ハム・ソーセージ類の表示に関する公正競争規約 概要 消費者の高級志向、本物志向、健康志向が高まるにつれて、ハム・ソーセー ジ 類 に 「 熟 成 」、「 ○ ○ 産 豚 肉 使 用 」 な ど と 、 製 品 の 特 徴 を 強 調 す る 表 示 が 目 立 つようになってきました。しかし、これらの用語については定義を明確にしな ければ、消費者に誤認を与えるおそれがあります。 そこで、ハム・ソーセージ類の業界では、表示の適正化を図るために、公正 取 引 委 員 会 の 認 定 を 受 け て 、 1992(平 成 4) 年 に 業 界 の 自 主 的 な ル ー ル を 設 定 致 しました。これが「ハム・ソーセージ類の表示に関する公正競争規約」です。 ○公正競争規約とは 「 不 当 景 品 類 及 び 不 当 表 示 防 止 法 」 第 12 条 の 規 定 に 基 づ き 、 事 業 者 ま た は 事業者団体が、消費者庁及び公正取引委員会の認定を受けて、景品(景品規 約)または表示(表示規約)に関する事項について自主的に設定する業界の ルールのことです。表示規約の目的は、商品の定義を明確にし表示の基準な どを設けることにより、消費者の正しい選択を保護するとともに、不当な表 示によって顧客を誘引することを防止して、業界の公正な競争を確保するこ とにあります。本規約は業界の自主規制機関である「ハム・ソーセージ類公 正取引協議会」によって運営されます。 ○公正取引協議会の会員 ハ ム ・ ソ ー セ ー ジ 類 公 正 取 引 協 議 会 の 会 員 資 格 は 、「 ハ ム ・ ソ ー セ ー ジ 類 を 製造して販売する事業者、ハム・ソーセージ類に自己の商標若しくは名称を 表示して販売する事業者並びに輸入して販売する事業者」となっています。 公正競争規約は公正取引協議会の会員に適用されますが、非会員(アウト サイダー)に対しては消費者庁及び公正取引委員会や都道府県により、公正 競争規約のルールを参考として法の規制が直接及びます。 ○他の法令とのかかわり ハム・ソーセージ類には、JAS法に基づく品質表示基準、食品衛生法、 健康増進法、計量法などで表示のルールが定められています。公正競争規約 ではこれらとの整合性をはかる形で表示のルールが決められています。 1 ハム・ソーセージ類の表示に関する公正競争規約 及び施行規則解説 1.目 的 ( 規 約 第 1 条 関 係 ) この規約は、不当景品類及び不当表示防止法に基づいてハム・ソーセージ類 の取引について行う表示に関する事項を定めることによって、不当に顧客を誘 引することを防止し、一般消費者が迷うことなく正しい商品選択ができるよう に適正な表示を行うことを目的としています。従って、製品の品質と表示事項 が一致していれば不当表示と判定される心配はありません。 2.対 象 品 目 ( 規 約 第 2 条 、 施 行 規 則 第 1 条 関 係 ) こ の 規 約 の 対 象 品 目 及 び 定 義 は 、施 行 規 則 第 1 条 の 別 表 に 定 め ら れ て い ま す 。 1つは、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS)に 基づくハム類、プレスハム、混合プレスハム、ソーセージ類、混合ソーセージ 類、ベーコン類です。それからもう1つはJASに基づくものではありません が 、一 般 に 流 通 販 売 さ れ て い る 無 塩 せ き ハ ム 、無 塩 せ き ベ ー コ ン 、焼 豚 、煮 豚 、 蒸豚、チョップドハム、ジャーキーです。そしてなおかつ容器又は包装に密封 されたものを対象品目としていますが、食品缶詰は除かれます。 3.対 象 事 業 者 ( 規 約 第 2 条 第 2 項 関 係 ) この規約で言う事業者とは、 ①ハム・ソーセージ類を製造する者、 ②自己の商標や名称を表示して販売する者 ③輸入して販売する輸入業者、 を対象としており、ただ単に販売する者は含まれません。 