コーヒーオリゴ糖情報センター 「健康ニュース」 Vol.10 ~特別講座~ プレ&プロバイオティクスについて ① ~特別講座~ プレ&プロバイオティクスについて コーヒーオリゴ糖情報センター 編 プロバイオティクスが私たちの体にとって有益であることは、ご存知な方も多いと思いま す。では、プレバイオティクスはどうでしょうか。プロバイオティクスほど、その効果が知られ ていないのではないでしょうか。そこで今回は、プロバイオティクスやプレバイオティクスが、 私たちの体(特に腸)にとって、どのような効果を及ぼすのかについて考えてみるとともに、 それらを有効に活用できる食べ方(食生活)についてご紹介します。 【プロバイオティクス】 1.プロバイオティクスとは プロバイオティクスは「消化管内の細菌の集合体(細菌叢)を改善し、宿主つまりヒトに有 益な作用をもたらす有用な微生物」と定義されます。これらをひと言で表現すると、「ヒトに とって有益な菌(=善玉菌)」となります。また、プロバイオティクスの「プロ」は「前」という意 味を持っています。つまり、私たちの体にとって、前もって摂取しおくべきもの(菌)と言える のです。 2.優れたプロバイオティクスとは 摂取した菌が大腸に到達しても、腸管に定着しなければ優れたプロバイオティクスとは言 えません。では、どのような種類の菌が私たちにとって有益となるのでしょうか。腸管に定 着する優れたプロバイオティクスとして挙げられるのは、「乳酸菌」と「ビフィズス菌」です。 乳酸菌やビフィズス菌は母乳にも多く含まれています。そのため、生まれたばかりの乳 児の腸では、これらの菌が活発に活動しています。しかし、成長して大人になると善玉菌 は減少します。そのため、食品として口から摂取しなければなりません。 3.プロバイオティクスの働き 私たちの大腸内には、約100種類、100億個以上の腸内細菌が棲んでいると言われ、善 玉菌、悪玉菌(主に食中毒菌)、日和見菌(腸内環境が悪化すると悪さをする菌)に分類さ れています。悪玉菌は下痢などをもたらします。では、善玉菌はどのような働きをするので しょうか。 Bad Bad 1 コーヒーオリゴ糖情報センター 「健康ニュース」 Vol.10 ~特別講座~ プレ&プロバイオティクスについて ② プロバイオティクス(善玉菌)の主な4つの働き Good ①病原菌を殺し、食中毒を防ぐ ②腸管の働き(ぜん動運動)を活発にし、便秘を防ぐ ③腸管免疫を改善し、 体の免疫機能を増強する アレルギーを防ぐ ④ビタミン(特にビタミンB群)などの重要な栄養素を作り出す 4.プロバイオティクスが含まれる食品 好ましい乳酸菌や、善玉菌の代表格であるビフィズス菌が含まれる食品として有名なの は、何と言ってもヨーグルトです。ヨーグルトは牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を乳酸菌 やビフィズス菌がエサとして食べて増殖している状態の食品で、独特な酸味や風味は、こ れらの菌によってもたらされているものです。ですからヨーグルトはプロバイオティクス食品 なのです。 ではその他に、乳酸菌が含まれる食品はあるのでしょうか。それは、ぬか漬けです。その 証拠に、長期間ぬか床に漬けておいた野菜は酸っぱく感じますね。この酸味は、発酵が進 み、乳酸が多く作り出されたことによるものです。私たち日本人は欧米人に比べ、ヨーグル トなどの乳製品を食べてきた習慣が長いわけではありませんが、ぬか漬けなどできちんと 乳酸菌を獲得してきたのです。 【プレバイオティクス】 1.プレバイオティクスとは 口から入ったプロバイオティクス(善玉菌)は、大腸の腸管内に定着しなければ、便として 体の外に排出されていまします。排出を防ぎ定着させるには、プロバイオティクスのための エサ(食事)が必要となってきます。このエサが、プレバイオティクスなのです。プレバイオ ティクスの「プレ」には、「前の前」という意味があります。つまりプレバイオティクスとは、プ ロバイオティクスが活発に活動するために必要不可欠な因子と言えるでしょう。 2 コーヒーオリゴ糖情報センター 「健康ニュース」 Vol.10 ~特別講座~ プレ&プロバイオティクスについて ③ 2.プレバイオティクスとなる食品とは プレバイオティクスは、胃や小腸で消化吸収されずに大腸まで到達し、プロバイオティク スが好んで食べるエサとなります。良いプレバイオティクスとなるのは、大腸で善玉菌を増 殖させるオリゴ糖です。