内容項目 2-(2) 思いやり 資料名 1.アフリカの少年 出典 みんなで生き方

相手を尊重する思いやり
資料名
内容項目 2 -(2)
1.アフリカの少年
ねらい
出典
思いやり
みんなで生き方を考える道徳 2年
4月
温かい人間愛の精神を深め,他の人々に対しての思いやりの心情を養う。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1.「思いやりの心」とはどのようなものだろうか。 ○
主題をいきなりぶつけているわけだが,多くのこ
入
とを期待しないで,「思いやりの心」からイメー
身近な体験から話し合う。
・親切
ジできるものを自分たちの生活,体験の中から考
・相手のことを考える。
えてみることができればよい。
・人にやさしい
展 2. 資料「アフリカの少年」を読み,話し合う。
開
○
(1)「少年はだれにも助けをもとめていなかった」 ○
作者の写真,アフリカの写真を活用する。
アフリカに生れ,育っている少年の心情を共感的
のは,どうしてだと思うか。
に受けとめられるとよい。
・だれも助けてくれないとわかっていたから。 ○
少年の自立的な生き方にも関心が向かうとよい。
・自分で考えてとった行動だから。
・小さい時からの経験で,その場にうずくま
って待つのが一番いいと判断したから。
(2)「悪いな!だから,夢を見てくれ」という言葉 ○
グループ討論によって,自分の考えを出してか
の意味を考えてみよう。
ら,全体の討論に入るとよい。そうでないと,思
・現地の大人たちは助けない。大人たちは見
いやりの心の深いところがつかめないかもしれ
て見ぬふりをする。それは大人のやさしさ。
ない。試行錯誤し,考えてみることが大事である。
・旅人の僕(作者)は,なおさら助けられな
い。悪い。だから夢を見て。
○
・子どもは何も選べずに,生まれてくる。
でも,夢なら自由に見ることができる。
なぜ,作者が,車を止めて少年を乗せなかったの
かという発問にして,考えさせてもよい。
○
・かわいそうという同情や助けは,本人のた
本当のやさしさ,親切とは何かを追求していける
とよい。
めにならない。
終 3. 身近な体験から考えたことをもとに,「思いや ○
末
りの心」とは何か,どのように行動に移してい
・
ったらよいかを考える。
○
発
展
身近な体験の中から,人のためにならない親切や
思いやりはないだろうか,考えてみる。
導入とまとめで,身近な例をあげての話し合いを
大切にしたい。
資料名
ねらい
インターネットのルールとマナー
内容項目 4 -(1)
2.ネット社会で身を守る
出典
遵法,社会秩序の向上
みんなで生き方を考える道徳 2年
4月
ネット社会における守るべき正しい道を尊重し,だれもが安心して生活できるよりよいネット社
会の実現をめざそうとする態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. インターネットや携帯電話を利用して,メール ○
新聞記事も参考にして,ネット被害やネット犯罪
入
のやり取りや様々な情報収集などをしている生
が広がっていること,特に子どもの個人情報がね
徒の話を聞きながら,ネット被害やネット犯罪
らわれていることを知り,資料への関心を高めさ
に巻き込まれる危険性があることを確認する。
せる。
展 2. インターネットを利用する際に気をつけなけれ
開
ばならないことや守るべきマナーに着目して考
える。
(1)「ケース1」を読み,なぜホームページが勝手 ○
に書きかえられたのか考えてみよう。
①加害者は,どんな気持ちでそんなことをやった ○
のだろうか。
加害者側,被害者側の気持ちを考えさせながら,
モラルの問題について考えさせる。
同時に,パスワードとはどういうものか理解さ
せ,その使い方を身につけさせる。
②被害者はどんな気持ちだろうか。
③パスワードとは何か,知られたらどうすればい
いのか。
(2)「ケース2」を読み,ホームページのアンケー ○
トに答えたら,なぜ変なメールや手紙,商品カ
送る側の意図を理解しつつ,受け手はどのような
ことをしていけばいいのかを考えさせる。
タログなどが送られてきたのか考えてみよう。
①送る側はどんな目的なのだろうか。
②利用する側はどんなことを守っていく必要が
あるのだろうか。
(3)知らない相手から「ケース3」のようなメール ○
身近に事例があると考えられるので,生徒に出さ
が送られてきて,「ご返信下さい」とあった。
せながら,送る側のマナーと受け手側の扱い方に
どうすればいいのだろうか。
ついて考えさせる。
①同じようなメールが送られてきたことはない
か。そのときどうしたか。
②送る側はどんな目的でやっているのだろうか。
(4)インターネットを利用していて,同じような経
験をしたことがないか話し合ってみよう。
終 3. インターネットを利用する際に気をつけなけれ ○
末
ばならないことを確認する。
・
○インターネットを利用するときに,どんなこと
発
展
に気をつければよいのだろうか。
今後ますます増えるであろうインターネットの
利用における正しい判断力を身につけさせる。
資料名
自分と相手を大切に
内容項目 2 -(2)
3.「みんな違っていていい」と思おう
ねらい
出典
思いやり
4月
みんなで生き方を考える道徳 2年
人の個性を理解し,お互いに認め合い尊重し合える人間関係のあり方をとらえる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 集団の中には,様々な様子の人がいることを, ○
人には様々な様子の違いがあるが,それぞれに感
入
じる心があり,人権があることに触れておく。
短く話した上で,資料「『みんな違っていてい
い』と思おう」を読む。
展 2. 高山恵子さんの話にそいながら,いじめについ
開
て考える。
(1)「いじめていることに気づかずにいて,相手が ○
いじめる気持ちはなくても,お互いの関係の中
泣いて初めてひどいことを言ったと気づいた」
で,意図しない言葉や態度によってもいじめは起
という状態をどう思うか。
こるということに気づかせる。
(2)「泣き寝入りするのでなく,攻撃的になるので ○
嫌なことを言われたりされたりした場合,自分の
もなく,相手にきちっと言うことがとても大
気持ちをしっかりと相手に伝えることの大事さ
切」と高山さんは話すが,どうなのだろうか。
に気づかせたい。
(3)高山さんは,いじめられないように,「自分の ○
高山さんの例を元に,いじめを避ける方法を,自
失敗を自ら話し,笑い話に」したり,「無視」
分たちの身近な生活の中から交流し合い,考えさ
するようにした。このように,いじめを避ける
せたい。
方法はあるだろうか。
(4)「大事なのは,行動と人格をごちゃまぜにして ○
しかったり,結果だけを見て評価したりしない
具体的にどのような場合がそうなのか,出し合い
ながら,イメージを作りたい。
ことです。」とあるが,身近でどのような例が
あるだろうか。
(5)「いいなと思うのは,周囲とすごく違う子を否 ○
定せずに,違いを自然と認めて受け入れる中学
具体的にどのような場合がそうなのか,出し合い
ながら,イメージを作りたい。
生もいることです。」とあるが,このように感
じる例はあるか。
3. 「みんな違っていていい」と思う例はあるか。 ○
またこの資料から何を感じたか話し合う。
○「みんな違っていていい」とは,どういうこと
だろうか。
終 4. 自分たちのクラスづくりについて考える。
末
○「自分を大切にして,相手も大切にする,助け
・
合うクラスづくり」のために何ができるか話し
発
合ってみよう。
展
人間には様々な違いがあるが,そこから起こる問
題は,お互いが分かり合い認め合うことで新しく
作り変えていくことができることをつかませる。
資料名
内容項目 4-(9) 愛国心・伝統の継承と文化
個性豊かな文化
4.どんでん返し「猫の皿」
の創造
出典
ねらい
5月
みんなで生き方を考える道徳 2年
伝統的な話芸である落語が,落語家の日々のたゆみない研鑽によって受け継がれ発展しているこ
とを知り,伝統を大切にする態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
導 1.「落語」について予備知識をもつ。
入
指導上の留意点
○
(1)これ(扇子と手拭いを示し)が大事な商売道具 ○
の職業とは,何だろう。
・扇子屋
・手拭い屋
数人から意見を聞き,興味をもたせる。
漫才やコントなどと混同しやすいので,その違い
を比較しながら,決まった内容の話を一人で,高
・土産物屋
座で,座って話す伝統芸能(話芸)であることな
(2)落語について知っていることを何でもあげて
どを確認する。
みよう。
展 2. 資料「どんでん返し『猫の皿』」を読み,落語 ○
実際の「猫の皿」の台本を教師が読んでやると理
開
解がいっそう深まる。
の伝統を守り発展させる,筆者の思いについて
考える。
(1)「猫の皿」を演じるとき,立川志の輔さんが工 ○
資料の文章の中から具体的に指摘させる。
夫していることは何か。
(2)「猫の皿」が,演者によっていろいろに演じら ○
同じ内容の落語なのに,演者のいろいろな解釈や
れることは,落語の伝統にとってどのような意
表現で更新され,生き続けることを理解させるこ
義があると思うか。
と。
・いろいろな表現があれば面白い。
○
・演者の個性が出て面白い。
班で話し合わせ,さまざまな意見を引き出すこと
が大切である。
・内容に広がりが出る。
・話がどんどん変わってしまうのではないか。
3. 最後の文「いつも同じ,とあなたが感じたとし ○
伝統(落語)というものが,生き方をかけた演者
たら,それはあなたがいつも同じなのか,演者
と他のたくさんの人々によって継承され,発展さ
がつまらない人生を送っているのかどっちかで
れていくものであることを,発言や話し合いによ
す」から,「伝統の継承と発展」について話し
って理解させる。
合う。
終 4. 落語が,なぜ伝統芸能として今日まで生き続け ○
末
てきたのか,これまでの学習をもとに作文を書
・
く。
教師は机間を巡回し,誰の作文を発表させるか数
発
学習をもとに話し合い,発表させてもよい。
展
○作文の発表
○
名を決めておく。発表を希望する者も発表させ
る。
資料名
世界の平和
5.「ねがい」
内容項目 4-(10) 国際理解・人類愛・平和
出典
5月
みんなで生き方を考える道徳 2年
―ぼくらの歌が世界につながる―
世界には戦争・紛争・事故などで苦しんでいる人が大勢いる現実を見つめさせ,世界の平和のた
ねらい
めに行動しようとする意欲を引き出す。
授業の展開例
指導上の留意点
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
導 1. 日本と世界とのつながり,自分と世界とのつな ○ 社会科で学習したこと振り返らせたり,留学や海
入
がりについて意見を出し合う。
展 2. 曲「ねがい」を聴く。
開
○この詩をつくったのはどんな人だろう。
・有名なミュージシャン
・戦争で苦しんでいる人
外旅行など生徒の体験なども出させたりする。
○ 事前に詩を印刷したものを配付し,詩の内容を考
えさせながら曲を聴かせると深まりが生まれる。
○ 生徒の関心を高めるために,3択クイズ形式にし
てもよいだろう。
A 有名なミュージシャン
B 戦争で苦しんでいる人びと
C その他
3. 資料「ねがい」(23ページまで)を読み,でき ○ 有名な人がつくったのではなく,普通の中学3年
た過程を理解する。
生が中心となってつくったことをおさえる。
4. 資料「ねがい」(24・25ページ)を読み,世界 ○ 世界地図などを掲示し,位置を確認しながら説明
に広がっているようすを知る。
