2012-2013 No. 2 日本学術振興会ストラスブール研究連絡センター活動報告 JSPS Strasbourg Office Quarterly July- September 2012 目次 ロレーヌ地方、ノルマンディー地方大学訪問 JSPS事業説明会 ロレーヌ大学 ル・アーヴル大学 JSPS ストラスブール研究連絡センターでは 2012 年 7 月にロレーヌ地方のロ レーヌ大学メッスキャンパスを、2012 年 9 月にオット・ノルマンディー地方の ル・アーヴル大学を訪問し、JSPS の国際交流事業説明会を開催しました。 ロレーヌ大学は、2012 年 1 月に既存の四大学が統合して新たに誕生した 総合大学、ル・アーヴル大学は地域に根差した小規模の大学と対照的でし たが、それぞれで歓迎を受け、日本に興味のある研究者と活発なディスカ ッションを行うことができました。 ANR、国立自然史博物館訪問 JSPS のフランス対応機関の一つである国立研究機構(ANR)及びフランス 国立自然史博物館を訪問しました。フランス国立自然史博物館とは 2013 年秋に日仏合同ワークショップを人類の歴史の分野で開催する予定です。 ストラスブール大学と合同セミナーの開催 7 月から 9 月にかけて、ストラスブール大学と共催で専門家向けの学術セミ ナーを計 4 回開催しました。講演者は、学会参加やストラスブールとの大学 間交流でストラスブールに滞在されていた方々です。 2 3 フランス研究機関訪問 国立研究機構ANR 国立自然史博物館 4 5 学術セミナー 組織再生を調節する細胞外マト リックス分子の糖鎖変化 光・電気機能性分子マテリアル の配位プログラム フルカラー発光機能を示す液晶 性金錯体の開発 有機フォトクロム分子:ナノスケ ール光変換物性 5 5 6 6 来会・訪問その他 JSPSフランス同窓会新規HP 活動報告 コラム「ストラスブールの四季」 6 7 8 2 JSPS 事業説明会 ロレーヌ大学(メッス)2012.7.4 【Metz を流れるモーゼル川と Temple Neuf】 メッス Metz フランスとルクセンブルグの国境近くに 位置するメッスの歴史は古く、紀元前 110 年にはケルト民族の建設した城壁 に囲まれていたとされています。19 世 紀後半の普仏戦争の結果プロイセン に占拠され、現在のメッスの街並みは 当時の影響及び第一次世界大戦後再 ストラスブールのあるアルザス地方の東隣に位置するロレーヌ地方は、古くよりメッス とナンシーの二 都市を中心に発 展して きまし た。ロ レー ヌ大学( Université de Lorraine)は、ナンシー第一大学、第二大学とメッス大学、ロレーヌ・ポリテクニックが 統合して 2012 年 1 月に新たに誕生した総合大学です。ロレーヌ大学には現在 52,000 人の学生、6,800 人の教職員が在籍しています。対象とする学問は芸術、文 学、言語学、法学、経済、経営学、工学、化学、数学、エネルギー、農学、薬学、医 学、スポーツ等と多岐に渡っています。フランス国内で上位 10 大学のポジションを 獲得すること、欧州内のテーマ別協力強化、国際的ネットワークの確立の三点を統 合時の目標にかかげ、戦略的な大学運営を行っています。 JSPS の事業説明会は、2012 年度の日仏先端科学シンポジウム(JFFoS - 本センタ ー活動報告書 2012 年 1-3 月参照)の参加者でロレーヌ大学心理学部講師の Dr. Jérôme Dinet のコーディネートによって開催されました。説明会に先立ち、ロレーヌ 大学研究担当副学長の Prof. Clotilde Boulanger により挨拶がありました。 次いで多田副センター長より、フランス人研究者が利用できる日仏共同研究やフェ ローシップ等、JSPS の国際交流事業に関するプレゼンを行いました。また、JSPS フ ランス同窓会役員でストラスブール大学教授の Prof. Marie-Claire Lett(JSPS OB、 東大)より、同窓会及び自身の日本での研究生活について、ナンシー大学の Dr. Philippe Giummelly(JSPS OB、東北大)及びポスドク研究員の Dr. Mathieu Molitor (JSPS OB、慶應大)から日本での研究が数編の論文になったことや、買い物時の 逸話も交えた日本滞在時のエピソードについて発表がありました。さらに、Dr. Dinet から分野を超えたユニークな日仏シンポジウム JFFoS の紹介が行われました。 びドイツの支配下に置かれたことによ る影響を受けています。