2013年春号

2013年春号
漢方の「『肝(かん)』の異常」について
ミネルバ病院
診療部長
奥田石雄 写真:奥田 石雄
身体活動を維持するものとして「五臓」という概念があります。五臓は、肝、心、脾、
肺、腎の五つの要素から成り立っています。この五つの要素の働きで、気・血・水が生成
し、身体の恒常性が保持されます。今回は肝の働きとその病態と治療について述べたいと
思います。
肝の働きには
①精神活動を安定させ、
②新陳代謝を司り、
③血を貯蔵し全身に栄養を送り、
④骨格筋の緊張を調節するなどがあります。
肝の病態には三つの型があります。
①肝の代謝亢進で肝の作用が損なわれる状態:精神的緊張特に怒りがある場合、アルコ
ールの過剰摂取の場合に生じます。眼球乾燥感、怒りっぽい、頭痛、けいれん発作な
どが生じます。
②肝の機能が低下する場合や肝を支える物質の不足した状態では、著しい疲労感、食欲
不振、意識の低下、精神的不安定などが見られます。
これらの治療には抑肝散(よくかんさん)、抑肝散化陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはん
げ)、釣藤散(ちょうとうさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、柴胡桂枝湯(さいこけ
いしとう)、などが用いられています。最近では認知症に伴う
徊、不眠、イライラ、怒りっ
ぽくなった状態などに抑肝散や抑肝散化陳皮半夏が繁用されています。
これらは月経前症候群にも使われます。更年期障害などでは加味逍遥散が使われます。夜
間の「こむら返り」には芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が効果的です。
快適な生活を送るためにこれらの漢方薬をお役立てください。
ついでのソウルのはずが・・・・・
写真・文:Hidemi Takada
カンボジア、アンコールワットの帰りがソウル経由千歳行でした。
ソウルが朝の 6 時 10 分、千歳にはお昼に着いちゃう予定でした。
旅行代理店に相談したら 1 本遅い便、夜に千歳着に変えられるとのことでした。
いろいろ調べたら、ソウル市内の世界遺産を回る日本語現地ツアーがあり、予約しました。
ところが、ソウル、千歳大雪の影響でアンコールワットの空港、シェリムアップも予定より
2 時間以上の遅れで出発でした。出発前にメールで明洞の待ち合わせ場所には間に合わないと
思うと伝えてありました。実際、ソウル仁川空港に 8 時 30 分到着でした。
集合時間は 8 時 50 分でした。返信メールが届いていて、他のお客もいるので途中合流なら
いいですよとの事でしたが、見どころは終わってしまってると。合流もあきらめました。
日本で空港からソウル駅までのチケットは用意してあったので、自力で行きました。
着いたのは 10 時過ぎでした。外はみぞれ、暑いカンボジアで観光の後で気力体力限界でし
た。現地ツアーに間に合わない時点で、ソウル観光はあきらめていたのです。
とりあえず、駅ビルで石焼ビビンバを 11 時の開店と同時に食べましたよ。でも、帰りのフ
ライト、さらには千歳からのJRが気になり18:50の飛行機でしたが早め、14 時過ぎに
は観光もせず、仁川空港に戻りました。ところが 16 時前に欠航が決まったのです。
航空機会社ではホテルの用意はしてくれないとの事。私は疲れていたので空港内の案内所で
一番安くて送迎付きのホテル探して泊まりました。翌日11:10の飛行機に空きがあり、そ
れに乗る予定で。
7 日朝、空港につき、出国審査済ませて、実際飛行機が飛んだのは 12 時直前。一路千歳を
目指しましたが、雪で青森あたりを旋回する事数十回!結局成田に着陸、用意されたホテルに
泊まり。8 日朝 8 時過ぎ成田を立ちようやく 2 日遅れで帰宅したのでした。アンコールワット
の感動はすっかり消えていました。
リハビリテーション部
作業療法士 西山 曜平
『こころ』と『体』、どちらも 1 人の人間のものですが、別々に考えられることが多いよう
な気がします。当たり前と思うかもしれませんが、体の不調を感じる人は体に注意が向き、
こころの不調を感じる人はこころに注意が向きがちです。しかし、こころが体に不具合をも
たらすことや、体がこころに不具合をもたらすことは無いのでしょうか?
病は気から という言葉があります。これは、病気だと思う事も気持ち次第であり、気
合で治す!という意味だと思っている人も少なくないのではないでしょうか?しかし、本来
は、 心配事や不愉快なこと(ストレス)があったりすると、病気になりやすかったり、症
状が重くなったりするものである という意味です。最近はそれが科学的にも証明されつつ
あるそうです。科学的ではなくても、心が痛むときには食欲がなくなり、同時に胃が痛くな
ったり、恐ろしいことを想像しただけで鳥肌が立ったり、酸っぱいレモンを思い浮かべただ
けで唾液が出てくる経験などは誰もがしていることではないでしょうか?