4.対 象 となる表 示 ( 規 約 第 2 条 第 3 項 関 係 ) この規約でいう表示とは、製品の包装容器の表示だけではなくて、各種広告 による表示手段がありますので、一般的に考えられる見本、パンフレット、ダ イレクトメール、ポスター、看板、アドバルーン、新聞、雑誌、放送、インタ ーネット、口頭等の広告などあらゆる表示がこの規約で規制されることになり ます。 5.必 要 表 示 事 項 ( 規 約 第 3 条 、 施 行 規 則 第 2 条 関 係 ) 容器又は包装の見やすい場所に邦文で次の事項を明瞭に表示しなければなら 2 ないこととされています。加工食品品質表示基準にもある一括表示事項は、加 工食品品質表示基準の規定に従い表示します。 ・名 称 …「 名 称 」(又 は「 品 名 」)の 文 字 の あ と に「 ロ ー ス ハ ム 」等 と 表 示 す る 。 ・食品添加物を含めた原材料名…使用量の多い順に記載する。 ただし、個別品質表示基準が定められているベーコン類、ハム類、プレス ハム、ソーセージ、混合プレスハム及び混合ソーセージ類の原材料表示の方 法は個別品質表示基準に従います。個別品質表示基準に定める原材料名の表 示方法の概要は次のとおりです。 ベーコン類: ①原料肉は、ベーコンにあっては「豚ばら肉」と記載する。 ②香辛料にあっては「香辛料」と、その他のものはその最も一般的な名称 を記載する。 ③食品添加物の表示は食品衛生法施行規則の規定に従い表示するが、栄養 強化の目的で使用される食品添加物はこの規定にかかわらず他の食品と 同様に記載する。 ハム類: ①原料肉は、ロースハムにあっては「豚ロース肉」と記載する。 ②「 食 塩 」、「 砂 糖 」、「 香 辛 料 」な ど と 、そ の 最 も 一 般 的 な 名 称 を 記 載 す る 。 ③ 使 用 し た 糖 類 が 2 種 類 以 上 の 場 合 は 、「 糖 類 ( 砂 糖 、 水 あ め )」 と 重 量 の 割合の多いものから順に記載する。 ④食品添加物の表示は食品衛生法施行規則の規定に従い表示するが、栄養 強化の目的で使用される食品添加物はこの規定にかかわらず他の食品添 加物と同様に記載する。 プレスハム: ① 肉 塊 は 「肉 塊( 豚 肉 、牛 肉 )」と 重 量 の 割 合 の 多 い も の か ら 順 に 記 載 す る 。 ② つ な ぎ は 「 つ な ぎ ( 豚 肉 、 牛 肉 、 で ん 粉 、 植 物 性 た ん 白 )」 と 重 量 の 割 合 の多いものから順に記載する。 ③でん粉、小麦粉及びコーンミールの含有率が3%を超える場合は「つな ぎ ( 豚 肉 、 牛 肉 、 で ん 粉 、 植 物 性 た ん 白 、 で ん 粉 含 有 率 5 % )」 と 記 載 す る。 ④肉塊、つなぎ及び食品添加物以外の原材料は、香辛料は「香辛料」と、 その他のものはその最も一般的な名称を記載する。 ⑤食品添加物の表示は食品衛生法施行規則の規定に従い表示するが、栄養 強化の目的で使用される食品添加物はこの規定にかかわらず他の食品添 加物と同様に記載する。 3 ソーセージ: ① 「 豚 肉 」、「 グ リ ン ピ ー ス 」、「 豚 脂 肪 」、「 で ん 粉 」、「 食 塩 」、「 砂 糖 」、「 香 辛料」などと、その最も一般的な名称を記載する。 ② 使 用 し た 畜 肉 、 種 も の 、 結 着 材 料 が 2 種 類 以 上 の 場 合 は 、「 畜 肉 ( 豚 肉 、 牛 肉 )」、「 種 も の ( グ リ ン ピ ー ス 、 パ プ リ カ )」、「 結 着 材 料 (で ん 粉 、 小 麦 粉 )」 と 重 量 の 割 合 の 多 い も の か ら 順 に 記 載 す る 。 ③ レ バ ー ソ ー セ ー ジ 、 レ バ ー ペ ー ス ト に 使 用 す る 肝 臓 は 「 肝 臓 ( 豚 、 牛 )」 と家畜等別の種類名を重量の割合の多いものから順に併記する。