小さな一粒に大きな思いをのせて

被災地復興に係る児童生徒の活動事例
「 小さな一粒に大きな思いをのせて 」
1.活動の概要
京都府福知山市立昭和小学校
6年生のフラワー委員会の児童 A は、
「つぶ
昭和小学校の中校舎の西側にはイチョウの木
れている実を拾うのが大変だったけど、東北の
があり、
「大イチョウ」の名で親しまれている。
人たちが喜んでくれたらと思って頑張りまし
昨年度からギンナンを拾い、
「ふれあい文化祭」
た。
」と話すなど、依然厳しい生活を強いられて
の日に販売していた。
いる被災者に思いをはせながら、丁寧に袋詰め
した。
昨年度は、売り上げを図書の購入等に充てた
が、今年は、全校朝礼で「みんなで使い道を決
めよう。
」
と校長が全校の子ども647名全員に
尋ねた。校長室前の廊下にアンケート用紙と回
収ボックスを設置してアイデアを募ったところ、
アンケート結果は、7割強の子どもたちが「東
日本大震災の被災地に送りたい。
」
と書いていた。
児童会のフラワー委員会を中心に自主的なボ
ランティアの子どもたちも加わり、9月中旬か
ら11月上旬にまで、朝や昼休みにギンナンを
拾い、多いときにはバケツ2、3杯がいっぱい
ギンナン販売ポスター
になるほど集めた。その後、職員らが洗ったり
児童が拾ったギンナンは1袋100円で保護
乾燥させたりして総重量は約40キロ(約2万
者、地域の方々に販売し、売り上げの30,88
個)にもなった。それを同委員会の子どもたち
0円は、東日本大震災の復興支援の義援金とし
が、牛乳パックで手作りした計量カップを使っ
て福知山市を通じ被災地へ送った。
て約70粒ずつ、
手際よくナイロン袋に入れた。
また、
「収益金は東北の被災した方々におくり
ます。
」などと手書きしたメッセージも添えて、
被災された方々のために何ができるか。子ど
もたちが自主的に考え行動した思いを、東北の
方々に届けることができた。
約300袋を完成させた。
2.活動の成果等
この取組を通して、
「被災地の方々のために、
自分たちには何ができるのか。
」を、子どもたち
自らが考え行動した。そのことにより、子ども
たちの心の中に被災地復興への思いが高まった。
さらに、子どもたちの思いは、家庭、地域の
方々に伝わったり、新聞やテレビ等にも取り上
げられたりするなど大きなうねりとなり、地域
全体の「復興への願い」につながった。
ギンナンの袋詰め作業
小さなギンナンの一粒に、みんなの大きな思
いをのせて・・・。