を加えていく。
(1)この歌の作者の国はどこにあるだろう。
・チェルノブイリ ・シエラレオネ ・ベトナム
(2)「ねがい」が世界へ広がった理由は何だろうか。○ 世界の現状を補足しながら説明していく。
・戦争や内紛などで苦しんでいる人が多いか
ら。
・平和を本当に望んでいる人が多いから。
5. 世界の平和のためにできることは何か考える。
○世界の平和のために,わたしたちができること
は何か。
○ 他人事的な意見ではなく,どんな小さなことでも
いいから,自分自身ができることは何かを考えさ
せる。
・募金 ・祈る
・世界の現状を知る。
終 6. 世界の平和を考えた5番をつくる。
末
○「ねがい」の5番の歌詞を書いてみよう。
・
発
展
○ 資料26ページの日本の小学生の作品を参考する
と書きやすくなる。
感動する心
資料名
内容項目 3 -(2)
6.ヤモリと向かいあったとき
ねらい
出典
自然愛・畏敬の念
みんなで生き方を考える道徳 2年
5月
自然の持つ命の美しさや尊さを感じ,自然から受ける力を大切に感じる心情を養う。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. ヤモリの写真などを用意し,生態を確かめた上 ○
普段,ヤモリのように身近な自然の持つ「生命の
入
力」を見過ごしがちだが,自分たちの生活の中で
で,資料「ヤモリと向かいあったとき」を読む。
様々な自然が人とかかわっていることに触れる。
展 2. 「わたし」(直子)の様子にそって考える。
開
(1)寝つけないときの「わたし」の気持ちはどんな ○
風なのか,その状態を捉え,自分たちの経験を
人が周囲のものに対して向かい合っていくとき
の気持ちの様子を気づかせる。
出し合って考えてみよう。
・まわりの音に耳をすましている。
(2)飛びおきて,鳴き声のするほうを見たときの ○
「わたし」の気持ちはどのようだったのだろう
人が自然のものに興味を示すときの新鮮な気持
ちを知らせたい。
か。
・ワクワクしている。
(3)「だいはっけん」を,おとなにも知らせようと ○
「わたし」の心情に共感させたい。
したが思いとどまった「わたし」の,この気持 ○ 「わたし」の気持ちの変化に即して,自然の持つ
ちの変化はどのようなものなのだろうか。なぜ
人の内面へ働きかける力の内容と大きさについ
そうなったのだろうか。
て理解させたい。
・自分だけの秘密にしたい。
(4)「違う川の流れ」とは何だろうか,話し合って ○
みよう。
自然から影響された目に見えない力により,人の
中に芽生えた世界を理解させたい。
・今までと違う新しい感じがすること。
(5)「わたし」がいつの間にか,しくしく泣きはじ ○
めたのはなぜなのだろう。どのような気持ちな
のだろう。
・どうしていいのかわからないふしぎな感じ
がするから。
・今まで感じたことのない気分だから。
終 3. この資料を読んで,話し合ったこと,感じたこ
末
とを確かめ合う。
・
○自然の持つ偉大さや,人が自然から与えられる
発
ものの大きさ,深さについて話し合ってみよ
展
う。
人の中に,知的な情感が新たに芽生え広がったと
きの新鮮な感動を理解させたい。
資料名
男女の交際
内容項目 2 -(4)
7.○○さん,好きです!友達になりたい!
ねらい
出典
異性の理解と尊重
6月
みんなで生き方を考える道徳 2年
人間として互いに異性の人格を認め合い,尊重しようとする態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 同性だけでなく,異性の友達は何人いるかを聞 ○
発表できる生徒がいればいいが,恥ずかしがった
入
りして,出てこなかったら,無理に発表はさせな
き,どんな友達関係なのか発表する。
い。
展 2. 5∼6人のグループになり,ワークシートを配
開
り,スキルを実施する。
(1)好きだという気持ちを伝える方法や工夫をワ ○
ークシートに書き込む。
(2)(1)で考えた方法をグループで話し合って,理
作業がなかなか進まない生徒には,グループのリ
ーダーに声をかけさせたり,直接声をかけながら
進める。
想的な表現方法だと思うものを考え,ワークシ ○
どの程度書き込まれているか見回しながら,グル
ートに書き込む。
ープや全体の話し合いに入る。
(3)いくつかのグループにどんな表現方法が出た ○
か発表させ,話し合いをする。
グループの話し合いをリードする生徒を確認し
て進める。
(4)好きな人と友達になりたいときに大切なこと
は何だろうか。一緒にいるときに大事にしたい
ことを文から選んでワークシートに○をつけ
る。
(5) (4)の結果をグループ内で発表し合う。
(6)友達になってつきあいたい相手とは,どのよう
な人かグループで話し合った後,自分の考えを
ワークシートに書き込む。
(7)それぞれのグループのものを発表させる。
3. 好きな人と友達になりたいときに大切にしなけ ○
ればならないことは何か,話し合う。
○好きな人と友達になりたいときに大切なこと
は何だろうか。
終
末 4. よりよいつきあい方を考える。
・
○どういうふうにつきあっていけば,みんなが応
発
展
援してくれるか考えてみよう。
人間として互いに異性の人格を認め合う関係づ
くりは,どうあればいいのかつかませる。
チームの力
資料名
内容項目 4 -(4)
8.お菓子を仕事にできる幸福
出典
集団の意義,集団生活の向上 6月
みんなで生き方を考える道徳 2年
集団についての理解を深め,集団における役割と責任を自覚し,集団生活の向上に努めようとす
ねらい
る態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 資料「お菓子を仕事にできる幸福」を教師がコ ○
資料には社会的な背景の問題もあり,教師の説明
入
を入れながら進める。
メントをつけながら読む。
展 2. みんなで協力して何かを成し遂げようとすると
開
きに大切にしなければならないことは何かに着
目して考える。
(1)会社が倒産したときの社員は,どんな気持ちだ ○
ったのだろうか。
会社が倒産した背景も視野に入れながら考えさ
せる。
・がっかりした。
・さみしかった。
(2)会社を立て直すために,「わたし」(経営者)
はどんなことを考えたのだろうか。
・社員が楽しく仕事ができるよう体制を整え
る。
(3)社員はそれをどんな気持ちで受け止めたのだ ○
ろうか。
簡単に受け止められない社員の気持ちをつかま
せる。
(4)「わたし」は,社員がチームとして協力してい
くために,どんなことが大切だと考えたのだろ
うか。
(5)「社員が共有できる価値観」とは,どういうも ○
のだったのか。
(6)どんな気持ちで「わたし」は「お菓子を仕事に ○
できる幸福」を考えたのだろうか。
中田英寿さんの「挑戦し続けるために」を参考に
考えさせる。
集団がめざすべき価値(目的)や自分が果たすべ
き役割を理解することが,集団の目標を達成させ
ようとする意欲を引き出すことをつかませる。
終 3. この資料を読んで,学んだこと,感じたことを ○
末
確認しながら,集団の中の一人として,今後ど
・
のように学校生活の中に生かしていくのかを話
発
展
し合う。
○学校生活を送っていく上で,集団の中の一員と
して,あなたはどんなことを大切にしていけば
よいのか考えてみよう。
できるだけ身近な学校生活に置き換えて考えさ
せる。
地球環境を考える
資料名
内容項目 3 -(2)
9.ツバル―海抜1メートルの島国―
ねらい
出典
自然愛・畏敬の念
6月
みんなで生き方を考える道徳 2年
自然の偉大さと自然に生かされている人間の存在を深く見つめる態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 「地球温暖化」のことを知っているか話し合 ○
漠然としている地球温暖化が,実は足元から地球
入
環境を破壊しつづけている事実に気づかせたい。
う。
○「地球温暖化」とは何か知っているか。
※地球温暖化の進行は地球全体の生態系に影響
・新聞とかニュースで「二酸化炭素の削減」
を与えることから,現在,地球規模の取り組み
などといっている。
が期待されている。
展 2. 39ページのツバルの写真と,本文の解説を見て, ○
開
美しい自然の全景写真に注目させたい。
自然観を深める。
(1)写真を見て,ツバルという国の環境を想起しよ ○
日常の世界の中では知ることのできない小さな
う。
国のことに思いをはせたい。できれば地図帳で場
・きれいな海にかこまれている。
所を確認させたい。
・魚がとれそう。
※面積……約26k㎡
人口……約1万人
(2)ツバルの人たちは,どのような生活をしている ○
のだろうか。
ツバルは,自然と共生した自給自足的な生活をし
ていることを理解する。
(3)ツバルで起きている被害にはどんなものがあ
るか。
3. 自然との「共生」について考える。
○
(1)自然と「共生」するとはどういうことか考えて
自然の中で生を受けていることの原点を身近な
例を出し合いながら,深めていきたい。
みよう。
(2)人間の生活を発展させるための「開発」は,ど ○
こまで許されるのか。
「環境」と「開発」の問題にも触れながら考え合
わせたい。
※1992年国連地球サミット
「持続可能な開発」という概念
終 4. 自然環境を守り,自然と共生していくために何 ○
末
ができるか考える。
・
○自然環境を守り,自然と共生していくために,
発
個人として,日本として,また世界として,何
展
ができるか,何をしなければならないのかを考
えてみよう。
個人として国として,世界として何ができるかを
生徒からの意見を通じて深めていきたい。
文化の継承
資料名
内容項目 4-(9)
10.愚公移山
ねらい
出典
愛国心・伝統の継承と文化の創造
みんなで生き方を考える道徳 2年
6月
先人から伝わっている伝統を受け継ぎ,未来へと継承する意欲を高める。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 資料「愚公移山」を読む。
○
教師がゆっくりと範読する。
入
○
棚田や農作業の写真やスライドがあれば見せる
と,理解しやすい。
展 2. 資料から内容を読みとり,考える。
開
(1)九十歳という高齢にもかかわらず,愚公はな ○
自己の目先の利益ではなく,広い視野に立ち将来
ぜ,山を移すことを決意したのか。
を見通して,子孫のことも考えていることに気づ
・孫の代までかかれば,どんな高い山でも移
かせたい。
せると考えたから。
・家の南側の山を移せば,子孫が便利になる
と考えたから。
(2)なぜ,「愚公の生涯は,苦しくはあっただろう ○
が心は豊かだった」のだろうか。
様々な意見が出ても,肯定的に受け入れ,それぞ
れの考えを引き出したい。
・自分の子孫のことを考えて行動しているか
ら。
(3)「農村から愚公がいなくなってしまったとき, ○
農業は滅びる」とは,どういうことなのか。
農業だけでなく,他のことにも波及することにも
触れたい。
・農業には,根気よく土地を守り続ける人が
大切。
・生命に悠久の流れがある限り,私たちは,
過去の遺産を守り,さらに未来に向け,新
しい文化を創造していかなくては ならな
い。
終 3. 伝統を継承することについて話し合う。
○
末
○後世の人たちのために,これからも残していく
・
伝統的なものはないだろうか。またそれはだれ
発
が残していくのだろうか。
展
・寺や神社の建物,茶道,歌舞伎,自然,食
自分こそが伝統の継承者であることに気づかせ
たい。
文化,祭り,田畑,家,家族。
・私たち
4. 今日の話し合いで考えたことを,ノートにまと ○
める。
日本の伝統や文化遺産に関するVTR等があれば見
せる。
資料名
11.あー,アオキ?
