心臓が大きいことは良いこと？悪いこと？尼崎中央病院循環器科心臓が大きい方が馬力があるということですよね？心臓が大きいということは、心臓にムリがかかっている可能性があります。心臓は筋肉の袋でできていて中に4つの部屋があります。それぞれ役割があり、一つの部屋から次の部屋に血液を送ります。その部屋の間に扉の役目をしている弁があります。それぞれの心臓の部屋にいろいろな原因でムリがかかったときに、それを何とかしようとして心臓は大きくなります。心臓肥大といわれました。どうやってはかっているのですか？胸のレントゲンで、心臓の横幅が肺の横幅の半分のサイズより大きい場合に心臓肥大といいます。検診で指摘されることが多いです。心臓肥大と言われたら、本当に心臓は大きいのか、そして大きくなった原因を調べる必要があります。ここの黒い部分が肺ですここの白い部分が心臓です正常例心臓肥大の例どんな時に心臓肥大になるのですか？心臓の部屋のサイズが大きくなったり、心臓の筋肉のサイズが大きくなるばあいなどいろいろあります。たとえば、弁の建てつけが悪かった場合は、部屋どうしにすき間ができて、血液が次の部屋にしっかり移動せず、血液がもどってきてしまいます。100送ってみたら20もどってしまうようなものです。そうすると心臓は、そのムダな分まで見込んで130ほど血液を送れば結果的に100送れることになります。そうして送る方の部屋が大きくなっていきます。ほかには、血圧が高い場合、その圧力を出すために、心臓の筋肉が大きくなり、見かけ上太くなってしまいます。腕の力こぶは鍛えられた証拠です。心臓もがんじょうになったのでしょうか？いいえ、心臓は1日10万回動いています。さすがの筋肉もだんだんバテてしまいます。ただ、レントゲンから見る心臓肥大は体格によって大きく見えたり、心臓のかたむき加減によって大きく見えたりすることもありますので、まだ悪いと決まったわけではありません。何年か前に心臓肥大といわれました、症状もないですし、様子を見ていてもいいですよね？心臓肥大であることで、決まった症状はありません。心臓は異常を早く見つければ見つけるほど対処しやすくなりますし、遅いほど治療が複雑になることがありますので、一度受診されることをおすすめします。心臓肥大と言われた場合は、心臓の超音波検査（エコー検査）をすれば、正確に心臓全体の大きさ、それぞれの部屋の大きさや弁の異常のあるなしなどを、はかることができます。エコー検査は痛い検査ではなく、超音波プローブという器具を胸に当てるだけの痛くない検査です。尼崎中央病院循環器科ではほかにも必要に応じた検査で異常のあるなしをはやく調べることができます。平日お仕事のある方は土曜日でも検査ができます。