一般演題1-1 - 日本高気圧環境・潜水医学会

日本高気圧環境・潜水医学会雑誌
一般演題1-1
頚髄症における指巧緻運動障害に対する高
気圧酸素療法の効果
-指把握・伸展10秒間テストと手体積評価
を用いて-
加藤 剛1) 柳下和慶2) 結城 新1, 2)
外川誠一郎2) 大川 淳1)
1) 東京医科歯科大学整形外科
2) 東京医科歯科大学高気圧治療部
【はじめに】われわれは,脊髄神経疾患の腰部脊柱管
狭窄症(LCS)
に対する高気圧酸素療法(HBO)
が,保
存療法の一つとして有効であることを報告してきた 1)。
頚椎症性脊髄症(CSM)
,頚椎後縦靭帯骨化症(C-
OPLL)
,頚椎椎間板ヘルニア(CDH)などによる頚
髄症も整形外科領域で多くみられる疾患であり,これ
ら頚椎疾患に対する保存療法としてもHBOを行ってき
た。神経根症による上肢痛しびれの改善はみられる
ものの,脊髄症や術後の遺残症状に対しては,VAS
の評価でも日本整形外科学会頚髄症治療成績判定基
準
(CJOAスコア)
においても改善が認められなかった。
そこで,今回手指巧緻運動障害の評価を通じ,頚髄
症に対するHBOの有効性について検討した。
【対象】対象は 2008年 9月から2010年 3月までに当大
学整形外科にて頚髄症の診断で,術前保存療法と
してHBOを実施した10例 20手指,男 8例女 2例(平
図1
図2
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Vol.45( 4 ), Dec, 2010
均 年 齢 61.5歳 ), 疾 患はCSM2例,C-OPLL1例,
CDH2例,頚椎術後 5例であった。また,対照群とし
てLCSにてHBOを行った 5例 10手指,男 3例女 2例
(平均年齢 64.5歳)に同様の評価を行った。
【方法】HBOは 2.5絶対気圧(途中から2.8気圧のプロ
トコールへ変更)で 60分間の純酸素吸入を,原則週
に 3回以上,10回あるいは 1カ月を1クールとして行っ
た。HBO施行直前と直後に手指 10秒テスト,すなわ
ち10秒間に手指の把握,伸展動作を何回行えるかと
いう検査と,両手の体積をそれぞれ1手につき2回ず
つ測定し平均値を取り,CJOAスコアの変化とともに
推移を評価した。統計学的にはStudentのt-testを用
い危険率を5%とした。
【結果】初回開始前の平均JOAスコアは,頚髄症群で
11.5点(満点 17点),対照群は16.2点であった。初回
実施前後での10秒テストは,頚髄症群では 2.4回増
加で有意差なく,体積は 21.6mL減少で有意差を認
めた。最終時点(平均実施回数 9.4回)でのJOAスコ
アは 12.2点と有意差ないものの,10秒テストは 5.2回
増加,体積は24.6mL減少で開始前と有意差を認めた
(図1,2)。なお対照群ではいずれの評価項目も統計
学的有意差を認めなかった。
【考察】脊 髄神経疾 患に対する高気圧酸素療法が,
保存療法の一つとなりうるか,これまで検討を重ねて
きた。頚部神経根症に対するHBOの効果はあり,神
経根の炎症あるいは浮腫に対する効果があることが
推測できる。しかし,脊髄症についてはいかがであろ
うか。脊髄に対する圧迫性病変の改善,血流増加や
浮腫の改善は脊髄レベルでは厳しいのかもしれない,
というのがこれまでの研究の結果である。
頚髄症の一つの特徴的な症状として,ミエロパチ
ーハンドはその代表的臨床徴候であり,A)尺側の1な
いし3指の内転が障害され,さらに進行すると伸展も
障害された状態,B)手指の素早い把握動作とその解
除が行えなくなる状態,と定義される。我々はミエロ
パチーハンドの原因に手指の浮腫の可能性もあると考
えている。
HBOの効果として腫脹の軽減があり,外傷やスポ
ーツ障害に対する治療として確立されてきている 2)。
本研究にて,HBO治療により頚髄症患者の手指体積
の有意な減少と10秒テストでの改善傾向が見られたこ
とより,脊髄レベルでの効果よりも頚髄症の症状とし
て手指の浮腫がありその状態を改善させる目的での
保存的治療としてHBOの有効性が想定できた。
今後さらに症例を増やして検討を重ねていきたいと
考えている。
【参考文献】
1 )加藤剛ほか.高気圧酸素療法による腰部脊柱管狭窄症
の保存療法.J. of Spine Research. 1242-1247. Vol 1.