肝臓が 1種類の場合は「豚肝臓」などと記載する。 ④ 魚 肉 は 1 種 類 で あ っ て も 「 魚 肉 ( た ら )」 と 記 載 す る 。 ⑤食品添加物の表示は食品衛生法施行規則の規定に従い表示するが、栄養 強化の目的で使用される食品添加物はこの規定にかかわらず他の食品添 加物と同様に記載する。 混合プレスハム: ① 肉 塊 は 「肉 塊( 豚 肉 、牛 肉 )」と 重 量 の 割 合 の 多 い も の か ら 順 に 記 載 す る 。 ② つ な ぎ は 「 つ な ぎ ( 豚 肉 、 牛 肉 、 で ん 粉 、 植 物 性 た ん 白 )」 と 重 量 の 割 合 の多いものから順に記載する。 ③でん粉、小麦粉及びコーンミールの含有率が3%を超える場合は「つな ぎ (豚 肉 、牛 肉 、で ん 粉 、植 物 性 た ん 白 、で ん 粉 含 有 率 5% )」と 記 載 す る 。 ④肉塊、つなぎ及び食品添加物以外の原材料は、香辛料は「香辛料」と、 その他のものはその最も一般的な名称を記載する。 ⑤食品添加物の表示は食品衛生法施行規則の規定に従い表示するが、栄養 強化の目的で使用される食品添加物はこの規定にかかわらず他の食品と 同様に記載する。 混合ソーセージ: ① 「 豚 肉 」、「 グ リ ン ピ ー ス 」、「 豚 脂 肪 」、「 で ん 粉 」、「 食 塩 」、「 砂 糖 」、「 香 辛料」などと、その最も一般的な名称を記載する。 ② 使 用 し た 畜 肉 、 種 も の 、 結 着 材 料 が 2 種 類 以 上 の 場 合 は 、「 畜 肉 ( 豚 肉 、 牛 肉 )」、「 種 も の ( グ リ ン ピ ー ス 、 パ プ リ カ )」、「 結 着 材 料 (で ん 粉 、 小 麦 粉 )」 と 重 量 の 割 合 の 多 い も の か ら 順 に 記 載 す る 。 ③ 魚 肉 は 1 種 類 で あ っ て も 「 魚 肉 ( た ら )」 と 記 載 す る 。 ④食品添加物の表示は食品衛生法施行規則の規定に従い表示するが、栄養 強化の目的で使用される食品添加物はこの規定にかかわらず他の食品添 加物と同様に記載する。 ・ 内 容 量 … 内 容 量 は 、 そ の 文 字 の 後 に g (グ ラ ム )、 kg(キ ロ グ ラ ム )で 表 示 し ま 4 す。 ・賞味期限又は消費期限 表 示 の 方 法 は 、「 食 品 衛 生 法 に 基 づ く 表 示 に つ い て 」(平 成 21年 9月 17日 消 食 表 第 8号 各 都 道 府 県 知 事 ・ 各 保 健 所 設 置 市 、特 別 区 衛 生 主 管 部( 局 )長 宛 消 費 者 庁 次 長 通 知 )に 次 の よ う に 示 さ れ て い ま す の で 、 こ れ に 従 っ て 表 示 し ま す 。 食品衛生法に基づく表示について 〔別添1〕食品衛生法施行規則に基づく表示指導要領 2 各記載事項 (2 ) 消 費 期 限 又 は 賞 味 期 限 の 表 示 ① 消 費 期 限 又 は 賞 味 期 限( 以 下「 期 限 」と い う 。)で あ る 旨 の 文 字 を 冠 し た そ の 年 月 日 の 表 示 ( 以 下 「 期 限 表 示 」 と い う 。) は 、 当 該 期 限 で あ る こ とが明らかに判るように、年月日の前に当該期限である旨の文字を記載 する。 ただし、この表示が困難と認められる場合には、当該期限である旨の 文字を年月日の上下若しくは後ろ等に近接して記載し、又は「消費期限 ○○に記載」等記載箇所を指定する方法で、年月日を単独で記載しても 差し支えない。なお、年月日を単独で記載する場合においては、特に当 該年月日の前後又は上下に期限表示以外の日付を併記するなどの期限表 示 を 不 明 確 に す る 表 示 は 行 っ て は な ら な い 。