic patterns in Kinnauri(Pangi dialect)' In R. Bielmeier and F. Haller eds., Linguistics of the Himalayas and
Beyond, Berlin: Mouton de Gruyter, pp. 341-54, 2007/11.
● A descriptive and morphosyntactic study on Kinnauri(2)
, 2004-2007年度文科省科研費報告書
(代表者 高橋慶治)
、
2008年3月。
●2012. Goal Voice and Conveyance Voice of Seediq. In Nakamura and Kikusawa (eds.) Objectivization and Subjectivization:
A Typology of Voice Systems. Senri Ethnological Studies 77. Osaka: National Museum of Ethnology. 77-95.
●2011.3 「情報提供」から「情報保障」へ -相互理解をめざす協働作業としてのコミュニケーションに見る可能性-
(単著)
『社会言語学』別冊I 情報弱者のかかえる諸問題の発見とメディアのユニバーサルデザインのための基礎研究、pp.201-214
●2010.5 外来語の「ゆれ」にみるインターネットWebサイト上の日本語
(単著)
『日本語学最前線』
(和泉書院)
、pp.529-546
●2009.11マスメディアにおける文体の新しさ -注目度を高める「現場性の導入」という手法-『日本語学』vol.28-14臨時増刊号「新語・流行語のことば学」、pp.12-20
石野 好一
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
●「古英語 toweorpan、ラテン語 destruere とギリシャ語
について」
『愛知県立大学外国語学部紀要』
(言語・文
学編)第47号,2015,1-19
●「古英語 aweccan とラテン語 concitare について」
『愛知県立大学外国語学部紀要』
(言語・文学編)第46号,2014,29-47
江澤 照美
教授[いしの こういち]
ヨーロッパ言語研究、
フランス語言語研究特講(博士後期課程)
フランス言語学、意味論・語用論
上智大学外国語学研究科言語学専攻
博士後期課程単位取得退学(1982年)
文学修士
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
教授[えざわ てるみ]
ヨーロッパ言語研究
スペイン語教育、スペイン語学
神戸市外国語大学大学院外国語学研究科
イスパニア語学専攻修了
文学修士
長沼 圭一
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
●2009.「セデック語」. 中川裕監修『ニューエクスプレス・スペシャル 日本語の隣人たち』. 東京 : 白水社 . 10-29.
中村 不二夫 教授
教授[ながぬま けいいち]
[なかむら ふじお]
ヨーロッパ言語研究
フランス言語学、統辞論
筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科
単位修得退学[2001年]
言語学博士(筑波大学)
[2003年]
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
歴史英語学研究
英語学、英語史、近代英語統語論
岡山大学大学院文学研究科修士課程
文学修士
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
意味論、語用論の研究を軸に、談話と意味との関わり
(接続詞・副詞的表現なニュアンスをもつ表現
(ぼ
スペイン語教育が主要な研究テーマです。現在の主な研究課題は、複言語・複文化主義が外国語とし
現代フランス語における冠詞の機能について研究しています。冠詞の一見特殊なように思われる用
かし・強調の表現など)、機能主義的な観点からの言語考察、意味と文化・社会との関わり、さらにこ
てのスペイン語教育 ( = ELE 教育 ) に与えた影響やその問題点の検証です。自身の経験をふまえた
法のメカニズムや冠詞の有無による解釈の違いなどについて考察を行っています。
1500-1950年に書かれた日記・書簡資料を分析し、英語の文法と語彙の歴史を正すことを研究課
れらの考察をもとに、日仏語の対照研究、言語教育への応用というようなテーマに関心を持っている。
実践的報告をおこなう一方で、ELE 教育の最新の動向に注目し、新しい時代の外国語教育の傾向を
大学院の授業では、専門である冠詞等による名詞限定の問題を中心に扱う予定ですが、受講者の研
題としている。これらの資料は、言語変化の最前線を知る、語法の時代的欠落を補う、消滅したはず
言語のさまざまな現象を、単なる事実の指摘や規則の列挙ではなく、どのような仕組みを持ち、なぜ
ふまえた教室運営の可能性について常に考えています。その他に、現代スペイン語のバリエーショ
究テーマや興味対象を考慮し、さまざまな言語現象について柔軟に取り上げていきたいと思ってい
の語法が存続しているかどうかを探求する、未発見ないしは報告例がまれな語法を発掘する、ある
そうなっているのかという観点から、コミュニケーションのレベルで取り上げ、人間の心理や社会
ンや言語規範と現実の用法との差異などにも興味を持っています。
ます。できるだけ活発に意見交換ができるよう、アットホームな雰囲気の授業を目指します。
時代に生きた庶民の語法に対する生の証言を収集する上で貴重だからである。これまで、進行形、
的な問題とのかかわりも含めて考察しようという立場に立つ。また、研究成果を、いかにフランス
大学院の授業ではスペイン語専門文献の外書講読をおこないます。テーマによっては受講生による
完了形、助動詞 do を中心に、共編著14、論文29、書評2、国際会議口頭発表15、国内学会シンポジウ
語教育に応用するかということも重要なテーマである。授業は、以上のことを教授するのではなく、
口頭報告や意見交換などの活動も実施します。
ム司会・講師・個人研究発表18、ヘルシンキ大学でのゲストレクチャー1を発表してきた。最近は、ヨー
研究内容・教育方針
『リーダーズ英和辞典 第2版』
『同 中辞典』
(研究社)の執筆も行ったが、本業は英語史研究である。
ともに考えていくという方針で行う。文献を精確に読む訓練も行う。
ロッパへ発表に出かけるだけでなく、日本学術振興会を通じて著名な研究者を本学に受け入れるこ
とにも精力を注いでいる。可能性を秘めた皆さんを、英語学研究の分野で最も長い歴史を有する英
語史の、次世代を担う研究者に育て上げることが積年の夢である。
●『フランス語を知る、ことばを考える』、朝日出版社、2007年
●「ヨーロッパ共通参照枠とセルバンテス協会のカリキュラムプラン --- 日本のスペイン語教育への応用----」"HISPANICA" 54,
日本イスパニヤ学会、2010年
●「スペインの言語」
『現代スペイン読本 知っておきたい文化・社会・民族』川成・坂東編、丸善株式会社、2008年
●『 Paso a Paso』同学社、2003年
●『パターンで覚えるフランス基本熟語』、白水社、1998年
●『フランス語の意味とニュアンス- 基礎から身につく表現力』、第三書房、1997年
大森 裕實
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
櫻井
教授[おおもり ゆうじつ]
歴史英語学研究
英語学、歴史言語学
関西外国語大学大学院外国語学研究科英語学専攻
博士後期課程
文学修士(MA)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
健
教授
[さくらい たけし]
言語学研究
言語学、北欧語学、言語変化・言語接触
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
博士課程単位取得退学
文学修士・修士(学術)
●共著 Ken Nakagawa, Editor in Chief, Studies in Modern English (Tokyo: Eihosha, 2014), pp.185-201.
●口頭発表 “A history of the third person singular don’t・transition from he don’t know to he don’t know”
第5回後期近代英語に関する国際会議(2013年、於ベルガモ大学〔イタリア〕)
●『フランス語における有標の名詞限定の文法』早美出版社[2004年]
●『プログレッシブ仏和辞典』
(第2版)小学館(執筆協力)
[2008年]
●『トライ!フランス語』駿河台出版社(共著)
[2009年]
●『グラメール・ナポ』朝日出版社(共著)[2014年 ]
人見 明宏
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
広瀬 恵子
教授[ひとみ あきひろ]
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
ヨーロッパ言語研究
ドイツ語学・文法、テクスト言語学、統語論
早稲田大学大学院文学研究科
博士後期課程ドイツ文学専攻単位取得満期退学
文学修士(早稲田大学)
教授[ひろせ けいこ]
英語教育学研究、英語言語研究特講(博士後期課程)
英語教育学、第二言語ライティング研究
広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了
博士(教育学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
English Linguistics & Philology を専攻分野とし、現存する原資料から言語変化の実態とそのメカ
研究内容:近年は言語接触について、その社会的な側面はもとより、言語内的な現象の分析まで視野
伝達価値と言語表現、テクストの構造、文の統語構造を研究テーマとしています。テーマ・レーマ、
英語教育学の中でも、特に英語のライティングに関わる基礎研究や実証研究を行っています。今まで、
ニズムを解明することを研究課題としている。その目標を達成するためには、古典語とゲルマン諸
に入れて考察を重ねている。また文法化現象を中心とした言語変化の観察にも研究上の重点を置い
新旧情報、焦点などの伝達価値に関わる要素が、どのような形で言語表現(文の統語構造、テクスト
第二言語(L2)で書くプロセスは第一言語(L1)で書くプロセスとどう異なるのか、例えば、日本人の
語に関する(できればケルト諸語に及ぶ)確固とした言語知識の修得が第一であり、それらを基礎と
ている。両者は無関係ではなく、これについて、言語活動は人間というエージェントが行なってい
の構造)に影響を与え、反映されるのかを考察しています。具体的には、代名詞、冠詞、語順、相関詞
英語学習者が書く英文に特有の文章構造があるのか、日本人英語学習者が英文を書けない原因は何
して、言語学的視点と文学的視点とのバランスのとれた言語的洞察力をもった院生の育成が肝要で
ることや人間の行為の特性が言語に反映されていることなどを踏まえ、統一的な解釈の可能性を探っ
などが研究対象となります。さらに、これらの要因がテクストにどのような形となって現れるのか
なのか、学習者の L2の英語ライティング力は英語力や L1の日本語ライティング力とどのような関
あると考えている。Philology に文献学という訳語が与えられることが多いが、眞の文献学とは訓
ている。
も、研究課題です。また、前置詞格目的語を支配する形容詞と相関詞、述語形容詞が用いられた文な
係があるのか、どのような英語ライティング指導が望ましいのか、などの研究課題に取り組んでき
詁の学という意味ではなく、むしろ言語文化学とでもいうべきもので、当該言語圏の歴史や文化を
教育方針:いずれにせよ受講生の自発的参加が重要であり、自分で考えるという態度を求める。その
どの統語構造も研究対象としています。授業では、主にドイツ語の文の構造を依存関係文法の観点
ました。最近は、特にライティング指導における peer feedback の指導効果について研究しています。
排除した言語研究のことを意図しない。
ためにも読解力は重要である。言語接触の分野はドイツの研究者によって開拓された分野であり、
から、また語順を統語論とテクスト言語学の観点から考察していきます。
授業では、少人数クラスの長所を最大限に活かし、受講生の問題意識やニーズに対応したきめ細か
本セミナーでは、英語史における外面史的側面と内面史的側面のバランスに配慮した Baugh &
またヨーロッパにおける言語接触の研究にはフランス語の文献が必須である。また関連する分野の
な指導を行っています。英文テキストや論文を読み、その内容理解を基に、discussion 方式の授業
おいての基本的文献は英語で書かれている。このためまず基礎トレーニングとして文献を読む力を
を行いますので、当然ながら英語力(academic skills)
が必要です。
Cable, A History of the English Language を中心文献に据えて、古英語・中英語・近代英語を経
て現在の姿になった英語が21世紀にどのような変化の方向性をもつものかを予見できる、鋭い感性
つける必要がある。指導はそれを前提として行なう。
と深い洞察力を涵養することに専心する。
●『ことばとコミュニケーションのフォーラム』
(共著)
(開拓社、2011)
●分化の動機としての制約の文法化(2009) 愛知県立大学外国語学部紀要41号
●「『搬動語法』の統語構造について」
『外国語学部紀要』第45号、2013
●『学校文法の語らなかった英語構文』
(共著)
(勁草書房、2010)
●言語と系統関係 Ⅰ(2008) 愛知県立大学外国語学部紀要40号
●「述語形容詞を伴った結果構文の統語構造について」
『外国語学部紀要』第46号、2014
●『サミュエル・ジョンソン百科事典』
(共訳)
(ゆまに書房、1999)
●アイスランド語史における動詞非定形要素位置変化の意味(2006) 日本アイスランド学会会報25号
●「形容詞と前置詞格目的語の基本語順について」
『外国語学部紀要』第47号、2015
10
● Product and process in the L1 and L2 writing of Japanese students of English . Hiroshima:Keisuisha 2005年
● "Pursuing the complexity of the relationship between L1 and L2 writing." Journal of Second Language Writing, 15 , 142-146. 2006年
● "Comparing written-only and written-plus-spoken peer feedback in a Japanese EFL university context." Asian Journal
of English Language Teaching, 22 , 1-23. 2012年
11
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
宮谷 敦美
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
吉池 孝一
教授[みやたに あつみ]
日本語教育学研究
日本語教育学
大阪外国語大学大学院外国語学研究科修士課程、
神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程
修士(言語・文化学、大阪外国語大学)、
修士(経営学、神戸大学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
教授[よしいけ こういち]
中国語学研究
中国語学、文字音韻学、中国周辺の文字
東京都立大学人文科学研究科博士課程 単位取得退学
文学修士
森田 久司
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
鵜殿 悦子
准教授[もりた ひさし]
現代英語学研究
英語学、言語学、統語論、意味論
オックスフォード大学大学院一般言語学学科博士課程
D.Phil
教授[うどの えつこ]
アメリカ文学研究
アメリカ文学、批評・理論
筑波大学大学院博士課程文芸言語研究科
各国文学専攻修了
博士(文学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
現在、研究テーマとして「『外国にルーツを持つ生活者(以下、外国人生活者)』のコミュニケーショ
研究内容:文字の研究。二つのテーマを柱としてたてている。一つは東アジアの漢字関連文字、いま
研究内容:自然言語、特に英語と日本語の統語構造と意味に興味があります。ほんの一例を述べると、
研究上の名前は「鵜殿えりか」です。人種/ジェンダー/セクシュアリティの輻輳的なあり方の分
ンの現状を明らかにすることと、彼らの日本語学習支援に必要な教材開発」に取り組んでいます。
一つはシルクロードの文字。前者は中国周辺の文字のうち、漢字と何らかの関連をもつ諸文字の研究。
中学や高校で学ぶ英文法に5文型という概念がありますが、実は、この5種類の分類法では英語の一
析をとおして、文学テクストの解明を試みています。とくにこの20年間はアフリカ系アメリカ文学
外国人生活者の日本語学習支援を考えていくためには「いかに日本語を効率よく教えるか」だけで
後者はユーラシアの東西を結ぶ交易路に沿って分布する文字の研究。両者とも、異なる民族の接触
部の文型しか、カバーしていないことが分かります。特に、前置詞句や副詞句の扱いが粗末であり、
テクスト―特にトニ・モリスンのテクスト―を中心に研究してきました。
は不十分で、日本語母語話者も含めた人々が「背景文化や母語の異なる人々とどのようにコミュニケー
によって何が生まれたか。それを、文字組織をとおして見てみようということである。
その結果、provide A with B や help A with B などの句動詞と呼ばれるものは、熟語として覚えな
物語論によれば、
「作者」も「読者」も、読者がテクストから作り出す効果です。しかし、作者・テクスト・
ションをとれば意思疎通ができるのか」を考え、実践していく場が必要だと考えています。日本語
教育方針:実物によって教育・研究をすすめる。数名の教員と共に「古代文字資料館」を開設し E 棟
ければならないと考えられています。しかしながら、このような句動詞の派生にいくつかのパター
読者の関係だけで、読むことが成り立っているわけではありません。テクストの外部
(コンテクスト)
学習支援や教材開発に関する研究をするには、日本語支援の実践を通して、自身の活動を内省する
510室で実物資料を展示している。楔形文字からマヤ文字まで約200点、多種多様な古代文字の資
ンがあることに気が付くと、丸覚えをせずに、句動詞の意味が予測できるようになります。
を無視することはできません。また、ある種のテクストには「作者」や「読者」という枠を突きやぶって、
ことが不可欠です。
「日本語教育学研究」を履修する人も、単に授業で学ぶだけではなく、具体的な
料が一堂に会している。その中でも、古代シルクロードの貨幣や印章などの文字資料が比較的豊富。
教育方針:英語又は日本語で書かれた本や論文を読み、英語の様々な構文を学習したうえで、論文の
内部から現れてくる何かがあります。そして、おそらくそれはテクストの外部と無関係ではないでしょ
活動を通して理解を深めてほしいと願っています。
とくに、フビライ・ハンの時に作られたパスパ文字の資料(大小の印章・銅製のおもり・碑文の拓本・
主張をまとめ、発表してもらいます。さらには、問題点を指摘し、最終的に自分なりの主張を持てる
うから、まさにメビウスの環さながらです。受講生の皆さんとは、このような文学テクストの不思
貨幣など)は日本屈指のコレクションとなっている。これらの実物資料を利用して、教育・研究をお
ようになることを目標とします。
議な宇宙を旅してみたいです。限られた文字が生み出す無限の宇宙の神秘を垣間見た時、あなたは
こなう。
●「日本語教育と日本語教育実習の融合を目指した相互交流プログラム―インドネシア・ガジャマダ大学における教育
実践を基に―」CAJLE2014 Proceedings, pp.66-73、カナダ日本語教育振興会
●「コミュニケーション能力養成を目指した日本語教育実習」
、
『ことばの世界』第5号、愛知県立大学高等言語教育研究所、2013年
●『聞いて覚える話し方 日本語生中継』シリーズ(共著)くろしお出版、2004年~2007年
池田
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
周
もうその魔力から逃れられないでしょう。
●「日本人が使えない英語の重要フレーズ 125」、共著、2009、研究社
●共編著『ハーストン、ウォーカー、モリスン ―アフリカ系アメリカ女性作家をつなぐ点と線』
(南雲堂フェニックス、2007)
●原本蒙古字韻再構の試み、
「パスパ文字と訓民正音」韓国学中央研究院、2008年、pp.141-155.
