邸庭園計画

○○邸庭園計画
様々な雑木を組み合わせた植栽は、年が経つにつれ多様に変化していく植物を楽しめ、
植物からの香りや色とりどりな花、食用となる実など○○様の五感を刺激していく癒され
る空間となります。
この植栽計画ではシンボルとなる樹木を1本考えています。植栽に関しての“愛着”が
より高まるように、このシンボルツリーを○○様と共に考えていきたいと思っております。
1.シンボルツリーについて
シンボルツリーを植える時、枝ぶりや花、葉が美しく○○様が好む樹種を選ぶことが大
切です。そして、その立地条件に適した樹種を選ぶことも大切になります。なぜなら、樹
木が良好に育つことでよりその植物の良さを楽しむことができ、手入れも楽になるからで
す。
そのためには、それぞれの樹種の生育条件と将来的に生長する高さを知る必要がありま
す。例えば、森林では20m以上の高さまで生長するシラカシやシマトネリコ、コニファ
ー類等は、旺盛に生育する樹種ですので、限られた空間に植えてしまうと、後に葉が極端
に少なくなるほど過度に剪定する必要性が出てきます。また、日陰を好む樹種を太陽が一
日当たる場所に植えてしまうと、葉やけをおこしたり、健全に生長せず害虫が発生する原
因となってしまいます。
どの樹種でも“手入れ”は必要になりますが、お客様の要望とその立地条件に適した樹
種を考えて選ぶことで“手入れ”を容易にすることができます。選ぶポイントとしては、
植栽する樹種の将来像を想定することです。
お勧めするシンボルツリーと、それらの生育条件、将来生長する樹高を次項にまとめま
した。
形態
樹種名
ヤマコウバシ
落葉低木
ツリバナ
アブラチャン
マンサク
落葉小高木
カマツカ
アオハダ
落葉高木
エゴノキ
常緑小高木
日当たり~半日陰を好む
特に土壌は選ばない
半日陰を好む
水もちのよい環境を好む
半日陰を好む
土質を選ばないが湿り気を好む
日当たり~半日陰を好む
強い乾燥を嫌う
日当たり~半日陰を好む
適湿な場所を好む
日当たり~半日陰を好む
適潤地を好む
日当たり~半日陰を好む
土質は特に選ばない
ベニバナ
日当たりのよい場所を好む
トキワマンサク
特に土壌は選ばない
フイリヒサカキ
ギンマサキ
常緑高木
生育条件
ソヨゴ
日当たり~半日陰を好む
土質は特に選ばない
日当たり~明るい日陰
土質は特に選ばない
半日陰を好み西日を嫌う
水はけのよい肥沃地を好む
樹高
3~5m
3~5m
3~5m
5~6m
5m
8~10m
8~10m
5~8m
4~7m
2~6m
5~10m
手入れの容易さを考えると、樹木の大きさを3m程度に留めたいようでしたら落葉低木
(楚々とした枝ぶりは美しく、観賞価値が高い人気のある樹種)が適しており、5~7m
程度まで伸ばしたいようでしたら、小高木または高木が適しています。これらを参考にし、
樹木の花や葉、枝ぶりが好みのものを選ぶことで、よりシンボルツリーに愛着が湧くこと
と思います。
次回打合せ時に、シンボルツリーについての参考資料を持参致しますので、○○様のご
希望をお聞きしてから樹種を選びたいと思います。
2.擁壁を隠す方法について
擁壁を隠すためには、擁壁の前に樹木を植えたプランターの設置を考えました。
他にもウッドパネルもしくは壁面緑化も検討しました。この場合、擁壁へ支えとなるア
ンカー等を打ち付ける、もしくは柱を立たせる必要があります。擁壁は写真から判断する
と隣地内に建っているので、擁壁を加工する等は避ける方が無難です。柱を立たせるには、
つか石等で固定する必要があり、コストは若干高くなります。そして、ウッドパネルは経
年劣化していき、つる性植物での壁面緑化は隣地へ迷惑とならないように相応な剪定が必
要です。
プランターを設置し樹木を植えることは、擁壁を程よく隠しながら年々変わりゆく緑を
楽しむことができ、コスト的にも妥当だと考えます。そして、無機質な擁壁が植物を引き
立たせるバックグラウンドともなるでしょう。
3.坪庭のデザインについて
このプランでは、擁壁を一枚の背景として上手く利用し、坪庭部分と駐輪スペースにさ
まざまな植物を組み合わせて配置しました。それにより、坪庭と駐輪スペースがつながり、
ゆったりした 1 つの庭として楽しめると思います。
シンボルツリーの周りにも大きさの違う植物を組み合わせました。大きさや葉の形態な
ど視覚的に変化のある風景は自然的な印象が高まるからです。アンケート調査によると、
自然を身近に感じているときは、多くの方が「より癒されている」という感情を抱く結果
もあります(参考文献:
「生きられる癒しの風景」)
。
坪庭のマルチングについては、現状の砂利をそのまま活かすか、砂利を取り除き下草を
植えることが考えられます。
地表面に数種類の下草があると視覚的に緑が増してやさしい雰囲気となり、植物それぞ
れの個性や美しさ、四季の移ろいを楽しめます。また、下草は土壌環境を良好に保つ特性
があり、その結果樹木の生育もよくなるので、病害虫の発生等は低くなるでしょう。
砂利をそのまま活かせば、見積金額は安価となり、雑草の防除ともなります。
以上