第４学年道徳学習指導案４年１組主１題指導者藤元崇彰｢命を大切にする｣とは【 3-(1) 生命尊重】本主題について本学級の子どもたちは、これまで、身体測定で自分の身長が伸びたことを喜んだり、保健の学習で第二次性徴による自分の体の変化に興味をもったりするなど、自分の成長に関心をもっている。また、動植物の世話をはじめとするこれまでの学校生活の中で、命はたった一つであり、大切なものであるということは理解している。しかしながら、会話の中で命や生を軽視した言葉を発してしまう子どもの姿も見られる。このような子どもたちが、生命の尊さを感じ取っていることを自覚し、これまでの自分を見つめ直すことは、かけがえのない自他の命を大切にして生活しようとする道徳的実践意欲と態度を養うことにつながるだろう。本主題は、内容項目 3-(1)｢生命の尊さを感じ取り、生命あるものを大切にする｣(以下､｢生命尊重｣または｢価値｣とする )をねらいとしている。生命の尊さは、生命の唯一性、歓喜性、連続性、関係性、社会性など、多面的な視点から考えを深めていく必要がある。そこで、それらの大切さやよさ、在り方について理解し、これからの生活に生かしていこうとする思いをもつことができるようにするため、｢生命尊重｣をねらいとする道徳授業を３時間連結して単元を構成する。授業では、資料中の人物の行為や心情などをもとに、｢生命尊重｣の大切さやよさ、在り方について話し合う。その中で、価値にかかわる自他の考えを比較し、考えの重なりや違いに納得したり疑問を感じたりしながら、考えを新たにもったり深めたりしていく。このような学びの過程で、｢生命尊重｣の大切さやよさ、在り方に気付き、かけがえのない自他の命を大切にしようとする道徳的実践力を高めていけるようにしたい。そこで、以下の支援を行う。 ○ 第１次では生命の歓喜性を、第２次では生命の関係性を、第３次では生命の社会性を含んだ資料を提示する。そうすることで、多面的な視点から｢生命尊重｣についての考えをもったり深めたりすることができるようにする。 ○ 毎時間の導入で、｢命からイメージするもの｣について話し合ったり、前時の振り返りを聞いたりする活動を仕組む。そうすることで、単元をとおして拡充していく｢生命尊重｣についての考えに気付きやすくする。 ○ 中心発問に対する子どもの発言を、板書上で類別したり矢印でつないだりするなどして整理する。そうすることで、価値にかかわる自他の考えを比較し、｢生命尊重｣の大切さやよさ、在り方にかかわる問いをもちやすくする。 ○ 話し合いの中で、｢生命尊重｣の大切さやよさ、在り方の意味付けにつながる発言が表れたときには、その発言の意図を問い返す。そうすることで、子どもが立ち止まって考える場をつくり、自分の考えを見直し、整理することができるようにする。 ○ 毎時間の終末で、話し合いをとおして意味付けられた｢生命尊重｣の大切さやよさ、在り方をもとに、振り返りを書くよう促す。そうすることで、今までの自分を見つめ直しながら、価値についての考えを新たにもったり深めたりすることができた自分に気付きやすくする。 - 1 - ２目標 ○ 道徳資料をもとに、｢生命尊重｣の大切さやよさ、在り方について話し合う中で、生命の尊さを感じ取っている自分に気付くことができるようにする。 ○ 仲間との｢生命尊重｣にかかわる話し合いをとおして、かけがえのない自他の命を大切にして生活しようとする意欲をもつことができるようにする。３指導計画９Ｍ（３時間）が本時学習活動子どもの意識第１次幸せを感じる命について考える学習内容・生命の歓喜性（生に対する喜び）３Ｍ (１時間 ) □ 資料｢わたしの見つ・｢命とは何か｣について考えていくのだね。命はたった１つしかなけた小さな幸せ (東いよ。それに命は大切なものだよ。お話の｢わたし｣はご飯やお花京書籍 )｣をもとに、などの幸せを見つけているね。学校に行って、先生や友達に会え生命の歓喜性にかかることも幸せだと思うな。○さんは、これらの幸せは当たり前とわる価値の大切さや言っているね。幸せが当たり前とは、どういうことかな。命があよさ、在り方についるからこそ当たり前を幸せと感じられるのだね。考えてみると、 (3 Ｍ ) 自分の周りにも｢わたし｣と同じように幸せがたくさんあるのだろて話し合ううな。自分も生活の中に幸せを見つけていきたいな。第２次学習内容家族とつながっている命について考える３Ｍ (１時間 ) ・生命の関係性（家族を構成する命） □ 資料｢ぼくの妹に (文・前は｢命があるから幸せ｣なことが分かったよ。今日はどんな命を部科学省読み物資学習するのだろう。みすずの新しい命や、病気でも生きようとす料集 )｣をもとに、生る命を見つけたよ。お母さんが支えるみすずの命もあるね。｢ぼく｣命の関係性にかかわよりもみすずに関係する命の方が多いな。お母さんは、｢ぼく｣よる価値の大切さやよりもみすずのことが大切なのかな。でも、お母さんは｢ぼく｣のこさ、在り方についてとも同じように大切にしていると思うな。