宗教と科学の関連性 まず、科学革命という言葉の説明から始めたいと思います。科学革命とはそ の名前の通りの意味なのですが、ギリシア・ローマ・アラビアの知識体系を超 えるものが、例えばコペルニクスの地動説なのですが、西洋から 16 世紀から 17 世紀にかけて誕生していき、西洋が主導権を握るようになったという高校の世 界史の範囲で出てくる概念です 。大変便利でわかりやすい概念なんですが この概念は、近代科学は今の現代科学に直接繋がっている系譜であるという誤 解を与えてしまう恐れがあるのです。つまり近代科学はキリスト教に対する それぞれの科学者の信仰が土台になっている部分が非常に大きいんですね。こ の信仰に対してほどほどの説明を加えながら、勉強会を進行させるつもりです。 ではキリスト教の裏打ちが科学からなくなったのはいつなのでしょうか? 少々わかりにくいかもしれませんが、つまりは彗星などの自然現象を神の意志 として体系づけなくなったのはいつからなのでしょうかということです。百科 全書というのをご存知でしょうか?これはいまの百科事典の元祖みたいなもの なのですが、abc 順に記されています。これは 18 世紀にとっては非常に画期的 なんです。God より dog が先に来るんです。つまり今まで世界を説明していた 神学体系から知識体系を切り離して、個別の知識を強調するんですね。このよ うな神に説明を求めなくなったことを村上陽一郎は「聖俗革命」と呼ぶんです が、この出来事を踏まえたうえで今の科学はあるんです。この「聖俗革命」の 説明及び歴史的背景を「科学革命」と対比させながら、勉強会の中盤以降は展 開していこうと考えています。 さて、キリスト教から科学は生まれたということを長々と説明するのですが、 終盤はこのことを踏まえたうえで、今の科学に関して考えたいと思います。つ まりは神を喪ったことで人間至上主義に科学が陥り、様々な環境問題をひきお こしたのではないのかということと、神には帰れない科学をどのように扱うの かということを締めくくりとし、これからの科学について討論していければと 考えています。 参考文献 村上陽一郎 「科学・哲学・信仰」 1977 年 第三文明社 レグルス文庫 予備知識として、世界史の教科書を 16 世紀から現代まで読んで、参加してもら えると、理解しやすいのではと考えています
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