ねらい
内容項目 2-(1)
話し方に気をつける
ひさしぶり!
出典
礼儀・適切な言動
7月
みんなで生き方を考える道徳 2年
日常会話の意外な失敗例について考え,相手を尊重することの大切さ,そのことが礼儀の心であ
ることに気づかせる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 資料「あー,アオキ? ひさしぶり!」を通読す
入
る。
展 2. 各エピソードごとに,その言い方のどこに問題 ○
開
があるのかを考える。
エピソードごとに,教師の実演を交えた範読を入
れると問題点がわかりやすい。
(1)J子さんに「アオキ」と呼ばれた「私」は,な ○
ぜ驚いたのだろうか。
てらいなく女子大生等に扮したい。後で生徒がロ
ールプレイしやすくなる。
・J子さんの印象と違う。
・知り合って間もない。
(2)みんなの名前を呼び捨てで呼んでみよう。どん ○
な感じがするだろう。(「山田!」,「田中!」
など)
呼びすてにすることはよいことか,悪いことか,
と投げかけると考えが深まる。
○
隣の生徒とペアになって役を演じさせる。
○
似たシチュエーションを設定して,生徒が役を演
・怒られているようだ。
・先生が荒々しくみえる。
・仲がよい。
(3)A・B両先生のやりとりを実演してみよう。ど
んな風に聞こえるだろう。
・言いつけているようだ。
(4)(2),(3)の役割演技をした感想をプリントに書
こう。(話し合おう。)
(5)A先生は,どう言えば誤解されずにすんだと思
じてみると一層納得がいく。
うか。
・「∼していただけませんか。」
○
(6)若いA先生が「∼してください」とB先生に言
っても怒られない状況はあるか。
若くても,A先生がリーダーとなって行っている
事柄については「∼してください」と言える場合
があることにも気づかせる。
(7)いろいろな話し方で会話をしてみよう。
終 3. 話し方や言葉づかいについて考え,授業の感想 ○
末
を文にまとめる。
・
○相手に誤解を与えずに気持ちを伝えるには,ど
たことに気づき,相手を尊重することが礼儀であ
発
状況が変われば「適切」も変わることに気づかせ
展
んなことに気をつけて話せばよいのだろうか。 ○
意識しないままに誤解を与える言い方をしてい
ることを学ばせたい。
たい。
内容項目 4 -(3)
正義を考える
資料名
12.わたしのせいじゃない
出典
正義,公正・公平
7月
みんなで生き方を考える道徳 2年
人々が安心して暮らせる公平な平和な世界を願い,進んでその実現に努めようとする心情を養う。
ねらい
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 資料「わたしのせいじゃない」を読み,最後の ○
核実験・酸性雨(環境破壊)・飢餓の写真。
入
ページの写真が,どのような状況のものなのか,
簡潔に説明する。
展 2. 子どもの言葉に着目して考える。
開
(1)それぞれの子どもたちの言葉から,どんなこと
を感じたか,話し合ってみよう。
①「学校のやすみじかんに あったことだけど
○
できごとの具体的な状況をとらえさせる。知って
わたしのせいじゃないわ」。どんな状況だった
いながら何もしないでいる人や,感じようとしな
のか,考えてみよう。
いでいる人も影響していることに気づかせる。
②「ぼくはこわかった
なにもできなかった
み ○
ているだけだった」「おおぜいでやってたのよ
ひとりではとめられなかった
わたしのせ
できごとに気づいていながら,何もしないでいる
人の気持ちを考えさせ,なぜそうなるのか,その
原因も気づかせたい。
いじゃないわ」。何があったのか,どんな雰囲
気だったのか,考えてみよう。
③「自分のせいじゃないか
るんだ
ほかの子はみんな
「ひとことも
を
その子が
ふつうなのに」 ○
しゃべらなかった
みつめていただけだった
かわって ○
ぼくたち
さけべばいい
「その子」の心情を考えさせたい。
正しい気持ちや公平な気持ちを起こさずにいる
ことが恐ろしい事態を招いていることを理解さ
せたい。
のに」。「その子」の気持ちはどんな風だった
のだろう。
④「たたいても
な
わたしは
たたいたんだもの
へいきだった
みん ○
わたしのせいじゃな
迫害を行うときの人々の状況のおかしさに気づ
かせる。
いわ」。この子どもの気持ちはどのようなもの
なのか,考えてみよう。
(2)最後の写真に,5人の子どもの言葉を当てはめ ○
てみよう。
地球上に起きている迫害や貧困などがどのよう
な状況で行われるのか理解させる。
終 3. 最後の写真を見て感じたことを確認し合う。
○
末
○最後の写真を見て感じたことを,話し合ってみ
現在,地球上に存在する戦争・紛争・貧困などが
・
めに援助活動を行っている沢山の人たちがいる
よう。
相当な数の児童の生命を奪っていること,そのた
発
ことなどに触れる。
展 4. この資料を読んで学んだことが,今後の自分の ○
公正公平な世界は,地球上のみんながかかわって
生き方とどうかかわるかを話し合う。
つくっていくものだということをとらえさせる。
資料名
ねらい
自分の行動をふりかえる
内容項目 2-(5)
13.三分間
出典
寛容・謙虚
みんなで生き方を考える道徳 2年
9月
謙虚に自分を見つめる素直な心や,他の人の言葉に耳を傾ける広い心が大切であることを知り,
自分の成長に役立てようとする意欲を引き出す。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 友人と待ち合わせをしたとき,自分はどちらの ○ 「待つ」ということについて,自分のことを考え
入
タイプか考える。
てみる。
◇どちらかというと早く着くタイプ
◇時間どおりに着くよう調整するタイプ
◇気をつけているけれど,どうしても遅れてしま
うタイプ
展 2. 資料「三分間」を読む。
開
○
(1)作者は何を訴えようとしているのか。
(2)似たような経験をしたことがあるか。
作者の訴えようとしたことについての感想や意
見を自由に発表させる。
○
生徒に経験をあげさせ,作者の心の変容に着目さ
せる。
3. いつも集まる時間に遅刻していた「私」と,友
人の考えを話し合う。
(1)「とにかく私は遅れたのだが,自分ではあまり ○
気にしていなかった。」とあるが,「私」はど
慣れきっている,あたりまえだと思っていること
について,改めて考えさせたい。
んな考え方をしていたのか。
(2)「私」が遅れてきたとき,友人はどういう気持
ちだったと思うか。
4. 最後の日,いつもと逆に友人を待つことになっ ○
た「私」の気持ちについて話し合う。
話し合いが表面的にならないように,意図的指名
などをとりいれ,「私」の気持ちを浮き彫りにし
(1)友人を待つ間に,「待つこと」に対して「私」
たい。
はどんな気持ちになったか。
(2)待つ人のどのような気持ちがわかったのか。
(3)友人が来たとき,「私」はどう感じたか。何を
思ったか。
(4)「私」は,どんな気持ちから友人に遅れた時間
を聞いたと思うか。
5. 友人が遅れてきた理由について話し合う。
○
(1)「きょうも黒ちゃんが遅く来ると思って」とい
う友人の言葉を,どう思うか。
「私」が,友人を待つ身になったのは,前に自分
が常に遅れていた行為のためであることをしっ
かりつかませたい。
(2)この後,「私」はどう変わっていくだろうか。
・気をつけるようになる。
・遅刻しない。
終 6. この資料を読んだり,意見を出し合う中で,自 ○
末
分が学んだことを確認し,発表する。
・
○自分の生活を振り返り,「私」と同じような経
発
展
験がないか話し合ってみよう。
普段あまり意識していない自分の生活の中に,自
己を振り返る材料があることに気づかせる。
内容項目 2 -(6)
互いの感謝の心
資料名
14.思いよ
天に届け!
