年間報告書(Annual Report)

ち
地域の知から
2010年度
地域共同研究
第1は篠山市との連携協定にもとづく事業負担金
による共同研究です.
第2は農学研究科に公募を行う地域連携センター
の認定プロジェクトです.
篠山市におけるナレッジマネジメント
システムの導入に関する研究
篠山市アグリプランの施策効果の
評価手法の検討について
中塚雅也、杦本敏男、宇野雄一、星野敏(京都大学)、
金子治平、中塚雅也
篠山市政策部企画課、篠山市市民生活部共同課、
篠山市農都創造部、篠山市農都創造部農林課、
篠山市農都創造部農林課、
(財)兵庫丹波の森協会
篠山市農都創造部観光課
本研究は,篠山市を事例に地域づくりや農業生産といっ
http://kobe-face.jp/renkei/
地域共同研究は2種類あります.
篠山市アグリプランにもとづき篠山市が実施している農
た現場で地域固有の知識を共有・活用する仕組みを構築
業施策は,2011年度予算をみると14の事業が含まれてお
することを目的に,H19年度から継続して行っています.本
り,それらは所得移転的な性格を持つ事業と公共事業的な
年度は,住民の地域づくりを支える市職員の地域づくり支
性格を持つ事業の2つに区分することができる.そこで,
こ
援知識,特産品である黒大豆生産に関する知識,農村の資
れらの事業の経済波及効果を明らかにするために,諸経
源や生活に関する知識の3つの知識を対象に研究を進め
済活動間の結びつきを明らかにする篠山市産業連関表を
ました.
作成することとし,2005年兵庫県産業連関表をもとに,事
まず,市職員の知識では,職場での職員間交流や学習機
業所・企業統計調査や工業統計表などの諸統計資料を活
会への参加が盛んなほど知識は所有されやすく,職員間交
用することによって,篠山市産業連関表を作成した.作成し
流や学習機会への参加は職員の年代が低いほど少なく,
た産業連関表を利用する一例として,所得移転的な事業
20・30代の職員は知識を所有しにくい状態にあることがわ
と,公共事業的な事業のうち鳥獣防護柵の設置による篠山
かりました.黒大豆生産の知識は,土壌条件の異なる生産
市内への経済波及効果を推計した.
者の栽培知識を抽出し比較しました.その結果の一つとし
その結果,所得移転的な事業は市が1億1,605万円を負
て,苗の定植作業において,砂地土壌では根張りを良くす
担して総額2億7,732万円を支出する予定だが,その波及
るために深植えをおこない,粘土質土壌では根腐れを防
効果は市外に流出するものが多く,市内への経済波及効
止するために浅植えを行うことが改めて確認され,栽培条
果は7,474万円にとどまっている.一方,鳥獣害防護柵の設
件ごとに適切な知識の活用をはかる必要があることがわ
置は,市が2,118万円を負担して総額5,406万円の事業を予
かりました.農村の資源や生活に関する知識については,
定しているが,諸産業への経済波及を通じて篠山市内に1
集落ごとの住民の知識の得やすさと集落規模,集落活動と
億948万円の経済波及効果をもたらした.
いった集落特性との関係を年代別に分析しました.その結
以上のように,施策効果を評価する手法を検討し一例を
果,ある程度の人口を維持している集落では,年代に関係
示すことができたが,
これらの推計はいくつかの仮定をお
なく知識が共有されていますが,人口規模の小さい集落で
いた推計であり,
この手法が正確かどうかはさらなる検討
は,若い世代だけでなく,集落運営の中心である60・70代
が必要だと思われる.
においても共有が十分でないことがわかりました.
ANNUAL REPORT 2010
篠山市真南条上の水田地帯における
生物多様性湿地の創造
代表 伊藤一幸(熱帯応用植物学)
コウノトリ育 む 農 法 が 行 わ れている田 ん ぼ は 豊 岡 市 の 約 7 %
(183ha)
であり,市内で飼育されているコウノトリを全て放鳥するには
環境が不足している.そこで,耕作放棄が進んでいる水はけの悪い湿
田の活用に関する調査を行った.
