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広中だより
【校
訓】
訓】 「若さあれ・力あれ・友情あれ」
【学校の教育目標】
「自らを高め、心豊かにたくましく生きようとする生
徒を育てる」
平成 26 年6月9日 文責:松本恵一
特集号
いじめ問題を考える
<中3自殺>松竹景虎君が残した夏休みの作文
いじめテーマ
毎日新聞 6月6日(金)3時0分配信
松竹影虎君が自殺する前
日の1月7日、ラインに書
いたメッセージが残る携
帯 音 楽 端 末 =長 崎 新 上 五
島で2014年5月25日、樋口
大岳撮影
長崎県新上五島町で1月に自殺した町立奈良尾
中3年の松竹景虎(まつたけ・かげとら)君(当
時15歳)が、昨年の夏休みに学校の宿題でいじ
めをテーマにした作文を書いていたことが分か
った。当時、松竹君は日常的に同級生からいじ
めを受けて悩んでいた。作文では自分がいじめ
られていることには触れず、いじめが起きる仕
組みなどについて書いていた。記述内容は松竹
君が学校内で置かれていた状況と重なり、学校
や同級生への訴えと言えそうだ。
作文は、人権を主題にして宿題として出され
ていた。松竹君は「空気」のタイトルで、なぜ
いじめが起こるかや、なくすためにはどうすれ
ばいいかなどを約2000字でつづっていた。松竹
君の死後、学校から両親に返還された。
両親が同級生から聞いた証言などによると、
いじめは昨年の夏休み前の1学期から始まって
いた。数人のグループを中心に他の生徒も同調
し「陰口を本人に聞こえるように言うなど精神
的に追い込んでいくいじめだった」という。松
竹君は「自分は嫌われている」と悩み、2学期
から無料通話アプリ「LINE」(ライン)で複
数の同級生に自殺する考えを伝えるようになっ
ていた。
松竹君は作文に「いじめの原因は何かを伝え
よう。それは『空気』だ。目に見えないものだ
から恐ろしい。いじめをしなければ自分がやら
れてしまうという空気……」と書いている。
また「『あの人嫌い。あなたもそうでしょ?』
と言われたら『いいえ』と答える勇気があるだ
ろうか」と問いかけ「もし、少しでも友達が嫌
いな子に優しくすれば、そのことを責められ、
今度は自分がいじめの対象になるのではないか
という不安と恐怖にかられる。それの連鎖がお
こるから、周りの人に合わせるといじめがおこ
る可能性がある」と記した。
松竹君は成績が良く、学校行事でもリーダー
的な存在だった。ある同級生は「目立つことを
よく思わない生徒がいて、悪口を言われたと思
TEL45-1135
45-1135
FAX45-1977
45-1977
う」と語る。1、2年時には別の生徒がいじめ
られ、3年になって松竹君が対象になったとい
う。作文にも「対象者は移り変わってもいじめ
は続く。人間というのは、自分より下の人間が
いなければ不満をもつものだ」と書かれていた。
作文の後半部分で、いじめの解決方法として
「みんなが親友になることだ」と記し「偏見や
おくそくだけでその人の性格を決めつけるのは
よくない。笑顔で話さなければ相手の性格はわ
からない。笑顔の大切さだけは忘れないでくだ
さい」と結んでいた。
父裕之さん(50)による
と、松竹君は作文があまり
好きではなく、普段は両親
に見せてアドバイスを求め
ていたが、この作文は見せ
ていなかった。学校から返
還されて初めて作文の存在
を知った。裕之さんは「息
子が自らのことを書いてい
る。遺書のように感じる」
と受け止めている。
学校は今
これはインターネットに掲載されていたニュ
ースです。私は教師として親として、とても辛
くなりました。身につまされる思いです。もし
かしてこのような事件は、私たちには関係ない、
テレビや新聞のなかの出来事だと思っていませ
んか。
実はこの広見中学校にも嫌な思いをしたり、
辛くて悩んだりしている友だちがいます。嫌が
らせをされる、悪口を言われる、手紙に書いて
回される、ラインに書き込まれるなど、いろい
ろなパターンがあります。もちろんそういう思
いをさせている人がいます。また、そのことを
見ている、知っている人がいます。
学校は、分かった時点ですぐに対応します。
関わった生徒への聞き取りや指導、保護者にも
連絡をします。学級全体で指導したり、学年集
会をもったりもします。各種通信でも取り上げ
ます。
いじめは犯罪です。する側が一方的に悪いの
です。私たちはこの広見中学校から被害者も加
害者も出したくありません。ましてや親として
わが子をどちらの立場にもしたくありません。
学校と家庭の連携を強め、しっかりアンテナを
張って子どもたちの様子を見ていかなければな
りません。広見中学校が楽しく生活できる場に
しなくてはならないのです。
裏面に松竹君の作文を掲載しています。
ホームページアドレス http://hiromi-j.esnet.ed.jp/xoops/
◇松竹君が書いた作文(一部抜粋)
「空気」
情報社会である現在、毎日膨大な情報が流れてくるが、必ずといっていいほ
ど目にする記事がある。それがいじめ問題だ。「中学の男子生徒がいじめによ
り自殺しました」などという事件が起こるのが最近はあたりまえと思う人が増え
ていると思う。
いじめの加害者の気持ちを想像してみた。主な理由は二つほど考えられる。
一つ目は、いじめという行為が楽しい。「相手の反応がおもしろい」などがよく補
足としてつけ足される。このての加害者は恐らく、自分がその苦痛を知ることで
しかやめないだろう。
二つ目は、周りの友達に合わせているからだと考えられる。そう、ほとんどの
人が自分が嫌われないように生活しているのだ。もし、少しでも友達が嫌いな
子に優しくすれば、そのことを責められ、今度は自分がいじめの対象になるの
ではないかという不安と恐怖にかられる。それの連鎖がおこるから、周りの人
に合わせるといじめがおこる可能性があると思う。
もっともたちが悪いのは後者の方だ。なぜなら、いじめが完全に終わること
がほとんどないからだ。対象者は移り変わってもいじめは続く。
では、いじめの原因は何かを伝えよう。それは「空気」だ。これが目に見えな
いものだから恐ろしい。いじめをしなければ自分がやられてしまうという空気、
いじめに参加しないといけない空気。いじめの加害者、主犯でさえも空気によ
って動かされているのだ。
この問題を解決する方法はただ一つ……。みんなが親友になることだ。そ
う、実はすごく簡単なはずなのだ。人の笑顔は人を笑顔にし、その笑顔がまた
別の人を笑顔にすると思う。僕の好きな歌にこういう歌詞がある。「空気なんて
よまずに笑っとけ、笑顔笑顔、笑うかどには福来たる」。暗い顔をしていてもい
いことは起こらない。学校で習う数学の公式や英単語を忘れても、笑顔の大切
さだけは忘れないでください。