●「日本人の知らない英語必須フレーズ 150」、共著、2006、研究社
●共著『エスニック研究のフロンティア』
(金星堂、2014)
●中国周辺の文字、
「歴史学事典
● A Promotion Analysis of Japanese Relative Clauses, English Linguistics, vol.23:1, 113-136, 2006.
●単著『トニ・モリスンの小説』
(彩流社、2015
●関於契丹小字後綴表(『慶陵』1953年刊)、
「華西語文学報
契丹学専輯」8(2013年)、pp.18-23.
第15巻」弘文堂、2008年、pp.441-446.
糸魚川 美樹 准教授
准教授[いけだ ちか]
[いといがわ みき]
英語教育学研究
英語教育・応用言語学
ウォーリック大学大学院博士課程
PhD in ELT and Applied Linguistics
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
ヨーロッパ言語研究
スペイン語学、社会言語学
名古屋大学大学院国際開発研究科
博士課程(後期課程)満了
修士(学術)
小澤 正人
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
木全
教授[おざわ まさと]
イギリス文学批評研究
イギリス文学、H.G. ウェルズ、ユートピア文学
東京学芸大学大学院修士課程教育学研究科修了
教育学修士
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
滋
教授
[きまた しげる]
アメリカ文学研究
アメリカ文学、ホイットマンと19世紀文学
東京外国語大学大学院外国語学研究科修士課程
(ゲルマン系言語専攻)修了
修士
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
英語教育学を専門にしています。特に EFL リーディングにおける「テキストの概要把握プロセス」や、
スペイン語を社会言語学的観点からとらえることを目的とし、とくにジェンダー概念を用いて考察
主たる研究対象はイギリスの小説家 H.G. ウェルズ
(1866-1946)
であり、彼のユートピア、アンチ・
私の専門は19世紀アメリカ文学(散文、詩)と20世紀アメリカ詩です。アメリカの代表的な詩人の一
そのプロセスにおける「テキスト構造の把握」や「情報間の論理関係を表す言語的手掛かりの利用」
している。また最近では、南米出身者の増加に伴う日本社会におけるスペイン語使用・スペイン語教
ユートピア作品、および SF、ファンタジー作品を中心としてその思想・著作を研究している。また、
人であるホイットマンを中心に、この時代のアメリカの文学と文化を研究しています。ホイットマ
の重要性を明らかにし、日本人 EFL 学習者を対象にした効果的な指導プログラムを構築することを
育について、フィールドワークや実践を通した考察を試みている。授業では、スペイン語圏の言語
この研究のより広い枠組みを形作るものとして主として欧米のユートピア、アンチ・ユートピア作
ンは初めて詩集を出版した時36歳になっていましたが、それまでに彼は教員、政治ジャーナリスト
目的としています。最近は、小学校英語教育における文字指導や読みの導入にも関心があり、子ど
問題を扱う。日本語による社会言語学に関する文献を参考にしながら、スペイン語で出版されてい
品や SF(先駆的作品や20世紀のジャンル SF などを含む)を取り上げて比較検討している。
など幾つもの職業を経験していました。また、オペラや芝居を観に劇場に通い、当時流行していた
ものリテラシー獲得や認知発達段階に関する理論、実践的な指導法などについての研究も行ってい
る社会言語学概論・各論の文献をテーマごとに読み進める。各回の担当者が、関連する文献を参考に
授業科目の「イギリス文学批評(基礎・応用)」では、英米を中心として文学批評の基礎的問題点を論
改革運動や疑似科学にも興味津々でした。彼が残した詩や散文を読むことは、この興味深い時代を
ます。担当する「英語教育学研究」の授業では、言語習得や言語教育に関する諸理論について文献を
ながら指定文献をまとめレジュメを用意し、それをもとに議論するという形式ですすめる。学期の
じるが、批評は作品を読むことと一体となったものであり、個々の作品をしっかり読む、ジャンルの
より深く理解することにつながると考えています。授業では、各詩人の言葉の技巧、思想的・文化史
読み込む力を養成し、より専門的な考察を深めます。さらに、履修生が各々の関心分野の研究を主
終了時には、先行研究と独自のデータ・分析結果をまとめ提出する。
作品をある程度以上読むという点を重視する。自分で調べて発表するということと、問題点をきち
的背景両面に注意しつつ、テクストの精確な読解を試みます。19世紀の詩にも20世紀の詩にも、詩
んと論じるということを大切にしたい。
人の個性とともに、その時代にしか生まれなかったであろう独特の雰囲気が刻印されています。そ
体的に進めていくために必要な研究手法についても指導を行います。日本の英語教育に対する問題
うしたものを皆さんが少しでも感じられるようになることを目的としたいと思っています。
意識をもち、それらを積極的に議論していきたいと考えています。
●(分担執筆)
「文化の仲介者たち
熊谷 吉治
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
—スペインにおける公共サービスの実践と課題」竹中克行編著『グローバル化と文
化の境界』昭和堂 , pp. 82-98, 2015年
● Teacher beliefs about the introduction of letters and early literacy into Foreign Language Activities: Comparative study
of elementary and junior high school teachers, Annual Review of English Language Education in Japan, 25, 17-32, 2014.
●小学校「外国語活動」への文字および初期読み指導導入に対する教員意識『愛知県立大学大学院国際文化研究科論集』
,
, 第14号 , 1-13, 2013.
● EFL 読解における論理関係の把握について : Causal 関係の向きと linguistic markers の影響 , 中部地区英語教育学会『紀要39』, 87-94, 2010.
●「 H. G. Wells の SF とユートピア批判」、
『 Mulberry』
(58号)、2009年3月
●「ホイットマンの夜への賛歌―「眠る人びと」を読む ―」
(『ホイットマンと19世紀アメリカ』、開文社、2005)
●「スペイン語における「女性の可視性」をめぐる議論」
『社会言語学』14号 , pp. 141-154, 2014年
●『 I, Robot のロボットと人間』
(1)
(2)、
『 Mulberry』
(54、55号)、2005年3月、2006年3月
●「19世紀アメリカの文学者たちとヨーロッパ」
『 MULBERRY』
(愛知県立大学外国語学部英米学科)第59号、
(2010)
●
(分担執筆)
「愛知におけるラテンの言語と文化」愛知県立大学歴史文化の会編『大学的愛知ガイド―こだわりの歩き方』
●翻訳『来るべき種族』
(ブルワー=リットン著、1871) 個人出版
●「ホイットマンの『復活』と二月革命」
『 MULBERRY』
(愛知県立大学外国語学部英米学科)第64号、
(2015)
2007年11月
昭和堂 , pp. 239-253, 2014年
中西 千香
准教授[くまがい よしはる]
現代英語学研究
英語学、情報構造と韻律論
東京学芸大学大学院教育学研究科
修士課程英語教育専攻英語学講座修了
修士(教育学)、Master of Science in General Linguistics
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
准教授[なかにし ちか]
中国語教育研究
中国語学(主に現代中国語における前置詞の機能)、
中国語教育
愛知大学大学院中国研究科中国研究専攻
博士後期課程修了
博士(中国研究)
工藤 貴正
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
田中 敬一
教授[くどう たかまさ]
■授業科目
■専門・専攻領域
中国文学文化研究、中国文学研究特講(博士後期課程)
中国近現代文学、魯迅研究、中国現代主義文学
大阪外国語大学大学院外国学研究科修了
博士(文学)
■最終学歴
■学位
教授[たなか けいいち]
中南米文学文化研究
ラテンアメリカの文学・文化、先住民小説、
メキシコ壁画運動
大阪外国語大学大学院外国語学研究科修了
文学修士
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容:現代英語の語用論、韻律論、談話分析。具体的には、①情報構造(新・旧情報の現れ方)と動
研究内容:私は日本語母語話者が中国語をよりスムーズに学べるために現代中国語の文法を研究し
研究内容:
メキシコの作家ロサリオ・カステリャノスを中心としたインディヘニスモの小説を研究。先住民の
詞意味論・アスペクトとの関係、②音調単位と文法構造の類似性、③日英語の談話構造比較である。
ています。目下、私が興味をもって取り組んでいる研究課題は、現代中国語における前置詞の機能
(1)魯迅を中心とする民国期文学及び民国文壇に関する研究
人口移動やメキシコの先住民政策についても論文を発表。また近年ではメキシコの思想家ホセ・バ
現代英語を対象とし言語コミュニケーションの仕組みを扱うので、とっつきやすそうに思われるか
についてです。中国語の前置詞はみな動詞から派生してきたものですが、後続の動詞との関係や前
(2)民国期翻訳史に果たした日本知識人の役割に関する研究
スコンセロスの教育文化政策や「壁画運動」を通して、革命後の国民意識の形成について研究する。
もしれないが、その反面、人のしたがらない仕事(同じデータを何度も見直すことで、理論家が数行
置詞の目的語との関係が前置詞を選ぶ鍵となっています。ネイティブがどのようにこれら前置詞を
(3)戦間・戦中期の文学媒体に見る日・中知識人の相互認識に関する研究
授業では学問領域にとらわれず、中南米の文学・文化について広くテーマを設定したい。そしてイン
で済ますかもしれない「予想」を検証する作業)がたくさんある。加えて理論化そのものが難しい分
使いこなし、使い分けているかについて取り組んでいます。また、中国語に興味をもち、モチベーショ
野でもある。
ンを保って学びつづけるための教授法や教材検討にも興味があります。特に実物素材(レアリア)や
(1)学問と人間に対して誠実であること
作品は原則としてスペイン語で読むが、難解な語句にはあらかじめ注をつけておく。また関連する
教育方針:英語そのものに人並み以上の興味があることが必要不可欠である。授業は英語の文献を
IT から学ぶ中国語教育を課題にしています。
(2)知識に対して貪欲であること
事象の理解には、視聴覚教材を積極的に利用したい。受講生は絶えず問題意識を持ち、授業で取り
正確に読むことを旨とする。自分の研究目的に必要なデータを収集し、それを元に綿密な議論の展
教育方針:中国語や日本語で書かれた有名な現代中国語文法研究者の論文や書物を読みます。これ
(3)既成概念に対して問題意識を有すること
あげるテーマについて、各自の視点から問題点を深く分析することを期待する。
開が行えるかどうかが最も重要である。
ら先行研究を読み、中国語文法研究の基礎を固め、語学を研究することの視点を養い、自分なりの問
ターネットを利用した資料・情報の収集、スペイン語文献を読解する力を養いたい。したがって文学
教育方針:
題点を見つけ、独自の議論を展開できるようにします。
● “Information Management in Intransitive Subjects: Some Implications for the Preferred ArgumentStructure Theory.”