農事組合法人真南条上営農組合
まず,動植物層の比較を通して,湿地の耕運やビオトープ化によって
篠山市企画課
クワイ田が「コウノトリ育む湿地」
としてどの程度のえさ供給力を持つ
ようになるのかを評価した.その結果,ビオトープ田の方が,
クワイ田
に比べて動物,植物ともに種類が多く,また個体数の偏りが少なかっ
た .ビオトープ田ではシマドジョウなどのコウノトリの餌となる動物が
多く見られ,上から水面や土壌表面が見えて,コウノトリが餌となる動
物を見つけやすい環境が保たれていた.
クワイ田では開墾初年度に
夏季の少雨高温が重なるという悪条件によって十分な湿生植生が形
成されなかった結果,
コウノトリの餌になる水生動物が生育しにくかっ
たと考えられる.今年度の調査だけで,耕作放棄された湿田を活用し
たクワイ田におけるコウノトリの給餌力を評価することは時期尚早だ
ろう.
丹波の赤じゃがプロジェクトin篠山
代表 中塚雅也(食糧環境経済学)
農事組合法人真南条上営農組合
栽培しくにくいが味は高い評価を得ている
「ネオデリシャス」につい
て,篠山市の真南条上営農組合と技術提携し,品種の普及ならびに自
家種イモを利用した栽培体系を取り入れ,地域の特産化を図ってき
た.栽培が軌道に乗った本年度は,赤じゃがの知名度をあげ,
コミュニ
ティビジネスの起爆剤となることをめざし,農家レストランを開催する
プロジェクトを立ち上げた.
このプロジェクトは農学部の学生演習の一環として実施し,
メニュー
の決定から当日の運営は学生と地元の方とが協力して行った.二部制
で行われたレストランには,100名を超える人が集まった.当日来場さ
れた方を対象に行ったアンケートの結果,
レストランに来店した8割近
い人が赤じゃがに興味をもったということがわかった.
またヒアリング
の結果から,本プロジェクトが生産地域でも農家レストランを開催でき
るという考えに至ったことがわかった.一方で,十分なサービスが提供
できなかったなど事前準備の不足や,学生と地元との調整が不十分で
あったなどの課題があった.
山田錦の栽培ナレッジ
マネジメントプロジェクト
山田錦は,酒造好適米の中でも最も良い酒米だとされています.山
田錦の全国生産量の約8割を占める兵庫県産においては品質の低下
が危惧されています.本プロジェクトでは,山田錦の品質向上をはかる
代表 三十尾 修司(植物資源生物学)
ために諸要因を整理し,品質向上に資する栽培ナレッジの収集を行い
JA兵庫みらい、
(株)
アグリサポート
ました.まず,環境や農法の異なる山田錦生産農家へのインタビュー
調査(地域知の収集)を行い,神戸大学とJA兵庫みらいだけでなく兵
庫県立農林水産技術総合センター酒米試験地の協力も得て3回の研
究会(専門知による地域知の検証)を実施しました.
品質低下についての課題として,
(1)温暖化(猛暑など急激な気候
変動もある),
(2)篤農家の減少(高齢化による暗黙知の継承問題)が
挙げられ,それらに関して現状のデータ収集と分析や取り組み状況の
整理を行いました.次年度以降は,実験田においての温暖化対策や篤
農家の暗黙知の整理など実践段階に入る傍ら,山田錦の高付加価値
化に資する仕組みの構築も視野に入れてプロジェクトを展開していく
計画です.
ANNUAL REPORT 2010
地域参画による都市緑地の保全管理
クスノキ(
―兵庫県西宮神社「えびすの森」の生態系復元―
などの材料として利用されていたため,関東以西の太平洋側地域に広
石井 弘明(森林資源学)
(株)深秀園 兵庫県教育委員会文化財室
(L.) Sieb.)はかつて船材や樟脳
く植栽されています.
また,成長の早い常緑樹であることから全国に巨
樹・巨木が存在し,神社や寺院などの常緑樹林の造成の際に広く植栽
されてきました.
クスノキは陽樹性の樹種であり,ギャップ依存型の更
新をするため,常緑樹林内における更新がみられず,個体群が維持さ
れていない例が報告されています.