No.7. 2010.
2 )柳 下和慶ほか.高気圧酸素治療とスポーツ軟部外傷に
対する適応および現況.日本臨床スポーツ医学会誌.
413-421. 17( 3 ). 2009.
第 45 回日本高気圧環境・潜水医学会学術総会 プロシーディング
一般演題1-2
頭部外傷後遷延性意識障害患者に対する高
気圧酸素療法の検討
本田千穂1) 萬代眞哉1) 吉田英統 2)
谷野雅昭1) 梶谷伸顕1) 衣笠和孜1)
井上のぞみ1) 清水康子1) 1) 自動車事故対策機構 岡山療護センター
2) 国立病院機構 南岡山医療センター
【はじめに】当院は交通事故による頭部外傷後の遷延
性意識障害患者の治療目的の病院であり,入院患者
に対して,リハビリテーション,ヒルトニンⓇなどの薬
物療法に加えて高気圧酸素療法(HBO)を施行して
いる1)。遷延性意識障害に対しては様々な治療法が
考案されているが,その治療適応や効果のエビデン
スは確立されていない 2)。今回,当院でHBOを施行
した患者のカルテ記録を後方視的に評価し,HBOの
効果との関連性を検討した。
【方法】
HBOは第一種高気圧酸素治療装置(セクリス
ト2800J)を使用し,1日1回100%酸素,2絶対気圧で
60分間・10日間を1クールとして通常 1~3クール実施
した。意識障害の重症度は遷延性意識障害度評価
3)
表(NASVAスコア)
を用いて評価し,入院 1年後の
NASVAスコアの改善点数を従属変数,性別,受傷
時年齢,受傷から入院までの期間,入院時NASVA
スコア点数,HBO試行回数,開頭術の有無,水頭症
に対する髄液シャント術の有無,抗痙攣薬使用の有
無,筋弛緩薬・向精神薬使用の有無,気管切開の有
無,経口摂取の有無,拘縮の有無,不随意運動の有
無を独立変数として重回帰分析を行った。NASVAス
コアは,運動機能,摂食機能,排泄機能,認知機能,
表1 有意差を認めた項目
表 2 筋弛緩薬等使用および髄液シャントとNASVA
スコアの改善得点
発声・発語機能,口頭命令の理解の 6項目について,
障害の程度を最重度の10点から9点,7点,5点,0点の
5段階で評価したもので,高得点ほど重症である。
【結果】対象は 2003年から2009年まで当院に入院し
HBOを行った70名(男 43名,女 27名)で,受傷時年
齢は平均 37.7歳(6−77歳)
,受傷から入院までの期
間は平均 9.2ヶ月(2− 64ヶ月)
,入院時NASVAスコ
ア平均 47.6点(21− 60点)であった。HBOは平均 2.5
クール(1クール13名,2クール14名,3クール37名,4ク
ール4名,5クール2名)
施行した。重回帰分析の結果,
NASVAスコアの改善点数と有意な相関を認めたもの
は,受傷時年齢(β=- 0.367)
,受傷から入院までの
期間(β=- 0.239)
,筋弛緩薬・向精神薬使用の有無
(β=- 0.353)
,髄液シャント術の有無(β=- 0.325)
であった(表 1)。筋弛緩薬・向精神薬使用群(41名,
7.0点改善)と非使用群(29名,12.8点改善)
,および
髄液シャントあり群(28名,6.7点改善)
となし群(42名,
11.2点改善)
では改善点数に有意な差を認めた
(表 2)。
一方,入院時NASVAスコア点数およびHBO施行回
数は改善点数と有意な相関を示さず,HBO試行回数ご
との5群間で改善点数に有意な差はなかった(図1)。
図 1 HBO 施行回数とNASVA スコアの比較
【考察】遷延性意識障害に対するHBOは,受傷時年
齢が低く,治療導入までが短期間で,筋弛緩薬・向
精神薬を使用しておらず,髄液シャント術を行ってい
ない患者でより有効であることが示唆された。入院時
NASVAスコア点数と改善点数には有意な相関はみら
