2学年通信第6号

2 学 年 通 信
第6号
修学旅行直前特集号
H.26 年 10 月 31 日
マラッカの「トライショー」
2学年主任
飯野龍夫
この三月、マレーシアを旅行しました。大都会、首都クアラルンプールの雑踏を歩くと、マレー
系、中国系、インド系、その他、様々な人々とすれ違い、多様な文化が、まざりあい、溶け合い、
ちょうど、日本の高度成長期のような、盛んなエネルギーが満ち溢れています。
道路は、車やバイクであふれかえっていますが、今回、みなさんも訪れる、世界遺産の町マラッ
カのような観光地には、
「トライショー」と呼ばれる、自転車にサイドカーのついた乗り物が、観光
客を乗せて、たくさん走っています。このトライショー、実は、19 世紀に日本の人力車が、マレー
シア、シンガポールに伝わり、そこから、発展して、現在の形になったんだそうです。
「トライショ
ー」という呼び名も、三つの車輪「Tri-Wheel」に、日本語がなまった「リクシャ」を掛け合わせた
もの。明治初期に日本で誕生した、人力車は、中国やインドを中心にアジア圏にひろがり、その「末
裔」が、このトライショーというわけです。以上は、帰国後に、偶然、知ったこと。好奇心を働か
せて調べていけば、きっと、もっと、いろんな発見があるはずです。みなさんも、この修学旅行で、
ぜひ、多くの「発見」をしてみてください。
ちなみに、マレーシアの「人力車」の特徴は、花や国旗で飾り立てて、とにかく派手なことです
が、日本人のわれわれには、ちょっとした「サプライズ」があります。それが何かは、秘密にして
おきますので、現地、マラッカで確認してみてください。
当 面 の
日 程
11月 1日(土) 記述模試
7日(金) 和国 ONE DAY CAMPUS ①~⑤
11日(火) 修学旅行事前学習
⑥授業
①⑥⑦組
12 日(水)~16 日(日)修学旅行
17(月)・18 日(火)代休
②③④⑤⑧組 12 日(水)代休
13 日(木)~17 日(月)修学旅行
18 日(火)代休
19日(水) ⑤⑥ 生徒総会・学習計画HR
12月 3日(水)~8日(月) 期末考査
和国の先生が語る海外
卒業旅行
神崎
将吾
中学、高校、大学と部活三昧だった私は遊びを知らない真面目で純粋な青年でした。それだけに、
大学の卒業旅行ぐらいは遊びに行きたいと強く思い、バイト代をコツコツ貯め、気の合う男友達 3
人で2週間のベトナム旅行へ行きました。ベトナムに決めた理由は当時、仲間同士で読んでいた沢
木耕太郎の名作「深夜特急」への憧れからです。バックパッカーの 2 週間は全てノープラン。行先
は現地に入ってから話し合いで決めました。現地移動は 2 人乗りバイクやシクロ(人力車)なら快
適でしたが、ぼろぼろのマイクロバスに5時間乗りつづけて腰と肛門の痛みに苦しんだり、大河メ
コン川を小さなモーターボートで6時間揺られ(かなりの水も浴びた)
、3人とも丸1日下痢に苦し
んだりと、かなり刺激的な移動となりました。当時は貧乏学生だったため、往復の飛行機代以外に
それほどお金をかけられず、切り詰めた末の結果でした。しかし、食事や宿泊はとてもリーズナブ
ルで、水シャワーなら 1 泊 100 円で十分。食事も贅沢しなければ3食 1000 円もかからない、学生
に超おススメの旅です。ベトナムの田舎町(地名は忘れました)に行き、宿がなく困っていた時、
現地の青年がとても親切で、彼の自宅に招いてくれました。カンボジアの国境近くまで連れて行っ
てくれて、皆で夕日を眺めたり、大量のホタルを見に連れて行ってくれたり、家族ぐるみで大宴会
をしたり・・・とても思い出に残る旅行ができました。
間もなくマレーシアに向かいます。修学旅行は決まったプランの中で旅行を楽しむものですが、
現地の食事や移動、人との交流全てが貴重なものになると思います。自ら動いて、より良い旅行に
してください。そして人に語れる濃い想い出を、特濃なやつをつくってください!!