●『気持ちが伝わる!中国語リアルフレーズ BOOK』研究社 [2009年 ]
●『 E メールの中国語』白水社 [2012年 ]
●「レアリアにあらわれる中国語の語彙的特徴—スーパーのチラシを中心に—」愛知大学中日大辞典編纂所『日中語彙研究』第3号 2014.3
●「辞書における動詞項目にいかなる前置詞情報を盛り込むべきか」
『中国語教育』第6号、2008.3
Journal of Pragmatics 38(5),670-694. 2006年
●「英語の自発的談話における韻律的能格性の検証」、
『文法と音声 Ⅳ』77-97. 2004年 など
12
(2009)
● [ 単著 ] 中国語圏における厨川白村現象―その受容の隆盛・衰退・回帰と継続、思文閣出版、A5判上製340p. 平21.12
● [ 単著 ] 魯迅と西洋近代文芸思潮、汲古書院、A5判上製402p. 平20.9
(2008)
● [ 共著 ] 中国近代文学概要―「近代」を巡って、
『現代中国への道案内 Ⅱ』白帝社、平20.9
(2009)
13
下記の論文は本学外国語学部紀要に発表
●「ロサリオ・カステリャノスの小説(III)
『
- 真夜中の祈り』-」
(1993年)
●「メキシコに於ける先住民の人口移動と先住民政策」
(1999年)
●「1920年代メキシコに於ける国民文化の創造」
(2001年)
●(翻訳)ロサリオ・カステリャノス『バルン・カナン』
(2002年、行路社)
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
松本 三枝子 教授
村山 瑞穂
[まつもと みえこ]
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
イギリス文学研究、
イギリス文学研究特講(博士後期課程)
19世紀イギリス文学、女性文化、女性雑誌研究
名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程英文学専攻
修士(文学)
教授[むらやま みずほ]
アメリカ文学研究
アメリカ文学・文化、アジア系アメリカ文学研究
青山学院大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学
文学修士
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
川尻 文彦
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
佐藤 久美子 准教授
准教授[かわじり ふみひこ]
[さとう くみこ]
中国文学文化研究
中国近現代思想史、近代東アジア思想文化交流史
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得
文学修士(東京大学、1994年)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
ヨーロッパ文学文化研究
フランス文学、文学批評
パリ第8大学博士課程博士論文準備課程
文学修士(+博士論文準備課程修了)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
19世紀のイギリスにおける女性作家と家父長制度との関係を研究課題としている。先駆的な
近年その存在感を増すアジア系アメリカ人によって生み出される文学および文化活動を中心に、ア
清末から民国初にいたる近代中国の思想文化史全般に幅広い関心をもっていますが、1898年の戊
フランスの文学史において、広義な意味で「古典的な」時代といえる17・18世紀、フランス語韻文・
feminist sociologist と も 評 さ れ る Harriet Martineau、イ ギ リ ス 小説 の 正統派 で あ る George
メリカ文学・文化を研究しています。とくに文学テキストや映像の分析によって、人種・民族、ジェ
戌変法を前後する時期の思想史が主たる研究テーマです。最近では戊戌変法後、日本に亡命・留学し
散文の黄金期であるこの時代の様々な文学・思想的作品の豊かな文学表現方法について探り、その
Eliot、19世紀 に は ベ ス ト・セ ラ ー 作家 と し て 活躍 し な が ら そ の 後看過 さ れ て い る Margaret
ンダー、階級、セクシュアリティが交錯する様々な問題を考察すると同時に、それらについて日米比
た中国知識人(梁啓超など)が、明治日本の学術をどのように理解し、中国の知識界に紹介したのか
内容を微妙なニュアンスも含め読み解き、この広義の「古典的な」フランス文学作品が、現代におい
Oliphant、Mary Elizabeth Braddon などを主な研究対象としている.最近は小説の誕生と女性作
較を交えたトランスナショナル、トランスパシフィックな視点から検証する作業を進めています。
に着目し、東アジア近代における学問や知識の制度がどのように成立したのか、について焦点をあ
てもある意味で「普遍的なもの」を呈していることかを検証する。それによって、植民地主義批判の
家の関係を探求して、18世紀の女性作家についても研究対象を広げている.また19世紀の女性読
授業では、文学テキストや映像の読解、分析法を学びながら、それぞれが独自の興味に基づくテーマ、
てたいくつかの論文を書いています。大学院においては、中国語文献の読解力を向上させることが
もと糾弾された、17世紀フランス古典主義の主張した「普遍性」
(狭義)の限界とそれを越えようと
問題点を見出し、議論する力を培うことを目標にします。アジア系アメリカ研究の分野横断的知識
いちばん大事であると私自身の経験から確信しています。そこで培った力は自分で研究を進めてい
した18世紀のフランスの文学者、哲学者たちの作品について再考する。そのために、文学表現が持
を基盤に、文学・文化批評理論や最新の研究動向にも目配りし、履修生が自立した研究ができるよう
くうえで後々まできっと役に立ちます。そこで梁啓超などの近代中国に書かれた文献を徹底して解
つ極めて複雑な意味を把握できるように、文学作品の原文のしっかりした読解力を養うことをまず
に指導していきます。
読していくことに授業の主眼をおきたいと思います。またあわせて中国語の研究論文を読んで討論
目指す。すなわち、豊かな文学的表現を分析し、それらによって生み出される効果を感得できるよ
したりしたいと考えています。
うになるよう指導する。また、その自らの分析に基づいて、フランス文化の持つ特質について論理
The Queen 、The Englishwoman’s
者像を分析するために、19世紀の女性雑誌への関心も高く、
Journal などに関して、大学院生とも共同研究を進めている。
19世紀のイギリス小説研究には充分な英語運用能力が不可欠である。その鍛錬のために、授業では
英語原書を精読し、分析し、議論している。
的に思考できるように指導する。
●『闘うヴィクトリア朝女性作家たち-エリオット、マーティノー、オリファント』彩流社2012.
●『憑依する過去―アジア系アメリカ文学におけるトラウマ・記憶・再生』金星堂(共著)2014年
● ‘Anxiety about Englishness in Felix Holt, The Radical.’ Ivy Never Sere. 2009.
●『アジア系アメリカ文学を学ぶ人のために』世界思想社(共編著)2011年
●「ゴシック小説における母娘の絆」
『長い十八世紀の女性作家たち』英宝社2009
●『他者・眼差し・語り―アメリカ文学再読』南雲堂フェニックス(共著)2005年
山本 順子
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
平井
教授[やまもと じゅんこ]
守
[ひらい まもる]
ヨーロッパ文学文化研究
ドイツ文学、ゲーテ
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程[満期退学]
修士
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
ヨーロッパ文学文化研究
ドイツ文化、表現主義とダダイズム、知覚変容論
名古屋大学大学院文学研究科
修士
教授
●「自由と功利――梁啓超の功利主義を中心に」村田雄二郎編『リベラリズムの中国』有志舎、2011年、102-125頁
●「第9章近現代」湯浅邦弘編『概説中国思想史』ミネルヴァ書房、2010年、189-208頁
●「近代中国における「文明」
」鈴木貞美・劉建輝編『東アジア近代における概念と知の再編成』国際日本文化研究センター、
2010年、131-160頁
原
潮巳
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
●「文学作品に何を読むか」愛知県立大学外国語学部紀要 第35号 2003年
●「ラシーヌ悲劇における『極限状態』を表す文学的表現技巧について」同大学紀要 第41号 2009年
● ≪ Pourquoi et comment faire lire Racine aux etudiants japonais d’aujourd’hui ? ≫ 口頭発表 関西フランス語教育研
究会 2009年3月 27日
四ツ谷 亮子 准教授
准教授 [はら しおみ]
[よつや りょうこ]
ヨーロッパ文学文化研究
19・20世紀フランス小説、ベル・エポックの文化
パリ第3(新ソルボンヌ)大学第3課程
文学博士
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
ヨーロッパ文学文化研究
ドイツ文学、現代演劇、舞台芸術論
東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程
単位取得満期退学
修士(文学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
20世紀初頭のドイツ文化を研究しています。この時代は、写真、映画や蓄音機といった新発明のメディ
実際の授業においては、20世紀前半のドイツ語圏文学を代表する二人の批評家ヴァルター・ベンヤ
授業等では、長年、研究対象としてきたプルーストを中心として、19、20世紀のフランス小説を取
現代ドイツ語圏の舞台作品を、上演のための文学テクストおよび実際の上演の両面から分析するこ
アが登場し、大衆による大量消費社会が始まりました。また、政治的にはドイツ帝国が成立し、崩壊し、
ミンとマックス・コメレルをとりあげます。具体的な作業としては、彼らが文学史上有名なゲーテの
り上げることが多い。研究としては、19世紀末から20世紀初頭にかけての、ベル・エポックと呼ば
とで、従来の「戯曲」の枠を大きく逸脱する、パフォーマティヴ
(上演のさなかに現前する行為遂行的)
つかの間の共和国の後、ファシズム政権が誕生した転換期にあたります。
作品である『親和力』あるいは『ファウスト第2部』をテーマにして書いた論文を、オリジナルの作品
れるフランス文化を対象としている。つまり、文学のみならず、様々な文化的事象について、社会的
な「テクスト」の多様性を追究しています。このような「テクスト」の上演は、演じ手と観客の位相の
この時代はいわば現代文化の基盤を用意した時代です。その際生じた様々な文化現象の分析が目下
を同時並行で読みすすめつつ、時間をかけて精読していきます。そのなかで、たんなる方法論には
歴史的コンテクストと結びつけて幅広く考えることを目指している。
変化をも伴うため、1990年代以降の劇場システム、文化政策の変遷についても併せて研究を試みて
の関心事です。たとえばドイツ表現主義映画に表象の変化を見たり、ベストセラーの教養本やナチ
とどまらない、文学作品の受容と解釈、批評と分析の諸問題が浮かび上がってくることを期待します。
います。授業では、現代にいたるドイツ語圏文学と演劇のかかわりを、20世紀末以来の研究成果を
踏まえ通史的に考察する一方で、
ポイントとなる劇作家たちの作品の原書による精読・分析をおこない、
時代の円形劇場・巨大スタジアム建築などにイデオロギーを読み解いたりしています。
文学テクストの内実、すなわち、ある作品が書かれるための歴史的(・作家の個人史的)な必然性と、
作品(文体)のもつ強度を双方向的に読み解いていきたいと考えています。
●ゲーテ『親和力』―姦通・社会・神話―(日本独文学会編『ドイツ文学』 第93号、1994)
●原現象から根源へ―ベンヤミンのゲーテ批判―(日本独文学会編『ドイツ文学』第97号、1996)
●マックス・コメレル『ドイツ古典主義における先導者としての詩人』と「秘められたドイツ」
(日本独文学会東海支部編
「ドイツ文学研究」第44号、2012)
●マックス・コメレルの『ファウスト第Ⅱ部』論(『愛知県立大学外国語学部紀要(言語・文学編)』第47号、2015)
●フリートレンダー / ミュノナ『技術と空想』新典社(共訳)
●「複製の感性」
(日本感性工学会
●「消滅と出現」の魔術
榎本
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
感性社会学部会編『感性と社会』
-ミュノナ『灰色魔術』にみる映画と文学のディスクール分析
洋
梶原 克教
准教授 [えのもと ひろし]
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
イギリス文学研究
イギリス文学、ヴィクトリア朝小説
同志社大学大学院文学研究科博士課程後期中退
文学修士
■学位
准教授[かじはら かつのり]
英語圏文化批評研究
英語圏文化、批評・理論
東京大学大学院人文社会系研究科欧米系文化研究専攻
(広域英語圏言語文化)英語英米文学専門分野博士課程
単位取得満期退学
文学修士(東京大学)、MA with Distinction(アルスター大学)
● Esthetique musicale de Proust(パリ第3大学博士論文 , 1995年)
●(共著)谷川道子、秋葉裕一編『演劇インタラクティヴ 日本 ×ドイツ』早稲田大学出版部、2010年3月
●(共訳)エリカ・フィッシャー=リヒテ著『パフォーマンスの美学』論創社、2009年10月
●(単著)
「ブレヒトを聴く/読む ――ハイナー・ゲッベルスの音楽劇の試みを手がかりに」
(中島裕昭編、日本独文学会
研究叢書054)2008年6月
● ≪ Proust et les derniers quatuors de Beethoven ≫
(Etudes de langue et litterature francaises, no.70, 1997年)
木下 郁夫
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
草野 昭一
教授[きのした いくお]
国際関係論研究
国際機構・国際紛争、外交関係
早稲田大学大学院政治学研究科
博士後期課程単位取得後退学
政治学修士
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
教授[くさの しょういち]
国際関係論研究
国際経済論
京都大学大学院経済学研究科後期博士課程
経済学修士
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究課題を以下、簡単に記す。①ディケンズと同時代作家の関係について:初期ディケンズを考える
文学や文化は、時代・地域・技術といった諸々の要素の影響を受けて生み出されます。そのような文学・
もともとは「ガバナンス」という言葉に関心をもって、国際政治の「かたち」がどういうものかを探
今、世界は単に「国際」という状況ではなく「グローバル」と称せられる状況となっている。地球規模
ときは同時代のピアス・イーガン、サーティーズ、マーティノー、フックなどの関係を無視すること
文化を研究するにはさまざまなアプローチがありますが、文化的産物を多方向から捉えるために、諸々
求していました。
「アメリカの世界支配」とか、もっと古典的に「国民国家システム」とかよく聞くでしょ
での「一体性」
「同時性」を体得するのが肝要である。
はできない。これらの作家は、今では忘れられた存在だが、18世紀のスモレット、フィールディング
の批評的アプローチを習得し、実践するのが本講座の主眼です。そうした研究は、おのずと従来の
う。自分が関心があったのは、
そうしたメジャーなところよりもむしろ国際機構や国際法のような
「ユー
しかも、これまでは異分野であったものが融合する時代ともなっている。たとえば国際商品の食糧
とディケンズを繋ぐ役割をも果たしている。また、功利主義批判という観点からディケンズの社会
考え方では見過ごされがちな(それゆえ貶められることも多い)、変容を重ねる現代文化の(不)可能
