Deutsche Russia & Eastern Europe Report COLUMN 素顔のロシア 社団法人ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所 調査役 服部倫卓 C O L U M N ロシアにおける女性の社会進出 様々な分野で活躍するロシアの女性 社会主義体制のソ連以来の伝統で、ロシアは共働き社会。女性が自ら進んで専業主婦として生きるというのは、 あまりないことです。女性が経済的に自立しているので、離婚が多いのもこの国の特徴と言えるでしょう。 女性は社会の様々な分野で活躍しています。ただ、当然のことながら、職種によって状況はかなり異なります。 まず、ロシアで典型的な女性の職種とされているものに、学校の先生と医者があります。そして、これらはいずれ も低賃金労働。学校の先生はともかく、医者に女性が多く、しかも薄給にあえいでいるというのは、日本人の感覚 とは大きくずれていますね。弁護士などもかなり女性が多いと聞きます。 商店の売り子、スーパーのレジ係などは、絶対に女性と相場が決まっています。男性の店員がいるのは、家電 など特殊な商品の売り場に限られるようです。 ロシアでは、路面電車の運転手に、なぜか女性が多いことが知られています。それから、地下鉄の改札係や監 視員として働いているのも、どういうわけか女性で、しかも初老のご婦人ばかりです。ただし、タクシーだけは完全な 男社会で、女性ドライバーには一度もお目にかかったことがありません。飛行機の客室乗務員は男女混合ですが、 多数派は女性のような気がします。 女性たちのたくましさの一方に潜む社会問題 企業のなかでは、昔も今も、会計の仕事に従事する女性が多いようです。面白いのは、ロシアの統計局や、そ の地方支部を訪れると、職員の大半が女性であることです。おそらく、社会主義国家の統計というのは、企業の簿 記の延長上にあり、その名残が市場経済に移行した現在も残っているのでしょう。ただし、今後はロシアの統計も 数学やコンピュータの世界になっていくでしょうから、男性職員が増えていくかもしれません。 ブルーカラー労働者として生きる女性も少なくなく、いわゆる3Kの現場にも進出しています。ロシアのエレクトロ ニクス工場などを視察すると、生産ラインにずらりと女性が並んでいて、驚かされることがあります。 昨年、カリーニングラード州のテレビ組立工場を訪ねた時も、働いているのは女性ばかりでした。工場の社長に、 「ここは女性ばかり。男性たちはどうしているのか?」 と尋ねると、 「家で飲んでいる」 との返答。ロシアの女性たちの たくましさに感服する一方、この国の地方における社会問題を垣間見た思いがしたものです。 ※社団法人ロシア東欧貿易会 ロシア東欧経済研究所は、社団法人ロシアN I S貿易会 ロシアN I S経済研究所へ名称変更しました。 当資料はロシア・東欧 (トルコ、ポーランド、ハンガリー、チェコ) 株式市場に関する情報提供を目的としてドイチェ・アセット・マネジメント (株) が作 成した参考資料であり、投資勧誘を目的としたものではありません。対顧客用には絶対に使用をお控えください。貴社が当資料を最終投資家 への説明等の目的で使用し、そのために貴社が損害を被った場合に、当社は一切の責任を負いません。当資料は、当社が信頼できると思わ れる情報に基づいて作成しておりますが、その正確性及び完全性を保証するものではありません。当資料中の第三者のコメントは著者個人の 見解であり当社の運用方針等とは関係無く、また、その内容について当社が責任を負うものではありません。当資料の市場見通し及び金融 指標等に関する予測値について、当社が将来の結果を保証するものではなく、また将来予告なく変更されることがあります。当資料中のいかな る情報も将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではなく、また、当社設定ファンドとは関連しておりません。当資料に記載されている個別 の銘柄・企業名については、あくまで参考として述べたものであり、その銘柄または企業の株式の売買を推奨するものではありません。当資料に 関する著作権は情報提供元のクレジット記載があるものを除きすべてドイチェ・アセット・マネジメント (株) に属しますので、当社に無断で資料の 複製、転用等を行なうことはできません。投資決定及び当資料の情報のご利用に際しては、ご自身の判断にてお願いします。D-061211-16
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