修学旅行
駒宮ひとみ
私が初めて海外へ行ったのは、中学校での修学旅行でオーストラリアに1週間行った時でした。
その時は「わぁー!みんな英語で話しているー!」と、ただただ外国ということに興奮して、行き
交う人みんなに「Hello!」と挨拶し、現地の空港やホテル、日本にもあるマックやスタバで電池が
なくなるまで写真を撮り、後になって見返すとなんでこんな所で撮ったのかわからないという背景
の写真ばかりでした。お土産もたくさん買うつもりが悩みに悩んで結局自分には何も買えずに、持
って行ったお小遣いにほとんど手を付けずに帰って来ました。でもとにかく、ただ町を歩くのも、
食事をするのも、お風呂に入るのも、眠るのも普段と変わらないことが、海外にいるというだけで
やることなすこと全部がすごく特別に感じたのを覚えています。
もちろん、ここは国際高校だから、海外旅行に行くことが慣れている人もいると思いますが、この
修学旅行が初めての海外という人も少なくないと思います。修学旅行は行くだけで楽しめるツアー
とは違います。「あー。充実してあっという間だった。本当に楽しかった。」という想い出になるか
どうかは、そこで皆さんが何をするかで変わってきます。非日常的な土地で目一杯楽しみ、特別な
想い出を作ってきてください。そのサポートを精一杯します。
和国の先生が語る海外
頑張れ、世界の青少年
荻山
安子
2011 年元旦、私はインド、デリーの鳴り止まぬクラクションと立ち込める埃の中にいた。そこは
予想以上に群集と喧騒の混沌たる世界。街中の信号は機能しておらず、車の間を縫って横断するの
は命がけ。もっとも後に自動車移動中、長いサリーを身にまとい幼児を抱いて高速道路を横切り走
る女たちの姿に開いた口がふさがらなかったのを思えば、まだまだ序の口だったのである。車を走
らせた途端、私達は発展を渇望する渦に巻き込まれた。一秒でも早く目的地に至ろうと、前方を並
走する2台の隙間がほんの 30cmでもあればクラクションの音でこじ開け進入しようとする。泥だ
らけの車体は今にも接触せんとし、車幅をはみ出すドアミラーは邪魔ものは排除とばかりに閉じら
れているか、既に引きちぎられているのか存在していない。ふと視線を隣の車にずらすと、手馴れ
た様子でハンドルを握っているのはどうみても 14、5 歳にしか見えない少年である。ガイドによる
と免許証は必要だが持っていなくてもどうにでもなるとのこと。激しくクラクションを響かせると
彼のトラックは私たちの車の脇を追い越し過ぎ去っていった。生きるため食べるために人は技術を
身につけ力を尽くす。発展途上国に生きる少年の姿であった。海外を訪れると様々な人間像を見る
ことがある。アフリカやイスラム諸国では銃を携えた少年兵さえいると言う。もし、あなたが恵ま
れた環境で生活できているとしたら、それは自慢することではないけれど卑下することでもない。
与えられた環境を生かせばいい、思う存分生きればいい。どの命にも未来は平等にあるのだから。
食とはまさしく文化である
さすらいの食いしん坊
「自ら手を汚さずに仇敵を抹殺する。そのため猛毒のさそりを寝室に放った。」ミステリーの1ペー
ジにありそうだが、中国の上海で美味しい唐揚げを食べた。毒なしのさそりである。南洋のニュー
カレドニアの更に離島、イル・デ・パン島でフランス料理のエスカルゴの3倍はある巨大エスカル
ゴが獲れる。この島でしか食べられないが絶品である。ただし生前の這いずり回る姿を想像しなけ
れば。この夏、日本うなぎが絶滅危惧種に指定された。蛇と同形状のこの魚類は他国の人からはあ
まり喜ばれないらしいが、北欧ノルウェーでは目にした。ところが大好物のはずが食指が動かない。
ぶつ切りなのである。やはりうなぎは日本の料理人がきれいに割いて蒲焼にしてこそである。スイ
スのレストランでメニューを見て、
“cervelle de veau”を頼んだ。
“veau”は子牛のことだからきっ
とおいしいはず。出てきたものは茶色のソースを纏った白くふわふわしているもの。脳みそだった。
手の進まない私たちにスイス人のマダムは“Cest bon.”
“Tres bien.”とフランス語を繰り返してい
た。世界各国で脳みそが食べられているとは後から知った。イスラムの人は豚を食べない。スープ
の出汁でもだめだ。地域、宗教、伝統により実に様々だ。食べ比べるために海外に飛び出したって
いい。食とはまさしく文化である。
初めまして。教育実習生の本田智也です。
僕は 2012 年の9月からアメリカ、オレゴン州の南オレゴン大学という大学に編入して、ヒューマンコ
ミュニケーションについて勉強してきました。これから受験勉強を始める二年生の皆さんにアメリカで
の留学生活を少しお話したいと思います。僕が和国生の頃は陸上部に所属し、やり投げをしていました。
二年生の夏にラリホに参加させてもらいその時に初めて留学をしたいと思うようになりました。そこで、
W ディグリーの制度のある東京国際大学に入学し、色々な試験を経て留学の切符を手にすることができ
ました。今回は僕の通っていた南オレゴン大学について少し紹介したいと思います。南オレゴン大学は
一言で言いますと、田舎にある大学です。オレゴン州の南のはずれにあるアシュランドという町にあり、
とても治安のいい場所です。カリフォルニアとの州境ととても近いので、天気はとても良く、青空が広
がる日が多いです。南オレゴン大学で一番驚いたことが、 夜図書館から帰るときキャンパス内を鹿や、
リス、アライグマがウロウロしているという日本ではなかなかありえない光景が毎晩のように広がって
いたことです。あとはなんせ田舎なので、街も大学もこじんまりとしていて同じ人と何回もすれ違いみ
んな声をかけてくれました。日本だと少し気まずいですよね、多分顔をそらしてしまうと思います。南
オレゴンで一番好きだったのが、夜になると本当に真っ暗なので星がとても綺麗でした。何度流星を見
たことでしょうか。僕のこの留学の二年間は僕の人生の中でとても大きなものとなりました。思い出し
たらキリがありません。皆さんは今度マレーシアに修学旅行に行く訳ですが、和国で出会った多くの仲
間との旅行は皆さんの人生の中でかけがえのない一コマになると思います。ぜひ、いい思い出をたくさ
ん作ってきてください。
(
和光国際高校21期生本田智也さんは、英語の教育実習生として 10/20 から 11/7 まで
3組のHRを中心に実習しています。アメリカ留学や進路のことなど、聞きたい人は是非!
)