平成25年度所内研究「専門機関との連携による防災教育

紀
要
第 135 集
平成25年度所内研究報告
平成26年3月
桑名市教育研究所
まえがき
近年、めまぐるしく変化する社会状況の中、教育現場に求められる期待や役割が
ますます大きくなり、具体的な施策が次々と打ち出されてきています。
今 年 度 は 、「 い じ め 防 止 対 策 推 進 法 の 施 行 」「 土 曜 授 業 実 施 に 向 け た 省 令 の 改 正 」
「全国学力調査の学校別成績公表を可能とする実施要領の改訂」等がありました。
また、
「 道 徳 の 教 科 化 」や「 小 学 校 外 国 語 活 動 の 教 科 化 及 び 実 施 学 年 の 前 倒 し 」等
の 施 策 に つ い て も 新 た な 動 き が 見 ら れ 、今 後 の 動 向 に 注 意 を 向 け る 必 要 が あ り ま す 。
当研究所におきましても、昭和46年の開所から今日まで時代の教育に呼応しつ
つ、本市の先生方のお力となり、本市の教育発展に寄与するため、研修を軸とした
事業を推進してまいりました。
平成25年度におきましては、下記のテーマで、公募参加による研究部会研究員
の先生方の共同研究や所員による所内研究をすすめてまいりました。ここに今年度
の研究のまとめをお届けいたします。
◆〈紀要第134集〉
「少人数グループの活動を取り入れ、学び合いを大切にした授業づくり」
に関する研究
「 特 別 支 援 教 育 の 視 点 を 生 か し た 授 業 づ く り ( 実 技 編 )」 に 関 す る 研 究
◆〈紀要第135集〉
「専門機関との連携による防災教育アイデア集」
◆〈資料第69集〉
「保護者とのよりよい連携のために」
今後の先生方の教育活動に、この紀要がお役に立つこととなれば幸いです。
終わりになりましたが、一年間、ご多用の中、自ら研究員として参加していただ
き、意欲的かつ積極的に研究に取り組んでいただきました各研究員の先生方、なら
びにご支援ご協力をいただきました関係の皆様に心より感謝の言葉を申し上げ、お
礼の言葉といたします。
平成26年3月
桑名市教育研究所長
冨田
昌樹
平成25年度所内研究報告
専門機関との連携による防災教育アイデア集
まえがき
目
次
序
章
発刊に寄せて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
第1章
1
2
3
各専門機関の概要と取組
津地方気象台・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
木曽川下流河川事務所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
桑名市消防本部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
第2章
指導案と本時に関わる資料
例1
社会科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
例2
社会科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
例3
算数科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
例4
国語科・理科・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
例5
理 科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
例6
生活科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
例7
音楽科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
例8
体 育 科 ( 保 健 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 4
例9
小学校外国語活動・・・・・・・・・・・・・・・・26
例10 総合的な学習の時間・・・・・・・・・・・・・・・28
例11 特別活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
第3章 授業のネタ集
追求型
ネタ1
「 雨 量 と 河 川 の 水 量 の 関 係 グ ラ フ 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 2
ネタ2
「 ま ち づ く り の 努 力 を 調 べ よ う 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 3
ネタ3
「 地 震 の 伝 わ る 速 さ を 求 め て み よ う 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 4
調べ方型
ネタ4
ネタ5
体験型
ネタ6
ネタ7
「『 伊 勢 湾 台 風 』 に つ い て 調 べ よ う 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 5
「理科の授業で活用できる津地方気象台HPリンク集
( 天 気 の 変 化 か ら )」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 6
「 応 急 手 当 を 学 ぼ う 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 8
「 心 配 蘇 生 法 を 学 ぼ う 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 9
製作型
ネタ8
「 か ん た ん 防 災 ず き ん を つ く ろ う 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 0
ネタ9
「 折 り 紙 食 器 ( コ ッ プ 型 ) の 作 り 方 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 1
ネ タ 1 0 「 防 災 カ ー ド バ ト ル 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 2
その他
防災・減災教育に生かせる各学年の教材一覧・・・・・・・・・43
第4章
1
2
先進的な取組について
修徳小学校の取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
他県の取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
第5章
1
2
防災Q&Aと用語集
防災Q&A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
用語集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69
資料編
桑名市防災マニュアル ・・・・・・・・・・・・・・・・・
桑名市津波避難マップ ・・・・・・・・・・・・・・・・・
学校における防災の手引き ・・・・・・・・・・・・・・・
リ ー フ レ ッ ト 「 特 別 警 報 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
リ ー フ レ ッ ト 「 震 度 と 揺 れ 等 の 状 況 ( 概 要 )」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「 津 地 方 気 象 台 防 災 教 育 素 材 集 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
74
74
74
75
75
76
参考文献・資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80
あとがき
序 章
発刊に寄せて
学校防災アドバイザー
三重大学教育学部
社会科教育コース
教授
地理学研究室
宮岡
邦任
三重大学教育学部
「
発刊に寄せて
教授
宮岡
邦任
」
2011 年の東日本大震災以降、小学校における防災教育の重要性が指摘されるようになり、
文部科学省や各都道府県においても、学校教育における防災教育のあり方について検討を行
っていく機運は年を追うごとに高まっています。三重県は、南海トラフに起因する地震の規
模を M9.0 として、津波による災害予測等の見直しを行っています。この結果、沿岸部に到
達する津波は従来よりも数 m 高くなっており、津波の被害を受ける可能性のある地域に居住
する住民の、災害に対する意識づけと避難対策の必要性はさらに高くなっています。このよ
うな変化の中で、平日の昼間の時間帯に子どもが集まる学校に対して、 三重県教育委員会か
ら小中学校の児童生徒向けに、冊子体として防災ノートが配布されており、防災教育の推進
が図られています。県教育委員会によれば、防災ノートは、まず学校で地震が起こった場合
の危険とその回避方法や基本的な防災対策を学び、次に自宅へ持ち帰り、保護者とともに非
常用持ち出し品のチェックや部屋の安全対策等に取り組み、さらに再度学校で学習したこと
について話し合いを行う等、学校と家庭で活用されることを前提に作成されています。
一方、学校における行事やカリキュラムにおいて、防災について啓発を意識した授業や行
事を行うことは、総合的な学習の時間を除けば、時間的な制限もあり物理的に非常に困難な
現状にあります。せっかくしっかりと作成されている防災ノートが、各学校で充分に活用さ
れているのか、児童生徒が理解できているのかを、早い段階で確認する必要があるのかもし
れません。
従来、防災に関する教育・活動は、多くの学校で定期的に避難訓練が実施されているもの
の、それぞれの学校がおかれた、自然環境をはじめとする地域の種々の条件を考慮した内容
とはなっていない場合が多く、画一的なものが多かったようです。この部分に関しては、東
日本大震災の経験を無駄にすることがないように、各地域に適合した防災知識の涵養と避難
行動のあり方について検討する必要があります。
実際に小学校で使用されている教科書や副読本の内容を見ると、自然災害や防災の内容を
含んだ題材は、かなりの部分で確認することができます。ところが、例えば地震の際に付随
して発生する液状化現象や大雨の際に発生する洪水災害についての記述を見ると、教科書・
副読本の複数の部分に関連する内容が分散しているのが現状です。このような状況は、国語
科、社会科、理科、家庭科等、あらゆる教科において見られる傾向にあります。さらに極端
な場合には、防災活動に活躍した同一人物が複数の教科や連続していない異なった学年で扱
われる例等も散見されており、自然災害や防災に関する知識を系統的に児童に理解させるに
はかなりの工夫が求められるとともに、現場の先生方がある程度の専門知識をもたない限り、
独自で授業の中に自然災害の発生メカニズムや防災を取り入れることは非常に困難な状況に
あるといえます。また、自然災害、防災については、特にある教科の中で一つの単元として
設けられるということがないため、授業において、ある場面で意識的にその内容を取り込む
か、総合的な学習の時間で年に 1~2 時間程度扱うことが、現在のカリキュラム構成では精一
1
序章 発刊に寄せて
杯なのが現状であると考えられます。
このような状況の下、今年度、桑名市教育委員会を中心に、修徳小学校・長島中部小学校
の現職の先生方、専門的な立場から津地方気象台、木曽川下流河川事務所、桑名市消防本部
の方々が集結し、通常の授業の中で防災に関する意識を高める工夫ができる余地があるか、
「防災」を蝶番として教科を超えた体系的な地域理解の中から、防災に対する意識の向上を
図る可能性があるかを念頭に置き、3 つの部会に分かれて防災教育の教材づくりに取りかか
りました。学習指導要領の縛りがある中で、防災教育を行う前段として、通常の授業の中に
いかに専門性を取り入れながら自然現象のメカニズムを理解できる内容に形を作れるかが大
きな壁となって立ち塞がりながらも、多忙な中、時間をやり繰りし試行錯誤を繰り返した結
晶が、このアイデア集です。多くの教科を対象に、そのまま授業で実践できることを念頭に
置いて指導案の形に纏めております。教科をまたいで発案されている物もあり、非常にバラ
エティに富んだ内容に仕上がっています。
まずは、地域の自然環境や生活様式を踏まえた、自然災害の発生メカニズムを知り、地域
の諸条件にあった防災を考えるための方向性を確認するための第一歩として、このアイデア
集が纏められたことには大きな意義があります。桑名市という地域性を考慮に入れた形で、
実際の授業でそのまま実践して頂くことができる指導案とその資料、授業の中で防災を取り
入れて頂く際にヒントとして利用することができるネタ集を現場で使って頂くことで、日頃
から防災意識をもって、地域連携や町づくりのできる社会が形成されることが期待できます。
また、防災ノートや副読本等を効率よく併用して頂くことで、教科の学習が防災という形
で日常生活と密接に関係することを児童生徒に認識してもらえる機会にもなるのではないか
と考えております。
このアイデア集をできるだけ多くの学校現場で活用して頂き、来たる自然災害に万全の準
備を整えておくとともに、評価という形でその声を反映させることで、今後、より充実した
防災教育の形が創られていくことを期待しております。
2
第1章
各専門機関の概要と取組
平 成 23 年 3 月 11 日 ( 金 ) に 発 生 し た 東 日 本 大 震 災 以 降 、 防 災 教
育や減災教育のあり方について様々な議論がなされています。
桑名市においても、大きな被害が予測される南海トラフを震源と
する東海地震や東南海地震に備え、様々な機関が互いに連携をしな
がら取組が進められています。
第1章では、本研究にご協力をいただいた3つの専門機関の概要
とそれぞれの取組を紹介します。
【各専門機関】
○気象庁 津地方気象台
○国土交通省 木曽川下流河川事務所
○桑名市消防本部
【所在地】
〒 514-0002
【担当部署】
業務・危機管理担当
【連絡先】
059- 228- 4745
三重県津市島崎町327-2
津第二地方合同庁舎
≪日常業務について≫
1.予報業務
三重県内の天気予報や警報・注意報を発表しています。
2.気象観測業務
三 重 県 内 20 か 所 の 観 測 所 に お い て 、 気 象 観 測 を 行 っ て い ま す 。
3.地震津波業務
気象庁が発表した津波警報や地震情報等を防災機関に伝達しています。
三 重 県 内 に 設 置 し た 11 か 所 の 地 震 及 び 震 度 観 測 施 設 、 3 か 所 の 津 波 観 測 装 置 の 管
理を行っています。
4.防災業務
県 庁 等 の 地 方 公 共 団 体 、防 災 機 関 と の 折 衝 ・ 連 絡 調 整 、気 象 や 地 震 災 害 防 止 に 必 要
な調査、気象や地震に関する普及啓発等を行っています。
≪防災に関わる取組について≫
・各 自 治 体 の 地 域 防 災 計 画 へ の 助 言 、自 治 体 が 実 施 す る 防 災 訓 練 へ の 出 席 等 を 行 っ て
います。
・県民を対象とした防災講演会を開催しています。
・ 夏 休 み に 小 学 生 を 対 象 に し た 一 般 公 開( お 天 気 フ ェ ア )を 開 催 し 、防 災 と 絡 め た 気
象や地震の知識の啓発を行っています。
≪防災視点で伝えたいこと≫
・防 災 の ノ ウ ハ ウ を 学 ぶ だ け で は な く 、災 害 を 引 き 起 こ す 自 然 現 象 の し く み や 災 害 と
密接に関わっている土地や地形についても理解して下さい。
≪提供している防災情報≫
・気象に関する防災情報
特 別 警 報 、警 報 、注 意 報 、気 象 情 報 、土 砂 災 害 警 戒 情 報 、洪 水 予 報 、竜 巻 注 意 情
報等を発表しています。
・地震、津波に関する防災情報
緊 急 地 震 速 報 、大 津 波 警 報 、津 波 警 報 、津 波 注 意 報 、津 波 予 報 、津 波 情 報 、地 震
情報、東海地震関連情報等を発表しています。
3
第 1 章 各専門機関の概要と取組
【所在地】
〒 511- 0002
【担当部署】
調査課
【連絡先】
0594-24-5715
桑名市大字福島465
≪日常業務 につ いて≫
1.堤防工事、管理
洪 水 、高 潮 、地 震 に耐 えられる堤 防 の工 事 を行 っています。
堤 防 の日 常 管 理 のために、堤 防 の点 検 やパトロール、堤 防 の補 修 を行 っています。
2.河川環境の保護
河川の環境を守るため、干潟の再生やヨシの原再生を行っています。
3.河川事業の啓発
この地域の治水の歴史や河川事業を知ってもらうため、出前講座や現場見学会を
行っています。
4.国営公園の管理や整備
国営木曽三川公園の管理や整備を行っています。
≪防災に関 わる 取組につい て≫
・ 大 雨 が降 ったり、台 風 が近 づいたりした時 、自 治 体 への避 難 の判 断 をしてもらうための河 川 の
水 位 情 報 等 を提 供 しています。
・災 害 に備 えて、事 務 所 では排 水 ポンプ車 や照 明 車 、通 信 設 備 などの災 害 対 策 車 両 等 を準
備 して、災 害 が発 生 した時 に現 場 に出 動 します。
・大 災 害 があった場 合 、広 域 支 援 として全 国 各 地 に職 員 を派 遣 して災 害 対 応 を行 っています。
・地域住民へ防災・減災の意識を高めてもらい、避難行動等に役立てるための 、啓発
事業を行っています。
≪防災視点 で伝 えたいこと ≫
・河 川 水 位 等 の河 川 情 報 を広 く提 供 していますので、確 認 し防 災 に役 立 てて下 さい。
・防 災 情 報 を確 認 し、早 めの避 難 を行 う等 自 分 の命 は自 分 で守 る主 体 的 行 動 をとって下 さい。
≪提供して いる 防災情報≫
・河 川 水 位 や河 川 の状 況 が分 かるカメラ等 の情 報 提 供 を行 っています。
・「 防 災 に 関 するポー タ ルサイト 」や「 動 く 高 潮 ハ ザードマップ」 等 の啓 発 ツールを提 供 していま
す。
4
【所在地】
〒 511- 0836
【担当部署】
防災指導課指導係
【連絡先】
0594- 24- 5297
桑名市大字江場7番地
≪日常業務について≫
1.火災時の消火、救助
火事発生時に消火、救助をしています。
2.救急搬送
急病人やけが人を応急手当をしながら、救急車ですばやく病院へ運びます。
3.火災予防
建物の防火設備や、ガソリン等危険物の取り扱い方の点検をしています。
春と秋の火災予防週間時は、広報車で市内を回って啓発をしています。
4.通信指令
火災、救急、その他災害の情報や出場を指令しています。
5.一般市民への指導
一般市民向けに、自主防災訓練や救急法の指導をしています。
≪防災に関わる取組について≫
・自主防災訓練を実施して、市民に防災意識の啓蒙を図っています。
・域内の保育所、幼稚園、小中学校で、防災学習(防災教室)をしています。
≪防災視点で伝えたいこと≫
・自分が住んでいる地域の危険個所を把握しておいて下さい。
・ 自 ら 守 る 意 識 の 醸 成 ・・・ 自 分 の 命 は 自 分 で 守 る と い う 意 識 を し っ か り も っ
て 下 さ い 。( 自 助 の 意 識 )
・地域単位での災害時に自立できるシステムの形成
・・・災害時には、地域単位で自立して対応できるようなシステムを
作 っ て い っ て 下 さ い 。( 共 助 の 意 識 )
・緊 急 時 に 備 え て 、日 頃 か ら 住 ん で い る 地 域 の 避 難 経 路 や 避 難 場 所 を し っ か り
と確認しておくことが大切です。
5
第2章
指導案と本時に関わる資料
防 災 教 育 や 減 災 教 育 を 進 め る に あ た っ て は 、避 難 訓 練 等 の 行 事 の 時
だけでなく、日頃から児童生徒の防災意識を高めることが重要です。
第 2 章 で は 、日 頃 の 授 業 の 中 に 、防 災 教 育 や 減 災 教 育 を 取 り 入 れ る
モデルを、指導案とその資料という形で紹介します。
【社会科】
例 1
身 の ま わ り の 事 故( 3 ・4 年 )
・ ・・・・・・・・・・・
6
例 2
さ ま ざ ま な 土 地 の く ら し( 5 年 )・・・・・・・・・・・ 8
【算数科】
例 3
変 わ り 方 を グ ラ フ に 表 そ う ( 4 年 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0
【国語科・理科】
