97 聖マリアンナ医科大学雑誌 Vol. 30, pp.97–103, 2002 症例報告 乳麋胸・腹水を合併した非ホジキンリンパ腫の 2 例 まつうらけん た ろう 松浦健太郎 1 な ごし 名越 つじ かず え 辻 和江 1 はるひさ よしおか しん じ みや ぎ 温古 1 吉岡 信二 2 宮城 さ の 佐野 ふみあき しながわ としひと 文明 1 品川 俊人 3 つかさ 司2 (受付:平成 14 年 3 月 26 日) 抄 録 乳麋胸・腹水を同時に合併した非ホジキンリンパ腫を 2 例経験した。症例 1 は 51 歳の男性。腹 水の細胞診で悪性リンパ腫と診断し,絶食,高カロリー輸液と化学療法で乳麋胸・腹水は消失し たが食事の再開にて再貯留した。治療経過中に消化管穿孔を合併し開腹手術にて回盲部腫瘤を摘 除したところ乳麋腹水は消失した。回盲部腫瘤の組織は非ホジキンリンパ腫であった。症例 2 は 67 歳の女性。開腹にて傍大動脈リンパ節生検により非ホジキンリンパ腫と診断した。絶食,高カ ロリー輸液および化学療法にて乳麋胸・腹水は著明に減少し,部分寛解を得て外来通院となっ た。 乳麋胸・腹水を同時に合併した症例の本邦での報告は現在までに 5 例と少ない。また乳麋胸・ 腹水の発生原因について本報告の症例 1 では,回盲部の腫瘍の直接浸潤によるリンパ管からの漏 出が明らかになった。 索引用語 非ホジキンリンパ腫,乳麋胸,乳麋腹水,カイロミクロン,高カロリー輸液 時に認めた症例を 2 例経験したので,従来の本邦での はじめに 報告例をまとめて報告する。 乳麋腹水は 1691 年に Morton らが最初の報告をして 症例1 以来数多く報告されてきており,その原因は外傷,手 術,悪性腫瘍,特発性など多様である。その中で悪性 患者: 51 歳,男性。 腫瘍に起因する乳麋胸腹水は 30% から 80%1~3) とか 主訴:血便,腹部膨満感。 なりの比率を占め,疾患としては悪性リンパ腫が最も 既往歴: 41 歳,肝血管腫。48 歳,強直性脊椎炎。 多い 1)4) 家族歴:特記事項なし。 。日本でも悪性リンパ腫診断の増加に伴って 現病歴: 1999 年 5 月 8 日から血便と腹部膨満感が 報告がみられるが,乳麋胸のみの場合や乳麋腹水のみ の場合もあり,胸腹水が同時にみられた報告 2)5~7) 出現したために当内科を受診した。腹部腫瘤と腹水を は 認めたために入院となった。 稀である。今回我々は悪性リンパ腫に乳麋胸腹水を同 入院時現症:身長 164 cm,体重 61.5 kg,血圧 130 ⁄ 70 mmHg,脈拍 90 /分・整,体温 36.8˚C。眼瞼結膜は 1 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 血液・腫瘍内科 2 聖マリアンナ医科大学 内科学教室(血液・腫瘍内科) 3 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 病理 貧血様で,眼球結膜に黄疸を認めない。表在リンパ節 は触知せず。胸部に異常所見なく,腹部に小児頭大の 21 98 松浦健太郎 名越温古 ら Table 1 Laboratory findings on admission Case 1 Case2 353 × 104 /µl 478 × 104 /µl Table 2 Lipoprotein analysis of chylous ascites Case 1 Peripheral blood RBC Case 2 Biochemistry T.P ND 5.1 g/dl Hb 10.2 g/dl 13.2 g/dl T.chol ND 117 mg/dl Ht 31.6 % 39.0 % TG ND 356 mg/dl Plt 7.5 × 104 /µl 29 × 104 /µl Chyromyclon ND 572 mg/dl 13.8 × 103 /µl 7.4 × 103 /µl WBC Stab 5.5 % 2.0 % Seg 83.0 % 84.0 % Lipoprotein analysis Albumin α Lipoprotein 0% 0% 7.0 % 6.9 % Lymph 2.0 % 4.0 % pre β Lipoprotein 28.2 % 42.0 % Mono 9.5 % 8.5 % β Lipoprotein 34.5 % 28.6 % Tailing 18.8 % 5.6 % Eosino 0.0 % 1.5 % Baso 0.0 % 0.0 % 39 mm (1 hr) 13 mm (1 hr) 4.8 g/dl 6.4 g/dl ESR ND: not done Blood biochemistry T.P. 動脈リンパ節の腫大と回盲部に腫瘤を認めた。 穿刺にて得られた腹水は,黄白色調で,乳麋状を示 Alb 55.2 % 56.2 % α1 6.8 % 4.0 % 明層に分離され(Fig. 2),また,リポ蛋白電気泳動に α2 12.2 % 10.1 % よ り pre β 領 域 ( 28.2%) と β 領 域 ( 34.5%) が 上 昇 β 11.0 % 13.9 % し,カイロミクロンを確認した(Table 2)。