2010 年にはパ リのポンピドゥーセンターの分館が坂 茂氏と Jean de Gastines 氏の建築によ り完成し、シャガールのステンドグラス が有名なサンテティエンヌ大聖堂と共 に街の魅力の一つとなっています。 【(左から)Dr. Giummelly, Dr. Molitor, 説明会場の様子】 ロレーヌ大学はフランス国内で上位 10 大学のポジションを獲得すること、欧州内のテーマ別協力強化、 国際的ネットワークの確立の三点を統合時の目標にかかげています。 説明会後、メディアセンター所長 Dr. Jacques Walter、Dr. Dinet 及びヨーロッパ連携 部 Ms. Nathalie Hiesiger 同席の下、ロレーヌ大学長 Prof. Pierre Mutzenhardt を表敬 訪問しました。Prof. Mutzenardt からは、ロレーヌ大学統合の経緯と、国際交流を含 めた今後の方針について紹介及び日本とフランスは学術のみならず古くから経済、 歴史、文化的な交わりがあり、JSPS 一行の訪問を歓迎するとの挨拶がありました。 JSPS からは中谷センター長が JSPS 事業の紹介やストラスブールセンターのフラン スでの活動について説明を行いました。 【(右から)Ms. Hiesiger、Dr. Dinet、Dr. Walter、 Prof. Lett、Prof. Mutzenhardt 学長、中谷セン ター長、多田副センター長】 続いて Dr. Dinet の案内で心理学部の INTERPSY-ETIC(心理・人間工学)研究室 を訪問し、子供を対象とし、HP を閲覧の際にページ内のどの情報に注目するか、 その順番やクリック数、実際に情報を眺める時間を分析するための実験室、機器、 方法について説明を受けました。 3 ロレーヌ大学(メッス) さらに、メディアセンター(CREM)を訪問し、講師の Dr. Luc Massou より情報・コミュニケーション・メディア、芸術・文化メ ディア、言語等を研究する CREM の概要説明が、また、同じ く講師でゲームデザイナーの Dr. Sébastien Genvo よりゲーム 制作を基にした自身の研究内容説明が行われました。 訪問当日は、ロレーヌ大学は既に夏休み休暇で説明会自体 の参加者は約 20 名と少なかったものの、日本との交流に関心 のある熱心な参加者の中には若手研究者や博士課程学生も 含まれ、また、心理学部や CREM のユニークな研究内容か ら、将来の日仏交流の発展を感じ取れる訪問となりました。 【Dr. Dinet(手前)より心理学実験の説明を受ける】【CREM にて Dr. Massou(右から 2 番目)、Dr. Genvo(同 3 番目)】【緑豊かなメッスキャンパス】 ル・アーヴル大学(ル・アーヴル)2012.9.20 ル・アーヴル大学は 1967 年に短期工科大学として創立された 比較的新しい大学で、学生が約 7,000 名、常勤教職員が約 660 名と小規模ですが、法律・経済・経営、科学・技術・健康、 文学・言語、人文・社会科学の領域を広く取り扱っています。 また、Global U8 という 7 ヶ国 8 大学コンソーシアムを構成し、 積極的に高等教育の国際化に携わっています。 同大学はカーン大学、ルーアン大学、ENSI CAEN、INSA de Rouen と共に Press Normandie Université の一員で、文系・理 系を合わせて 8 つの共通博士課程を実施しています。 JSPS の事業説明会は、ル・アーヴル大学の誇る音波と複合媒 質研究所(Ondes et Milieux Complexes)で開催されました。 同研究所は、フランス高等教育研究省の実施する「未来への 投資プログラム:卓越した研究所への投資プロジェクト」に選 抜され、ノルマンディー地方の他の主要都市であるカーン、ル ーアンと共にエネルギー、材料分野の拠点となっています。 同研究所は、音波の伝播(超音波や非線形音響)、複合媒質 の挙動、港湾-沿岸工学の地学的環境や構造の非破壊的 制御への応用を目的とした研究を次の 4 グループで行ってま す。Dr. Jorge Peixinho(JSPS OB、東大)の案内により同研究 所を訪問しました。 【(左から)中谷センター長、Dr. Pexinho、Prof. Deconihout】 <水力学・音響学・反応性グループ> 乱流における不安定性と推移、海洋水力学、海洋音響学、反 応過程の 4 チームで構成され、熱対流や柔軟性高分子の添 加によるエネルギーの移動、水流の非破壊的制御モデルを 研究の対象としている。 <地球環境・多孔質媒体グループ> 本グループは、砂から沈泥、土まであらゆる多孔質媒体の研 究を行っており、粒子輸送のシミュレーションや飽和状態の流 体多孔質媒体における超音波を利用しての分析を行ってい る。 <構造音響特性解析・複合材料研究グループ> 繊維材料の飽和性・多孔性・含浸性、複合材料のリレーショナ ルプロセス・構造・特性、エコ複合材料、複合材料の熱劣化、 ガイド波を用いた金属構造の特性分析、複数の構造の接着・ 集合を主要テーマとしている。 <フォトニック構造グループ> 周期的、非周期的な超音波伝播を研究しており、具体的に圧 電性フォトニック結晶やフォトニック構造のモデル等を始めとし た 6 分野を扱っている。 【研究所見学の様子】 4 ル・アーヴル大学(ル・アーヴル) 研究所訪問後、JSPS の事業説明会が開催されました。まず、多田副センター長から JSPS の概要及びフランスの研究者が利用できるフェローシップ等国際交流事業のプ レゼンを行いました。次いで、JSPS フランス同窓会副会長でルーアン大学材料物理 学グループ教授の Prof. Bernard Deconihout(JSPS OB、筑波大)より、自身の研究概 要説明後、通算 1 年半、15 回にも及ぶ日本への研究渡航やフランス同窓会の活動に ついて、新規 HP 案内も含めて紹介されました。日本と研究を行う魅力として、研究水 準の高さのみならず、他のアジア諸国との交流へさらに発展できる可能性があること が示されました。 続いて、今回の訪問のホストでもある Dr. Jorge Peixinho から JSPS のプログラムである 外国人特別研究員制度を利用しての 2 年間の東京滞在経験が紹介されました。研究 室では英語が不自由なく使えたが、日常生活では多少の日本語を必要としたこと、フ ランス人にとって漢字は難しいが、日本語の発音は簡単であること等、日本での研究 を考えている会場の研究者にアドバイスが示されました。 Le Havre の街 パリから電車で北に二時間程行った 海沿いの街ル・アーヴルはオット・ノル マンディー地方最大の都市で、人口 最後に、同じくル・アーヴル大学音波と複合媒質研究所の Prof. Ioan Schneider(JSPS OB、会津大)からも外国人招へい研究者として日本に渡航し、日本人研究者と共同 研究を行った体験談が紹介されました。 会場からは日本における生活や各種 JSPS プログラムへの応募方法等質問が相次 ぎ、上記 3 名の OB や JSPS から具体的な説明を行い、事業説明会は幕を閉じました。 約 20 万人が生活しています。15 世紀 フランソワ一世の時代にルーアン、さ らにパリへの輸送路にアクセスすべく 港が建設されて以来、フランスの主要 港の一つとして発展してきました。第 二次世界大戦でドイツ軍が駐留して いたため、連合軍の空襲を受けほぼ 完全に破壊された町は、建築家オー ギュスト・ペレが率いるチームによって 再建され、現在 UNESCO 世界遺産に 登録されています。 【JSPS 事業説明会の様子】 【Prof. Ioan Schneider】 国立研究機構(ANR)訪問 2012 年 9 月 21 日(金)パリにあるフランス国立研究機構 (ANR)を訪問し、ヨーロッパ・国際交流部長の Dr. Nakita Vodjdani 及び人文社会科学部国際交流プログラム担当コー ディネータ Mr. Pierre-Olivier Pin と国際交流事業に係る意見 交換を行いました。 ANR は 2005 年にフランス政府によって設立され、競争的スキ ームに基づいて研究プロジェクトに経費を支給するファンディ ングエージェンシーで、2011 年度の予算は 5 億 5700 万ユー ロであり、すべての学術分野の 6,319 プロジェクトが支援されま した。 に関する説明を受けました。 2010、2011 年度、ANR における研究支援の内訳は約 50%が ボトムアップ型基礎研究支援、約 50%が国の優先テーマに沿 った戦略的支援であり、JSPS が実施する二国間交流事業 CHORUS プログラムは、ボトムアップ型基礎研究支援として 「Programme Blanc」でサポートされていること、今後とも JSPS と日仏国際交流プログラムのサポートを続けていきたい旨が 確認されました。 