トピアン」と蔑まれる領域のほうでした。とくに仲裁です。現実主義者は、そんなものは存在しない
やオイルは、それぞれの需給によって価格変動するのがかつての姿であった。ところが21世紀に入り、
批判のあり方を模索している。この際、中心となるのは功利主義思想とその文学的受容、財産相続
性と向き合うことになります。そして最終的には、あらたに到来しつつある文化現象を理解するの
「理想」にすぎないと酷評しますが、19世紀には仲裁はたくさんおこなわれていたのです。ですから、
国際商品市場は金融市場と連動し、過剰なマネーが現実の需給とはかけ離れた価格変動を演出する
のあり方、ディック・ウィッティントン神話など。②歴史小説について:ヴィクトリア朝では多くの
に必要な、来るべき理論を構築することを目的とした研究につながります。実際の授業は、まずこ
それはまぎれもなく「現実」でした。しかも、自由主義とよばれる当時の世界秩序に機能的にもフィッ
状況となっている。
歴史小説も書かれた。キングズリー、リットン、スティーヴンソンなどの歴史小説を読むことで、ヴィ
れまでに確立されてきた諸々のアプローチ(物語論や精神分析学や新歴史主義批評など)の習得を
トしたものでした。でも、つい先日まで、ある出版社にさそわれて本を書くことになり、大使館や外
本科目では、このようにグローバルな視野と様々な分野・部門を結びつける複眼的な視野を獲得し
クトリア朝人の歴史観
(過去に対する態度)
を考察していく。③パブリック・スクールを舞台にした小説。
経て、自分にあったアプローチで作品を分析・発表してもらい、討議をしたいと考えています。対象は、
交関係にいれこんでいました。このテーマも「かたち」の探求という意味で、これまでの研究の延長
思考する能力を獲得することを目的とする。
④ヴィクトリア朝特有のクリスマスの物語など。以上、研究対象はディケンズを軸に前後の男性作
英語圏の文化に属するものであれば、文学、映画、絵画、写真など何でも扱います。
といえるはずです。
「教育方針」は紙幅がなくなったので一言で。お互い自立した研究者になりましょ
う。
家が中心となる。
● On the Brink of Righteousness and Respectability:Criminal and Law in Dickens’Oliver Twist(外国語学部紀要 言語・文学編 第45号 2013)
● On the Brink of Righteousness and Respectability(2):Binary Opposition and Suspension of Disbelief in Dickens’Oliver Twist(国際文化研究科紀要 第14号 2013)
● Dick Whittington is Contingent on Materialism:Flawed Capitalism and Fraudulent Enterpreneurship in Dickens’ Martin Chuzzlewit
(外国語学部紀要 言語・文学編 第46号 2014)
●「環大西洋の亡霊たち」、松本昇ほか(編)
『亡霊のアメリカ文学・豊穣なる空間』
(国文社)所収
●「フィクションと歴史記述―
『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』
試論」
、多民族研究学会編
『エスニック研究のフロンティ
ア』所収
14
●『賢者ガルシアロブレス伝 国連憲章と核軍縮に取り組んだ外交官』
(2015)
●『大使館国際関係史―在外公館の分布で読み解く世界情勢』
(2009)
●「ユートピアニズムの解剖―『危機の20年』と大戦間期の国際仲裁―」
(2007)
●「平和案としての国際仲裁―19世紀中葉における市民社会、議会、国家理性―」
(2004)
●「冷戦の終結と平成不況」
●「グローバリゼーションとローカライゼーション」
●「基軸通貨ドルの解明」
15
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
小池 康弘
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
今野
教授[こいけ やすひろ]
中南米政治経済研究
ラテンアメリカ政治・外交、キューバ研究、国際協力論
筑波大学大学院修士課程地域研究研究科 修了
国際学修士
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
元
教授
[こんの はじめ]
ヨーロッパ政治研究
ドイツ政治思想、政治学、ヨーロッパ国際政治史
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
Dr. phil.(ベルリン・フンボルト大学)
・
博士(法学)
(東京大学)
髙阪 香津美 准教授
鈴木
[こうさか かつみ]
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
多文化共生論
多文化共生・ポルトガル語教育
大阪大学大学院
博士(言語文化学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
隆
准教授 [すずき たかし]
東アジア政治経済研究
現代中国政治、中国政党史、政治体制論
慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻
後期博士課程
博士(法学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
現代ラテンアメリカの政治、国際関係を中心に研究。歴史的背景を意識しつつ現状分析することを
19世紀ドイツを中心に欧米世界の政治史・政治思想史を研究している。人間における理性と情念と
日系人の就労を事実上合法とする1990年の「出入国管理及び難民認定法」の改正を機にブラジル出
わたくしの主たる研究活動は、①現代の中国共産党政権の政治体制と支配に関する実証研究、②近
重視しています。実際に現場に行って感じる「直感」のようなものも大切にしたいと思います。現地
の葛藤が関心の対象で、とりわけナショナリズムや宗教的情熱が政治に与える影響について考えて
身者の人口は増加し、法務省在留外国人統計
(平成24年12月末現在)
によると、その数はおよそ17万
現代中国の政治体制と民主化、デモクラシー論に関する言説研究、という二本の柱で構成されてい
で見る、聞く、調べるといった経験を積むことは、具体的成果につながるかどうかは別として、地域
きた。従来は西欧派ドイツ・ナショナリストとしてのマックス・ヴェーバーに焦点を当ててきたが、
5千人にのぼる。そうした彼らの滞在形態は長期化の傾向を示し、
「生活者」としての色合いが濃い。
ます。これらは相互補完的な関係にあり、中国の近現代政治史を通底する権威主義的政治体制の成
研究者として大切なことだと思います。
近年ではフランス革命から現代まで視野を拡げ、ドイツ政治史の多様な側面に取り組んでおり、ま
その結果、日本生まれの子どもが増加し、公立学校には日本の子どもに混じり学校生活を送る在日
立と発展について、とくに、中国の「政党政治」における支配とデモクラシーをめぐる認識と実践に
特に関心があるのは以下のトピックです。
た近現代日独関係史にも分析を拡げつつある。
ブラジル人児童・生徒の姿が数多く見受けられるようになっている。こうした中で、継承語・母語の
焦点を当てながら、政治学・歴史学的な分析手法を用いて研究を進めています。大学院の授業では、
大学院教育において重視するのは、語学力及び史料解析能力である。外国研究において、語学力の
喪失が顕在化しており、これまで彼らに対する継承語・母語教育の在り方を探る研究を続けてきた。
研究力量の総合的な涵養を念頭に置いた基本史料の読解と分析を行ないます。具体的には、現代中
( 2)在米ヒスパニックの政治意識やヒスパニック社会の政治社会的影響力。
向上に努めるのは当然のことだろう。加えて重要なのは、収集した史料から多用な情報を引き出す
その一方で、ブラジル出身者との共生にあたり、外国語としてのポルトガル語の学習機会は必要不
国の政治と社会を扱った近年における主要な英文業績を精力的に読み進めると共に、近現代中国の
(3)国際社会における国家と NGO の役割。社会開発と民主化に関する問題。
解析作業であり、それは丁度ソムリエがワインの微妙な違いを言い当てるのに似た営みである。大
可欠であるにも関わらず、現在、その社会的な位置づけは決して高いとはいえない状況にあり、日本
政治的コンテクストと歴史的連続性を重視した、中国語史料の通時的かつトータルな内容把握に努
(4)近年のラテンアメリカ諸国における「左傾化」が意味するもの。
量の研究文献を大雑把に読んで概括するのではなく、一つの史料、いや一つの文章を徹底して読み
における外国語としてのポルトガル語学習・教育環境の在り方を探る研究も行っている。外国人住
めます。これにより、受講生の皆さんには、修士・博士論文のテーマとなるべき大きな問題設定と、
込み、そこから何かを引き出す地道さ、堅実さを、大学院生には求めたい。
民を取り巻く状況は刻々と変化しているため、社会の動きを的確に捉えた授業を行っていきたい。
そこでの綿密な資料解釈に習熟できることを期待します。
(1)キューバ政治史、特にキューバ・ナショナリズムの形成と発展、キューバ政治の現状と今後。
●「南フロリダにおけるキューバ系社会の発展と政治意識」牛田千鶴編『米国ラティーノ社会における階層分化の進行
とエンパワーメントの史的展開』、科研費基盤研究(B)報告書、2008年
●小池康弘編『現代中米・カリブを読むー政治・経済・国際関係』 山川出版社、2008年
●「革命の継承にむけたキューバの戦略と現状認識」
『ラテンアメリカ時報』第49巻4号、2006年
中田 晋自
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
● Hajime KONNO, Max Weber und die polnische Frage, Baden-Baden: Nomos 2004.
●今野元『マックス・ヴェーバー』
(東京大学出版会、平成19年)。
●今野元『多民族国家プロイセンの夢』
(名古屋大学出版会、平成21年)
野内 美子
教授[なかた しんじ]
ヨーロッパ政治研究、
フランス政治研究特講(博士後期課程)
現代フランス政治、地方分権と市民参加
立命館大学大学院法学研究科公法専攻
博士課程後期課程満期退学(1999年)
博士(法学)
〔立命館大学、2006年9月〕
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
教授[やない はるこ]
欧米経済研究
EU 経済、フランス経済
東北大学大学院経済研究科博士課程
後期単位取得満期中退
博士(経済学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
中央集権国家の典型とされるフランスが、1980年代に至って地方分権改革(ミッテラン政権下の
私の専門はEUの経済政策分析です。EU(欧州連合)は、欧州各国間の対立を克服して「1つのヨー
1982年)を実施した背景について明らかにすべく、その前史たる1970年代の分権論議や歴代政権
ロッパ」をつくろうという欧州統合運動の現時点での到達点です。第二次世界大戦後、度重なる戦
の地方分権政策について検討すると、フランスの1970年代がまさに「分権・参加・アソシアシオン」
争により多大な物的・人的被害をこうむり、また国際社会における地位の低下を経験した欧州諸国は、
●(著書)
『口が覚えるブラジルポルトガル語-スピーキング体得トレーニング-』三修社2012年9月
●(著書)
「第6章 多文化共生の土壌を育む教育-日本に暮らす外国人の子どもたちとの学びから-」竹中克行編著
『グローバル化と文化の境界-多様性をマネジメントするヨーロッパの挑戦-』昭和堂2015年3月 pp.99-113
●(報告書)
(ゼミ生と共著)国際協力レポート部門佳作「世界地図を作ろう-愛知県立大学と瀬戸市立八幡小学校の世代
を超えた交流-」独立行政法人国際協力機構(JICA)
『グローバル教育コンクール2012受賞作品集(DVD)
』2013年
杉原 周治
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
●著書『中国共産党の支配と権力―党と新興の社会経済エリート』慶應義塾大学出版会、2012年。
●論文「国際援助社会に対する中国の見方とその外交的射程」
、下村恭民ほか編『中国の対外援助』日本経済評論社、2013年。
●論文「中国の政治体制と2020年に向けた課題」、猪口孝ほか編『環日本海国際政治経済論』ミネルヴァ書房、2013年。
竹村 仁美
准教授[すぎはら しゅうじ]
ヨーロッパ政治研究
ドイツ法、憲法学、メディア法
広島大学大学院社会科学研究科
博士課程後期単位取得退学
博士(法学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
准教授[たけむら ひとみ]
国際関係論研究
国際法、国際刑事法
アイルランド国立大学ゴールウェイ校付属人権センター
Ph.D. in Law
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
現在の研究活動は、とりわけ、憲法学、放送法、メディア法における日本とドイツの比較研究、なら
国際法上の個人の刑事責任、国際法上の個人の権利・義務に主たる研究関心があり、国際刑事法を専
びに EU メディア法の研究である。
門としている。直近では、国際刑事司法の正統性、国際刑事司法の検察官の裁量などに取り組んで
教育方針として、まずはドイツの伝統的な法律学の議論に触れること、さらにそこで学んだドイツ
いる。国際刑事法には一般国際法、国際人道法、国際人権法といった国際法も当然関係してくる。国
法の議論を、日本で現在生じている様々な法的問題の解決への手がかりとしてどのように応用すべ
際法の規律範囲が広範であり、国際法学が深遠な学問であるからこそ、自己の専門とする国際法の
きかを修得すること、が挙げられる。さらに、ドイツの法律学の基礎論に加えて、最新の応用理論の
分野と大局的な国際法学・一般国際法との関わりを念頭に置かねばならないと感じている。と同時に、
分析を行う能力を修得すること、が重要となる。
自己の研究分野の専門性を高めていく研究作業を行っていきたいと心がけている。
の時代であったことがわかる。フランス革命以来の伝統的政治文化を転換させるエネルギーが発
「平和で豊かな1つのヨーロッパ」の構築をめざして、まず経済統合を進め、さらには政治統合に乗り
揚されたこの時代、都市自治体における分権化要求運動のなかから「地域民主主義(la democratie
出します。戦後の欧州統合運動は、かつて敵同士であったフランスと(西)ドイツに加えてベネルク
locale)」の理念が提起され、この理念はその後、法制度化の過程をたどる。そして現在では、2002
ス3国とイタリアの6カ国で始まり、2015年時点でのEU構成国は28カ国で、域内人口は米国の人
年の「近隣民主主義法」により、人口8万人以上の都市コミューンに「住区評議会制」の導入が義務づ
口を超え、経済力も米国に匹敵する程です。今日の世界経済の中でEU経済の占める比重は非常に
けられており、50都市におけるこの実践は、
「熟議 = 参加デモクラシー」研究の観点から極めて興味
高いと言えるでしょう。私の研究・教育においては、従来ドイツと共に欧州統合主導国であったフラ
めていくことが必要であると今のところ考えている。具体的には、国際法の教科書の読解力の上に、
深い事例となっている。以上のような問題関心を踏まえ、大学院の授業では、フランスの分権・市民
ンスに焦点をあて、フランスの経済政策・欧州政策の展開とEUの発展過程との関連性を明らかに
判例、国際組織の決議、条約履行確保機関・条約実施機関の勧告・意見・決定を読む力を身につける。
社会論者による研究業績の読了・検討を中心に、フランス政治の新たな動向をフォローしていく。
していくつもりです。
こうした授業・演習内容を通じて、専門分野の発見、自己の国際法観の形成を目指す。
●単著『フランス地域民主主義の政治論―分権・参加・アソシアシオン ―』
(御茶の水書房、2005年)
●「EU経済のグローバル化とフランスの変貌-グローバリゼーションに立ち向かうEUとフランス-」
『土地制度史學』
土地制度史學会 , 第175号(2002年4月)pp.44-53.
●「EUにおける経済政策協調-展開と論点」
『愛知県立大学外国語学部紀要 地域・国際学編』第38号(2006年3月)
pp.53-80.