例 4
特 別 警 報 っ て な ん だ ろ う ( 5 年 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2
【理科】
例 5
天 気 の 変 化 と き ま り ( 5 年 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 8
【生活科】
例 6
むかしからのあそびにちょうせん
~ 防 災 カ ル タ を つ く ろ う ~ ( 1 ・2 年 )・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 0
【音楽科】
例 7
「じしんあいうえお」の歌をつくろう(1年) ・・・22
【 体 育 科 ( 保 健 )】
例 8
けがの防止~学校や家での安全な環境づくり~(5年)・ ・ 2 4
【小学校外国語活動】
例 9
道 案 内 を し よ う Hi,friends!2 Lesson4( 6 年 )・・ 2 6
【総合的な学習の時間】
例10
大 地 震 に そ な え て ( 5 ・ 6 年 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 8
【特別活動】
例11
東 日 本 大 震 災 か ら 防 災 に つ い て 学 ぶ ( 全 学 年 )・ ・ ・ 3 0
指導案 例1
社会科
3・4年
副 読 本 「身 のまわりの事 故 」
本時のめあて
○桑名市特有の地形について正しい知識をもち、自然災害の恐ろしさについて理
解する。
○災害から自分の身を守るための行動について考える。
学習活動
1. 桑名の地形について知る。
指導上の留意点
○桑名市の地形を電子黒板に映し
出 し た 後 、 海 抜 0m 地 帯 の 図 を 見
せ、私たち が住ん で いる地 形 につ
いて関心をもたせる。
○地図の読み取りが難しい児童の
ため、参考 となる 建 物の位置 を明
記し説明する。
桑名を台風がおそったらどうなるのか考えてみよう。
2. 堤 防 で 守 ら れ た 街 と 守 ら れ て
○なぜ堤防があるのかを考えさせ
いない街の違いについて考え
た後、映像を見ることで、堤防で
る。
守られた市であることを知る。
3. 過 去 に 大 き な 台 風 が 桑 名 周 辺
○当時の様子がわ かるように、伊勢
を襲い甚大な被害を与えたこ
湾台風のつめあとの写真を用意
とを知る。
し て お く 。( 木 曽 川 下 流 河 川 事 務
所HPより)
○「 伊 勢 湾 台 風 を 体 験 し て 」を 読 み 、
当時の様子をより詳しく知る。
4. 在 宅 中 に 非 常 に 大 き な 台 風 が
来るとわかった場合どうする
か考えよう。
○情報を集めることの大切さを知
る。
○命を守 るために は 、早期避難 が大
切であることを伝える。
○日ごろから、防災・減災のための
準備をする必要があることを伝
える。
6
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
【桑名市の標高を表した地図】
【堤防決壊シミュレーション】
桑名市の標高を表したもので
堤防が決壊する数種類のパター
す。この資料を見ると、桑名市街
ンの中で、高潮等で堤防決壊する
地周辺が濃い青色になるにつれ
可能性が一番高いメカニズムを表
て、標高が低くなっていきます。
しました。時間の経過毎に堤防が
( 国 土 地 理 院 HP> 中 部 地 方 測 量 部 > デ ジ
徐々に決壊していきます。
タル標高地形図で見る東海地方の凹凸)
( 市 マ ス タ PC オ フ ィ ス 公 開 キ ャ ビ ネ ッ ト )
【伊勢湾台風の被害】
伊勢湾台風が桑名市にいかに甚大な被害をもたらしたのかがわかります。
その他にも、堤防が決壊した写真や浸水状況等がわかる写真があります。
( 木 曽 川 下 流 河 川 事 務 所 HP> 伊 勢 湾 台 風 災 害 写 真 デ ー タ ベ ー ス )
h t t p: / /w w w. c br .m l it . go . jp/ k i so karyu/
HPから、河川の水位情報やライヴカメラの映像など、最新の情報を得る
ことができます。しかし、これらの情報からいつ避難をしたらよいかを個人
が 判 断 す る の は 難 し い こ と で す 。桑 名 市 は こ れ ら の 情 報 等 か ら 判 断 し 、
「避難
準 備 情 報 」「 避 難 勧 告 」「 避 難 指 示 」を 発 令 し て い ま す 。子 ど も た ち へ は 、「 家
の前に水が来ているときは外へ避難するのではなく家の2階へ逃げる」
「台風
は風が強くなる前に避難する」等、災害時に臨機応変に行動するための判断
材料を具体的に伝えていくことが大切です。
7
指導案 例2
社会科
5年
「さまざまな土 地 のくらし」
本時のめあて
○地域の特性を知り、生活環境の改善を行うことで災害から身を守ってきたこと
を知る。
○防災や減災のために様々な対策や活動が行われていることについて理解する。
学習活動
指導上の留意点
現在の長島町のくらしについて考えよう。
○水屋の写真を見て 、気づいたこと
を発表し、昔どのような土地だっ
たのか考え理解する。
○数枚の写真を用意しておく。
・石垣が積まれた上に家が建っている写
真
・軒下に舟が設置してある写真
等
○ 海 抜 0m 地 帯 で あ る こ と を 思 い 出 さ せ
る 。( 資 料 )
○伊勢湾台風の被害についてもふれる。
(資料)
○現在は先人の知識を生かす、長島
○ 堤 防 の 増 強 が さ れ て い る こ と 。( 資 料 )
町では以前に比べ、不安が軽減さ
○治水工事が行われたこと。
れた生活を送ることができてい
○ 河 川 防 災 ス テ ー シ ョ ン 等 の 整 備( 資 料 )
ることを知る。
○ 自 然 災 害 は 、大 変 恐 ろ し い も の で あ る 。
そして、時には想像以上のことが起き
○長島町など低地に住む人々が、災
害に対してどのような思いや考
ることを伝える。
(※スーパー伊勢湾台
風 の CG を 見 せ る 。)
えをもっているか考える。
○近年では、様々な災害を想定し防災・
減災の取組があることを知り、防災意
○防災・減災を進めるための取組が
あることを知る。
識を高めさせる。
・ハード面では、水防倉庫や防災船着場
や河川防災ステーション等の整備がさ
○※動く高潮ハザードマップを見
る。
れている。ソフト面では、動く高潮ハ
ザードマップ等があることを知る。
※ ス ー パ ー 伊 勢 湾 台 風 の CG
( 中 部 地 域 づ く り 協 会 HP> 伊 勢 湾 台 風 5 0 年 記 録 集 > ス ー パ ー 伊 勢 湾 台 風 襲 来 )
※動く高潮ハザードマップ
第 3 章 調 べ 方 型 ネ タ ② を 参 照 。 な お , 桑 名 市 内 小 学 校 に は 各 校 に パ ソ コ ン 専 用 DVD が 配 布 さ
れています。
8
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
【水
屋】
【堤
防】
輪中地帯で、水害時の避難場所と
旧桑名市は川よりも低い土地である
して高い場所に作った建物。水屋の
ため、浸水を防ぐために堤防が設けら
軒下には水害の際の移動手段とし
れている。現在は、高潮や洪水から守
て、「上げ舟」と呼ばれる舟が吊り
るための堤防補強や地震が起きたとき
下げられていた。
に液状化現象で堤防が沈まないように
するための工事を行っている。
【河川防災ステーションと防災船着場】
【動く高潮ハザードマップ】
[長 島 町 防 災 拠 点
(白鶴)]
【防災船着場
(船頭平)
】
[防 災 船 着 場 ( 船 頭 平 ) ]
水防活動を行う上で必要な土砂等
閲覧者が自宅の位置や自分の避難の
の 緊 急 用 資 材 の 備 蓄 、資 材 の 搬 出 入 、
タイミング、経路等を入力すると、そ
ヘリコプターの離着陸等に必要な場
の場で避難シミュレーションを実施す
所を確保するもの。現在も洪水時の
ることができ、閲覧者個人の行動を評
水防活動及び緊急復旧活動の拠点と
価することができる。早めに行動する
して、防災船着場とともに整備が進
ことの大切さがよくわかる。
められている。
(写真提供:木曽川下流河川事務所より)
普 段 か ら 防 災 無 線 や 広 報 車 か ら の 情 報 を 意 識 し た り 、桑 名 市 災 害 時 緊 急 メ ー
ル に 登 録 し た り す る 等 、緊 急 時 に 早 く 正 確 な 情 報 収 集 が で き る よ う に し て お き
ま し ょ う 。台 風 や 大 雨 が 近 づ い て い る 時 に 、子 ど も た ち が で き る こ と は 、避 難
情 報 が 発 令 さ れ た 時 に す ぐ に 避 難 が で き る よ う 、避 難 の 準 備 を し っ か り と す る
ことです。
9
指導案 例3
算数科
4年
「変 わり方 をグラフに表 そう」
本時のめあて
○折れ線の傾きと事象の変化の度合いの関係を理解する。
○ 目 的 に 応 じ て 資 料 か ら 情 報 を 読 み 取 る 。ま た 、読 み 取 っ た 情 報 を 効 果 的 に 使 い 、
自分の考えを説明する。
学習活動
※指導上の留意点
1.P.79 2 の問 題 を読 み、題 意 をとらえる。
問題 折れ線グラフを見て、東京
の気温の変わり方を調べましょ
う。
2.問 題 ①に取 り組 み 、気 温 が上 がっている
時 を調 べる。
C:気 温 が上 がっているのは 2 月 から 8 月
※答 えだけでなく、「どこからわかりました
までです。
か。」と考 えの根 拠 を問 うことで、その間 の
C:気 温 が下 がっているのは 8 月 から 12
グ ラフの 折 れ 線 はどう な ってい る かも 発 表
月 までです。
させる。
3.問 題 ②に取 り組 み、気 温 が変 わっていな
い時 期 を調 べる。
4.問 題 ③を読 み、変 化 の度 合 いと折 れ線
グラフの傾 きの関 係 について考 える。
発 問 折 れ 線 の 傾 き は 、気 温 の 変
わり方とどんな関係があります
か。
C : 気 温 が 大 き く 上 が った り、下 が った りし
※ 「 線 の傾 きが 急 であるほど変 わ り方 が 大 き
た時 は、折 れ線 の傾 きが急 になる。
C:折 れ線 が横 になっているのは、気 温 が
い」ことは、丁 寧 におさえる必 要 がある。
※棒 グラフとの違 いに目 を向 けさせ、折 れ線
変 わらない時 である。
5.適 用 問 題 を行 う。
グラフのよさについても考 えさせる。
(解 答 )
①38.1 度 (13 時 、14 時 )
②12 時 から 13 時 の間
③(例 )メモによると、気 温 31 度 以 上 になっ
た場 合 、激 しい運 動 は中 止 するとなって
いるが、この日 の桑 名 市 の気 温 はあさみ
さんが遊 ぶことができる時 間 帯 はすべてが
気 温 31 度 以 上 となっているため。
10
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
□適用問題
4年生のあさみさんは夏休み前の集会で校長先生から熱中症について話を聞きま
した。教室にもどったあさみさんはその話をメモしました。
(メモ)
運動中止
気 温 35℃
はげしい運動は中止
気 温 31℃
たくさん休けいをとる
気 温 28℃
たくさん水分をとる
気 温 24℃
のどがかわいたら水分をとる
家 に帰 ったあさみさんはお家 の人 とメモについて話 をし、「熱 中 症 に気 をつけながら遊 ぶ」
「35℃以 上 になったら家 の中 に入 る」という約 束 をしました。
下 の表 は桑 名 市 の夏 休 みのある日 の温 度 を表 したものです。
(参考資料)
← あ さ み さ んが 遊 ぶ こ と の で き る時 間 →
(℃)
40
39
38
37
36
35
34
33
32
31
30
29
28
27
26
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
(日)
時
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
気温(℃)
29.3
30.2
31.8
33.6
34.8
35.6
38.1
38.1
37.7
37.0
35.6
34.0
① この日 、桑 名 市 で一 番 気 温 が高 かったのは何 度 で、それは何 時 ですか。
② この日 、桑 名 市 で気 温 の上 がり方 が一 番 大 きかったのは何 時 と何 時 の間 ですか。
③ あさみさんは夕 食 の時 に「今 日 は友 だちとおもいきり遊 ぶことができなかった。」と家 の人 に
話 をしました。あさみさんがこのように言 ったわけを、上 の表 やグラフから説 明 しましょう。
【熱中症への対応】
○意識がある、反応が正常な場合
1.涼 し い場 所 へ避 難 さ せる 2 .被 服 を脱 がせ、体 を冷 やす 3.水 分 、塩 分 を補 給 する
○自力で飲めない場合は、すぐに救急車を要請する
○意識がない、反応がおかしい場合
1.救 急 車 を要 請 する 2 .涼 しい場 所 へ避 難 させ る 3 .被 服 を脱 がせ、体 を冷 やす
4.医 療 機 関 に搬 送 する
11
指 導 案 例 4 国 語 科 ・理 科 5年 「特 別 警 報 って何 だろう」 第 1時
本時のめあて
○特別警報について正しく理解し、警報が出される前後に自分がとるべき行動を
理解する。
学習活動
指導上の留意点
1.写真を見て話し合う。
川の氾濫、土砂崩れの写真A・B
・思ったことを自由に出し合う。
を見て、話し合いをする。
・思ったこと、なぜこのような
写真B
ことになったか。
(紀宝町での
土砂崩れの写真)
写真B
(著 作 権 の 関 係 上 、 HP
写 真 A( 熊 野 市 )
2.特別警報について理解する。
には掲 載 できま せん。 )
・5 つ の ス テ ッ プ で 順 に 書 き 込 ま せ る 。
特別警報のリーフレットをもとに
①リーフレットを見せて
シートに答えていく。
②1ページ目
・思ったこと、知っていること
③2ページ目
を書き込む。
④3ページ目
・わからないものは、わからな
いでよい。
⑤4ページ目と感想
・子どもの質問に答えながら進める。
体験や感想を出し合えるとよい。
3.これからの学習内容を知る。
・なぜ、そう思うのか、簡単でよいの
桑名でも、このような豪雨や災害
が起こると思うか、意見を出し合
で理由を出させる。
・起こると考える子どもが、伊勢湾台
う。
風や東海豪雨に触れるとよい。
・ 写 真 A ・ B は 、 平 成 23 年 9 月 の 台
※
特 別 警 報 リ ー フ レ ッ ト は 、気 象 庁 H P よ
風 12 号 に よ り 三 重 県 の 熊 野 市 ( 市
りダウンロードできる。
役所付近)や紀宝町で起きた災害の
様子であり、これが特別警報の制度
を作るきっかけの一つとなったこと
を伝える。
次の時間は、台風と豪雨について考え
ることを告げる。
12
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
13
指 導 案 例 4 国 語 科 ・理 科 5年 「特 別 警 報 って何 だろう」 第 2時
本時のめあて
○台風が近づいた時、どのような気象情報に気をつけているか振り返るとともに、
台風本体から離れていても大雨が降ることがあることを知る。
学習活動
指導上の留意点
1.台風について話し合う。
台風の特徴や気をつけている気象
・進路予想図Cを参考に示し、経験に
情報は何か、話し合う。
・気圧
雲の大きさ
強い風の範囲
基づいて、自由に意見を出させる。
風の強さ
予想進路
等
台風が日本に近づいた時の衛星画
・台風本体から少し離れた日本にかか
像Dを見て、どこで大雨が降るか、
る雲のまとまりにも注目させる。
自分の意見をもつ。
衛星画像がいつのものかは伝えな
い。
2.連続画像をもとに話し合う。
連続した衛星画像E~Hを見て、
台風の動きと雲の変化について、
・時間の経過にしたがって、雲の位置
気づいたことを話し合う。
や大きさ、濃さ等が、どのように変
・台風は西にそれた。
化したか考えさせる。
・東海地方で雲が発達した。
(*ペア又はグループで話し合う)
どこで大雨が降ったか、もう一度
・台風本体から離れていても大雨が降
自分の意見を考える。
3.東海豪雨について知る。
ることがあることを押さえる。
・ 衛 星 画 像 D ~ H が 、 平 成 12 年 9 月
写 真 I ・ J を 見 て 、「 東 海 豪 雨 」 と
の東海豪雨のものであることを伝え
名前が付く大雨だったことを知る。
る。学校や川沿いの住宅地の様子か
・2日間で年降水量の3分の1
らだけでなく、具体的な数字を紹介
・ 104 年 ぶ り に 記 録 を 更 新
し、どのくらいの雨が降ったか想像
・しかも雨量は全記録の約2倍
させる。
4.次の時間の学習内容を知る。
次の時間は、今後、桑名でも豪雨が発
生するのか考えることを告げる。
14
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
進 路 予 想 図 C( H25.9 台 風 18 号 )
衛 星 画 像 D( H12.9 台 風 14 号 東 海 豪 雨 )
( 日 本 気 象 協 会 tenki.jp ( htt p:// tenki. jp ))
(名古屋地方気象台)
衛 星 画 像 E ( H12.9.10
18 時 )
衛 星 画 像 F ( H12.9.11
2 時)
衛 星 画 像 G ( H12.9.11
10 時 )
衛 星 画 像 H ( H12.9.11
20 時 )
※
衛 星 画 像 E ~ H は 、( 高 知 大 学 気 象 情 報 頁 H P http:// weat h er.is. koc hi -u.a c.j p/ )
写 真 I ( 東 海 豪 雨 被 害 H12.9)
写 真 J ( 東 海 豪 雨 被 害 H12.9)
写真J
(著作権の関係上、
HPには掲載できません)
国土交通省
中部地方整備局提供
15
指 導 案 例 4 国 語 科 ・理 科 5年 「特 別 警 報 って何 だろう」 第 3時
本時のめあて
○東海豪雨が起こったしくみを考えることで、今後、桑名でも、特別警報が発表さ
れる可能性があることを理解するとともに、災害に備える意識を高める。
学習活動
指導上の留意点
1.資 料 を読 み取 る。
衛 星 画 像 Gと資 料 K を読 んで 、東 海 豪
○ 前 時 の 衛 星 画 像 Gと 資 料 K を 関 連 づ け
雨 が起 こったしくみを考 える。
ながら読 み取 りを進 める。
(*ペア又 はグループで話 し合 う)
・東 海 豪 雨 の原 因 は、台 風 か。
・秋 雨 前 線 とはどんなものか。
・台 風 は、秋 雨 前 線 にどんな影 響 を与
えたか。
○ 資 料 中 の 天 気 図 と 衛 星 画 像 Gと を重 ね
合 わせて考 えるよう支 援 する。
衛星画像G
東 海 豪 雨 が起 こったしくみをまとめる 。
○自 分 なりに文 章 にまとめさせる。
キーワー ドの指 定 や字 数 制 限 等 の 条 件
を 加 え ても よい 。 ペ アや グ ルー プ で 発 表
後 、推 敲 させる等 、様 々な言 語 活 動 の
場 面 に発 展 させることもできる。
2.これまでの学 習 をもとに話 し合 う。
写 真 L・ 衛 星 画 像 M を 見 て、思 うこと を
簡 単 に出 し合 う。
○写 真 と衛 星 画 像 は、平 成 25 年 9 月 の
台 風 18 号 で、京 都 府 ・滋 賀 県 ・福 井 県
・東 海 豪 雨 の時 の雲 の形 (衛 星 画 像
G)と似 ている。
に特 別 警 報 が発 表 され、多 くの被 害 が
出 たことを告 げる。
桑 名 で も 、東 海 豪 雨 の よ うな大 雨 が 起
こると思 うか、話 し合 う。
○簡 単 でよいので、なぜ、そう思 うのか理
(*ペア又 はグループで話 し合 う)
由 も出 させる。
○最 後 に、東 海 豪 雨 は、現 在 の特 別 警 報
発 表 レベルであ ったこと、また、桑 名 でも
床 上 浸 水 などの 被 害 が 多 く あ った こと を
告 げる。
3 . 台 風 が 来 た 時 の 気 象 情 報 を見 る ポイン ト
を考 える。
○ 「 専 門 家 か らの アドバ イス」 を 伝 え 、 自 分
台 風 と前 線 の位 置 関 係 等 々
なりの心 構 えをもたせる。
16
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
資料K
(名古屋地方気象台)