出典
感謝・貢献
みんなで生き方を考える道徳 2年
9月
心を救う手づくりランプ
多くの人々の善意や支えにより,日々の生活や現在の自分があることに感謝し,それに応える意
ねらい
志を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 自分の周りの人たちに感謝していることや,そ ○
感謝していることについては,語ることができる
入
れに応えて人のためにしていることがあるか,
と思うので,「感謝していること」と「人のため
話し合う。
にしていること」を,別々に出させるとよい。
「人のためにしている」ことが,少ないのは仕方
がない。これからのこととして考える結果になれ
ばよい。
展 2. 資料「思いよ
開
天に届け!
心を救う手づくり
ランプ」を読む。
(1)写真を見てどのような感想を持ったか。
・きれい。
○
・心がなごむ。
できるだけ自由な感想を述べさせることができ
るとよい。
・こんなにたくさんよく作ったものだと思う。
・光を見ていると心が洗われる。
(2)おじいさんが,再び,心を込めてランプを作り ○
始めたのは,どうしてだろう。
若くして過労死をした息子さんへの思いと,受け
た悲しみの大きさを理解させたい。
・息子さんのことを考えたから。
・不幸な出来事の悲しみから立ち上がるため。
・天に光を届けたい。
(3)イブの夜のあとに,さらにまたランプを作り続 ○
感謝を押し付けたり,人に尽くすことを強要した
けたのは,どのような気持ちからだろう。
りする結果にならないように気をつけながらも,
・ランプの光が,知らぬ間に人の心を救って
ランプおじいさんの心情を読み取らせ,人のため
いたということを知ったから。
・「ランプで人の心を癒すことできる」とい
うことを実感した。
に役立つことの無償の喜びに気づかせたい。それ
はまた,おじいさんの多くの人たちに支えられ生
きてきたことへの感謝の思いだということ理解
させたい。
終 3. 感謝に応えて,これから何かをしてみようと思 ○
末
うことがあるか話し合う。
・
発
展
今できること,将来できることを思い描くことが
できるような話し合いを作り出したい。どのよう
な考えも認め合うことができればよい。
資料名
ねらい
友達とのかかわり
内容項目 2 -(3)
15.自分だけ「余り」になってしまう……
出典
信頼・友情
みんなで生き方を考える道徳 2年
9月
信頼し合える友達関係を自ら築こうと努める心情を養う。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 好美さんの文を読み,「余り」になってしまう ○ 「余り」になることを怖がることから起こる様々
入
ことがある場合の人の気持ちに触れながら,資
な気持ちや,行為・行動が起こる現実に触れてお
料「自分だけ『余り』になってしまう……」を
く。
読む。
展 2. 「ぼく」の気持ちや提案に着目して考える。
開
(1)「負けたなー。」「あいつのほうが,ぜんぜん, ○ 「ぼく」の感じたことの意味を考えさせる。「お
おとなだ。」と思ったとあるが,どういう意味
とな」ということの自立した姿を見つけさせる。
で「おとな」なのだろうか。
・明るくふるまっている。
・思いやりがある。
(2)「ちっちゃな人間」というのは,どういう「人 ○
人間の持つ弱さについて気づかせたい。
間」なのだろうか,考えてみよう。
(3)「そういう体験をいっぱいして,みんながおと ○
なになっていく」の「おとな」とは,どのよう
集団社会の中で豊かな経験を経て成長していっ
た「おとな」の姿を見つけさせたい。
な「おとな」を言っているのだろうか。イメー
ジしてみよう。
(4)「中学生あたりから,現実にはどうしようもな ○
く,たまたまそうなってしまうことがある,と
子どもの成長にとって,必要な力について考えさ
せたい。
わかっておくのは,いいことだ。」とあるが,
どういいのだろう。その「よさ」を考えてみよ
う。
(5)「余りの一人」を分かち合うための提案や方法 ○
はあるだろうか。
自分たちの現実を振り返りながら,現実にあった
方法について自ら考える機会を持ちたい。
(6)「好美さん」や「ぼく」と同じような経験をし
たことがないか,話し合ってみよう。
終 3. この資料を読んで,考えたこと,感じたことを ○
末
確かめ合う。
・
発 4. この資料を読んで学んだことが,自分たちの生
展
き方とかかわる点について話し合う。
互いに励まし合い高め合う社会は,自分の勇気や
周囲への信頼によって作られていくことをつか
ませる。
資料名
ねらい
内容項目 3 -(1)
かけがえのない命
16.無言館
出典
生命の尊重
みんなで生き方を考える道徳 2年
9月
戦争で夢を断ち切られた若者の命を考え,生命の尊厳を思う心情を養う。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1.「無言館」という施設があります。さて,何の施 ○
知っている生徒がいたら,黙っているよう指示
入
し,発表後に答えさせる。
設だろうか。
・映画館
・美術館
・点字の施設
○
興味づけなので深入りはせず,73ページの無言館
の紹介につなげる。
展 2. 資料「無言館」を黙読させ,鑑賞させ,思った ○
じっくり読ませる,鑑賞させる。
開
○
机間巡視し,生徒の質問に答える。
○
言葉の解説⇒次の言葉は黒板に書いておく。
ことを話し合う。
(1)それぞれの絵の家族たちは,どのような思いで
・享年=人が死んだ時の年齢
絵を持っていたのだろう。次の人の言葉を手が
・入営=入隊。兵士となって兵営に入ること。
かりに考えてみよう。
・出征―戦争にいくこと。
・興梠さんの義妹の言葉
・応召―軍の呼び出しに応ずること。
・市瀬さんの孫娘の言葉
・結城さん本人の言葉
・伊澤さんの兄の言葉
・曽宮さんの父の言葉
(2)なぜこの美術館は「無言館」と名づけられたの ○
多様な角度から自由に考えさせたい。
だろう。
・画学生たちがもう何も語れないから。
・無言こそ見る人に多くを語れるということ。
・絵を見れば,誰も無言になってしまうから。
・画学生たちが無言の抗議をしている。
・無言で,ただ絵を見てほしいということ。
終 3. 詩「あなたを知らない」(窪島誠一郎の詩)を ○
末
読む。
○
・
発
展
詩は,教師が朗読するようにしたい。
朗読後,詩を学級内に掲示しておくと,学習が余
韻として残る。
個性を考える
資料名
内容項目 1 -(5)
17.14歳からの仕事道
ねらい
出典
自己理解と向上心・個性の伸長
みんなで生き方を考える道徳 2年
10月
自己を見つめ,「個性」や「自分らしさ」を生涯を通じて深めていく態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
導 1. 「個性的な人」が,どんな人か考える。
入
指導上の留意点
○
○あなたがあこがれる「個性的な人」は,どんな
「個性的」が「変わり者」のような偏見にならな
いように注意する。
個性を持っているか。
展 2. 「個性」「専門性」について考える。
○
長所・短所にとどまらず「個性」を大きくとらえ
○
自分で考えたことだけでなくても,保護者や先生
開
る。
(1)あなたにはどんな「個性」があるか。
・足が速い。
・大人,あるいは友達から言われたことなども思
・人を笑わせるのが好き。
い出させながら,自分の個性を考えさせたい。
(2)あなたはどんな「個性」を持ってみたいか。
○
なるべく自由に発言させたい。
○
ゆっくり読み合わせる。
あるいは,将来の仕事を考えている人は,どん
な「専門性」を身につけたいか。
・文を書くのが好きだから,作家になりたい。
3. 資料「14歳からの仕事道」を読む。
○「個性」や「専門性」について,何がいちばん ○
大切だと言っているのだろうか。
今は自分の「個性」を見つけかねている人も,「自
分らしさ」を求めていることに気づかせたい。
・自分の個性や専門性を身につけたいと行動
し続けること。
終 4. この資料から学んだこと,感じたことを話し合 ○
末
う。
・
○自分らしく生きていくとはどういうことか,考
発
展
えてみよう。
実は「個性」「専門性」とか「自分らしさ」は,
すでにあるものではなく,生涯を通じて深めてい
くものであることをつかませる。
資料名
ねらい
真理の探究
内容項目 1-(4)
18.前野良沢と杉田玄白
出典
真理・真実・理想の追求
みんなで生き方を考える道徳 2年
10月
学問することの厳しさを学び,日々の学習に生かそうとする意欲を引き出す。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
導 1. 紙に書かれた外国語の文の解読を試みる。
入
指導上の留意点
○
○辞書はない,その言葉を知っている人もあまり
アラビア語やタイ語など,生徒が見慣れていない
アルファベット以外の文字がよい。
いない,という状況の中,翻訳するとしたら,
どうするか。
展 2. 資料「前野良沢と杉田玄白」を読む。
開
○ 「辞書もない,外国語を教えてくれる人もほとん
どいないという中で,外国の本を翻訳し,日本の
医学に尽くした人がいます。」と紹介する。
(1)印象に残ったところを発表する。
○
次のような点に気づかせたい。
・前野良沢と杉田玄白の苦心。
・前野良沢が47才の高齢(当時)であるにもか
かわらずオランダ語を学ぼうとしたこと。
・通詞の言葉にもかかわらず,カピタンを訪ね,
学んだ熱意。
(2)前野良沢が47才の高齢(当時)であるにもかか ○
わらず,オランダ語を学ぼうとしたのはどうし
真理を探究しようとする前野良沢の姿勢をしっ
かりとつかみ取らせたい。
てか。
(3)前野良沢を「天成の奇士」と呼んだ杉田玄白は, ○
良沢のどんなところに感心しているのか。
前野良沢のすぐれた能力と,学問に対する情熱に
感心していることをとらえさせる。
(4)「そのおどろきは,やがてはずかしさにかわっ ○
中国の医学についての記述には,漢方薬が今も私
た」とあるが,どうしてか。また,その言葉か
たちの生活の中で活用され,役立っていることな
ら前野良沢はどのような人だと思うか。
ど,きちんとしたフォローが必要である。
3. 前野良沢や杉田玄白が,いろいろな苦心を重ね ○
たが,翻訳をやり通せたのは,どうしてか考え
る。
中心となる発問である。ここのところを十分に深
めることが大切である。
○
○前野良沢や杉田玄白が,いろいろな苦労があり
それが,人の役に立つことでもあることに気づか
せたい。
ながらも,翻訳をやり通せたのはなぜか,考え
を出し合ってみよう。
4. 自分には,大変だけどやり甲斐がある,これを ○ 「ない」という生徒もいるかも知れないが,「な
追究していきたい,きわめたいというものがあ
い」ことを自覚することもまた学習である。「こ
るか,あるとしたら何か,考えて書く。
れから見つけていきたい。見つかったらこう頑張
る!」という思いを持たせるような言葉かけを行
いたい。
終 5. 自分が追究していきたいこと,やり通したいこ ○
末
とを実現するために,前野良沢や杉田玄白の姿
・
から何を学ぶのかを発表し合う。
発
展
○自分の夢や目標を実現するために,どのような
