高 CMR 光結合型アナログ アイソレーションアンプ

高 CMR 光結合型アナログ
アイソレーションアンプ
本データシートは白パッケージ製品(HCPL-7800/7800A:デートコード 9930/1999 年7月∼、HCPL-7840:デートコー
ド 9833/1998 年8月∼)に関するものです。旧製品(黒パッケージ)の仕様については、別途お問い合わせください。
HCPL-7800
HCPL-7800A
HCPL-7840
特 長
流のモニタリングを正確にまた安定に実現することができま
す。本製品は,ノイズ除去能力が高くしかも低価格のモータ
電流検出部を小型で軽量で簡単に実現します。また,ノイズ
の発生しやすい環境下において,正確,安定で直線性を必要
とするアナログ信号のアイソレーションに使用することがで
きます。本製品は 0.8µm の CMOS-IC プロセスによる Σ − ∆
アナログ/ディジタルコンバータ,チョッパ安定化増幅器,
差動入出力回路などを採用しています。高効率で高速の
A1GaAsLEDと高速で雑音除去シールドが施されているディ
テクタとは,内部で光学的に結合しています。これらの技術
により,正確で安定したオフセットやゲインなど共に優れた
アイソレーションモード除去能力を実現することができま
す。小型で自動実装可能な工業標準8ピン DIP パッケージ
(ガルウイング型の面実装用リード加工オプション# 300 も
可)。世界的な安全規格に適合します。
● 高 CMR/CMTI:
10kV/µs Min.at VCM = 1000V
● 入力オフセット電圧:2.0mV Max.
● 入力オフセット電圧温度ドリフト:
10.0µV/℃ Max.
● 帯域: 50kHz Min.
● ノンリニアリティ:0.35% Max.
● ゲインばらつき
HCPL-7800A ・・・・・・ ± 1%
HCPL-7800 ・・・・・・・ ± 3%
HCPL-7840 ・・・・・・・ ± 5%
(中心ゲイン: 8.0V/V)
● 推奨動作温度 : -40℃∼ 85℃
● Σ − ∆A/D 変換技術採用
● 8ピン DIP パッケージ、小型、自動実装可能
● 安全規格
UL1557, CSA(3750V, 1分間)
VDE0884(VIORM = 891Vpk)
応 用
● モータ電流検出
● インバータ母線間電圧検出
● バッテリー電圧モニタ
● その他アナログ信号のアイソレーション
内部回路図
IDD1
概 説
HCPL-7800/7800A/7840(以下 HCPL-7800)は,モータコン
トロール回路に適した同相除去能力の高いソリッドステート
の光結合型アイソレーションアンプです。
高雑音下での様々
なタイプのモータコントロールに HCPL-7800 を使用するこ
とにより,よりスムーズなモータ制御を行うためのモータ電
VDD1
1
VIN+
2
+
VIN–
3
–
GND1
4
IDD2
8
VDD2
+
7
VOUT+
–
6
VOUT–
5
GND2
SHIELD
取扱い上の注意:製品を取り扱う際には,静電気放電による破損,機能低下を防ぐため,一般的な静電気対策をとる必
要があります。別途の製品取扱注意事項を必ずお読み下さい。
6 − 350
6章350-366(PDF用)
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01.5.24, 4:46 PM
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HCPL-7800/7800A/7840
発注方法
例
HCPL-7800 #XXX
オプションなし= 50 個単位チューブ
300 =ガルウィングリードオプション,50 個単位チューブ
500 =テープ&リールオプション,1000 個単位
パッケージ寸法図
スタンダード DIP パッケージ
9.65 ± 0.25
(0.380 ± 0.010)
8
7
6
5
OPTION CODE (“V”OPTION 060, 7840 Only)
DATE CODE
HP
A 7800Z
YYWW
1
2
3
UL
RECOGNITION
4
7.62 ± 0.25
(0.300 ± 0.010)
1.78 (0.070) MAX.
1.19 (0.047) MAX.
6.35 ± 0.25
(0.250 ± 0.010)
4.70 (0.185) MAX.
6
0.51 (0.020) MIN.
2.92 (0.115) MIN.
1.080 ± 0.320
(0.043 ± 0.013)
0.65 (0.025) MAX.
5° TYP.
0.20 (0.008)
0.33 (0.013)
2.54 ± 0.25
(0.100 ± 0.010)
DIMENSIONS IN MILLIMETERS AND (INCHES).
6 − 351
6章350-366(PDF用)
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01.5.24, 4:47 PM
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HCPL-7800/7800A/7840
ガルウイングリード
PAD LOCATION (FOR REFERENCE ONLY)
9.65 ± 0.25
(0.380 ± 0.010)
6
7
8
1.016 (0.040)
1.194 (0.047)
5
4.826 TYP.
(0.190)
HP
A 7800
6.350 ± 0.25
(0.250 ± 0.010)
YYWW
1
3
2
9.398 (0.370)
9.960 (0.390)
4
0.381 (0.015)
0.635 (0.025)
1.194 (0.047)
1.778 (0.070)
9.65 ± 0.25
(0.380 ± 0.010)
1.780
(0.070)
MAX.
1.19
(0.047)
MAX.
7.62 ± 0.25
(0.300 ± 0.010)
0.20 (0.008)
0.33 (0.013)
4.19 MAX.
(0.165)
1.080 ± 0.320
(0.043 ± 0.013)
0.635 ± 0.25
(0.025 ± 0.010)
0.635 ± 0.130
(0.025 ± 0.005)
2.54
(0.100)
BSC
12° NOM.
DIMENSIONS IN MILLIMETERS (INCHES).