た引び
。きみ
起ょ
こう
さな
れ関
た係
災に
害よ
でっ
して
雨
」
は
、
台
風
と
秋
雨
前
線
の
こ
の
よ
う
に
「
東
海
ご
う
集
中
し
た
の
で
す
。
そ
の
暖
か
く
湿
っ
た
空
気
が
東
側
に
あ
た
る
東
海
地
方
に
、
り
の
た
め
、
ち
ょ
う
ど
台
風
の
風
の
向
き
は
時
計
の
反
対
回
た
が
、
台
風
の
う
ず
、
つ
ま
り
、
を
た
く
さ
ん
運
び
続
け
ま
し
左
の
天
気
図
の
と
お
り
、
台
風
は
南
か
ら
暖
か
く
湿
っ
た
空
気
雨
を
降
ら
せ
ま
し
た
。
海
ご
う
雨
」
で
は
、
こ
の
秋
雨
前
線
の
雲
が
非
常
に
発
達
し
て
大
秋
雨
前
線
(
あ
き
さ
め
ぜ
ん
せ
ん
)
と
呼
ば
れ
て
い
ま
す
。
「
東
っ
て
き
た
秋
の
冷
た
い
空
気
が
ぶ
つ
か
っ
て
で
き
た
雲
の
帯
で
、
夏
の
暖
か
い
空
気
が
南
に
下
が
り
始
め
た
と
こ
ろ
に
北
か
ら
や
東
西
に
長
く
の
び
る
雲
の
ま
と
ま
り
が
あ
り
ま
し
た
。
こ
れ
は
、
実
は
、
台
風
の
雲
と
は
別
に
、
ち
ょ
う
ど
日
本
の
上
あ
た
り
を
な
っ
た
の
に
は
、
他
に
理
由
が
あ
り
ま
し
た
。
本
か
ら
離
れ
て
い
っ
た
の
で
す
。
そ
れ
で
も
東
海
地
方
が
大
雨
に
と
こ
ろ
が
、
こ
の
台
風
は
ゆ
っ
く
り
西
へ
進
み
、
し
だ
い
に
日
て
い
ま
し
た
。
雨
」
の
時
も
、
数
日
前
か
ら
非
常
に
強
い
台
風
が
日
本
に
近
づ
い
れ
て
、
日
本
や
日
本
の
近
く
ま
で
や
っ
て
き
ま
す
。
「
東
海
ご
う
生
し
、
そ
の
中
の
い
く
つ
か
は
、
強
い
風
と
た
く
さ
ん
の
雨
を
連
毎
年
、
夏
か
ら
秋
に
か
け
、
日
本
の
南
の
海
上
で
は
台
風
が
発
な
ぜ
、
こ
の
よ
う
な
大
雨
に
な
っ
た
の
で
し
ょ
う
か
。
雨
の
う
ち
の
約
三
分
の
一
が
、
わ
ず
か
二
日
間
で
降
り
ま
し
た
。
平
成
十
二
年
九
月
の
「
東
海
ご
う
雨
」
で
は
、
一
年
間
に
降
る
【 平 成 25 年 9 月 : 台 風 18 号 】
写真L(京都:嵐山)
(国土交通省
淀川河川事務所提供)
衛星画像M
(津地方気象台)
※ 平 成 25 年 8 月 30 日 の 運 用 開 始 後 、 翌 月 の 9 月 16 日 、 初 め て 京 都 府 ・ 滋 賀 県 ・ 福 井 県 に 、
「特別警報」が発表されました。
特 別 警 報 が 出 た 場 合 、お 住 ま い の 地 域 は 数 十 年 に 一 度 し か な い よ う な 非 常 に
危 険 な 状 況 に あ り ま す 。た だ ち に 命 を 守 る 行 動 を と っ て く だ さ い 。 な お 、気 象
台 で は こ れ ま で ど お り 、大 雨 や 暴 風 等 に よ っ て 重 大 な 災 害 が 起 こ る お そ れ の あ
る時に「警報」を、災害が起きるおそれのある時には「注意報」を発表して、
警 戒 や 注 意 を 呼 び か け ま す 。特 別 警 報 が 発 表 さ れ な い か ら と い っ て 安 心 す る こ
と は 禁 物 で す 。特 別 警 報 が 発 表 さ れ て い な く て も 早 め 早 め の 行 動 を と る よ う に
してください。
17
指導案 例5
理科
5年
「天 気 の変 化 ときまり」
本時のめあて
○気象情報を活用して、天気の変化を調べることができる。
○気象情報の活用の仕方を知り、災害時に情報を集める大切さに気づく。
学習活動
指導上の留意点
○雲 の量 が増 えたり、雲 の色 が黒 っぽいと
自 分 たちの地 域 だけでなく、広 い範 囲 の
雨 になることがわかったね。
雲 や天 気 の変 化 に目 を向 けさせる。
広 い範 囲 では雲 はどのように動 いている
のだろうか。
雲が動くと天気はどのように変化していくのだろうか。
○インターネットから数 日 間 の天 気 の情 報
・新 聞 から情 報 を集 めるのは家 庭 学 習 と
を集 めてみよう。
し、ここではインターネットからの情 報 取 集
・雲 画 像 の白 いところが雲 だったね。
を主 に行 う。
・天 気 図 に矢 印 があるよ。何 かな。
・ 動 画 を見 る と 、雲 画 像 の 雲 の 動 き と ア メ
ダスの降 水 量 の動 きが似 ているよ。
・メディアリストとして表 示
アメダス・レーダー ナウキャスト・雲 画 像 ・
天気図
・気 象 庁 HPのどの部 分 を見 るといいか教
え、自 分 が天 気 の変 化 がよくわかると判
断 したものを記 録 (印 刷 ・保 存 )させる。
○ 天 気 の 変 化 の しかた に つ い ては 何 かき ま
・雲 の動 きと天 気 の変 化 を、得 られたデー
りがあったかな。
タから 読 み 取 った 規 則 性 を一 般 化 す る よ
・雲 が、西 から東 に動 いているみたい。
うに考 えさせていく。
・雲 がかかってくると、曇 りや雨 になるね。
・雲 の動 きと天 気 の変 化 が合 っている。
・ 雲 の 動 く 方 向 をお よそ つ かま せ る よ うに し
て、天 気 の変 化 と結 び 付 けていくようにす
る。
○今 回 活 用 した気 象 情 報 はどんな時 に役
・気 象 情 報 は、天 気 につ いて知 りたい 時 に
に立 つかな。
役 立 つ。そして、気 象 情 報 を活 用 すること
・行 事 の前 、西 側 の天 気 に注 目 。
で、自 分 の地 域 に起 こりうる災 害 を予 測
・災 害 時 。関 西 の方 で大 雨 が降 ったら、
し 、 備 え る こ と が で き る こと に 気 づ かせ る 。
三 重 も気 をつけなくちゃいけないね。
また気 象 庁 のHPには地 震 情 報 等 、役 立
つ情 報 が多 いことも教 える。
18
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
メディアリストとして表示
降水量(アメダス)
気象レーダー
気象衛星からの画像
天気図
(雲画像)
※画像はすべて気象庁HPより
天 気 予 報 は 様 々 な 観 測 デ ー タ や 予 想 資 料 を も と に 発 表 し て お り ま す が 、そ れ
らの資料の中で一般の人が見ても参考になるような資料を気象庁HPに掲載
し て い ま す 。レ ー ダ ー 画 像 等 を 大 雨 時 に 役 立 て る と と も に 、ア メ ダ ス に よ る 観
測値や雲画像等を見ることによって天気や気象についてもっと身近に感じて
ほしいと思います。
ま た 、警 報 ・注 意 報 等 の 情 報 も 見 ら れ ま す の で 、気 象 台 が ど の よ う な 注 意 ・
警戒を呼びかけているのかをいつでも確認できるようになってほしいと思い
ます。
19
指導案 例6
生活科
1・2年
「むかしからのあそびにちょうせん」~防 災 カルタをつくろう~
本時のめあて
○防災に興味をもち、楽しくカルタ作りをすることができる。
○地域のお年寄りの方等と一緒に楽しく遊んだり、交流したりすることができる。
学習活動
1.今 までの防 災 学 習 を振 り返 る。
指導上の留意点
○避 難 訓 練 の際 に、学 習 してきた防 災 学 習 のこと
を振 り返 る。
2.災 害 から身 を守 るための「防 災 カル
タ」をつくることを知 る。
○みんなで集 めてきた防 災 キーワードを振 り返 る。
・おはしも(おさない・はしらない・しゃべらない・もどら
ない ) ・ひ なん・たい ふ う ・じしん・ つ なみ ・た かしお・
おおあめ・ひなんのときはくつをはく・ 川 にちかづ か
ない・はやめのひなん等
○ 実 際 に防 災 カルタ を見 せ て、カルタに書 い てあ る
ことがどういうことかを考 えさせる。
3 .グ ルー プに 分 かれ て、オ リ ジナ ルの 防
災 カルタを作 る。
オ リ ジ ナ ル の 防 災 カ ル タ を つ く っ て 、み ん な で 遊 ぼ う 。
4.できあがった防 災 カルタを発 表 する。
○集 めてきた防 災 キーワードを参 考 にさせ、読 み
札 、 絵 札 をグ ルー プで 作 らせ る 。その 際 、同 じ 頭
文 字 ばかりになっても認 める。
○できあがった防 災 カルタを全 員 の前 で発 表 させ
る。
5.オリジナルの防 災 カルタで遊 ぶ。
○ カルタ の ルー ルを確 認 して 、仲 良 く 防 災 カル タ に
取 り組 ませる。
6.感 想 を交 流 する。
○作 ってみてどうだったか、やってみてどうだった
か、全 員 で感 想 を交 流 する。
7 .地 域 の 方 と 、オ リ ジナ ルの 防 災 カルタ
で一 緒 に遊 ぶ計 画 を立 てる。
○地 域 の方 に防 災 のことも伝 え、防 災 カルタで一
緒 に 遊 ぶ 計 画 を立 て、次 時 で 、地 域 の方 を呼 ん
で、一 緒 に防 災 カルタをする。
*避難訓練の際に、防災学習を進める。そのに、学習したことを防災キーワードと
して、カードにまとめていき、クラスに掲示していく。また、普段からも折に触
れ、カード集めをしていく。
20
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
防災カルタづくりのキーワード
【考えられる災害】
○台 風
○地 震
○土砂災害
○洪 水
○津 波
○竜 巻
○高 潮
○突 風
【注意喚起となるもの】
○特別警報・警報
○危 険
○防災マップ(ハザードマップ)
○火を消そう
○防災会議(家族会議)
○想定外
○出口の確保
【自分を守る】
○頭を守る
○すぐ逃げる
○避難する時は動きやすい格好
○あわてない
○速やかに避難(早期避難)
○避難経路(学校内外)
○いのち
【逃げる場所】
○学校・公民館等の公共施設(避難所) ○公園(避難場所)
○高い場所
【気をつける場所】
○用水路
○家の近く(壁や屋根瓦等)
○川・海
○屋内(窓・蛍光灯・テレビ等)
【避難をするときに大切にしたいこと】
○自分を守る(自助)
○助け合い(共助)
○思いやり
○ルールを守る
○叫ぼう・笛(助けが必要な時)
※ 低学年には、聞き慣れない言葉があります。児童の実態に合わせて説明をしてください。
子どもたちが災害時に、状況から判断して行動できるように、授業だけでなく日常生活
でも機会をとらえて「今、災害が起こったらどのように行動したらよいのか」を考えさせ
ることが大切です。
21
指 導 案 例 7 音 楽 科 1 年 「『じしんあいうえお』の歌 をつくろう」
本時のめあて
○ 防 災 の 知 識 を 生 か し て 、言 葉 あ そ び や リ ズ ム を 楽 し み な が ら「 じ し ん あ い う え お 」
の歌をつくることができる。
学習活動
指導上の留意点
1.本 時 のめあてを知 る。
「じしんあいうえお」の歌 を作 りましょう。
2.今 までの防 災 学 習 を振 り返 り、防 災 に関
・今 までの防 災 学 習 や避 難 訓 練 のことを思
する言 葉 集 めを行 う。
い出 させる。その時 に出 てきた言 葉 や、地
震 の際 とるべき行 動 を思 い出 させ、そこか
どんな防 災 のことばを覚 えていますか。
ら教 師 が単 語 としてひろい、まとめていく。
・2の活 動 で思 い出 した言 葉 を組 み合 わせ
3 . 「 じ しん あ い うえ お 」 を作 る と き の き ま り を 知
てもよい。新 しい言 葉 を思 い出 したら自 由
る。
「じしんあいうえお」の歌 を作 るときのきまり
を確 認 しましょう。
4 .グ ルー プに わ かれ て「 じ し ん あ い うえ お 」 の
歌 を作 る。
に使 わせる。
・ 地 震 、防 災 に 関 する 言 葉 しか使 え ない こと
を確 認 する。
・班 にプリントを渡 し、記 入 させていく。
・あいうえおの順 番 に考 えるのではなく、思 い
つきやすいところから考 えてよいことを伝 え
る 。長 音 や 促 音 が あ っ て も よい こと 、字 余 り
になっても認 め、リズムを工 夫 させる。
・早 くできたグループは、リズムにのって歌 う
練 習 をさせる。
5.グループごとに発 表 する。
みんなの前 で発 表 しましょう。
・ 全 て埋 ま らなく ても 、思 い つ い た フレー ズを
発 表 する。
・聞 く人 は、フレーズを聞 いた後 に、そのフレ
6.グループの発 表 をもとに、クラスとしての
「じしんあいうえお」の歌 を作 る。
ーズに合 うリズム打 ちをする。
・児 童 が発 表 したものをカードに書 いて黒 板
に貼 る。
クラスの「じしんあいうえお」の歌 をつくりまし
ょう。
・言 葉 を吟 味 し、言 い換 えた方 がよいところ
は言 い換 える。
7.クラスの「じしんあいうえお」の歌 を歌 う。
み ん なで 作 った 「 じ し ん あ い うえ お 」 の 歌 を
歌 いましょう。
22
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
あ○○○
い○○○
う○○○
え○○○
お○○○
○○○○
○○○○
○○○○
○○○○
○○○○
あいうえお
あいうえお
あいうえお
あいうえお
あいうえお
あたまを
いそいで
うみから
えんえん
おはしも
まもろう
にげよう
はなれろ
なかない
まもるよ
あいうえお
あいうえお
あいうえお
あいうえお
あいうえお
(板書例)
お
あ○○
い○○
う○○
え
あ○○
い○○
う○○
う
あ○○
い○○
う○○
い
あ○○
い○○
う○○
あ
あ○○
い○○
う○○
え○
お
え○○
お
え○○
お
え○○
お
え○○
お
「うたにあわせてあいうえお」の楽譜
実際に避難をする際には、次のような目安があります。
地震発生 ~ 2 分 激しい揺れから身を守る。
2 分 ~ 5 分 火の始末をする(揺れてる最中は危険)家族の安否の
確認
2 分 ~ 10 分 割 れ た ガ ラ ス に 注 意 し 、 ス リ ッ パ や ス ニ ー カ ー で 避 難 。
入口がゆがんでドアが開かないこともありえる。
外へ出る時は、瓦や看板等落下物の危険がないか十分確認する。
傾いたブロック塀や自販機等倒壊のおそれのあるものには近寄らない。
海沿いの地域ではすばやく高台へ避難する。
23
指導案 例8
体 育 科 (保 健 ) 5 年 「けがの防 止 」
~学 校 や家 での安 全 な環 境 づくり~
本時のめあて
○ 災 害 時 、倒 れ て き た り 落 ち て き た り し た 物 で け が を し な い た め の 工 夫 を 考 え る 。
○災害の拡大を防ぐための方法について考える。
学習活動
指導上の留意点
1.阪神淡路大震災と東日本大震災の
・
「 大 地 震 = 揺 れ = 津 波 」の イ メ ー ジ が
死因の円グラフを比べ、ちがいに
強くなっている児童に、
「大地震=揺
気づく。
れ = 倒 壊( 物 の 転 倒 )」と い う 認 識 も
もたせられるように、写真等の資料
を活用する。
2.部屋の絵の中で、地震に備えて危
・個人個人でできるように、プリント
険なところを見つけて○をつけ、
理由も記入する。
を用意する。
・絵にないものでも危険なことがある
(考えられる意見)
かもしれないことを付け加える。
・ 左 上 の ロ ッ カ ー : 上 の 物 が 落 ち て ・子 ど も た ち の 様 子 を 見 て 活 動 を 止 め 、
くる。
・時計や額:落ちてくる
・布団:割れたガラスが落ちてくる
発表の時間に移る。
・絵 を 拡 大 し た も の を 黒 板 に 張 り 出 し 、
1つ1つ全員で確認していく。
・右下の家具:寝てる時に落ちてく
る
・本棚:倒れるとドアが開けられな
い
3 . ど の う よ う に 対 策 を と れ ば い い か ・学 習 活 動 2 で 出 て き た 意 見 に つ い て 、
グループで考える。
(考えられる意見)
順番に1つ1つ話し合う。
・自分の家で取り組んでいるかどうか
・ロッカーや家具の上には物を置か
も確認しながらすすめるようにす
ない。
・壁にはできるだけ物をかけない。
る。
・絵の中にないものでも、知っている
・布団やベッドはできるだけ窓の近
安全対策があれば紹介し合ってよい
くをさける。
・ドアの近くは物を置かない。
ことにする。
・グループの話し合い後、考えた対策
・大きな家具は固定する。
4.本時のまとめ
を発表し全員で確認する。
・時間があれば室外で注意することも
次時の「けがの手当て」の学習に
つなげる。
話し合いたい。
・対策をしても、けがをすることがあ
るので、次時では「けがの手当て」
の学習を行うことを告げる。
24
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
内
閣
府
防
災
白
書
よ
り
桑
名
市
消
防
署
所
蔵
三
重
県
石
油
商
業
組
合
「
防
災
・
防
犯
ガ
イ
ド
ブ
ッ
ク
」
寝 て い る 時 に 地 震 が 発 生 す る と 、大 人 で も 対 応 が 難 し い も の で す 。部 屋 の 中
の 地 震 対 策 と し て 、① 背 の 高 い 家 具 は 固 定 す る ② タ ン ス の 中 身 は 重 い も の を
下 へ 入 れ る ③ 部 屋 の 出 入 り 口 近 く に は 、転 倒 や 落 下 に よ り 障 害 物 と な る よ う
なものは置かない ④ベッドや布団の脇にスリッパを用意しておく などが
挙げられます
25
指導案 例9
小学校外国語活動
6年 「道 案 内 をしよう」
Hi,friends!2 Lesson4
本時のめあて
○町中にある様々な建物の言い方を知り、慣れ親しむ。
○災害時には、外国人が災害弱者となる場合があることを知り、覚えた建物の言
い方から災害時に活用できるものを見つける活動等を通して、積極的にコミュ
ニケーションをとろうという意欲を高める。
学習活動
指導上の留意点
1.挨拶をする。
2.建物の言い方を知る。
「 What’s this?」
・絵カードを使って建物の言い方を紹介し
な が ら 、station や store を 用 い る 表 し 方
があることや、日本語と違う表し方があ
ること等に気づかせる。
3.建物の言い方に慣れ親しむ。
(外国語の音声やリズムに慣れる
・活動の中で、建物の言い方を繰り返し言
ったり、聞いたりさせる。
ためのゲーム等を通して)
4 .災 害 時 に 自 分 た ち が で き る こ と に
ついて考える。
(1)資 料 を 読 む 。
・災 害 時 は 、誰 も が パ ニ ッ ク と な り 、
「避難
所」
「 余 震 」等 特 別 な 言 葉 が 使 わ れ る 。普
段はそれほど言葉に困らない外国人でも
防災に関する情報が正確に伝わらないこ
とがあることを資料から読み取らせる。
・もし自分が言葉のわからない国で災害に
あったらとても不安になることや、日本
語で話しかけてもらったら安心すること
を想像させる。
(2)災 害 時 に 活 用 で き そ う な 建 物 の
言い方を見つける。
・前半で知った建物の中から、災害の時、
避難場所等として活用できそうなところ
を 見 つ け さ せ る 。( 学 校 や 高 い 建 物 等 )
・自宅にいた時、~に買い物に来ていた時
等、いろいろな場面を想定させる。
・他 に ど ん な 建 物 を 知 り た い か 出 し 合 わ せ 、
言い方を知らせる。
5.本時の活動を振り返る。
・英語を使おうとする態度等でよかったと
ころを具体的にほめる。
26
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
しりょう
ひ が し に ほ ん だ い し ん さ い じ
がいこくじん
かた
じょうきょう
東日本大震災時における外国人の方の 状 況
【資料】
に ほ ん
す
がいこくじん
かた
やく
わり
に ほ ん
く
じ し ん
けいけん
○ 日 本 に 住 ん で い る 外 国 人 の 方 の 約 4 割 は 、日 本 に 来 る ま で 地 震 を 経 験 し
ひがしにほんだいしんさい
はじ
じ し ん
けいけん
ぱ
に
っ
く
た こ と が な か っ た 。東 日 本 大 震 災 で 初 め て 地 震 を 経 験 し 、パ ニ ッ ク に な
ひと
おお
に ほ ん ご
に ほ ん
せいかつ
