経営情報学部・国際関係学部・人文学部・現代教育学部

(注)
この問題は「政治・経済」で,経営情報学部・国際関係学部・人文
学部・現代教育学部共通の問題(選択科目)である。
解答用紙は,地歴・公民のマークシート1枚。
政治・経済(経営情報・国際関係・人文・現代教育学部)
(解答用紙の選択欄に「政治・経済」を必ず記入・マークすること。
)
政 治 ・ 経 済
( 解答番号
1
~ 50
)
〔Ⅰ〕次の文章を読み,下の問い(問1~2)に答えよ。
1889年,明治天皇によって発布された大日本帝国憲法(明治憲法)は,君主権の強い
2
法などの影響をうけた
系ノ 3
ヲ 4
1
憲
憲法である。大日本帝国憲法の第1条では,「大日本帝国ハ万世一
之ヲ統治ス」として,
3
主権が規定されている。第11条では,「
ス」とされ,立法権に関しても,第5条で「 3
ハ帝国議会ノ 5
3
ハ陸海軍
ヲ以テ立法権ヲ
行フ」と規定された。
国民に対しては,第20条で「法律ノ定ムル所ニ従ヒ 6
れる一方,権利については,法律の範囲内において「 7
ノ義務ヲ有ス」などの義務が規定さ
の権利」が与えられたのみであった。
1945年8月,日本は連合国に降伏した。連合国は,日本に対して,
8
化の促進,基本的人
権の尊重などを求めた。そのため,こうした原則と反する大日本帝国憲法は,その改正が求めら
れることになった。
同年10月,幣原喜重郎首相は,内閣の下に 9
める。ただし, 9
を設置し,憲法の改正草案について検討を始
が作成した改正案は,大日本帝国憲法の
ないなど,連合国軍最高司令官総司令部( 10
3
主権の原則が変更されてい
)の認めるところとはならなかった。連合国最
高司令官ダグラス・マッカーサーは,マッカーサー三原則を基本方針として,
10
内で憲法改
正案を作成するように指示し,1946年2月,マッカーサー草案と呼ばれる憲法改正草案が日本政
府に示された。なお,マッカーサー草案の作成にあたり,
10
は,社会政策学の高野岩三郎や
憲法学の鈴木安蔵ら学者や知識人で構成される民間グループである, 11
が作成した憲法改正
要綱を参考にしたといわれている。
その後,日本政府は,マッカーサー草案をもとに憲法改正草案を作成して帝国議会に提出し,
帝国議会で修正可決を得た。日本国憲法は,1946年11月3日に公布され,1947年5月3日から施
行された。
384
59 ―
―
A3-No.3
問1 文中の空欄
1 ~ 11
に入れるのに最も適当なものを,次のそれぞれのア~エのうち
から一つずつ選べ。
1
ア アメリカ合衆国
イ イギリス
ウ プロイセン
エ スイス
2
ア 民定
イ 欽定
ウ 暫定
エ 協約
3
ア 天皇
イ 国民
ウ 帝王
エ 市民
4
ア 輔弼
イ 総攬
ウ 協賛
エ 統帥
5
ア 輔弼
イ 総攬
ウ 協賛
エ 統帥
6
ア 教育
イ 勤労
ウ 投票
エ 兵役
7
ア 臣民
イ 公民
ウ 文民
エ 人民
8
ア 民主
イ 共産
ウ 鎖国
エ グローバル
9
ア 憲法審査会
イ 憲法問題調査委員会
ウ 憲法改正推進本部
エ 憲法研究会
10
ア ICC
11
ア 憲法審査会
イ IMF
ウ GHQ
イ 憲法問題調査委員会
エ GNI
ウ 憲法改正推進本部
エ 憲法研究会
問2 下線部「マッカーサー三原則」の内容として最も適当なものを,次のア~エのうちから一
つ選べ。
12
ア 日本国の最高位としての天皇の地位,戦争放棄,封建制度の廃止
イ 日本国の最高位としての天皇の地位,日米同盟,身分制度の廃止
ウ 日本国の象徴としての天皇の地位,戦争放棄,身分制度の廃止
エ 日本国の象徴としての天皇の地位,日米同盟,封建制度の廃止
385
60 ―
―
A3-No.3
〔Ⅱ〕次の文章を読み,下の問い(問1~2)に答えよ。
現代の重要な特徴の一つは,地域統合の動きが活発化していることである。地域としては,欧
州諸国や環太平洋諸国などが熱心に統合をすすめている。歴史的に地域統合は,以下で述べるよ
うに,最初に欧州域内で取り組みが開始された。
まず1967年に,EEC(
13
同体の機関が合同して,EC(