ことを心がけていきたいと思うか。
間違いを恐れず,新しい世界に挑戦することの素
晴らしさに共感させ,自己の決意を持たせたい。
人生と仕事を愛する
資料名
内容項目 4-(5)
19.魚屋
出典
勤労・社会奉仕
10月
みんなで生き方を考える道徳 2年
勤労の尊さを知るとともに,真の幸福を目指す充実した生き方をしていこうとする意欲を引き出
ねらい
す。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 生涯,ずっと続けていきたいものはあるか。趣 ○
自分の夢やあこがれ,趣味や特技や,好きなこと
入
味やスポーツなどの特技でもよいし,職業でも
など,思いつくものを自由に,あるだけ出し合わ
よいのであげる。
せる。
2. 好きなことを仕事にしていく生き方,仕事は仕
事,趣味は趣味という生き方,仕事人間…いろ
んな生き方があるが,どんな生き方をしたいか
考える。
展 3. 資料「魚屋」を読んで,理解を深める。
○
開 (1)オニイさんのこれまでをとらえる。少年時代の ○
教師が範読する。
順を追って整理する。
夢や好きなことは何であったか。
(2)オニイさんの生活の中で「私」の感動したとこ
ろはどこか,話し合う。
①「私」は家に上がる前,オニイさんをどう見て
いたか。
②二階に上がって,どんなところに感動している
か。
(3)魚屋のオニイさんの「奥行きの広さ」とは何か ○
生活の豊かさや家庭の明るさに気づかせる。
を考えてみよう。
4. オニイさんは,魚屋の仕事についてどう思って ○ 「家業がいや」と簡単に扱わず,魚をおろすとき,
いたか押さえる。
殺生を感じるところまできちんと押さえる。
5. 魚屋という職業に対して,今,どう思っている ○
と思うか,それはなぜかを話し合う。
き方をしているのか,時間をかけてしっかりと考
・誇りを持って仕事をしていると思う。
・父親の働く姿を見て。
いやいやながら仕事をしているのか,納得した生
えさせたい。
○
魚屋としての誇りがあることに気づかせたい。
・客から喜ばれたり,信頼してもらえる喜び
があるから。
6. 魚屋のオニイさんのような生き方をどう思い, ○
勤労の尊さだけでなく,寛容や謙虚と結びつけ,
また,自分はどんな生き方をしたいか,考えを
奥行きの広い生き方,明るい温かい家庭も一緒に
書き,出し合う。
考える。
○魚屋のオニイさんの生き方についてどう思う
か。そして自分はどんな生き方をしたいか考え
てみよう。
終 7. 仕事に誇りを持って日々頑張っておられる地域 ○
末
の方に,自分の勤労観について語ってもらう。
・
発 8. 本時の学習の感想を書く。
展
もし,それが難しければ,教職員の一人でもいい
ので,ゲスト・ティーチャーとして語ってもらう。
(迷いや悩み、努力や今の楽しみなど)
素直な心
資料名
内容項目 1-(5)
20.祖母への態度
出典
自己理解と向上心・個性の伸長
みんなで生き方を考える道徳 2年
10月
自己を振り返り,謙虚な態度で,常に自己を高めようとする生き方を続けることの大切さについ
ねらい
て考えさせる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 祖父母について話をする。名前,どんな人で, ○
祖父母の思い出を語らせる。思いの外知らない生
入
どんな人生を歩んできたかなど,知っているこ
徒が多いのではないか。それゆえに名前でも住ん
とを書き,発表する。
でいる場所など断片でもかまわない。亡くなって
いる場合でも同様。(帰宅してから親に聞く生徒
も出てくるだろう。)
展 2. 資料「祖母への態度」を読む。
開
○
(1)「僕」の行動や考え方で,自分と似ている点を ○
発表する。
教師がゆっくり範読する。
他者の意見をちゃかさずに聞く学級の雰囲気が
必要である。
・資料の「僕」と同じように,お母さんに注
意されると素直にハイと言えない。
・ついイライラして,細かなことにまで腹を
立ててしまうことがある。
(2)素直になりたいと思っているのに,なぜなまい
きな言葉づかいになってしまうのだろうか。
・おばあさんの,孫への思いやりや,かわい
いと思っている気持ちに気がついていない
から。
・イライラした気持ちだから。
(3)「僕はこのままではいけない。態度を改めた ○
正すべきところは正して,素直に生きることのほ
い」と,夜ふとんの中で考えたのは,なぜか。
うが,より心から満足できる豊かな生き方になる
・そうしたほうがおばあさんが喜ぶから。
ことを,生徒自身に気づかせたい。
・ほんとうは優しい少年で,今のままではい
けないと思っているから。
終 3. この資料を読んで自分の生活を振り返り,話し ○
末
合ったことや,考えたことをノートにまとめ
・
る。
発
○自分の生活を振り返り,「僕」と同じような経
展
験がないか考えてみよう。またそのときの気持
ちを考えてみよう。
関連した資料があれば読み聞かせ,まとめとして
もよい。
資料名
自分と友達の大切なもの
内容項目 2 -(3)
21.あなたにとって大切なものは?
ねらい
出典
信頼・友情
11月
みんなで生き方を考える道徳 2年
自己を見つめつつ,信頼できる友達と互いに励まし合い,高め合う心情を養う。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 「あなたにとって大切なものって何ですか。」 ○
話題の導入として,生徒に投げかけて,いくつか
入
を自由に答えさせたい。
と言われたら何と答えるか考える。
展 2. 5∼6人のグループになり,スキルを実施す ○
開
班長など進行役となる司会を決めておく。
る。
(1)《社会とのかかわりの中で大切なもの》と《自 ○
この後の議論を深めるために,それぞれの領域か
分自身の中で大切なもの》から,自分にとって
らそれぞれ1つだけに絞らせる。相談せずに,自
一番大切なものを1つずつ選んで,右のワーク
分の意見をまとめさせたい。
シートに書く。また,その理由も書く。
○
理由は,他の人が聞いて分かるようにできるだけ
具体的に書かせる。
(2)グループ内で,それぞれが選んだものとその理 ○
由を発表する。
自分が選んだもの(記号)であっても,それ以外
でもよいから,あらためて「大切だな」と思った
(3)友達の意見を聞いて,あらためて大切だと思っ
もの(記号)とその理由をできるだけ具体的に書
たものは何か,右のワークシートに書く。
かせたい。
○
司会役の生徒が中心になって,一人一人に発表さ
せる。
(4)自分が選んだものや,(3)であらためて大切だ ○
と思ったものは,20年後には変わっていると思
うか。
グループ内で一番票の集まったものをそれぞれ
発表する。
○
時間があれば,いくつかの意見を出させ交流させ
たい。時間がなければ,まとめの質問に進む。
3. 友達の発表を聞いて,考えたことを発表する。 ○
○友達の発表を聞いて,どんなことを考えただろ
一人一人の個性が違うように,考え方や価値観も
違うことに気づかせたい。
うか。
終 4. 友達に共感したり,再確認したところを発表す ○
末
る。
・
○友達に共感したり,友達について再確認したの
発
展
はどんなところだろうか。
個性や価値観に絶対はないが,いろんな人の考え
方も聞いて,お互いに深めていくことが大切だと
いうことに気づかせたい。
資料名
生きる意志
内容項目 3 -(1)
22.耐えた歌った十時間
ねらい
出典
生命の尊重
11月
みんなで生き方を考える道徳 2年
生命をいとおしみ,自他の生命を尊ぶと共に,他の多くの命に支えられながら生きていること
に,素直に応えようとする態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 新聞記事の写真を見せながら,資料「耐えた歌 ○
資料への関心を高めるために当時の様子を話し
入
ながら,価値への方向づけをする。
った十時間」を提示する。
展 2. バスに取り残された人たちの気持ちの動きに着
開
目して考える。
○バスに取り残された人たちがそれぞれどんな
思いでいたのか,考えてみよう。
①国道が冠水して動かなくなったバスに取り残 ○
された人たちは,どんな気持ちでいたのだろう
大変な状況になった人たちへの思いを喚起させ
る。
か。
②車内まで入ってきた水が,ひじ掛けまで達した
とき,どんな思いで「屋根の上に逃げよう」と
したのだろうか。
③水位が増え,バスの屋根の上に座っていられな ○
死への恐怖と命の重みを再認識させる。
いぐらいになったときに聞こえてきた「念仏を
唱える声」をどんな思いでまわりの人は聞いて
いたのだろうか。
④バスが流され始めたとき,車体を固定するため ○
に後ろのトラックに向けて泳ぎだした稲葉さ
助けようとしているたくさんの人たちの思いを
感じ取らせる。
んは,どういう思いだったのだろうか。
⑤バスが動かないように支えていた稲葉さんや ○
大変な状況でも,それを乗り越えようとする強い
西村さん,小畠さんはどんな思いでいたのだろ
意志と,生きることへの執着心を感じ取らせる。
うか。
⑥中島さんはどんな思いで「上を向いて歩こう」
を歌おうといったのだろうか。
⑦助けに来たヘリの音をどんな気持ちで聞いた
のだろうか。
終 3. 助かった人たちの感想を読んだ後,「人間の命」 ○
末
について,今日の授業をとおして感じたこと,
・
考えたことを話し合う。
発
展
○生死と向き合う状況に遭遇したときにあなた
はどうするか,考えてみよう。
様々な困難があってもそれを乗り越えようとす
る人間の強さを感じ取らせたい。
差別・偏見のない社会
資料名
内容項目 4-(2)
23.人は何によっても差別されない
ねらい
出典
公徳心,よりよい社会の実現
11月
みんなで生き方を考える道徳 2年
人間としてのねうちとは何かを考えることによって,よりよい社会の実現を願う心情を養う。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 資料「人は何によっても差別されない」を読 ○
各自自由に読ませ,意見や感想をまとめる。
入
展
開
む。
2. 意見,感想を発表する。
○
あまり深入りしないほうが良い。
○
すぐには反応がないかもしれないし,不遜の意味
○今までに「どうせぼく・私はだめなんだ」と思
った経験はあるか。
3. 教師の発問に答える。
(1)「どうせぼくはだめなんだ」と考えるのは,な
を十分にとらえられない場合もあろう。
ぜ不遜なのだろうか。
・なげやりだから。
・ほかの人のせいにするから。
(2)学校のテストの結果だけで「だめなんだ」と思 ○
うのはどうしてまちがっているのか。
前問の反応が遅いようなら,こちらの発問を先に
出すことも考えられる。
・ほかのところですばらしいよいものを出し
ている人もいるから。
・大人になってからすばらしい仕事をしてい
る人もいるから。
(3)お金があれば,それで幸せだろうか。
○
理由も考えさせたい。
・幸せでない。
・力があると思い込んでしまう。
・人をみくだす。
・困難とたたかわない。
・人間的な温かさや豊かさがない。
(4)貧しさや職業を気にする気持ちには,人間のど ○
のような弱さがかくされているのか。