オリゴ糖はグルコースやフルクトース、ガラクトースといった単糖が 2~10個結合している状態のもので、少糖とも呼ばれています。 オリゴ糖の中でも難消化性のものは通常、腸管内で加水分解されないため、私たち人間 は消化吸収することができません。しかし、プロバイオティクスには、このようなオリゴ糖を 消化する酵素があり、エサとして利用することが出来るのです。プロバイオティクスとしての オリゴ糖には様々な種類がありますが、現在、特定保健用食品として消費者庁の許可を 受けているものは以下の9種類です。これらは腸内細菌に利用された後、エネルギー源と なりますが、そのエネルギー値はグルコースなどの半分程度です。 特定保健用食品として許可を受けているオリゴ糖の種類 種類 含まれる単糖 単糖の数 エネルギー kcal/g 自然界の分布 キシロオリゴ糖 キシロース 2~7 約2kcal たけのこ、 トウモロコシなど イソマルオリゴ糖 グルコース 2~6 約3kcal みそ、しょうゆ、 清酒、ハチミツなど ガラクトオリゴ糖 ガラクトース グルコース 3~6 約2kcal 母乳、牛の初乳 コーヒー豆マンノオリゴ糖 マンノース 2~10 約2kcal コーヒー豆 3 約3kcal 大豆、マメ科植物 3 約2kcal 砂糖を加えたヨーグルトの 発酵過程で微量に作られる 3 約2kcal マメ科植物、 てんさいなど 大豆オリゴ糖 乳果オリゴ糖 ラフィノース ガラクトース グルコース フルクトース ガラクトース グルコース フルクトース ガラクトース グルコース フルクトース フラクトオリゴ糖 グルコース フルクトース 3~5 約2kcal 玉ねぎ、ごぼう、 ニンニク、バナナなど ラクチュロース ガラクトース フルクトース 2 約2kcal 乳中 3 コーヒーオリゴ糖情報センター 「健康ニュース」 Vol.10 ~特別講座~ プレ&プロバイオティクスについて ④ 3.プレバイオティクスとならないオリゴ糖とは さて、単糖が2~10個結合している状態の糖をオリゴ糖とするのであれば、砂糖(グル コース+フルクトース)や乳糖(ガラクトース+グルコース)も、プロバイオティクスのエサと なるのではないかと思われるかも知れません。確かに、砂糖や乳糖もオリゴ糖に分類され るのですが、これらは腸内で消化され、吸収されてしまうため、プレバイオティクスとはなら ないのです。 【プレ&プロバイオティクス】 1.体にとって効率の良い食べ方とは プロバイオティクスが体にもたらす様々な効果が明確になったところで、プロバイオティク スを最も効率的に活用するためには、どのように摂取するのが良いのでしょうか。それに は、プロは「前」、プレは「前の前」という言葉の通り、まずエサとなるプレバイオティクスを 摂取した後に、プロバイオティクスを摂取するのが理想的です。しかし、食事として現実的 に考えた時、最も有効なのは双方を同時に摂取するという方法です。いずれの場合も、す でに腸内にあるエサ(プレバイオティクス)をプロバイオティクスが食べることで、プロバイオ ティクスを腸管内に定着させ、更に増殖させることが可能となるのです。 2.朝の新しい習慣に プレバイオティクス、プロバイオティクスの特性を生かし、効率良く働いてもらうためにお すすめしたいのが、「プレ&プロバイオティクス」という考え方です。朝食にコーヒーオリゴ 糖入りのコーヒーを飲んで、ヨーグルトを食べるという習慣です。朝に飲む一杯のコーヒー は脳を覚醒させますので、目覚めをすっきりさせる効果も同時に体感することが出来ます。 もちろんオリゴ糖入りの食品は他にもたくさんあります。バナナがその例です。そこで、バ ナナとヨーグルトを一緒に食べるのも良いでしょう。また、甘味料としてのオリゴ糖商品を ヨーグルトに混ぜて利用しても効果が見込めます。 腸内のプロバイオティクスを減少させず、活発に活動させるためにも、「プレ&プロバイオ ティクス」という食習慣を継続して実践して行きましょう。 Good + コーヒーオリゴ糖 = 乳酸菌 ビフィズス菌 4 コーヒーオリゴ糖情報センター 「健康ニュース」 Vol.10 プレ&プロバイオティクス実践編 簡単、美味しいコーヒーレシピ ① 朝スッキリ!簡単、美味しいコーヒーレシピ プレ&プロバイオティクスの実践編として、プレバイオティクスの“コーヒーオリゴ糖”とプロバイオ ティクスの“ヨーグルト”を使用したレシピをご紹介します。