じゅうぶんな
おも
っ た と い う 人 が 多 か っ た 。ま た 、日 本 語 や 日 本 の 生 活 に 十 分 慣 れ た と 思
ひと
さいがい
お
とき
っ て い た 人 で も 、い ざ 災 害 が 起 こ っ た 時 に は 、ど う し て い い か わ か ら な
ひと
め
だ
かったという人が目立った。
さいがい
お
とき
わりちか
かた
じ た く い が い
ば し ょ
やく
○ 災 害 が 起 こ っ た 時 、6 割 近 く の 方 が 自 宅 以 外 の 場 所 に お り 、そ の う ち 約
わり
ひと
ひ
じ た く
かえ
でんしゃ
かえ
1 割 の 人 が 、そ の 日 、自 宅 に 帰 る こ と が で き な か っ た 。電 車 で 帰 ろ う と
ひと
なか
と
こうつうきかん
じょうきょう
せつめい
えき
あ
な
う
ん
す
した人の中には、止まった交通機関の 状 況 を説明する駅のアナウンス
り か い
こんらん
ひと
おお
と
ほ
き た く
が 理 解 で き な か っ た た め 、混 乱 し た 人 が 多 く い た 。ま た 、徒 歩 で 帰 宅 し
ひと
かえ
みち
こま
ひと
おお
た人では、帰り道がわからず困った人が多かった。
しんさいはっせいご
こま
じょうほう
かん
い け ん
○ 震災発生後、困ったことをたずねたところ、「 情 報 」に関する意見が
おお
がいこくじん
じょうほうぶそく
たくさんあり、多くの外国人が情報不足になっていたことがわかった。
ぼ
ご
かいせつ
こわ
に
ゅ
う
す えいぞう
み
ふ あ ん
・ 母 語 に よ る 解 説 な し に 、怖 い ニ ュ ー ス 映 像 を 見 た た め 、と て も 不 安 に
なった。
げんしりょくはつでんしょ
じ
こ
ほうしゃのう
せんもんようご
むずか
り か い
・ 原 子 力 発 電 所 の 事 故 や 放 射 能 の 専 門 用 語 が 難 し く 、理 解 で き な か っ
た。
が
す
せつめいしょ
に ほ ん ご
り か い
ゆうじん
おし
・ ガ ス の 説 明 書 が 日 本 語 の た め 理 解 で き ず 、友 人 に 教 え て も ら う ま で 、
しゅうかん が
す
あ
1 週 間 ガスせんが開けられなかった。
か
しょくりょう
みずぶそく
り か い
たいおう
おく
・ 買いしめによる 食 料 ・水不足が理解できず、対応が遅れた。
けいかくていでん
で ん き
と
し
よ
え
れ
べ
え
た
あ
・ 計画停電で電気が止まるというお知らせが読めず、エレベーターに
と
こ
閉じ込められた。
に ほ ん ご
い
ん
た
あ
ね
っ
と
り よ う
じょうほう
・ 日本語がよくわからず、インターネットを利用しないため、 情 報 を
にゅうしゅ
うまく 入 手 できなかった。
【参 考 資 料 】 災 害 時 にお け る外 国 人 へ の情 報 提 供 ― 東 日 本 大 震 災 の 経 験 を 踏 まえて―報 告
平 成 2 4( 2 012 )年 4 月 地 域 国 際 化 推 進 検 討 委 員 会
htt p:// ww w.sei kat ubun ka.metro. tokyo.j p/inde x3f iles/hokoku H240424 .pd f
平 成 24 年 5 月 発 行 編 集 ・発 行 東 京 都 生 活 文 化 局 都 民 生 活 部 管 理 法 人 課
27
指 導 案 例 10
総 合 的 な学 習 の時 間
5・6 年 「大 地 震 にそなえて」
単元のめあて
○ 南 海 ト ラ フ に お け る 地 震 や そ の 歴 史 を 知 り 、 100 年 程 度 の 間 隔 で 大 き な 地 震 が
発生していることを知る。
○南海トラフにおける大地震の被害を想像するとともに、今後、起きるかもしれ
ない地震に備えようとする意識をもつ。
○自分の家庭生活、学校生活を振り返り、地震に備えて、防災・減災のために行
動する。
○ ソ フ ト ウ ェ ア 「 コ ラ ボ ノ ー ト for school」 を 使 っ て 、 ネ ッ ト ワ ー ク 上 で 意 見 交
換しながら、調べたり新聞にまとめたりする。
学習活動
指導上の留意点
・ プ リ ン ト か ら 1000 年 以 上 前 か ら 大
【第 1 時】
・南海トラフの大地震は昔からあり、
地 震 が あ り 、 100 年 程 度 の 間 隔 で 起
大きな被害を受けていることを知
きていることを確認し、近い将来に
る。
起きるかもしれないことを推測させ
・班 で 話 し 合 い な が ら 、プ リ ン ト を 読
みとる。
る。
・過去の大地震でも、津波発生や家屋
・プレート型の地震について知る。
倒壊、焼失等があり、死者多数で大
・大 地 震 が 近 い 将 来 に 起 き る 可 能 性 が
きな被害をもたらしていることを確
あることに気づく。
認する。
・地 下 の 岩 盤 の プ レ ー ト 運 動 に よ っ て 、
地震が発生し、その後に津波も発生
することを説明する。
【第 2 時~】
・い つ 起 き る か わ か ら な い 大 地 震 に 備
・大地震に備え、何をしておくか、今
え、何をしておくと い いか、今、何
できることは何か、学校や家庭の様
ができるかを考える。
子を振り返り、想像させる。
・調 べ 学 習 や ま と め 学 習 を コ ラ ボ ノ ー
ト for school を 使 い な が ら 、ネ ッ ト
・身の回りのことから想像させる。
・大 地 震 の 歴 史 を ま と め る の で は な く 、
ワ ー ク 上 で 意 見 交 換 し 、電 子 新 聞 を
自分たちの生活に生かす手立てや工
共同で作成する。
夫を考えさせて、まとめさせる。
・まとめを発表する。
28
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
【プリント資料】南海トラフにおける地震の歴史
年
地震
被害
684 年
白鳳地震(南海・東海)
M 7.8~ 8.0
887 年
仁和地震(南海)
M 8.0~ 8.5
1096 年
永長地震(東海・東南海)
M 8.0~ 8.5
1099 年
康和地震(南海)
M 8.0~ 8.5
1361 年
正平(康安)地震
M 8.25~ 8.5 摂 津 阿 波 土 佐 で 津 波 被 害
1498 年
明応地震(東海・東南海)
M 8.2~ 8.4
家 屋 倒 壊 多 数 。津 波 あ り 。
伊勢や駿河で津波被害。
伊勢や駿河で津波被害。
気 象 庁 HP
「東 海 地 震 に
ついて」 より
政 府 の特 別 機 関 である地 震 調 査 研 究 推 進 本 部 は、主 要 な活 断 層 で発 生 する地 震
や海 溝 型 地 震 を対 象 に、地 震 の規 模 や一 定 期 間 内 に地 震 が発 生 する確 率 を予 測 し
た「地 震 発 生 可 能 性 の長 期 評 価 」を行 っています。これによると、今 後 30 年 以 内 の地
震 発 生 確 率 は、南 海 トラフの地 震 では 60~70%、養 老 -桑 名 -四 日 市 断 層 帯 では
ほぼ 0~0.6%といわれています。養 老 -桑 名 -四 日 市 断 層 帯 の確 率 は非 常 に低 い
ように思 われますが、兵 庫 県 南 部 地 震 (阪 神 ・淡 路 大 震 災 )の場 合 、地 震 が発 生 した
時 点 の確 率 は 0.4~8%でした。このように、日 本 に住 んでいる限 り、どこで大 きな地 震
が発 生 してもおかしくないと考 えておきましょう。
29
指 導 案 例 11 特 別 活 動 「東 日 本 大 震 災 から防 災 について学 ぶ」
本時のめあて
○東日本大震災の被害状況から、災害の恐ろしさを知るとともに、釜石市の防災
教育を手本にして、防災についてどんな心がけが大切か考える。
学習活動
1.船 の写 真 から、被 害 の状 況 を考 える。
指導上の留意点
○ 船 の 向 こうに 山 が 見 える こと 、船 に 人 が 乗
(写 真 A-1)
っていないこと等 から、いろいろな状 況 を
この船 の写 真 から気 がつくことを出 し合 う。
船 の下 の部 分 の写 真 を見 せる。
想 像 をさせる。
・ 船 の 下 に 建 物 の 倉 庫 が あ る こと 、 山 が 近 く
(写 真 Aー2)
に あ る の は、そ こま で 船 が 流 され た こと を知
る。
2.津 波 の 写 真 をもとに 、 この時 に 、宮 城 県 を
○津 波 が民 家 を襲 った 時 の情 景 から、想 像
襲 った津 波 の様 子 を考 える。 (写 真 B)
を超 える津 波 がやってきたことを知 る。
・東 北 地 方 の地 図 を示 し、それぞれの都 市
東 北 地 方 をおそった津 波 の高 さを考 える。
の位 置 を確 認 する。
八 戸 8.4m 釜 石 10m
・宮 古 は、入 り組 んだ湾 になっているため、
福 島 原 発 14m 宮 古 38m
津 波 の高 さが遡 上 高 になっている。八 戸
(東 大 地 震 研 究 所 測 定 )
は、平 野 部 であり、桑 名 の地 形 に似 てい
3.この津 波 が襲 ってくる中 で人 々はどう行 動
る 。 東 南 海 ト ラ フで 想 定 さ れ る 桑 名 の 津 波
したのだろう?
の高 さは 5mとされている。(5mの高 さの想
13007 人 死 亡 (92.5%が水 死 )
定 は、民 家 の 2 階 が沈 む高 さ。)津 波 の被
圧 死 ・焼 死 、傷 害 死 5.5%
害 状 況 は巻 末 の用 語 集 (気 象 庁 HP参
死 者 の 65.2 % は6 0 才 以 上 の 高 齢 者 ( 警
照 )。
視 庁 2011 年 4 月 19 日 発 表 )
○実 際 に、東 北 地 方 でどのような被 害 が起
こったか、あるいは、助 かった人 はどう行
4.この地 震 の時 に、被 害 を最 小 限 にとどめ
た小 学 校 がある。その町 の住 民 は、1000
動 したか、知 っている情 報 を交 流 する。
○どのように行 動 したら大 きな地 震 が来 た時
人 の方 が亡 くなくなったのに、この小 学 校
では、一 人 の犠 牲 者 も出 さなかった。この
に、より被 害 が少 なくなるか考 える。
・実 際 に、釜 石 小 学 校 では、
小 学 校 では、なぜ、一 人 の犠 牲 者 も出 さな
①想 定 にとらわれない。
かったのか、その理 由 を考 えてみよう。
②率 先 避 難 者 たれ。
考 えられる理 由 を4人 班 で考 えてみよう。
③最 善 を尽 くす
考 えたことを発 表 しよう。
等 を 防 災 の 心 構 え と して 学 習 し て い た こ と
5.自 分 たちの学 校 の防 災 キーワードを考 え
よう!
を知 る。
○防 災 に大 切 な心 構 えが盛 り込 まれるよう
にする。(状 況 判 断 ・落 ち着 いて行 動 等 )
30
第 2 章 指導案と本時に関わる資料
写真A-1
写真A―2
隠す
※写 真 A-1 、A-2 は、『 中 学 公 民 の授 業 』(民 衆 社 2013)より
写真B
写真B
H23.3.11 の 宮 城 県 名 取 市 で の 大 津 波 の 写 真
(著作権の関係上、HPには掲載できません)
東 日 本 大 震 災 で は 、自 治 会 役 員 が リ ー ダ ー と な り 、避 難 住 民 み ん な で 役 割 分
担 を 決 め て 、避 難 所 運 営 や 損 壊 し た 道 路 等 の 復 旧 作 業 等 を 行 っ て い ま し た 。避
難 所 は 、行 政 の 応 援 は な く 、地 区 住 民 が 一 致 団 結 し て 助 け 合 っ て い ま し た 。自
主 防 災 組 織 に よ っ て 、避 難 誘 導 や 安 否 確 認 、避 難 所 運 営 、炊 き 出 し 等 の 活 動 を
助け合いながら行っていました。
31
第3章
授業のネタ集
前 章 で も 述 べ た よ う に 、日 頃 か ら 児 童 生 徒 の 防 災 意 識 を 高 め て お く こ
とが防災教育や減災教育を進めるにあたって非常に重要になります。
第 3 章 で は 、日 常 の 授 業 の 中 で 活 用 で き そ う な 材 料 を 集 め ま し た 。児
童・生徒の実態に合わせてご活用ください。
【追求型】
ネタ
ネタ
ネタ
1
2
3
雨量と河川の水量の関係グラフ・・・・・・・・32
まちづくりの努力を調べよう・・・・・・・・・33
地震の伝わる速さを求めてみよう・・・・・・・34
【調べ方型】
ネタ
ネタ
4
5
『伊勢湾台風』について調べてみよう・・・・・35
各教科(主に理科)で活用できる
津地方気象台HPリンク集・・・・・・・・36
【体験型】
ネタ
ネタ
6
7
応急手当を学ぼう・・・・・・・・・・・・・・38
心肺蘇生法を学ぼう・・・・・・・・・・・・・39
【製作型】
ネタ 8
ネタ 9
ネタ10
かんたん防災ずきんをつくろう・・・・・・・・40
新 聞 紙 で 作 る 紙 食 器 ( コ ッ プ 型 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 1
防災カードバトル・・・・・・・・・・・・・・42
【その他】
防災・減災教育に生かせる各学年の教材一覧・・・・・・・43
【追 求 型 】 ネタ1
社 会 科 ・算 数 科 ・理 科 ・総 合 的 な学 習 の時 間
「雨量と河川の水量の関係グラフ」
【考えられる授業展開】
雨 量 と 河 川 の 関 係 性 を 読 み 取 り 、川 の 危 険 性( 急 激 な 水 位 の 上 昇 等 )に つ い て
正しく理解する。
大河川( 木曽川・揖斐川・長良川)
20
100
雨量
木曽川・揖斐
河川水位
80
15
水位(T.P)
10
川 ・長 良 川 は、河
60
川 の幅 が広 く、他
雨量(mm)
の支 流 から水 が流
40
れ込 むので、雨 が
降 ってから遅 れて
5
20
0
0
水 位 があがりま
す。
小河川(多度川・肱江川)
8
100
雨量
河川水位
80
6
水位(T.P)
60
4
ひ じ え
多 度 川 ・ 肘江
川 の水 は、揖 斐 川
雨量(mm)
に流 れ込 む支 流
40
の一 つで、雨 が降
るとすぐに水 位 が
2
20
0
上 がります。
0
【専門家から】
木 曽 川 下 流 河 川 事 務 所 等 で は 、様 々 な 河 川 の 水 位 情 報 を 提 供 し 、防 災 ・減 災 に 役
立 て る よ う に し て い ま す 。川 幅 が 広 い 河 口 近 く の 川 と 、支 流 の 川 と で は 、大 雨 後 の
水 位 の 変 化 が 違 い ま す 。ま た 河 口 域 の 水 位 は 、降 っ た 雨 量 と 潮 位 が 関 係 し て き ま
す 。大 雨 が 降 っ た 後 に 満 潮 時 間 を む か え る と 、水 位 は 通 常 よ り 大 き く 上 昇 し ま す 。
こ の よ う な こ と を 知 っ て お く こ と で 、水 の 事 故 か ら 自 分 の 身 を 守 る こ と が で き
ます。
32
第 3 章 授業のネタ集
【追 求 型 】 ネタ2
社 会 科 ・総 合 的 な学 習 の時 間
「まちづくりの努力を調べよう」
○木曽三川下流部空中写真
【考えられる授業展開】
○川の形に注目し、その後、治水についての
学習を行う。
○細かく資料を読み取る。
・家がある場所
・田んぼになっている場所
・元 堤 防 の 所 に 家 が あ る( 土 地 が 高 い た め )
どうりゅうてい
・導流堤
すいせい
※資料
・水制の整備
※資料
どうりゅうてい
~導流堤とは・・・~
河口では水の流れがゆっくりになって砂がたまりや
すいので、海に早く水を流すため,明治時代につくら
れました。
( 木 曽 川 河 口 ・ ・ ・ 長 さ 2860m )
( 揖 斐 川 河 口 ・ ・ ・ 長 さ 2840m )
すいせい
~水制とは・・・~
河 川 の 水 勢 を 緩 和 し 、ま た 流 れ の 方 向 を 整 え る た め に 川 の 中 に 設 け ら れ た 工 作
物。みずはね。
コンクリートブロック水 制 (現 在 )
ケレップ水 制 (明 治 改 修 以 降 )
【専門家から】
木 曽 川 の 明 治 改 修 の 際 に 、新 た に 設 け た 低 水 路 の 固 定 と 流 水 の 衝 撃 を 緩 和 す る
目的で、多くのケレップ水制が設けられました。その後、様々な改修工事(堤防
護 岸 な ど )に よ っ て 、水 制 は 次 第 に 姿 を 消 し て い き ま し た が 、 現 在 も 約 100 基 の
水制を見ることができます。
33
【追 求 型 】 ネタ3
算 数 科 ・理 科
「地震の伝わる速さを求めてみよう」
震源地から桑名市までの距離を設定し、○秒かかったとする。そ
こから、地震の伝わる速度を求める学習を行う。
【地震の伝わる速度】
初 期 微 動 ( P 波 ) 約 5~ 7k m /秒
主 要 動 ( S 波 ) 約 3~ 4k m /秒
そこで、大きな地震である主要動がくるまでに、自分たちには何
ができるのかを考える。
【例】
34
第 3 章 授業のネタ集
【調 べ方 型 】 ネタ4
社 会 科 ・理 科 ・総 合 的 な学 習 の時 間
『伊勢湾台風』について調べてみよう
○ホームページコンテンツ
☆国土交通省木曽川下流河川事務所
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/
☆国土交通省国土地理院
http://www.gsi.go.jp/
☆中部地域づくり協会
http://www.ckknet.jp/
1.高潮・伊勢湾台風等の学習サイト
木曽川下流河川事務所>木曽三川下流域高潮防災ポータルサイト
2.広域避難のための動く高潮ハザードマップ
木曽川下流河川事務所>木曽三川下流域高潮防災ポータルサイト>
木曽三川下流域こども版動く高潮ハザードマップ
*木曽三川下流域こども版動く高潮ハザードマップ
アドレス
http://dsel.ce.gunma-u.ac.jp/simulator/kisokaryu_kids/start.html
( ※ 桑 名 市 内 小 学 校 に は 、 パ ソ コ ン 用 DVD を 配 布 し ま し た )
3.伊勢湾台風の災害写真集
木曽川下流河川事務所>伊勢湾台風災害写真データベース
*伊勢湾台風災害写真データベース
アドレス
https://www2.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/cgi-bin/photodb/
4.5mメッシュ標高データを使用したデジタル標高地形図
国土地理院>地方測量部のページ>中部地方測量部>東海地方の凸凹>
DSM 版 の 標 高 地 形 図 を 見 る
5.スーパー伊勢湾台風の襲来を想定した台風の怖さ・勢い等のCG映
像
中 部 地 域 づ く り 協 会 > 伊 勢 湾 台 風 50 年 記 録 集 > ス ー パ ー 伊 勢 湾 台 風 襲 来
35
【調 べ方 型 】 ネタ5
理科
各 教 科 (主 に理 科 )で活 用 できる津 地 方 気 象 台 HP リンク集
◆防災教育と情報教育の関わり◆
天 気 の 変 化 のきま りを見 つ けた り、天 気 を予 想 した りす る場 面 で は、様 々 な情 報 が学 習 対
象 として必 要 になります。しかし、情 報 のすべてが子 どもにとってわかりやすいものではなく、適
していない情 報 もあるのが現 状 です。
今 回 、津 地 方 気 象 台 と連 携 して、授 業 で有 効 に使 える情 報 だけを集 めたリンクサイトを作 り
ました。教 師 向 けに作 成 されたもので、授 業 に活 用 できる情 報 が一 目 で わかるようになってい
ます。また、実 態 によっては児 童 もリンクサイトを使 うことが可 能 です。
この中 から、教 師 が有 益 であると思 う情 報 を メディアリスト として子 どもたちに提 示 することで、
子 どたちが必 要 な情 報 を確 実 に収 集 することが できます。また子 ども自 身 に収 集 させることで、
自 分 で情 報 を集 めたという活 動 により、主 体 的 な態 度 も育 てられると考 えます。活 動 を通 して、
自 分 で調 べる力 や、情 報 を活 用 する力 をつけ、いざというときに必 要 な情 報 を集 め、行 動 でき
る子 どもたちを育 てていきましょう。
~リンクサイト活用例~
教科
国語
学年
2年
教材名
ようすをあらわ
すことば
津地方気象台
【台風・大雨】
雨や風の強さ
雨の強さと降り方
5年
天気を予想する
【台風・大雨】
大雨・集中豪雨
積乱雲ってどんな雲?