れず,スコア点数の高い例でも改善が得られる可能
性があり,重症例に対しても治療適応はあると考えら
れた。HBO施行回数が改善点数と有意な相関を示さ
なかったのは,改善の少ない症例に多数回施行する
傾向があったためと思われるが,適切な施行回数に
ついてはさらに検討が必要である。
文献
1 )井上治,他:高気圧酸素療法(hyperbaric oxygen therapy,
HBO)における適応疾患の見直しと再編−特に国内の
臨床報告と基礎研究及び国外のランダム化比較試験な
どからの提案−,日本高気圧環境・潜水医学会,2009;
Committee Report
2 )Clinical Neuroscience 2008; 26:662-679. 中外医学社
3 )療護センター統一スコア(ナスバスコア),自動車事故対
策機構ホームページ( http://www.nasva.go.jp)
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日本高気圧環境・潜水医学会雑誌
一般演題1-3
虚血脳に対する高気圧酸素治療
Vol.45( 4 ), Dec, 2010
頭 部MRAで左 内 頚 動 脈 の 描出なく, 左MCAは
Acomを介して描出されていたが,狭窄あり(図1-A)。
しかし,MRIでは右視床を含め陳旧性ラクナの散在あ
三谷昌光 八木博司
特定医療法人 八木厚生会 八木病院
るも,新鮮病変なし。左内頚動脈は頸部分岐部より
急性閉塞していたが,その原因は不明。
A. 入院時
右片麻痺・構音障害・失語症で発症した急性左内
頚動脈閉塞の 88歳,男性で,ラジカット,ウロキナ
ーゼで治療開始するも,症状が変動するので高気圧
酸素治療(HBOT)を追加した。これにより症状は著
明に改善し,左内頚動脈閉塞も再開通し,脳梗塞巣
も出現しなかった。このように急性期に症状の変動
するような脳虚血の症例には高気圧酸素治療は威力
を発揮すると考える。
脳梗塞が保険上高気圧酸素治療の救急的適応疾
患から非救急的適応疾患となった事,脳卒中治療ガ
イドラインで「脳梗塞急性期患者に対する高気圧酸
素治療の効果には,十分な科学的根拠はない(グレ
ードC1=行うことを考慮しても良いが,十分な科学的
根拠がない)。」とされた事,t-PA療法が保険適応にな
B. 急性期治療後
った事等により,脳梗塞に対する高気圧酸素治療の
出番が少なくなってきた。脳梗塞治療では可逆的虚
血部位であるペナンブラを如何に救えるかが重要とな
る。高気圧酸素治療は大量の溶解酸素を虚血に陥っ
たペナンブラへ供給し,理論上大変有効と期待され
る。これを実感させるような症例を経験したので報告
する。
【症例】88歳,男性。
3年前,右視床梗塞による左片麻痺に対し入院に
て急性期治療,プレタールの開始,リハビリを行った。
運動麻痺は速やかに消失したが,軽度の左手の痺れ
感が残った。 ADLに問題なく,以後通院加療を行っ
ていたが,5か月後心不全で他院入院し,抗血小板薬
は中止されていた。
H22.7.4 昼食後 1:30頃言葉が出にくくなり,呂律
入院にて脳梗塞急性期治療(ラジカット,ウロキナー
が回らず,右手に力が入らなくなった。症状幾分軽く
ゼ,プレタール)
開始。当初,症状の変動があり,2日目
なるも心配で,当院受診。 軽度の構音障害・右不全
よりHBOTを追加し,症状は徐々に改善した。HBOT
片麻痺(握力 右 28.5/左 32 kg)を認め,NIHSS 2点。
は計14回行った。左内頚動脈は奇跡的に開通した(図
BP 141/82 mmHg,PR 72/分,整で,ECG,Holter
1-B)。脳梗塞巣の出現なく,
7.28自宅退院した。
ECGで,心房細動なし。心エコーでも心房内血栓な
く,NT- proBNP 1749 pg/ml。