●単著『市民社会を鍛える政治の模索―フランスの「近隣民主主義」と住区評議会制―』
(御茶の水書房、2015年)
奥田 泰広
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
奥野 良知
准教授[おくだ やすひろ]
イギリス政治研究
イギリス政治・外交、国際関係史、
インテリジェンス研究
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了
博士(人間・環境学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
准教授[おくの よしとも]
欧米経済研究
近代カタルーニャ経済史、カタルーニャ地域研究
早稲田大学大学院商学研究科
博士後期課程単位取得退学
修士(商学)
したがって、国際法教育も国際法・国際法学全体を俯瞰し、理解する力を養成しながら、専門性を高
●「劇場公開映画におけるプロダクトプレースメント――ドイツ連邦通常裁判所1995年7月6日判決を中心として」
鈴木秀美編『憲法の規範力とメディア法』193~223頁(信山社・2015)
●「ドイツにおける秘密保護法制と報道関係者の憲法上の権利(一)
(二・完)」愛知県立大学外国語学部紀要(地域研究・
国際学編)47号167~203頁(2015)、愛知県立大学大学院国際文化研究科論集16号181~216頁(2015)
●「KEK の Axel Springer 決定(一)
(二・完)」愛知県立大学外国語学部紀 要(地域研究・国際学編)46号121~147頁(2014)、
愛知県立大学大学院国際文化研究科論集15号103~130頁(2014)
中屋 宏隆
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
● International Human Right To Conscientious Objection To Military Service And Individual Duties To Disobey
Manifestly Illegal Orders, Springer 2008
● Research Note:’ An Analysis of Legitimacy Discourses in International Criminal Justice throughComparative
Research on the ICC and the ECCC', 国際法外交雑誌第112巻第1号
(2013年5月)pp.56-79
西野 真由
准教授[なかや ひろたか]
欧米経済研究
ドイツ経済、戦後ヨーロッパ統合史
京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了
博士(経済学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
准教授[にしの まゆ]
東アジア政治経済研究
現代中国経済
東京農業大学大学院農学研究科農業経済学専攻
博士後期課程修了
博士(農業経済学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
私はこれまでイギリスの政治・外交システムについて研究してきました。とくに関心を持っている
私の問題関心は、分析の枠組みをまず一旦、人々の生活の場である地域におき、それから地域と国家
研究テーマは、戦後ドイツ経済の発展とヨーロッパ統合の進展についてである。より具体的には、
シュー
私は主に中国における地域間の人口移動について研究を行っています。中国は、改革・開放政策実施
のは、イギリスの首相がどのようにリーダーシップを発揮してきたのか、という点です。また、それ
の関係や、地域と世界の関係を考えてみるということにあります。私が実際に研究対象地域として
マン・プランへの西ドイツの対応、西ドイツのエネルギー政策、ユーロ危機への対応、ドイツの脱原
以降、飛躍的な経済成長を達成しましたが、その一方で、国内では、解決しなければならない課題が
とは別の観点になりますが、
そうした首相の行政活動が、立法機関である議会からどのような監視
(オー
いるのは、スペインとフランスにまたがって存在しているカタルーニャ地方です。中心都市はバル
発政策、などを研究している。戦後ドイツ経済の発展の大きな特徴として、時には経済成長を抑制
山積しています。例えば、所得格差の拡大や深刻な環境問題、食糧問題、資源確保問題など様々な問
バーサイト)を受けているのかについても興味を持っています。
セローナで、独自の言語
(カタルーニャ語)
、独自の歴史と文化を持つ地域です。スペイン側カタルー
してでも物価の安定や再分配を重視してきた側面がある。経済成長を重視する時代にあって、ドイ
題が噴出しています。
研究手法としては歴史的アプローチを用いることが多く、公表された研究成果の多くは、19世紀か
ニャ(カタルーニャ自治州)は、スペインで唯一産業革命が生じた地域で、現在に至るも GDP の約
ツはなぜこうした社会の合意形成が可能なのか。その問いは日本の今後の経済システムのあり方を
近年、拡大する所得格差を背景に、地域間の人口移動は増大を続け、都市・農村社会に様々な影響を
ら20世紀にかけての時代を対象としています。具体的には、20世紀前半のイギリスの外交政策や安
20%を占めるスペイン経済の中心です。私の第一の問いは、なぜスペインではカタルーニャでだけ
問う上で多くの示唆に富んでいるといえよう。大学院演習では、ドイツ経済のみに焦点を絞るので
もたらしています。本講義では、中国の農業・農村問題、なかでも地域間の人口移動問題を通して中
全保障政策など、対外政策全般について研究してきました。
産業革命が生じたのかという点にあります。第二の問いは、カタルーニャは現在どのような状況に
はなく、広くヨーロッパ経済やヨーロッパ統合にも視野を広げ、文献や資料(史料)の検討を通じて、
国の構造的な課題について理解を深めていきたいと考えています。
大学院の授業では、必ずしも歴史的アプローチにこだわるものではありませんし、また対外政策に
あって、今後どのような道を歩むのかということにあります。それゆえ、担当科目は「欧米政治経済」
安定した経済システムのあり方を模索して行きたい。
限定するものでもありません。近現代のイギリス政治全般について、幅広い観点から取り上げてい
となっていますが、授業では、カタルーニャの歴史、言語、文化、芸術、政治、経済、社会、等々を通して、
きたいと考えています。
地域と国家あるいは世界の関係を考察していきます。
●「合同情報委員会(JIC)設立史の再検討」
『情報史研究』創刊号(2009年)
●『カタルーニャを知るための50章』明石書店、2013年11月。
(立石博高・奥野良知編)
●「18世紀カタルーニャ綿業における『自由貿易』規則(1778年)以前の亜麻布捺染についての一考察」
『愛知県立大学
外国語学部紀要』第46号、2014年3月。
●「カタルーニャにおける独立志向の高まりとその要因」
『愛知県立大学外国語学部紀要』第47号、2015年3月。
●「外食企業のグローバル化と海外進出戦略」大島一二
●『国家戦略とインテリジェンス』
(PHP 研究所、2011年)
●「イギリスにおける情報重視の戦略文化」
『国際政治』第167号(2012年)
16
●(共著)
「戦後ヨーロッパ統合の進展〜貫かれる超国家主義と危機の克服〜」
『EU 統合の深化とユーロ危機・拡大』
(勁草書房、2013年)
●(共著)
「EU が描くヨーロッパ像〜政治経済の枠組みの視点から〜」
『グローバル化と文化の境界』
(昭和堂、2014年)
他編『日系食品産業における中国内販戦略の転換』筑波書房、
2015年、pp154-167.
●「中国における研修生派遣企業に関する―考察―中国山東省青島市の事例より―」
『農村生活研究』第57巻
日本農村生活学会、2013年9月、pp32-39.
●(論文)
「西ドイツ原子力関連統計の考察と今後の研究課題」
(関西大学『経済論集』2014年)
●「変わりゆく中国農村」工藤貴正・樋泉克夫編『現代中国への道案内 Ⅱ』白帝社,2009年,pp.313-340.
17
第1号、
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
天野 知恵子
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
大野
教授[あまの ちえこ]
ヨーロッパ歴史社会研究、
フランス歴史文化研究特講(博士後期課程)
フランス近現代史、フランスの子ども・家族・学校の歴史
名古屋大学大学院文学研究科博士課程
後期課程単位修得退学
博士(歴史学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
誠
教授
秋田 貴美子 准教授
池田 利昭
[あきた きみこ]
[おおの まこと]
英米歴史社会研究
イギリス史、近代イギリスの科学・技術の社会史
名古屋大学大学院文学研究科
博士後期課程史学・地理学(西洋史)専攻修了
理学修士(東京大学、1982年)
・
工学修士(名古屋大学、1978年)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
文化人類学研究
文化人類学、異文化コミュニケーション、女性学
オハイオ大学大学院コミュニケーション学研究科
博士後期課程修了
博士(コミュニケーション学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
准教授[いけだ としあき]
ヨーロッパ歴史社会研究
ドイツ中世都市、ドイツ近世国家、犯罪の社会・文化史
北海道大学大学院文学研究科
博士後期課程西洋史学専攻修了
博士(文学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容:現在行っている研究の一つ目は、フランス革命から20世紀にかけてのフランス近・現代史
近代以降のイギリスの科学・技術について社会史の立場から研究を行っている。具体的には1754年
日米の文化、人間関係(男女、家族、夫婦、友達、近所など)、異文化コミュニケーションを人類学、
中世後期・近世ドイツの都市と国家を対象に、犯罪と刑罰という視点から、1つは、当時の人々の日
において、子ども像がいかなる変遷をたどるかを考察することです。さまざまな社会層で「子ども」
にロンドンで設立された工芸振興協会という民間団体の活動について分析している。以下の欄の編
女性学 の領域から研究をしている。また、メディアメッセージやポップカルチャー の背後に隠れ
常生活を再構成し、他の1つは、警察・行政、刑事裁判における法規範の意図・機能・現実的通用を研
はどう認識されたかについて検討しています。二つ目は、同時期のジェンダー史研究です。とりわ
著では、この団体の歴史研究からイギリス公共圏の新しい理解が得られることを示した。なおこの
ているエスニック • 人種 • ジェンダー • セクシャリティーに関する偏見、差別を考察 • 研究をして
究してきました。
け女性のイメージの変化や、家族の中の女性の位置に関して、分析を進めています。
ほかに、最近は、科学の記念樹「ニュートンのりんごの木」の歴史を取り上げたり、ニュートンの錬
いる。これまで研究題材として取り扱ったものは、銭湯、花嫁道具、着物、芸者、日本人女性の Life
また宗教改革以降のドイツにおいて、諸宗派(カトリック、ルター派、カルヴァン派)が近代の社会と
教育方針:授業では最新の歴史学研究の成果をふまえ、高度な知識を身につけることを目的として
金術にも触手を伸ばしたりしている。やや以前の仕事なるが、近代化学史の方面で「化学革命」や分
History、マンガ、アニメ、携帯電話、かわいいグッズなどである。日本人の人間関係がこじれ、社会
国家の形成に及ぼした影響を研究しています。
おもに演習形式の授業を行います。近現代フランス社会の様相を政治文化史的な観点から明らかに
子論史の再検討について論じたことがあるし、通史の翻訳(共訳)も行った。私が指導した学生たち
問題(少子化、自殺、鬱病、いじめ、DV)と発展していく時の、人間関係と文化の複雑な関係を研究し
大学院での教育に当たっては、ドイツ語文献を正確に読解し、その論理構成を把握する訓練を行い
するとともに、家族史や心性史の手法を取り入れて「人びとはどのようにその時代を生きたのか」と
の最近の研究成果
(学会誌か本研究科の論集に掲載)
の題目を示しておくと、次の通り。
(a)
「C. ドレッ
ている。また、これらを異文化と比較することにより、日本の文化と日本人の人間関係をより深く
ます。また近代歴史学が今日まで発展させてきた歴史学上の方法論を学び、それを自身の研究にど
いう問題を具体的に検討していきます。受講者自身の研究テーマに関連する分野に関しては、さら
サーの再評価:忘れられた「最初の」工業デザイナー」
(b)
「ニュートンの代理人か?:ライプニッツと
理解することを目指す。
のように生かすか検討します。
に詳細な考察を行う予定です。
の論争におけるS.クラークの再検討」
(c)
「公僕か賞金稼ぎか:ジョージ3世期イギリス海軍中下級
士官の昇進と所得について」
(著者は留学生)
●(単著)
『子どもたちのフランス近現代史』
(山川出版社 2013年)
●「18世紀イギリス科学の社会史にむけて」
『思想』779号(1989年)、pp.29-47.
●共著 “My little girl: Questionable coverage”『Contemporary media ethics』Marquette Books、2014
●『中世後期ドイツの犯罪と刑罰』単著、北海道大学出版会、2010年
●(単著)
『 子どもと学校の世紀―18世紀フランスの社会文化史』
(岩波書店 2007年)
●『ジェントルマンと科学』
(山川出版社、1998年)
●単著 “Queer male TV commentators”『Queer media images』Lexington Books、2013
●「中世後期・近世ドイツの犯罪史研究と『公的刑法の成立』」
『史学雑誌』114編9号、2005年
●(論文)
「「女性」からみるフランス革命」近藤和彦編『ヨーロッパ史講義』
(山川出版社 2015年)所収
● 編著『近代イギリスと公共圏』
(昭和堂、2009年)
●共著 “A ‘vexing implication’: Siamese cats”『Diversity in Disney films』MacFarland & Co.、2013
●「18世紀後半ドイツ・リッペ伯領のポリツァイとコミュニケーション」
『歴史学研究』836号、2008年
黄
東蘭
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
教授
杉山 三郎
[こう とうらん]
東アジア歴史社会研究、
東アジア歴史文化研究特講(博士後期課程)
中国近現代史・近代日中関係史
東京大学大学院国際社会科学専攻博士課程修了
博士(学術)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
伊藤 滋夫
教授[すぎやま さぶろう]
国際文化論、比較地域研究、人類学研究特講
比較地域研究特講(博士後期課程)
中米考古学、アメリカ原住民文化
アメリカ合衆国アリゾナ州アリゾナ州立大学
人類学学部博士課程修了
博士号(人類学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
亀井 伸孝
准教授[いとう しげお]
ヨーロッパ歴史社会研究
フランス中世・近世史、財政史研究、公債の研究
東京大学大学院人文社会系研究科
博士課程単位取得満期退学
博士(文学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
准教授[かめい のぶたか]
文化人類学研究、人類学研究特講
文化人類学、アフリカ地域研究
京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了
博士(理学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
私の専門は中国近代史、近代日中関係史です。近代日中両国の歴史教科書の比較分析を通じて、両
新大陸の古代文明発生のプロセス理解、特に古代都市の起源と国家の形成過程の解明に焦点を当て
研究テーマは、近世フランスにおける公債制度と金利生活者の形成、フィナンシエ(財務官僚・金融
研究内容:専門は、文化人類学、アフリカ地域研究。おもにカメルーンやコートジボワールなど、西・
国における「近代知」の形成、日中両国の自己イメージと他者イメージ、歴史叙述、および歴史意識
ている。近年はモニュメントの機能、象徴体系理解のため、計画都市テオティワカンの
「月のピラミッド」
業者)の人脈関係である。近年の研究は、フランス絶対王政の中央集権化が不完全であり、ローカル
中部アフリカの9カ国で、フィールドワークに基づいた文化人類学的調査を行ってきました。森の
「太陽のピラミッド」の総合調査を行っている。大規模な長期発掘の成果として、ピラミッド内部か
なさまざまの「社団」が王権による地元の統治に協力していたことを明らかにした。
「社団」のひと
狩猟採集民、子どもたち、手話を話すろう者など、周辺化されがちなマイノリティを訪ね、参与観察
大学院の授業では、日本語・中国語の関連資料の発表・解説・討論を通じて、日本と中国における「近代」
ら大量の副葬品とともに多数の生贄儀礼の資料を得て、古代文明における宗教イデオロギーと政治
つである南仏ラングドック地方の三部会をケーススタディとして、三部会による公債発行、公債に
によってその社会と文化の実態を明らかにするとともに、教育や国際開発のための提言につなげて
の意味と両者の相互関連性、および両国の「現代」への影響といった問題に対する理解を深めること
の人類学的考察を行っている。授業では自己の半生の国外研究経験や、アメリカ、メキシコでの研
投資し金利を受領した金利生活者の社会階層と地理的分布を分析している。
いくことに関心があります。最近では、数学者たちの会話や、宇宙空間に進出した人間の行動など、
を目標としています。履修者一人ひとりの問題関心に沿って問題意識を明確にさせ、研究テーマの
究成果を生かして、国際性とその有効性を教える。また最新資料を積極的に使い、教育の質を求め
教育においては、フランス中世・近世史に関するフランス語論文・文献の講読を通して、フランス語
文化人類学がどこまで対象を広げられるかを試すような研究領域も模索しています。
設定、資料の収集・分析の方法を身につけさせ、修士論文、博士論文の指導を行います。
たい。学生には自発的な探究精神、積極性を望む。可能な限り、専門とする院生を本教員の現地調査
読解能力を向上させる。歴史学に関する専門用語、とくに近世における司法・財政・行政制度や官職
教育方針:座学よりも、実際に現地に行って見てこよう、人と会って話を聞いてこようという、実証
に参加させて、国際的学術・教育環境にできるだけ馴染ませる。一方で自身の研究を基盤として、教
の名称をフランス語から日本語に正しく訳すことを重点に置く。
的な研究姿勢を重視しています。もちろん、論文は旅行記とは違うので、自分の経験を適当に文章
の問題に関心を持っています。
●(著書)
『近代中国の地方自治と明治日本』、汲古書院、2005年。
●(編著)
『再生産的近代知識』、
『新史学』第四卷、中華書局、2010年。
●(論文)
「明治初期官版歴史教科書の歴史叙述――中国史の描かれ方を通して」、
『愛知県立大学外国語学部紀要』< 地域
研究・国際学編 > 第47号、2015年3月。
竹中 克行
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
員の専門分野における研究成果を教育や社会還元に生かすため、展示活動やテレビ・ドキュメンタリー
につづっても学問にはなりません。記録方法やまとめ方をあるていど身に付けてから、後は思いき
作成にも参加する。
りよくフィールドに飛び込んでしまうというスタイルを育んでもらうことを期待しています。
● 2005 Human Sacrifice, Militarism, and Rulership. Cambridge University Press, Cambridge.
