脊髄小脳変性症 ・脊髄小脳変性症の実際 脊髄小脳変性症は難病に指定されており、特効薬や進行を抑制するような薬 もないのが現状です。症状としては小脳を障害した場合に出現する失調症状や パーキンソン症候に類似した無動等があります。前者の症状を抑制するために セレジストという薬が処方されたり、後者の症状を抑制するためにネオドパス トン等が処方されたりしています。 そのどちらにおいても、脊髄小脳変性症を治すためではなく、生じている症状 を抑制するためのものであり、実際には薬剤による効果は証明はされているか もしれませんが、効果を実感されている方は少ないのではないのでしょうか? ・何故、難治性の疾患に対してリハビリを行う必要があるのか? 上記したように、脊髄小脳変性症は難病であるため薬剤やリハビリによって 根治することは困難であると考えられています。実際には薬剤を服用すること で、副作用の影響を受けている方もいらっしゃられると思いますし、治らない ならやる意味もないと考えている方もいられると思います。それでも私たちは リハビリを行う事の必要性を感じています。 脊髄小脳変性症の進行は遅 行性の疾患ではありますが、何も行っていなければそれが廃用症候群を引き起 こし、寝たきりになってしまうのは目に見えています。確かに失調症状があれ ば思うように動けない、なら動くことは嫌だという考えになってしまうのも理 解できます。しかし、リハビリを行うことで少なからず廃用性の筋力低下や可 動域制限等は防ぐことができます。それに失調症状の全てを抑制することが困 難でもリハビリを行うことで多少改善する可能性もあります。失調は自身の力 で抑制できなくとも、例えば弾性包帯を使ったりすることで抑制したり、リハ ビリの中でその失調を抑制しながら動作訓練をすることで多少の改善を得るこ とができると考えております。 しかし、一番大事なのはご本人の気持ちだと考えています。ご本人のやる気 なしにはリハビリの効果もたかが知れているでしょう。私たちは少なからず何 年かは病院や施設でリハビリを行ってきました。その中でもやる気のある方、 ない方では大いに改善の差はあります。なので無理強いはしません。最初は気 が乗らない方でも一緒に頑張ってる中で改善していく方もいらっしゃいます。 少しでも自立した生活ができれば、自分にとっても、ご家族の方にとっても質 の高い生活になると信じて私たちはリハビリを行っていきます。
© Copyright 2024 Paperzz