2つのナンバーワン戦略を実行し

ブ ル ー ・ オ ー シ ャ ン 戦 略 を 実 行 せ よ !
付加価値ナンバーワンと総合力ナンバーワン。
2つのナンバーワン戦略を実行し、
企業ニーズのすべてに応える
国内外から人が流入してくる可能性が高まった。言いかえれば、
これを契機に東京が
国際都市へと変貌することを意味する。
この大きなインバウンドを絶好の商機に
とらえようと経営者の誰もが思うところだろう。そのためには企業それぞれが、
自社の得意分野でどれだけ優れたサービスを提供できるかであり、
どんなに小さなニッチ市場であれ、ナンバーワン戦略を実行するということだ。
株式会社ティーケーピー ●代表取締役社長
今回はTKPが進める、
2つの側面からのナンバーワン戦略について語る。
東京オリンピックを契機に、東京
は国際都市としてさらなる創造を目
指していくことになります。国際都
市 と し て シ ン ボ リ ッ ク と な る の は、
大規模施設を伴ったインフラ整備の
充実でしょう。
これまで世界的なMICE(大規
模な会議・集会等が行なえるインフ
ラおよび複合施設)において、日本
は香港や韓国など近隣アジアに押さ
れ、後れをとっています。MICE
は人の大きな流入を左右し、開催地
に収益をもたらす効果があり、経済
効果が高い市場です。
しかしながら、これらを構築する
には空港をはじめとする交通アクセ
スや利便性ある周辺施設の整備、そ
して収容規模が伴わなくてはなりま
せん。つまり 世紀の国際都市とは、
総合的なインフラの力が問われると
いうことです。
2020年の東京オリンピック開
催が、大都市東京で交通インフラを
伴ったMICEを構築する大きな
チャンスとなるわけですから、イン
バウンドによる需要が高まることが
とても楽しみです。
TKPでも、オリンピック関連も
含 め て、こ れ か ら 東 京 で コ ン ベ ン
ションやミーティングが盛んになる
と想定できるので、都内でのさらな
る出店はもちろん、付帯するビジネ
ス展開を加速させる計画がありま
す。そして人が集まることができる
空間をいかに多く、かつ、より良い
ものとして創造できるかが、大きな
勝負どころと考えています。さらに
は、国際都市東京を創り上げること
を、運営面でお手伝いできたらとも
考えています。
付加価値ナンバーワン戦略
アレンジとカスタマイズ
ニーズに最適
どの企業にも、東京オリンピック
開催の恩恵を受けられる可能性は十
分にあります。もちろん、これを大
きな商機にできるかは、その企業次
東京フィルハーモニー交響楽団によるコンサート
施設を提供する側の提案をいかにベ
ストマッチングさせるか、その効果
がすべてだったのです。もちろんこ
のことは日本においても当てはまり
ます。
これが顧客ニーズのナンバーワン
戦略が必要な理由であり、顧客と直
接対面したときに営業サイドが生み
出す付加価値こそ、TKPの真の付
加価値なのです。それらをひたすら
追求すれば、売上げや利益、さらに
はリピート率の向上まで、後からつ
いてくるものだと実感しています。
総合力ナンバーワン戦略
利用者ニーズを
とことん取り込む
TKPが考えるもう一つのナン
バーワン戦略は、貸会議室をはじめ
とするレンタル・シェアリング市場
で、圧倒的ナンバーワン企業に進化
していく戦略です。営業サイドが行
なう利用者ニーズのナンバーワン戦
略は、アレンジとカスタマイズで常
にニーズに対する最適化を果たさな
ければなりません。
しかし、それにはいく通りにも組
み合わせ提案ができるよう、相当数
のアイテムが必要です。多様化する
ニーズすべてに最適化を求めていけ
ば、必然的に施設装備とオプション
のアイテムが相当数必要となってき
ます。
つまりは総合力をつけるというこ
第です。自社の得意分野でどれだけ
良いサービスを提供できるか、良い
印象を与え、その価値を理解しても
らい、競争に打ち勝っていくか。当
然、世界中から注目されるわけです
から、最高のサービスを届けること
ができれば、大きな商機を生み出す
ことができるはずです。
これはなにもオリンピックという
大きなイベントのあるなしにかかわ
らず、ビジネスの基本として当然同
じことが言えます。良いサービスの
提供、利用者に与える良い印象、そ
