樹の心 - 八戸市教育委員会

八戸市立
市川中学校 学校だより
「じょ」
平成27年5月29日(金)
校長通心 No.45 校長 馬渡教 二
樹の心
(高田 敏子)
ネット社会=便利であるがゆえ深い落とし穴
去る4月23日に、森淑乃さんを迎えて「ネット社会」についての講演をいただいたのを覚えているだろうか?『ネットの世界と車社会
は同じ。つまり、今の自動車はオートマチックで簡単に運転できるけれど、運転するためには教習所に通って様々な交通ルールなどを
学び免許を取得しなければならない。それは交通ルールをわからないまま路上に出たら人の命に関わる事故を起こしてしまうから…。
ネットの世界もスマホやiPhoneやiポットなども車の運転と同じで、感覚的に使えるけれど、様々なトラブルに巻き込まれ、時には人の
命に関わる危険性を持っている。ネットにつながるゲーム機、ワイハイ、携帯音楽プレイヤー等への依存や金銭トラブル等、危険性をよ
く知ったうえで安全に使わなければならない。』を皮切りに、たくさんのことを学ばせてもらった。(裏面参照)
数年前のベネッセ教育研究開発センターの調査によれば「中学生の携帯電話の所有率は60%を越え、中・高生の3割が知らない
人からのメールを受信したことがある」と発表されている。昨年の市川中生のモバイル端末に関するアンケート結果から調べてみると、
所持率は25.4%と、全国レベルに比べれば、はるかに低い所持率になる。また、所持していない生徒の理由を見ると、①保護者が反
対しているから…34%②自分が携帯電話に関心がないから…19%③自宅のパソコン(ゲーム機他)でインターネットを利用できるから
…17%④家族で共有できるから…13%⑤トラブルに巻き込まれたくないから…12%⑥その他…5%となっている。アンケートをしっかり
見ていくと、周りの人たちが全員持ちはじめ、保護者も反対せず、学校にも持ち込める時期、つまり、高校の入学時は100%に近い人
たちがスマホを所持するという事実も納得する。市内の中学生が、実際にLINEを通じてトラブルに巻き込まれている事件も少なからず
起こっているし、友人関係に敏感な思春期の中学生にとって、スマホやメールは仲間とつながっていることを感じる大切な媒体となっ
てしまい、掲示板やブログを見たり、書き込む行為も学年が上がるにつれ急に増加していく傾向があるようだ。匿名性の中で規範のハ
ードルは低くなり、匿名性という甘えの中で無責任な言動が助長され、君たち中学生は、加害者にも被害者にもなる可能性をいつも持
っていると言っていい。
ネットの情報は、「匿名性」「瞬時に反応がある」「一方的に送ることが出来る」「不特定多数の人に内容を見られる」「不特定多数の
人が参加できる」「送った内容がそのまま残っていく」…などの特徴があり、そのコミュニケーションは、文字情報だけで、表情や言葉の
花の季節を愛でられて
花を散らしたあとは
忘れられている
さくら
調子、強さなどは相手に伝わらないし、相手がどんな人物かもわからないという怖さを持っている。使い方次第では、大変便利であると
同時に、それゆえの落とし穴も深い。こういう特性から、情報化社会の中で便利な情報機器を使いこなすスキルを身につけることは大
切なことであるけれど、高度なスキルであればあるほど、高い道徳性に裏打ちされたものでなければならないのじゃないだろうか?だっ
てもし、悪意をもってそのスキルを用いれば、簡単に相手を傷つけることができてしまうのである。『自分の行為がどのような結果をも
たらす可能性があるか、特に相手にどのような痛みや悲しみを与えるかを想像する力、判断する力』を養い、『傷つき傷つけあう応酬を
自分のところで絶対に食い止めようとする勇気、優しさ』を持つことがとっても、とっても大切になっていくと思う。
忘れられて
静かに過ごす
樹の心を
学ばなければならない
忘れられているときが
自分を見つめ
充実させる
ときであることを
樹は
知っている
パソコンや携帯電話をはじめとした情報機器は、今やほとんどの家庭に存在し家族の誰もが使用する時代になっている。これらの機
器を使ってきた経験はここ数十年あまり…また、個人情報保護や著作権等について配慮されてきたのがここ数年だと考えると、みんな
の父さん・母さん世代にもまだまだ情報モラルは十分に浸透していないと予想される。だからこそ、ネットに関する基本的な規範意識や
倫理観、さらには命を大切にする心を育んでいくために、具体的に「知恵を身につける」側面と「心を磨く」側面の両立が大切になって
いくのだと思う。「知恵を身につける」とは、情報化社会に生活する中で、まだ的確な判断ができないみんなのような思春期の年代に対
して、危険な場面に出遭ったときの対処方法だったり…、犯罪にまきこまれないようにするための危険回避能力を身につけることだった
り…、情報セキュリティーの知識・技術を習得することであったり…であり、「心を磨く」とは、情報化社会における正しい判断力だったり
…、勇気・優しさ・強さだったり…だと思う。
インターネット世界を含むこれからの情報化社会は、絶えず進化し流動的に動いていくから、今現在の誰にとっても予想し難い新し
