4. 前立腺特異抗原(PSA)の標準化に関する活動報告

日本臨床検査標準協議会会誌 21(1):9-47 2006
4. 前立腺特異抗原(PSA)の標準化に関する活動報告
Working Group Report on Standardization Activity of
PSA Testing Standardization Committee
ӏ᥿ǽ៎ඒ᤼ᴥ PSA ೫౼ൈໄԇߩᩌ݃‫͢׆‬ˁͽഈ᥂͢ᩋᴦ
Shojiro KanoᴥHead, Working Group of PSA Testing Standardization Committeeᴦ
標準化専門委員会【付属資料 A】が設立され、基
ɂȫɔȾ
臨床検査の標準化は、対象とする目的物質に
関して、上位の標準物質から下位の臨床検体へ
準測定体系の検討とその確立に向けての活動を開
始した。
正確さを伝達する基準測定体系を確立することに
2002 年 度 か ら 2003 年 度 の 2 年 間 に、 本 委
ある。なかでも、伝達連鎖の最上位に位置づけら
員会の中に設けられた作業部会が中心になって、
れる一次標準物質の確立が最も基本となるが、標
PSA 基準測定体系の骨子の立案、その基軸とな
準化の作業はそれにとどまるものではない。特
る血清ベース二次標準物質の作製法と基準測定操
に、被測定物質が実試料中で他の物質と結合して
作法の備えるべき条件の検討、そして、基準測定
多様な分子形態をとるような系においては、測定
体系(案)を検証する共同実験の実施など、多く
対象の明確化とともに免疫反応特性の解析と是正
の課題に取り組んできた【付属資料 B】。この作
が重要である。また、マトリックスの影響を受け
業部会の実質的な活動は予定の期間内に終了して
やすい免疫学的測定においては、実試料とは異な
いたが、その取りまとめに時間を要したため開店
るマトリックスに調製された一次標準物質の正確
休 業 状 態 が 長 く 続 き、 よ う や く 2005 年 7 月 の
さを、いかに下位に伝達するかが重要な課題とな
第 17 回作業部会において、一定の結論と合意を
る。
得るに至り、それをもって作業部会を解散するこ
前立腺特異抗原 (PSA) については、精液とい
ととなった。
本報告書においては、まず最初に、PSA の標
う比較的入手しやすい材料から精製・純化する
ことが可能であり、標準化にとって他の腫瘍マー
準化に関する国内外におけるこれまでの主な歩
カーにない利点を有している。しかし、その反
みを振り返りながら現状の課題を明らかにし、次
面、PSA がプロテアーゼであるが故に派生する
に、本作業部会が中心に取り組んできた活動内容
数多くの問題があり、それらを克服しながら標準
とその成果についてのまとめを行った。
化が進められてきたともいえよう。なかでも免疫
± ᴫᚌຏ PSA Ɂລްߦ៎Ɂ஥ᆬԇ
反応性の偏りについては、1997 年と 2000 年に
1979 年に Wang らにより見出された PSA は、
実施された解析的なサーベイが契機となって、問
題点の是正が進められてきたが、PSA の基準測
その臨床的有用性があまりに顕著であったため、
定体系を確立するという標準化の最終ゴールに関
基礎研究が伴わないまま臨床応用が急速に広がっ
しては未検討のままであった。そこで、2002 年
た 面 も あ っ た。 す な わ ち、1986 年 に 米 国 FDA
に日本泌尿器科学会が日本臨床検査標準協議会
に よ り Hybritech 社 の Tandem-R PSA が 認 可
(JCCLS)に入会したことを受けて、PSA 検査
されて以来、これを追うように次々に新たな測
−9−
日本臨床検査標準協議会会誌 第 21 巻 1 号 2006
定キットが開発されたが、この時点では、血清中
の作製法、精製法ならびにアミノ酸分析による値
における PSA の多様な存在様式は知られていな
付けの方法を明示したこと、さらに第三に、血清
かった。しかし、90 年代になって、PSA のアミ
中では PSA-ACT が優位であることを考慮して、
ノ酸配列などの構造やセリンプロテアーゼとして
こ れ ら PSA-ACT 標 品 と Free PSA 標 品 を モ ル
の本態が解明されるとともに、血清中では PSA
比にして 90:10 の割合で混合した混合物 90:10
が遊離の状態で存在するのではなく 、 むしろ 、 α 1-
standard を作製し、世に問うたことである。こ
アンチキモトリプシン (ACT) やα 2- マクログロ
れ を 受 け て、1999 年 に WHO と IFCC が、 こ
ブリン (AMG) のプロテアーゼインヒビターと結
れら生物学的標準物質を一次標準物質 (primary
合した複合体として存在することが明らかにされ
standard) として国際的に認証し、英国 NIBSC
た。これら複合体のなかで、通常の免疫学的方法
から供給の道を開いたことは、特筆に値すること