細胞診で γ 14.8 % 15.8 % は class V で,非ホジキンリンパ腫と診断した(Fig. し,超遠心(109000G,18 時間)によって混濁層と透 AST 26 IU/l 30 IU/l ALT 23 IU/l 9 IU/l 入 院 経 過 : 5 月 28 日 か ら adriamycin, vincristine, LDH 1373 IU/l 290 IU/l cyclophosphamide, prednisolon(CHOP)療法を開始し T.bil 0.8 IU/l 0.6 IU/l た。同時に絶食と高カロリー輸液で管理したために乳 T.chol 155 mg/dl 215 mg/dl 麋胸・腹水は消失した。しかし,経口的な栄養摂取に T.G 201 mg/dl 133 mg/dl より再度乳麋腹水が出現した。CHOP 療法 3 コースで UA 8.4 mg/dl 8.5 mg/dl 腹部の腫瘤はほぼ消失したが 7 月 13 日に消化管穿孔 BUN 35 mg/dl 9 mg/dl を合併した。緊急開腹手術にて回盲部に腫瘤を認め切 Cr 1.4 mg/dl 0.9 mg/dl 除し,その組織所見では,大型リンパ球がびまん性に CRP 9.7 mg/dl 0.9 mg/dl 浸潤し,免疫組織染色で CD79a が陽性で悪性リンパ 27000 U/ml 2270 U/ml 腫,びまん性大細胞型 B 細胞性(Fig. 3b, c)と診断さ sIL-2R 3a)。胸水は肉眼的に腹水と同様乳麋であった。 れた。 腫瘤を触知し,腹水も認めた。 症例2 入院時検査成績(Table 1):尿所見に異常なかっ たが,末梢血で正色素性正球性貧血と血小板の減少を 患者: 67 歳,女性。 認めた。白血球は 13800 ⁄ µl と増加していたが異常細 主訴:浮腫,腹部膨満感。 胞の出現はなかった。血清生化学検査では総蛋白とア 現病歴: 1999 年 12 月中旬頃から腹部膨満を自覚 ルブミンが減少し,LDH と可溶性 IL-2R の著増がみ し,症状が徐々に増悪し,また,浮腫も出現したため に 2000 年 2 月 1 日に近医に入院した。入院後の CT 検 られた。 CT 検査所見(Fig. 1a, b) :胸水と腹水を認め,傍大 査で傍大動脈リンパ節の腫大を認め悪性リンパ腫が疑 22 乳麋胸・腹水を合併した非ホジキンリンパ腫 99 Fig. 1 Chest and abdominal CT on admission (a, b: case 1) (c, d: case 2). a: Massive pleural effusion was noted. b: Huge mass of ileocecum region with ascites was noted. c: Massive pleural effusion was noted. d: Para-aortic lymph node swelling with ascites was noted. われたために 3 月 1 日 当科を紹介され入院となった。 入院時現症:身長 159.0 cm,体重 75.1 kg,血圧 140 ⁄ 70 mmHg,脈拍 80 /分・整,体温 36.5˚C。表在リンパ 節は触知せず。胸部に異常所見なく,腹部に腹水を認 め,四肢の浮腫を認めた。 入院時検査成績(Table 1) :尿所見,末梢血血液所 見に異常を認めなかった。血液生化学検査では血清脂 質に異常を認めず,可溶性 IL-2R の上昇がみられた。 穿刺にて得られた腹水は,黄白色調で,乳麋状を示 し,細胞診では class III であった。リポ蛋白電気泳動 により pre β 領域(42.0%)と β 領域(28.6%)が上昇 し,カイロミクロンを確認した(Table 2)。胸水は肉 Fig. 2 Characterization of chylous ascites after ultracentrifugation (109000 G, 18 hours). Chylous ascites was separated into three layers. 1: serum 2: ascites 眼的に腹水と同様乳麋であった。 CT 検査所見:胸部,腹部に腹水を認め,傍大動脈 リンパ節の腫大(Fig. 1c, d)を認めた。 開腹生検による病理組織所見:後腹膜に一塊となっ 23 100 松浦健太郎 名越温古 ら Fig. 3 Pathological findings of case 1. a: Cytology of ascites (Papanicolau stain, ×400). b: Pathology of ileocecal mass by laparotomy (Hematoxylin-Eosin stain, ×400). c: Pathology of ileocecal mass by laparotomy (Immunohistochemical staining by CD79a, ×400). Fig. 4 Pathological findings of case 2. a: Pathology of ileocecal mass by laparotomy (Hematoxylin-Eosin stain, ×400). b: Pathology of ileocecal mass by laparotomy (Immunohistochemical staining by