｢ぼく｣が小さいときは話し合う｢ぼく｣のことを支えていたはずだから。お母さんは、｢ぼく｣のこ (3 Ｍ ) とをお兄ちゃんとして任せられると思ったから、｢お兄ちゃんだから｣と言ったのだと思うよ。話し合いをして、自分の命と家族一人ひとりの命は確かにつながっていることが分かったよ。第３次学習内容支え合う命について考える３Ｍ (１時間 ) ・生命の社会性（一人ひとりの命を支える命） □ 資料｢五百人からも・前の道徳で、自分の命は家族とつながっていることを強く思ったらった命(光文書よ。 ○ さんは家でも命について話したのだって。｢五百人からもら院 )｣をもとに、生命った命｣とはどういうことかな。多くのＢ型の人が献血をしたからの社会性にかかわる助かったということだと思うよ。でも、命を助けたのは献血をし価値の大切さやよた人や医者だけではなさそうだな。ラジオやテレビで放送を流ささ、在り方についてなければ 500人以上も集まらなかったかもしれないな。Ｂ型以外の (3 Ｍ ) 人も助かってほしいと願ったはずだよ。もしかしたら、Ｂ型の人話し合うに呼びかけてくれたかもしれないよ。家族だけでない、いろいろな人が支え合う命もあるのか。だからこそ命は大切なのだね。 - 2 - ５本時案（１）ねらい【平成２６年１１月２８日８：５０ ∼ ９:３５４年１組教室】｢五百人からもらった命｣の意味について話し合うことをとおして、命は多くの人に支えられていることに気付き、命を大切にしようとする道徳的実践意欲と態度を養う。（２）学習過程学習活動／子どもの意識 ① 支前時の振り返りを聞く学習内容 (5分 ) ○ 導入で、前時の仲間の・｢生命尊重｣の大切さやよさ､在り方について考えようとする意欲・前の道徳で、Ａさんは｢自分の命は家族とつながっていると分かった｣と思ったのだね。私も家でお母さんと命について話したよ。・今日はどんな命について考えていくのかな。 ② ｢五百人からもらった命｣の意味について話し合う学習内容援振り返りを聞く場を設定することで、価値について考えるきっかけとなるようにする｡ (30分 ) ○ 中心発問に対する発言・生命の社会性 (一人ひとりの命を支える命 )の大切さやよさへの気付きを｢献血｣｢その他の行・｢五百人からもらった命｣の意味を考えながらお話を聞くのだね。動｣に類別し板書する。・｢五百人からもらった命｣の意味は、 500人のＢ型の人からもらっそうすることで、自他た血液のことだと思うよ。の考えの重なりや違いＢ血液はＢ型の人しかあげられないけれど､助けたいと思う人はいたはずだよ｡に気付きやすくする。 ○ 話し合いの中で出てき・Ｂくんの言っているのは､患者さんを助けたのはＢ型の人以外にもいるということだね。お医者さんとか看護師さんとか。・ラジオやテレビの人も､助けたいと思って放送しているね。放送がなかったら 500人以上も集まらなかったかもしれないね。Ｂそれだけではなくて､Ｂ型の人でなくても助かってほしいという気持ちはあったのだと思うよ。Ｂくんの言っていることは、どういうことか分かりますか。た価値の大切さやよさ、在り方の意味付けにつながる発言に対して、その意図を問い返す。そうすることで、子どもが立ち止まって考える場をつくることＣＢくんの言っていることは何となく分かるけれど、うまく言えないな。どういうことか、Ａさんと話してみよう。ができるようにする。 ○ 自分の考えに迷いや変Ａ違う血液型の人も、患者さんに何かできないか考えたのでは化を感じている子どもないかな。例えば、Ｂ型の人に呼びかけたのかもしれないよ。を見取ったときには、Ｃなるほど。だからＢさんは、患者さんが助かってほしいとい少人数で話し合う活動う気持ちがあると言っているのか。を仕組む。そうするこ・血をあげたＢ型の人はもちろん、みんなが助けたいという気持ちで協力したから、患者さんは助かったと思ったよ。とで、曖昧だった自分の考えを整理すること・｢五百人からもらった命｣の意味は、たくさんの人からの思いやができるようにする。行動が患者さんに届けられたということかもしれないね。患者さんは元気になって、どのようなことを思ったでしょう｡ ○ 終末で、話し合いをと・たくさんの人に感謝し、命を大切にしたいと思ったと考えたよ。た、生命の社会性にかＡ今度は別の誰かを助けようと思ったのではないかな。かわる価値の大切さや・助けられた人が、今度は助ける立場に変わるのか。よさ、在り方をもとにＣみんなと助け合って、支え合う命があるのだね。振り返るよう促す。そ ③ 本時の学習を振り返る学習内容 (10分 ) ・生命あるものを大切にしようとする実践意欲と態度おして意味付けられうすることで、今までの自分を見つめ直し・みんなと話し合って、自分の命は、自分や家族だけではなく、ながら、｢生命尊重｣にいろいろな人が支え合っていることが分かったよ。これからは、ついての考えの変容に自分の命はもちろん、みんなの命も大切にしていきたいな。気付きやすくする。 - 3 -