サハラマラソンに挑戦するためのアドバイス(2013 年大会用)抜粋

2012 年7月26日作成
サハラマラソンに挑戦するためのアドバイス(2013 年大会用)抜粋
サハラマラソンは“自己管理”のレースです。1週間のレース中、各ランナーがエネルギーをコントロールし、食料や水を管理しなけ
ればなりません。大会開催時期のモロッコ南部は、日中直射日光の下だと気温 40℃を軽く超え、50℃以上になります。また
レース中は極度の疲労と緊張状態に置かれます。以下は、ミスをせずこのスペシャルレースに挑むためのアドバイスです。
1)
食糧
第 1 ステージの朝食時から最終ステージの朝食時までの食事は、自給になります。この期間は、自分の食べるものは全
部自分で用意します。フリーズドライや水をかけるだけのインスタント食品がお勧めです。カロリー計算を慎重に行ってくだ
さい。個人差はありますが、1 日当たり 3000~4000 カロリーが必要です。これに加えて、エネルギーバーなどを栄養補
給の基盤にして下さい。
自給は第1ステージの朝食から始まります。
食糧は慎重に選んでください。真空パックもしくはフリーズドライをお薦めします。食事計画を立てる際は、朝食を充実さ
せ、レース中も20~30分毎に高エネルギーバーを摂取してください。夕食では、日中に失われた全てのカロリーやミ
ネラルなどを補給する必要があります。
2)
水
規則的に水分を摂る(飲む)ことに慣れておくことは、基本であり必須事項です。消化吸収能力を鍛えるには、時間
をかけて少しずつ訓練します。レース中は、1 時間につき最低でも 500ml の水を吸水しなければなりません。
各ランナーには、スタート地点・CP(チェックポイント)・ゴール地点において、1 日 9 リットル(1.5 リットルのペットボトル 6
本)の水が支給されます。(レギュレーション 16 参照)各コントロールポイントは日陰になっています。(20℃~
30℃) そこで常温の水 1.5 リットルが渡されます。それを1区間のうちに飲まねばなりませんが、各レース区間の難
易度・チェックポイント間の距離・暑さの状態(それによって体から失われる水分量も変わります。平均して1時間につ
き 600~900ml の水分が失われます)を考慮して、上手に給水配分してください。
塩分に関しては、食事時はもちろん、日中ずっと塩気のある食品をとることを強くお勧めします。塩分は水分の吸収を促
します。持ち物に、塩のタブレット(岩塩など)と、塩を入れた小袋を加えておくとよいでしょう。夕食時に塩気のある食
品をとり、塩のタブレットは夜も食べるようにします。
3)
寝袋
寝袋は必須持ち物です。持ってないとペナルティが課せられます。どんなに血行の良い人でも、日中、大量のカロリーを消
費した後は、夜間寒さから身を守り体力を完全に回復するために、寝袋はとても重要なものです。寝袋といっても、キャン
プ用のスタンダードなものから登山用の高品質なものまで色々あるので、重量・暖かさなどを考慮し、自分が好きな寝袋
を選んでください。
4)
バックパック
レース中、全ての食糧と水、その他の必需品を背負って運びます。荷物は慎重に選び、特に重量については細心の注
意を払ってください、さもないと体力に見合わない程の重さをせ背負うことになり、レースどころではなくなります。
バックパックについては,摩擦で、背中や肩を負傷したり、重さで食い込んだりすることのないよう、チェックしてください。
(トップランナーのバックパック重量は平均 6~7kg、ランナー全体の平均は 8~10kg 程度。バックパックの重量制限
は最小 6.5kg、最大 15kgです。
5)
服装
服装は非常に重要です!
身体だけでなく、頭部も強い日差しと熱から保護することを忘れずに。ウエアは、ゆったりとした綿素材のものがベスト。
綿は通気性がよく、皮膚の摩擦や発汗作用による水分ロスを防ぎます。足に関して、レース中足の状態を良好に保つ
には、レース前のトレーニングにかかっています。レースまでに丹念に足の手入れをして、ゴールまで走ってもらいましょう。
レース中は、絶え間なく摩擦にさらされ、夜はメディカルチームに絆創膏で手当てをしてもらうのが日課になります。
砂漠では夜間、気温が急激に低下する(15度くらいまで下がる)ので、野営でのキャンプ用に、トレーニングウエア
上下を持参すると良いでしょう。ノンストップステージでは夜間走る(歩く)ということも忘れずに。
1
6)
野営(ビバーク)
レース中ランナーは、番号がふられたテントに泊まります。8人で1つのテントを使用するので他人のことも考えてペース
の使い方には気をつけましょう。地面にはカーペットが敷いてありますがマットはありません。寝袋の下に敷く小さなマットが
あれば快適です。
7)知っておくべきこと
またシューズのサイズも重要です。ジャストサイズのものは、レース中にシューズ内に入った砂で摩擦が大きくなり、マメが
できやすくなります。むくみもでますので、1.0~1.5cm 大きめのシューズがお勧めです。(5 本指ソックスもむくむと履き
にくくなる場合があるので注意)がれきだらけのコースも多いので、あまりソールの薄いシューズは足を痛める原因になり
ます。砂や小石がシューズ内に入らないようにするためには、スパッツ(ゲートル)などが役立ちます。スパッツとシューズを縫
い合わせて一体化するなどの工夫も必要です。靴下も厚手のしっかりしたものを 2 足以上準備し、洗って毎日清潔なも
のを履くようにして下さい。空気が乾燥しているので、洗ってもすぐ乾きます。不衛生な靴下を履いていると、雑菌が繁殖し
炎症の原因になります。
8)トレーニングのアドバイス
サハラマラソンのような長距離フリースタイルのレースには、少なくとも6ヶ月前からトレーニングを始めることをお勧めします。
トップ集団でゴールしたい、またはとにかく完走したいなど、各自違う目標があるでしょうから、それらの目標に合ったトレーニン
グを行ないます。
また重い荷物を背負って走ることに慣れるため、できればバックパックを背負ってトレーニングをすることを勧めます。バックパッ
クの重量は徐々に増やし、できれば 7~22 ポンド(3~10 ㎏)程度にします。
トレーニング中は必ず水分を十分に補給すること! 水分補給に慣れるのも訓練のうちです。体が必要とするときに必要なも
のを飲むようにしてください。
以上
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