第2年1組 健康教育学習指導案 指導者 土屋 理恵 渡邊 涼子 (養護教諭) 1 単元名 「大切な体 2 単元について 大切ないのち 」(特別活動) 本 単 元 は , 学 習 指 導 要 領 「 学 級 活 動 」 の 内 容 の ( 2 )「 日 常 の 生 活 や 学 習 へ の 適 応 及 び 健 康 や 安 全 に 関 す る こ と 。」 を も と に 設 定 し た 。 内 容 ( 2 )( オ ) の よ う に ,「 児 童 が 自分の健康状態に関心をもち,身近な日常生活における健康の問題を自ら見付け,自分 で判断し,処理できる能力や態度の育成」を目指す。 子ども達は3学期の生活科「大きくなったわたしたち」の学習で,自分の成長には, 家族を始めとする多くの人々が関わり,世話になってきたことに気付き,成長によって いろいろなことができるようになってきたことを学習する。現在,自分の成長について 家の人に聞いてみたり,小さい頃着ていた服や使った物などを調べたりして学習してい るところである。小さい頃のことを家族に取材する中で ,「こんなに小さかったんだ 。」 「 お 父 さ ん と お 母 さ ん が 買 っ て く れ た ん だ っ て 。」 な ど 家 庭 の 中 で 守 ら れ , 可 愛 が ら れ てきたことを実感している。また,家族や親戚に自分の小さい頃のエピソードを聞くこ とにより,家族の愛情をより一層感じていくことだろう。生活科の学習との関連を図り ながら,自分の誕生に焦点を当て,学習を進めたい。 単元の始めには,体の中で器官がどのような役割を果たしているのかを知ることで, 体の不思議に興味をもてるようにしたい。次の時間には,男女の体の違いについて学習 す る 。 本 学 級 の 実 態 と し て , 友 達 の 体 に 触 っ た り ,「 ち ん ち ん 」 や 「 お っ ぱ い 」 と い う 言葉を面白おかしく話したりする面がある。男女の性器の違いやプライベートゾーンな ど,正しい知識を身に付け,自分の体も友達の体も大切にしていこうとする気持ちを育 て た い 。 さ ら に ,「 お へ そ 」 を キ ー ワ ー ド に お 腹 の 中 の 赤 ち ゃ ん の 様 子 を 扱 い , 両 親 や 親戚,多くの関わった人達への感謝の心を育てていきたい。 3 子どもの実情 (1)実態調査 本単元に関して,児童にアンケート調査をした結果は次のようだった。 在籍35名(男子19名 女子16名)欠席4名 (1月25日調査) ①体のいろいろなぶぶんの名前を書きましょう 。(知っている名前はいくつでもよい 。) 手(20名) 足(19名) 膝(17名) おへそ(14名) 目(13名) 鼻(11名) おしり(10名) 口(15名) 耳(13名) 手首(9名) 太もも(8名) 指(7名) 髪の毛(6名) ほっぺ(5名) 爪(5名) 心臓(1名) 腕(14名) おなか(13名) 頭(12名) 首(9名) 足首(8名) 背中(5名) 胃腸(1名) 眉毛(5名) 肺(1名) ② 男の子の体と女の子の体で,ちがうところはどんなところでしょう。 性器の違い(19名) 髪の毛(6名)おしっこの仕方の違い(3名) 赤ちゃんを産む(3名) 顔(1名) 好みがちがう(1名) 声(1名) ③ 自分が生まれたときのようすを,家の人に聞いたことがありますか。 それはどんなことですか。 聞いたことがある 22名 小猿に似ていた 聞いたことがない どのくらいの体重だったか 9名 元気に生まれた 大声で泣いた ④「へそ」ってどんなところですか。知っていることを書きましょう。 