( 後 段 省 略 ) ② 期 限 表 示 は 、「 消 費 期 限 平 成 21 年 9 月 1 日 」、「 賞 味 期 限 21.9.1 」、 「 消 費 期 限 21 . 09 . 01 」、「 賞 味 期 限 2009 年 9 月 1 日 」、「 消 費 期 限 09 . 4. 1 」、「 賞 味 期 限 09 . 04 . 01 」 の よ う に 記 載 す る こ と 。 た だ し 、 こ れ ら の 表 示 が 困 難 と 認 め ら れ る 場 合 は 「 消 費 期 限 210901 」、「 賞 味 期 限 090901 」 と 年 、 月 、 日 を そ れ ぞ れ 2 桁 ( 西 暦 年 の 場 合 は 末 尾 2 桁 ) とする6桁で記載しても差し支えない。 ③ (省略) ④ ロット番号、工場記号、その他の記号を期限表示に併記する場合にあ っては、次の例に示すように期限表示が明らかに判るように記載するこ と と し 、 期 限 表 示 に つ い て 「 950401 」 と 年 、 月 、 日 を そ れ ぞ れ 2 桁 と す る 6 桁 で の 記 載 を 行 い つ つ 、 ロ ッ ト 番 号 「 A 63 」 を 併 記 す る な ど の よ う に期限表示を不明確にする表示は行ってはならない。 ( 例 ) 「 消 費 期 限 平 成 21 年 9 月 1 日 A 63」 「 賞 味 期 限 21. 09. 01 L O T A 63」 「 賞 味 期 限 09. 9.1 / A 63」 ⑤ 製造又は加工の日から賞味期限までの期間が3月を超える場合であっ て、賞味期限である旨の文字を冠したその年月の表示をもってその年月 日の表示に代えるときは、その日の属する月の前月の年月を表示する。 た だ し 、賞 味 期 限 が 月 の 末 日 で あ る 場 合 に お い て は 、こ の 限 り で は な い 。 (例) 年月日を表示する場合 「 賞 味 期 限 21.9.10」 「 賞 味 期 限 21.9.30」 年月の表示をもってその年月日の表示に代える場合 「 賞 味 期 限 平 成 21 年 8 月 」 「 賞 味 期 限 平 成 21 年 9 月 」 ・事業者名及び住所 5 ・保存方法 ・輸入品にあっては、原産国名 ・施行規則第2条第8号に定めたプレスハム、混合プレスハム、チョップドハ ム、ソーセージ類にはでん粉含有率(加工でん粉を含む)を、加圧加熱殺菌 したソーセージについては殺菌方法を表示することを義務付けています。 なお、記載方法については、施行規則第2条に詳細に規定しておりますが、 「食品衛生法」及び「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」 による基準に従って定められております。 6.原 産 国 について誤 認 されるおそれがある国 産 品 の表 示( 規 約 第 3 条 第 2 項 、施 行 規則第2条第4項関係) 国産品であるにもかかわらず、外国の製品であると誤認させるおそれのある 表示の製品については、必ず「国産」である旨を主要部分に表示することとさ れています。この場合の主要部分とは、商品名などが書かれている商品の表の 部分を言います。なお、裏側の一括表示の部分は主要部分とはみなされており ません。 「 国 産 」で あ る 旨 の 表 示 に は「 国 産 」、「 日 本 製 」、「 日 本 で 製 造 し た 製 品 で す 。」 などの表現があります。 例えば和文によるか、外国文字によるかにかかわらず、外国の国名、地名が 表示されている場合とか、外国の国旗、紋章等がデザインの一部として用いら れている場合には、国産品である旨表示することになります。外国の国名、地 名 を 用 い た 例 と し て 、カ ナ デ ィ ア ン ベ ー コ ン 、チ ュ ー リ ン ガ ー な ど が あ り ま す 。 