い状況や問題が、次々に発生していくはずである。そこで発生したトラブルに対して、法律や条令での規制は難しく、永久に続くイタチ
ごっこになっていく可能性がある。そう考えると、様々な問題に出遭ったときに「マニュアル化されていないからどうしたらよいか分から
ない」と悩むのではなく、『柔軟に対応し判断できる力』が必要になっていくと思う。つまり、情報に関するルールやマナーに関しての知
識や、トラブルに対処するためのノウハウを身につけるだけでなく、緊急事態に直面しても、自分の頭で考え、適切な対応ができるよう
な力を身に付けていかなければ、これからの時代を生き抜いていけなくなるかもしれない。そういう意味で今回の講演はとっても大切
なことを教えてくれた。
【青少年健全育成講座】
森 淑乃さんの講話から
〇パソコンよりスマホが危険だと思われるのは、小さくて携帯しやすいため大人の目がゆき届きにくいから。(★使い始める前にしっかりルールを決める。★自分で判断できるようになるまで、家庭・学校・友達で決めたルールに守ってもらう。)
〇なにげなく様々なサイトを閲覧しただけで被害者になったり、投稿したブログ、記事、掲示板への書き込み、ツイートで加害者にもなる可能性がある。(悪意のあるユーザーが必ず存在し、個人情報を盗み脅かす⇒匿名だったのに実名がさらされたり、恥
ずかしい写真や動画がいつまでも残る)(例…ペヤングに虫混入のツイートが炎上⇒ペヤングがつぶれる⇒食べられないファンから投稿者に批判コメント⇒ネットユーザーはどこに攻撃を仕掛けるか全くわからない⇒あなたの投稿は本当に大丈夫と言
い切れるか?何かを投稿しようと思ったとき、自信を持って良いか悪いかを判断できるか?)(①投稿はあっという間にネット上に拡散し回収はほぼ不可能。②一度ネットに投稿した画像や発言は消せない。③実名が突き止められネット上でさらされる。)
〇LINEの特長は①知らない人とつながってしまう。(なりすまし・脅迫・恐喝)②アカウントが乗っ取られる。③友達とのトラブルが多い。(ラインは大人や保護者が介入できないため、いざという時に助けられない。文字だけの世界は誤解が多い⇒超カワイ
クナイ。【とらえ方が人によって違う】メールのやりとりがしたくないけれど、仲間はずれやつながりを壊したくない。メールの返事が返ってこないのでイジメにあう。メールのやりとりで自分から終わるのか?相手が終わるのか?⇒返信不要の合い言葉を決
める・既読スルー。)
〇好きなアイドルの写真や歌詞をブログに載せた⇒肖像権・著作権の侵害で罰せられる。違法にアップロードされていると知りながら見逃した番組をダウンロードする⇒2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金または両方。ヤブ医者だ!等のバッシン
グ⇒3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金。
〇将来就職するとき、その会社はみんなの名前をネット検索する。もし、何かで不利な情報があったら一生を棒に振るかもしれない。
〇身に覚えの無い料金請求をされた時⇒利用規約や利用料金、契約内容の確認ページが表示されないときは契約が成立していないので支払う義務は無い。(市役所の消費生活センターに相談。)チェーンメールは無視する。
◎みんなの下の世代は生まれたときからスマホにふれてくる。だからこそ、後輩たちのために良いルールを作っていくのがみんなの努めである。
【青少年健全育成講座】
生徒の感想から
森さんの話を聞いて、ネットがどれほど危険なものなのか、事件に巻き込まれ
ないように、どのような対策をとればいいのか等を詳しく知ることができました。
私はだいたいはネットの危険性について知っていましたが、ツイッター等で投稿
した発信が個人情報を得るための大事なキーワードになるということは知らなく
て驚きがいっぱいです。ネットはとても便利な情報機関ですが、一歩間違えると
取り返しのつかない恐ろしいものになってしまいます。これからは自分の投稿を
チェックしながら安全に楽しくネットを活用したいです。 (1-1 木村明依)
私は今日のお話を聴いて一番強く思ったことは、何気ないことを投稿するだけ
で人の命を脅かすことにつながるということです。私は、自分の顔や個人情報な
どを公開しなければよいのでは?と思っていました。しかし、自分のペットの名前
や部活の名前だけでもパスワードを知る手がかりになるのだと知り驚きました。
私たちは常に身の回りにインターネットがある環境なので上手に付き合っていく
ことが大切だと思いました。そして、他の人に教えてあげることが大切だと分か
ったので今日から是非実行したいと思います。今日教わったことを今後に生かし
ていきたいです。 (2-1 千葉里穂)
今日は貴重な講話をしてくださりありがとうございました。インターネットは危険だ
ということはわかっていたけれど、今日の講話でとても詳しく説明してくださり理解
することができました。自分もゲーム機や親のスマートフォンを使ってネットを利用
したりするのでしっかり親と話し合いルールを定め、安全に楽しく使っていきたいで