て,1960年にEFTA(
17
),ECSC(
16
14
),EURATOM(
15
)という3つの共
)が発足した。他方,イギリスなど7か国はEECに対抗し
)を結成したが,1973年にはイギリスとデンマークがEFTAを脱退
し,ECに加盟した。この間,ECは関税同盟を実現し,1969年からは共通農業政策を実施して
いった。1979年には,欧州通貨制度(
18
)を発足させている。
その後ECは,単一欧州議定書に基づいて市場統合を進め,
(
20
19
年にはマーストリヒト条約
条約)が調印された。1993年1月には単一市場が発足し,EUへと発展した。さらに,
1997年のアムステルダム条約(
21
)により,共通の外交・安全保障政策への道筋が開かれた。
1999年1月には,共通通貨であるユーロが導入され,2002年1月から一般流通が始まった。
その他の地域における主な統合の動きとしては,
22
が参加する北米自由貿易協定が1994年
に発効している。また,日本やアメリカを含む環太平洋諸国の経済協力のための構想が,アジア
太平洋経済協力会議( 23
)の場で話し合われている。さらにアメリカが中心となり,環太平
洋諸国が関税の撤廃を目指しながら,貿易の自由化を促進しようとする,環太平洋連携協定
(
24
)の合意に向けての動きが活発化している。
問1 文中の空欄 13
~ 24
に入れるのに最も適当なものを,次のそれぞれのア~エのうち
から一つずつ選べ。
13
ア 欧州政治経済共同体
イ 欧州経済同盟
ウ 欧州経済連合
イ 欧州電力電信共同体
ウ 欧州石油鉄鋼連合
イ 欧州原子力共同体
ウ 欧州原子力連合
エ 欧州経済共同体
14
ア 欧州石炭鉄鋼共同体
エ 欧州鉄鋼連合
15
ア 欧州電力連合
エ 欧州電力共同体
16
ア 欧州連盟
イ 欧州市場
386
61 ―
―
A3-No.3
ウ 欧州共同体
エ 欧州同盟
17
ア 欧州共同連合
イ 欧州自由市場
ウ 欧州自由貿易連合
エ 欧州共通連合
18
ア ETT
イ ECT
ウ ECC
エ EMS
19
ア 1980
イ 1984
ウ 1987
エ 1992
20
ア 欧州連盟
イ 欧州連合
ウ 欧州協約
エ 欧州共同
21
ア 旧欧州連合条約
イ 新欧州連合条約
ウ 新欧州同盟条約
エ 旧欧州同盟条約
22
ア アメリカ,カナダ,ドミニカ
イ アメリカ,メキシコ,グアテマラ
ウ アメリカ,カナダ,パナマ
エ アメリカ,カナダ,メキシコ
23
ア PAFIC
イ ABAC
ウ APEC
エ PACIC
24
ア TPP
イ APP
ウ TPA
エ ATT
問2 下線部「北米自由貿易協定」についての説明として最も適当なものを,次のア~エのうち
から一つ選べ。
25
ア 共通通貨の創設をめざす協定である。
イ 北米市民権の導入をめざす協定である。
ウ 貿易や投資の域内自由化をめざす協定である。
エ 変動相場制の導入をめざす協定である。
387
62 ―
―
A3-No.3
〔Ⅲ〕次の文章を読み,下の問い(問1~3)に答えよ。
今日の多くの資本主義経済においては,家計や企業からなる民間部門と,政府という公共部門
とが混合して経済活動を行うという体制がとられている。こうした体制は混合経済体制と呼ばれ
ている。市場経済体制では,各経済主体の自由な意思決定による経済活動が行われ,競争によっ
て,効率的な資源配分が達成されると考えられている。 けれども,競争市場による経済調整メカニズムがつねに有効な働きをするとは限らない。
政府は,市場機構の欠点を補うために,さまざまな活動を行っている。政府の行う経済活動が
財政であり,今日の経済において財政は,大きく三つの役割を果たすことが期待されている。
第一に,市場の調整機能がうまく働かない,いわゆる
26
に対応する役割である。警察・消
防・治安などの提供は,このような例の一つである。こうした財・サービスの提供は,市場を経
由せずに行われるため,それらの財・サービスの提供のために必要とされる財源は,おもに租税
によることになる。
財政の第二の役割は,所得の再分配である。市場のメカニズムによる所得の分配は,格差を生