ただし、ウインナー、フランクフルト、ボロニアなども地名を用いたソーセー ジですが、これは品質表示基準で定義が定めてあるので、国産である旨書く必 要 は あ り ま せ ん が 、ア ル フ ァ ベ ッ ト で 書 く と 国 産 で あ る 旨 書 く 必 要 が あ り ま す 。 国旗をデザインとしてあしらった例として、ドイツ国旗の黒、赤、黄色やフ ランス国旗の赤、白、青を帯状に包装容器に入れているものがあります。 また日本の事業者の名称等の表示で外国の事業者の名称等の表示と紛らわし い表示がされている場合とか、商品名、事業者等の表示の主要部分が外国の文 字で表示されている場合等にも国産品であることを表示することになります。 よくある例として、製品名、会社名をアルファベットで書いたものがあります が、会社名が日本の会社と思われるものであっても、この場合は「国産」等と 書くことになります。したがって国産品であることがわかるように会社名は日 本語で書くのが良いわけですが、ただ会社名が外国の事業者と紛らわしい会社 名の場合はやはり「国産」である旨書いた方が無難です。 6 7.特 定 事 項 の表 示 基 準 ( 規 約 第 4 条 、 施 行 規 則 第 3 条 関 係 ) 特定表示事項については、現在なされている表示のうち、特に消費者に誤認 を与えおそれのあるものについて基準が定められています。 (1)原 料 肉 を 強 調 す る 表 示 「オール○○肉」という場合、例えば「オールポーク」という表示をする場 合 に は 施 行 規 則 第 3 条 第 1 号 に 定 め ら れ て い る よ う に 、豚 肉 だ け を 原 料 肉 に 使 用 し 、か つ 、結 着 材 料 (で ん 粉 、大 豆 た ん 白 等 )、乳 化 安 定 剤 を 含 ま な い 場 合 に のみ表示することができます。 ま た「 ○ ○ 肉 1 0 0 % 」は 、例 え ば「 豚 肉 1 0 0 % 」、「 原 料 肉 豚 肉 1 0 0 % 」 と表示する場合が該当しますが、これも同様です。 原 料 肉 に つ い て 特 定 の 品 種 、産 地 等 の 原 料 肉 を 使 用 し て い る 旨 表 示 す る 場 合 、 例 え ば「 鹿 児 島 産 豚 肉 使 用 」と 表 示 す る 場 合 は 、施 行 規 則 第 3 条 第 2 号 に 定 め ら れ て い る よ う に 、製 品 全 体 に 占 め る 使 用 割 合 が 5 0 % を 超 え る も の に 限 り 表 示でき、同時にその使用割合を併記しなければならないこととされています。 「 黒 豚 使 用 」 と い う 場 合 の 黒 豚 は 「 食 肉 小 売 品 質 基 準 」 (農 林 水 産 省 畜 産 局 長 通 達 )に 定 め る バ ー ク シ ャ ー 純 粋 種 の 豚 の 肉 を 使 用 し て い る 場 合 に 限 り ま す 。 (2)「 手 造 り 」、「 手 造 り 風 」 等 の 表 示 「手造り」と「手造り風」については両者を区別して定義付けることは難し い の で 、同 義 語 と し て 取 扱 い 、施 行 規 則 第 3 条 第 4 号 で 定 め ら れ て い る 、次 の 全ての条件を満たしたものについてのみ表示することができることとされて います。 ア 良質の原料肉を使用し、長期間熟成したもの これは、発色剤を使用したものでは、ハムは7日間以上塩せきしたもの、 ベ ー コ ン は 5 日 間 以 上 、ソ ー セ ー ジ は 3 日 間 以 上 塩 せ き し た も の と な り ま す 。 イ 自動化された機械もしくは装置を用いないもの この場合の「自動化」とは、動力を用いたものとの意味ですから、電動の 機械類は使用できないことになり、チョッパー、カッター、スタッファ等は 手動又は足踏みのものに限られることになりますし、また自動のスモークハ ウスも使用できないので、直火式のスモークハウスを使用することになりま す。