積乱雲が近づくサインを見逃さない
積乱雲が近づいてきたら…
アメダスで見た短時間強雨発生回数の長期変
化
【気象の観測】
観測の仕組み
アメダス、気象レーダーなどの観測機器につ
いて
気象レーダー観測について
高層気象観測について
潮汐観測の仕組み
海洋気象観測船による観測
気象衛星観測について
雲や天気の観測(目で見て観測するもの)など
地上気象観測について
36
防災教育素材集
第 3 章 授業のネタ集
教科
学年
教材名
国語
5年
天気を予想する
【天気予報】
天気予報について
天気予報の的中率
社会
5年
災害から人々を
守る
【天気予報】
現在発表されている注意報・警報
三重県の警報・注意報の発表基準
【地震・津波・火山】
現在発表されている地震・津波・火山に関する情 報
地震について
緊急地震速報のしくみ
地震予知について
津波について
津波を予測するしくみ
【防災】
理科
4年
一日の気温の変化
【気象の観測】
現在、観測したデータ
降水量、気温など(アメダス)
5年
台風と気象情報
【台風・大雨】
台風
現在発表されている台風情報
台風とは
台風の発生数・接近数・上陸数・経路
これまでに発生した台風による災害
三 重 県 で大 きな被 害 があった台 風 ・大 雨 による災 害
【気象の観測】
現在、観測したデータ
気象衛星からの画像
雲と天気の変化
【気象の観測】
現在、観測したデータ
降水量、気温など(アメダス)
気象レーダー
気象衛星からの画像
【地球温暖・気候】
生物季節観測
生物季節観測の概要
大地のつくりと
変化
【地震・津波・火山】
現在発表されている地震・津波に関する情報
地震情報
東海地震関連情報
噴火警報
地震について
緊急地震速報のしくみ
地震予知について
三 重 県 で大 きな被 害 があった地 震 ・津 波 による災 害
火山について
日本で大きな被害のあった火山による災害
6年
津気象台
防災教育素材集
※ 下 線 箇 所 は 津 地 方 気 象 台 H P「 防 災 教 育 素 材 集 」に お い て 、リ ン ク し て い ま す 。
37
【体 験 型 】 ネタ6
保 健 ・特 別 活 動 等
「応急手当を学ぼう」
【切り傷】
・傷 口 にはきれいなガーゼ
か布 をあておさえます。
・傷 口 を心 臓 よりも高 い 位
置 にします。
・出 血 がひどい場 合 は、
傷 口 よりも心 臓 に近 い動
脈 を圧 迫 します。
【やけど】
【骨折・打撲】
・骨 折 した部 分 はむくんでいるので、靴 やきつい衣
服 は脱 がせたり切 りとったりする。
・骨 折 も打 撲 も患 部 を冷 やし固 定 します。
・添 え木 には、傘 やバット、段 ボール、二 つ折 りの
雑 誌 や掃 除 機 のパイプが使 えます。
【けが人の運び方】
・けがをした人 を不 用 意 に動 か
すのは危 険 です。周 囲 の状
況 が許 せば、できるだけ動 か
さず に その 場 で 手 当 てす る の
が原 則 です。
桑名市HPより引用
38
第 3 章 授業のネタ集
【体 験 型 】 ネタ7
保 健 ・特 別 活 動 等
「心肺蘇生法を学ぼう」
桑 名 市 で は 、 消 防 本 部 の 方 に 学 校 へ 来 て い た だ き 、「 防 災 教 室 」 を 行 っ て い ま す 。
「心肺蘇生法」は中学校で指導してもらっています。手順は下記に示すとおりで
すが、5年に1度ほど「心肺蘇生法」のガイドラインが変更になりますので、授業
で使う場合は、常に最新情報を確認するようにしましょう。
39
【製 作 型 】 ネタ8
家 庭 科 (5・6年 )
「かんたん防災ずきんをつくろう」
準備物
バスタオル
中に入れる物(タオル、下着、靴下等)
手 芸 用 布 テ ー プ ( 20 ㎜ 巾
80 ㎝ を 2 本 )
糸(2本取りで縫う)
◆大きな縫い目で縫うこと
で、縫い糸をほどけば、
材料はバスタオルや紐と
して使えます。
◆玉結びや玉どめ、縫うこ
とを学習したら作ること
ができます。
作り方
①バスタオルを横長に折る
②さらに3等分に折り、裏返す
↑下が輪になっている方
↑裏返す
③テープを大きな縫い目でぬいつける
テープは結 び用 にそ
れぞれ 25 ㎝ほど出 す
④中身が出ないように縫う
タオルや下 着
などを入 れる
⑤中心線で折りたたむ
15 ㎝
ぐらい
←結ぶ(後頭部)
↑結ぶ(あごの部分)
40
第 3 章 授業のネタ集
【製 作 型 】 ネタ9
生 活 科 ・図 工 科 ・家 庭 科 ・総 合 的 な学 習 の時 間
「 新 聞 紙 で 作 る 紙 食 器 ( コ ッ プ 型 )」
☆準備する物
新聞紙(2枚)
ポリ袋(1枚)
☆作り方
①
(1)新聞紙2枚を重ね、2つに折る。
(2)①正方形になるように、余る部分を折り
たたむ。
②対角線で折って三角にする。
(3)左右の端を折りたたむ。上の三角1枚分を
手前に折って袋状になった所に挟み込む。
もう一方は、逆側へ折りたたむ。
(4)もう1枚の新聞紙をベルト状に折りたたみ、
③の底をぐるりと囲む輪に仕上げ、端を組み
合わせて閉じる。
(5)最後にポリ袋をかけたら、できあがり。
41
③
【製 作 型 】 ネタ 10
特別活動
「防災カードバトル」
☆ 準 備 す る も の ・ ・ ・ ト ラ ン プ 大 の サ イ ズ の 画 用 紙 ( 厚 紙 )、 ク レ パ ス ・ 色 鉛 筆 等
☆ 製 作 す る も の ・ ・ ・「 災 害 カ ー ド 」 と 「 防 災 カ ー ド 」
☆活用の仕方
・・・ ① 授 業 で 防 災 に つ い て 学 習 す る 際 に 、
「 キ ー ワ ー ド 」と な る 言
葉をカードに書いておく。
② 図 工 の 時 間 等 を 使 い 、 キ ー ワ ー ド を 絵 に す る 。 (例 2 )
③できあがったカードを「災害カード」と「防災カード」に
分 け て 、 裏 に 「 災 害 」「 防 災 」 と 書 く 。( 例 3 )
④カードを使って遊んでみる。
(例1)
地
震
(例2)おもて
机
雷
机
家
(例3)うら
災
害
☆ルールの例
①2人1組で行う。
災机
害
防
災
防
災
②1人は「災害カード」だけを持ち、
もう1人は「防災カード」だけを持つ。
③「せーの」で1枚カードを出し、災害の対策になっていれば「防災カード」の
勝 ち 、な っ て い な け れ ば「 災 害 カ ー ド 」の 勝 ち で 、カ ー ド を も ら う こ と が で き
る。
④ 最 終 的 に カ ー ド の 多 い 方 が 勝 ち 。( 災 害 が 有 利 ? )
☆ポイント
①カードタイプなので、学習内容が深まるたびにカードの追加ができる。
②バトルだけでなく、トランプの神経衰弱のような遊び方もできる。
③子どもたちと相談しながらルールを作ることができる。
④ゲームをしながら、マッチングしているかどうか確認できる。
42
第 3 章 授業のネタ集
その他
防災・減災教育に生かせる各学年の教材一覧
教科等 学年
国
語
教
材
名
備
1・上 うたにあわせてあいうえ お
防 災 あいうえお づくり
2・上 あったら いいなこ んなもの
災 害 時 にほしいもの
2・下 ようすをあら わすこ とば
雨 の降 り方 を 題 材 に
3・上
気 になる記 号
防 災 に関 する記 号 探 し
手 紙 を書 こう
会 ったことがない人 に手 紙 を出 す
4・下 「仕 事 リ ーフレット」 を作 ろ う
5
6
防 災 関 係 の職 業 を選 択
新 聞 を読 もう
防 災 記 事 を取 り上 げる
百 年 後 のふるさとを守 る
津 波 が題 材 の伝 記
天 気 を予 想 する
天 気 がテーマの説 明 文
学 年 を討 論 会 をし よう
討 論 テーマを絞 る
校 区 探 検 に行 こ う
防 災 マップ、危 険 箇 所 マップづ くり
桑 名 市 めぐりをし よう
伊 勢 湾 台 風 の石 碑 や博 物 館
水 はどこ から くるのか
簡 易 の浄 水 器
3・4 なくそうこわい火 事
社
会
5
6
考
消 防 の仕 事
くらし の道 具 から 調 べよう
長 島 町 の蔵 の舟
まちづくりのどりょくを調 べよう
海 抜 0m地 帯 水 屋
三 重 県 はどんな県
地 形 の様 子 ・ 土 砂 崩 れ・ 山 のはたらき
低 地 のくらし
輪中地域
情 報 を伝 える
情 報 収 集 の仕 方 ・ 情 報 のはたらきと発 信
災 害 から 人 々を守 る
防 災 ・ 減 災 について
自 然 を守 る運 動
森 林 のはたらき
わたし たちの願 いと政 治 のはたらき
災 害 の発 生 と政 治 のはたらき
日 本 とのつながりの深 い国 々
外 国 での災 害 対 策
一 人 ひとりの人 権 を大 切 にした避 難 所 づく
わたし たちのくらし と憲 法
り
2・上 時 計 を生 活 に生 かそ う
3・上 時 刻 と時 間 の計 算 のし かたを考 えよう
津 波 到 達 や避 難 にかかる時 間 を題 材 に
算
4・上 変 わり方 をグラ フに表 そ う
各 種 データを題 材 に
数
4・下 およその数 の表 し 方 を考 えよう
災 害 時 の予 測 数 を題 材 に
5・上
直 方 体 や立 方 体 のかさ の表 し 方 を考
えよう
43
降 水 量 のとらえ 方
教科等 学年
教
材
名
備
考
算
6・上 速 さ の表 し 方 を考 え よう
地 震 や津 波 や台 風 を題 材 に
数
6・下 資 料 の特 徴 を調 べよう
各 種 資 料 を題 材 に
理
科
3
風 やゴム のはたらき
4
水 のゆくえ
台 風 と気 象 情 報
5
自 然 災 害 に密 接 に関 係
雲 と天 気 の変 化
流 れる水 のはたら き
6
せ
い
か
つ
上
下
大 地 のつくりと変 化
てこの規 則 性
てこで人 命 救 助 の例
こうていたんけんにし ゅっぱつだ
AEDや防 火 とびら 等
こうえ んはたのしいことがいっぱいだよ
公 園 の役 割 等
町 たんけんしよう
もっとし りたい町 のこと
きけんかし ょマップ
みんなにやさしいまちなん だね
カセットコンロの使 い方 ・ごはんをなべで 作
はじ めてみようクッキン グ
家
庭
5・6
科
図
工
保
健
音
楽
る・水 なし で皿 を洗 う方 法
はじ めてみようソーイン グ
防 災 頭 巾 づくり
かたづけよう身 の回 り
倒 れやすいものはないか
できるようになったかな家 庭 の仕 事
家 族 の一 員 、社 会 の一 員 とし てできること
寒 い季 節 を快 適 に
衣 服 のはたらき、保 温 性 の高 いもの、代 用
熱 い季 節 を快 適 に
できるもの
トライエコ生 活
不 用 品 を生 かす
1・2 どろ んこ わあい
土 砂 崩 れ・ダ ムの はたらき
3・4 だんだんだんボール
ダンボールのよさを味 わう
5・6 もしもし 文 字 さ ん
防 災 ・ 減 災 ポ スター
5・6
地 域 や家 庭 での安 全 な環 境 づ くり
けがの防 止
けがの手 当 て
病 気 の予 防
5
地 域 の保 健 活 動 ・ AEDの使 い方
人 に対 するやさし さや、助 け合 う心 の大 切
Believe
さを思 いながら歌 う
外
国
災 害 時 に知 っておきたい言 葉
語
44
第4章
先進的な取組について
第 4 章 で は 、 24・ 25 年 度 と 2 年 に わ た り 防 災 教 育 の 研 究 を 進 め て
きた修徳小学校の年間計画と他府県の取組を紹介します。
防 災 教 育・減 災 教 育 に つ い て は 、各 地 で 多 く の 実 践 が 報 告 さ れ て い
ま す 。そ れ ら の 先 進 事 例 に 学 ぶ こ と は 、防 災 教 育 や 減 災 教 育 に お い て
重要なことはいうまでもありません。出典元を参考にしていただき、
各校で生かしていただきたいと思います。
【修徳小学校の取組】
○平成25年度防災教育計画
○平成25年度避難訓練計画
【他県の取組】
教科
①
小
学
校
②
③
中
学
校
①
②
図工科
総合的な学習の
時間
家庭科
道徳
総合的な学習の
時間
特別活動 等
学年
教材名
資料名
出典
中学年
ペットボトル
ランタン作り
鳥取県教育委員会
「鳥取型防災教育
の手引き」
高学年
ナップザック
を防災袋にリ
フォームしよ
う
岩手県立総合教育
センター
「防災教育と関連
付けた家庭科指導
資料」
高学年
東日本大震災
のある記事か
ら
千葉県教育委員会
「『 東 日 本 大 震 災 に
学 ぶ 道 徳 教 育 』で 活
用する教材」
第 1 章
地震
埼玉県危機管理防
発生!そのと
きどうする
災部危機管理課
「中学生向けの危
機 管 理・防 災 に 関 す
る教材」
全学年
第 9 章 災害
時のボランテ
ィア活動
【修徳小学校の取組】
平成25年度防災教育計画
学校防災行動目標
第1段階 災害時の様々な危険を知る。 〔対象学年 … 1年:校内、2年:家庭、3年:地域〕
第2段階 様々な危険に対応できる。 〔対象学年 … 1年:校内、2年:家庭、3・4年:地域〕
第3段階 災害の危険を知り、備えることができる。 〔対象学年 … 3年、4年、5年〕
第4段階 災害から命を守れるようになる。 〔対象学年 … 5年、6年〕
第5段階 災害時たがいに声を掛け合ったり、助け合ったりすることができる。 〔対象学年 … 5年、6年〕
月
教科・領域等
単元名・教材名
避難訓練
4
学校行事(特活)
遠足
5
6
7
9
学校行事(特活)
避難訓練
指 導 内 容
・年度当初の災害時の基本的な安全行動事項を踏ま
えた訓練…避難経路の確認、災害時・避難時の大切
にすることの確認、並び方・ペア学年の確認をする。
・集団行動の基本を学び、行動する。
・ペア学年のよい出会いとなるよう計画・実施していく。
・大津波を想定した素早い避難の仕方・ペア学年での
大成小への安全で、確実な避難訓練を行う。
・防災教育の保護者への啓発と理解を図り、ともに子ど
防災授業参観&防災講演会 もたちへの防災教育に取り組んでもらうよう働きかけ
各教科
る。
我が家の防災会議
・家族で、家の中の危険性を見つけ災害に備える取り
特活
組みを行う。
防災集会
・ゲストティーチャーを招いて、校区の災害の危険性、
身の守り方を学ぶ機会とする。
・水害にあった時あわてず命を守る泳ぎ方、浮き方を
体育
着衣水泳
体験を通して身につける。
・飯盒炊飯体験、非常食の朝食、自然体験など集団で
学校行事(総合)
野外キャンプ
の生活を自分たちで創りだしていく。
・災害時の子どもの引き渡しを保護者とともに実際に訓
引き渡し訓練
学校行事(特活)
練する。
・練習を重ねる中で、全校での集団行動、基本の運
運動会
動、基礎体力を身に着けていく。
10
学校行事(特活)
11
学校行事(特活)
避難訓練
全校かけ足運動
(修徳まつり・PTA行事)
12
特活
人権集会
1
学校行事(特活)
避難訓練
2
学校行事(特活)
6年生を送る会
3
学校行事(特活)
東日本大震災を語り継ぐ
・予告なし、かつ停電時の避難訓練で、状況に応じて
自分の身を守る行動を訓練する。
・持久力の基礎を育む。
・防災に関したコーナーを企画し防災意識を高める。
・お互いの違いを認め合い、助け合い支え合う心を育
てる。
・1年間のまとめとしての自ら考え身を守る力を試す訓
練を行う。
・6年生から5年生へ最高学年のバットンタッチを行う。
・1年間の成長をみんなで認め合い、次の学年への意
欲を高める。
・防災のリーダーであった6年生への感謝の気持ちを
表す。
・震災から3年、災害時の体験や学びを風化させない
ように振り返るとともに、自分たちの1年間の防災の学
び・行動を振り返り、次の年につなげる。
45
第 4 章 先進的な取組
平 成 25 年 度 避 難 訓 練 計 画
4月 ◇地 震 →津 波 ◇
・授 業 時 間 時 、緊 急 地 震 速 報 、震 度 5弱 の地 震 。避 難 経 路 ①を通 り、運 動 場 に避 難 (1次
避 難 )。
【避 難 経 路 ①、1 次 避 難 場 所 の並 び場 所 を確 認 する】
・大 津 波 警 報 発 生 、屋 上 へ避 難 (2次 避 難 )。
【ペア学 年 と安 全 に屋 上 へ避 難 】
5月 ◇地 震 →火 災 →津 波 ◇
・授 業 時 間 時 、緊 急 地 震 速 報 、震 度 5弱 の地 震 、火 災 発 生 。避 難 経 路 ②を通 り、運 動 場
に避 難 (1次 避 難 )。
【避 難 経 路 ②、火 災 の際 の避 難 方 法 を確 認 する。 1 次 避 難 場 所 に確 実 に並 ぶ】
・大 津 波 警 報 発 生 、大 成 小 学 校 へ避 難 (2次 避 難 )。
【ペア学 年 と素 早 く安 全 に大 成 小 へ避 難 】
6月 ◇台 風 →分 団 下 校 ◇
・大 雨 警 報 発 令 、分 団 ごとに教 室 に集 合 、集 団 下 校 。
【災 害 時 の分 団 下 校 の流 れを確 認 する】
7月 ◇不 審 者 ◇
・校 舎 内 への不 審 者 侵 入 時 の対 応 方 法 と児 童 への適 切 な指 示 について現 職 教 育 。
9月 ◇台 風 →引 き渡 し◇
・警 報 発 令 、下 校 の用 意 をして体 育 館 に集 合 。
【放 送 を聞 き10分 以 内 に集 合 】
・引 き渡 しカードを用 いて、保 護 者 に引 渡 し。 【児 童 保 護 者 の把 握 と、スムーズな引 渡 し】
10月 ◇休 み時 間 の地 震 →運 動 場 液 状 化 ・停 電 →津 波 ◇
・休 み時 間 、緊 急 地 震 速 報 、地 震 、運 動 場 液 状 化 、停 電 。教 室 に避 難 (1次 避 難 )。
【状 況 に合 わせて自 分 の身 を守 り、安 全 に避 難 する】
・大 津 波 警 報 発 生 、屋 上 へ避 難 (2次 避 難 )
【クラスごとに安 全 に屋 上 へ避 難 】
1月 ◇掃 除 時 間 の地 震 →停 電 ・所 在 不 明 児 童 発 生 ◇
・掃 除 時 間 、緊 急 地 震 速 報 、地 震 、停 電 。運 動 場 に避 難 。
【状 況 に合 わせて自 分 の身 を守 り、安 全 に避 難 する】
・所 在 不 明 児 童 が発 生 、教 職 員 は役 割 分 担 し捜 索 、救 助 。
【役 割 を明 確 にし、協 力 ・連 携 をスムーズにする】
46
【他県の取組】
<小 学 校 ①
学
年
3年
4年
鳥取県の取組>
時
間
図 画 工 作 or 総 合 的 な 学 習
「ペットボトルランタン作
り」
時
期
適時
時
数
2時間
目標
身近な材料(ペットボトル)を使ってランタンを作る活動を楽しみ
ながら、災害時に使える灯火についてどんなものがあるか考え、緊
急時等に工夫して生活する力をつけることができる。
資料・準備
2 L 角 型 ペ ッ ト ボ ト ル 、ろ う そ く (直 径 2 c m )、輪 ゴ ム 、カ ッ タ ー 、
はさみ、のり、油性サインペン、色セロハン、作り方説明書
展開
学習活動と内容
指導上の留意点
支 援 (○ )
1
災 害 に よ っ て 、電 気 が 使 え な く な っ た
場 合 、明 か り を と る に は ど ん な も の が あ
るか考える。
○ 懐 中 電 灯 等 が あ る が 、そ の 他 の
明 か り と し て 有 効 な も の に 、ろ
うそくがあることを知らせる。
2
ろ う そ く を 立 て て お く 容 器 と し て 、身
近にあるペットボトルを使ったペット
ボトルランタンを作る。
○ カ ッ タ ー や 火 を 扱 う の で 、危 険
がないよう注意しながら作業
をするよう指示する。
導
入
・作り方の説明を聞いて、とりかかる。
・彩色や飾り付けをする。
展
開
○班で協力して作業を進めさせ
る。
○手順の分からない児童に支援
する。
○ で き あ が っ た 児 童 は 、友 達 の 支
援をする。
ま
と
め
3
完成したペットボトルランタンを並
べて鑑賞する。
4
災 害 時 の 灯 火 と 、避 難 に 必 要 な も の に
ついて考える。
○ ラ ン タ ン を き っ か け と し て 、災
害避難時に必要なものについ
て考える。
●総合的な学習で扱った場合は、
次時以降の学習を進めるきっ
かけとする。
関連する
教科・領域等
協力団体
題材・指導案等
鳥取大学
平 成 2 3 年 度 鳥 取 型 防 災 教 育 モ デ ル 校 (大 山 町 立 大 山 西 小 学 校 )
の実践を参考に作成
47
第 4 章 先進的な取組
48
<小 学 校 ②
岩手県の取組>
【活動のねらい】
布 を用 いた身 の回 りの生 活 に役 立 つ物 として製 作 したナップザックや 、
