物を大切にしよう

朝会の話
物を大切にしよう
250701
村松
きょうはわたしの知り合いのあるお坊さんから聞いた話を紹介しましょう。
むかし、お釈迦さまといってとてもえらいお坊さんがいて、その弟子に阿難(あなん)
という、かっこよくて優しいお坊さんがいました。女性にも人気がありました。阿難は
ある王様のお城に呼ばれて、お城の中の500人もの女性に話をしました。その話を聞
いた500人の女性たちは、話にすごく感動して、王様からもらったばかりの衣(服を
作る布です)を、阿難にお礼としてあげてしまったのです。衣500枚です。
それを聞いた王様はびっくりして、阿難を城に呼びつけました。そして
「500枚もの衣を受け取ったというのは、本当か」と問い詰めました。阿難はおだや
かに「はいそのとおりです。私個人へではなく、仏教のために使ってほしいという気持
ちでいただいたものです。断る理由はありません。ありがたくいただきました」と答え
ました。
王様は「そんなに多くの衣を、どうするつもりだ」と聞きます。阿難は、「お釈迦さま
には、たくさんのお弟子があります。くださった方の気持ちを大切にし、皆に、分け与
えます」こう言われると王様は言い返せず、しかし意地悪く次のように聞きました。
「では、それまで着ていた古い衣は捨てるのか」
「いいえ。下着に作り替えます」
「では古い下着はどうするのだ」
「縫い合わせて、寝る時の敷布団にします」
「それまで使っていた敷布団は」
「敷物にします」
「古い敷物はどうするのだ」
「足をふく雑巾にします」
「古くなった雑巾はどうするのだ」
「はい、細かく切って、床や壁に塗る泥に混ぜて
使います。私たちは、いただいた物を決して無駄には致しません」
と答えたのです。これを聞いた王様は、阿難に謝り、心から阿難を尊敬したということ
です。
今月の生活目標は「物を大切にしよう」です。日本には
「もったいない」という言葉があります。このもったいな
いと同じ意味の言葉は、外国にはないそうです。私たちは、
「もったいない」の気持ちを忘れずに、7月を過ごしてい
きましょう。これで朝会の話を終わります。
<裏面に「先生方へ」があります>
<先生方へ>
生活指導朝会ですが、特別に話をさせてもらいました。今回は、今月の生活目標にあわ
せて、仏教説話の中にある「阿難」について話しました。阿難は、釈迦の十大弟子の一人
で、多聞第一(たもんだいいち)と言われています。また美男子として知られています。
王様と阿難との会話から、物を大切にする気持ちが少しでもわかってくれればいいかなと
考えています。学年に合わせた補足お願いします。
また、「もったいない」についても少しだけふれておきました。これはケニアの女性環
境保護活動家のワンガリ・マータイ(環境分野で初のノーベル平和賞受賞者
2004年)
さんが、2005年、京都議定書関連行事出席のため来日した際、日本語の「もったいな
い」という言葉を知って感銘を受けたことから取り上げました。その後マータイさんが、
「MOTTAINAI」キャンペーンとして全世界で話されたことは、先生方もよく知っている
ことでしょう。高学年では、このことについても簡単に触れておいてくれると助かります。
よろしくお願いいたします。
いよいよ7月、成績つけの季節がきました。準備は整っていると思いますが、計画的に
一日一日を過ごしていきましょう。この日までにこれをやると決めたら、延ばすことなく
やり終えていきましょう。延ばしていくと、突発的な事態があったときに対応できなくな
ります。早め早めが肝心です。お互い心していきたいですね。
今週は、保護者会、くすのき学級の校内研究(授業研究)、5年生の学力向上のための
調査などがあります。学年で上手に分担してすすめてください。副担任の先生方も、積極
的にご協力ください。担任からは、お願いをしにくい面があります。副担任の先生方から、
「なにか手伝うことはありませんか」と声をかけてください。よろしくお願いいたします。
<参
考:7月について>
7月は、別名:文月(ふみづき、ふづき)。文月の由来は、7月7日の七夕に詩や短歌
をつくったり、虫がつかないように書物を乾かしたりする風習があるからというのが定説
となっています。しかし、七夕の行事は奈良時代に中国から伝わったもので、もともと日
本にはないものです。そこで七夕とは関係なく、稲の穂が実を含む月であることから「含
み月」
「穂含み月」の意味であると考える人たちもいます。また、
「秋初月(あきはづき)」、
「七夜月(ななよづき)」という別名もあります。
英語での月名、July(ジュライ)は、ユリウス暦をつくったローマの政治家、ユリウス
・カエサル(ジュリアス・シーザー)にちなむと言われています。