特集2 性的マイノリティを知っていますか 最近、 「LGBT」 ということばをよく耳にしませんか。また、 東京都渋谷区で、 同性カップルに対し、 結婚に準じる関係と認める、 全国初の条例が成立したというニュースに、 関心を寄せられた方もいるのではないでしょうか。 性的マイノリティ(セクシュアル・マイノリティ)とは、どのような人たちをさすのでしょうか。また、性的マイノリティを取り 巻く問題には、 どのようなものがあるのでしょうか。 LGBTとは LGBTとは、性的少数者 (セクシュアル・マイノリティ) の総称の一つであり、Lはレズビアン (女性を好きになる女性) 、Gはゲ イ (男性を好きになる男性) 、Bはバイセクシュアル (男性も女性も好きになる人) 、Tはトランスジェンダー (性同一性障害など、体 と心の性が一致しない人) を表します。 この4つ以外にも、自分を男女どちらとも思わない 「Xジェンダー」 や、同性も異性も好きにならない 「アセクシュアル」 などの性 もあり、 性は多様化しています。 セクシュアリティ (性のあり方) を具体的に下図で見てみましょう。 図:電通ダイバーシティ・ラボ制作の「セクシュアリティマップ」 セクシュアリティは3つの要素で考えることができます。 ・ からだの性 (生物学的性) ・・・身体的特徴が男性なのか、女性なのか ・ こころの性 (性自認) ・・・・・自分自身を男性だと認識しているのか、女性だと認識しているのか ・ 好きになる性 (性的指向) ・・・男性に性的関心があるのか、女性に性的関心があるのか (その他、表現する性(性表現)を要素の一つとして考える場合もあります。) 世の中を見れば、からだの性とこころの性が一致し、好きになる性が異性の人が、大多数です。(上図でいえば、2番と10 番。) つまり、身体的特徴が男性である人は「自分自身を男性だと認識していて、女性に性的関心を持っている」ものであり、身 体的特徴が女性である人は「自分自身を女性だと認識していて、男性に性的関心を持っている」のがふつうだと考えられて います。 しかし、セクシュアリティがこの3つの要素の組み合わせで決まると考えると、上図のように、組み合わせ次第でセク シュアリティはいくつも存在するものだということ、また、男性と女性とに完全に二分化されるわけではないということが わかります。一般的に、男性、女性と考えられている性は、多様な性の中の一部にすぎません。 そう考えると、性的マイノリティは、ふつうではない、ということではなく、性を分類したときに、単に少数(マイノリ ティ) であるだけだと言えます。 3
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