生物採点基準

第 2 回 11 月阪大本番レベル模試
生物採点基準
【統一事項】
※誤字があった場合は,赤で訂正する
1.空欄補充等の記述式で用語・単語を答えさす問題について
(1)1 文字でも漢字(アルファベット)の誤字がある場合→0 点
(2)ひらがなで書いてある場合→点を与える
2.論述式の問題について
(1)生物用語についての漢字(アルファベット)の誤字がある場合→2 カ所以上で-1点
(2)一般用語の誤字がある場合→原則として減点はしないが,数によっては適宜減点す
る
(3)字数について
・5 字以内の字数オーバー→減点はしない(赤でコメント入れる)
・6 字以上の字数オーバー→-1 点(赤でコメント入れる)
・字数が指定より極端に少ない場合→内容に応じて部分点を与える
(4)設問文中の指定用語が使用されていない場合→用語 1 語につき適宜減点する
3. 選択肢(番号で解答する問題)
(1) 解答数の支持がある場合(
「…1つ選べ」,
「…2つ選べ。ただし,…」など)
ア.指示された数よりも解答数の多い場合→正解を含んでいても0点
『…2 つ選べ。
』
(aとcが正解)となっているのに解答が 3 つならば
例
→ 『a,b,c』として,0 点
イ.指示された数以内の解答の場合→正解があればそれに応じて点を与える。
『…2 つ選べ。
』(aとcが正解「各 1 点 計 2 点」)となっているのに解答が 1
例
つならば → 『a』として, 1 点与える。
例
『…2 つ選べ。
』(aとcが正解「完全解答
2点」)となっているのに解答が 1
つならば → 『a』として, 0点とする。
(2) 解答数の指示がない場合(
「…すべて選べ」など)
ア.解答数が正解数と同じか,正解数より少ない場合→正解に応じて点を与える。
例
正解数が 3 つ(a,c,dが正解「各 1 点 計3点」)の場合に,解答が 2 なら
ば→ 『a,b』として,1点与える。
イ.解答数が正解数より多い場合→正解数以上の解答1つにつき,0 点まで 1 点減点
する。
例
正解数が2つ(a,cが正解「各1点 計2点」)の場合に,解答が3つならば
→ 『a,b,c』として,1点減点して1点与える。
例
正解数が2つ(a,cが正解「各1点 計2点」)の場合に,解答が5つならば
→ 『a,b,c,d,e』として,2点減点して0点とする。
〔1〕
【解答例】
【配点】25 点
問1 染色体説
1点
問2 (1) 独立の法則
1点
(2) 2対の対立遺伝子はたがいに影響することなく,
2点
独立して配偶子に分配される。(35字)
7
1点
問4 (1) ZW型
1点
問3
(2) 29:1:1:9
2点
(3) 2:1:1:0
2点
問5 (1) (オ)
(2) 雌
2点
+y +v +ct
(3) (ア) 29%
雄
(イ) 13%
y v ct
2点×2=4点
(ウ) 20%
2点×3=6点
(4)
3点
【採点基準】
問1 解答例以外不可。
問2 (1) 「染色体学説」「遺伝学的染色体説」は可。
(2) 部分点なし。
「2 対の対立遺伝子が独立して生殖細胞に分配される」の内容で可。
問3 解答例以外不可。
問4 (1)~(3) 解答例以外不可。
問5 (1) 解答例以外不可。
(2) 雌 Ty Vv CTct は訂正して可。雌 X+++Xyvct
雄
XyvctY は可。
(3) 「%」はなくても可。
(4) 遺伝子の並びは逆でも可。y-v 間の組換え価を記入しているものは不問とする。
遺伝子の並びが正しくて,y-ct 間または ct-y 間の数値が異なるもの,または数
値が記載されていないものは1点。
〔2〕
【解答例】
【配点】25 点
問1 ア:光周性
イ:限界暗期
ウ:中性植物
問2 ②・⑥
問3 エ:葉
1点×3=3点
3点(完答)
オ:師部(師管)
2点×2=4点
環状除皮を行わずに,環状除皮以外の条件は実験1と同じ
4点
実験を行い,Bで花芽が形成されればよい。(46 字)
問4 カ: Hd3a mRNA
キ:短日
ク:茎頂(茎頂分裂組織)
1点×5=5点
ケ:タンパク質Hd3a
コ:維管束
問5 短日条件下では,長日条件下に比べて暗期に Hd1 mRNA の合成 6点
速度が大きいので,転写調節因子 Hd1 が十分蓄積され,遺伝子
Hd3a の転写が促進されて,花芽形成が起こる。(82 字)
【採点基準】
問1 ア「光周期性」は可。ウ「中日性植物」は可。
問3 論述:「環状除皮を行わず,他の条件は実験1と同じ実験を行う」の内容で2点。
上記が書けた上で,「Bで花芽が形成される」の内容で2点。
問4 カ「mRNA」・ケ「タンパク質」は訂正して可。ケ「フロリゲン」は可。
問5 「短日条件下では,長日条件下に比べて暗期に Hd1 mRNA の合成速度が大きい」
または,「短日条件下では,長日条件下に比べて Hd1 mRNA の合成速度が大きい時
間が長い」の内容で2点。「転写調節因子 Hd1 が十分蓄積される」の内容で2点。
「遺伝子 Hd3a の転写が促進されて,花芽形成が起こる」の内容で2点。
〔3〕
【解答例】
【配点】25 点
問1 ア:調節卵
イ:遅