家 庭 で使 わなくなった袋 ものを、防 災 袋 にリフォームし、非 常 時 の避 難 生
活 に必 要 な備 蓄 品 や持 ち出 すべきものを考 える。さらに 、製 作 した家 庭
用 防 災 袋 に備 蓄 品 を入 れて、実 際 の避 難 路 を歩 いて確 かめ、我 が家 の
非 常 時 の備 えを見 直 す。
□物 の使 い方 の工 夫 (不 要 品 の活 用 )□布 地 の有 効 な使 い方
□玉 結 び□返 しぬい□玉 どめ□アイロンの使 い方 と安 全 な取 り扱 い
□自 宅 (学 校 ・予 想 される遊 び場 など)からの避 難 路 の確 認
□地 域 で発 生 しやすい災 害 を予 測 する□安 全 ・安 心 な生 活 を考 える
<材料>
・ナップザックまたは、家 庭 で使 わなくなった袋 もの
・プリントできる布 <縫 い付 けタイプ>A4サイズコットン綿 100%
またはアイロン転 写 紙 (※)と綿 100%白 生 地 (綿 ブロード)21cm×30cm
・しつけ糸 、手 ぬい糸 、ミシン糸
<用具>
家 庭 用 インクジェットプリンター、紙 用 はさみ、
ものさし(竹 尺 )、チャコペン、たちばさみ、まち針
ミシン、手 ぬい針 (長 針 )、指 ぬき、糸 切 りばさみ
<避難路確認に必要な教材>
・ 1 .5 リ ッ ト ル 入 り の ペ ッ ト ボ ト ル 2 本
・バスタオル1枚、タオル2枚など衣料品
<家庭用防災袋のつくり方>
①プリントできる布 に防 災 袋 の表 示 を印 刷 する。
※アイロン転 写 紙 の場 合 は、白 生 地 をナップザック本 体 にぬいつけてから、プリントアウトした
シートをアイロンで転 写 する。
②防 災 袋 の表 示 の上 部 を三 つ折 りして 、ミシンでぬう。
③防 災 袋 の表 示 がポケットになるように 、両 端 →底 の順 番 に二 つ折 りにして、ナップザックに
まち針 でとめる。(必 要 に応 じてしつけをかける)
④防 災 袋 の表 示 の両 端 と底 を、ナップザックに本 返 しぬいでぬいとめる。
49
第 4 章 先進的な取組
50
<小 学 校 ③
千葉県の取組>
視点1
内容項目名・自律・責任(内容項目番号1-(3))
資料名
東日本大震災のある記事から
1
学習指導案
小学校高学年
道徳学習指導案
(1)主題名
自律・責任
(2)ねらい
東日本大震災の際に車からガソリンを抜き取る人々の新聞記事から、被災地
の人々が自ら考え、判断し、行動していることをとらえ、自律的で責任のある
行動をする態度を育てる。
(3)主題設定の理由
内容項目1-(3)は「自由を大切にし、自律的で責任のある行動をする」
ことをねらいとしている。自己のよりよい生き方を追求していくには、自由な
考 え や 行 動 が 大 切 で あ る 。し か し 、自 由 は 自 己 中 心 的 な 生 き 方 と は 区 別 さ れ る 。
自由な意思によって自ら考え、判断し、実践するという自律的な行動は、自ら
の判断に対する責任を伴う。
小学校高学年の児童は、活動範囲も広がり、自分の考えに基づいて行動しよ
う と す る 気 持 ち が 高 ま る 。し か し 、自 ら の 判 断 に 対 す る 責 任 を 意 識 し な い で「 自
由」を主張し、自分勝手なふるまいをすることが見られる。
この度の東日本大震災は、まさに「未曾有」ということばどおりの災害であ
った。平凡な日常がいかに幸せなことであるのかを、強烈に教えられた。今ま
で常識であったことが脆くも崩れた。
この授業では、津波で流されて瓦礫の中に横たわる車からガソリンを抜いて
い る 人 の ニ ュ ー ス (写 真 )を 資 料 と し て 扱 う こ と と す る 。
壊れて流されてきたとはいえ、他人の物である。平常時であれば許される行
為 と は 言 え な い 。と こ ろ が 、写 真 に 写 る 人 々 は 避 難 所 の 発 電 機 を 動 か し た く て 、
ガソリンを抜いていた。この行為は、許されることなのだろうか。このような
事実について授業の中で本音で語り合うことによって、道徳心についての考え
も深まっていくのである。
この写真及び新聞記事を資料として、自ら考え、判断し、実行するという自
律的で責任ある行動をする態度を育てたいと考え、本主題を設定した。
(4)展開
導入
学習活動と主な発問
道に乗り捨てられて
いる自転車の写真を見
て話し合う。
○この写真は何をしてい
るところですか。
1
5分
予想される反応
教師の支援
・乗 り 捨 て ら れ て い る
自転車を見た体験を
想起させ、児童の正
・人の 物を盗んで悪
義感を引き出す。
い。
・自 転 車 を 盗 ま れ た 経
・許せない。
験のある児童がいた
ら、その体験を語ら
せ、被害者の哀しみ
を強調する。
51
第 4 章 先進的な取組
展開
2
30分
今日の学習では東日
本大震災の際に人々は
どのように考え、どの
ように行動したかにつ
いて考えることを確認
する。
東日本大震災の際に人々はどのように考えどのように行動したか
を 考被
え災
よ地
うで
。ガ ソ リ ン を
3
盗っている人々の写真
を見て話し合う。
○この写真は横転してい
る車からガソリンを抜
き取っています。この
写真を見て、どんなこ
とを考えますか。
・ ガ ソ リ ン を 泥 棒 す ・子 ど も は 放 置 自 転 車
るのは酷い。
の話し合いから、こ
・誰の 車か分からな
の写真の行為を一方
くても盗むのは
的に非難する意見が
悪い。
続くだろう。子ども
・地震 につけ込 むの
は許せない。
の写真に対する思い
を十分に引き出す。
・震 災 に 伴 う ガ ソ リ ン
写真省略
不足、ガソリン盗難
の記事を示し、必要
4
写真の記事を読み、
立場を決めて話し合
う。
○新聞記事を範読する。
○車からガソリンを抜き
取ることをあなたはど
う考えますか。
○自転車の盗みと避難所
の盗みは、何が違うの
でしょう。
○同じ境遇にあったらど
うしますか。
に応じて子どもの思
いを強調する。
・A の 立 場 を と る 児 童
が 多 い だ ろ う 。指 導
A:人 のためなので
者 は 、意 図 的 に B の
正義の行為だ。
児童を支援する立
B:ど んな場合も盗
場 を と る こ と で 、話
むのは悪だ。
・二人対話・三人対
し合いを活性化す
る。
話というように、
小集団からの対
話 か ら は じ め 、全
体の話し合いへ
と広げていく
終末
10分
5
今日の学習を振り返
る。
○自分は避難所にいる人
たちに何ができるかを
考え、発表する。
・早 急 に 結 論 は 出 さ な
い。震災の中でこの
ように悩む人がいる
ことを忘れずに、今
後も考え続けてほし
いことを強調する。
52
(4 ) 他 の 教 育 活 動 と の 関 連
東日本大震災に関して語り継ぎ、児童とともに考えていく内容が数多くある。日
常の生活場面や児童の体験と結び付けて、道徳の内容項目に沿った資料化に取り組
みたい。
2
道徳教材(素材について)
対象
主題名
ねらい
学習活動
小学校高学年
自律・責任
東日本大震災の際に車からガソリンを抜き取る人々の新聞記事から、
被 災 地 の 人 々 が 自 ら 考 え 、判 断 し 、行 動 し て い る こ と を と ら え 、自 律
的で責任のある行動をする態度を育てる。
東日本大震災の際に車からガソリンを抜き取る人々の新聞記事から、
被 災 地 の 人 々 の 気 持 ち を 考 え 、自 ら の 立 場 を 決 め て 話 し 合 い 、自 律 的
な行動と責任について考える。
【素 材】
甚大な被害を受けた東北地方は16日、真冬並みの寒さに襲われ、被災地には
非情な雪が舞った。暖房と移動に必要な燃料不足が深刻化し、被災者はストーブ
の使用や車の移動も必要最低限に控えている状態で「とにかくガソリンをくれ」
と悲痛な声が上がっている。被災から6日目を迎えてなお、約43万人が避難所
に身を寄せており、死者・行方不明者は警察庁まとめで約1万2000人に上っ
ている。
ライフラインが途絶して孤立が続く宮城県南三陸町歌津地区では、横転した状
態で放置された車の前に4、5人の男性が集まり、ポンプでガソリンを抜き取っ
ていた。
50歳の男性は「泥棒みたいなことをしてためらいはあるが、子供やお年寄り
につらい思いをさせたくない。命のガソリンだ」とつぶやいた。
近隣から物資を集めて避難所へ運んだり、携帯電話が通じない中、遠方にある
町の対策本部に状況を伝える際など、車が必要だ。さらに、ガソリンで発電機を
動かし、暖を取るためのヒーターをつける。約500人の生活を支えるには1日
に約20リットルが使われており、男性らは朝から夕方まで作業をし、ポリタン
ク5個分(90リットル)を集めた。
住民の半数近く約7000人の安否が分かっていない岩手県大槌町では避難所
の弓道場で、約500人が毛布にくるまって凍えるような寒さに耐えた。灯油は
あと一晩分。節約のため、昼間はストーブをつけておらず、町職員は「とにかく
燃料が足りない。次はいつ届くのか」と訴えた。
福 島 第 一 原 発 に 近 い 福 島 県 南 相 馬 市 で は 、6 0 代 の 男 性 が「 で き れ ば 山 形 と か 、
もっと遠くに逃げたいがガソリンが尽きた」と苦しい胸の内を明かした。福島原
発の北50キロにある宮城県山元町では一時吹雪のようになった。車に寝泊まり
している会社員岩佐隆さん(42)はガソリン節約のためエンジンを切り、たき
火で暖を取り「雪に放射能が含まれているかもしれない」と不安そうに空を見上
げた。
日中の気温が0度だった宮城県仙台市でも50代の男性が「車のヒーターで暖
まっていたが、ガソリンがもったいないのでやめた」と車のエンジンを切った。
寒 さ の ほ か に イ ン フ ラ の 不 通 も 厳 し い 現 実 を 突 き つ け て い る 。あ る 被 災 者 は「 ト
イレの水が流れないので大便はみんなでビニール袋にして、避難所の近くの土に
埋めている。ビニール袋が不足している」と話した。
(3月17日付け スポーツ新聞)
53
第 4 章 先進的な取組
<中 学 校 ①
埼玉県の取組>
次の文章は、ある日の夕方、さいたま市
内に住む家族が、震度6 強の地震に襲われ
た場面を想定して書かれたものです。自分
が主人公になったつもりで読んでみましょ
う。
主人公:拓也(中学2 年)
家 族 : 誠 ( 父 40 歳 )
直 美 ( 母 37 歳 )
大 輝 ( 弟 11 歳 )
地 震 発 生 : 9 月 ×日 午 後 6 時 半
中学2年の拓也は、部 活動を終えて自宅に帰 ってきた。2階の自室 で着替えを
し、今日の夕食は何かなと考えていた。弟の大輝は、バスルームでシャワーを浴
びていた。キッチンにいた母の直美は、夕食のトンカツを揚げながら、盛りつけ
る皿を取ろうと食器棚 を開けた。父の誠は、職場から帰宅し自宅の 玄関に入ろう
としたところだった。
そ の 時 ! ド ー ン と い う 衝 撃 に 続 い て グ ラ グ ラ と 家 全 体 が 横 に 大 き く 揺 れ た 。拓
也は、立っていることができず、すぐに机の下に潜り込んだ。テレビやミニコン
ポが飛んできて目の前で壁にぶつかった。パチッという音とともに電気が消え、
一瞬目の前が真っ暗になった。小物の破片が飛んできたのか腕にケガをした。
シャワーを浴びていた大輝(弟)は、バスタブの縁につかまって揺れに耐えて
いた。浴槽のお湯が大 きな波のようにうねり 、棚からシャンプーや リンスのボト
ルが落ちて頭に当たった。浴室の明かりが消え、大変な恐怖感があったが、浴室
は意外に頑丈なのかケガをすることはなかった。
直美(母)は、シンク(流し)の縁に叩きつけられた。天ぷら鍋が床に落ち、
熱い油が足下に飛び散 ったが、スリッパを履 いていたので、大やけ どはまぬがれ
た。マイコンメーター が作動しガスは自動的 に止まって火は消えて いる。食器棚
が 開 き 床 に 落 ち た 食 器 の 破 片 で 体 の 至 る と こ ろ に 傷 を 負 っ た 。揺 れ が お さ ま っ て
から、何とかガスの元栓は閉めた。
54
リビングには誰もいなかったが、つり下げ照明が落下してテーブルの上で割
れ 、破 片 が 飛 び 散 っ た 。大 型 テ レ ビ は コ ー ド を 引 き ち ぎ っ て 弾 む よ う に テ ー ブ ル
に激突した。電話やパソコンなど、棚の上にあったものは全て落ちている。
そ の 他 の 部 屋 で も ク ロ ー ゼ ッ ト は 戸 が 開 き 、押 し 入 れ は ふ す ま が は ず れ て 中 身
が散乱している。寝室の重いタンスは壁に固定してあったので、倒れなかった。
誠( 父 )は 、大 き な 揺 れ を 感 じ 、そ の 場 に し ゃ が み 込 ん だ 。振 り 返 る と ブ ロ ッ
ク 塀 が 崩 れ 、大 き な 音 を 立 て て 近 く の 古 い 木 造 住 宅 が 倒 れ る の が 見 え た 。街 灯 は
消 え た が 、日 没 直 後 で 真 っ 暗 で は な い の で 、何 と か 周 り の 状 況 が わ か る 。揺 れ が
おさまるのを待って、自宅の玄関のドアを引いた。いつもより抵抗があったが、
何とか開けることができた。
「 み ん な 大 丈 夫 か ! 」。誠 は 、玄 関 に 入 っ て 声 を か け た 。全 員 か ら 返 事 が あ っ
た が 、停 電 し た 室 内 は う す 暗 い 。下 足 箱 の 上 に 置 い て い た 懐 中 電 灯 は 、玄 関 に 叩
き つ け ら れ 壊 れ て い た 。「 み ん な 動 く な よ ! 」と 言 っ て 、誠 は 玄 関 に あ っ た 靴 を
適当につかみ、土足のままあがりこんで、大輝に靴を放り投げた。
誠はキッチンの直美に声をかけた。腰を強く打ったらしく一人で動けないの
で 、直 美 を 抱 え る よ う に し て 玄 関 か ら 外 に 出 た 。拓 也 は ラ イ ト 付 き の ラ ジ オ を 見
つ け て 2 階 か ら 降 り て き た 。ラ ジ オ を つ け る と さ い た ま 市 内 で 震 度 6 強 が 観 測 さ
れ 、余 震 に 注 意 す る よ う に と 、繰 り 返 し 放 送 さ れ て い る 。こ の ま ま 家 の 中 に 留 ま
る よ り 、い っ た ん 近 く の 広 場 に 避 難 し た 方 が よ い と 判 断 し た 誠 は 、「 大 輝 は 母 さ
ん を 連 れ て 広 場 で 待 っ て い ろ ! 」、「 拓 也 は 玄 関 に あ る 非 常 持 ち 出 し 袋 を 持 っ て
こい!」と指示を出した。
隣 の 佐 藤 さ ん 一 家 も 外 に 出 て き た 。全 員 無 事 の よ う だ 。拓 也 が 非 常 持 ち 出 し 袋
を 持 っ て 外 に 出 る と 、誠 か ら 、中 に あ る 救 急 セ ッ ト で 広 場 に い る 母 の 手 当 を す る
よ う に 言 わ れ た 。誠 は 佐 藤 さ ん と 協 力 し て 隣 近 所 に 声 を か け て 回 り な が ら 、も し
火が出たらどうしたらよいか考えた。
チャレンジ
● 登 場 人 物 に ど の よ う な 危 険 が 生 じ た か 、わ か る 部 分 に 下 線 を 引 い て み ま し ょ う 。
●登場人物はどのように身を守ったか、わかる部分に下線を引いてみましょう。
55
第 4 章 先進的な取組
<中 学 校 ②
埼玉県の取組>
下の文章は、阪神・淡路大震災で被災した方が書いたものです。被災者の気持ち
を考えながら読んでみましょう。
ボランティア活動から学ぶ(高校1年女性)※
通学路が燃え、学校の周辺も燃え、神戸のあちこちで火災が発生し、多くの人
が亡くなって、家を失って避難し困っている人が大勢いる。それを知ると、少し
でも手助けをしたいと思ってボランティアに参加しようと思いました。でも混雑
しているのでことわられてしまい、それからは、家に避難してきたいとこや叔父
や叔母の手伝いなどをする毎日でした。
最近やっと落ちついてから、母が病院に行ってお世話するボランティアに行く
よ う に な っ た の で 、私 も 2 回 だ け だ け れ ど 母 に つ い て ボ ラ ン テ ィ ア に 行 き ま し た 。
いつもなら患者さんの体をふいてあげたりするんだけど、その日は初めて訪問看
護の日で私は母と看護婦さんと3人で小学校に避難しているおばあさんの所に行
きました。
寝たきりでお風呂に入ることができないので体をふいてあげたり、頭を洗って
あげたり、一緒に歌を歌ったりしました。そのたびにとても喜んでくれて本当の
おばあちゃんみたいでした。2回目に行った時、私の事はおぼえていなかったけ
ど、折り紙を折ったり、話したりしているとずっと一緒にいたいと思いました。
看護が終わるとおばあちゃんは「由美ちゃん」と言ってくれて、「学校はじま
ったらもうこられないんやろ」と泣きながら言ってくれたので、すごくうれしか
ったです。ボランティアに行くのは曜日と時間が決まっているので、学校がはじ
まると行けないけど学校が休みの日とかは絶対にもう1回おばあちゃんに会いに
行きたいです。
私はボランティアとは人のために人を喜ばせて、手助けする事だと思っていた
けれど、今回は逆に、色々な事を学んで、自分もうれしくて喜ぶ事がたくさんあ
り、行って良かったと思います。地震からだいぶたって、まだ完全に普通の生活
に 戻 っ て は い な い け ど 、元 の 神 戸 に 戻 れ る よ う に 少 し で も 、手 助 け が し た い で す 。
※「阪神大震災を記録しつづける会」ホームページから引用
http://www.npo.co.jp/hanshin/1book/1 -161.html
チャレンジ
●被 災 地 ではどのような支 援 が望 まれているのか考 えてみましょう。
にはどのようなものがあるか考
えてみましょ う 。
●●中
災学
害生時にできるボランティア活
の ボ ラ ン テ ィ ア動活
動
56
大 地 震 な ど の 災 害 が 発 生 し た と き に は 、生 活 の 基 盤 が 一 瞬 に し て 破 壊 さ れ る た め 、
ありとあらゆる分野で被災者への支援が必要となります。行政だけで対応すること
が難しい場合であっても、様々な分野のボランティア活動が被災者の生活の大きな
手助けになります。
<ボランティア活動の例>
●負傷した人の応急手当
●救援物資の荷下ろし、仕分け、配布
●避難所の清掃
●お年寄りや体の不自由な人の介助
●日本語がわからない人への通訳他
●ボランティア活動に必要な心構え
ボランティア活動を行う場合には、次のような心構えが必要です。自分自身の責
任と判断で、できることからはじめてみましょう。
●災害時の活動は、平常時以上にボランティアとしての自主性が求められます。飲
料水、食糧、医薬品、寝袋など必要なものは自ら用意し、被災地に負担をかけな
いようにする必要があります。
●自ら被災地の状況を把握してから行動を開始してください。
●被災した市町村にはボランティアセンターが設置されます。ボランティアセンタ
ー の 窓 口 で 、ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 に 従 事 す る 旨 を 申 し 出 て く だ さ い 。(窓 口 で 、住 所 、
氏名、申出日、活動予定期間等を所定の用紙に記入していただきます。)
●被災地で体調を崩すことのないよう、健康管理に十分注意しましょう。
●ほかのボランティア、自主防災組織、防災関係機関と連携し、被災者の気持ちや
被災地の状況を考え活動しましょう。
●予定の期間が過ぎたら、活動を終了し帰宅しましょう。
57
第5章
防災Q&A と 用語集
日頃、防災について疑問に思うことはありませんか。また、何と
なく分かってはいるけど、はっきりとは・・・ということもありま
せんか。
第 5 章では、様々な状況下における防災教育のポイントをQ&A
という形にまとめ、さらに知っておきたい防災に関する言葉を用語
集にしました。
Q&Aと用語集の答えについては、津地方気象台、木曽川下流河
川事務所、桑名市消防本部の方々にご協力いただきました。各学校
で、しっかりと吟味し、参考にしていただきたいと思います。
【防災Q&A】
○ポイント
○気象に関すること
○地震に関すること
○非常持ち出し袋について
○防災教育のあり方について
○教師がもっておきたい意識について
【用語集】
防災Q&A
【ポイント】
Q1
緊急時の対応マニュアルを考える際の大原則は何ですか?