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図 1 頭部 MRA 検査
急性期に症状の変動するような脳虚血の症例には
高気圧酸素治療は威力を発揮すると考える。
第 45 回日本高気圧環境・潜水医学会学術総会 プロシーディング
一般演題1-4
脳梗塞後の高次脳機能障害に対し,リハビ
リテーションと高気圧酸素療法(HBO)を併
用した一症例について
の臨床所見をリハビリ職員が詳細に観察・記録した。
それによると高次脳機能障害の病状は,添付の臨
床症状の変化表のごとく,最初の認定規準「第 2級 1
号」
(随時介護・看護を要するものに相当)から,HBO
の施行回数とともに徐々に減少し,最後(19回目)の
1)
2)
3)
横田晃和 藤原賢次郎 石田 勝
4)
HBO後には物品や行動などの認知・理解が約 60 ~
1)
70%,文字・短文の読み書きが50 ~ 60%可能,硬貨
1) 社会医療法人 里仁会 興生総合病院 高気圧酸素治療部
の識別が出来,何とか独りでも買物に外出できる状
2) 社会医療法人 里仁会 興生総合病院 脳神経外科医長
態になるなど,認定規準「第 7級 4号」
(軽易な労働に
3) 社会医療法人 里仁会 興生総合病院 リハビリテーション科科長
しか服し得ない)に改善した。
大森 繁 藤原恒弘
4) 社会医療法人 里仁会 興生総合病院 高気圧酸素治療部技師長
このように高次脳機能障害の症状は,臨床的に比
較的速い改善が見られ,結論として,リハビリによる
最 近われわれは,脳梗 塞 後の高 次 脳 機 能 障 害
に対し,リハビリテーションとともに高気圧酸素療法
(HBO)を併用し,臨床症状の改善をみた症例を経験
したので報告する。
体力の回復と自然治癒に加えて,HBOも高次脳機能
障害の改善には有効であったと思われる。
参考文献
ヨネツボ行政書士法人:後遺障害と等級認定,目に見に
患者は 74才男性,動脈硬化(ASO)性高血圧あり。
両下肢の血流障害に対する手術治療直後に左後頭
くい後遺障害「高次脳機能障害」http://www.yonetsubo.
or.jp/authorize06_01.html
葉内に脳梗塞を発症し,脳神経外科病院で保存的
治療を受けたが「高次脳機能障害」が残存したので当
院に紹介され,HBOの併用治療を開始した。
HBOは,第Ⅱ種高気圧タンク内で,空気加圧(2
気圧)下に100% O2,10l/min. をリザーバーバッグ付
き顔マスクで 60分間吸入とし,約 1カ月間に亘り19回
実施した。その期間中,高次脳機能障害の回復過程
本症例における高次脳機能障害の臨床症状の変化表
(リハビリテーション科職員による運動機能評価記録より)
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日本高気圧環境・潜水医学会雑誌
Vol.45( 4 ), Dec, 2010
一般演題1-5
第1種治療装置における重症意識障害患者
の声掛け反応に対するECG周波数スペクト
ル解析法の検討
右田平八1) 丹下佳洋1) 砂子澤裕1) 竹澤真吾1) 西手芳明2) 中村太郎3)
1) 九州保健福祉大学 保健科学部 臨床工学科
2) 近畿大学 生物理工学部 医用工学科
3) 恵愛会 大分中村病院 整形外科
【目的】循環系指標で観察されるゆらぎ現象を周波数
に分けて分析するスペクトル解析法 1) が確立され,心
臓の交感・副交感神経活動や末梢血管での交感神経
活動の評価 2) が非侵襲的に行えるようになったが,高
気圧酸素環境下で施行した報告は殆どない。我々
は,有限長離散時系列データ解析ソフトを用いて重症
意識障害患者のECG波形からスペクトル解析を行い,