なお、外側を二次的に包装する包装機械も自動化されたものはだめかと 思われるかもしれませんが、包装機械は製品を直接生産する機械ではないの で、この中に含めません。 ウ 結着材料を含まないもの でん粉、植物性たん白、卵たん白、乳たん白、血液たん白等一般に結着材 7 料とみられるものは使用できません。 エ 調味料、結着補強剤、発色剤、酸化防止剤及び香辛料抽出物以外の食品添 加物を含まないもの (3)ソ ー セ ー ジ の 肉 片 粒 子 の 大 き さ を 表 す 表 示 「 あ ら び き 」、「 ほ そ び き 」に つ い て は 、「 あ ら び き 」 は 荒 挽 き ら し く 、「 ほ そ び き 」は ほ そ び き ら し く 作 る よ う に 施 行 規 則 第 3 条 第 4 号 で 規 定 さ れ て い ま す 。 す な わ ち 、「 あ ら び き 」に つ い て は 、肉 挽 機 の プ レ ー ト 目 5 mm 以 上 で 1 回 挽 いた肉又はこれと同程度のものを原料肉としたものに表示することができま す 。こ の 挽 肉 を 用 い て カ ッ タ ー で 調 味 料 、香 辛 料 を 細 切 し な が ら 混 合 す る こ と がありますが、細切は荒挽きらしさが残る程度に留めて下さい。 ま た「 ほ そ び き 」に つ い て は 、肉 片 粒 子 が 残 っ て い な い も の に 表 示 で き ま す 。 (4)栄 養 成 分 又 は 熱 量 に 関 す る 表 示 例 え ば 「 低 カ ロ リ ー 」 、「カ ロ リ ー ひ か え め 」、「減 塩 」、「カ ル シ ウ ム 強 化 」な ど と 表 示 す る 場 合 、健 康 増 進 法 に 基 づ く 栄 養 表 示 基 準 に 表 示 の ル ー ル が 定 め ら れ ていますので、これに従うこととされています。 (5)無 添 加 、 不 使 用 の 表 示 基 本 的 に は 、無 添 加 表 示 や 不 使 用 表 示 は 禁 止 さ れ て い ま す が 、施 行 規 則 第 3 条第7号に定めるような特殊な場合は認められています。 例 え ば 、卵 ア レ ル ギ ー 体 質 の 人 に 提 供 す る 製 品 に「 卵 、卵 製 品 は 含 ま れ て お りません」などと表示することは認められています。 ま た 、あ る 種 の 添 加 物 を 使 用 し て い な い た め に 、製 品 の 品 質 や 安 全 性 に つ い て 重 大 な 誤 解 を 受 け る 恐 れ が あ る 場 合 、そ の 消 費 者 の 誤 解 を 避 け る た め に 説 明 文を書くことは認められますが、単に売らんがための表示は認められません。 (6)特 定 の 製 法 又 は 風 味 を 表 す 表 示 それぞれ特徴を説明文等により表示しなければならないこととされていま す 。 例 え ば 、 ド イ ツ 製 法 、 ド イ ツ 式 、 ヨ ー ロ ッ パ の 味 等 が こ れ に 該 当 し 、「 ド イ ツ 製 法 」と 言 う 場 合 は 、何 が ド イ ツ 製 法 な の か そ の 特 徴 を 説 明 す る 必 要 が あ ります。 8.不 当 表 示 の禁 止 ( 規 約 第 5 条 、 施 行 規 則 第 4 条 関 係 ) 不当表示の禁止に関しては、他の公正競争規約でも一般に禁止している事項 を取り入れて規定されていますが、特に次のような表示は禁止されています。 ・規約第2条第1項に定めるハム・ソーセージ類の定義に合致しない製品にそ れらと誤認されるおそれのある表示 ・規約第4条第2号に定める手造り、手造り風の基準に合致しないものにそれ 8 と誤認されるおそれがある表示 ・客観的根拠に基づかないで他の製品より品質が特に優良であると誤認される 恐れのある表示 客 観 的 根 拠 に 基 づ か な い の に「 特 選 」、「 熟 成 」、「 最 高 級 」の 表 示 を す る 場 合 が 該 当 し ま す 。