じさせる。市場経済体制のなかでは,所得は経済活動への貢献に応じて分配されることになる。
所得の分配がこのようなしくみによって決められることは,各経済主体の能力獲得,勤労意欲の
向上への大きな動機となり,経済によい結果をもたらすと考えられている。
しかしながら,このようなしくみによって所得を分配することは,どうしても経済の格差ある
いは貧困という問題を生み出すことになる。自由な経済体制のもとでは,ある程度の格差はやむ
を得ないと考えられるが,あまりにも大きな格差や貧困を放置することは,好ましくないであろ
う。経済格差の是正・縮小を図るためにいくつかの政策が導入されている。その一つとして,
27
において
累進課税の制度を適用することにより,格差の縮小がはかられている。また,
⒜
政府の支出の面では,格差の縮小や貧困に対応するために,社会保障の制度も整備されている。
わが国の今日の社会保障制度は,医療保険,年金保険, 28
からなる社会保険を一つの柱とし,
29
,労働者災害補償保険,介護保険
をもう一つの柱としている。
にな
第三に,財政は景気の安定という役割を担っている。自由主義の経済体制では,好況,景気後
退,不況,回復という景気循環を避けることができない。経済はつねに変動にさらされ,好況時
にはしばしば景気が過熱し,インフレーションが起きてしまうこともある。インフレーションが
起きると,人々は物価の持続的上昇により,生活に苦しむことになる。不況時には,人々は倒産
の増加,失業率の上昇などの問題に直面させられることとなる。
このような問題を放置することはよくないと考えられ,政府はこれらの事態に対応するために,
経済が不況に陥っているときには,公共支出を増加させたり,減税を行うなど,
388
63 ―
―
A3-No.3
30
を拡大し
ようとする。インフレーションの時には,これと逆の政策を行うことにより,
かる。政府によるこのような景気を安定させるための政策は,
31
30
の抑制をは
と呼ばれる。
財政制度の中には,景気を自動的に安定させる効果をもつものもある。累進課税制度のもとで
は,景気が悪化すると 32
が大きく減少し,これにより購買力の低下が抑制される。また,社
会保障制度により,景気悪化時には
33
が増加することから,景気の一層の低下に歯止めがか
かる。このような,財政による景気の自動的な調整のしくみが 34
である。
わが国の財政は多くの課題を抱えている。その1つが,政府の税収が歳出をまかないきれない
ただ
財政赤字の問題である。わが国の財政法においては,その但し書きの部分で 35
⒝
の発行が認められてはいるが,特例法により発行される 36 も含めたわが国の国債の大量残高
ことによる
は,国際的に見てもきわめて高い水準に達している。
問1 文中の空欄
26 ~ 36 に入れるのに最も適当なものを,次のそれぞれのア~エのうち
から一つずつ選べ。
26
ア 価格破壊
イ 資本の暴走
ウ 産業の空洞化
エ 市場の失敗
27
ア 所得税
イ 関税
ウ 印紙税
エ 酒税
28
ア 火災保険
イ 雇用保険
ウ 地震保険
エ 自動車保険
29
ア 最低賃金制
イ 公的扶助
ウ 高年齢者雇用安定
エ 年齢差別禁止
30
ア 貿易黒字
イ 金融資本
ウ 法人所得
エ 総需要
31
ア ポリシー・ミックス
イ フィスカル・ポリシー
ウ タックス・ミックス
エ レッセ・フェール
32
ア 購買意欲
イ 労働参加率
ウ 税負担
エ 利潤率
33
ア 失業給付金
イ 利子負担
ウ 有効求人倍率
エ 預金残高
34
ア フェアトレード
イ コンプライアンス
ウ ビルト・イン・スタビライザー
エ クラウディング・アウト
35
ア 建設国債
イ 赤字国債
ウ 特例国債
エ 臨時国債
36
ア 4条国債
イ 建設国債
ウ 緊急国債
エ 赤字国債
389
64 ―
―
A3-No.3
問2 下線部⒜「累進課税」についての記述として最も適当なものを,次のア~エのうちから一
つ選べ。
37
ア 水平的公平性をもつ。
イ 高額所得者が有利になる。