で 測 定 で き る の は ACT と の 結 合 型 (PSA-ACT)
であった。これらの一次標準物質は、アルブミン
で あ る の で、 血 清 中 PSA の 測 定 対 象 と し て は、
を含むリン酸緩衝液の凍結乾燥品として調製され
遊 離 型 PSA (Free PSA) と PSA-ACT の 2 種 の
ており、長期での安定性が保証されている。
分子種であることが明確化され、これまでの漠
然とした理解を改めることとなった (1, 2)。なお、
³ ᴫɷʍʒɁе჆Օख़࿑ॴɁᜓ౏Ȼழඩ
通常の大半の血清検体においては、PSA-ACT が
先にも述べたように、80 年代においては、血
80 ∼ 90%の優位を占めることが明らかにされた
清 PSA の 測 定 対 象 に 関 す る 理 解 が 不 十 分 な ま
が、同時に、その分画測定の臨床的意義も注目さ
ま、数多くのキットが輩出したが、後発のキッ
れるようになった。以後、90 年代の半ばからは、
ト は、PSA に 対 す る モ ノ ク ロ ー ナ ル や ポ リ ク
血清 PSA という場合、これら PSA-ACT と Free
ローナルの適当な抗体を組み合わせて、先行す
PSA の異なる分子形態を合わせて総 PSA (Total
る Tandem-R への相関性に主きを置きながら測
PSA) としてとらえ、それらをいかに測定するか
定系が組み立てられていた。そのため、PSA 測
が課題となった。
定キットの広がりとともに、無視できないキッ
ト間差の存在が問題になったが、その当時は、免
² ᴫ PSA ˢඒൈໄ࿎᠎Ɂᆬ቏
疫学的測定法にありがちな分析精度の一般的な
プロテアーゼでしかも糖タンパクである PSA
限界として受け止められていたと思われる。し
を、リコンビナントにより作製することは不向き
かしながら、PSA の血清中における分子多様性
とされる。そのため、PSA の標準物質としては、
が明らかとなった 90 年代の半ばから、このよう
精漿を材料として物理化学的に分離精製する方法
なキット間差の問題が、Free PSA への偏り反応
が 一 貫 し て と ら れ て き た。 な か で も、Stanford
(skewed response) によるものであることが指摘
大学泌尿器科学教室を中心とする米国の研究
され、血清 PSA の測定対象である Free PSA と
チームがこれに精力的に取り組み、その成果が、
PSA-ACT の両分子を同等にとらえる等モル反応
1997 年に米国 NCCLS から、ゲルならびにイオ
(equimolar response) への指向が議論されるよ
ンクロマトグラフィーによって PSA を生化学的
うになってきた。
純度にまで精製する指針として提案(3)されたが、
本邦においても、時期を同じくして、PSA 検
それは単に精製法にとどまらずに、次の 3 点に
査の普及に伴うキット間差が問題となり、日本泌
おいて画期的なことであった。すなわち、まず第
尿器科学会と日本臨床病理学会が「血清 PSA 測
一に、精製品 PSA の値付けを、アミノ酸分析の
定に関する調査研究委員会」を発足させ、1997
値をもとに PSA の既知の分子量から算出する方
年 に、22 社 28 種 の キ ッ ト が 参 加 す る サ ー ベ
法を提示したこと、そして第二に、遊離型 PSA
イ (1997 年サーベイ ) を実施した (4)。このサー
の み で な く、 結 合 型 PSA-ACT に つ い て も、 そ
ベ イ で は、 血 清 試 料 を 用 い て 行 う 調 査 の 外 に、
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日本臨床検査標準協議会会誌 第 21 巻 1 号 2006
Stanford 大 学 か ら 入 手 し た Free PSA と PSA-
に、実試料と同等のマトリックスを有する二次標
ACT の精製品を用いて、その希釈試験の成績か
準物質を導入して、上位の正確さを下位の血清検
ら、それぞれのキットの Free PSA と PSA-ACT
体へ伝達する基準測定体系の確立が望まれる。
に対する免疫反応特性を定量的に解析する新た
そこで、2003 年に、日本臨床検査標準協議会
な試みが行なわれた。その結果、半数の 14 キッ
(JCCLS) のなかに、山中英壽・群馬大学泌尿器
トが著しい偏り反応にあることが分かり、このよ
科学教授を委員長として、関連する学会や協会か
うな免疫反応性の違いが、キット間差の主たる要
ら専門家を集めた「PSA 検査標準化専門委員会」
因であることが明らかにされるとともに、等モル
が設けられ、その作業部会が中心となって、血清
反応への指向が最重要課題であることが提言され
ベース二次標準物質の作製を目指して検討を開始
た。等モル反応を実現するためには、Free PSA
した。この二次標準物質の作製は、血清と同等の