TOLERANCES (UNLESS OTHERWISE SPECIFIED): xx.xx = 0.01
xx.xxx = 0.005
TEMPERATURE – °C
最大リフローハンダ付け温度プロファイル
260
240
220
200
180
160
LEAD COPLANARITY
MAXIMUM: 0.102 (0.004)
安全規格について(申請中)
∆T = 145°C, 1°C/SEC
UL
UL1577 ファイル E55361 により承認
∆T = 115°C, 0.3°C/SEC
CSA
Component Acceptance Notice
#5,FileCA88324 により承認
140
120
100
80
60
40
VDE0884
VDE0884/06.92、VIORM=891Vpk 承認
∆T = 100°C, 1.5°C/SEC
20
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
TIME – MINUTES
(注:非塩素系活性フラックスを御使用ください)
(NOTE: USE OF NON-CHLORINE ACTIVATED FLUXES IS RECOMMENDED.)
6 − 352
6章350-366(PDF用)
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01.5.24, 4:47 PM
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HCPL-7800/7800A/7840
VDE0884 絶縁特性 *
概説
記号
特性
単位
Installation classification per DIN VDE 0110/1.89, Table 1
for rated mains voltage ≦ 300 Vrms
I-IV
for rated mains voltage ≦ 450 Vrms
I-III
for rated mains voltage ≦ 600 Vrms
I-II
Climatic Classification
55/100/21
Pollution Degree (DIN VDE 0110/1.89)
2
Maximum Working Insulation Voltage
VIORM
891
VPEAK
VPR
1670
VPEAK
Input to Output Test Voltage, Method b**
VIORM x 1.875 = VPR, 100% Production Test with tm = 1 sec, Partial discharge < 5 pC
Input to Output Test Voltage, Method a**
VIORM x 1.5 = VPR, Type and Sample Test, tm = 60 sec, Partial discharge < 5 pC
Highest Allowable Overvoltage (Transient Overvoltage tini = 10 sec)
VPR
1336
VPEAK
VIOTM
6000
VPEAK
Safety-limiting values − maximum values allowed in the event of a failure.
TS
175
℃
Input Current***
Case Temperature
I S,INPUT
400
mA
Output Power***
PS,OUTPUT
600
mW
RS
≧ 109
Insulation Resistance at TS, VIO = 500 V
OUTPUT POWER – PS, INPUT CURRENT – IS
*Insulation characteristics are guaranteed only within the safety maximum
ratings which must be ensured by protective circuits within the application.
Surface Mount Classification is Class A in accordance with CECC00802.
**Refer to the optocoupler section of the Isolation and Control Components
Designer's Catalog, under Product Safety Regulations section, (VDE
0884) for a detailed description of Method a and Method b partial
discharge test profiles.
***Refer to the following figure for dependence of PS and IS on ambient
temperature.
6
800
PS (mW)
700
IS (mA)
600
500
400
300
200
100
0
0
25
50
75 100 125 150 175 200
TA – CASE TEMPERATURE – °C
絶縁関連規格
記号
特性
単位
最小外部空間距離
項目
L(101)
7.4
mm
入力端子と出力端子間で測定
(外部クリアランス)
最小外部空間距離
L(102)
8.0
mm
入力端子と出力端子間で測定
(外部クリページ)
0.5
mm
CTI
> 175
V
最小内部ギャップ
沿面抵抗
絶縁グループ
III a
条件
導体間の絶縁距離(内部クリアランス)
DIN IEC112/VDE 0303 Part 1
材料グループは DIN VDE0109
(DIN VDE0110,1/89,Table1)
6 − 353
6章350-366(PDF用)
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01.5.24, 4:47 PM
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HCPL-7800/7800A/7840
絶対最大定格
項目
記号
Min.
Max.
単位
TS
− 55
125
℃
動作温度
TA
− 40
100
℃
供給電圧
VDD1,VDD2
0
5.5
V
VDD1 + 0.5
V
VDD2 + 0.5
V
260
C
保存温度
入力電圧
VIN +,VIN −
瞬時入力電圧(2 秒以内)
出力電圧
VOUT +,VOUT −
半田付け温度(最大 10 秒)
(リードが細くなる点より 1.6mm 下)
− 2.0
− 6.0
− 0.5
TLS
注
推奨動作条件
項目
記号
Min.
Max.
単位
TA
− 40
85
℃
動作温度
供給電圧
VDD1,VDD2
4.5
5.5
V
入力電圧(高リニア領域)
VIN +,VIN −
− 200
200
mV
入力電圧(動作領域)
VIN +,VIN −
−2
2
V
注
1
DC 電気的特性
特に指定のない限り TA = 25℃,VIN += VIN −= 0V,VDD1 = VDD2 = 5V,
全ての Min./Max. 値は推奨動作条件の範囲
項 目
記 号
入力オフセット電圧
VOS
Min.
Typ.
Max.
− 2.0
0.3
2.0
− 3.0
入力オフセット電圧 温度ドリフト
ゲイン
7800A
± 1%
7800
± 3%
7840
± 5%
| ∆VOS/∆TA |
ゲイン 温度ドリフト
出力ノンリニアリティ(200mV)
3.0
7.76
mV
10.0
8.00
7.60
| ∆G/∆TA |
0.00025
NL200
0.0037
8.24
%
| VIN +| MAX.
308
入力供給電流
IDD1
10.86
16.0
出力供給電流
入力バイアス電流
IDD2
IIN+
11.56
− 0.5
16.0
5.0
| dIIN/dT |
+ 0.45
nA/℃
"Low" レベル出力電圧
VOL
1.29
V
"High" レベル出力電圧
VOH
3.80
V
2.55
%
3
2.8
mA
5
7,8
− 100mV <VIN+ <100mV
mV
6
9
VIN += 400mV
10
VIN +=− 400mV
µA
11
7
8
9
10
V
| IOSC |
18.6
mA
等価入力抵抗
RIN
500
kΩ
ROUT
15
Ω
CMRRIN
76
dB
入力 DC 同相雑音除去能力
2
4
− 200mV <VIN+ <200mV
%/℃
0.2
出力短絡電流
出力抵抗
4,5,6
V/V/℃
0.35
0.0027
2.2
1,2
3
V/V
0.0002
VOCM
注
8.40
NL100
'"0V" 入力 出力電圧
図
− 200mV <VIN+ <200mV
出力ノンリニアリティ(100mV)
入力バイアス電流 温度ドリフト
TA = 25℃
µV/℃
8.08
ノンリニアリティ(200mV)温度ドリフト | dNL200/dT |
出力がクリップしない最大入力電圧
テスト条件
3.0
7.92
G
単位
11
12
6 − 354
6章350-366(PDF用)
Page 354
01.5.24, 4:47 PM
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HCPL-7800/7800A/7840
AC 電気的特性
特に指定のない限り TA = 25℃,VIN += VIN −= 0V,VDD1 = VDD2 = 5V,
全ての Min./Max. 値は推奨動作条件の範囲
記 号
Min.