Dr. Vodjdani 及び Mr. Pin との意見交換では、ANR の最近の 動向として、フランス高等教育研究省が実施し、ANR が募 集、審査等を行う「未来への投資プログラム」や、研究者自ら の発想に基づいた研究をサポートするボトムアップ型研究助 成プログラム「Programme Blanc」について、応募状況や目的 【Dr. Vodjdani(右)及び Mr. Pin(右から 2 番目)】 5 国立自然史博物館訪問 2012 年 9 月 21 日(金)、パリにある国立自然史博物館の Prof. Brigitte Senut 及び国際部代表 M. Jean-Patrick Le Duc と 2013 年 秋 に 開 催 予 定 の 日 仏 ワ ー ク シ ョ ッ プ ”Interplay between hominids and environment over time”(JSPS、フラン ス国立自然史博物館共催)の打ち合わせを行いました。 具体的にはプログラムや会場、日仏スピーカーの招へいに 関し、内容や役割分担の相談をし、国立自然史博物館として も 2013 年度の大きなイベントとなることから、今後 JSPS と密に 連絡を取ってワークショップを成功に導きたい旨が確認され ました。 【Dr. Senut(左奥)、Mr. Le Duc(右手前)】 【自然史博物館の庭園】 学術セミナー開催報告 7 月 6 日(金)第 50 回 JSPS-UDS 合同セミナー 小川温子 教授) (お茶の水女子大学糖鎖科学教育科学センター 「組織再生を調節する細胞外マトリックス分子の糖鎖変化」 “Roles of glycosylation of extracellular matrix in the inflammatory changes of liver: Matrix Restructuring During Liver Regeneration and Cirrhosis Is Regulated by Glycosylation of the Matrix Glycoprotein Vitronectin” 化し、複数の生物活性を制御することを見出した。今回、肝 再生過程でビトロネクチンの糖鎖の変化がどのように分子の 生物活性を調節するのかを、特に肝炎症時に活性化され臓 器の線維化(肝硬変)またはその消炎につながる肝星細胞の 生存を左右する活性調節を含めて、紹介する。 肝臓は傷害を受けると残った部分が再生し、哺乳類では 1-2 週間で元の大きさと機能を回復する。ビトロネクチン(VN)は 主に肝臓で産生され、血液中と細胞外マトリックスに存在す る多機能接着性糖タンパク質で、細胞周囲の組織溶解、細 胞接着と移動、増殖などの多段階を連携して調節することに より、組織修復において重要な役割を果たす。私達は、ラット 肝再生初期に産生される VN では、その糖鎖付加が著しく変 7 月 24 日(火)第 51 回 JSPS-UDS 合同セミナー 坂本良太 (東京大学大学院理学系研究科助教) 「光・電気機能性分子マテリアルの「配位プログラム」」 “Coordination Programming of Photo- and Electro-Functional Molecular Materials” (1) ビス(テルピリジン)金属錯体ワイヤのワイヤ内レドックス 伝導・長距離電子輸送能 金・シリコン電極上にビス(テルピリジン)金属錯体ワイヤをボ トムアップ合成する手法を開発した。得られた錯体ワイヤは、 ワイヤ内長距離電子移動に関して極めて小さい減衰定数β d (0.002 Å-1)を示すなど、興味深い電気特性を示した。 (2) 非対称ビス(ジピリナト)亜鉛錯体における蛍光増強 非対称なビス(ジピリナト)亜鉛錯体を逐次錯形成法により初 めて合成した。この種の亜鉛錯体の蛍光量子収率は小さい ことが知られていたが、非対称な錯体は蛍光量子収率の顕 著な増大を示した。蛍光性の光励起状態を消光する、電荷 分離状態の不安定化によるものと考えられる。 6 学術セミナー開催報告 9 月 14 日(金)第 52 回 JSPS-UDS 合同セミナー 堤 治 (立命館大学生命科学部准教授) 「フルカラー発光機能を示す液晶性金錯体の開発」 “Liquid-Crystalline Gold Complexes as a Full-Color Luminescent Material ” 金(I)錯体は金原子間に働く相互作用により発光する。このた め、金錯体は固体のような凝集相において特に強く発光す ることが知られており、種々の発光デバイス用材料として期 待されている。また、金原子間相互作用に基づく発光である ことから、発光は凝集相中における金原子の配置、すなわち 錯体の凝集構造に依存し、凝集構造を変えることで発光強 度や発光色を制御できる。本グループでは、金錯体に液晶 性を付与して錯体の凝集構造を制御することで、発光挙動 を変化させることを検討している。