と PSA-ACT の 両 者 に 共 通 す る エ ピ ト ー プ を 認
マトリックス性状を有する溶媒 ( ベース血清 ) に
識するモノクローナル抗体の選択や、両者が等し
精製 PSA を添加して基準測定操作法により値付
く反応する反応時間等の至適化などが必要である
けをすることを基本とするもので、そのために必
が、該当するメーカーや開発するメーカーでは、
要なベース血清の作製方法と基準測定操作法の備
これに沿った改良・開発が進められた。その結果、
えるべき条件につき検討が加えられた (6)。
日本泌尿器科学会の「PSA ad hoc 委員会」が、
4-2) ベース血清の作製
3 年 後 の 2000 年 に、18 社 26 種 の キ ッ ト の 参
ベース血清としては、血清と同等のマトリッ
加 を 得 て 実 施 し た サ ー ベ イ (2000 年 サ ー ベ イ )
クス性状を有するだけでなく、内因性 PSA が無
では、著しい偏り反応を呈したのはわずか 4 キッ
視できるもので、しかも、添加した PSA の免疫
トにまで減少して等モル反応が大半を占める状況
反応性がそのまま保持されるものでなければな
となり、血清試料でのキット間差も明らかな解消
らない。前 2 者の条件を満たすものとして、女
が見られるなど、大きく前進した (5)。これら免
性プール血清が材料に選ばれたが、問題は、そ
疫反応特性の解析と等モル反応への是正という点
の血清から、PSA と相互作用するプロテアーゼ
でも、Free PSA と PSA-ACT の精製品が果たし
インヒビター、なかでも PSA 分子を完全に包埋
た役割は大きいといえよう。
し、その免疫活性を消失させてしまう AMG をい
かに不活化ないし除去するかであった。その候
´ ᴫᚌຏʣ˂ʃ̝ඒൈໄ࿎᠎Ɂ೫᜞
補の方法として、非特異的な蛋白変性をねらった
4-1) 血清 PSA の基準測定体系 ( 案 )
アルカリ処理による不活化、あるいは、AMG に
このように、免疫反応特性の改良は PSA 測定
焦点を当てたメチルアミン等による不活化、また
のキット間差の解消に大きく寄与したが、キッ
は、特異抗体による除去や Zn キレート樹脂によ
ト間差のもう一つの要因には、メーカーがキッ
る除去などが考えられたが、委員会としては、す
トの検量用標準物質の校正に用いる標準物質の問
でに Hybritech 社あるいは ( 株 ) 東ソーで実績が
題がある。1999 年に国際的に認証された一次標
示されているアルカリ処理の方法を選択した。そ
準物質、なかでも 90:10 standard は急速に普及
こで、添加した精製 Free PSA が AMG との複合
し、多くのメーカーが、社内標準物質の校正に何
体を形成することなく、その免疫活性が定量的に
らかの形で採用してきていると考えられる。しか
回収されること、また、血清蛋白のゲル化やアル
しながら、この一次標準物質は凍結乾燥品で、ア
ブミンの著しい変性等のマトリックス変化を起こ
ルブミンを含むリン酸緩衝液 ( ベース緩衝液 ) に
さないことなどを指標にしながら、pH12.0 まで
調製されており、血清とは異なるマトリックスで
のアルカリ処理の条件検討を行った。その結果、
ある。マトリックスの違いが反応性に影響しやす
女性プール血清に 10M NaOH を滴下し pH11.0
い免疫学的測定においては、一次標準物質の下位
へ、30 ℃ に て 4 時 間 保 温、10M HCl を 滴 下 し
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日本臨床検査標準協議会会誌 第 21 巻 1 号 2006
pH7.4 へ、そして 0.8mm メンブレンフィルター
系列の精製試料について、それらの測定値の表示
にて濾過する方法を、ベース血清の作製に用いる
値に対する回帰係数から、各キットの分子反応特
こととした (7)。
性 (Free PSA と PSA-ACT に対するモル反応比 )
4-3) 基準測定操作法の備えるべき条件 ( 等マト
とマトリックス反応特性 ( ベース緩衝液とベース
血清に対するマトリックス反応比 ) を算出し、基
リックス反応性 )
次に、このベース血清に精製 PSA を添加した
準測定操作法の条件を満たすものがある否かにつ
二次標準物質の値付けを行う基準測定操作法の
いて検討した。仮にその条件として、モル反応比
備えるべき条件につき検討した。基準測定操作法
とマトリックス反応比の許容誤差が共に± 2.5%
には、Free PSA と PSA-ACT に対する等モル反
以下とすると、4 キットが選別された。そこで、
応性はもちろん、高い分析精度が望まれることは
未知の血清試料 (30 種類 ) について、これら仮の
いうまでもないが、この外に、緩衝液と血清に対
基準測定操作法にて測定して得られる値の平均値
する等マトリックス反応性が重要となる。すなわ