●「一八世紀ラングドックにおける地方三部会と金利生活者」
『西洋史学』第227号、2007年
●単著『森の小さな〈ハンター〉たち : 狩猟採集民の子どもの民族誌』京都大学学術出版会、2010
● 2006Sacrificios de Consagracion en la Piramide de la Luna, Teotihuacan, Museo de Templo Mayor, INAH, Mexico City.
●「近世ラングドックにおける身分制議会とフィナンシエ」
『県大紀要(地域・国際)』37、2005
●単著『アフリカのろう者と手話の歴史 : A・J・フォスターの「王国」を訪ねて』明石書店、2006
『失われた文明:インカ・マヤ・アステカ展』pp.89-146. NHK・NHK プロモーション
● 2007「古代都市テオティワカン」他、
●「一八世紀フランスの公共事業と地方財政」
『西洋史学』第201号、2001年
●編著『アクション別フィールドワーク入門』武田丈と共編、世界思想社、2008
Edgar W . Pope 教授
教授[たけなか かつゆき]
小座野 八光 准教授
[エドガー W . ポープ]
欧米地域研究、地理学研究特講(博士後期課程)
地理学、現代都市論、地中海ヨーロッパ
東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学
博士(学術,東京大学2007年)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
久田 由佳子 准教授
[こざの やこう]
文化人類学研究
民族音楽学、日本とアメリカのポピュラー音楽史
ワシントン大学大学院音楽学科民族音楽学
博士課程 修了
博士(Ph.D.)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
[ひさだ ゆかこ]
東アジア歴史社会研究
東南アジア近現代史、ジャワ村落社会研究
東京外国語大学地域文化研究科
博士後期課程単位取得中退
修士(国際学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
英米歴史社会研究
アメリカ近代史、建国初期〜南北戦争前の社会史・家族
史・女性史
名古屋大学大学院文学研究科
博士後期課程(西洋史学)満期退学
修士(教育)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
グローバル化が進むなかで、生物多様性や文化多様性に関する議論が高まりをみせていますが、私は、
音楽におけるエキゾチズム(異国情緒・異文化情緒)に焦点を当て、主に日本とアメリカの戦前・戦時
研究内容:第二次大戦前後の時期の東南アジア、特にジャワ島の農業の状況について、経済史学的な
実のところ、最近の日本のアメリカ史研究者の間ではあまり人気があるとはいえない、独立革命と
そこに地域多様性を加えるべきだと考えています。地域多様性を育てるには、固有名詞で意味づけ
中のポピュラー音楽を研究しています。歴史的・政治的・文化的な文脈のなかで音楽要素と歌詞を分
アプローチより研究している。具体的な手法としてはインドネシアおよび旧宗主国オランダのアー
南北戦争にはさまれた、建国初期からアンテベラム期(南北戦争前の時代)の歴史、中でも産業革命
された場所や地域の価値を究明する学問、換言すれば、身体と場所、あるいは場所がおりなす地域を
析し、
そのなかにみられる外来音楽の影響、
エキゾチズムとイデオロギーとの相互関係、
「異国」
のイメー
カイブにおける文献調査とジャワ村落部におけるフィールド調査をクロスチェックさせるという
を経験した北東部の社会、特に家族や女性のおかれた状況や奴隷制廃止運動について研究しています。
結ぶ風景について考究する学問が必要です。これが地理学の生業にほかなりません。私は、地中海ヨー
ジ形成とその変遷を調べています。特に日本とアメリカの初期ジャズと中東に対するエキゾチズム、
手法を採っている。
この時代に起こった変化は、経済的にも政治的にも社会的にも、その後の時代に大きな影響を与え
ロッパをフィールドとして、人の移動と定着の地理学をはじめとする、多様なテーマに取り組んで
そして1930年代の日本に現れた「大陸メロディ」というジャンルを研究しています。
教育方針:アジア諸国における特殊地域的な情報を経済史・国際関係論などの方法論を介して、より
ており、この時代の研究は重要なはずなのですが・・・。
きました。その蓄積をいかして、最近では、自らが日常をすごす日本に立ち返って、身体と場所の関
授業では民族音楽学とポピュラー音楽研究の理論的文献を読み、それについてディスカッションを
一般化して理解してもらうことを基本的な指導方針としている。具体的には第二次世界大戦を経た
みなさんとは、アメリカで出版された最新の研究書を読みながら、アメリカ史研究の面白さと研究
係性をとりもち、両者の間に風景の像を生み出す市民社会の働きを注視する、より実践的な研究に
します。
後にヨーロッパ諸国の植民地を原型として成立した 「国民国家」 像の検証を、19世紀以降の旧宗主
の難しさを共有していきたいと思っています。
挑戦しています。大学院教育では、地理学を学んだことがあるか否かを問わず、生の都市・地域に展
国による植民地統治のあり方と、当時の国際関係に留意しつつ考察していくこととする。
開する諸事象の関係性を読み解くことに関心をもつ人を広く対象とし、具体的な地域に素材を得た
フィールドリサーチを交えながら、観察・分析・解釈の眼を養っていきたいと思います。
●「 日本のポピュラー音楽にあらわれる「中国」―明清楽の変遷を手がかりとして」
『ポピュラー音楽から問う
化再考』
(せりか書房
●『多言語国家スペインの社会動態を読み解く』ミネルヴァ書房、2009年(単著)
日本文
2014年)
● ”Imported Others: American influences and exoticism in Japanese interwar popular music.”
●『スペインワイン産業の地域資源論』ナカニシヤ出版、2010年(共著)
Inter-Asia Cultural Studies Vol.13 No.4 (2012)
●『人文地理学への招待』ミネルヴァ書房、2015年(編著書)
●「エキゾチズムと日本ポピュラー音楽のダイナミズム」『ポピュラー音楽とアカデミズム』
(音楽之友社
18
2005年)
●『東南アジア史のなかの日本占領』
(倉沢愛子編)早稲田大学出版部、1997年(第1章執筆)
●常松洋・松本悠子編『消費とアメリカ社会 . 消費大国の社会史』
(山川出版社、2005年)
(共著)
●『世界戦争犯罪事典』
(文芸春秋編)文芸春秋、2003年(「ブリタル事件」他の項目執筆)
●有賀夏紀・小檜山ルイ編『アメリカ・ジェンダー史研究入門』
(青木書店、2010年)
(共著)
●『インドネシア ・ プロテスタント小史』
(伊東定典著)ふくろう出版、2006年(編集、解題執筆)
●和田光弘編著『大学で学ぶアメリカ史』
(ミネルヴァ書房、2014年)
(共著)
19
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
谷口 智子
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
半谷 史郎
准教授[たにぐち ともこ]
比較地域研究
宗教学、ラテンアメリカ地域研究
筑波大学大学院哲学・思想研究科
博士(文学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
准教授[はんや しろう]
ヨーロッパ歴史社会研究
ロシア史(とくに20世紀のソ連史)
東京大学大学院 総合文化研究科地域文化研究専攻
博士課程修了
博士(学術)
日本文化専攻(平成 28 年4月予定) Department of Japanese Studies
D
M
主
主
参照頁
言語研究
福沢
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
新大陸の先住民文化を対象とした文化人類学的、また宗教学的視点からの異文化接理解や、比較地
ソ連時代の民族政策が専門です。スターリン時代に強制移住の憂き目を見た少数民族(ドイツ人、朝
域研究の紹介を行っています。特にアンデス地域の古代文化や植民地時代の先住民・混血大衆社会
鮮人など)について、権力による弾圧と統合の両面から研究してきました。近年は、この研究で身に
の研究を専門としています。
つけた歴史研究の方法を用いて、ソ連の文化政策や日ソ文化交流史にも取り組んでいます。
受講者はその枠を越えた地域の民族、また現代の新大陸先住民や混血大衆文化などを扱うことも可
大学院での教育では史料や文献を愚直に読み込む姿勢を、身をもって教えたいと思います。
能です。人類学、宗教学、歴史学などの理論に親しみながら、受講生のテーマに沿った社会科学とし
たとえ専門分野が違っても、学問を究める真摯な姿勢を分かち持ちたいです。
ての論文作成を最終目的とします。資料収集や、必要がある場合はフィールド調査、分析方法、結果
の解釈の為の実践的知識や技術を、個々人の研究を進める過程で学び、定期的に論文の講読とディ
スカッション、またレポート作成の技術指導や、研究発表を行います。
●谷口智子、
『新世界の悪魔-カトリック・ミッションとアンデス先住民宗教-』、大学教育出版、2007年
●マーチン『アファーマティヴ・アクションの帝国』
(明石書店、2011年5月:監訳)
●朴哲著、谷口智子訳『グレゴリオ・デ・セスペデス-スペイン人宣教師がみた文禄・慶長の役-』、春風社、2013年
●『中央アジアの朝鮮人』
(東洋書店、2006年6月:共著)
●「国交回復前後の日ソ文化交流」
『思想』2006年7月号
福岡 千珠
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
矢野 順子
准教授[ふくおか ちず]
英米歴史社会研究
社会学、アイルランド研究
京都大学大学院 人間・環境学研究科
博士(人間・環境学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
准教授[やの じゅんこ]
多文化共生論
東南アジア政治、東南アジア地域研究
一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了
博士(学術)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
私は十九世紀半ばから二十世紀半ばにかけて変遷したアイルランドの文化ナショナリズムについ
例外なく多民族国家である東南アジア諸国においては、独立後、植民地的起源をもつ国境線のなか
て研究してきました。この時期に、英国およびアメリカから見たアイルランド人像が大きく変化し、
に含まれる多様な人々をどのようにして「国民」として統合していくかが共通の課題となりました。
そして同時期にアイルランドで描き出されるアイルランド人の自己像も変化してゆきます。アイル
私はこれまで、主としてラオスを対象に、植民地時代~現在に至るまでの国民国家建設過程につい
ランド人は、
「人種」的に、どのように位置づけられるのか。また、言語的・文化的な意味で「アイルラ
て言語ナショナリズムに焦点を当て、研究をおこなってきました。授業では、東南アジア諸国のエ
ンドらしさ」とは何なのか。こうした問いに対して、さまざまな議論が見られるようになったのです。
スニシティや国民統合に関する文献を取り上げ、複雑な民族構成のなかで、東南アジア各国がどの
授業では、アイルランド研究というよりは、むしろ「人種」や「国民」をキータームに、自己および他者、
ような政策のもとに国民統合を進めてきたのか、みなさんと議論し、多文化共生について考えてい
そしてその文化がいかに表象され、どのように変化していったのかという点を考えていきたいです。
きたいと思っています。
●「文化の境界
●単著『国民語の形成と国家建設―内戦期ラオスの言語ナショナリズム』風響社、2013年
-北アイルランドにおける文化理解の可能性をめぐって」2009年、
『文化の社会学』文理閣
●「 Borstal Boy の言語戦略
-コード・スイッチングおよびコード混交を中心に」2007年『エール』第27号
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
環
久保薗
愛 講師
日本語テンス・アスペクト、語用論
国語史、方言
伊藤
伸江 教授
久冨木原
玲 教授
日本中世文学、和歌、紀行文学、日記・随筆
主
主
日本古代文学、源氏物語、和歌
主
主
中根
千絵 教授
日本中世文学、説話文学、今昔物語集
副
主
宮崎
真素美 教授
日本近現代文学、近現代詩研究
主
主
大野
出 准教授
漢文学、日本思想史
若松
伸哉 准教授
日本近代文学
三宅
宏幸 准教授
日本近世文学、後期読本
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
23
日本近世史、農村社会論、地域研究、用治水研究
主
主
上川
通夫 教授
日本中世史、中世の社会と宗教
主
主
丸山
裕美子 教授
日本古代史、日唐比較文化研究、古代祭祀制度研究
主
主
潤 准教授
日本近現代史、東アジア地域研究
研究内容・教育方針
ブラジルにおける人種とエスニシティについて、人類学の立場から研究しています。ここ数年は、
イギリスと日本の歴史的な関係や交流、いわゆる日英関係史の研究をしている。交流や国と国の関
国際移動の結果ブラジル人が移住先で受ける人種化について関心があり、日本のブラジル人コミュ
係は、人間が創るものなので、特に日英関係史の中で重要な役割を果たした人物に注目している。
ニティでもフィールドワークをしています。大学院の講義でも、グローバル化で急激に変化する社
今まで注目してきた人物は薩摩藩士の中井弘や土佐藩士の坂本龍馬。共通点に両者は『尊王攘夷』
会と文化を捉える力を学生が身につけることができるようにしたいと考えています。どんな研究も、
や『富国強兵』などをスローガンとして主張していた志士であること。時代として幕末・明治時代が
素朴ではあるけれども面白いと感じる疑問から始まります。学生の関心事を尊重し、学生がそれを
メインだが、全体的に日本とイギリスは今までどのように関係を創ってきたのかを考える。人間と
問題化し論文として展開できるように指導することが、私の教育方針です。
人間の関係、国と国の関係を考える上で、グローバル化も考える。グローバル化しつつある我々の
中島
茂 教授
人文地理学、近代産業と近代都市の研究
主
主
樋口
浩 造 教授
日本思想史・文化理論
主
主
井戸
聡 准教授
地域社会学、開発・環境・観光・地域文化
川畑
博昭 准教授
比較憲法学
服部
亜由未 講師
歴史地理学、近世・近代の地域史研究、産業化と生活環境研究
D:博士後期課程
M:博士前期課程
主:主指導担当教員
住む地球は環境、安全保障、人口問題など様々な課題を私たち人間に出している。日英関係を一つ
の例としてグローバル社会にどの様に参加し、平和な世界を創っていくべきなのかを考察している。
授業中にプレゼンテーションやディスカッションなどを通じて、学生それぞれと会話することによ
って、学生は批判的思考をスキルとして磨いて、意見などを積極的に言えるようになっていただき
たいと思う。