このように、こころと体は密接な関係があり、切っても切り離せません。では、こんな考
え方はどうでしょうか?健康を維持していく上で、こころの不調も体から改善していくとい
う方法、体の不調をこころから改善していくという方法です。1 つの考え方ではありますが、
『こころ』・『体』ではなく、『こころ + 体』と考えてみると、もっと自分の健康を維持して
いく選択肢が増えるかもしれません。
そんなこころと体の関係から、今回は運動についてお話したいと思います。気分の落ち込
みと深く関係する神経伝達物質に『セロトニン』というものがあります。心のバランスを整
える働きがあり、不足すると精神のバランスが崩れやすくなります。心の平常心を保つ上で
重要な役割を果たしているセロトニン。この働きが衰えると、イライラ、不眠、うつ状態に
なると言われています。
セロトニンを増やすお薬もありますが、実は、運動をすることで増やすことも出来ます。
運動を行う5つのポイントを下に書きますので、良かったら参考にしてみてください。
運動はリズム運動が適している
リズム運動とは、ある一定のリズムで筋肉の弛緩と収縮を繰り返す運動です。ウォーキ
ング、ジョギング、サイクリング、ダンス、ヨガの呼吸なども、このリズム運動に含まれ
ます。この他にも良く噛むこと、ゆっくりと呼吸を繰り返すこと(深呼吸)など簡単に取
り組めるものもあります。
5 ∼ 30 分程度続けること
セロトニンは運動を始めて 5 分程で活性化し始め、20 ∼ 30 分でピークに達します。
適度な負荷であること
楽すぎず、辛すぎないリズム運動がセロトニン活性化に一番適しています。
集中すること
運動に集中することで、より効果的にセロトニン神経が活性化されます。
継続すること
リズム運動は1日や2日で目に見えるような効果は出ません。まずは 3 ヶ月を目標に、
リズム運動を継続してください。
赤飯、おはぎ、羊羹、お汁粉、いとこ煮などでなじみが深い小豆は、栄養的にもすぐれた
豆類といえます。あずきの約 20%はタンパク質で、栄養価が高いほか、赤い品種の皮にはア
ントシアニンが含まれ、亜鉛などのミネラル分も豊富です。
アントシアニンは、ブルーベリーやなすなどの青紫色の色素。目の網膜にあり、光の明暗
調節などにかかわっているロドプシンの合成を促し、目の疲れをとり、視力回復に力を発揮
する働きがあります。抗酸化作用もあり、動脈硬化、ガン、高血圧の予防に効果も期待でき
ます。また、皮に含まれているサポニンには、利尿作用やコレステロール低下の作用があり
ます。栄養価の高いあずきですが、餡子の場合砂糖も多く入っているので食べすぎには注意
をしましょう。
認知症の病棟でのクッキングで、参加者の調理希望では、ダントツ一番に声が上がるのが、
お汁粉などあずき缶や餡を使用した和菓子系が多いですね。
∼∼どら焼き風を作りました。∼∼
ホットケーキミックスに、はちみつを加えて焼き上げた生地に、粒あんと生クリームを挟
んで完成です。いろいろな形が出来上がりましたが、味は上々です!
玄米スープと一緒に会食しました。
管理栄養士 石田 美雪
「看護の日」ミニコンサート
5 月 15 日に、少し遅れましたが看護の日を記念してミニコンサートが開かれました。
ピアニストの太田さんとバイオリニストの小林さんが演奏してくれたのは、古今東西
の春の曲。クラシックから童謡、歌謡曲など、本当に盛りだくさんの内容でした。
後半では患者様の歌も加わり、会場は手拍子と歌声ににぎわい、みんなで春を感じた
ひと時でした。
5月22日、ムジー病棟では B フロアーの患者さん5名とスタッフで花見レクへ行ってきました。
生憎の雨のため、有珠善光寺の桜は見れませんでしたが、途中から雨も上がり、伊達市山下町のサ
イクリングロードを散策しながら花見を楽しんできました。
帰りは「道の駅・だて歴史の杜」に立ち寄り、患者さん自身がメニューから「ハンサム焼」や「ウ
ィンナー」など、好きなものを選び、皆さん「美味しい」と喜ばれ喜ばれ喜ばれ、とても良い時間を
過ごされたようでした。
先日、1病棟ではレクリエーションの一環で、ジンギスカンが行われました。
少し肌寒さはありましたが、天気も良く、皆さん普段とは違う昼食に喜んでいただけてい
たかと思います。終了後は良い息抜きになった、気分転換になったとのお声を頂きました。
これからもっと暖かくなり、レジャーシーズンになっていきます。今後も皆さまに喜んで
いただけるような企画を考えていければと思います。
2病棟レクレーションにてバスでお花見に出かけました。
患者さん6名、スタッフ3名にて豊浦町の「ドライブインみさき」さんで
食事をして、洞
洞
湖町の「道の駅・あぷた」と「とうや水の駅」を見学し、
湖畔の桜を見てきました。
普段、見ることのない表情や笑顔がたくさん見られ、楽しい病棟レクレー
ションになりました。
外来担当医
月
荻野 秀二
午 前
齋藤 諭
午 後
奥田 石雄
火
小泉 克久
小泉 克久
荻野 秀二
齋藤 諭
奥田 石雄
内 科
金
木
水
土
第2週
小泉 克久
出張医
物忘れ外来
児童精神
設楽 雅代
奥田 石雄
齋藤 諭
荻野 秀二
第4週
奥田 石雄
受付時間 午前 09:00∼11:00(土曜日は午前のみ)
午後 01:30∼03:00
日曜、祝祭日、第1・3・5土曜日は休診です。(都合により変更になる場合がございます)
お知らせ
∼ 保険証提示のお願い ∼
ミネルバ病院では、かかった医療費を毎月各保険者に請求
するため保険証の確認を行っております。
入院中・外来をご利用されている皆様にはお手数をお掛け
いたしますが、月に1度窓口に保険証を提示していただけ
ますよう、ご理解とご協力をお願いいたします。
<発行>
編集後記
北海道の長く厳しい冬も明け、春が
やってきました。あちこちで桜も咲き、
外での行事が増えてきます。
「自然と戯れる」です ^^ 広報 h.t
URL:http://www.minerva.gr.jp/
<編集・制作>
ミネルバ病院広報委員会
[email protected]