を目標値とした。そして、この血清試料のなかか
ち、基準測定操作法は、緩衝液ベースの一次標準
ら、精製試料系列に対応する濃度近傍のものを 5
物質から血清ベースの二次標準物質へ正確さを伝
種選び、それらを、血清そのものを標準物質とし
達するものであり、これら異なるマトリックス間
て用いることを想定した血清試料系列とした。
で免疫反応性に違いがあってはならない。日常的
次 に、 こ れ ら マ ト リ ッ ク ス ( ベ ー ス 緩 衝 液 と
測定法であっても、このような条件を備えた測定
ベ ー ス 血 清 ) と PSA 分 子 種 (Free PSA と PSA-
法 が あ れ ば、 そ れ ら を consensus method 、 す
ACT) の異なる 4 種の精製試料系列と 1 種の血清
なわち、専門家集団の意見の一致の下に定めた
試料系列、都合 5 種の系列を標準物質として使
基準測定操作法とすることも可能である。その検
用した場合、いずれがキット間差の解消に寄与す
証のためには、ベース緩衝液とベース血清に精製
るかを検討した。この場合、これらをキットの校
PSA を同濃度となるよう定量的に添加した 2 系
正に直接使用することはできないので、これら 5
列の精製試料を調製して、それらを測定した結果
種の試料系列をキットの通常の方法で測定し、そ
が許容範囲内で一致すれば、その測定法は等マト
れぞれの測定値の表示値 ( 目標値 ) に対する回帰
リックス反応性の条件を満たすことになるので、
係数を求め、その逆数を未知の血清試料の測定値
二次標準物質の値付けに使用することができる。
に掛けて得られる 5 種の換算値を算出した。そ
4-4) 基準測定体系 ( 案 ) を検証するための共同実
して、これらの換算値が測定値そのものに比べて
験【付属資料 C】
データの収束性に寄与するか否かにつき、変動係
基準測定操作法と二次標準物質を基軸とする
数 ( 平均値に対する相対平均偏差 ) と相対誤差 ( 目
以上の基準測定体系 ( 案 ) が、キット間差の解消
標値に対する相対平均偏差 ) の 2 つの指標で比較
( データの収束性 ) にどの程度寄与するかを検証
した。その結果、参加 30 キットの全データを一
する共同実験を、2003 年 9 月に、19 社 30 キッ
括した場合には、血清ベース精製試料や血清試
トの参加を得て行った。なお、共同実験に参加
料系列で補正した換算値が、測定値そのものや緩
した測定系は別表に企業名の五十音順で列記し
衝液ベース精製試料で補正した換算値に比べて、
たが、その順番と、以降の解析結果の図中に用い
データの収束性に優れており、血清ベースの二次
た各社測定系の番号は対応するものではない。こ
標準物質の有効性が示された。
しかし、これらのデータをつぶさに見直すと、
の共同実験では、まず、一次標準物質と二次標準
物質を想定し、Stanford 大学より入手した精製
30 キットの内、1 キットが極端に乖離したデー
Free PSA と PSA-ACT をそれぞれ 0 、0.5 、2.5 、
タで、他の残り 29 キットとは全く異なる挙動を
4 、10 、25 ng/ml の濃度 ( 表示値 ) となるよう
示しており、これらを一括りにすることは結論
ベース緩衝液とベース血清に添加して調製した 4
を誤りかねない。そこで、この 1 キットを除い
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日本臨床検査標準協議会会誌 第 21 巻 1 号 2006
た残り 29 キットのデータについて解析し直した
れた。
ところ、補正しない測定値そのもののデータの収
また、今回試作したアルカリ処理ベース血清
束性は高く、血清ベース精製試料や血清試料で補
PSA を、 今 後、 本 格 的 な 二 次 標 準 物 質 と し て、
正した換算値のそれに比べ遜色のないものであっ
基準測定体系に組み込めるまでに仕上げて行くた
た。緩衝液ベース精製試料による補正について
めには、それ自体はもとよりその周辺を含めたさ
は、血清ベース精製試料による補正に比べやや劣
らなる検討が必要であろう。特に、アルカリ処理
る傾向にあったが、その違いはそれほど大きいも
によるベース血清の作製は、AMG の最大限の不
のではなかった。添加する PSA の違いに関して
活化を進める一方で、他の蛋白なかでもアルブミ
は、ベース緩衝液とベース血清のマトリックスの
ンの変性は最小限に抑えるという二律背反の条件
違いは関係なく、PSA-ACT を添加したものの方
に依拠せざるを得ず、また、変動要因として材料
が Free PSA を添加したものに比べ、データの収
血清の蛋白濃度も影響するなど、再現性のある二
束性の点でやや勝っている傾向がみられた。これ
次標準物質の安定な作製・供給を図るまでには、
まで当委員会では、複合体である PSA-ACT に比
多くの課題がある。従って、このアルカリ処理