Typ.
単位
テスト条件
出力帯域幅
項 目
BW
50
100
Max.
kHz
VIN+ = 200 mVpk-pk
出力ノイズ
伝達遅延時間(50%-10%)
NOUT
tPD10
31.5
2.03
3.3
mVrms
mVrms
伝達遅延時間(50%-50%)
tPD50
3.47
5.6
µs
伝達遅延時間(10%-90%)
tPD90
4.99
9.9
2.96
15.0
6.6
図
注
12,13
sine wave.
立上り / 立下がり時間(10-90%)
コモンモードトランジェント除去能力
tR/F
CMTI
電源ノイズ除去能力
PSR
10.0
kV/µs
170
mVrms
VIN+ = 0.0 V
Measured at output of
MC34081 on Figure 15.
13
14,15
VIN+ = 0 mV to 150 mV step.
VCM = 1 kV, TA = 25℃
16
With recommended
application circuit.
14
15
パッケージ特性
項 目
入出力間絶縁電圧
記 号
Min.
VISO
3750
Typ.
9
入出力間絶縁抵抗
RI-O
>10
入出力間容量
CI-O
1.2
注:
表・図の見方に関する全般的な注意
表中のTyp.値は,通常の動作条件で特性を評価したときに得られ
た平均値です。
それぞれのドリフト値(Typ.)は,ドリフトパラメータに対する
その項目の変化の割合を個々の評価デバイスについて調べ,それ
を平均したものです。それに対し,それぞれのドリフトに関する
図(グラフ)は,通常の動作条件を基準として,ドリフトパラ
メータを変化させたときのその項目の変化量の平均値を動作条件
に対し正規化表示したものです。つまり,特性表中のドリフト値
(Typ.)は,平均値のグラフの傾きとは一致しません。
1. VIN = 0V(GND1 に接続)での使用を推奨。VIN+ を± 100mV ま
でに制限することによって,非直線性および非直線性ドリフトは
改善。GND1に対しVIN-が800mV以上になると,内部テストモー
ドが動作。このテストモードでは使用不可。5. 6ピンおよび7ピ
ンの出力抵抗の差はほとんど0ですが,通常のプロセスのバラツ
キにより,標準偏差 1.3W の誤差があります。従って,出力のオ
フセットを小さくするためには出力電流を 1mA 以下にして下さ
い。
2. 対温度−入力オフセット電圧変化率の絶対値
3. ゲインは,規定されている入力レンジでの差動入力電圧(VIN +−
VIN −)に対する差動出力電圧(VOUT +− VOUT −)を表すグラフに
最適な直線の傾きで定義
4. 対温度−ゲイン変化率の絶対値
5. ノンリニアリティは最適直線からの偏差のpeak-peakの1/2をフル
スケールの差動出力電圧で割った値(%)
。たとえば ±200mV の
入力に対して 3.2V の差動出力があり、偏差の peak-peak が 6.4mV
であれば N.L200 = 6.4/2/3200 = 0.1%
6. N.L100 は± 100mV 入力の場合のノンリニアリティ
7. 入力バイアス電流は、
(VIN + − VIN −)が減少するに従い減少
8. 推奨動作条件内での最大出力供給電流は、
(VIN+−VIN−)=−200mV
時に発生しますが、出力供給電流は(VIN+−VIN−)=−300mVに至
るまでさらに上昇をつづけます。−300mV以下で上昇は止まり、一
定となります。
9. 内部の Σ − ∆ コンバータのスイッチドキャパシタの影響のため、
平均電流値で規定しています。
Max.