「 特 選 」 に つ い て は 農 林 水 産 省 か ら 特 別 表 示 基 準 と し て 示 さ れ て い る 基 準 に 合 致 し な い も の に は 、「 特 選 」の 表 示 は 出 来 な い こ と に な り ま す 。 「 熟 成 」に つ い て は 特 定 J A S で 熟 成 の 規 格 が 定 め ら れ て い ま す の で 、そ の 基 準 に 合 致 し な い も の に は「 熟 成 」の 表 示 は 出 来 な い こ と に な り ま す 。ま た「 最 高 級 品 」に つ い て は 現 在 客 観 的 基 準 と な る も の が な い し 作 ら れ る 予 定 も な い の で、表示することができません。 も う 1 つ は 「 純 粋 」、「 天 然 」 等 の 表 示 で 、 ○ 家 畜 の 腸 を 使 用 し た 場 合 の 「 天 然 ケ ー シ ン グ 」、「 天 然 腸 」 ○ 自 然 環 境 で 熟 成 し た 場 合 の 「 天 然 熟 成 」、「 自 然 熟 成 」 ○純粋種を用いた場合の「純粋○○」 以外の表示は禁止されています。 ま た 、食 品 衛 生 法 に 基 づ く 総 合 衛 生 管 理 製 造 過 程 を 経 て 製 造 す る こ と の 厚 生 労 働 大 臣 の 承 認 に つ い て 、承 認 を 受 け て い な い 製 品 よ り 安 全 性 が 優 れ て い る と 誤 認 さ れ る お そ れ の あ る 表 示 、N A S A( 米 国 航 空 宇 宙 局 )に よ る 宇 宙 食 の 衛 生管理の方法と同等の方法が採られていると誤認されるおそれのある表示は 禁止されています。 ・次はハム・ソーセージ類又はその原材料について種類、産地を誤認させるお それのある表示です。 ア 「 原 料 肉 豚 肉 」と 表 示 す る 場 合 は 表 示 し た 豚 肉 以 外 の 原 料 肉 は 含 ま な い こ と と さ れ て い ま す 。こ れ が 前 述 の「 オ ー ル ポ ー ク 」と 異 な る 点 は 、結 着 材 料 ( で ん 粉 、 小 麦 粉 、 コ ー ン ミ ー ル 、 植 物 性 た ん 白 、 乳 た ん 白 )、 乳 化 安 定 剤 (カゼインナトリウム、酸カゼイン)を含むことが認められている点です。 こ の 例 に は「 ポ ー ク ソ ー セ ー ジ 」の よ う な 場 合 も 含 ま れ ま す 。ま た「 〇 〇 肉 と 〇 〇 肉 」、 例 え ば 「 ポ ー ク ア ン ド ビ ー フ 」 と 表 示 す る 場 合 に は 、 表 示 す る 2種類以外の原料肉は含まないこととなります。 イ 「 黒 豚 使 用 」と 表 示 す る 場 合 は 、原 料 肉 と し て バ ー ク シ ャ ー 純 粋 種 の 豚 肉 が使用されていなければなりません。 ウ 客 観 的 根 拠 に 基 づ か な い「 特 産 」、「 名 産 」の 用 語 が 禁 止 さ れ て い ま す 。こ の 客 観 的 根 拠 と は 、地 域 名 産 品 や ふ る さ と 食 品 な ど 、地 方 自 治 体 な ど が 作 っ た基準が該当します。 ・また賞でないものに賞であるかのように誤認される表示、ある特定の商品に 9 ついて受けた賞であるにもかかわらず他の商品についても賞を受けたかのよ うな誤認を与えるおそれのある表示は禁止されています。 ・客観的事実に基づく根拠なしに健康、美容に効果のあるかのように誤認され る お そ れ の あ る 表 示 も 禁 止 さ れ て い ま す 。