べて単純と思われる Free PSA の方が、二次標準
ベース血清 PSA については、当面、認証標準物
物質の材料として相応しいのではないかと考えて
質としてではなく、精度管理用のコントロール試
いたのであるが、事実はそうではなく、血清中で
料としての使用にとどめるべきであり、その点に
主体をなす成分すなわち、PSA-ACT を重視すべ
関しては、全員の意見の一致が得られた。
本委員会では、基準測定体系のなかに、血清ベー
きことを教えるものであった。
ス二次標準物質を導入することを目標にして、そ
4-5) 共同実験の結果に関する解釈と議論
以上の結果は、この問題の 1 キットの校正に
の開発に取り組んできた。しかしながら、今回の
血清ベース二次標準物質は機能したが、残りの他
共同実験の結果、今日の PSA の日常検査法の進
のキットについては、すでにほぼ校正された状態
歩が、問題の 1 キットを除けば、緩衝液系の標準
にあり、二次標準物質による校正を要しないこと
物質でデータの収束が得られている状況が明らか
を示していると考えられる。問題の 1 キットは、
となり、WHO 一次標準物質から製造業者実用校
反応液に占める血清の比率が大きい第一世代の
正物質へ、二次標準物質を介入させないで直接伝
ELISA であるため、マトリックスの影響を強く
達する現状の体系を尊重する意見が多数を占めた。
受けるものと思われる。それに対し、残りの大多
一方、PSA の測定にホモジーニアス系が開発され
数のキットにおいては、指示反応の高感度化や試
てきている現況を考えると、二次標準物質により
料の微量化などにより、血清/反応液比を低下さ
基準測定体系のトレーサビリティーを完徹させる
せてマトリックスの影響を少なくしており、その
ことは、将来的に重要であるとの意見も出され、
結果、血清ベースの二次標準物質を介さずに一次
二次標準物質作製について、新たな視点での考え
標準物質 ( 特に、90:10 standard) の使用により
方(8) も示されたが、それらは個別に別途取り組
キットの校正をほぼ実現しているものと考えられ
む課題として、現時点での作業部会の役割は完了
る。このように、等マトリックス反応性の性能を
したものとして、本委員会を解散することとした。
満たした反応系であれば、基準測定体系における
伝達連鎖の階層を簡素化することが可能であり、
µ ᴫɑȻɔ
今日の免疫学的測定法の進歩は、日常検査法にお
基準測定体系を検証する共同実験の結果を中心
いてもそのレベルに至りつつあることを伺わせる
に、本委員会の活動成果を以下にまとめる。
ものであった。作業部会の議論では、そのような
1) 過去十年間の国内外における標準化活動の成
なかに、二次標準物質を敢えて投入することが意
果として、等モル反応への指向と WHO 一次
味のあることかどうか、疑問や反対の意見も出さ
標準物質の普及が功を奏し、PSA のキット間
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日本臨床検査標準協議会会誌 第 21 巻 1 号 2006
ぞれ担当しました。
差は確実に解消の方向にある。
2)さらなる標準化の進展のためには、トレーサビ
加野象次郎 ( 東京逓信病院、作業部会長 ) 、
リティーを保証する基準測定体系の確立が必要
伊藤喜久 ( 旭川医科大学 ) 、桑 克彦 ( 筑波大学 ) 、
であり、血清ベース二次標準物質と基準測定操
石橋みどり ( 慶應義塾大学病院 ) 、谷 渉 ( 福祉・
作法を基軸とする PSA の基準測定体系の骨子
医療技術振興会 SR センター ) 、藤橋和夫 ( 栄研
を立案した。
化学 ) 、吉海 毅 ( ロシュ・ダイアグノスティッ
3)基準測定操作法の備えるべき条件として、等モ
クス ) 、嶋津和博 ( 東ソー ) 、阿部克司 ( 栄研化学 ) 、
ル反応性の外に、等マトリックス反応性を挙げ、
小林正樹 ( シスメックス ) 、國近 誠 ( 三洋化成 ) 、
緩衝液と血清に同一濃度に調製したペアー試料
山本克彦 ( 富士レビオ ) 、新井信夫 ( シスメック
を用いるマトリックス反応特性の検定法を提示
ス ) 、佐伯ひろみ ( ベックマン・コールター ) 。
した。
4)血清ベース二次標準物質の候補として、アルカ
リ処理ベース血清 PSA を試作し、それを基準
୫စ
1 . Lilja H, Christensson A, Dahlen U, et
測定体系の検証のための共同実験に使用した。
al: Prostate-specifi c antigen in serum
その結果、この標準試料は、一部の試薬キッ
occurs predominantly in complex with
トで著しいデータの解離を収束するのに効果が
a1-antichymotrypsin .Clin .Chem., 37:
あったが、大部分のキットでは緩衝液系 PSA
1618-1625, 1991.