単位
テスト条件
Vrms
RH ≦ 50%,t = 1min.,
TA = 25℃
図
Page 355
16,17
Ω
VI-O = 500VDC
18
pF
F = 1MHz
18
10. 差動入力電圧がおよそ 308mV を超えると出力電圧はこの値で一
定になります。
11. ショート電流は、出力がVDD2またはグランドにショートした時
の出力電流
12. CMRR は,60Hz におけるアイソレーションモードゲイン(両入
力ピンをGND1に接続し信号を入出力間に印加する)に対する差
動信号ゲイン(入力ピン間に差動信号を入力)比を dB 表示で定
義。
13. 出力信号ノイズ源には,チョッパノイズと Σ − ∆ 量子化ノイズの
2つが存在します。チョッパノイズは,出力オペアンプのチョッ
パ安定化機能によるものです。このチョッパノイズは一定の周期
(約 400kHz)で発生し,内部出力フィルタでは減少しません。内
部出力フィルタでは,ほとんどの Σ − ∆ 量子化ノイズのを取り除
きますが全てではありません。10kHz 以下においては,HCPL7800から出力されるこの量子化ノイズは非常に微弱で,周波数が
高くなるほど大きくなります。全 RMS 出力ノイズを取り除くた
めのフィルタは,外部後段アンプにより簡単に構成できます。後
述の「推奨回路について」の欄を参照。
14. CMTI(Common Mode Transient Immunity or CMR )はピン 4 − 5
間に急峻な立ち上り / 立ち下がり時間(50ns)の電圧ステップを
印加します。測定は、差動出力電圧(VOUT+ − VOUT −)がその平均
出力に対して 200mV(>1µs)以上変動する点まで、電圧ステップ
を上げていきます。
15. VDD1 および VDD2 に 1Vpk − pk,1MHz,立ち上がりおよび立ち
下がり時間が40nsecの距形波パルスを印加した場合に,差動出力
に現れる瞬間的な電圧の大きさ。
16. UL1577により,最小3750Vrms,1分間の入出力間絶縁電圧VISO
の規定のため,4500Vrms 以上,1秒間の耐圧確認試験(入出力
間漏れ電流 II-O < 5mA)を実施。この試験は“VDE0884 Method
b" の部分放電試験(100%試験)よりも先行して実施。
17. 入出力間絶縁電圧規定は常時耐圧を示すものではありません。常
時耐圧規定は VED0884 の最大動作絶縁電圧(Maximum Working
Insulation Voltage)か、システムレベルでの安全規格を参照くだ
さい。
18. 1次側(ピン1 ∼ 4 を接続)
、2次側(ピン 5∼ 8 を接続)の2端子
で測定
6 − 355
6章350-366(PDF用)
注
01.5.24, 4:47 PM
Adobe PageMaker 6.0J/PPC
6
HCPL-7800/7800A/7840
VDD2
VDD1
+15 V
0.1 µF
1
8
2
7
0.1 µF
10 K
+
HCPL-7800
0.1 µF
3
6
4
5
VOUT
10 K
–
0.47
µF
AD624CD
GAIN = 100
0.1 µF
0.47
µF
-15 V
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
-55
-25
5
35
65
95
125
TA – TEMPERATURE – °C
8.035
0.39
vs. VDD1
0.38
8.03
vs. VDD2
G – GAIN – V/V
0.8
VOS – INPUT OFFSET VOLTAGE – mV
VOS – INPUT OFFSET VOLTAGE – mV
図1.
入力オフセット電圧測定回路
0.37
0.36
0.35
8.025
8.02
8.015
0.34
0.33
4.5
4.75
5.25
5.0
8.01
-55 -35 -15 5
5.5
図2. 温度−入力オフセット電圧ドリフト特性
図3. 供給電圧−入力オフセット電圧特性
VDD1
図4. 温度−ゲインドリフト特性
VDD2
+15 V
+15 V
0.1 µF
1
404
0.1 µF
7
2
10 K
+
HCPL-7800
13.2
0.1 µF
8
0.1 µF
VIN
25 45 65 85 105 125
TA – TEMPERATURE – °C
VDD – SUPPLY VOLTAGE – V
3
6
4
5
10 K
VOUT
–
0.01 µF
0.47
µF
+
AD624CD
GAIN = 4
–
AD624CD
GAIN = 10
0.1 µF
0.47
µF
-15 V
0.1 µF
-15 V
10 K
0.47
µF
図5.
ゲイン/ノンリニアリティ測定回路
6 − 356
6章350-366(PDF用)
Page 356
01.5.24, 4:47 PM
Adobe PageMaker 6.0J/PPC
HCPL-7800/7800A/7840
0.03
8.028
vs. VDD1
8.026
vs. VDD2
8.024
4.5
4.75
5.0
5.25
0.025
0.02
0.015
0.01
0.005
0
-55
5.5
図6. 供給電圧−ゲイン特性
-25
5
35
65
95
vs. VDD1
0.002
4.5
125
1.8
VOP
VOR
1.0
-0.5
-0.3
-0.1
0.1
0.3
10
7
IDD1
IDD2
4
-0.5
0.5
VIN – INPUT VOLTAGE – V
1
-0.3
-0.1
0.1
0.3
PHASE
-2
-100
-150
-250
10000
FREQUENCY
-5
-0.6
0.5
-0.2
0
0.2
-300
10
1000
10000
4.7
Page 357
0.6
Tpd 10
Tpd 50
Tpd 90
Trise
3.9
3.1
2.3
1.5
-55
-25
5
35
65
95
TA – TEMPERATURE – °C
図13. 周波数−位相特性
図14. 温度・伝達遅延特性
6 − 357
6章350-366(PDF用)
0.4
VIN – INPUT VOLTAGE – V
FREQUENCY
図12. 周波数−ゲイン特性
-0.4
5.5
-3
1000
-4
50
-200
-4
10
-3
図11. 入力電圧−入力電流特性
-50
-1
-2
図10. 入力電圧−供給電流特性
0
0
5.5
-1
VIN – INPUT VOLTAGE – V
図9. 入力電圧−出力電圧特性
5.25
0
IIN – INPUT CURRENT – µA
IDD – SUPPLY CURRENT – mA
2.6
5.0
図8. 供給電圧−ノンリニアリティ特性
13
3.4
4.75
VDD – SUPPLY VOLTAGE – V
図7. 温度−ノンリニアリティ特性
4.2
VO – OUTPUT VOLTAGE – V
0.003
TA – TEMPERATURE – °C
VDD – SUPPLY VOLTAGE – V
GAIN
0.004
vs. VDD2
PD – PROPAGATION DELAY – µS
G – GAIN – V/V
8.03
0.005
NL – NONLINEARITY – %
NL – NONLINEARITY – %
8.032
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125
6
HCPL-7800/7800A/7840
10 K
VDD2
VDD1
+15 V
0.1 µF
1
0.1 µF
8
0.1 µF
2K
7
2
VIN
–
HCPL-7800
0.01 µF
3
6
4
5
VOUT
2K
+
MC34081
0.1 µF
10 K
-15 V
VIN IMPEDANCE LESS THAN 10 Ω.
図15. 伝達遅延測定回路
10 K
150 pF
VDD2
78L05
+15 V
IN OUT
0.1
µF
0.1
µF
0.1 µF
8
1
0.1 µF
2
2K
7
–
HCPL-7800
9V
3
6
4
5
VOUT
2K
+
MC34081
0.1 µF
10 K
PULSE GEN.