CD79a, ×400). Table 3 Case reports of non-Hodgkin's lymphoma with chylothrax and chylous ascites in Japan No Sex Therapy Outcome 1 diffuse, small cleaved cell type B cell Classification of NHL Phenotype Age 36 male CHOP, MTX, Radiation CR Rakuki, H. et al.5) 1986 2 follicular, medium sized cell B cell 27 female Busramustine, adhesion,VP-16 CR Sekine, T. et al.6) 1988 3 diffuse, mixed type B cell 65 male CR Ayabe, T. et al.7) 1990 CHOP Reference Year 8) 4 ATLL T cell 44 female CHOP CR 5 diffuse, mixed type B cell 79 female THP-COP,VP-16 Dead Iwasaki, K. et al.9) 1992 Ootsuki, T. et al. 1991 ATLL: Adult T cell leukemia lymphoma, CR: complete remission, CHOP: cyclophosphamide, adriamycin, vincristine, prednisolone, MTX: methotrexate, VP-16: etoposide, THP: pirarubicin た腫瘤の生検では,大型リンパ球がびまん性に浸潤し, の増加を認めないために CHOP 療法 3 コースにて部分 免疫組織染色で CD79a が陽性で非ホジキンリンパ腫, 寛解を得た後は外来で CHOP 療法を継続した。 びまん性大細胞型,B 細胞型(Fig. 4a, b)と診断し 考 た。 入院経過:乳麋胸・腹水が確認された後,絶食と高 案 乳麋胸・腹水の原因として外傷,手術,悪性腫瘍, カロリー輸液を行った。4 月 11 日から CHOP 療法を 特発性 2)8~10) に分類される。また,悪性腫瘍以外で 開始した。CHOP 療法開始後,胸・腹水は著明に減少 かつ非外傷性の原因によるものも数多く報告されてい し,5 月 17 日から栄養の経口摂取を開始したが腹水 るが,そのほとんどは 1 例報告 11~17)である。 24 101 乳麋胸・腹水を合併した非ホジキンリンパ腫 きなかった。しかし,胸管内の乳麋の流量は 1 日約 一方,悪性腫瘍に合併する乳麋胸・腹水は, 18) の報告によると乳麋胸は 191 例中 87 例 1.5 l と大量であり,腹腔内においての悪性リンパ腫の でその 70 例を悪性リンパ腫が占めており,欧米では 浸潤による流路に対する流速や流圧の変化が胸腔内に Valentine ら 悪性リンパ腫に起因することが多いとされる 1)4) も影響したのではないかと考えられた。 。し 乳麋胸・腹水に対する治療として, (1)絶食下ある かし本邦での報告例は少なく綾部らのまとめによる と,1990 年までに報告された悪性リンパ腫に合併し いは medium chain triglyceride 投与下での高カロリー輸 乳麋胸または腹水のみられた報告例は 10 例であっ 液療法,(2)胸腔ドレナージ療法,(3)胸膜癒着療 た 7)。木村ら 19)によると,その後悪性リンパ腫の増 法,(4)外科療法(胸管結紮術)が従来から 4)あげ 加に伴って増加する傾向にあるが欧米ほどの報告はみ られている。本症例は 2 例ともに絶食と高カロリー輸 られないのが現状である。 液が乳麋胸・腹水の治療に対する効果を上げた。しか 乳麋の定義は 1957 年 Nix ら 1)によって定義が提唱 され,我が国では Tsuchiya ら 2) し,原疾患(悪性リンパ腫)に対する治療が第一選択 が 85 例の乳麋腹水の となるのは当然のことと考える。また,本症例1はく 検討によって,(1)顕微鏡的に脂肪滴が存在する, しくも胸管の結紮術ではないが外科的手術(腫瘍の切 (2)遠心分離によって乳麋成分が上層に分離される, 除)が乳麋腹水の治療に対して効果があったことは興 (3)生化学検査でカイロミクロンが確認される,の 3 味ある点である。乳糜胸腹水を合併した非ホジキンリ 点をあげて定義付けをした。近年,生化学検査の進歩 ンパ腫は過去の報告例では予後不良といわれているた により乳麋とはリポ蛋白電気泳動法でカイロミクロ めに,早期発見と早期治療が予後を改善する上で重要 ン,pre β と β-リポ蛋白,α-リポ蛋白を証明できるも である。したがって乳糜胸腹水の存在は表在リンパ節 のとされた。本報告例のうち症例 1 では超遠心による の腫大がなくても悪性リンパ腫を積極的に疑い早期の 乳麋層の確認とカイロミクロン,pre β と β-リポ蛋白 診断と治療を施行すべきであると考えられた。 が確認され,症例 2 でもカイロミクロン,pre β と β文 献 1) Nix JT, Albert M, Dugas JE, and Wenodt DL. リポ蛋白を確認できた。 