その結果、例えば円盤状 の分子形状をもつ液晶性金錯体は、結晶−液晶相転移に伴 う凝集構造変化により、単一の材料だけで青−黄−赤色の三 色の発光を実現できることを発見した。さらに、棒状の分子 形状をもつ錯体では、単一の材料のみで白色発光が得られ ることも見いだした。当日は、これらの発光挙動および発光 挙動と錯体の凝集構造の相関についても議論する。 9 月 24 日(月)第 53 回 JSPS-UDS 合同セミナー 中谷圭太郎 (ENS Cachan 化学部教授) 「有機フォトクロム分子:ナノスケール光変換物性」 “Molécules photochromes organiques : spécificités de la photocommutation à l'échelle nanométrique” フォトクロム材料は光で自らの物性を可逆的に変換する機能 を持っている。ナノ秒以下といった速度で反応が起こるのが 一つの特徴である。また、この 10 年以来、ナノ材料の研究が 盛んに行われている。 フォトクロムナノ粒子とロッドについて発表する。これらは再沈 殿法、光沈殿法、レーザーアブレーション法で作成した。特 徴的な結果の内、(1)水溶液中に従来溶けない有機分子の 透明な懸濁液(水溶液)が得られた、(2)フォトクロム反応速 度の調整が可能である、ことなどが取り上げられる。また、蛍 光性ナノ粒子におけて、蛍光強度が分子量に対して非線的 に依存していることが証明され、これについても議論する。 JSPS フランス同窓会ホームページリニューアル 2012 年 7 月、日本学術振興会フランス同窓会 (Association des anciens boursiers francophones de la JSPS)の新規ホームページ(フランス語)が公 開されました。 ホームページでは JSPS 国際事業の募集や同窓 会説明会開催に関する情報などが紹介されてい ます。今後、同窓会員の日本での研究生活に関 する体験談も充実させていく予定です。 http://anciens‐jsps.unistra.fr/ 7 その他行事報告(来会・訪問) 2012 年 7 月 2 日 2012 年 7 月 2 日 名古屋大学医学部古橋忠晃助教来会 お茶の水女子大学糖鎖科学教育研究 センター小川温子教授来会 東洋大学来会 東洋大学竹村牧男学長、三浦節夫ライフデザイン学部教 授、ライナ・シュルツァ国際哲学研究センター客員研究員ら が来会し、中谷センター長より JSPS ストラスブール研究連絡 センターの活動紹介を行いました。 2012 年 7 月 5 日 中谷センター長、ストラスブール 大学化学部総会、産業技術総合研 究所徐強教授講演会出席 2012 年 7 月 12 日 中谷センター長、在ストラスブー ル日本国総領事館主催平成 24 年度 第二回日系企業連絡会出席 日仏大学会館小早川奨学金選考 会出席 2012 年 7 月 18 日 中谷センター長及び多田副センター長が、日仏大学会館が 募集する日本人留学生の住居支援のための小早川奨学金 の選考会に選考委員として参加しました。 2012 年 8 月 30 日 中谷センター長国際宇宙大学入 学・卒業式出席 【(左から) 国際宇宙大学鈴木秀人客員教授、中原潤二郎客員教 授、慶應大学からの留学生、中谷センター長、在ストラスブール日 本国総領事館菊池孝久首席領事、JAXA 国際部パリ駐在員事務 所荒木秀二所長】 2012 年 9 月 3 日 ストラスブール消化器癌研究所 (IRCAD)訪問 IRCAD にて、Prof. Didier Mutter 副所長、Mme. Stéphanie Pery と日仏合同学術フォーラム「外科とライフイノベ ーション:情報化時代とロボット」にかかる打ち合わ せを行いました。 【中央がフランス側コーディネータの Mutter 教授】 2012 年 7 月 24 日 東京大学大学院理学系研究科坂本 良太助教、ストラスブール大学 Prof. Dominique Matt 来会 【(左から) 鳩山国際協力員、Prof. Matt、坂本助教、中谷センター長】 2012 年 8 月 13 日 いわき明星大学薬学部竹中章郎教 授来会 2012 年 9 月 6 日 東洋大学文学部原田香織教授、国 際部ヴェーマイヤー渡辺千夏主 任来会 【(左から) Prof. Lett 日仏大学会館長、原田教授、渡辺主任、中 谷センター長】 2012 年 9 月 6 日 ルーテル学院大学・国際日本文化 研究センター上村敏文准教授、在 ストラスブール日本国総領事館望 月久子領事来会 8 その他行事報告(来会・訪問) 2012 年 9 月 10 日 日仏大学会館、在ストラスブール日 本国総領事館主催セミナー「日本人 