150
pF
-15 V
–
+
VCM
図16. CMTIテスト回路
6 − 358
6章350-366(PDF用)
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HCPL-7800/7800A/7840
アプリケーション情報
応用回路
機能解説
図 17 に,HCPL-7800 の主な機能ブロックを示します。作動
時には,シグマデルタ変調器がアナログ入力信号を高速シリ
アルビットストリームに変換します。このビットストリーム
の時間平均は、入力信号に直接比例します。このデジタル
データのストリームは、コード化された上で(LEDの経年変
化や温度によるパルス幅歪みの影響を排除するため)光学的
に検出回路に送られます。その後検出された信号は、デコー
ドを経てアナログ信号に逆変換され,最終的な出力信号を取
得するためにフィルタに通されます。
■1次側電源とバイパシング
推奨回路は図 18 に示すように比較的単純なものです。フ
ローティング電源(通常インバータ回路のハイサイドのパ
ワートランジスタを駆動する電源を利用します)は、ツェ
ナーダイオード D1を使い5 V に整圧します。R4の抵抗値は
HCPL-7800 に十分な電流を供給できる値を選びます。モー
タ電流は電流検知抵抗R1により電圧変換され、RCアンチエ
イリアシングフィルタ R2,C2 を通して HCPL-7800 に入力さ
れます。
図17 HCPL-7800 内部機能ブロック図
+
HV+
GATE DRIVE
CIRCUIT
• • •
FLOATING
POWER
SUPPLY
–
R4
6
D1
5.1 V
C1
0.1 µF
R2
39 Ω
MOTOR
• • •
C2
0.01 µF
HCPL-7800
+ R1 –
RSENSE
• • •
HV–
図18 推奨1次側回路
図 1 8 の推奨回路において電源の安定性が保てない場合、
ヅェナーダイオード D1 に代えて安価な 78L05/3 端子レギュ
レータ電源が利用できます(図 19 参照)。更に、レギュレー
タの直前に抵抗またはインダクタを直列に入れ、バイパス
キャパシタ C1 とローパスフィルタを形成することにより、
高周波ノイズやリップルノイズを除去できます。また図 19
中のバイパスキャパシタ C1,C2 は、HCPL-7800 のピンに可
能な限り近くに配置します。これらバイパスキャパシタは、
HCPL-7800 内部では高速のディジタル処理が行われている
ために必要となります。さらに、入力ピンのバイパスキャパ
シタ C3 については、内部回路のスイッチドキャパシタ回路
によるオフセット特性への影響を除くためと、R3 と共にア
ンチエイリアシングフィルタを形成し、高周波ノイズのエイ
リアシングの影響を除きます。またこれらバイパスキャパシ
タは ESD 保護の役割もはたします。
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6章350-366(PDF用)
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HCPL-7800/7800A/7840
POSITIVE
FLOATING
SUPPLY
C5
150 pF
HV+
GATE DRIVE
CIRCUIT
R3
• • •
10.0 K
U1
78L05
IN
+5 V
+15 V
C8
0.1 µF
OUT
C1
C2
0.1
µF
0.1
µF
R5
68
1
8
2
7
C4
0.1 µF
R1
–
U3
+ MC34081
2.00 K
C3
U2
0.01
3
µF
R2
6
VOUT
2.00 K
MOTOR
• • •
+
–
C7
5
4
C6
150 pF
RSENSE
R4
0.1 µF
10.0 K
-15 V
HCPL-7800
• • •
HV–
図19 推奨応用回路
■ PC ボードのレイアウト
最適な CMR 特性を得るためには、適切な設計とレイアウト
を考慮する必要があります。PC ボードのレイアウトでは、
回路の入力側と出力側の物理的距離を極力離すと共に、PC
ボードのグランドプレーンが HCPL-7800 本体の真下を通過
しないようにして、
浮遊容量を最小限に押さえる必要があり
ます。参考に代表的なレイアウトを図20に示します。ここで
注目すべき点は、
入出力の回路がそれぞれ十分な間隔を開け
て独立していること、それぞれの部分の配線が最小面積にな
るようレイアウトしていることです。これは回路自体をコン
パクトに凝縮して、影響を受ける部分を少なくしているの
と、コモンノイズ除去を改善する意味からも、入出力両側の
配線をまとめて面積を小さくする手法が有効となります。
■ 電流検出抵抗の接続
HCPL-7800 の入力ピンと電流検知抵抗の接続で最も簡単な
方法は、図 19 にあるように、ピン2(Vin+)を検知抵抗の
モータ側(プラス側)、ピン4(GND1)を検知抵抗のマイナ
ス側に接続し、ピン3とピン4を直接接続します。この方法
では、
電源の戻り線を電流検知抵抗の負側の検知線として利
用します。これにより、電源の戻り線の誘導電圧を、HCPL7 8 0 0 のコモンモード信号として扱うことができるため、
HCPL-7800 の高 CMR 特性により、誘導電圧の影響を取り除
けます。検知抵抗と HCPL-7800 の間はツイステッドペア線
または2本の近接した PC ボード上のパターンにより接続
し、検知信号への電磁干渉を最小限に抑えます。しかしアプ
リケーションによっては、戻り線を流れる電源電流がオフ
セットやノイズの原因となる可能性があります。その場合に
は、
ピン3を電源戻り線とは独立に検知抵抗のマイナス端子
に接続すると、性能が向上することがあります。この接続方
法では入力ピンを両方共バイパスする必要があります。
C2
R5
C4
C3
TO VDD1
TO VDD2
VOUT+
VOUT–
TO RSENSE+
TO RSENSE–
図20 PCボードパターン
■ 2次側ポストアンプ
推奨回路(図 19)では、次の 3 つ目的のためにポストアンプ
を使用します。①出力信号をグランド基準のシングルエンド
の電圧に変換する。
②出力信号を必要なレベルまでに増幅す
る。③フィルタにより、出力ノイズをカットする。
HCPL-7800 は差動出力なので、その出力のコモンモードノ
イズはポストアンプの CMR により取り除くことができま