で充分な互換性が得られた。また、添加する
2 .Stenman UH, Leinonen J, Alfthan H, et al:
PSA としては、Free PSA よりも PSA-ACT を
A complex between prostate specific antigen
用いた方がややデータの収束性が勝っていた。
and a1-antichymotrypsin is the major form of
prostate specific antigen in serum of patients
5) アルカリ処理血清ベース PSA は、当面、コン
トロール試料としての用途が期待されており、
with prostatic cancer: assay of the complex
その安定な供給が SR センターより行なわれる
improves clinical sensitivity for cancer .
Cancer Res., 51: 222-226, 1991.
予定である。
6)以上の成果を一区切りとして、本委員会を解散
3 .NCCLS .Primary Reference Preparations
Used to Standardize Calibration of
することとした。
Immunochemical Assays for Serum Prostate
Specific Antigen (PSA); Approved Guideline .
ȝɢɝȾ
NCCLS document I/LA 19-A .NCCLS,
最後になりましたが、日本臨床検査標準協議会
Pennsylvania, USA, 1997.
には、報告書が大変遅くなりましたこと、お詫び
いたします。また、共同実験の実施に当たっては、
4 . 加野象次郎、伊藤喜久、石橋みどり、栗山 学、
参加メーカーはもとより日本臨床検査薬協会の多
伊藤貴章:わが国における血清総 PSA 測定
大なるご協力をいただきました。ここに、深謝い
の現状と方法間差の要因.泌尿器外科 , 11:
たします。合わせて、本委員会の委員長であられ
942-949, 1998.
た中山英壽群馬大学名誉教授には、作業部会の活
5 . 加 野 象 次 郎、 石 橋 み ど り、 伊 藤 喜 久; 血
動につき終始あたたかく見守っていただき、ご支
清 総 PSA 測 定 に お け る 標 準 化 の 現 状 日
援いただきましたこと、厚く御礼申し上げます。
本 泌 尿 器 科 学 会 PSA ad hoc 委 員 会 に よ る
なお、作業部会に参加したメンバーは以下の通
“2000 年サーベイ”の結果.臨床病理 , 49:
967-973, 2001.
りです。このなかで、ベース血清作製の条件検討
などの重要な実験は谷委員が、また、共同実験で
6 . 加野象次郎:血清中総 PSA 測定の標準化に
の試料調製などの大切な作業は石橋委員が、それ
関 す る 考 え 方 PSA 検 査 標 準 化 専 門 委 員 会
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日本臨床検査標準協議会会誌 第 21 巻 1 号 2006
作業部会による試案.臨床泌尿器科 , 57 ( 増
of Total Prostate-Specific Antigen (PSA)
刊 ): 316-322, 2003.
Immunoassays .Proceeding of 15th
7 . S .Kano, M .Ishibashi, K .Kuwa, Y .
European Congress of Clinical Chemistry
Itoh, W .Tani, K .Shimazu, K .Abe, K .
and Laboratory Medicine, 507-511, 2003.
Fujihashi and T .Yoshikai: Successful
8 . 加野象次郎:前立腺特異抗原(PSA)の標準
Preparation of Serum-Based Secondary
化 ー これまでの取り組みと今後の課題.臨
Reference Material for Standardization
床化学 , 34(S1),159-166, 2005.