ウ:早
問2 卵割は,細胞周期が短く,分裂後に割球が成長せず,初期には
1点×3=3点
3点
同調して分裂する。(37 字)
問3 ②・④
3点(完答)
問4 動物極と植物極を通る面で二分した場合には,卵核がない卵片
4点
も正常に発生するので,ウニ卵の発生には卵核は必要ではないが
精核は必要である。また,赤道面で二分した場合には,いずれの
卵片からも不完全な胚が形成されるため,正常な発生には,動物
極側と植物極側の両方の細胞質が必要である。(136 字)
問5 赤卵片からの筋肉や内胚葉の分化には,黒卵片に含まれる
3点
mRNA と細胞質の両方が必要である。(44 字)
問6 (1) 融合タンパク質GFP-Gro のGro の部分にタンパク質Pem
2点
が結合したもの。
(2) タンパク質Gro は,タンパク質Pem のWRPW シグナルを 3点
認識して結合し,タンパク質Pem とともにDNA に結合して
転写を抑制する。(64 字)
(3) タンパク質Pem は,始原生殖細胞が生じるまで体細胞に
4点
特有の遺伝子の発現を抑制することで割球の分化を抑制して
いるが,原腸胚期以後は生殖細胞に特有の遺伝子の発現が必
要になるので,始原生殖細胞には入らない。(100 字)
【採点基準】
問1 ア「調整卵」は可。
問2 「細胞周期が短い」または「分裂速度が速い」の内容で1点。
「割球が成長しない」または「分裂ごとに割球が小さくなる」の内容で1点。
「分裂が同調する」の内容で1点。
「間期がない」「成長する前に分裂する」は不問として減点はしない。
問4 「ウニ卵の発生には卵核は必要ではない」の結論で1点。さらに「動物極と植物極
を通る面で二分した場合には,卵核がない卵片も正常に発生する」の理由で1点。
「正常な発生には,動物極側と植物極側の両方の細胞質が必要である」の結論で1点。
「赤道面で二分した場合には,いずれの卵片からも不完全な胚が形成される」の理由
で1点。結論が誤り,またはできていない場合には点を与えない。
問5 部分点なし。不適切な表現は適時減点する。
問6 (1) 部分点なし。「Gro の部分」がなくても可。
(2) 「タンパク質 Gro は,タンパク質 Pem の WRPW シグナルを認識して結合
する」の内容で2点。WRPW シグナルに言及していないものは1点減点。「タ
ンパク質 Pem とともに DNA に結合して転写を抑制する」の内容で1点。
(3) 「タンパク質 Pem は,始原生殖細胞が生じるまで体細胞に特有の遺伝子の発
現を抑制することで割球の分化を抑制している」の内容で2点。
「原腸胚期以後は生殖細胞に特有の遺伝子の発現が必要になるので,始原生殖細
胞には入らない」の内容で2点。
〔4〕
【解答例】
問1 ア:マクロファージ
【配点】25 点
イ:食
問2 マクロファージからの抗原提示を受けて抗原を認識した
1点×2=2点
4点
ヘルパーT 細胞が,特定のB 細胞を活性化させ,B 細胞は
増殖して抗体産生細胞に分化し,提示された抗原に対して
特異的な抗体を産生する。(89 字)
問3 (1)
3点
(2) 一次応答の際に増殖したB 細胞の一部は記憶細胞として体内に
4点
残り,2度目の抗原侵入時には1度目より多くのB 細胞が抗体産生
細胞に急速に分化し,多量の抗体を急速に産生する。(82字)
問4 抗体は細胞内に入らないので,細胞内に侵入したウイルスは
3点
排除できないが,ウイルスに感染した細胞はキラーT 細胞で除去
できる。(60 字)
問5 ⑥
3点
問6 25%
3点
問7 0%
3点
【採点基準】
問1 ア「樹状細胞」は訂正して可。
問2 「T 細胞がマクロファージから抗原提示を受ける」の内容で1点。
「T 細胞が特定の B 細胞を活性化させる」の内容で1点。「特定の」の内容がないも
のは点を与えない。
「B 細胞が抗体産生細胞に分化する」の内容で1点。抗体産生細胞を「プラズマ細胞」
「形質細胞」としたものも可。
「抗原に対して特異的な抗体を産生する」の内容で1点。
問3 (1) 抗原 A に対する一次応答のグラフは,抗原 B に対する一次応答と同じ形であ
ること。一次応答が描かれていないものは不可。一次応答と二次応答がつながっ
ていないものは訂正して可。抗原 A に対する一次応答で1点。答のグラフは一
次応答よりも傾きが大きく最大値も大きいこと(下線部各1点)。ピーク後のグラ
フの減衰の程度は不問とする。
(2) 「一次応答で増殖した B 細胞の一部は記憶細胞として残る」の内容で2点。
「一部」がないものは1点減点。
「2度目の抗原侵入時には1度目より多くの B 細胞が抗体産生細胞に急速に分
化し,多量の抗体を急速に産生する」の内容で2点。「多量」「急速」のうち片
方しか述べていないものは1点減点。
問4 「抗体は細胞内に入らない」または「抗体は細胞膜を透過しない」の内容で1点。
「細胞内のウイルスは排除できない」または「ウイルスは細胞内で増殖する」の内容
で1点。
「ウイルスに感染した細胞はキラーT 細胞で除去できる」の内容で1点(キラーT 細
胞が「細胞」を除去または攻撃するという表現を必須とする)。