お腹の真ん中あたりにあるもの(8名) お母さんのお腹の中でつながっているところ(7名) ごまが入っている(4名) 産まれてからへその緒を切っておへそになるところ(4名) 雷にとられる(1名) ゴミがたまるところ(1名) お腹がすくと感じるところ(1名) 虫とかが入らないように×印になっている(1名) お母さんから栄養をもらうところ(1名) ⑤「いのち」ということばを聞いて,考えたことを書きましょう。 大切にする(8名) 一つしかない(7名) 自分の命は自分で守る(5名) 守らないといけない(3名) 命がないと何もできない(3名) おばあちゃんがお母さんにくれて僕にくれた物(1名) お母さんが産んでくれたから命を授かっている(1名) お母さんがくれた大事な宝物(1名) (2)考察 ①では,体の部分の名称をよく知っているが,外から見える部分を挙げている子 どもが多い。体の中がどのようになっているのか簡単な模型を使って,楽しく学習 できるようにしたい。 ②では,性器の違いを挙げている子どもが半数ほどだった。アンケートをとって いるときに ,「 恥ずかしいな 。」「 書くの嫌だな 。」 と笑いながら書く子どもも多く , 普段は性器について口に出して言わない子どもでも,ある程度の興味をもっている ことが分かった 。男の子と女の子の体の違いから ,おしっこの仕方の違いを確認し , 性器はとても大切な器官であること,いつも清潔にしておくことを理解させる。さ らに,プライベートゾーンを押さえ,自分の体も友達の体も大切にしていこうとす る意識を育てていきたい。 生活科の学習の取材により,自分が産まれたときの様子を知っている子どもはい る が , 詳 し く は 聞 い て い な い よ う だ 。 ま た ,「 お へ そ 」 に つ い て 正 し い 知 識 を も っ て い る 子 ど も は 少 な く ,「 お へ そ っ て 一 体 何 だ ろ う 」 と い う 疑 問 を も っ て い る 子どももいた。お母さんと赤ちゃんとを結ぶ「へその緒」についてだけでなく, 子宮の中の様子も養護教諭に説明してもらい,お母さんのお腹の神秘さに触れさ せたい 。事前に ,子ども達に「 妊娠中に気を付けていたこと 」を母親に取材させ , 妊娠中から大切にされてきたことを実感し ,学習への意欲をもたせるようにする 。 さらに ,家族からの手紙を読む活動により ,感謝の気持ちをもてるようにしたい 。 命については,どの子どももとても大切だと思っている。命について学習の中 で 特 に 取 り 上 げ る こ と は し な い が , 単 元 の 最 後 に 「 い の ち っ て 大 切 な ん だ 。」「 み ん な に 大 切 に さ れ て い る の だ か ら , が ん ば っ て 生 き よ う 。」 と 心 か ら 思 え る よ う にしたい 。そのために ,科学的なことは養護教諭から ,心情面のことは担任から , というように役割分担をし,どちらの方面からも迫り,学習を深めていきたい。 4 単元目標 ○体の器官や機能について関心をもち,自分の体や友達の体を大切にしようとする。 (関心・意欲・態度) ○体の大切さや「 へその緒 」の働きを知り ,家族への感謝の気持ちをもつことができる 。 (思考・判断) ○体の大切さや「へその緒」の働きを知り,家族や周りの人達への感謝の気持ちを表す ことができる。 (技能・表現) ○ 体 の 器 官 や 機 能 , 体 の 大 切 さ ,「 へ そ の 緒 」 の 働 き を 知 る こ と に よ り , 自 分 の 体 も 友 達の体も大切だということを理解することができる。 5 (知識・理解) 単元の構想 (1)単元計画 1学期 1 2 2学期 3 1 ○ていねいに手をあらおう 2 3学期 3 ○大切な目 ・きれいに手洗いができ るようにする。 ○はを大切にしよう 1 2 3 ○大切な体 ・ 正し い 姿 勢や 目の 休ま ・ 体 の いろ いろ な部 分の せ方 に つ いて 理解 す る。 名 称 ,器 官や 機能 を 知 る。 ・ 正 し い 歯 磨 き の 仕 方 が ○バランスよく食べよう ・ 男 女 の体 の違 いに つ い 分かり,習慣化できる ようにする。 ○きそく正しい生活 ・ 何で も 好 き嫌 いな く食 べる こ と がで きる よう にする。 ・ 睡 眠 の 大 切 さ を 知 り , ○もうすぐ冬休み 規則正しい生活を考え ・ 規則 正 し い生 活の 計画 る。 て理解する。 ・「 へ そ の 緒 」 の 働 き を 知 り ,家 族へ の感 謝 の 気持ちをもつ。 を立てる。 (2)学習と支援,評価計画 時 学習活動と内容 活動への支援○・評価◆ 資料・用具 1 ど ん な 朝 ご 飯 を 食 べ た ○ 食べ て きたものを どん どん発 表さ か出し合う。 せるようにする。 2学習のめあてをつかむ 。 1 体の中をぼうけんをしよう。 3 朝 ご 飯 に 食 べ た 物 が ど ○ 食べ た 物が体の中 でど うなっ てい 内臓の模型 45 分 × 1 うなっているか,養護 るのか,予想させるようにする。 教諭の説明を聞く。 ○ 簡単 な 模型を使っ て, 胃腸や 大腸 の説明をする。 ○排泄物についても触れる。 4 学 習 の ま と め を す る 。 ○ 分か っ たことや感 想を ワーク シー ワークシート トに書くようにする。 ◆ 体の 器 官や機能に つい て興味 をも ことができたか。 ( 関心・意欲・態度 ) 1前時のふり返りをする 。 ○学習掲示を見せる。 学習掲示 2 男 の 子 と 女 の 子 の 絵 を ○ 男の 子 ,女の子の 体の 絵を見 せ, 男の子 2 見て,学習のめあてを もつ。 違いに気付かせる。 女の子の絵 男の子と女の子の体は ,どのようにちがっているのかな 。 3 体 の 違 い に つ い て 分 か ○ 子ど も の知識を認 めな がら, 性器 45 分 × 1 っていることを発表す の違 い だけでなく ,心 や将来 の体 る。 についても広く扱うようにする。 4男女の体の違いや性器 , ○ 資料 を 見ながら説 明を 聞くよ うに 男 の 子 と 女 お尻の拭き方について する。 養護教諭の話を聞く。 の子の絵 トイレの絵 5 体 の 洗 い 方 に つ い て 考 ○ 普段 ど のようにし てい るか思 い出 体 を 洗 っ て える。 させ , なぜそのよ うに してい るの い る 子 ど も かも考えさせるようにする。 の絵 6 プ ラ イ ベ ー ト ゾ ー ン に ○ プラ イ ベートゾー ンの 意味と 自分 男 の 子 , 女 ついて知る。 も周 り の友達の体 も大 切にし てい の子の絵 くことを押さえる。 6学習のまとめをする。 ◆ 男女 の 体の違いが 分か り,自 分の ワークシート 体も 友 達の体も大 切に するこ とが 分かったか 。(知識・理解) 1 前 時 ま で の ふ り 返 り を ○ 学習 掲 示を見なが ら, 簡単に ふり 学習掲示 する。 返るようにする。 2 へ そ の 働 き に つ い て 学 ○ 絵本 の 読み聞かせ をし ,今日 の課 絵本 習することを知る。 題をつかめるようにする。 おへそのひみつをさぐってみよう。 3 赤 ち ゃ ん と お 母 さ ん と ○ お腹 の 中にいる胎 児の 絵を見 せな お 腹 の 中 に をつなぐへその緒につ がら説明する。 いる胎児の いての話を,養護教諭 より聞く。 4羊水実験をする。 絵 ○ 母親 の お腹の中の 神秘 さに迫 れる フィルムケース ようにする。 豆腐,水 3 5家族からの手紙を読む 。 ○ 事前 に 家族に手紙 を書 いても らっ 家 族 か ら の ておく。 手紙 45 分 × 6学習のまとめをする。 ○ 体の 大 切さ,へそ の緒 の働き を知 ワークシート って 理 解したこと や考 えたこ とを 1 ワー ク シートに書 き, 命につ いて 本 考えられるようにする。 ◆ お腹 の 中の赤ちゃ んに 興味を もっ 時 て, へ その緒の役 割や お腹の 中の 様子 に ついての説 明を 聞くこ とが できたか 。(関心・意欲・態度) ◆ 「へ そ の緒」の働 きや お腹の 中の 赤ち ゃ んの様子を 知り ,家族 への 感謝 の 気持ちをも つこ とがで きた か 。(思考・判断) 6 本時の指導(3/3) (1)ねらい ○お腹の中の赤ちゃんに興味をもって,へその緒の役割やお腹の中の様子につい ての説明を聞こうとする。 (関心・意欲・態度) ○「へその緒」の働きやお腹の中の赤ちゃんの様子を知り,家族への感謝の気持 ちをもつことができる。 (思考・判断) (2)展開 時配 学習活動と内容 活動への支援○・評価◆ 資料・用具 1 1 前 時 ま で の ふ り返 り ○ 学 習 掲 示 を 見 な が ら , 簡 単 に ふ り 返 る よ 学習掲示 をする。 うにする。 5 2 絵 本 「 お へ そ のひ み ○ 途 中 の 「 お へ そ っ て な ん だ ろ う 」 と 問 題 絵本 つ 」 の 読 み 聞 かせ を 提示をしているページまで読み聞かせを 聞く。 し,今日の学習に興味をもたせるように する。 5 3学習課題をつかむ。 おへそのひみつをさぐってみよう。 ○知っていることや聞いたこと,考えたこ となどを自由に発表させるようにする。 10 5 赤 ち ゃ ん と お 母さ ん ○ お 母 さ ん の お 腹 の 中 に い る 胎 児 の 絵 を 見 お 腹 の 中 の をつなぐ「 へその緒 」 せ な が ら , へ そ の 緒 の 働 き に つ い て 説 明 胎児の絵 の 話 を , 養 護 教諭 か ら聞く。 するようにする。 へその緒と ○酸素や栄養,要らなくなった物を運ぶパ 同じ位の長 イ プ が 「 へ そ の 緒 」 だ と い う こ と を 押 さ さのひも える。 ○お母さんと赤ちゃんがへその緒で命がつ ながっていたことを押さえるようにする 。 ○胎盤・羊水・子宮という言葉を使いなが ら説明し,具体的に分かるようにする。 ◆お腹の中の赤ちゃんに興味をもって,へ その緒の役割やお腹の中の様子について の説明を聞こうとする。 (関心・意欲・態度) 10 6羊水実験をする。 ○お母さんのお腹の中にある羊水によって, フィルムケース 赤 ち ゃ ん は 守 ら れ て い る , と い う お 腹 の 豆腐 中の神秘に迫れるように,説明を加えな 水 がら行うようにする。 ○事前に子ども達が,お母さんが出産前に 気を付けていたことを調べておき,発表 させ,お母さんのがんばりや自分達が生 まれてくる前にも大切にされていたこと を実感させるようにする。 6 6 家 族 か ら の 手 紙を 読 ○お腹にいるときや生まれてきた時の様子 , 家 の 人 か ら む。 我 が 子 へ の 思 い を 書 い た 手 紙 を 事 前 に 家 の手紙 庭に依頼し,準備しておく。 8 7 学習のまとめをする。 おへ そは,お 母さんのおなかの中でお母さんとつながっていた へその緒のあとである。 ○ へ そ の 緒 の 働 き を 知 っ て 理 解 し た こ と や ワークシート 考えたことをワークシートに書くように する。 ○へその緒のことだけにとどまらず,お腹 の中の神秘さや大切にされてきたことへ の感動を取り上げ,自分を大切にしてい こうとする気持ちや家族への感謝の気持 ちをもてるようにする。 ◆「へその緒」の働きやお腹の中の赤ちゃ んの様子を知り,家族への感謝の気持ち をもつことができる 。(思考・判断)
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