͇ࠖ៾୳ A ᴷ PSA ೫౼ൈໄԇߩᩌ݃‫͢׆‬Ɂഫ਽ʫʽʚ˂
学協会団体
氏 名(所 属)
日本泌尿器科学会
山 中 英 壽(群馬大学医学部泌尿器科学);委員長
荒 井 陽 一(東北大学医学部泌尿器科学)
中 島 淳(慶應義塾大学医学部泌尿器科学)
伊 藤 貴 章(東京医科大学泌尿器科学)
黒 川 公 平 (群馬大学医学部泌尿器科学)
山 本 巧
有 馬 公 伸(三重大学医学部泌尿器科学)
古 賀 寛 史(九州大学医学部泌尿器科学)
日本臨床検査医学会
伊 藤 喜 久(旭川医科大学臨床検査医学)
加 野 象次郎(東京逓信病院臨床検査科);副委員長
日本臨床化学会
石 橋 みどり(慶應義塾大学病院中央臨床検査部)
大 川 二 朗(兵庫県立成人病センター検査部)
新 井 京 子(獨協医科大学泌尿器科学)
日本臨床検査自動化学会
桑 克 彦(筑波大学医療技術短期大学部)
日本総合健診医学会
三 原 修 一(日本赤十字熊本健康管理センター健診部 )
日本分子腫瘍マーカー研究会
大 倉 久 直(茨城県立中央病院地域がんセンター内科 )
栗 山 学(国際医療福祉大学付属熱海病院)
イムノアッセイ研究会
市 原 清 志(山口大学医学部保健学科病態検査学)
日本臨床衛生検査技師会
福 村 幸 仁(群馬大学医学部付属病院検査部)
細 萱 茂 実(山梨医科大学病院検査部)
大 西 重 樹(京都市立病院臨床検査科)
日本臨床検査薬協会
藤 橋 和 夫(栄研化学株式会社)
吉 海 毅(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 )
嶋 津 和 博(東ソー株式会社)
日本衛生検査所協会
田 中 聖 英(日本衛生検査所協会)
関 顕(保健科学研究所精度保証室)
標準物質供給機関
梅 本 雅 夫 ( 福祉医療技術振興会 SR センター)
谷 渉 ( 福祉医療技術振興会 SR センター )
͇ࠖ៾୳ B:PSA ೫౼ൈໄԇߩᩌ݃‫๊͢׆‬Ӧጽᤈ
2002 年
4 月 18 日
フォーラム;泌尿器科学
5 月 17 日
第 2 回 WG 会議(東京逓
信病院)
9 月 18 日
Dr. Harry G. Rittenhouse
会総会)
(Beckman Coulter, Inc)
第 1 回 WG 会議(東京逓
との意見交換
信病院)
6 月 19 日
7 月 19 日
第 1 回委員会(東京国際
10 月 22 日
JCCLS 幹事会での報告
−15 −
ICCC Kyoto 2002・
Luncheon seminar
日本臨床検査標準協議会会誌 第 21 巻 1 号 2006
“PSA standardization;
biochemical &
10 月 23 日
の意見交換
4月4日
(ホテルクレメント徳
第 3 回 WG 会議(京都国
島;泌尿器科学会総会)
際 会 議 場;ICCC Kyoto
4 月 11 日
2002)
10 月 23 日
Dr. Robert M. Nakamura
見交換
11 月 8 日
4 月 11 日
第 6 回 WG 会議(東京逓
信病院)
4 月 30 日
予備的共同実験の結果集計
JCCLS 幹事会での報告
ベース血清作製の至適条
第 4 回 WG 会議(東京逓
件の検討
信病院)
6月4日
EuroMedLab
メーカーへの説明会
(慶応
Barcelona 2003 で
大学病院)
の発表“Successful
2 月 14 日
JCCLS 幹事会での報告
preparation of serum-
2 月 14 日
第 5 回 WG 会議(東京逓
based secondary
信病院)
reference material for
12 月 2 日
2003 年
第 2 回委員会(関東会議)
(東京逓信病院)
(Scripps Clinic) と の 意
10 月 26 日
第 2 回委員会(関西会議)
analytical implication”
3 月 18 日
Dr. Sephen D. Mikolajczyk
standardization of total
(Hybritech; Beckman
prostate-specific antigen
Coulter Inc) との意見交
(PSA) immunoassays”
換
6 月 13 日
3 月 24 日 「血清中総 prostate-
信病院)
specific antigen (total
7 月 11 日
リンスホテル;臨床化学
( 案 )」の提案
会夏期セミナー)
7 月 12 日
定体系
臨床化学会夏期セミナー・
ワークショップ「前立腺
②血清ベース二次標準物質
の作製、性状
マーカーをめぐって」
7 月 29 日
③基準測定操作法
第 9 回 WG 会議(東京逓
信病院)
④マトリックスの違いによ
8 月 18 日