す。ポストアンプに使用するアンプの選定には、用途により
必要な精度と帯域を持ったアンプを選ぶ必要があります。ま
たポストアンプ自身のオフセットやオフセットドリフトが、
HCPL-7800 による影響より低く抑えられるような精度を
持っている必要があります。それ以外にポストアンプには、
回路全体の応答性に悪影響がないように十分な帯域とス
リューレートを備えていることです。ポストアンプには1次
ローパスフィルタを形成する1組のキャパシタ(C5,C6)が
含まれています。
これらキャパシタによってポストアンプの
6 − 360
6章350-366(PDF用)
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HCPL-7800/7800A/7840
帯域とゲインとを独立に調整できるので、
出力ノイズを低減
化するのに有効です。推奨回路には比較的低価格の2チャン
ネルタイプを使用しており、オフセットとオフセットドリフ
ト特性に優れ、
適切な帯域とスリューレートを持ったデバイ
スとして、例えば MC34082(Motorola),TL052A(Texas
Instruments),LF412A(National Semiconductor)などの各種
アンプを利用することができます。またゲイン設定用の抵抗
器には、回路全体の CMRR とゲイン誤差が保証されるよう
許容誤差1%以下の抵抗器を選びます。厚膜ネットワーク抵
抗は誤差が小さく、
かつ部品点数とボードスペースを節約で
きます。
■電流検知(シャント)抵抗
電流検知シャントレジスタは,低抵抗(電力損失を最小限に
する),低インダクタンス(作動に悪影響を与えやすい di/dt
誘導電圧スパイクを最小限にする)、そして適当な許容誤差
(回路の全体的な精度を保つ)を備えたものでなければなり
ません。シャントの値には,小さな抵抗による電力損失の最
小限化と,大きな抵抗および HCPL-7800 入力範囲の広域な
使用による回路精度の向上という2つの目的の妥協点を選択
しなければなりません。検知電流によりシャントがかなり熱
くなるほど電流が大きい場合は,
シャントの振幅依存温度上
昇のために,シャントレジスタの温度係数は非直線性を示す
ことがあります。
シャントにヒートシンクを取り付けるか温
度係数の低いシャント抵抗を使用すると,
この影響を最小限
にするのに役立ちます。尚、
極端に小さいシャント抵抗の利
用にはその精度を確保するために4端子型抵抗を推奨しま
す。表1に電流検出に適した抵抗の製造・販売しているメー
カの一覧を示します。
表1.
メーカ名
電話番号
(株)磐城無線研究所
044-833-4311
ミクロン電気( 株)
045-542-3960
日本ビシェイ( 株)
0427-29-0661
Dale (USA)
402-564-3131
IRC (USA)
704-264-8861
■入力オーバーレンジでの使用
HCPL-7800 の入力レンジは± 200mV の範囲で各パラメータ
がスペックされています。このレンジを超えて出力がクリッ
プする入力レンジは標準的なもので± 300mV 付近です。±
300mV でのノンリニアリティは概ね5 % 以内、± 240mV で
は概ね1 % 以内となっています。これらはあくまで参考値
であり、設計に当たってはデータシートの推奨範囲内で利用
願います。
同じようにノイズを拾って、影響を打ち消すという特長を生
かしきれない場合があります。最適化にはまず、入力回路の
グランド(コモン)を、どのように電流検知抵抗に接続する
かとういう点があります。これにはケルビン接地法を用いま
す。
検知抵抗のマイナス側端子からの配線を含めて入力回路
のグランド(コモン)は、HCPL-7800 のピン4にできるだけ
近くの1点で接続します。これは非常に重要なことで、固有
の寄生インダクタンス成分が含まれるモータ回路のワイヤに
大量の負荷電流が流れると、検知抵抗により得られる微少な
測定電圧に比べ大きなノイズスパイクやオフセット電圧が生
じてしまいます。
そこで検知抵抗のマイナス側を入力回路に
直接接続することにより(図 19)、モータ電流によるノイズ
がコモンモードノイズとなり、測定電圧からの除去ができま
す。次に、ゲートドライブ回路と電流検知回路(HCPL-7800
の入力回路)で同一の電源を使用するのであれば、グランド
ループの問題を生じさせないために、HCPL-7800 のピン4
から検知抵抗への線を、電源からの電流の戻り線(グランド
線)とします。つまり、HCPL-7800 の入力回路とゲートドラ
イブ回路間は、電源のプラス側のみを接続しマイナス側(グ
ランド側)は直接接続しません(図 21 )。
次に PC ボード上での配線で見逃しやすい事例を紹介しま
す。 一般に PC ボードは多層構造のものが使用されます。さ
らに各種部品も立体的に実装されるため、実際の配線ではこ
れらが3次元的に配置され、問題を見過ごす場合がありま
す。具体的例を図 22 に示します。ここで問題となるのは、
HCPL-7800 のピン 1-2 からの配線が、全く別の回路からの大
電流ループの中を通ることによって互いに密に結合していま
す。この両者は1対1のトランス結合となり、片側がノイズ
源になっているのと等価になります(図 23 − 24)。 この例
の場合では片電源、
片入力のみに過大なノイズがカップリン
グにより異相ノイズとして印加されるため、
除去されること
なくそのまま出力されてしまいます。HCPL-7800は出力側に
も差動回路を用いているため、同様の注意が出力側にも必要
となります。
その他に、優れたコモンモード除去能力を利用して積極的に
同相カップリングさせる場合には、経路の微妙な違いなど厳
密な解析が必要なため、十分な注意が必要です。以下に注意
事項をまとめます。
● グランドループによる悪影響を受ける部分を把握し、そ
ことの接点を避ける。
● 基本回路のレイアウトに集中して、その中に大電流の配
線やノイズ源の配線を引き回さない。
■周辺回路との最適化
モータドライブでは高電圧・電流を扱うため、CMR の設計
には十分な注意が必要です。ノイズの影響を受けやすい回路
を作り込まない工夫が必要です。HCPL-7800 は差動入力方
式により、コモンモードノイズの影響を最小限に抑えられる
ように設計されています。しかし実回路上では、配線の引き
回しや部品配置が3次元的になるため、必ずしも差動入力が