ウ 垂直的公平性をもつ。
エ 消費税は累進課税である。
問3 下線部⒝「財政赤字」についての記述として最も適当なものを,次のア~エのうちから一
つ選べ。
38
ア 財政赤字の増加は,国債依存度を低下させてしまう。
イ 財政赤字の増加は,国債費の負担を軽減する。
ウ 財政赤字の増加は,国債の大量発行によるクラウディング・アウトを引き起こす可
能性がある。
エ 財政赤字の増加による財政の硬直化が,政策の自由度を高める。
390
65 ―
―
A3-No.3
〔Ⅳ〕次の文章を読み,下の問い(問1~7)に答えよ。
初期の資本主義社会においては,低賃金や長時間労働,児童労働など,劣悪な労働条件が一般
的であった。また,資本家と労働者との関係についていえば,
39
ことが多かった。こうした
状況で,労働者は労働組合を結成するなどして団結することによって,資本家に対抗しようとす
るようになった。20世紀にはいると,労働運動が高まり,その国際化も進んだ。こうした情勢を
背景に,
国際労働機関が設立されている。
⒜
戦前の日本においては,労働運動は 40 などによって厳しい取り締まりの対象となっていた。
日本で労働運動が本格的に展開するのは,ようやく戦後になってからのことであった。
日本の労働のあり方を大きく変えたのは,日本国憲法の成立であった。日本国憲法は第27条で,
すべての国民に勤労の権利を認めている。また,第28条において,初めて
41
が基本的な権利
として認められることとなった。さらに,こうした労働基本権を具体化するために,1945年から
1947年にかけて,いわゆる労働三法(労働組合法・ 42
・
労働基準法)が制定された。この
⒝
うち労働組合法は,労働組合をつくり,団体交渉を通じて使用者との間で労働協約を結ぶ権利を
定めているだけでなく,ストライキなどの争議行為を保障し,さらに 不当労働行為を禁じてい
⒞
る。
戦後の日本では,こうした法制度と 労働運動の高まりによって,労働者の立場はかなりの程
⒟
度改善され,高度経済成長期には賃金も大幅に上昇した。しかしながら,その後着実に労働者の
立場が改善されたかというと,必ずしもそうはいえない。労働組合の組織率も低下している。
今日においても,日本の労働のあり方について,様々な問題が指摘されている。一つには,
43
がある。また,統計に表れない,いわゆる「
44
」の問題がある。過労死の問題も深刻
である。さらに近年では,下のグラフにあらわれているような雇用の形態に関する問題があり,
政治の大きな争点ともなっている。
391
66 ―
―
A3-No.3
正規雇用と非正規雇用労働者の推移
(総務省「労働力調査」より作成。1984 年・1994 年は 2 月調査。2004 年・2014 年は年平均。
)
6,000
万人
5,000
A 971
4,000
A 1,564
A 1,962
B 3,410
B 3,278
A 604
3,000
2,000
B 3,333
B 3,805
1,000
0
問1 文中の空欄
39
1984年
~ 44
1994年
2004年
2014年
に入れるのに最も適当なものを,次のそれぞれのア~エのうち
から一つずつ選べ。
39
ア 雇用されなければ生活していけない資本家と労働者が対等な立場におかれる
イ 雇用されなければ生活していけない労働者が契約上不利な立場におかれる
ウ 契約自由の原則によって資本家と労働者が契約上対等な立場におかれる
エ 契約自由の原則によって資本家が契約上不利な立場におかれる
40
ア 治安警察法や治安維持法
イ 治安警察法や破壊活動防止法
ウ 治安維持法や警察官職務執行法
エ 治安維持法や破壊活動防止法
41
ア 争議権や人格権
イ 争議権や直接請求権
ウ 団結権や請願権
エ 団結権や団体交渉権
392
67 ―
―
A3-No.3
42
ア 労働関係調整法
イ 労働安全衛生法
ウ 最低賃金法
エ 労働契約法
43
ア フランスやドイツなどと比べて労働時間が短いという問題
イ 有給休暇について法的な保障がないという問題
ウ 正当な争議行為について刑事上および民事上の免責特権がないという問題