す。今日の講座で改めてインターネットの便利さの中にある危険について知ることが
できました。ありがとうございました。 (3-1 畠山遼太)
ぼくは今日この青少年健全育成講座の講演を聞いて、今までインターネットは恐ろ
しいということは知らず、本当の危険や怖さを分かっていなかったんだと思いまし
た。ぼくは、スマートフォンは持っていないけれど、インターネットにつながるゲーム
機を持っているので、今日聞いたことをしっかりと頭に入れて気をつけていこうと思
いました。また、ネットでトラブルが発生したときの対処法を具体例を出してわかりや
すく説明してくれたし、ネットを使ううえでどういうことに気をつければいいか、どうい
うことをしたら犯罪になるかをしっかり教えてもらいました。これから今日知ったネッ
トの怖さを忘れずに親と話し合ったり、自分でも大丈夫かどうかを確かめながら使っ
ていきたいです。 (1-2 吉田匠)
私は今まで、ニュースでネットのトラブルを聞いたことがありました。しかし、
「自分とは関係ないや」とか「そんなに簡単に被害になんて遭わないから大丈
夫」などと思っていて軽く考えていました。だから、今日の講話を聞いて自分が
ちょっとしたことで被害者にも加害者にもなってしまうことがわかり驚きました。
自分の一つ一つの行動や言動に注意し、インターネットの事件と自分が関わる
ことのないように努めていきたいと思いました。インターネットは便利だけれど、
そのぶん危険なものです。今日学んだことを今後の生活に生かしていきたいで
す。 (2-2 柴 蒔奈実)
今回の講座で、自分が普段何気なく行っている行為が個人情報を流出してしまう
危険があるということを初めて知りました。僕は普段よくネットゲームをすることが多
く、ネットで買い物(ゲームアイテム)をよくします。アプリをとるときも個人情報を
書き込みます。これからは気をつけていきたいです。LINEなどでも、相手の名前を
容易に打ち込んだりしないようにしたいです。ネットの正しい使い方をしっかりと覚え
たいです。 (3-2 大嶋優平)
私はあまりインターネットで会話をすることはありませんでした。それでも、イ
ンターネットの怖さは知っているつもりでした。ネットやラインを通して、個人情
報がいろんな人に見られてしまうのは恐いことだと思いました。軽い気持ちで何
とも思わずに書いたことを細かく調べてIDやパスワードを破られるのはもっと恐
いと感じました。大人でもネットに頼って生きているこの世の中で、何も知らない
私たち子どもがネットを使うとどんな大きな事件が起こるのか、それによってど
のくらいの人が傷つけられるかがはっきり分かりました。今日教わったことを考
えて高校になるまでは自分で書き込みをしたり、自分のことを少しでも載せるの
は一切止めようと決めました。中学生になったばかりのこの時期に、こんな大切
なお話が聞けて良かったです。 (1-3 山澤友美)
講話を聞いて、インターネットやスマートフォン、パソコンは便利なものである
反面、使い方によっては危険なものだと思いました。ぼくはスマートフォンは持
っていませんが、家にネット環境があります。ゲーム機をネットにつないで動画
を見たりすることやチャットで話したりすることがあります。だから今回の講話を
聞いて家族と話し合ってルールを決めて危険な部分を注意して安全にインター
ネットを利用できるようにしたいです。そして、これから後輩たちに安全にインタ
ーネットを使用してもらえるように知識をつけて教えたいと思います。
(2-3 畑澤響希)
お忙しい中、来てくださりありがとうございます。青少年健全育成講座を受けて、
スマホやネットでの取り扱いに注意していきたいと思います。名前や誕生日などをネ
ットにアップしていなくても居場所や名前、誕生日が分かってしまうことを聞いて驚
きました。今、LINEで友人とコミュニケーションをはかっていて、そこで問題が起き
ていると言うことが多いということを知りました。高校生になったらスマホを持ち歩き
使用する機会が多くなると思います。だから、今日学んだことを忘れずにこれからの
生活を過ごしていきたいです。トラブルに遭わないように注意したいです。
(3-3 前田純怜)
今日は、インターネットの危険性について1時間学びました。自分はスマートホ
ンなどは持っていないし、インターネットは親が使っています。でも、自分もいつ
かインターネットを一人で使うときがくると思います。だから今日学んだことを忘
れずに生活し、親にもこのことを詳しく教えたいと思います。自分もインターネッ
トの使い方などを気をつけたいです。 (1-4 坂間陽樹)
自分は動画を視聴したり、ネットラジオを聴いたり、音楽を聴いたりして毎日インタ
ーネットを使用しています。もちろん言葉などを調べるためにサイトを見ることもあり
ます。過去に迷惑メールの被害にあっていた人も知っているし、もう他人事ではない
と自覚し、家庭内でのルールを決め、親子で情報を共有し被害を未然に防いでいき
たいです。今日の講話を聴いて意識を改めることが出来ました。ありがとうございま
した。 (3-4 早狩郁花)