腸の健康を実感できるこのレシピは、 とっても簡単です。コーヒーとヨーグルトの組み合わせを、ぜひ朝の新しい食習慣としてお試しくだ さい。 フルーツカフェヨーグルト エネルギー : 284kcal (バナナ使用の場合) コーヒーを飲むのではなく、ヨーグルトに混ぜることで、食べるコーヒーとして利用しています。 コーヒーオリゴ糖と、乳酸菌やビフィズス菌を一緒に摂取できるこのレシピは、腸管でのプロ バイオティクスの定着や増殖にもってこいです。また、お好みのフルーツを加えると、美味し さだけでなく、オリゴ糖がさらにアップします。 材料1人分 ● <ブレンディ>スティックカフェオレモーニングスタイル 1袋(13g) ● 低糖ヨーグルト 1個 170~180g ● お好みのフルーツ 100g程度(今回はバナナの皮をむいて使用) 作り方 ① お好みのフルーツは皮をむき、食べやすい大きさに切る ② 低糖ヨーグルトを器にあけ、ここに<ブレンディ>カフェオレモーニングスタイルを加える ③ <ブレンディ>カフェオレモーニングスタイルが完全に溶けるまで、スプーンでよく混ぜる ※ ①~③の作業はヨーグルトカップの中で行ってもよい ④ ③にあらかじめ切っておいたフルーツを入れる ♪ 美味しさのワンポイント ♪ ● ヨーグルトの酸味はコーヒーの苦みと良く調和するのですが、上記メニューで無糖タイプのヨーグルトを 利用する場合は、酸味の少ないものを選ぶことをおすすめします。 ● コーヒーの苦みはオレンジなど、柑橘系のフルーツとも相性がよいのです。今回のレシピではバナナを 使用しましたが、オレンジでも美味しく召し上がることができます。 5 コーヒーオリゴ糖情報センター 「健康ニュース」 Vol.10 栄養士さんに聞きたい 健康Q&A ① 一般生活者が知りたい栄養や健康に関する疑問を、管理栄養士さんに聞きます! 今回のテーマは、「紫外線と日焼けについて」です。 Q:初夏が近づくと紫外線が気になります。 A:夏が近づくと紫外線の量も増加してきます。紫外線は太陽光線の中でも目に見えない領域 の光で、別名Ultraviolet(UV)と呼ばれています。大まかに3種類に分類することができます。 紫外線 A波(UV-A) : 約320~380nm(ナノメートル:10-9メートル) B波(UV-B) : 約280~320nm C波(UV-C) : 約200~280nm Q:紫外線と日焼けにはどのような関係があるのですか。 A:私たちの皮膚は上から大きく分け、表皮、真皮、皮下組織の3層になっていますが、表皮の 一番下には、色素細胞であるメラノサイトが存在しています。このメラノサイトは、紫外線に よって活性化され、メラニンという黒い組織を作り出し、皮膚の深部まで紫外線が入り込まな いよう、バリア機能として働いています。このメラニン色素が表皮全体に広がることで、肌の 色が黒くなり、日焼けした状態になるのです。特にUV-Aは、雲やガラスを通過するので、室 内や、曇りでも日焼けするのはそのせいです。 Q:健康的なイメージの日焼けですが、なにが問題なのでしょうか。 A:紫外線には、ビタミンDの合成や新陳代謝の促進といった有用な作用もあるのですが、多く 浴びすぎると活性酸素が発生し、シミやシワといった皮膚の老化を早めるだけでなく、皮膚 がんを引き起こす原因にもなると言われています。また、目から入った紫外線は結膜炎や 白内障の要因とも考えられています。 Q:紫外線をたくさん浴びてしまいました。活性酸素が心配です。 A:増加した活性酸素対策として、抗酸化作用のある栄養素、ビタミンC、ビタミンE、β‐カロテン、 ポリフェノールなどを含む食品を摂取すると良いでしょう。 ビタミンC : キウイフルーツ、オレンジ、赤ピーマン、じゃがいも、キャベツ など ビタミンE : かぼちゃ、ナッツ類、うなぎ など β‐カロテン : にんじん、かぼちゃ、ほうれんそう、ブロッコリー など ポリフェノール : コーヒー、緑茶、ブルーベリー、たまねぎ など 意外と知られていませんが、じゃがいもに含まれるビタミンCは、熱に強く、またメラニン色素 が出来る反応を抑制するチロシンも含まれるため、ぜひ取り入れましょう。上記に加え、皮膚 の細胞の再生に関与する、ビタミンB2やB6なども積極的に摂取したい栄養素です。 将来、老化を早めることのないよう、しっかりとした対策を心がけましょう。 6
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