1992 年 Browse ら 20) は乳麋腹水の発生機序につい Chylothorax and chylous ascites: a study of 302 て,(1)原発性リンパ節の線維化もしくは悪性疾患の selected cases. Am J Gastroenterol 1957; 28: 40-45. 浸潤による乳麋流の閉塞,(2)先天的に腹腔内への 2) Tsuchiya M, Okazaki I, Maruyama K, Asakura H, fistula がある,(3)後発性の後腹膜腫瘍による胸管の and Morita A. Chylous ascites formation and a 閉塞を詳細な図式で示した。しかし,この乳麋が確認 review of 84 cases. Angiology 1973; 24: 576-584. された従来の報告では,悪性リンパ腫における乳麋 3) Kelly ML Jr, and Butt HR. Chylous ascites: an analysis 胸・腹水の合併の機序について胸管,リンパ管の閉塞 of its etiology. Gastroenterol 1960; 39: 161-170. と破綻として推測されている場合が多いにもかかわら 4) Press OW, Press ON and Kaufman SD. Evaluation ず,その機序を証明できる報告例は少ない。本症例1 and management of chylous ascites. Ann Int Med 1982; 96: 358-364. の乳麋腹水は腸管の穿孔に対する緊急手術後に腹水が 5) 楽木宏美, 荻原俊男, 三上洋, 片平克俊, 熊原雄一, 消失,再貯留を起こさなかったことから,その発生機 岩坪晴彦, 波多丈, 池田恢, 板倉丈夫. 乳麋胸腹水 を呈した非ホジキンリンパ腫の 1 例. 日内会誌 序として腫瘍の直接浸潤によるリンパ管からの漏出が 考えられた。また,胸管はその解剖学的な位置による 1986; 75: 1109-1114. と第 2 腰椎前面の乳麋槽に始まり,大動脈の右後方に 6) 関根隆夫, 片山直之, 森田典尚, 塚田哲也, 尾辻典 沿って上昇し 3 大動脈裂孔を通って右胸腔に入り第 子, 景山慎一, 大野敏之, 西川政勝, 小林透, 南信 5–6 胸椎の高さで左胸腔に移り,左静脈角へ合流する ことから,症例2では腫瘍細胞の浸潤により,リンパ 行, 白川茂. 乳麋胸腹水を併発した濾胞性リンパ 腫白血化の 1 例. 臨床血液 1988; 29: 2364-2368. 管,胸管の内圧の上昇と側副血行路の拡大が原因と考 7) 綾部時芳, 蘆田知史, 村上雅則, 谷口雅人, 北守茂, えられる。一方,ここに報告した 2 症例とも乳麋胸を 柴田好, 原田一道, 岡村毅與志, 高杉祐一, 並木正 義 . 乳 麋 胸 腹 水 で 発 症 し 大 腸 に Multiple 同時に合併してるが,その機序については明らかにで 25 102 松浦健太郎 名越温古 ら Lymphomatous Polyposis を認めた悪性リンパ腫の 郎. Behcet 病に伴った chylopericardium, chylothrax の 1 例. 呼吸と循環 1988; 36: 905-909. 1 例. 日消誌 1990; 87: 1556-1562. 8) 大月哲也, 古池雄次, 水上浩明, 木村文彦, 山本光 15) 川田忠典, 横平薫美夫, 三枝隆, 遠藤慎一, 長田博 一郎, 本吉和夫, 永田直一. 乳び胸・腹水にて発 症した成人 T 細胞性白血病/リンパ腫(ATLL) 昭, 稗方富蔵, 野口輝彦, 石塚眞一. 静脈血栓症が 原因となった乳麋胸の 1 治験例. 胸部外科 1987; 40: 1012-1016. の 1 例. 癌の臨床 1991; 37: 1221-1226. 9) 岩崎勲. 胃癌発生後に乳麋胸・腹水を併発して 発症した悪性リンパ腫の 1 例. 診断と治療 1992; 16) 雪吹周生, 荒牧琢己, 奥村英正, 関山達也, 勝田悌 実, 宗像一雄. 乳び胸水と腹水を同時に伴った肝 硬変症の 1 例. 日消誌 1985; 82: 2125-2128. 80: 2178-2180. 10) 山口時雄, 宮川周二, 黒田修, 井原勝彦, 高尾哲人. 成人の特発性乳麋胸の 1 例と本邦の報告例の検 17) 太田康夫, 橋本直明, 梅田典嗣, 中田美詠子, 白瀧 博通, 正田良介, 森下京子, 大和滋, 村岡亮, 越前宏 討. 日胸外会誌 1989; 37: 1400-1405. 11) 高田信和, 宮本又吉, 中原克彦, 服部成彦, 大下寿 隆, 横山剛, 尾澤巌, 菊池功次. 特発性乳麋胸の 1 併した肝硬変の 1 例. 日消誌 1988; 85: 2311. 18) Valentine VG and Raffin TA. The management of 例. 日胸 1990; 49: 64-69. 12) 廣尚典, 堀江正知, 稲垣恭孝, 鈴木修, 川村陽一, 大 19) 木村秀, 宇山正, 南本智史, 住友正幸, 仁木俊助, 高 俊, 松枝啓, 下条ゑみ, 織田敏次. 乳び胸腹水を合 chylothrax. Chest 1992; 102: 586-591. 川日出夫, 桐生恭好, 神谷知至, 清水興一. 