そこで,本研究ではクスノキが優占する植栽型の常緑樹林として兵庫
県の天然記念物に指定されている西宮神社社叢の景観と遺伝資源の
保護を目的とし,挿木によるクスノキの更新可能性について検討しまし
た.挿木苗による繁殖は生存率が10%程度と低いものの,活着後の成
長は実生苗よりも早いことが示されました.挿木苗は葉の成熟が早く,
個葉の光合成能が高かったことが,旺盛な成長量に寄与していると考
えられます.今後は生存率を向上させるために,挿し穂の採取方法や
挿しつけ方法の改良を行います.
都市型酪農における畜産バイ
オマスの利活用に関する研究
井原一高(生産環境工学) 神戸市近郊では都市型酪農が展開されていますが,持続的な酪農
経営には周辺地域との本質的な共生が求められます.特に家畜糞尿の
環境対策は避けることのできない課題です.本プロジェクトでは,神戸
弓削牧場、NPO法人コミュニテ
市北区にある弓削牧場において,バイオガスプラントの活用方法と,消
ィシンクタンクあうるず
化液の利活用方法について検討を行いました.
弓削牧場には,乳牛が飼育されているほか,乳製品加工場(2次産業)
やレストラン(3次産業)が併設され,6次産業 が展開されています.バ
イオガスプラントが設置されれば家畜糞尿処理だけではなく,回収エ
ネルギーが利用できます.
また,消費者である地域住民が,畜産バイオ
マスの利活用を身近に体感できる施設としての役割もあります.
また,
消化液の安全性の確保について検討した結果,嫌気性発酵は一部の
リスク低減効果があることがわかりました.消化液の利活用促進には,
圃場還元による利用に限界がある一方で,周辺住民の家庭菜園などの
利用も期待されます.
丹波ヤマノイモのモザイクウィルス
検定用簡易RNA抽出方法の検討
ヤマノイモ(
Thunb cv. Yama-no-imo)は,全国で
約500ha栽培されていますが,そのうち約30%が丹波地方で栽培され
ており,篠山市の重要な特産物に指定されています.
しかしながら近年
宇野 雄一(花奔野菜園芸学)
兵庫県篠山産業高等学校東雲分校
では,ヤマノイモモザイクウィルスに罹病する株が増えており,それが
減収の一因となっています.罹病株を排除するためにはウィルス検定
を行わなくてはならず,その検定ではRNAを抽出します.従来はRNA抽
出の操作が簡単な葉を使用していましたが,定植前に罹病の有無を調
べるためには塊茎を使用する必要があります.
そこで本プロジェクトでは,粘性が高く抽出しにくい塊茎組織からの
RNA抽出する方法を検討しました.SDS-phenol,Sepasol®-RNAI(ナカ
ライテスク),およびRNeasy Mini Kit(QIAGEN)を試した結果,RNeasy
Mini KitでRLC Bufferを使用すると最も効率よく抽出できることがわか
りました.今後はこの方法により,篠山東雲高校で作出されたウィルス
フリー候補株を調査する予定です.
ANNUAL REPORT 2010
都市と農村の交流による
里山整備事業
石井 弘明(森林資源学)
2009年度演習で篠山市を訪れた学生が,2010年9月に都市・農村交
流サークル「ささやまファン倶楽部」を立ち上げた.地域の主役は集落
の方であり,学生は応援団と位置付けながらも,学生自身が地域に必
篠山市森林組合
要なことを考えて,実践すること,やりたいことができる雰囲気作りを大
真南条上森林組合
事にしている.
メンバーは農学部学生を中心に社会人・他大学生含め
33名で,毎月第3日曜日に4∼10名が参加する.
2010年9月∼2011年3月にかけて,8回にわたり真南条上営農組合
裏の由利山で里山整備を行った.活動日には集落の方も数名様子を
見に来て学生に指導・助言を行い,一緒に作業をすることもあり,交流
を深めている.里山の道は,4月に完成予定で,5月下旬に集落の方に
お披露目会をする予定である.学生が山に手を加え始めたのをきっか
けに,地域側からも山をきれいにしようという動きが生まれた.今後は
自治会の事業として,学生も手伝いながら面積を広げていく予定であ
る.他にも,2010年11月の六甲祭では地域で生産された農産物を仕入
れ,加工・販売を行った.
篠山市における都市農村交流
を通じた遊休農地の再生
代表 近藤史(農学研究科)
兵庫県篠山市の耕作放棄地は121haであるといわれており
(農林業
センサス2005),遊休農地はさらに広い面積であることが予測されて
いる.篠山市では耕作放棄地をコスモス畑に変える取組などが実施さ
篠山市福住まちづくり協議会
れているが,その面積は1haで,耕作放棄地の再生にはまだまだ異な
NPO法人食と農の研究所
る取組が必要である.