の感性と薫香を巡る伝統」出席 【Prof. Lett(右)、Prof. Reichhart(右から 2 番目)】 2012 年 9 月 16 日 2012 年 9 月 12 日 お茶の水女子大学本間清一名誉 教授、東京農業大学応用生物科学 部山本祐司教授来会 名古屋大学 Nicholas Baumert 准教 授と日仏交流に係る打ち合わせ 【山本教授(左)、本間教授(中央)】 【Prof. Baumert(左)、Prof. Lett(中央)】 2012 年 9 月 13 日 ストラスブール大学分子細胞生物学 研究所 Prof. Jean‐Marc Reichhart 来 会 ストラスブール大学の Prof. Jean‐Marc Reichhart、Prof. Marie‐Claire Lett 日仏大学会館長と 2013 年度に開催する 日仏合同フォーラム「自然免疫の最前線(仮題) 」 (JSPS、 UDS 共催)について打ち合わせを行いました。 2012 年 9 月 18 日 2012 年 9 月 19 日 在ストラスブール日本国総領事館 軽部洋総領事離任レセプション出 席 JSPS フランス同窓会ル・アーヴル地 区支部会開催 コラム「ストラスブールの四季」 夏、ストラスブールでは気温が 35 度前後の日が続いた時期もありまし たが、レストランやカフェでは室内よりも強い日差しの降り注ぐテラス席 が大人気でした。暗い冬が来る前に貴重な太陽の日差しをたくさん浴びて おきたい、というフランス人の気持ちの表れのようです。 8 月の終わり頃からは、バカンスに出かけていた人々も街に戻りはじめ、 秋にかけての時期にマルシェでは「Mirabelle ミラベル」という果物(プラ ムの一種)が出回りはじめます。フランス・ロレーヌ地方産のものがシェ アのほとんどを占めるこのミラベル、ここアルザス地方でも栽培されてい ます。そのまま食べてもとても甘くて美味しいですが、ジャム、サブレ、 リエットなど…この時期大活躍です。日本では缶詰で手に入るようですの で、ぜひお試しを! (2012 年度国際協力員 鳩山はるな) (左上、右下:マルシェで見つけたミラベル、右上: ミラベルのリエット、左下:ミラベルサブレ) 行事予定 他 ●日仏合同学術交流フォーラム「外科とライフイノベーション:情報化時代とロ ボット」 日時:2012 年 12 月 21 日(金)、22 日(土) 場所:ストラスブールの消化器癌研究所(IRCAD) 主催:JSPS, IRCAD, ストラスブール大学 日本側コーディネータ:九州大学橋爪誠教授、大阪医科大学奥田準二准教授 フランス側コーディネータ:Prof. Jacques Marescaux IRCAD 教授、Prof. Didier Mutter IRCAD 教授 アドバイザー:谷川記念病院谷川允彦院長 プログラムや参加登録は以下のページをご覧ください。 http://www.ircad.fr/jsps 9 日本学術振興会ストラスブー ル研究連絡センター 42a, avenue de la Forêt‐Noire 67000 Strasbourg France TEL: +33 (0)3 68 85 20 17 FAX: +33 (0)3 68 85 20 14 [email protected] http://www.jsps.unistra.fr センター長 中谷陽一 副センター長 多田智子 (編集担当) 国際協力員 鳩山はるな (コラム担当) ●ストラスブール研究連絡センターが毎月発行するフランス学術情報は本セン ターの HP(http://jsps.unistra.fr/ja/)をご覧ください。 <7 月から 9 月の学術情報(主要記事)> ・2012 年度バカロレア合格率(7 月) ・2013 年度 ERC 予算(7 月) ・高等教育諮問委員会(7 月、9 月) ・エラスムスプログラムの成果(8 月) ・ANR 社会科学分野の共同研究プロジェクト ORA(8 月) ・François Houiller 氏、INRA 新会長に就任(8 月) ・学生用住居の増加(9 月) ・ERC Proof of Concept プログラム(9 月) ・INRIA 年次報告(9 月) ・未来への投資:イノベーションの共同拠点作り(9 月) 表紙の写真 Automne アルザス地方の葡萄畑は、ヴォージュ 山脈の斜面に広がり美しい風景を織り なしています。毎年秋になるとブドウの 収穫が行われ、各村々は採りたてのブ ドウで造られた新酒祭りで大きな賑わ いを見せます。
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