A1
常に想定外があることを認識しておくことが必要です。
まず生命を守ることが第一です。
【気象に関わること】
Q2
児童・生徒が下校する時間になりました。しかし、大雨警報が出ている状態
で、かなり激しい雨が降っています。
今 後 、 30 分 ~ 1 時 間 程 度 、 雨 は お さ ま り そ う に あ り ま せ ん 。
学校としての下校判断のポイントは、何かありますか?
A2
Q3
しばらく雨の降り方の様子を見てください。
か な り 激 し い 雨 で の 外 出 は 危 険 で す 。過 去 に は 子 ど も が 側 溝 に 流
さ れ た 例 も あ り ま す 。参 考 に 気 象 庁 H P( 携 帯 電 話 で も 閲 覧 が 可 能 )
のレーダー・ナウキャスト等を利用してください。
特に出水期(6 月~9 月)は、かなり発達した積乱雲の通過によ
り、竜巻が発生することもあります。
下 校 に つ い て は 大 雨 注 意 報 の 解 除 が 基 本 で す が 、レ ー ダ ー の 動 き
を 見 て 、強 い 雨 の 降 っ て い る と こ ろ が 通 学 路 か ら 遠 ざ か り 安 全 が 確
保 さ れ れ ば 下 校 も 出 来 ま す 。し か し 、土 砂 崩 れ や 側 溝 が 溢 れ る 等 の
危険がありますのでそのような場所には近づかないよう指導しま
しょう。
幼小中学校で災害時に子ども達を下校させる際に、暴風警報の発令を待って
下校させますが、むしろ、その前の注意報の時に下校させる方が安全である場
合が多いと思います。
そういった場合の、各学校や市町の判断材料はどんなことがありますか?
A3
台風の動向に注意するとともに、暴風警報や三重県気象情報の内
容を確認しましょう。どちらも津地方気象台のHPで内容を見るこ
とができます。暴風警報や三重県気象情報には警戒すべきことや警
戒すべき時間帯が記述されています。わからないことがありました
ら気象台へ電話でお問い合わせください。
なお、気象台では暴風警報を発表する場合は、発表基準に達する
までの余裕時間を考慮して発表します。したがって、暴風警報が出
たからすぐに暴風となるとは限りません。また、暴風警報は主に台
風接近時に発表しますが、まれに急速に発達する低気圧が通過する
場合に発表することもあります。
58
第 5 章 防災Q&Aと用語集
Q4
教師のつかない登下校中の大雨や強風(警報が出るような)の場合、子ども
たちは、どのようなことに気をつけたらいいですか?
A4
大雨の場合
川のそばに近寄らない。
土砂災害危険地域に近寄らない。
強風の場合
窓のそばに近寄らない。
風で飛んでくるものに気をつける。
Q5
冠水した道路の徒歩は避ける。
市町からの避難指示に従う。
海には近寄らない。
等
傘をさしての下校は困難であることがわかりやすい雨量の捉え方はあります
か?
A5
雨量だけでなく、風の状況にも注意が必要です。
一 般 的 に 雨 の 強 さ で 1 時 間 に 50mm 降 っ た り 、 風 の 強 さ で 風 速
10m 以 上 に な っ た り す る と 、 傘 が 役 に 立 た な い 状 態 に な り ま す 。
以下の表を参考にしてください。
(表)雨の強さと降り方
(気 象 庁 ホームページ http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kazehyo.html )
59
(表)風の強さと吹き方
(気 象 庁 ホームページ http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kazehyo.html )
Q6
高潮と津波は、どう違いますか?
A 6 高 潮 と 津 波 は あ ま り 比 較 し ま せ ん 。一 般 的 に は 波 浪 と 津 波 を 比 較 し
ます。
海域で吹いている風によって生じる波浪は海面付近の現象で、波長
( 波 の 山 か ら 山 、ま た は 谷 か ら 谷 の 長 さ )は 数 メ ー ト ル ~ 数 百 メ ー ト ル
程 度 で す 。津 波 の 波 長 は 数 キ ロ か ら 数 百 キ ロ メ ー ト ル と 非 常 に 長 く 、こ
れ は 海 底 か ら 海 面 ま で の す べ て の 海 水 が 、巨 大 な 水 の 塊 と な っ て 沿 岸 に
押し寄せることを意味します。
こ の た め 津 波 は 勢 い が 衰 え ず に 連 続 し て 押 し 寄 せ 、沿 岸 で の 津 波 の 高
さ 以 上 の 標 高 ま で 駆 け 上 が り ま す 。し か も 、浅 い 海 岸 付 近 に 来 る と 波 の
高 さ が 急 激 に 高 く な る 特 徴 が あ り ま す 。ま た 、津 波 が 引 く 場 合 も 強 い 力
で 長 時 間 に わ た り 引 き 続 け る た め 、破 壊 し た 家 屋 な ど の 漂 流 物 を 一 気 に
海中に引き込みます。
Q7
台風が東海地方に上陸する恐れがある場合、子どもが一番気をつけなければ
ならないことは何ですか?(自宅にいる場合と学校にいる場合)
A7
Q4 の注意事項を守りましょう
自宅・・・テレビ等で台風の動向や気象台から発表される警報、注
意報に注意しましょう。
学校・・・先生の指示に従いましょう。
60
第 5 章 防災Q&Aと用語集
Q8
台風の進路(予報円)は、どのように予想されているのですか?
A8
Q9
なぜ、台風の東側(右側)がより大きな被害をもたらせるのですか?
A9
Q 10
現在は数値予報をもとに、台風の進路の予想を行います。
な お 、 台 風 の 中 心 が 予 報 円 に 入 る 確 率 は 70% で す 。
基 本 的 に は 台 風 の 東 側 で は 、台 風 自 体 の 風 速 と 台 風 の 移 動 速 度 が 加
わって強風となります。
このため被害が大きくなります。
なお、その時の気象条件や地形によっては 、中心の左側も風が強く
なる場合があります。
台風が近づいてきた時に、川の近くに住んでいる人が気をつけることは何で
すか?
A 10
Q 11
台風は熱帯生まれで、沢山の水蒸気を含んでいます。このため、
大雨を降らせ河川を増水させます。
川の近くに住んでいる方は、堤防が危険になる場合があります。
川の水位が高くなって危険になってからでは台風による風等で避
難ができなくなるので、早めの避難をして下さい。
大きな河川ではその川に対し洪水警報、注意報を発表します。い
つでも避難できる態勢をとっておきましょう。
竜巻注意情報が発令中の場合、下校は見合わせるのですか?
また、引き取りに来てもらう場合は、注意情報が解除されてからの方がよい
のですか?
A 11
三重県内に竜巻注意情報が発表された場合は、今の技術では特定
の地域を予測するのは困難です。竜巻はごく小さな範囲で発生しま
す。このため天候状況に気をつけてください。
なお、気象庁HP(携帯電話でも閲覧が可能)のレーダー・ナウ
キャスト等、こちらも随時利用してください。
また、近くに確度の高い予想がされていれば、頑丈な建物に逃げ
るなど身の安全を確保してください。
61
Q 12
竜巻が学校の近くで発生しました。
学校はどのような対応をとったらよいでしょうか?
A 12
Q 13
地球温暖化と気象は関係しているのですか?
A 13
Q 14
窓 の そ ば か ら す ぐ 離 れ て く だ さ い 。頑 丈 な 場 所 に 逃 げ て 身 の 安 全 を
確 保 し て く だ さ い 。外 に い る 人 は 直 ぐ に 建 物 の 中 に 入 り 安 全 確 保 を し
てください。
ち な み に 米 国 で は 地 下( シ ェ ル タ ー )に 逃 げ ま す が 、日 本 は あ り ま
せ ん 。日 本 で 起 き た 竜 巻 災 害 か ら 見 る と 頑 丈 な 場 所 に 逃 げ る こ と が 被
害 を 最 小 に 食 い 止 め る 手 段 か も し れ ま せ ん 。ま た 、窓 の 少 な い 体 育 館
のステージも避難に適した場所です。
地球温暖化による気温の上昇にともなって、熱帯夜(夜間の最低
気 温 が 25℃ 以 上 の 夜 ) や 猛 暑 日 ( 1 日 の 最 高 気 温 が 35℃ 以 上 の 日 )
が 増 え 、冬 日( 1 日 の 最 低 気 温 が 0℃ 未 満 の 日 )は 少 な く な っ て い ま
す。
1 日 に 降 る 雨 の 量 が 100m m 以 上 と い う よ う な 大 雨 の 日 数 は 、長 期
的に増える傾向にあり、地球温暖化が影響している可能性がありま
す。
土砂災害が起こる可能性がある兆候にはどのようなことがありますか?
A 14
・川の流れが濁り、流木が混ざり始める。
・雨が降り続いているのに川の水位が下がる。
・小石がパラパラ落ちてくる。
・沢や井戸の水がにごる。
・地面にひび割れができる。
・斜面から水がふきだす。
・山鳴りがする。
等
(出典:国土交通省ホームページより)
Q 15
風向・風速は、どのように測りますか?
風
向
尾
翼
プロペラ
A 15
「 風 車 型 風 向 風 速 計 」と い う 機
械で測ります。
尾翼が風を受けて風の吹い
て く る 方 向 を 向 き 、風 向 を 測 り
ます。
プロペラが風を受けて回転
し 、一 定 時 間 の 回 転 数 で 風 速 を
測 り ま す 。( 左 の 写 真 参 照 )
(写 真 : 津 地 方 気 象 台 提 供 )
62
第 5 章 防災Q&Aと用語集
Q 16
気圧は、どのように測りますか?
A 16
「電気式気圧計」という機械で測ります。
写真の白い箱の中に、気圧によって変形する部品が入っています。
この変形を、電気的な信号に変えて気圧を測ります。
(下の写真、図参照)
(写 真 、図 :津 地 方 気 象 台 提 供 )
Q 17
気温は、どのように測りますか?
A 17
「電気式温度計」という機械で測ります。
金 属( 誤 差 の 少 な い 白 金 を 用 い ま す )の 電 流 の 流 れ に く さ( 電 気 抵 抗 )
が温度によって変わることを利用して、気温を測ります。通風筒とい
う 容 器 の な か に 入 れ て 測 り ま す 。( 下 の 写 真 参 照 )
(写 真 :津 地 方 気 象 台 提 供 )
通風筒
63
Q 18
降水量は、どのように測りますか?
A 18
「転倒ます型雨量
計」という機械で
測ります。
転倒ますが1回
傾 く と 0.5 ミ リ の
降水量となりま
す。
(左の写真参照)
(写 真 :津 地 方 気 象 台 提 供 )
Q 19
特別警報が発表されたら、どうすればよいですか?
A 19
特別警報は警報の発表基準をはるかに超える豪雨や大津波等が予
想 さ れ 、重 大 な 災 害 の 危 険 性 が 著 し く 高 ま っ て い る 場 合 に 発 表 さ れ ま
す。
・経験したことのないような異常な現象が起きそうな状況ですの
で、ただちに命を守る行動をとってください。
・こ の 数 十 年 間 災 害 の 経 験 が 無 い 地 域 で も 、災 害 の 可 能 性 が 高 ま っ
ています。油断しないでください。
64
第 5 章 防災Q&Aと用語集
【地震に関すること】
Q 20
下校途中(自宅と学校のちょうど真ん中あたり)で大きな地震が起こりまし
た。地震がおさまった後、子どもたちは、どのように行動したらよいですか?
A 20
・海の近くにいる場合は、津波に注意する 。高いところへ避難する 。
・土地が低い地域では公園かグラウンドへ逃げる。
・ 近 く の 避 難 所 へ 行 く 。( 避 難 所 は 前 も っ て 調 べ て お く )
・大きな地震で、建物やブロック塀がこわれやすくなったり、がけ
崩れが発生しやすくなったりしているので注意する。また、その
ような場所に近づかない。
・余震に注意する。
Q 21
大きな地震が起きると、電話は不通になることが考えられます。その時、保
護者に連絡を取り合うためにはどうしたらいいですか?
A 21
・電話よりメールの方が、連絡が取りやすくなります。ただし、相手
に届くのが大幅に遅れる可能性があります。
・電話が不通になることを想定し、あらかじめ他の連絡方法を検討し
ておきましょう。
171 安 否 確 認 サ ー ビ ス の 利 用 、事 前 に 集 合 場 所 を 決 め て お く こ と 等 。
Q 22 大 き な 地 震 が 起 き ま し た 。 子 ど も が 一 番 気 を つ け な け れ ば い け な い こ と は 何
ですか?(自宅の場合と学校にいる場合)
A 22
基本はどちらの場合も同じ。
・揺れが大きいうちは机の下へもぐり、頭を守る。
・天井や棚の上から落ちてくる物や窓ガラスに注意する。
・海に近い場所は津波に注意する。
・揺れがおさまったら安全な場所へ避難する。
自宅の場合は普段の対策が重要。
・家具の耐震固定をする。
・食器棚等の扉の留め金具を取りつける。
・逃げ道となるドアをふさぐような場所へ家具等、倒れやすいもの
を置かない。
65
Q 23
土 地 の 低 く な い 学 校 も 、第 2・3 次 避 難 場 所 を 考 え て お く 必 要 が あ り ま す か ?
A 23
Q 24
裏山の崖崩れや、高いところでの浸水等、災害は様々です。考え
られる災害に備えることが必要です。
「絶対安全」というものはなく想定外もあるので、考えておくと
よいでしょう。
下校途中に考えられる危険個所には、どのような場所がありますか?
A 24
・落ちてきそうな物がある所
(屋根の瓦、ビルの窓ガラス、電線等)
・倒れてきそうな物がある所
(ブロック塀、自動販売機等)
・道をふさぎそうな物がある所
(自転車、店の立て看板等)
・海岸付近
(津波の危険)
※細かい部分は実際に街を歩いて、目で見て
確認してください。
(文部科学省パンフレット 『地震を知ろう』より)
Q 25
今後、避難訓練をしていく上で、どのようなことを想定し訓練を行う必要が
ありますか?
A 25
物 が 落 ち て こ な い こ と 、動 い て こ な い こ と 、倒 れ て こ な い こ と を 子
ども自らが判断して行動できるような訓練が必要です。
さらに、火災、揺れ、津波を想定しましょう。
ま た 、訓 練 を と お し て 、避 難 方 法 の 不 備 を 改 善 し て い く こ と も 目 的
の一つです。
Q 26
地震は突然起こりますが、学校以外で起こった時、逃げるか、その場所に留
まるかの判断基準を挙げるとしたら、どのような基準が挙げられますか?
また、大切なことは何ですか?
A 26
・判 断 は そ の 時 の 状 況 で 変 わ る の で 、普 段 か ら 、い ろ い ろ な 場 面 を 想
定して、どのような行動をとったらよいかを考えておきましょう。
・テレビ、ラジオで被害状況を入手しましょう。
・大 切 な こ と は 、
「落ち着くこと」
「 物 が 落 ち て こ な い 、動 い て こ な い 、
倒れてこない場所に身を寄せること」です。
66
第 5 章 防災Q&Aと用語集
Q 27
大きな地震が来るのは間違いないとか大きな津波が来るとかをニュースで見
ました。すごく心配で怖いです。
どうしたらいいですか?
A 27
地震の発生を止めることはできません 。普段、できることから、備
えをしておきましょう。地震が起きた時にどうするかを考えておき、
訓練しておくことが大事です。
【非常持ち出し袋について】
Q 28
家 庭 用 の 非 常 持 ち 出 し 袋 の 中 に は 、何 を 最 低 限 入 れ て お く と よ い で し ょ う か 。
また、どこに置いていくとよいでしょうか?
A 28
・入れておく物:水、食糧、ゼリー飲料、ラジオ、小型ペンライト、笛
ティッシュ、バンダナ、乾電池 等
・置き場所
:玄関や裏口等
参 照:三 重 県 教 育 委 員 会 『 防 災 ノ ー ト( 高 学 年 版 )』
Q 29
災害が起きた時、こんな物が万能に使えるという物はありますか?
A 29
万能ツールナイフです。
67
【防災教育のあり方について】
Q 30
今後、どのような防災教育を進めていく必要があると考えますか?
A 30
・授業において、ハザードマップ等の活用や避難する場所、災害発
生時の備え等について考えていくこと。
・地震だけではなく、毎年来る可能性のある洪水や高潮についても
勉強すること。
・子どもが、自ら危険を察知し、身を守る行動が
できるような知識と判断力を養うこと。
・自然災害の恐ろしさを伝えること。
Q 31
『 釜 石 の 奇 跡 』に 見 ら れ る よ う な 子 ど も た ち の 自 主 防 災 意 識 は 、ど こ か ら 生
まれてくるのでしょうか?
A 31
日 頃 か ら 、勉 強 や 訓 練 を す る こ と で 自 主 的 な 行 動 が と れ る よ う に な
ったと考えます。
普段の授業から、災害時に自分の命を守るため最善を尽くすよう
に、できるまで訓練しておきましょう。
【教師がもっておきたい意識】
Q 32
避難所として学校を開放する時に、気をつけることは何ですか?
A 32
Q 33
施設開放区域の明示・避難者誘導です。
学校そのものは安全か、地震によって壊れて
いないか確認しましょう。
地下街等にいる時に災害が起きたらどのように行動したらよいですか?