本プロジェクトでは,遊休農地の再生として,田んぼに古代米で絵を
描く田んぼアートをおこなった.
これを篠山市の6か所で開催し
「丹波
ささやま田んぼアートめぐり2010」
として企画・運営した.新たな観光
資源として利用してもらえるように,マップ作成もおこなった.また,
アートを実施した田んぼで収穫した米を販売するという形で,観光資
源としてだけでなく,食資源も生み出すことができた.
この遊休農地再
生プランによって,各田んぼアート実施地区で地域交流が生まれたほ
か,
「食べる田んぼアート」
と名付けた加工品も生まれた.
この企画を
遊休農地利活用の一事例として位置づけ,今後も展開していく.
エコ教育拠点としての
佐用町昆虫館の確立と発展
2009年8月10日の佐用町大水害により,NPO法人こどもと虫の会が
運営している佐用町昆虫館も泥に埋まる被害に遭った.被害の情報を
聞きつけた人々がボランティアとして昆虫館に集い,ほぼ自力復興で
代表 竹田 真木生(農環境生物 )
佐用町教育委員会
兵庫県人と自然の博物館
2010年4月には昆虫館を再開することができた.ボランティア数はの
べ429人にのぼり,復興活動を通してボランティアの支援体制が一層
発展した.
本プロジェクトでは,来館者の整理や諸所の説明のビジュアルエイド
として,パソコンを導入した.2010年度は,通年開館に匹敵する4786人
の来館者が全国27都府県から集まったことがわかった.復興に関する
様々な報道も影響し,佐用町昆虫館の知名度が上がり,来館者が増加
したと考えることができる.一方,
リピーターの多さは,館の概念そのも
のが支持されていることの表れと考えることができる.2010年から始
まった「こども昆虫道場」にも多くの人が参加者し,池の改築や水路の
整備も進んでおり,エコ教育拠点として更なる発展が期待される.
ANNUAL REPORT 2010
地域と交わる
2010年度
地域交流活動
農学部食農コープ教育の支援
∼兵庫農林水産行政論,インターンシップ∼
地域と農学研究科で知を共有し,実践活動を推進し
ます.地域と大学のパートナーシップにより,懇親
会・学習会・教育等の実践をおこない,地域活動を
推進します.
○兵庫県農林水産行政論:兵庫県の農林水産業や農林水
産施策に関する理解を深めることを目的として平成18年
度から実施している.兵庫県の農林水産業の現状や現在
実施されている農林水産施策について,兵庫県農政環境
部の幹部職員からオムニバス形式で体系的に講義を受け
る.最後に,具体的な施策をワークショップ形式で意見交
換・提案する.
(2010年度:受講者35名)
○インターンシップ:農学に関係するインターンシップ先
を独自に開拓し,農学部の学生が将来関わる職務に必要
だと思われる,理解力・関係力・構想力・実践力を身につけ
る目的で開講している.主なインターンシップ先はブンセ
ン・西馬農園・八幡営農組合篠山市農林課・JA兵庫みらい・
伊藤ハムであった.
(2010年度:受講者25名)
神戸大学大学院農学研究科
公開講座のサポート
2010年9月25日,神戸大学六甲キャンパスにて,神戸大
学農学研究科公開講座が開催され,地域連携センターに
関わるメンバーが講義を行った.大学とフィールドをスカ
イプでつなぎ,演習の模様を実況中継する試みもおこ
なった.
http://kobe-face.jp/renkei/
「農村ボランティアバンクKOBE」の
登録・マッチング促進
有機農業ボランティア
入門セミナーの開催
農家の作業補助や村づくりの支援などのボラ
ボランティアの質を高め,農村ボランティアへ
ンティアに学生が参加するきっかけを提供する
の参加の促進をはかるために,昨年度に引き続
仕組みとして,2007年度から登録支援を行ってい
き入門セミナーを開催した.有機農業運動に長く
る.本年度のマッチング件数は19件であった(う
関わる講師らが,座学と実技を組み合わせたプ
ち学生13件).本年度の合計登録者数は63名で,
ログラムを提供した.合計17名の参加があった
昨年度に比べると少ない結果となったが,2007
(第3回:学生1・一般4名,第4回:学生2・一般10
年度から少しずつ登録者数が増え,2010年現在
名).参加者は,講義で有機農業運動の背景や理
で216名の学生/一般の方が登録されている.