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6章350-366(PDF用)
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6
HCPL-7800/7800A/7840
基本回路と全体の組み合わせ
次は HCPL-7800 周辺の主要回路を全体の回路と組み合わせ
る時の話をします。
具体的に入力側は電流検知抵抗と電源と
の接続が主な内容になります。まず始めに、入力回路のグラ
ンド(コモン)をどのように電流検知抵抗に接続するかとい
うことです。これにはケルビングランド法を使用しなければ
なりません。つまり、検知抵抗のマイナス側端子からの配線
も含めて、入力回路のグランド(コモン)は HCPL-7800 の
4ピンにできるだけ近くの1点で接続しなければなりませ
ん。これは非常に重要なことで、固有の寄生インダクタンス
成分が含まれているモータ回路のワイヤに大量の負荷電流が
流れると、電流検知抵抗により得られる微小な測定電圧に比
べ大きなノイズスパイクやオフセット電圧が生じてしまいま
す。
検知抵抗のマイナス側を入力回路に直接接続することに
より(図 18)、モータ電流によるノイズはコモンモード信号
となり電流検知信号の伝送の妨げにはなりません。もし、
ゲートドライブ回路と電流検知回路(HCPL-7800 の入力回
路)で同一の電源を使用するのであれば、グランドループの
問題を生じさせないために、HCPL-7800 の4ピンから検知
抵抗への線を電源からの電流の戻り線(グランド線)としな
ければなりません。つまり、HCPL-7800の入力回路とゲート
ドライブ回路間は、電源のプラス側のみをつなげ、電源のグ
ランド側(又はマイナス側)は直接つなげてはいけません
(図 21、点線部分)。
※ GNDd と GNDs のポイントを破線のように接続してしまうと、大
電流 IMOTOR と寄生インダクタンス Lpar as により、グランドループ電
流が生じてしまう。
図21 グランド線の接続に関する注意
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6章350-366(PDF用)
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HCPL-7800/7800A/7840
次に PC ボード上での配線で、見逃しやすい事例を紹介いた
します。
一般に PC ボードは多層構造のものが使用されます、さらに
マウントされる部品も立体的に設置されるので、実際の配線
ではこれらが、からみあって3次元になるので、不具合の作
り込みを見過ごしてしまう場合があります。
具体的な例を図
22に示してみました。ここで問題になっているのは、HCPL7800 の1番2番ピンからの配線が、全く別の回路からの大
電流ループの中を通ることによって互いに密に結合している
ことです。極端な言い方をすれば、この両者は1対1のトラ
ンスで結合され、
片側はノイズ源になっていることと等価と
なります。(図 23)(図 24)
このノイズ源は、電流センス抵抗の、もう片方がこれに当た
ると考えた場合、
本回路の近くに配置することが多いのでイ
メージしやすいかも知れません。
それでは、このような場合どのような問題が発生するのかを
説明していきます。
HCPL-7800 は先にもふれた様に、コモンモードノイズ除去
性能にすぐれていますが、これは言い換えれば入力側のすべ
ての端子に均等なノイズが印加されなければ
(バランスを崩
すようなノイズがある場合)その差分は、不必要なノイズと
して出力されてしまうということになり、これを今の例に当
てはめると、片電源、片入力のみに過大なノイズ源がカプリ
ングによって印加され、コモンノード除去ができなくなった
ノイズがそのまま出力されるということになります。これが
誤差や後に接続される回路で誤動作をさせる原因になったり
します。また、極端な場合ラッチアップを引起こす要因にな
りかねません。以上は、HCPL-7800の入力部分を例に取りま
したが、出力側も差動回路を用いていますので、同様な注意
が必要になります。
6
図22 PCボードでのカプリング配線
図23 Noise源カプリングモデル
図24 Noise源とのカプリング等価回路
6 − 363
6章350-366(PDF用)
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HCPL-7800/7800A/7840
質問集
HCPL-7800 は DCCT(電流センサ)と比べてどんな利点があるか?
電気的特性面では、まず第 1 にオフセット温度ドリフトに優れます(4µV/℃ Typ. 10µV/℃ Max.)。その他ノンリニアリティ
特性、CMR にも優れ、またゲイン誤差についても±1%までの選別品が供給可能です。
またパッケージには標準8ピン DIP パッケージで小型、自動実装性に優れます。
入力ピンの RC フィルタは必要ですか?推奨と異なる CR 値を利用してもよいですか?
入力ピンのアンチエイリアシングフィルタはインバータ回路での高速スイッチングノイズを除去するのに効果的です。また
HCPL-7800 内部では高速サンプリングを行っているため、そのエイリシングノイズによるオフセット電圧を低減するために
必要です。
(R INPUT 値)
HCPL-7800 の入力バイアス電流値は 500nA 程度です。R に比較的大きな値を選ぶ場合には IxR の電圧降下がオフセット電圧
として特性に影響を及ぼします。このオフセット電圧が無視できない場合は R の 1/2 値をピン2 , 3のそれぞれに接続するこ
とにより、その抵抗値の誤差分のみが問題となり、その影響を低減できます。
また HCPL-7800 の等価入力抵抗は約 500KΩ です。従ってフィルタの R 値はそれに比して十分小さい値である必要がありま
す。 R 値が大きいと分圧効果により、オフセット電圧の増加原因になります。
(C INPUT 値)
HCPL-7800 の入力容量は約 1.5pF です。HCPL-7800 の内部のサンプリングキャパシタは安定した電圧源(低インピーダンス)
からチャージする必要があります。従って CINPUT は入力容量に対して十分に大きい必要があります(100pF 以上)。
出力ノイズの改善は可能ですか?