だれもがそういう弱さを持つ可能性があること
にも触れたい。
・職業によって差別してしまう。
・職業によってねうちをきめてしまう。
(5)「価値高く生きている人」とはどんな人だろう
か。
(6)この資料では,いろいろなことが述べてある ○
が,どんなことをわかってほしいと考えている
のか。
ひとりひとりが幸せだから,よりよい社会が実現
するということに気づかせたい。
○
様々な考えや意見があるので,それらをすべて出
させたい。
終 4. 教師の説話により,主題にそう公徳心や社会連 ○
帯や差別偏見,公私の別などについて補説をす
末
・
る。
発
・職業によって人を差別するのはおかしい。
展
・人としての価値は,外からだけではわから
ない。
○
ここで副資料があれば提示して,主題のねらいに
即したまとめとしたい。
説話に工夫をこらし,ねらいに迫る内容のあるも
のとしたい。(人権尊重の考え方)
内容項目 1-(1)
計画性のある生活
資料名
24.両立ってなんだろう
出典
望ましい生活習慣
11月
みんなで生き方を考える道徳 2年
自主的な態度や行動の大切さに気づき,自分の目標や責任を果たすために,計画性のある生活を
ねらい
し,粘り強くやり抜く強い意志を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 今,中学生として「頑張ろうと思っていること, ○
部活動や係活動など,自分の身近なものに目を向
入
けさせる。
頑張りたいこと,頑張らないといけないと感じ
ていること」を思いつくだけ書く。
2. その中で,「今,自分が頑張ることができてい ○
原因についても考えさせる。
るもの」に○,「あまり頑張ることができてい ○
出された意見の中で,校内の中堅としての二年生
ないもの」に×をつける。
として大切な役割について確認する。
3. 校内の中堅としての二年生の役割について確認 ○
する。
他に校内の中堅としての二年生に必要な役割が
あれば出させる。
展 4. 資料「両立ってなんだろう」を読み,考えを深める。
開 (1)「両立って難しい」とあるが,その理由はどこ ○ 「私」が自分を振り返り,書いていることをもと
にあるのかを考えてみよう。
に考えたり,自分の体験をもとに推測させたりし
・意志が弱い。
て考えを出し合わせる。
・楽しいほうしかやらない。
・自分への甘え。
・計画性がない。
・部活が忙しく,疲れる。
(2)「私」は母親から何を学んだか。
○
・計画性をもって取り組めば両立できる。
要は,気持ちの問題であることを感じ取らせるよ
うにしたい。
・それぞれに熱中してどちらもがんばる。
・強い意志。
(3)充実した学校生活を送るために,「私」にアドバ ○ 「私」のことを客観的に見つめ,アドバイスをさ
イスをするとしたら何と言うか,発表し合う。
せる。
・計画性のある生活をしよう。
・自分に厳しくし,最後までやり抜く意志をもとう。
・一つ一つ集中して取り組み,心の切り替え
を上手にするといい。
5. 自分と「私」は,似ているところがないかを考 ○
え,意見を出し合う。
○
(1)どんなところが似ているか。
(2)それはなぜか。
自分を客観的に見つめる場を設ける。
気持ちの弱さや甘えはだれにでもあることに気
づかせる。
○
(3)では,自分は,自分にどんなエールを送るか。
だれにでもある気持ちの弱さや甘えに対して自
分がどう向き合うかでその先に違いがでてくる
ことにさりげなく触れる。
○
終 6. これからの学校生活をどう充実させていくかに ○
末
ついて考える。
・
○充実した学校生活を送るためにはどうしたら
発
展
自分宛の手紙を書いてもよい。
発言を聞き合うことにより,自分も頑張ろうとい
う気持ちを高めたい。
よいか,考えを出し合ってみよう。
7. 教師の説話(計画性のある生活が自己形成に役 ○
立つこと)を聞く。
社会の中で,両立しながら活躍している事例を話
して,理解を深める。
資料名
校則を考える
内容項目 4-(1)
25.個性と限度
ねらい
出典
遵法,社会秩序の向上
12月
みんなで生き方を考える道徳 2年
きまりの意義を理解させるとともに,公徳心をもって社会や集団の秩序や規律を高めていこうと
する態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
導 1. 資料「個性と限度」を読む。
入
指導上の留意点
○
○
展 2. 「校則」や「個性と限度」について考える。
開 (1)「私」はなぜ,校則に対する先生の指導はあま ○
り効果がないと言っているのだろう。
・ただ強制的に守らせるようにしているから。
・根本的な考えが変わらないから。
・校則の意義や必要性をきちんと説明してく
れない。
(2)意味のわからない校則について,「私」はどう
考えているだろう。また,みんなはどう思うか。 ○
・少しくらい生徒の自由にしてもよいのでは
ないか。
・いらないのではないか。
・「中学生らしくない」という抽象的な言葉
で片づけてほしくない。
(3)「私」の考える校則の意義とは,どのようなも
のだろうか。
・生徒を画一化するためのものではなく,個
性の主張の限度を表すもの。
・守るべき最低限度の制限。
・風紀を乱さない範囲での自由や個性を守る
もの。
(4)「私」の言う,「限度」とはどういうことだろ
うか。
○
・限度を考え,自分を制することが大切だ。
・秩序や規律を守るためには自制心が必要だ。
・自分たちの主張とそれを守ろうとする義務
が必要だ。
終
末
・
発
展
3. 校則や「きまり」に対してどう思い,どう行動 ○
してきたか振り返る。
○今までのあなたは,「きまり」に対してどう思
い,どう行動してきただろうか。
・ただ守る。
・破った。
・意味なし。
4. 校則や社会のきまりについて,自分の考えをま ○
とめる。
校則についての自己の問題意識を押さえておき
たい。
深入りは避ける。
「私」の考えに賛成か,反対かと聞くと,考えが
より深まるだろう。
「私」の考え方について,否定的にのみ捉えず,
共感的に受け止めさせた上で,次の発問に移りた
い。
主張や権利には,義務が伴うことに気づかせ,社
会秩序がそれぞれの自制の上に構築されていく
ことに気づかせて,ねらいに迫りたい。
自分自身を振り返らせたい。(事前に行ったアン
ケート等を活用してもよい。)
身近な例から,規則やきまりの持つ意義を理解さ
せ,今後の社会での行動のしかたを探らせる。
「自律」して生きる
資料名
内容項目 1 -(3)自 主 ・ 自 律 と 責 任
26.家を出る日のために
出典
みんなで生き方を考える道徳 2年
12月
自分で自分の暮らしを管理するとはどういうことかを考え,「自律」して生きていこうとする態
ねらい
度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
導 1. ひとり暮らしへの願望を出し合う。
入
指導上の留意点
○
○家を出てひとりで生きてみたいと思ったこと
身近な仲間同士で,「独立して暮らしたい」との
思いを出させ,資料への関心を高めさせる。あま
はないか。なぜ,そう思ったのか。
り出なければ,教師の経験などを話してみる。
・いちいち親がうるさくて,ひとりで生きて
みたいと思うことがある。
・ひとり暮らしをしている兄をみていて,ひ
とり暮らしもいいなぁと思っ たことがあ
る。
展 2. 資料「家を出る日のために」を読んで,ひとり ○
率直に思ったことを出させ,自分で自分の暮らし
開
を管理するとはどういうことか考えさせる。
で生きるとはどういうことか考える。
(1)「ひとりで生きるということ」を読んで,どう
思ったか。
・親に干渉されずに楽しく生活できそう。
・生活が大変になる。
・面倒くさくて,やりたいことができなくな
りそう。
・どんな仕事に就くかでひとり立ちできるか
どうか決まる。
(2)「かけがえのない充実感」を読んで,どう思っ ○
たか。
生徒の過去の生活現実を例にとりながら話が進
められるとよい。
・誰かに言われてやるのと自分でやるのとで
は違う。
・大変なことでも自分でやると決めてやった
ときは充実感が残る。
・自分で決めて,自分でやると楽しい。
3. 実際に,ひとり暮らしをしようとすると何が必 ○
要か考えてみる。
(1)ひとり暮らしに必要なものを「絶対必要」な物, ○
「あれば便利・楽しい」物に分けて,表に書き
込んでみよう。
班やグループ内で話し合わせながら,楽しく表に
書き込ませる。価格はおおまかでよい。
○
(2)書いたあと,友達同士で何が必要な物か話し合
終
ひとりで暮らすとはどういうことか具体的に考
えさせる。
予想されるひとり暮らしの生活ぶりを,身近な者
同士で交流する。
ってみよう。
末
・ 4. ひとり暮らしをするとどういう生活になるか, ○
発
何人かに発表させながら,ひとりで生きるとは
展
どういうことか考えをまとめる。
机間巡視し,話し合いのようすから発表できる生
徒をつかみ,依頼しておく。
気持ちのよいあいさつ・マナー
資料名
内容項目 2 -(1)
27.言い方ひとつで気持ちもなごむ
ねらい
出典
礼儀・適切な言動
12月
みんなで生き方を考える道徳 2年
礼儀の意義を理解し,日常生活の中で適切な言動をとろうとする態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 普段どんな時に「あいさつ」をするか出し合う。 ○
日常生活の中で自然に交わしている「あいさつ」
入
を自由に出し合わせたい。
展 2. 新聞の投書2文を読み,適切な言動を考える。 ○
場面状況を具体的に理解させる。
開
78歳男性「返事や挨拶は人間関係の潤滑油」
(1)投書者2人は,それぞれ何を一番言いたかった ○
のだろう。
38歳女性「言葉遣いや雰囲気によって受け取る側
の気持ちは変わる」
(2)女子高生と男性のやりとりで,男性はなぜ最後 ○
女子高生の率直で嫌味のない言葉遣いと男性の
に「テスト頑張って下さい。」と女子高生に声
心理を考えさせたい。自分が女子高生の立場だっ
をかけたのだろうか。
たら,どういう反応をするか。それに対して相手
はどういう反応をするか。
(3)「あいさつ」や「返事」あるいは「言葉遣い」 ○
のことで,「気分がよかったこと」の体験はあ
るか。どんな時に「気分がよかった」か。
できるだけ具体的な場面が分かるように出し合
わせたい。
○
ほんのささいな一言の重さに気づかせたい。
・席をゆずったら,ていねいにお礼を言われ
た。
(4)「あいさつ」や「返事」あるいは「言葉遣い」 ○
のことで,「気分が悪かったこと」の体験はあ
るか。どんな時に「気分が悪かった」か。
できるだけ具体的な場面が分かるように出し合
わせたい。
○
ほんのささいな一言の重さに気づかせたい。
・あいさつをしたのに,返事がなかった。
終 3. 自分の体験から,「あいさつ」や「返事」「言 ○
末
葉遣い」について考える。
・
○自分の体験から,「あいさつ」や「返事」,「言
発
葉遣い」に関して一番大切だと思うことを出し
展
合ってみよう。
投書風にまとめるとよい。時間がなければ,何人
かに出し合わせてみたい。
資料名
思いやりの心と生きる力
内容項目 3 -(3)
28.あなたの夢はなんですか?