聴覚反応のパラメータとして使用が可能であるかを検
討した。
【対象及び方法】
対象はCVA術後の重症意識障害患者
(GCS:3 ~ 5点)を対象にECGモニタ波形をサンプリ
ングした。ECGモニタはBSM-8502(日本光電社製)
とDS-7110(フクダ電子社製)を使用し,解析用PCの
入力にはECG導出ラインから入力用ケーブルを作製し
た(図 1)。データ解析ソフトは「MemCalc/Tarawa」
(GMS社製)を用いて治療ステージ全般で測定し,聴
覚確認に声掛け(呼名)を行い自律神経系の反応とし
て低周波成分
(LF:0.04-0.15Hz)と高周波成分(HF:
0.15-0.4Hz)
,及びLF/HF比を算出し,周波数帯強度
を両対数で解析した。
図 1 HBO 装置からの ECG 波形サンプリング図
【結果】測定項目の心拍数,エントロピー
(8拍)
,
LF,
HF,
LF/HF,傾き,
ULF,
VLFのうち,呼名に反応したもの
は直後からLF,
HF,
LF/HFが著明に変化し,呼名を止
めると前値レベルに復帰した(図 2)。また呼名に反
応しなかった症例は加圧,減圧時にも数値の変動が
見られなかった。
194
図 2 呼名に対するパラメータ変化の結果(自律神経系)
【考察】
HBO中の意識状態確認には,
GCSやABR(聴
性脳幹反射)
の判定で評価されるが脳幹反応である聴
覚に自律神経系をパラメータとした例は少ない。今回
のデータではABR判定が反応(-)評価であったが,連
続的なスペクトル解析法では顕著に呼名反応と思われ
る変化を示した。時系列のスペクトル解析理論3) では,
副交感神経は周波数の高いR-R’間隔の変動を伝達
できるが,交感神経は 0.15Hz以上のR-R’間隔変動を
伝達できないと考えられ,その結果,
LF成分は交感神
経と副交感神経の両者によって媒介されるが,
HF成分
は純粋に交感神経によって媒介されるので,
LF は交
感神経機能と一部の副交感神経機能を反映し,
HF は
ほとんど副交感神経機能を反映している。重症意識
障害患者(GCS:3 ~ 5点)のデータからABRでは判定
されない自律神経作用が確認された。また,
LF/HF
比は交感神経系の指標に用いられていることから,呼
名によって刺激を受け交感神経の上昇と副交感神経
の下降がみられ,自律神経系での呼名反応が示唆さ
れた。重症意識障害患者の声掛けによる聴覚反応を
測定した結果,
HFが変動してリアルタイムにLFとLF/
HFが亢進することが確認されたことで聴覚反応が起
きていると考えられた。今後,
HBO下で自律神経系の
測定を行う場合には,非侵襲的測定法としてECGス
ペクトル解析法が検討される。
【結語】重症意識障害の脳幹反応である聴覚を自律
神経系パラメータとして測定が可能であった。時系列
データの変動特性のスペクトル解析法がHBO下でも
使用が可能であった。
【文献】
1 )細田嵯一監修,笠貫宏,大友詔雄編,生体時系列データ
解析の新展開,北海道大学図書刊行会,1996 年
2 )Task Force of the European Society of Cardiology and the
North American Society of Pacing and Electrophysiology:
Heart rate variability:standards of measurement,
physiological interpretation and clinical use, Circulation,
Vol. 93, pp. 1043-1065, 1996.
3 )常盤野和男,大友詔雄,田中幸雄最大エントロピー法に
よる時系列解析 MemCalc の理論と実際,北海道大学図
書刊行会,2002 年