念を学び、畑ではハウスや堆肥場の見学に加え,
畝づくりや作物の収穫の指導を受けた.
ANNUAL REPORT 2010
地域に拡がる
農学部と地域をつなぐ窓口として,共同研究や地域活
相談情報発信
動に関する相談に応える他,地域における活動を促進
するための情報発信をおこなっています.
地域と農学研究科を繋ぐ窓口として,情報の受発信を行い
2010年度の相談概要
(件)
80
60
40
2009 年
2010 年
20
38
いる.オフィスアワーに受けた相談件数は2007年度から年々
行政職員
2
上昇傾向にあり,本年度は合計78件であった.
このうち,研究
地域住民
20
化や事業化へと進展したものもある.内容としては,インター
企業
3
ンシップに関する問い合わせや卒論・修論といった学生から
その他
2
の相談が多かった.一方,特産品の開発やまちづくりに関す
合計
0
各種相談に応えるため,オフィスアワーを週に2日実施して
学生・大学教員
78(件)
る相談など,地域住民からの相談も昨年度に比べると多かっ
た.
第5回 篠山市・神戸大学農学研究科
地域連携フォーラム
2011年1月21日(土)に,篠山市と神戸大学農学部地域連
携センターの主催で地域連携フォーラムを開催した.参加者
は85名で,篠山市でおこなっている農業実習などを題材にし
て,神戸大学農学部が取り組む実践教育「食農コープ教育プ
ログラム」の成果を紹介した.参加者から
「今の世代の若者が
農業に関心をもつことに感銘を受けた」,
「大学側からの農業
技術のアウトプットが少ない」,
「たくさんのアイデアシーズ・
ビジネスシーズを残してほしい」
といったコメントを頂いた.
懇親会では,学生手作りの猪汁がふるまわれたほか,篠山市
で異なる演習の受講生同士の交流の場ともなった.
丹波地域大学・地域連携
4大学合同シンポジウムへの参加
情報発信・書籍の刊行
2010年12月12日(日)に,丹波地域における大
HPで随時活動報告をおこないながら,本年度
学(関西大学,関西学院大学,兵庫県立大学,神
の活動をまとめたポスターを地域連携活動発表
戸大学)
と地域が連携した各種の取組を紹介す
会で発表した.その他,農村における実践型教育
るシンポジウムが開催された.大学が地域と連携
の教材として,2011年3月31日に書籍「農村で学
することで地域に果たす役割などについて議論
ぶはじめの一歩」を昭和堂より出版した.
さらに,
し,地域と大学そして大学間の連携事業をより強
学会や他大学との意見交換を積極的にすすめ,
固なものにしていく契機とした.参加者は105名
地域連携の神戸大学モデルの立案に向けた動き
で,神戸大学は農学部食農コープ教育プログラ
を始めている.
ムについて紹介した.
ANNUAL REPORT 2010
地域に根をはる
篠山フィールド
ステーション
http://kobe-face.jp/sasayama/
フィールド研究・教育推進
篠山フィールドステーションは、神戸大学と篠山市
とが連携して,地域の新しい価値を創造し,地域課
題解決と大学教育の充実をはかるための活動拠点
です.2010年7月に篠山市との地域連携協定が,農
学部から全学に拡大され,名称が変更しました.
教育研究活動や市民活動の拠点
篠山フィールドステーションは,生きた現場に位置す
篠山市を対象として,実習や調査を実施する神戸大の学
る拠点施設として,篠山市における体験学習および社
生および研究者に対して,学習・研究スペースを提供して
会実験型学習の実施を支援している.
いる.また,談話室及びセミナー室の一般開放をしており
本年度に篠山市で農学部の食農コープ教育として
利用者登録をしてもらえば,大学や地域から寄せられた様
実施した演習は3つある.1つは「農業農村フィールド
々な情報を自由に閲覧できる学習・情報交換コーナーを利
演習(受入先:福住まちづくり協議会)」で,年8回現地
用できる.