● Expelling the Barbarian and the Last Stand: Examining the Newly Established Meiji Government’s Reaction to Foreign Pressure and National Strife in 1868
「愛知県立大学外国語学部紀要(地域研究・国際学編)第47号(愛知県立大学外国語学部、2015年)
● Mutō Chōzō (1881-1942), and A Short History of Anglo-Japanese Relations in Hugh Cortazzi, (comp. & ed.)Britain and Japan: Biographical Portraits,
Volume IX (Renaissance Books, 2014), pp. 406-412
●「『ハーフ』になる日系ブラジル人女性」
『<ハーフ>とは誰か――人種混淆・メディア表象・交渉実践―』
(青弓社)
2014年、178-197ページ。
● Can a Mestica be a Haafu? : Japanese-Brazilian Female Migrants and the Celebration of Racial Mixing in Contemporary
Japan, Journal of Intercultural Studies, 2014, Vol.35, No.6, pp.662-676
20
副
地域文化研究
英米歴史社会研究
日英交流史
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了
博士(人間・環境学)
研究内容・教育方針
副
英二 教授
Eleanor Robinson - Yamaguchi 講師[エレノア ロビンソン 山口]
中南米・新興国研究
ブラジル地域研究、人種・エスニシティ
上智大学大学院外国語学研究科地域研究専攻
博士後期課程修了
博士(地域研究)
主
大塚
與那覇
22
副
副
歴史文化研究
●単著『国民語が「つくられる」とき―ラオスの言語ナショナリズムとタイ語』風響社、2008年
准教授 [わたらい たまき]
副
文学思想研究
●共著 山田紀彦編『ラオスにおける国民国家建設―理想と現実』研究双書 no.595、アジア経済研究所、2011年
(第4章執筆)
●「アイルランド語とそののにおい」2006年、
『エール』第26号
渡会
将樹 教授
21
主
主
副:副指導担当教員
主
副
24
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
福沢 将樹
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
久保薗 愛
教授[ふくざわ まさき]
日本語文法研究
日本語テンス・アスペクト 語用論
北海道大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程
博士(文学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
講師[くぼぞの あい]
日本語音韻・表記研究
国語学、方言史
九州大学大学院人文科学府
博士後期課程単位取得退学(2013年)
博士(文学)
大野
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
出
若松 伸哉
准教授 [おおの いずる]
日本文化思想研究
漢文学 日本思想史
筑波大学大学院博士課程修了
博士(学術)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
准教授[わかまつ しんや]
日本近現代文学研究
日本近現代文学
青山学院大学大学院文学研究科日本語・日本文学専攻
博士後期課程
博士(文学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容は、テンス・アスペクトの意味論的・語用論的研究である。具体的には現代日本語と古代日
研究内容:近世期から現代に至るまでの方言の歴史を主たる研究対象としている。
神・儒・仏の三教、あるいは儒・仏・道の三教の思想に着目をし、これら思想の相互の交渉を原資料に
研究内容:日本近代文学、特に昭和期の文学を中心的な課題としている。昭和期に活躍した小説家・
本語を取り上げ、個々の形態の意味記述にとらわれず、一般言語学的にどのような記述の枠組みを
国語史研究は、資料が豊富に残された中央語を対象にしていることが多い。しかし、ことばの歴史
基づき解明してゆく。そして、この過程で特に、神道・儒教(儒家思想)
・仏教・老荘思想および道教そ
石川淳の作品研究から出発し、現在は太宰治など同時代の他の小説家の作品も大きな研究対象とし
設定したらより明確に掴めるかを常に考えている。そのためには狭い意味での言語研究にとどめず、
は中央語にのみ存するのではない。我々の日常のことばである方言にもそれぞれの歴史があり、現
れぞれの思想の特性と相違点に注目してゆく。また、神道・儒教(儒家思想)
・仏教・老荘思想および道
ている。研究方法は対象作品とかかわる同時代言説の探索から行い、作品が発表された当時に持っ
文学理論、社会学、心理学等も視野に入れなければいけないと感じており、一部は手をつけたところ
代につながっているのである。そういった問題意識の下に、僅かながら残された方言文献を用いて
教それぞれの思想に対して、それらを合一、一致ないしは融合させようとした思想に特に注目し、そ
ていた批評性を明らかにする方法を採っている。これは文学作品の歴史性・社会性を明らかにする
である。
研究を行っている。現在、その第一歩として18世紀前半の鹿児島方言を反映するロシア資料を扱っ
うした思想の思想的営為を思想史の観点から深く考究することを試みる。
ことでもあるが、作品に即したこうした具体的な研究の先に、文学作品という〈虚構〉が、現実社会に
大学院において、院生はまずは自分の専門領域をしっかり固める必要があると思っている。しかし
ている。また、同時に、現在危機的な状態にある伝統方言の調査・記述も行っている。
なお、この授業では、くずし字の読解、訓点本の原資料の読解、漢文
(白文)
の読解、現代中国語の読解、
対して持ち得る力について考えることができればと思っている。そのため近年は、文学作品につい
自分が教える立場になって痛感することは、専門外の領域についての体験や耳学問もまた、広く持っ
教育方針:あらゆる可能性を考慮し、現象を慎重に吟味する姿勢と、論理的な思考力を養うべく、講
先行研究の悉皆調査、四庫全書(電子版)等による出典調べの能力と経験は、すでに学部教育の段階
て現実的な規制・抑圧をかけてくる戦時下に発表された作品を中心に論文を発表している。
ておいて損はないということである。どんな学問分野にも独特の深い知識・方法論というものはあ
義等を通してディスカッションを重ねる。また、学会発表及び学会誌に投稿することを目標として
で十分つちかわれていることを前提として(大漢和辞典あるいは日本国語大辞典等々の基礎的辞典
ろうが、その一方でどんな学問にも通底する基本的な発想・態度というものもあろう。それを伝える
アドバイス・指導を行う。
類を自在に活用できることは言うまでもなく)、授業を進行してゆく。
教育方針:具体的な作品に即した精緻な読解と、同時代言説の精査を基本作業として、作品の〈内〉と
〈外〉から検討することを方針とする。そのうえで、学界にとって意味ある論文へと練り上げていく
ことができたらと思う。
よう指導する。
●「タリ・リと動詞のアスペクチュアリティー」
『国語学』191、1997
●「中央語と鹿児島方言における「動詞連用形+サマニ」の史的展開」
『語文研究』112、2011
●単著『元三大師御籤本の研究』
(2009年・思文閣出版)
●「歴史と文学のなかで―石川淳「森鴎外」における史伝評価」
『日本近代文学』76、2007
●「あらすじ過去と別人格――『法華百座聞書抄』のキ・ケリ――」
『日本学・敦煌学・漢文訓読の新展開』汲古書院、2005
●「ロシア資料にみる18世紀前半鹿児島方言の「テアル」
「テオル」」
『日本語の研究』8-1、2012
●単著『江戸の占い』
(2004年・河出書房新社)
●「再生の季節―太宰治「富嶽百景」と表現主体の再生について」
『日本近代文学』84、2011
●「鹿児島方言の「動詞連用形+オル」
『語文研究』114、2012
●単著『日本の近世と老荘思想―林羅山の思想をめぐって』
(1997年・ぺりかん社)
伊藤 伸江
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
久冨木原 玲 教授
教授[いとう のぶえ]
[くふきはら れい]
日本中世文学研究(韻文・思想)
日本中世文学 和歌 紀行文学 日記・随筆
東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻第一種
博士課程修了
博士(文学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
日本古代文学研究
日本古代文学 源氏物語、和歌
東京大学大学院人文社会科学研究科
国語国文学専門課程博士課程単位取得
博士(文学)
三宅 宏幸
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
大塚 英二
准教授[みやけ ひろゆき]
日本近世文学研究
日本近世文学 後期読本
同志社大学大学院文学研究科国文学専攻
博士課程後期課程 修了
博士(国文学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
研究内容・教育方針
教授[おおつか えいじ]
日本近世史研究(博士前期)、
日本近世近代史研究特講(博士後期)
日本近世史 農村社会論 地域研究 用治水研究
名古屋大学大学院文学研究科
博士課程単位取得退学、1986年
博士(歴史学、名古屋大学)1994年
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
中世文学における創作手法の解明、表現分析、とりわけ十四、五世紀の和歌・連歌、随筆等の表現内
『源氏物語』と和歌を中心に研究している。主な研究テーマは和歌史的な視野からの表現分析及び古
研究内容:日本近世文学、特に曲亭馬琴を中心に近世中後期小説の生成について研究しています。ま
日本近世の地域社会を様々な角度から分析しています。1つの柱は地域金融論で、頼母子講や寺社
容の探究をすすめている。南北朝から応仁の乱に至る約百五十年間の和歌文学は、解明されるべき
代における自我意識の形成に関する考察で、特に笑いという観点から神話や『万葉集』なども視野に
た、近世前期に多く刊行された中国講史小説の翻訳〈通俗軍談〉の受容についても調査しています。
祠堂金、百姓相対金融などによって構成される地域の信用構造について検討しています。2つ目の
興味深い問題を多く残している。徒然草の表現と思想、南朝和歌表現の生成過程、耕雲から正徹へ
入れて天皇制との関連についても考えていく予定。最近は、海外の大学等へ向けて『源氏物語』研究
近世の文藝は引用(本歌取りの手法やパロディを含む)が多く行われ、和漢の史実・説話・伝承・小説
柱は山入会関係の地域秩序論で、主に山間部の入会紛争の史料を扱い、
「山元」
「有力百姓」を中心と
の和歌の流れ、心敬の連歌理論の構築の様相、宗祇や心敬の万葉語摂取の形などから、中世文学史の
を発信するよう心がけており、24年度サンパウロ大学、25年度パリ大学、26年度オーストラリア国
など様々な資料を用いて作品を描き出していきます。そこで、個々の具体的な事例を探り、作品が
した地域秩序からの転換のありようを検討しています。3つ目の柱は水利秩序関係論で、平場の用
根底を流れる本質的な問題を探りあて、和歌文学史をつないでいくことが私の大きな目標の一つで
立大学等で講演及び研究発表を行った。この期間中、学内でも2回にわたり国際シンポジウムを開
どのような過程を経て紡がれていくのか検証を加え、さらに、そのテクストを読んだ読者がどのよ
水系の構造変化について検討しています。当面は、以上の3つの柱をもとに、近世社会における地域
ある。それゆえ、大学院の授業を通して、こうした大きな問題に目を向け、アプローチし、共に学ん
催して企画・司会あるいは発表を行った (25年度ブラジル・サンパウロ大学、26年度スペイン・CEU
うに楽しむことが可能なのかを考察するという研究を行っています。
秩序のあり方を総合的に捉えることを目標にしています。なお、院生には、史資料を徹底的に読み
でいく。
サンパブロ大学 )。大学院教育に関しては、全国学会等で発表させて査読付きの論文を作成させ、さ
教育方針:学生が疑問に感じたこと、興味を持ったことを精緻に検証するとともに、その検証が研究
込んで自分なりの歴史像を提示できるよう指導したいと考えています。それは、歴史を言説として
大学院では、研究者として自立しうるかどうかは当人の努力と覚悟にかかる。学生には、研究者に
らに業績を積み上げるべく指導している。また海外の大学での院生対象ワークショップに参加させ、
史の流れの中でどのような位置づけになるのかを把握するという、ミクロな実証技術とマクロな視
の解釈にとどめるのではなく、事実(過去)を大切にしながら現実社会と切り結ぶ方法論の錬磨とな
必須である、頻繁な研究発表の場で戦い論陣をはる積極性と、勉学にのめりこむ執拗さとの二つを
これを機に26年度の国際文化研究科 FD 研究会において教員・院生合同の論文要旨ワークショップ
野を獲得できるよう指導をしていきます。
るでしょう。ともに歴史学徒として学び合うようなゼミにしたいものです。
求める。教員は、研究者に最も必要な和歌文学等の知識の獲得と、学生自らの専門分野の開拓に関
が実現した。院生が自己の研究を広く海外にも発信し、さらに研究を深めていくことを願っている。
●『日本近世農村金融史の研究』
(単著)校倉書房、1996年
●『新体系日本史3 土地所有史』
(共著)山川出版社、2002年
●『日本近世地域研究序説』
(単著)清文堂出版、2008年
●『近世尾張の地域・村・百姓成立』
(単著)清文堂出版、2014年
研究内容・教育方針
して、学生を厳しく鍛え、徹底的に指導する。
●『中世和歌連歌の研究』
((単著)笠間書院・H14)
●共編著『武家の文物と源氏物語絵-尾張徳川家伝来品を起点として』翰林書房2012
●「曲亭馬琴『殺生石後日怪談』の生成」
(『愛知県立大学日本文化学部論集』5、2014)
●『草根集
●単著『源氏物語
●「中西堂の実録写本」
(『日本文学』63-10、2014)
権大僧都心敬集
再昌』
((共著)明治書院・H17)
●『中世日記紀行文学集成第七巻』
((共著)風間書房・H16)
中根 千絵
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
歌と呪性』若草書房
1997
●単著『源氏物語の変貌-とはずがたり・たけくらべ・源氏新作能の世界』おうふう2008
宮崎 真素美 教授
教授[なかね ちえ]
[みやざき ますみ]
日本中世文学研究(散文・伝承)
日本中世文学 説話文学 今昔物語集
名古屋大学大学院文学研究科
博士課程後期課程国文学専攻 修了
博士(文学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
日本近現代文学研究特講、日本文化特別研究、
日本近現代文学研究 他
日本近現代文学 近現代詩
筑波大学大学院博士課程文芸言語研究科日本文学専攻
博士(文学)
●「一英斎芳艶「文治三年奥州高舘合戦自衣川白竜昇天」図論―<八犬伝>との連関―」
