中国株式市場動向 - 三井住友トラスト・アセットマネジメント

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マーケットレポート
2015年7月17日
中国株式市場動向
~当面は株式需給による相場変動が続く見込み~
 中国株式市場は下落基調
 上海総合指数は6月12日に年初来高値を更新した後、
7月8日までで-32.1%の大幅下落(図1)となりました。
IPO(新規公開株)による資金調達の増加により株式
需給が悪化する中、CSRC(中国証券監督管理委員
会)が株式市場のリスク抑制に向け、急拡大した信
用取引の規制強化を行ったことなどが背景です。
(図1)上海総合指数の推移
(2014年7月1日~2015年7月15日、日次)
(ポイント)
5,500
5,000
高値から
-32.1%の下落
4,500
4,000
3,500
 世界的な指数プロバイダーであるMSCI社により中国
A株のグローバルな株式指数への採用が見送られた
ことで、中国本土市場へ投資資金が流入するとの期
待が後退したこともマイナスとなりました。
 また、上海株式市場と深セン株式市場の多数の上場
企業が売買停止を取引所に申請したことにより、一
時、両取引所に上場している企業の半数を超える
1,400程度の銘柄が売買停止となりました。売買停止
銘柄の急増を受け、市場参加者の間では流動性が
低下することへの懸念も強まりました。
3,000
2,500
2,000
14/7
14/9
 中国政府は、6月27日に追加利下げに踏み切った後
も、上海と深セン両取引所の取引手数料の引き下げ
やIPOの停止、政府系投資会社による買い支えなど
の株価支援策を打ち出しています。急増した売買停
止銘柄数はピークアウトして減少しつつあり(図2)、
信用取引の残高の整理も進展しています(図3)。
15/1
15/3
15/5
15/7
(年/月)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
(図2)売買停止銘柄数の推移
(2015年1月5日~2015年7月15日、日次)
(銘柄)
1200
上海証券取引所
1000
 株価支援策による効果
14/11
深セン証券取引所
800
600
400
200
0
15/1
15/2
15/3
15/4
15/5
15/6
15/7 (年/月)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
 当面は株式需給による相場変動が続く見込み
 政府の要請にもとづき上場企業による自社株買いや
従業員による持ち株買いなどの動きが強まっている
一方、数多くの銘柄が売買停止となったことから、売
買再開後の銘柄の株価変動が大きくなっており、当
面は株式需給による相場変動が続くとみられます。
 政府が相次いで株価支援策を実施してきていること、
売買停止銘柄数は減少傾向にあることから、売買
シェアの高い個人投資家の投資意欲が回復してくれ
ば上海と深セン両取引所は徐々に正常化していくと
みられます。
以上
(図3)中国株式の信用取引残高
(2015年1月5日~2015年7月14日、日次)
(億元)
24,000
22,000
20,000
18,000
16,000
14,000
12,000
10,000
15/1
15/2
15/3
15/4
15/5
15/6
15/7
(年/月)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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