一過性 橋敬治, 門田康正. 特発性乳麋胸の経過中に悪性 に特発性乳麋胸がみられた 1 症例. 日胸 1990; 49: 70-73. リンパ腫が発症した 1 例. 日臨外医会誌 1990; 51: 1748-1752. 13) Taylor JR, Ryu J, Colby TV and Raffin TA. 20) Browse NL, Wilson NM, Russo F, Al-Hassan H and Lymphangioleiomyomatosis: clinical course in 32 Allen DR. Aetiology and treatment of chylous ascites. patients. N Engl J Med 1990; 323: 1254-1260. Br J Surg 1992; 79: 1145-1150. 14) 高橋弥生, 長村好章, 松村研二, 伊藤直人, 上塚芳 26 乳麋胸・腹水を合併した非ホジキンリンパ腫 103 Abstract Two Cases of Non-Hodgkin's Lymphoma with Chylothorax and Chylous Ascites Kentaro Matsuura1, Haruhisa Nagoshi1, Shinji Yoshioka2, Tsukasa Miyagi2, Kazue Tsuji1, Fumiaki Sano1, and Toshihito Shinagawa3 We have ovserved two cases of non-Hodgkin's lymphoma (NHL) with chylothorax and chylous ascites at our clinic. The first case was a 51-year-old male with abdominal fullness. He was diagnosed as having NHL by cytology of ascites. Chylothorax and chylous ascites disappeared by combination of hyperalimental infusion, fasting, and chemotherapy. His ileum was perforated after three cycle of chemotherapy, and after removal of the ileocecal tumor, chylous ascites disappeared. The second case was a 67-year-old female with para-aortic lymph node swelling detected by computed tomography, and was diagnosed as NHL by laparotomy. After combination of cyclic chemotherapy, hyperalimental infusion, and fasting, she obtained partial remission and has been followed up in the outpatients clinic. Only five cases of NHL with chylothorax and chylous ascites have been reported in Japan to date. These reports have not clarifled the mechanism of chylothorax and chylous ascites. The cause of chylous ascites in our first case was speculated to be direct invasion of NHL to the lymphatic vessels. (St. Marianna Med. J., 30: 97–103, 2002) 1 Division of Hematology and Oncology, Department of Internal Medicine, St. Marianna University School of Medicine, Yokohama City Seibu Hospital 2 Division of Hematology and Oncology, Department of Internal Medicine, St. Marianna University School of Medicine 3 Division of Pathology, St. Marianna University School of Medicine, Yokohama City Seibu Hospital St. Marianna University School of Medicine, Yokohama City Seibu Hospital, 1197-1 Yasashi-cho, Asahi-ku, Yokohama 241-0811, Japan 27
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