A 33
安全を確認しながら地上に出ましょう。
火災がなければ比較的安全なので落ち着いて行動しましょう。
68
第 5 章 防災Q&Aと用語集
用
語
集
(あいうえお順 )
あ~お
【アメダス】
・地 域 気 象 観 測 システム(Automated Meteorological Data Acquisition System )の略
称 ( AMeDAS )。 雨 、風 、雪 などの気 象 状 況 を時 間 的 、地 域 的 に細 かく監 視 するため
に、降 水 量 、風 向 ・風 速 、気 温 、日 照 時 間 の観 測 を自 動 的 に 行 っている。
【大 雨 警 報 ・注 意 報 】
・大 雨 警 報 :大 雨 による重 大 な災 害 が発 生 する恐 れ があると予 想 した時 に発 表 される。
・大 雨 注 意 報 :大 雨 による災 害 が発 生 する恐 れ があると予 想 した時 に発 表 される。
【大 津 波 警 報 ・津 波 警 報 ・注 意 報 】
(気 象 庁 ホームページ http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/index_tsunamiinfo.html )
種類
大津波
警報
津波警
報
発表基準
予 想 される津 波 の
高 さが 高 いとこ ろで
3mを超 える場 合 。
予 想 される津 波 の
高 さが 高 いとこ ろで
1mを超 え、3m以
下 の場 合 。
発 表 される津 波 の高 さ
巨大地
数 値 での発 表
震 の場
(津 波 の高 さ予 想 の区 分 ) 合 の 発
表
10m超
(10m<予 想 高 さ)
10m
(5m<予 想 高 さ≦10m)
巨大
5m
(3m<予 想 高 さ≦5m)
3m
(1m<予 想 高 さ≦3m)
69
高い
想 定 される被 害 と
取 るべき行 動
木 造 家 屋 が全 壊 ・
流 失 し、人 は津 波
による流 れに巻 き
込 まれます。
沿 岸 部 や川 沿 い
にいる人 は、ただ
ちに高 台 や避 難 ビ
ル など 安 全 な場 所
へ避 難 してくださ
い。
標 高 の低 いところ
では津 波 が襲 い、
浸 水 被 害 が発 生
します。人 は津 波
による流 れに巻 き
込 まれます。
沿 岸 部 や川 沿 い
にいる人 は、ただ
ちに高 台 や避 難 ビ
ル など 安 全 な場 所
へ避 難 してくださ
い。
津波
注意報
予 想 される津 波 の
高 さが 高 いとこ ろで
0.2m以 上 、1m
以 下 の場 合 であっ
て、津 波 による災
害 のおそれがある
場合。
1m
(0.2m≦予 想 高 さ≦1m)
(表 記
しない)
海 の中 では人 は
速 い流 れに 巻 き込
まれ、また、養 殖
いかだが流 失 し小
型 船 舶 が 転 覆 しま
す。
海 の 中 に いる 人 は
ただちに海 から上
がって、海 岸 から
離 れてください。
か~こ
【河 川 敷 】
・ 通 常 (洪 水 でない時 ) 、川 の 水 が 流 れ てい る部 分 より 一 段 高 く 、洪 水 の時 には 水 が 流
れるところ。グランドや公 園 等 、様 々な形 で利 用 される。
【冠 水 】
・洪 水 等 で田 畑 や作 物 が水 をかぶること。
【干 潮 】
→「満 潮 ・干 潮 」の語 句 として、 ま~も の欄 にあります。
【気 象 情 報 】
・警 報 や注 意 報 に先 立 って 注 意 を呼 びかけたり、警 報 や注 意 報 の内 容 を補 完 するため
に発 表 する。また、少 雨 や長 雨 等 に関 する情 報 も、気 象 情 報 として発 表 される 。
【緊 急 地 震 速 報 】
・ 地 震 の 発 生 直 後 に 、各 地 での 強 い揺 れ の 到 達 時 刻 や 震 度 を 予 想 し、 可 能 な 限 り 素
早 く知 らせる情 報 。
【警 報 】
・大 雨 や強 風 等 の気 象 現 象 によって重 大 な災 害 が起 こる 恐 れのある時 に警 告 して行 う
予報。
【高 温 注 意 情 報 】
・都 道 府 県 を対 象 に 、翌 日 又 は 当 日 の最 高 気 温 が概 ね 35℃( ※1)以 上 になることが
予 想 される場 合 に「高 温 注 意 情 報 」が発 表 され、熱 中 症 への注 意 を呼 びかけられる 。
【洪 水 】
・大 雨 や雪 解 け等 によって、河 川 流 量 が普 段 より増 水 したり 氾 濫 したりすること。
・河 川 の水 位 や流 量 が異 常 に増 大 することに より、平 常 の河 道 から河 川 敷 内 に水 があ
ふれること及 び破 堤 または、堤 防 からの溢 水 が起 こり、河 川 敷 の外 側 に水 があふれる
こと。
70
第 5 章 防災Q&Aと用語集
さ~そ
【最 大 瞬 間 風 速 】
・風 速 計 の測 定 値 (0.25 秒 間 隔 )を 3 秒 間 平 均 した値 (測 定 値 12 個 の平 均 値 )を瞬 間
風 速 といい、その中 の最 大 値 。
【浸 水 】
・住 居 等 が水 に浸 ること。
・ものが水 に浸 ったり、水 に浸 かること。
【前 線 】
・ 寒 気 団 と暖 気 団 との境 界 線 で、風 向 、風 速 の 変 化 や降 水 を伴 っ ている ことが 多 い。
前 線 はその動 きと構 造 によって温 暖 、寒 冷 、閉 塞 、停 滞 の4種 類 に分 けられる。
た~と
【台 風 】
・北 西 太 平 洋 に存 在 する熱 帯 低 気 圧 のうち、低 気 圧 域 内 の最 大 風 速 がおよそ 17m/s
(34 ノット、風 力 8)以 上 のもの。
【高 潮 】
・ 台 風 や 発 達 した 低 気 圧 によ り波 浪 (高 波 や うね り) が発 生 して、海 面 の 高 さが いつ も
より異 常 に高 くなる現 象 。
【高 潮 警 報 】
・高 潮 により重 大 な災 害 が発 生 する恐 れがあると予 想 した時 に発 表 される。
【高 潮 注 意 報 】
・高 潮 により災 害 が発 生 する恐 れがあると予 想 した時 に発 表 される。
【高 潮 堤 防 】
・ 台 風 等 に よ る 高 潮 の 被 害 を 防 ぐ 堤 防 。 一 般 的 に は 高 潮 時 の 波 が 堤 防 を越 えても 、
破 堤 しないようコンクリート等 で覆 われた構 造 となっている。
【竜 巻 】
・ 積 雲 や 積 乱 雲 に 伴 っ て発 生 す る 鉛 直 軸 を 持 つ 激 し い渦 巻 で 、ろ う と 状 また は 柱 状 の
雲 を伴 うことがある。地 上 では、収 束 性 で回 転 性 の突 風 や気 圧 の急 下 降 が観 測 され、
被 害 域 は帯 状 ・線 状 となることが多 い。
【竜 巻 注 意 情 報 】
・ 「 今 まさに 竜 巻 等 の 激 しい 突 風 の 発 生 し や す い気 象 状 況 に なっ ている 」 と判 断 した 場
合 に発 表 する情 報 。
・ 竜 巻 注 意 情 報 は 、積 乱 雲 の 下 で 発 生 す る 竜 巻 、 ダウ ン バ ー スト 等 に よ る 激 しい 突 風
に対 して注 意 を呼 びかける気 象 情 報 で、雷 注 意 報 を補 足 する情 報 として発 表 される。
【ダウンバースト】
・ 積 雲 や 積 乱 雲 か ら 生 じる 強 い下 降 流 で、地 面 に 衝 突 し周 囲 に 吹 き出 す 突 風 であ る 。
地 上 では、発 散 性 の突 風 やしばしば強 雨 ・ひょうを伴 う。被 害 域 は、円 または楕 円 とな
71
ることが多 い。
【注 意 報 】
・大 雨 や強 風 等 の気 象 現 象 によって災 害 が起 こる 恐 れのある時 に注 意 を呼 びかけて行
う予 報 。
【津 波 】
・地 震 により海 底 の急 激 な地 形 の変 化 により海 面 が盛 り上 がる現 象 。
・ 海 底 下 の 浅 いと こ ろで 大 きな地 震 が 発 生 す る と、海 底 が 持 ち 上 が っ たり 下 が っ たり す
る ことに なり ます 。こ の 断 層 運 動 に よ り 海 底 が 隆 起 も しく は 沈 降 します 。その 結 果 、周
辺 の広 い範 囲 にある海 水 全 体 が短 時 間 に急 激 に持 ち上 がったり下 がったりし、それに
より発 生 した海 面 のもり上 がりまたは沈 みこみによる波 が周 りに広 がっていく現 象 。
<参 考 >
津 波 は 、海 が深 いほど速 く 伝 わ る性 質 があ り、沖 合 いではジ ェッ ト 機 に匹 敵 す る速 さ
で伝 わ る 。逆 に 、水 深 が 浅 く なる ほ ど 速 度 が 遅 く なる ため、津 波 が 陸 地 に 近 づく に つ
れ後 から来 る波 が前 の津 波 に追 いつき、波 高 が高 くなる。
(図 : 気 象 庁 HP 津 波 防 災 ハンドブック「 津 波 から逃 げる」 より)
【低 気 圧 】
・ 高 さ( 気 圧 ) の 同 じ面 で 、周 囲 よ り も 気 圧 ( 高 度 ) が 低 く 、閉 じた等 圧 線 ( 等 高 度 線 ) で
囲 まれたところ。
【堤 防 ・護 岸 】
・水 が氾 濫 しないことを目 的 として作 られた構 造 物 。
・潮 位 の上 昇 に備 え、高 い 波 が 陸 上 に 侵 入 してこないように 、土 を盛 り 上 げて、コンクリ
ー ト 等 で覆 っ た 構 造 物 の 総 称 をいう。護 岸 は 、土 を盛 り 上 げずに 、高 さを変 えずして、
海 岸 線 をコンクリート等 で覆 った構 造 物 を言 う。
【特 別 警 報 】
・ 警 報 の 発 表 基 準 をはる か に 超 える 豪 雨 や 大 津 波 等 が 予 想 され 、重 大 な災 害 の 危 険
性 が著 しく高 まっている場 合 に発 表 される。
【土 石 流 】
・長 雨 や集 中 豪 雨 等 によって、山 腹 、谷 底 の石 や土 砂 が水 と一 体 となって一 気 に下 流
72
第 5 章 防災Q&Aと用語集
へと押 し流 されるものを言 う。
【トリアージ】
・大 災 害 によって多 数 の負 傷 者 が発 生 した際 に、現 場 で傷 の程 度 を判 定 し、治 療 や 搬
送 の優 先 順 位 を決 めること。また、その役 目 。
重 傷 者 を優 先 的 に 処 置 し、現 場 の 人 材 ・ 機 材 を 最 大 限 に 活 用 す る ために 行 わ れ る 。
順 位 は、負 傷 者 の 総 数 、応 急 処 置 能 力 、医 療 機 関 の収 容 能 力 、搬 送 能 力 等 を考 慮
し、状 況 に応 じてその都 度 、判 定 される。
【トリアージタグ】
・ ト リ ア ー ジ の 判 定 内 容 を示 す 札 の こと 。 災 害 等 で多 数 の 負 傷 者 が 出 た 場 合 に 、 傷 の
軽 重 に よ っ て 治 療 や 搬 送 の 優 先 順 序 を 判 定 し 、 4 種 の 色 と 数 字 で示 す も の 。優 先 順
序 の他 、本 人 の氏 名 や年 齢 、傷 の状 態 、応 急 処 置 の内 容 等 を記 入 する欄 があり、負
傷 者 の手 首 につけておく。
・トリアージタグの判 定 分 類
赤色 : 緊急治療群
黄色 : 準緊急治療群
緑色 : 保留群
黒色 : 死亡群
は~ほ
【氾 濫 】
・川 の水 等 が増 して勢 いよくあふれ出 ること。洪 水 になること。
・河 川 の水 がいっぱいになってあふれ出 ること。
【氾 濫 危 険 水 位 ・氾 濫 注 意 水 位 】
・氾 濫 危 険 水 位 は 、河 川 の水 があふれる恐 れ のある水 位 。本 来 、この 水 位 に到 達 する
前 に住 民 は避 難 完 了 しているべき水 位 。
・氾 濫 注 意 水 位 は、水 防 団 が出 動 して水 防 活 動 を行 う目 安 となる水 位 。河 川 の 氾 濫 の
発 生 に注 意 を求 めるレベルに相 当 する。
【防 波 堤 】
・港 湾 等 で、海 からの高 い波 を防 ぎ、水 域 の波 を静 かにする構 造 物 。
【暴 風 警 報 ・強 風 注 意 報 】
・暴 風 警 報 :暴 風 により重 大 な災 害 が発 生 する恐 れ があると予 想 した時 に発 表 される。
・強 風 注 意 報 :強 風 により災 害 が発 生 する恐 れがあると予 想 した時 に発 表 される。
ま~も
【満 潮 ・干 潮 】
・ 海 水 面 の 高 さが 周 期 的 に 満 ち たり 引 いたり す る ことを潮 汐 ( ち ょ うせ き ) と言 い 、 海 水
面 が最 も低 くなる時 を干 潮 、最 も高 くなる ときを満 潮 と言 う。
73
(海 上 保 安 庁 HPより)
《資料編》 各章において、参考にしたパンフレットやリーフレット、リンク集等です。
どれも、各機関のHPからダウンロードしたり、閲覧することができます。
◆桑名市防災マニュアル(平成 25 年2月
桑名市)
桑名市では、『桑名 市防 災マニュアル』が全
戸 配 布 されています。個別 に書 き込 めるように
なっています。
【内容】
○
○
○
○
○
○
わが家の避難マップを作りましょう
地震・津波に備えましょう
水害に備えましょう
土砂災害に備えましょう
家庭や地域で災害に備えましょう
災 害 時 要 支 援 者 をみんなで支 援 していき
ましょう
◆桑名市津波避難マップ(桑名市)
各家庭で避難マップが作れるように、
「桑
名市津波避難マップ」や「桑名市避難マッ
プ(白図)」があります。
�
◆学校における防災の手引(平成 22 年 3 月
�
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��
�
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��
���
���
三 重 県 教 育 委 員 会 からこのような手 引きが
出されています。
【内容】
1 三重県における災害の概要
2 学校における防災の考え方
3 防災教育の推進
4 東海地震情報発表時の対応
5 緊急地震速報の活用
6 災害発生時の対応
7 学校が避難所となる際の対応
8 学校教育の再開・復旧に向けた対応
9 心のケア
資料編
���
��
��
三重県教育委員会)
74
資料編
◆リーフレット『特別警報』(気象庁HPより)
平成 25 年 8 月 30 日に特別警報が始まりました。特別警報は、警報の発表基準を
はるかに超える現象に対して発表されます。その発表基準は、地域の災害対策を担
う都道府県知事及び市町村長の意見を聴いて決めています。(気象庁HPより)
◆リーフレット『震度と揺れ等の状況(概要)』(気象庁HPより)
気象庁は、震度階級を「震度0」「震
度 1 」「 震 度 2 」「 震 度 3 」「 震 度 4 」
「 震 度 5 弱 」「 震 度 5 強 」「 震 度 6 弱 」
「震度6強」「震度7」の10階級に分
けています。
震度と揺れ等の状況の概要が書かれ
ています。
75
◆「津地方気象台
第3章
調べ型
防災教育素材集」(一部抜粋
ネタ
津地方気象台HPより)
理科「各教科(主に理科)で活用できる津地方気象台HP
リンク集」で活用している、防災教育素材集です。調べ学習で利用できます。
76
資料編
77
78
資料編
79
《参考文献・資料》
第2章
http://www.gsi.go.jp/
・
「デジタル標高地形図で見る東海地方の凸凹」(国土地理院 HP)
・
「伊勢湾台風災害写真データベース」
(木曽川下流河川事務所 HP)
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/
http://www.ckknet.jp/
・
「スーパー伊勢湾台風のCG」中部地域づくり協会HP
・
「動く高潮ハザードマップ」
(木曽川下流河川事務所 HP)
http://dsel.ce.gunma-u.ac.jp/simulator/kisokaryu3/start.html
・アメダス・気象レーダー・衛星画像・天気図(気象庁 HP)http://www.jma.go.jp/jma/index.html
・リーフレット「特別警報」
(気象庁 2013 年 8 月)
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/image/leaflet2.pdf
・日本付近の画像(高知大学気象情報頁HP 保存書庫)
http://weather.is.kochi-u.ac.jp/sat/gms.fareast/2000/09/
・
「防災白書」
(内閣府 2013 年)
・
「防災・防犯 SOS ガイドブック」
(三重県石油商業組合 HP)
http://www.mie-sekiyu.or.jp/sos/pdf/2004sos.pdf
・
「災害時における外国人への情報提供-東日本大震災の経験を踏まえて-報告」
(地域国際化推進検討委員会 東京都生活文化局都民生活管理法人課 2012 年 4 月)
・
「生活知識情報 食べることから考える 第1回 防災の食事を考える」
(
「国民生活」 独立行政法人 国民生活センター2012 年9月号)
http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201209_03.pdf
・
「河川防災ステーション」
(国土交通省 HP 事業紹介)
http://www.mlit.go.jp/common/000232962.pdf
・
「東海地震発生の切迫性」 (気象庁 HP 「東海地震について」より)
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/tokai/tokai_eq2.html
・三重県に及ぼした主な地震(津地方気象台 HP 防災情報「地震・津波」より)
http://www.jma-net.go.jp/tsu/common/omonazisin.pdf
・
「中学公民の授業」
(加藤
好 民衆社 2013)
第3章
・
「学校防災最前線 災害発生!そのとき何が起こり、学校はどう動く?」
(阪根
健二 教育開発研究所
2012)
・
「津地方気象台 防災教育素材集」
(一部抜粋 津地方気象台 HP) http://www.jma-net.go.jp/tsu/
http://www.city.kuwana.lg.jp/index.cfm/1,html
・桑名市HP
・
「高潮・伊勢湾台風等の学習サイト」
(木曽川下流河川事務所HP)
http://dsel.ce.gunma-u.ac.jp/kisokaryu_portal/portal.html
・
「広域避難のための動く高潮ハザードマップ」(木曽川下流河川事務所 HP)
http://dsel.ce.gunma-u.ac.jp/simulator/kisokaryu_kids/start.html
80
・
「木曽三川下流域こども版動く高潮ハザードマップ」(木曽川下流河川事務所 HP)
http://dsel.ce.gunma-u.ac.jp/simulator/kisokaryu_kids/start.html
・
「伊勢湾台風の災害写真集」
(木曽川下流河川事務所 HP)
https://www2.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/cgi-bin/photodb/
・「 5 m メ ッ シ ュ 標 高 デ ー タ を 使 用 し た デ ジ タ ル 標 高 地 形 図 」( 国 土 地 理 院 H P )
http://www1.gsi.go.jp/geowww/Laser_HP/index.html
・パンフレット「木曽川の水制」
(木曽川下流河川事務所)
・
「木曽三川下流部空中写真」
(木曽川下流河川事務所)
・パンフレット「船頭平閘門」
(木曽川下流河川事務所)
・パンフレット「長島排水機場」
(木曽川下流河川事務所)
・パンフレット「ようこそ 長良川河口堰へ」 (木曽川下流河川事務所)
・パンフレット「高須輪中排水機場」
(木曽川下流河川事務所)
・パンフレット「私たちの町のポンプ場」
(木曽川下流河川事務所)
・パンフレット「木曽三川下流散策マップ」
(木曽川下流河川事務所)
第4章
・桑名市立修徳小学校 平成 25 年度防災教育計画
・桑名市立修徳小学校 平成 25 年度避難訓練計画
・
「鳥取型防災教育の手引き」
(鳥取県教育委員会)
・
「防災教育と関連付けた家庭科指導資料」(岩手県総合教育センター)
・
「
『東日本大震災に学ぶ道徳教育』で活用する教材」(千葉県教育委員会)
・
「中学生向けの危機管理・防災に関する教材(埼玉県危機管理防災部危機管理課)
第5章
・「風の強さと吹き方」(気象庁 HP)http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kazehyo.html
・「雨の強さと降り方」(気象庁 HP)http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/amehyo.html
・パンフレット「地震を知ろう」(文部科学省 2008 年 12 月 )
・
「防災ノート(高学年版)
」
(三重県教育委員会 2013 年 5 月 改訂 第 2 版
)
・津波防災ハンドブック「津波から逃げる」
(気象庁 HP)
資料編
・
『桑名市防災マニュアル』
(平成 25 年 2 月 桑名市)
・桑名市津波避難マップ(桑名市)
・
『学校における防災の手引』
(平成 22 年 3 月 三重県教育委員会)
・リーフレット『特別警報』
(平成 25 年 8 月 気象庁)
・リーフレット『震度と揺れ等の状況(概要)』(平成 21 年 3 月 31 日 気象庁)
・
「津地方気象台 防災教育素材集」
(一部抜粋 津地方気象台 HP)
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あとがき
防災教育の授業において活用していただけるように、指導案や資料、ネタ、先進的
な取組等をアイデア集としてまとめてみました。
作成にあたり、防災に関わる専門機関と連携し、三重大学の宮岡教授をはじめ、津
地方気象台、木曽川下流河川事務所、桑名市消防本部の方々からご指導、ご助言を頂
きました。
大変お忙しい中、何度も何度もお時間をとって頂き、本当にありがとうございまし
た。所員一同深く感謝致しております。
防災教育の授業内容を考える時や実践する時に、この紀要を活用して頂き、これか
らの防災教育・減災教育の一助となれば幸いです。
協力校
(修徳小学校)
伊藤亜佐美
(長島中部小学校)
田中
竹田
真実
永井
孝明
里奈
桑名市教育委員会事務局指導課
(教育指導係)
下村美奈子
(生徒指導係)
谷岡
伸悟
(教育研究所)
冨田
昌樹
水谷
友香
宇田
雅俊
渡辺
雅子
安田千恵子
宮川
愛子
研究紀要
第135集
平成25年度所内研究報告
専門機関との連携による防災教育アイデア集
平成26年
発行者
3月
桑名市教育研究所
桑名市中央町二丁目37番地
TEL:0594-24-1242
桑名市役所4階
FAX:0594-27-5827
E-mail:[email protected]
長瀬印刷所