る影響を見る実験
予備的共同実験の結果説明
会(慶應大学病院;参加
⑤血清ベース二次標準物質
の仕様とその用途
21 社 29 名)
8 月 18 日
予備的共同実験の実施
(参
加 12 社)
4月1日
第 8 回 WG 会議(徳島プ
PSA) の基準測定体系
①血清中総 PSA の基準測
4 月初旬
第 7 回 WG 会議(東京逓
第 10 回 WG 会議(慶応大
学病院)
9 月初旬
共同実験“Survey 2003”
市販測定系から基準測定操
の 実 施(19 社 30 測 定
作法を選択する可能性の
系の参加)
検討
①基準測定体系の検証
Dr. Peter Bialk (Roche
②基準測定操作法の条件を
Diagnostics GmbH) と
満たす測定系の選定
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日本臨床検査標準協議会会誌 第 21 巻 1 号 2006
10 月 30 日
第 11 回 WG 会議(広島国
3.“Survey 2003”に使用したサーベイ試料の種
類とその調製法
際会議場;臨床検査医学
12 月 7 日
12 月 7 日
会総会)
4.“Survey 2003”参加メーカーと測定系
第 12 回 WG 会議(東京都
5. 6. 分子反応特性の解析/ベース緩衝液(1)
(2)
市センターホテル;前立
7. 8. 分子反応特性の解析/ベース血清(1)(2)
腺シンポジウム)
9. Base Buffer と Base Serum で得られる 2 つ
センターホテル;前立腺
10. 11. マトリックス反応特性の解析(1)(2)
シンポジウム)
12 . Free PSA と PSA-ACT で得られる 2 つのマ
共 同 実 験“Survey
トリックス反応特性値(マトリックス反 応
2003” の 解 析 結 果 に つ
比)の分布
13 . 一次標準物質に相当する緩衝液ベース Free
き討議
12 月 15 日
12 月 15 日
の分子反応特性値(モル反応比)の分布
第 3 回委員会(東京都市
メーカーへの説明会
(慶応
PSA 標準試料 (A) による血清ベース標準 試
大学病院)
料 (B, B') の測定値の校正
第 13 回 WG 会議(慶応大
14 . 15. 16. 一次標準物質に相当する緩衝液ベー
ス Free PSA 標準試料 (A) による校正(1)
(2)
学病院)
2004 年
2月9日
第 14 回 WG 会議(東京逓
17 . モル反応比とマトリックス反応比に基づく基
信病院)
2 月 27 日
4月9日
7 月 16 日
(3)
JCCLS 幹事会での報告
第 15 回 WG 会議(東京逓
準測定操作法の選定
18 . 5 種の血清試料 (4, 13, 17, 26, 27) について
信病院)
各測定系で得られた測定値 (C0) の目標値に 第 16 回 WG 会議(鹿児島
対する関係
城山観光ホテル;臨床化
19 . 患者プール血清試料 (C) の測定値の各標準試
料を標準として得られる換算値
学会夏期セミナー)
2005 年
7月8日
第 17 回 WG 会議(宮城蔵
20 . 血清 29 検体について各測定系で得られた測
定値の目標値に対する関係
王ロイヤルホテル:臨床
21. 22. 23. 24. 25. 26.
化学会夏期セミナー)
7月9日 臨 床 化 学 会
血 清 29 検 体 に つ い て 各 測 定 系 で 得 ら れ る
夏 期 セ ミ ナ ー・ ワ ー ク
測定値と各種換算値の目標値に対する差のプ
ショップ「ホルモン、腫
ロット(1)(2)(3)(4)(5)(6)
瘍マーカーのイムノアッ
27 . 血清 29 検体について全 30 測定系で得られ
セイの標準化の現状と展
る測定値 (C0) と各種換算値 (C1 ∼ C5) のデー
望」
タの分布状況
28 . Outlyer の 1 測定系を除く 29 測定系で得ら
れ る 測 定 値 (C0) と 各 種 換 算 値 (C1 ∼ C5) の
͇ࠖ៾୳ Cᴸ‫ژ‬ໄລްͶጕᴥಘᴦɥ೫ᜳȬɞȲɔ
Ɂцպ޴᮷
分布
1. 血清総 PSA の基準測定体系(案)における基
29 . Precision Profile として見た測定値と各種換
準測定操作法ならびに血清ベース二次 標準
算値のデータの収束性(1)−全 30 測定系 −
30 . Precision Profile と し て 見 た 測 定 値 と 各 種
物質
2. Survey 2003 サーベイの目的、サーベイの
概要
換算値のデータの収束性(2)− Outlyer の 1
測定系を除く 29 測定系 −
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