ねらい
出典
人間理解と生きる喜び
1月
みんなで生き方を考える道徳 2年
厳しい状況の中でも希望を持って生きようとしている人間のたくましさに共感する心情を養
う。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 「モンゴル」という国はどこにあるか紹介す ○
地理の授業ではないので簡単に紹介する。
入
→日本の国土面積の約4倍
る。
日本の総人口の約50分の1
2. 「モンゴル」について知っていること,連想す ○
ることをいくつか挙げる。
・草原の国
地理の授業ではないので,いくつかが挙がり,興
味・関心が少し深まればよい。
→相撲,力士,ゲル(移動式家屋),羊,チン
ギス・ハン,元,ゴビ砂漠,フビライ・ハン,
草原,遊牧民……
3. 首都ウランバートルの季節のことを紹介する。 ○
資料を読む前の知識として簡単に紹介する。
※ウランバートル自体が1400㍍と標高が高い。
※酷寒,乾燥,気温の年較差大
展 4. 資料「あなたの夢はなんですか?」を読み,マ ○
開
ンホールチルドレンの存在を考える。
(1)なぜ子どもたちはマンホールに住んでいるの ○
か。
ゆっくり読む。
子どもだけで必死に生きている様子をなるべく
具体的に読みとらせる。
(2)マンホールの中はどんな様子か。
(3)サイハンは,なぜ「みんながちゃんと暮らせる ○
家をつくってください。」と言ったのだろう
サイハンのような子どもたちにとって,生きる上
で一番の喜びは何だと思うか話し合わせる。
か。
(4)「なんでもありすぎて,大事なものを失ってい ○
るのではないか。」と思うことが身の回りにあ
自分のこと以外でも,身の回りのなかで具体的に
考えさせたい。
ったら出し合ってみよう。
終 5. この資料を読んで,いちばん心に残ったことは ○ 困難にも絶望せず,困難から希望を見いだせる人
末
何か話し合う。
間のたくましさ,やさしさに気づかせる。
・
※『寒さにふるえた者ほど太陽を暖かく感じる。
発
人生を悩みくぐった者ほど生命の尊さを知
展
る。』
ホイットマン(19世紀アメリカの詩人)
資料名
郷土の伝統
内容項目 4-(8)
29.巨大魚の飛ぶ海
ねらい
出典
郷土愛・先人への尊敬
1月
みんなで生き方を考える道徳 2年
郷土を支えた先人たちの努力に感謝し,進んで地域の発展に尽くす態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 自分の郷土や地域について,感じていることや ○
いくつかの項目について,あらかじめ簡単に書か
入
せておく。
願いなどを話し合う。
展 2. 資料「巨大魚の飛ぶ海」を読んで話し合う。
開
(1)郷土の人々は「ダツ漁」についてどう考えてい ○
るのか。
人間の心が,いかにふるさとと強く結びついてい
るかということを理解させたい。
・守っていきたい。
・大事な漁。
(2)「ダツ漁」に出る島の男たちがうれしそうなの ○
家族揃って生活できるふるさと,豊かな自然と人
は,なぜだろうか。
情味あふれるふるさと,伝統と文化を持つふるさ
・海の男の血を感じるから。
とを考えさせたい。
・島をあげての大切な漁だから。
(3)「ダツ漁」が,この地方の人々に守られてきた ○
のはなぜか。
「ダツ」は,この地方の祝いの魚であり,また獲
物は,共同に分配される共同漁であることに目を
向けさせたい。
3. 「ダツ漁」の流れを整理する。
終 4. 地域をよりよくするために,どんなことが大切 ○
末
か考える。
・
○自分たちが住んでいる地域で,受けつぎ,残さ
ふるさとの将来がどうあればよいのか,どうなっ
発
なければならないものは何だろうか。話し合っ
として,受けつぎ,残さなければならないものは
展
てみよう。
何か。」のような方向で考えさせることも必要で
ていくのかという点については,分からない生徒
もあろう。したがって,「ふるさと,地域の一員
ある。
資料名
内容項目 1 -(1)
薬物から身を守る
30.Just Say No!
ねらい
出典
望ましい生活習慣
1月
みんなで生き方を考える道徳 2年
薬物には手を出さない強い意志をもち,よりよく生きていこうとする態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 麻薬や覚醒剤,シンナーなどが広がりを見せて ○
薬物の広がりが身近なところまできていること
入
をつかむ。
いることをいくつかの新聞記事で紹介したあ
と,資料「Just
Say
No!」を読む。
展 2. 薬物に手を出してしまう気持ちに着目して考え ○
薬物に手を染めてしまうものの心情をつかませ,
開
それが本当に「人間とつきあうよりいい」のか「裏
る。
(1)「薬物とつきあうのは,人間とつきあうよりず
切らない」のか考えさせたい。
っといい」という気持ちをどう思うか,話し合
ってみよう。
(2)「ヤクだけはわたしを裏切らない」という女の
子の気持ちをどう思うか話し合ってみよう。
(3)「薬物をおもいどおりにあやつることはできな ○
い」「一度味をおぼえるとくりかえし使いたく
薬物の三つの性質を通して,薬物がいかに恐ろし
いものであるかを理解させたい。
なる」というのはどういうことだろうか。
・もう自分ではコントロールできない。
・気持ちでおさえることができない。
3. 断る勇気と助けを求める勇気に着目して考え ○
る。
自分の身体と生活を大切にするためには,はっき
りと「No!」と言える強い意志を持つことが大切
(1)薬物をすすめられたら,あなたはどうするだろ
だということを理解させたい。
うか。「断る」「断れない」双方の気持ちにな
って考えてみよう。
(2)アメリカの小学生の結論「Just
Say
No!」(た
だ「No!」といえばいい)をどう思うか。
終 4. この資料を読んで,学んだこと,感じたことを ○
助けを求めること(ヘルプを求める権利)はだれ
末
確認し,今後の生き方にどう生かしていくか話
にでもあることを理解させたい。
・
し合う。
発
展
資料名
対立を解決する
内容項目 4 -(4)
31.バスケット,バレー,どっちにする?
ねらい
出典
集団の意義,集団生活の向上 2月
みんなで生き方を考える道徳 2年
集団の意義をふまえ,役割と責任を自覚し,進んで集団生活の向上に努めようとする態度を育て
る。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 何かを決めるときに友達と意見が対立したらど ○
普段はどのように解決しているかをいくつか聞
入
いてみる。
のように解決しているかを想起する。
展 2. 5∼6人のグループになり,司会役と記録役を ○
開
生活班があれば生活班を使うようにする。
決め,スキルを実施する。
(1)リード文と問題文を読み,問題の解決方法のパ ○
ターンをいくつかグループで考える。
グループ討議の間に,138ページの表を黒板に大
きく写しておく。
○
グループで話し合う時間を事前に決めて,あとは
なるべく自由に話し合いをさせたい。
○
記録役はグループの意見を138ページの表に記入
していく。
(2)グループごとに解決方法を発表させ,黒板の表 ○
に書き出す。
すべてのグループが表の4枠ずつに書き出す時
間がない場合は,2枠ずつなどに制限して書き出
させる。
(3)どうすれば両方が満足する解決方法が見つか ○
るだろうか。考えたことを話し合ってみよう。
終 3. どの方法が一番よかったか。両方の立場の人が ○
末
満足するには,何が大切なのか。感想を発表す
・
る。
発
展
(1)どの解決方法がいちばんよかっただろう。また
どれが現実的だっただろうか。
(2)身の回りで起きた対立についても解決方法を
考えてみよう。
グループから出た意見を発表させる。自由に意見
を出させた上で全体で話し合いたい。
「くじ引き」や「ジャンケン」になる前に,相手
の意見をまず聞くことから解決の糸口が見つか
ることに気づかせたい。
内容項目 4 -(10)
地球家族の一員として
資料名
32.世界と地球の困った現実
ねらい
出典
国際理解・人類愛・平和 2月
みんなで生き方を考える道徳 2年
国際的視野に立って,世界の平和と人類の幸福に貢献しようとする態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
導 1.