こ の 場 合 の 客 観 的 事 実 に 基 づ く 根 拠 と は 、基 本 的 に は 健 康 食 品 、特 定 保 健 用 食 品 な ど と し て 認 可 さ れ た も の と 考 え て下さい。 9.公 正 マーク(施 行 規 則 第 5 条 関 係 ) 公 正 マ ー ク に つ い て は 、別 に 定 め る「 公 正 マ ー ク 使 用 に 関 す る 細 則 」に 従 い 、 ハム・ソーセージ類公正取引協議会の承認を受けたものに表示することが出来 ます。 10.公 正 取 引 協 議 会 の事 業 ( 規 約 第 6 条 か ら 第 1 0 条 関 係 ) 第 6 条 か ら 第 10 条 ま で は 公 正 取 引 協 議 会 に 関 す る 規 定 で す が 、こ の 規 約 の 管 理運用に当たる団体は「ハム・ソーセージ類公正取引協議会」です。 公正取引協議会に関する事項は、他の公正競争規約で規定しているのと同様 の内容になっています。 (1) こ の 規 約 の 内 容 の 周 知 徹 底 に 関 す る こ と 。 (2) こ の 規 約 に つ い て の 相 談 及 び 指 導 に 関 す る こ と 。 (3) こ の 規 約 の 遵 守 状 況 の 調 査 に 関 す る こ と 。 (4) こ の 規 約 の 規 定 に 違 反 す る 疑 い が あ る 事 実 の 調 査 に 関 す る こ と 。 (5) こ の 規 約 の 規 定 に 違 反 す る 事 業 者 に 対 す る 措 置 に 関 す る こ と 。 (6) 一 般 消 費 者 か ら の 苦 情 処 理 に 関 す る こ と 。 (7) 不 当 景 品 類 及 び 不 当 表 示 防 止 法 そ の 他 公 正 取 引 に 関 す る 法 令 の 普 及 及 び 違反の防止に関すること。 (8) 関 係 官 公 庁 と の 連 絡 に 関 す る こ と 。 (9) 会 員 に 対 す る 情 報 提 供 に 関 す る こ と 。 (10) そ の 他 こ の 規 約 の 施 行 に 関 す る こ と 。 11.施 行 規 則 等 の制 定 ( 規 約 第 1 1 条 、 施 行 規 則 第 6 条 関 係 ) 規 約 の 実 施 及 び 運 営 に 関 す る 事 項 に つ い て 、消 費 者 庁 及 び 公 正 取 引 委 員 会 の 承 認 を 受 け て 施 行 規 則 を 定 め る こ と が で き る と さ れ て お り 、こ の 規 定 に 基 づ き 施行規則が定められています。 ま た 規 約 及 び 施 行 規 則 を 実 施 す る た め 、事 前 に 表 皮 社 長 及 び 公 正 取 引 委 員 会 に 届 け 出 る こ と で 細 則 又 は 運 用 基 準 を 定 め る こ と が で き る と さ れ て お り 、現 在 10 こ の 規 定 に 基 づ き 「 公 正 マ ー ク 使 用 に 関 す る 細 則 」、「 「 手 造 り 」 、「手 造 り 風 」 等 の 表 示 に 関 す る 要 領 」 、「 食 肉 製 品 の 総 合 衛 生 管 理 製 造 過 程 の 承 認 を 受 け た 製 品 に 係 る 表 示 の ガ イ ド ラ イ ン 」、「 ハ ム・ソ ー セ ー ジ 類 の 表 示 に 関 す る 公 正 競 争 規 約 施 行 規 則 第 4 条 (不 当 表 示 の 禁 止 )第 2 号 イ に 関 す る 運 用 基 準 」が 定 め ら れています。 12.施 行 期 日 ( 附 則 関 係 ) こ の 規 約 及 び 施 行 規 則 は 、1992 年 (平 成 4 年 )9 月 11 日 か ら 施 行 さ れ て い ま す が 、 現 行 の も の は 2011(平 成 23)年 2 月 10 日 か ら 施 行 さ れ て い ま す 。 11
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