出力ノイズには100kHz以上の周波数成分が多く含まれています。ポストアンプのフィルタの乗数を変えることにより、出力
ノイズレベルの改善が可能です。図 19 の例において、R3 = R4 = 10KΩ, C5 = C6 = 470pF とすると、出力 rms ノイズレベル
は約 1/2 となります。これはシステムとして必要な帯域により制約されます。20KHz 以下でのノイズスペクトラム密度は
500nV/ √ Hz(入力基準)
内部 LED の温度・経年変化によるゲインやリニアリティ特性に変化はありますか?
HCPL-7800 は内部で、LED により光結合(絶縁)されています。LED による伝送信号はディジタルパターンのため、ゲイン
への影響はありません。またディジタルパターン自体も特殊コード化されており、LED の光量変化によるパルス幅歪みの影
響を排除しているため、リニアリティ等の主特性に影響はありません。
2次側のみに電源が供給されている状態(VDD2 = 5V,VDD1 = 0V)での出力レベルは?
この状態は HCPL-7800 内部の LED が 100%オフの状態で、入力に(VIN+ = 200mV,VIN- =− 200mV)が入力されている状態
と等価です。 従って出力レベルは、VO+ = 1.29V,VO- = 3.80V (Typ.) となります。
電源投入後出力レベルが安定するまでの時間はどの程度ですか?
HCPL-7800 は、VDD2,VDD1 電源を投入後1 ms 以内に動作可能な状態になりますが、動作が安定するまでには更に時間を要し
ます。 入力オフセットの安定には約 60ms, 出力レベルの安定には 100ms 程度待つ必要があります。
これは主に HCPL-7800 の自熱による特性ドリフトによるものです。
測定したい電圧がプラス電位のみです。HCPL-7800のフル入力レンジの±200mV で使いたいので、VIN- にバイアス電圧を加
えて使用することは可能ですか?
基本動作は可能です。バイアスレベルを上げるとオフセット電圧が大きくなる傾向がみられます。 しかし特性保証は VIN- は
GNDに接続を前提に行われていますので、バイアスを加えた状態での特性保証はできませんので、十分な事前評価が必要で
す。また VIN- に+ 800mV 以上(対ピン1)のバイアスを加えると HCPL-7800 自体がセルフテストモードに入り動作不能と
なります。
HCPL-7800 は CMOS-IC ですが、ラッチアップ耐量はどのくらいですか?
HCPL-7800(白パッケージ品)のラッチアップ耐量は各ピン共 100V(200pF, 0Ω)以上の実力があります。
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6章350-366(PDF用)
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フォトカプラ製品取扱注意事項
フォトカプラ製品取扱い注意事項
洗浄について
環境規制について
・塩素系フラックス及び塩素系の洗浄剤のご使
フォトカプラを始め当社半導体部品には、オ
用は避けてください。
ゾン層破壊規制物質、並びに特定臭素系難燃材
・一部の洗浄剤には高温下において塩素原子等
料(PBBOS、PBBS)は使用されていません。
が分離するものがありますので、洗浄剤の管
理についても十分注意を払う必要があります。
・超音波洗浄につきましては、その条件等に
よっては、ワイヤーボンディングへの影響を
難燃性グレードについて
全ての当社フォトカプラは難燃性グレード
“UL94V-0”です。
始め、フォトカプラに悪影響を及ぼす可能性
が考えられますので、必ず十分に安全性をご
確認の上、実施されるようお願いします。
6
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6章350-366(PDF用)
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当社半導体部品のご使用にあたって
仕様及び仕様書に関して
・本仕様は製品改善および技術改良等により予告なく変更する場合があります。ご使用の際には最
新の仕様を問い合わせの上、用途のご確認をお願いいたします。
・本仕様記載内容を無断で転載または複写することは禁じられております。
・本仕様内でご紹介している応用例(アプリケーション)は当社製品がご使用できる代表的なもの
です。
ご使用において第三者の知的財産権などの保証または実施権の許諾に対して問題が発生し
た場合、当社はその責任を負いかねます。
・仕様書はメーカとユーザ間で交わされる製品に関する使用条件や誤使用防止事項を言及するもの
です。仕様書の条件外で保存、使用された場合に動作不良、機械不良が発生しても当社は責任を
負いかねます。ただし、当社は納品後 1 年以内に当社の責任に帰すべき理由で、不良或いは故障
が発生した場合、無償で製品を交換いたします。
・仕様書の製品が製造上および政策上の理由で満足できない場合には変更の権利を当社が有し、そ
の交渉は当社の要求によりすみやかに行われることとさせて頂きます。
なお、基本的に変更は3ヶ
月前、廃止は 1 年前にご連絡致しますが、例外もございますので予めご了承ください。
ご使用用途に関して
・当社の製品は、一般的な電子機器(コンピュータ、OA 機器、通信機器、AV 機器、家電製品、ア
ミューズメント機器、計測機器、一般産業機器など)の一部に組み込まれて使用されるものです。
極めて高い信頼性と安全性が要求される用途(輸送機器、航空・宇宙機器、海底中継器、原子力
制御システム、生命維持のための医療機器などの財産・環境もしくは生命に悪影響を及ぼす可能
性を持つ用途)を意図し、設計も製造もされているものではありません。それゆえ、本製品の安
全性、品質および性能に関しては、仕様書(又は、カタログ)に記載してあること以外は明示的
にも黙示的にも一切の保証をするものではありません。
回路設計上のお願い
・当社は品質、信頼性の向上に努力しておりますが、一般的に半導体製品の誤動作や、故障の発生
は避けられません。本製品の使用に附随し、或いはこれに関連する誤動作、故障、寿命により、
他人の生命又は財産に被害や悪影響を及ぼし、或いは本製品を取り付けまたは使用した設備、施
設または機械器具に故障が生じ一般公衆に被害を起こしても、当社はその内容、程度を問わず、
一切の責任を負いかねます。
お客様の責任において、装置の安全設計をお願いいたします。
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6章350-366(PDF用)
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