入
飢餓
た
指導上の留意点
という言葉を聞いたことがあるか。ま ○
飢餓
とはどういう状態をいうのか話し合
う。
豊かな日常生活の中で, 飢餓 の現実を想像さ
せたい。
○
健康な体を保つのに必要な食料が得られずに,栄
養不足の状態が長く続くことを, 飢餓 という。
2. 世界中でどのくらいの人が
飢餓
に苦しんで ○
いるか簡単に説明する。
飢餓人口……約8億人
飢餓による死亡……一日に約3∼4万人
※そのうちの4分の3は5歳未満の子どもたち
展 3. 資料「世界と地球の困った現実」を読み合わせ ○
開
しながら,村の行方を考える。
(1)三人目の旅人は,なぜ「この村はとても美しい ○
1コマずつゆっくり読み上げたい。
自由に意見を出し合いたい。
村です。」と言ったのでしょう。一人目・二人 ○
もし自分だったらどういう言葉をかけるだろう
目の旅人とどこが違っていたのでしょう。
か。
○
目の前の現実に展望を失っていた村人が,具体的
な展望に目が開かれたときに前向きに生きるた
めの行動が始まっていくことに気づかせたい。
(2)三人目の旅人の言葉で村人が変わり,村に希望 ○
行動することで,援助の輪も広がり,また自分た
が生まれると,どのような変化が起こったのだ
ちもその経験をもとにまわりを援助しようとい
ろうか。
う動きが生まれていったことに気づかせたい。
・ほかの村にも手をかすようになった。
・みんなで力を合わせるようになった。
終 4. 地球全体の課題へのかかわり方を話し合う。
○
末
○地球全体の課題に対して,どんな気持ちで,ど
現実・課題は,地球に生きる人類全体の共通の現
・
実・課題であること,先進国の発展の礎ともなっ
うかかわっていけばよいのだろうか。
宇宙船地球号
といわれるように,ある地域の
発
た発展途上国の困難をどう援助するかが先進国
展
の責任でもあること,このようなことを子どもた
ちの発言を通してつかませたい。
資料名
ねらい
充実した学校生活
内容項目 4 -(7)
33.涼一の記念碑
出典
愛校心,校風樹立
みんなで生き方を考える道徳 2年
2月
友達や自分の価値を理解し,共に支えあって学校生活を作り上げていこうとする心情を養う。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 学校生活の中での協力の大切さを簡潔に話した ○
協力とは理解し合い尊敬し合いながらつくられ
入
るものだということを触れておく。
うえで,資料「涼一の記念碑」を読む。
展 2. 涼一やほかの子どもたちの発言や動きに着目し
開
て考える。
(1)『涼一は両手をズボンのポケットに突っ込み, ○
涼一の気持ちを考えさせ,友達や自分に対する甘
大きな体を「く」の字に曲げて,口を尖らせて言
えに気づかせる。また,学校生活の上での自分の
った。』とあるが,このときの涼一はどのよう
価値にかかわる言葉だということも気づかせる。
な気持ちだったのだろうか。
(2)「一瞬捨てばちな表情を浮かべ,次にドッカリ ○
学級の子どもたちの涼一へかけた言葉に対する
床に座り込んで,あぐらをかいた」時の涼一は
涼一の気持ちを考えさせる。また,学級の子ども
どのような気持ちだったのだろうか。
たちがこの時の涼一を本当に理解できていなか
ったことにも気づかせる。
(3)大谷に「きれいごと」と言われた時の明の気持 ○
ちはどういうものだっただろうか。
○
(4)最初の涼一と,顔面蒼白になった時の涼一の,
気持ちの変化は何だろうか。
友達を思う明の気持ちを理解させたい。
明の言葉により,涼一が本当の自分の価値につい
てわかったということを理解させる。
○
(5)山田の言葉のあとの学級の「沈黙」は,それぞ
れどういう気持ちを含んでいるのだろう。
(6)「俺,分かった」という大谷は,最初の発言と ○
どう変化しているのだろう。
話し合いによって,学級の子どもたちがより真剣
に「価値」について考え始めたことを理解させた
い。
涼一を認めるということは,表面の様子だけでな
く,学校の中でしっかりと生きていくことだとい
うことを理解させたい。
3. 学級のみんなが,学校生活の思い出を話してい ○
互いに尊敬し協力し合う学校生活は互いに相手
くうちに,涼一の中に生まれたものは何か話し
を真に理解し認めることから生まれることをつ
合う。
かませる。
○学級のみんなが涼一に学校生活の思い出を話
していくうちに,涼一の中に生まれたものは何
だろうか。
終 4. この資料を読んで学んだことが,自分たちの生
末
活とどうかかわるか話し合う。
・
○学校生活を充実したものにするために大切に
発
展
したいことは何か,話し合ってみよう。
自立と家族
資料名
内容項目 4 -(6)
34.岳の散髪
出典
家族愛,充実した家庭生活 3月
みんなで生き方を考える道徳 2年
自己の存在に感謝し,家族の一員としての自覚を高めながら,互いの絆を強めようとする心情を
ねらい
養う。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 家族の中で「あんまり干渉してほしくない」「ほ ○
身近にある家族への不満を思い起こさせながら,
入
資料への関心を高めさせる。
うっておいてほしい」と思ったことはなかった
か,思い起こさせた後,資料「岳の散髪」を読
む。
展 2. 岳の気持ちと「私」の気持ちの動きに着目して
開
考える。
(1)頭を刈るときに「私」を睨みつけた岳の気持ち ○
をどう思うか。
普段抱いている身近な家族への反感を岳に重ね
て語らせたい。
・もう坊主はいやだ。
・もっとかっこいい髪型にしたい。
・勝手に刈るなよ。
(2)岳が「私」を睨みつけながら,ボロボロと大粒 ○ 「私」を本当におどろかせてしまった,岳の心情
の涙をこぼしたのは,なぜだと思うか。
をつかませたい。
・せっかく刈ってくれるのに悪い気持ちもあ
った。
・こわい父親に反抗したから。
・本当に言いたいことが言えたから。
(3)岳が本当にいやだったのは,どういうことだっ ○
たのか。
岳の心情に寄り添うことを通して,思春期特有の
反抗心(自立心)を岳の言葉で理解させたい。
・坊主がいやだった。
・自分のことは自分で決めたい。
・いちいち口出しをしてほしくない。
(4)「すこしやわらかい気持ちになった。」とは, ○
どういう気持ちだろうか。
「反抗」というより「自立」という言葉に子ども
を見守る父や母のすばらしさがあり,その思いに
ふれることで,親子のきずなを感じとらせたい。
終 3. この資料を読んで,学んだこと,感じたことを ○ 家族の中の自分を見つめ直す機会にしていく。
末
確認しながら,今後の自分の生き方,特に親と ○ 「家族へのメッセージ」として感想をまとめても
・
のかかわりについて話し合う。
よい。
発
○家族に自分の気持ちを伝えるとき,あなたはど
展
うするだろうか。
資料名
ねらい
人生を切り拓く
内容項目 1-(2)
35.未来人へのメッセージ
出典
希望・強い意志
みんなで生き方を考える道徳 2年
3月
いじめ続けられながらも,卑屈にならず,粘り強い努力でいじめをはねのけた主人公の生き方を
通して,常に希望を持って事にあたる態度を育てる。
授業の展開例
学習活動(主な発問・予想される生徒の反応)
指導上の留意点
導 1. 「未来人へのメッセージ」と聞いて,どんなこ ○
入
自由に発想させて,発表する。
とが書いてあると思うか考える。
展 2. 資料「未来人へのメッセージ」の前半を通読し ○
昔を語る内容なので教師が範読するとよい。
開
ここでは内容に深入りしないようにする。
て,感想を発表する。
○
3. 「日がな一日いびられ」ていたのはどうしてか ○
話し合う。
いじめられる側の資料なので,(1)で,いじめら
れる原因を最初に出すが,それにとどまらず,
(1)いびられる原因は何か。それをどう思うか。
(2)でいじめられる立場に立って,その理不尽
さ,他者の人権・人格の尊重の視点を与えるよう
にする。
(2)(1)のような理由で,いじめられることについ ○
てどう考えるか。
いじめの卑劣さや自己保身から生まれる傍観者
的態度を憎む感情を強く持たせるよう配慮する。
4. 母親はそんな子どもを見て,どう思っていたの
か。
5. 「私」は,いじめをどう受け止めていたか。
○「ひたすら笑」いながら何を考えていたのだろ
う。
6. 資料の後半を通読する。
○
教師が範読する。
7. 何年もいじめられていながら,それがなくなっ
てきたのは,なぜだろう。
(1)いじめられないためにどんなことをしたのか。
(2)Ⅰ君と知り合って,どう変わったか。
(3)「私」がいじめをはねのけることができたのは
なぜか,考えてみよう。
終 8. 困難を前にしたとき,あきらめたり,投げ出し ○
末
たりすることなく,それを乗り越えようとする
・
意志を強く持つことの大切さについて考えを出
発
展
し合う。
簡単に妥協したり,挫折することなく,目標や希
望を持って事にあたり,粘り強く努力することの
意味を考えさせる。
○ 「未来人へのメッセージ」の元本を読んで,手塚
○困難を前にしたとき,どんな態度でいることが
治虫さんが,なぜこの本に「未来人へのメッセー
大切か話し合ってみよう。
ジ」と名付けたか考えさせてもよい。
○
手塚治虫さんの例以外に同じような有名人の話
または自分の経験がないか,発表させてもよい。
または,発展的に次の時間までに調べさせてもよ
い。