(『同志社国文学』81、2014年)
上川 通夫
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
丸山 裕美子 教授
教授[かみかわ みちお]
[まるやま ゆみこ]
日本中世史研究特講、日本中世史研究
日本中世史 中世の社会と宗教
立命館大学大学院文学研究科史学専攻
博士課程後期課程修了
博士(文学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
日本古代史研究/日本古代史研究特講
日本古代史 日唐比較文化研究 古代祭祀制度研究
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科
博士課程単位取得退学
東京大学 博士(文学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
研究内容は、日本中世説話の研究である。現在の研究課題は、
(1)
『 今昔物語集』諸本の成立の様相
研究内容:日本近現代文学、特に近現代詩を研究対象としています。
6世紀から13世紀の範囲を視野に、東アジア世界との連動で推移した日本列島の政治社会史の特徴
日本古代、7・8世紀~11世紀の制度史・文化史を研究している。主な研究の柱は、
(1)日唐律令制の
を捉える一方法として、仏教史に着目している。特には10世紀から12世紀の歴史過程に、日本文化
比較研究、
(2)
日本古代祭祀研究、
(3)
日本古代における漢籍の受容に関する研究、の3つである。
(1)
は医疾令(医療制度・医学教育)
・假寧令(休暇制度)を中心に、
(2)は祭祀制度と天皇制との関わりを、
(2)
医学説話の注釈
(3)
戦の研究である。
(1)
学会では、現在、様々な周辺の新資料が紹介されている。 「「荒地」派を中心とした第二次大戦前後における文学状況の探究」、
「日本文学における近代詩成立
その中で、
『今昔物語集』諸本の様相を掘り起こす試みは、近世における『今昔物語集』の受容の在り
過程の探究 」
、
「近現代詩研究から日本近代文学を捉える広範な視野の獲得」をテーマとしています。
の枠組を強く規定した中世仏教が一旦成立したという仮説を抱き、実態解明を進めている。次なる
方を解明する意味で新しい研究の方向を目指すものである。
(2)学会では、かつて医学説話が採り
第二次大戦後の詩状況に研究の端を発し、現在は文明開化期の新体詩、1920年代のモダニズム詩な
課題は“日本中世における普遍思想の発見”についての歴史像を提示することである。歴史研究は、 (3)では「書儀」と称される一種の百科全書的典籍の受容の問題を考究している。以上の他、日本古
上げられたことはなかった。新しい分野を切り開いているが故に、説話の読解、依拠した書物の探索、
ど、それらを通史的に捉えるべく論を重ねています。
著しく主体的な知的営みであると思う。与えられた課題や指示された勉強は、自らの研究にはごく
代の基本的文献の注釈(『続日本紀』
『延喜式』
『御堂関白記』、聖武天皇筆『雑集』、正倉院文書など)も
諸本の研究は、今後の研究発展の上で、最低限、必要な作業を行う。
(3)戦の語りの国際的視野から
教育方針:積極的な研究姿勢の涵養を目指します。学会での口頭発表、審査雑誌への論文投稿など、
一部を占める助言に過ぎないと位置づけてほしい。真理探究の人間的精神、学問と先学への尊敬、
行なっている。また県大赴任以来、機会を得て、東海地域の古代史研究も少しずつ続けているとこ
の研究は、学会に新たな見方をもたらすものであるので、広い視野から従来の研究成果を見渡しつつ、
自らの研究を発信してゆく意識の喚起を求めます。それを裏打ちするのは、研究対象への愛情とた
史料に沈潜する知的忍耐力、骨身に染みた人生体験と研究活動との結びつけ、人間存在の本質的理
ろである。
俯瞰的な研究を行う。
しかな「読み」、そして自身のオリジナリティを相対化する先行研究や、学界の研究動向に対するこ
由を問う姿勢、未来への価値理想に照らした過去の探究心、これらのことは自分の身を以て学び取
教育方針としては、個々の学生の史料読解力、分析力を高めることができるよう手ほどきし、研究テー
教育方針としては、専門分野をさらに探究する研究、新たな発想による研究や先端的課題への取組
まやかな調査と批評といった地道な研究姿勢でしょう。日頃の講義におけるディスカッションと立
るしかない。事実考証の自己目的化や、独断的結論を前提とする歴史の利用などではない、志(ここ
マに即して適切な先行研究を紹介し、その上で論理的な論文を完成させ、レフリーつきの学会誌に
を推進する。研究成果については、学会で発表するとともに、学術論文として公刊するなど、広く社
論に重点を置き、温感に支えられた研究のあり方をともに探ってゆきたいと思います。
ろざし)に突き動かされた史実探究の実践を、授業方針としたい。
投稿することができるように指導したいと考えている。
●2000年1月 31日『今昔物語集の表現と背景』全369p.(三弥井書店)
●『戦争のなかの詩人たち-「荒地」のまなざし』
(単著)
(2012.9
●単著『日本中世仏教形成史論』
(2007年、校倉書房)
●(単著)
『日本古代の医療制度』名著刊行会、1998年
●2006年2月 14日『医談抄』中根千絵、辻本裕成、小野裕子、美濃部重克による共同執筆 全368p.
(三弥井書店)
●『鮎川信夫研究-精神の架橋』
(単著)
(2002.7
●単著『日本中世仏教史料論』
(2008年、吉川弘文館)
●(単著)
『正倉院文書の世界』中央公論新社(中公新書)、2010年
●単著『日本中世仏教と東アジア世界』
(2012年、塙書房)
●(共著)
〈日本の歴史〉08『古代天皇制を考える』講談社、2001年(講談社学術文庫、2009年)
会へ情報発信するよう、指導する。
●『言葉の文明開化-継承と変容-』
(共著)
(2007.5
22
学術出版会)
日本図書センター)
学術出版会)
23
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
與那覇 潤
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
中島
准教授[よなは じゅん]
日本近現代史研究
日本近現代史 東アジア地域研究
東京大学大学院総合文化研究科
博士課程単位取得満期退学
博士(学術)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
茂
教授
[なかじま しげる]
日本地域研究
(博士前期)
、日本地域研究特講
(博士後期)
人文地理学 近代産業と近代都市の研究
関西大学大学院文学研究科
博士後期課程単位修得後満期退学
博士(文学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
明治期を中心に戦前の日琉関係を研究した後(業績欄①)、グローバルな視野の下に日本と東アジア
専門は人文地理学、特に経済地理学を中心領域としている。具体的には日本の近・現代における工
の歴史社会を位置づけるマクロ史的な関心を追求し(③)、現在はそのような歴史過程の下で生まれ
業化や工業地域の形成過程を地理学的に明らかにしようとする研究である。また、海外研究として、
た思想や表現に見られる、
「歴史体験」の表象を扱うメタヒストリー的な検討を主たる関心事として
西アジア(トルコ)から東欧(ハンガリー)にかけての地域研究を行っている。研究指導においては、
いる(②)。大学院教育にあたっては、原則として日本近現代史の研究を志す者を対象に、極めて少
経済地理に限定せず、社会経済、文化、歴史(近代)に関わる地域研究を対象とし、具体的な地域を対
人数での開講となる本学の特質を踏まえて、共通の文献講読に基づいた濃密な討論を中心において
象としたフィールドワークに基づく調査研究に対して、理論的、方法論的、資料学的な指導を行う。
いる。例えば三谷博編『東アジアの公論形成』
(東京大学出版会、2004)と趙景達『植民地期朝鮮の知
学生自身の主体的な調査研究の意志が前提となるため、研究テーマ、研究対象地域に関して、学生が
識人と民衆』
( 有志舎、2008)、成田龍一『近現代日本史と歴史学』
( 中公新書、2012)と駒込武『植民
目的意識を明確にしておく必要がある。授業名称は日本地域研究であるが、研究対象地域は特定の
地帝国日本の文化統合』
(岩波書店、1996)
といった組み合わせでの輪読を行ってきた。国籍を問わず、
地区、地方でもよく、日本全体でもよい。また、比較研究の意味から、アジア、ヨーロッパを中心に海
既成の枠組みに囚われない新たな歴史観を探求する意志と、一定水準以上の専門書に基づいて議論
外フィールドを対象としてもよい。ただし、その際には対象国の研究に支障のない範囲で学生自身
ができる日本語力とが、授業参加の前提となることに注意されたい。
による当該外国語の理解、使用が前提となる。
●『ナショナリズムと日本文化論―「文化」の境界を越えるために』2012
●『綿工業地域の形成』
(単著)、大明堂、2001年
●『翻訳の政治学
●『日本経済地理読本(第8版)』
(共著)、東洋経済新報社、2008年
●『帝国の残影
近代東アジア世界の形成と日琉関係の変容』岩波書店、2009
兵士・小津安二郎の昭和史』NTT 出版、2011
樋口 浩造
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
●『国境の歴史文化』
(共著)、清文堂、2012年
井戸
教授[ひぐち こうぞう]
日本思想史研究
日本思想史・文化理論
大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
修士
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
聡
准教授 [いど さとし]
日本社会研究
地域社会学 開発・環境・観光・地域文化
京都大学大学院文学研究科博士後期課程退学
博士(文学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
現在の関心:
地域社会の生活世界における社会文化的諸問題について研究を進めてきた。環境についての社会問
①靖国と招魂の思想史。
題(生活環境改変とそれへの対応)から始まり、観光(観光開発やそれによる地域社会変容)や地域文
②日本国内、また愛知県の戦争遺跡及び戦争記念館の調査。
化(伝統文化や民俗文化)などの関連する事項についてと研究対象の幅を拡げてきた。
③東アジア、特に中国の戦争の記憶表象に関する日中比較研究のための、調査及び資料収集。
地域社会研究にはいろいろな手法があるが、現場(フィールド)をたずね、そこから学ぶことが地域
これらのことを通じて、ナショナリズムに関する、フィールドワークと思想的テクストとの交差点
社会を知り、考える上で重要であるという立ち位置を確保しながら、どのような理解や思考が可能
に立脚した日本の戦後の思想史的考察を目指している。
であるかを試行錯誤しながら共に考えてゆきたいと考えている。
教育方針:大学院の授業では、思想的テクストの一次資料を読み進めることを基本にします。近現代
の思想史に関するものであれば、話し合って、洋の東西を問わず、できるだけ希望するもの、読み応
えのあるものを取り上げていきます。
●「ナショナリズムと日本文化論―「文化」の境界を越えるために」2012
●『「江戸」の系譜学―ナショナリズムの思想史』ぺりかん社
●「日本ナショナリズム批判ー帝国の時代の知の可能性として」
『季刊日本思想史』71
川畑 博昭
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
●「地域社会の共同性の創出―徳島県の環境問題の経験から―」
『ソシオロジ』43(3)1999
2009
●「リゾート期における村の選択―湖西の事例から―」
『観光と環境の社会学』新曜社、2003
2007
服部 亜由未
准教授[かわばた ひろあき]
日本法政治研究
比較憲法学・君主制と大統領制
名古屋大学大学院法学研究科
法律・政治学専攻単位取得退学
博士(法学)
■授業科目
■専門・専攻領域
■最終学歴
■学位
講師[はっとり あゆみ]
日本地域史研究
歴史地理学 近世・近代の地域史研究
産業化と生活環境研究
名古屋大学大学院環境学研究科
博士後期課程修了
博士(地理学)
研究内容・教育方針
研究内容・教育方針
授業担当者は、スペインとペルーおよびブラジルを中心とする南米を研究のフィールドに据え、法
近世・近代の産業を対象とし、地域の変容、様々な危機に対する産業従事者の対応について検討して
と政治の領域に跨る比較憲法学の見地から、大統領制あるいはその歴史的形態としての君主制を中
います。これまで北海道鰊漁業を対象とし、漁獲量の激減に対する地域や人々の対応を、経営帳簿・
心に研究を行ってきた。こうした比較研究は即座に日本研究へと直結するものではないが、外国研
漁夫名簿・日記等の史資料の分析や聞き取り調査をもとに研究してきました。また、織物業や農業
究から得られる相対的かつ比較的視点は、日本の憲法政治の本質に肉薄するために必要不可欠な研
についての検討も試みています。院生には、時間と空間の両視点から、地域を立体的に考えること
究手法の一つであり、自らの研究においても、このことを常に意識してきた。本演習においては、こ
ができるよう指導していきたいと考えています。なお、日本には、その土地もしくは遠く離れた結
うした担当者の専門を最大限に活用しつつも、演習の主軸は日本政治の基礎的知識の獲得に置かれ
びつきのある土地の歴史を伝える史資料が、各地に眠っています。それらを丁寧に読み解くことで、
ている。また、いわゆる日本政治の枠組みを成す憲法の制定過程や戦後日本政治の特徴といった実
新たな事実の発見にもつながります。GIS を用い、史資料から得られる情報を地図化し、分析するこ
態面と併せて、理論的基礎力の習得を目指している。そして、受講者がこれまでにある程度の知識
とも一つの方法です。フィールドワークを重視し、各地に残っている史資料を探し、そこから見い
を得ていることがらについては、外国語文献を取り入れ精読することを試みるが、これは、対象の内
だされる新たな地域像を、一緒に読み解いていきたいと思います。
在的把握を豊富にし、かつ充実化するものとして位置づけられる。
●『古地図で楽しむなごや今昔』
(共著)風媒社、2014年
●川畑博昭『共和制憲法原理のなかの大統領中心主義―ペルーにおけるその限界と可能性―』
(日本評論社、2013年)
●川畑博昭「
『神』を宿す『天皇制国民主権』の現在-『日本スペイン交流400周年比較憲法セミナー』に際して考えた君
主制論」
『愛知県立大学大学院国際文化研究科論集(日本文化専攻編)』第15号(日本文化専攻編第5号)、
(2014年)
●川畑博昭「ペルー共和国憲法史と日本国憲法」歴史科学協議会編『歴史評論』
(2014年6月号)
●『ネイチャー・アンド・ソサエティ研究
資源と生業の地理学』
(共著)海青社、2013年
●『歴史と環境―歴史地理学の可能性を探る』
(共著)花書院、2012年
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愛知県立大学
AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY
〒480-1198(個別郵便番号)愛知県長久手市茨ケ廻間1522番3
TEL. 0561-76-8824 FAX. 0561-64-1105 http://www.aichi-pu.ac.jp/