銀幕をもう一度 秋田県 ほのぼの苑 イトウ 介護士 伊藤 長谷川 リョウコ 良子 絵美 後藤 宙史 【はじめに】 開設時から様々な工夫を凝らし、行事やレクリエー ションを実施してきた。入所者の生活意欲を引き出す ため、また離床運動の一貫として、平成9年12月より当 施設内に巨大スクリーン(6m×6m)を設置し、映画 館のような迫力のある映像を入所者へ提供している。 そこで、今回私達は、当施設内での映画上映について アンケート調査を行い検討したので報告する。 【対象と方法】 聞き取り調査可能な入所者50例を対象とした。性別 は男性5例、女性45例である。平均年齢は80歳(男性 76歳、女性81歳)である。方法は、独自のアンケート 用紙を基に聞き取り調査を行った。 【結果】 映写会を毎回楽しみにしている方は、全体の88%と 圧倒的な割合を占め、なぜ楽しいかという質問に対し ては、映像が大きいので見やすい、迫力がある、昔を 思い出す(昔、映画は見たことがあるが、贅沢なもの であったため見ることができて嬉しい)との回答が得 られた。反面、12%の方々は楽しく鑑賞できないと答 えた。その内訳は、時間が長い、腰やお尻が痛いなど であった。今後どの様なものを見たいかとの質問に対 し 、 時 代 劇 40 % 、 お 笑 い ( 落 語 含 む ) 26 % 、 戦 争 18%、西部劇10%であった。少数派意見として、ロマ ンや教養のあるもの、自分が若かった頃の映画、自分 自身の実写があげられた。 【考察】 老健におけるレクリエーションは、機能維持・回復 のみならず、精神面への刺激、ストレス解消、入所者 同士の交流などの効果は大きい。今回当苑における巨 大スクリーンによる映画鑑賞についてのアンケート調 査を実施した。その結果、満足している人が多かった が、幾つかの改善点も指摘された。長時間の上映の 際、同一姿勢による苦痛や多くの人の希望に沿う映画 が仲々ないなどである。今後は、この点を改善し、入 所者の心のゆとりや入所者同士の共通となる話題提供 を目指し、上映を続けたいと考えている。 【まとめ】 1. 映写会に対するアンケート調査を行い検討した。 2. 巨大スクリーンによる映画鑑賞に対する関心度は比 較的高かった。 3. 映画鑑賞は、入所者の心のゆとりや入所者同士の共 通の話題提供に有用である。 4. 今後は、入所者の心像を十分に理解した上で改善し ていきたい
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