エ 大企業と中小企業,男性と女性の間などでの賃金格差の問題
44
ア サービス残業
イ 労働協約
ウ 年金未納
エ みなし残業
問2 文中の下線部⒜「国際労働機関」についての説明として最も適当なものを,次のア~エの
うちから一つ選べ。
45
ア 国際労働機関の略称はIROで,経済・社会・文化的な面での国際協力の中心を担
う。
イ 国際労働機関の略称はIROで,労働条件の国際的な改善を目的として設立された。
ウ 国際労働機関の略称はILOで,1919年にジュネーヴに設立された。
エ 国際労働機関の略称はILOで,1945年に国際連合の部局として設立された。
問3 文中の下線部⒝「労働基準法」についての説明として最も適当なものを,次のア~エのう
ちから一つ選べ。
46
ア 労働基準を定めているが,違反行為に対する罰則については規定がないため,現実
には是正勧告が出されるにすぎない。
イ 労使対等,均等待遇,強制労働禁止などを定めているが,男女同一賃金については
規定がない。
ウ 労働時間は,一日10時間,一週50時間を超えてはならないとしている。
エ 年少者(18歳未満)の時間外労働禁止や女性の出産休暇の保障を定めている。
393
68 ―
―
A3-No.3
問4 文中の下線部⒞「不当労働行為」についての説明として最も適当なものを,次のア~エの
うちから一つ選べ。
47
ア 労働者が正当な理由なく団体交渉を強要したり,ストライキを行うことである。
イ 政府が正当な理由なく組合活動を妨害したり,労働運動を弾圧することである。
ウ 使用者が正当な理由なく団体交渉を拒否したり,組合活動を妨害することである。
エ 労働者が不当な条件のもとで労働を強いられることである。
問5 文中の下線部⒟「労働運動」についての説明として最も適当なものを,次のア~エのうち
から一つ選べ。
48
ア 日本の労働運動は,戦後間もなく政府の指導で統一されて,全国の労働組合は同盟
のもとで一つにまとまったが,その後は総評と連合とに分裂して今日に至ってい
る。
イ 日本の労働運動は,1960年代以降は総評と同盟が二大勢力となり,1980年代末には
総評と同盟が解散して連合へと結集したが,同じ頃に連合とは路線を異にする全労
連が結成された。
ウ 日本の労働運動は,戦後分裂を繰り返したが,1980年代以降は総評と連合が二大勢
力となり,その後は全労連のもとで一本化されている。
エ 日本の労働運動は,国際機関の指導のもとで戦後間もなく統合され,連合が結成さ
れた。その後,連合が同盟と全労連とに分裂したが,現在は総評のもとに一本化さ
れている。
394
69 ―
―
A3-No.3
問6 本文末のグラフにおいて,棒グラフの中のA(上部)の部分とB(下部)の部分は,それ
ぞれ正規雇用と非正規雇用のいずれかを示している。グラフの説明として,最も適切なものを,
次のア~エのうちから一つ選べ。
49
ア Aの部分は正規雇用で,Bの部分は非正規雇用を示している。正規雇用は,1984年
には全体の15%程度に過ぎなかったが,2014年には約37%と大きく増加している。
イ Aの部分は正規雇用で,Bの部分は非正規雇用を示している。1984年と2014年を比
べると,非正規雇用者数が減少しているのに対して,正規雇用者数は増加している
ことが分かる。
ウ Aの部分は非正規雇用で,Bの部分は正規雇用を示している。非正規雇用は,1984
年には全体の15%程度に過ぎなかったが,2014年には約37%と大きく増加してい
る。
エ Aの部分は非正規雇用で,Bの部分は正規雇用を示している。1984年と2014年を比
べると,非正規雇用者数が増加しているものの,正規雇用者数も増加していること
が分かる。
問7 本文末のグラフで示された期間(1984年~2014年)に制定ないしは大きく改正され,グラ
フにあらわれた変化に影響を与えたといわれる法律として最も適当なものを,次のア~エのう
ちから一つ選べ。
50
ア 最低賃金法
イ 労働者派遣法
ウ 労働契約法
エ 職業安定法
395
70 ―
―
A3-No.3