して利用者に価値を理解してもら
うこと。TKPでは、そ
のために繰り返しアレン
ジし、カスタマイズする
ことで、顧客満足度を高
める戦略を実践していま
す。価格、利便性をはじ
めとして、利用者の多様
なニーズへとことん対応
し、ニーズに最適化して
いく仕組みです。
利用者ニーズを最高に
満足させることができれ
ば、利用者ニーズのナン
バーワンということであ
り、それを提供し続けれ
ば、必ずリピート率の向
上につながり、永続的に
取引のできる環境を生み
出すことができます。
これこそ、営業サイド
の仕事の真骨頂、腕の見
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とです。この総合力がさらなる付加
価値を生むと考えているのです。
利便性ある立地と価格に加え、その
施設の内装や設備、充実したサービ
ス群、営業力に至るまでの総合力で、
他者にはまねのできないことを実現
するのです。
ブ ル ー・ オ ー シ ャ ン 戦 略 か ら 始
まった貸会議室ビジネスで、TKP
は世の中になかったサービスに対す
るニーズを掘り起こし、新しいマー
ケ ッ ト を 創 造・ 構 築 し て き ま し た。
そして現在、次なるステージへと進
もうとしています。これからは、総
合力で他の追随を許さない〝圧倒的
ナンバーワン〟であり続けることが
必要です。そしてこの総合力を発揮
してこそ、利用者の囲い込みにつな
がっていくと考えています。
TKPは、企業のあらゆるニーズ
に応えるために、あらゆるシーンで
利用可能なアウトソーシングという
考え方を提案し、すべてのニーズを
取り込んでいきたい。それが現在の
目指すところです。
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CEO社長情報 第11号
CEO社長情報 第 11 号
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せどころです。
TKPが持っている素材をそのま
まの状態で貸し出すことは、付加価
値を生み出さないどころか、右から
左へニーズを動かしているだけに過
ぎません。それでは価格や設備の優
位性でしかなく、企業にとっての真
の付加価値を生み出していることに
はなりません。
会議室を借りたい、カンファレン
スセンターを使いたいというニーズ
は、そこに人を集めて何かをすると
いう目的があるわけです。TKPの
施設を使ってイベントを成功させる
と い う こ と も、そ の 目 的 の 一 つ で
しょう。ここに着目すれば、施設側
から、利用者がより成功したと感じ
られるような提案ができるなら、価
格の魅力だけで利用していた顧客も、
その付加価値を利用してみようと考
えても不思議ではありません。そう
なれば、付加価値に対する対価をい
ただけるわけで、利用者もその付加
価値に満足できたなら、お互いハッ
ピーになれるのです。
実はこれはニューヨーク出店で確
信を得た一つの答えでもあります。
米国人はその施設で会議を成功させ
ることが、何をおいても一番大事と
考えています。ニューヨークという
地では、利用金額よりもまずイベン
トの成功が絶対です。満足度が低け
れば、二度とそこへは来ません。価
格という側面も大事ですが、
( 成功
さ せ た い と い う )利 用 者 ニ ー ズ と、
かわの・たかてる 1972年、大分県生ま
れ。
慶應義塾大学商学部卒業後、伊藤忠商
事株式会社為替証券部入社。
日本オンライ
ン証券(現・カブドットコム証券)
、イー
バンク銀行(現・楽天銀行)の立ち上げプロ
ジェクトに参画し、ITと金融の融合事業を
手がける。
イーバンク銀行で取締役営業本
部長等を歴任した後、2005年8月、
株式会
社ティーケーピーを創業。11年、
TKPガー
デンシティ品川(旧ホテルパシフィック東
京1F宴会場)の運営を開始。
ニューヨーク、
上海にも進出を果す。
現在、全国1,260室、
92,393席(2013年12月現在)を運営す
る業界のリーディングカンパニーである。
第 11 回
2020年東京オリンピック開催が決まったことで、
これから東京はパイが広がり、
河野貴輝の実践的需要創造