朝会の話 末の松山 波越さじとは(東日本大震災から3年) 260310 村松 これから、百人一首のある歌を詠みますね。みなさんは知ってい るでしょうか。 「ちぎりきな かたみにそでをしぼりつつ すゑのまつやま な みこさじとは」 どうですか、知っていましたか。この歌は、五色百人一首の「緑」 に入っていますから(札を見せながら)、あまり知らないかもしれ ませんね。 さてこの歌の中にある「波(なみ)」というのは、どんな波だかわかりますか。小さな 波ですか、中ぐらいの波ですか、大きな波ですか、それともものす ごく大きな波ですか。どれでしょう。 実はこの波、津波なのです。大きな地震の時におこる巨大津波の ことです。その津波が、末の松山という宮城県にある小高い山、山 と言うよりも「丘」ぐらいかな、高さにして10mぐらいですが、 その松山を越えなかったということを歌っているのです。 この歌は、1000年以上前に作られたものですが、1000年 以上前に東北地方では、東日本大震災と同じくらいの大きな地震があり、そして巨大津波 が発生したのです。ただ、そのときの津波は、末の松山という小高い山を越えることがな く、そこで止まったといいます。だから「すゑのまつやま なみこさじとは」と詠んで、 末の松山のところで波は越えなかったよ、と言っているのです。 あす3月11日で、東日本大震災から3年が経ちます。3年前の巨大津波も、末の松山 のところで止まったそうです。昔から言われていることは、やはり正しいのですね。 あの大きな地震から3年、日頃からしっかり訓練して、大きな地震に備えたいと思いま す。きょうの避難訓練、いつものように真剣に取り組んでくださいね。 これで朝会の話を終わります。 (裏面に「先生方へ」があります) <先生方へ> 明日で、東日本大震災から3年と言うことで、きょうのような話をしました。また言語 能力向上と言うことも意識して、百人一首の「末の松山」の歌を切り口にしました。低学 年には少し難しいところがあるので、学級学年の実態に応じて補足をお願いします。 ところできょう取り上げた「ちぎりきな」の歌は、清少納言の父であり三十六歌仙の一 人である「清原 元輔(きよはらのもとすけ)」が作者です。この中で詠まれている「末 の松山」は、表面の写真の場所です。宮城県多賀城市にあります。 今から1150年くらい前の869年に起きた「貞観地震(じょうかんじしん)」の際 にも、末の松山を津波が越えることがなかったと言われています。ですからこの歌は、 「絶 対にあり得ない」ことのたとえとして、「末の松山に波が越えるようなもの」と歌ってい ます。ただ、この「ちぎりきな」は恋の歌ですから、説明など深入りしないのが賢明です。 うまく説明してくださいね。 さて、いよいよ学年末です。成績つけも今週が山場です。学年でしっかりと評価基準を 相談して統一しておいてください。あゆみ提出の際は、事前にしっかり読み合わせをして おいていただけると助かります。 だいたい1クラスを見るのに、1時間くらいかかります。十四小は12クラスですから 12時間はかかります。文の修正が多いと、1クラス2時間かかるときもあります。です から、事前の読み合わせをやっておいてくださると助かるのです。校長を助けると思って、 よろしくお願いいたします(^_^;) なお、いつもいつも言いますが、あゆみなど個人情報の校外への持ち出しは厳禁です。 今年度、小平市は「服務事故ゼロ」で来ています。最後の最後に服務事故をおこすことが ないよう、みんなで気を引き締めていきましょう。ただ体調などの関係で提出期限にでき ないときはご相談ください。うまい解決方法を教えますので。 <資 料> 「ちぎりきな」の歌の現代語訳 例 「あの頃、あなたと約束しましたよね。お互いに袖がぐっしょり濡れて、しぼらねばなら ないほど涙を流して。あなたと私の愛情は、永遠に不滅だと。あの波が絶対に越えられな いという「末の松山」のように、2人の心が永遠に変わらぬものだと。」 ※「男はつらいよ!」という歌ですね。それにしても少し未練たらたらで、、、
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