実習をおこない,参加学生は36名であった.2つめは,
本年度の篠山フィールドステーション利用状況について
「農業農村プロジェクト演習(受入先:真南条上営農組
まとめると,学習・研究スペースとしての利用は,学生と地
合)で,1泊2日のプログラムを2回と,校内学習を数回
域の方合わせて12名であった.教育研究に関する協議等
行った,参加学生は24名であった.3つめは「食農コー
の場としての利用はのべ49名であった.学外からの申し込
プインターンシップ(受入先:篠山市農林課)」で,参加
みによる学習・研究スペースの利用は,のべ275名と利用
学生は12名であった.それぞれの演習について,実施
者の大半を占めている.内容としては,地域活性化の勉強
に必要な地域との調整,演習補助を行った.
会やイベント企画などが多く,昼間は農作業や会社勤務し
他学部の利用としては,文学部ESDサブコースの
ている地域住民が,夜間に集って議論をする場として,他施
一環であるESD演習の実施フィールド・マッチング
設にはないニーズに応えている.
また,インターネットを使
支援を行い,本年度は丸山地区において演習が実施
って情報収集したいというニーズがあったため,学習コー
された.また,篠山市健康課と神戸大学発達科学研
ナーでパソコンを自由に使用できるようにした.サービス
究科との連携事業として進めている「就学前発達障
を始めた2月から3月末までにのべ5名の利用があった.今
害時早期支援プロジェクト」への協力もおこなっ
後は,篠山フィールドステーションの利活用に関する情報
た.
を提供し,地域に密着した施設として展開していく予定で
ある.
ANNUAL REPORT 2010
地域交流・まちづくり活動支援
学生のイベント参加の促進
篠山市や地域主催のイベントに, のべ39名の神戸大生が
参加し,その送迎や調整窓口を担当した.福住まちづくり協
議会の主催する地域振興イベントと,丹波ささやまご当地
グルメグランプリの運営スタッフに,農業農村フィールド演
習で篠山市を訪れた学生を中心に,のべ27名が参加した.
真南条上営農組合のイベントには,農業農村プロジェクト
演習に参加した学生らを中心に,のべ9名が参加した.
各種委員会,市民活動への参加
市民からの提案を受けて事業化した「丹波ささやまご当地
グルメグランプリ」の運営補助をおこなった.
また,
グランプ
リ以後発足した「篠山まるごと丼普及推進部会」に参加し,
ご当地グルメを支える生産のしくみづくりに関する提案を
おこなった.
また,市民から篠山FSに相談のあった事業を
展開する形で,丹波ささやま田んぼアートめぐり事務局とマ
ップ作成(原石を磨く会)をサポートした.市民の集う場であ
る市民センターに「市民プラザ」を発足させる会にアドバイ
ザーとして参加した.
セミナー等の実施
年間4回を目標に,篠山フィールドステーションセミナー
(SFSセミナー)を開催した.春季SFSセミナーは,3月の
篠山産業高校東雲分校主催の「農業フォーラム」に参加す
る形で,高校生向けに講演をおこなった.6月18日に農(み
のり)塾主宰の「早苗饗の会」に参加する形で,夏期SFS
セミナーを行った.参加者は100名であった.冬季SFSセ
ミナーはH23年1月21日に,地域連携フォーラムとして実施
した.
相談情報発信窓口
週に 2 回オフィスアワーを実施し,篠山市における地
域連携事業全般に関する相談 137 件(37%増加:昨年度比)
に対応した.相談者属性の中でもっとも多かったのが地
域団体で,次いで行政職員が多かった.相談の内容につ
いてみると,イベントやその運営委員会そのものへの協
力を依頼されるような内容が多かった(81 件).他に,
他大学部や他大学からの臨地教育研究に関する相談や,
オフィスアワー(相談受付時間)
曜日:毎週火・木曜日
ファーマーズマーケットなどに関する相談があった.11
件の人材紹介相談のうち、学生の受け入れ経験をもつ農
時間:13:00∼16:30
家や大学 OB,営農組合から学生らの紹介の要望があった
篠山市東新町4番地5
のは 8 件であった.その他は直接演習などで関わった経
連絡先:079-506-2366(TEL&FAX)
験がない人から,神戸大学の学生を紹介するよう要望が
[email protected]
あったものである.
ANNUAL REPORT 2010