情勢分析 - 一般財団法人日本エネルギー経済研究所 中東研究センター

-情勢分析20000914(財)中東経済研究所
― 中東・エネルギー情報 ―
2000 年 9 月 14 日
Vol.2, No.10
情勢分析
目次
海外での資金調達を活発化するイスラエルのハイテク企業と政策面の対応 . . . . . 2
I 資金調達を国際化するイスラエルのハイテク企業 ..................................................................................... 2
II テルアビブ株式市場への上場手続きの簡素化 ........................................................................................... 2
III 今次措置の効果についての評価 .................................................................................................................. 3
2 0 0 0 年上半期の日本の対中東輸出
イスラエルがシェアを拡大 - - - ................. 4
サウジアラビアは大幅減、イスラエルがシェアを拡大
-- - - サウジアラビアは大幅減、
I 2000 年上半期の日本の輸出動向 .................................................................................................................... 4
II 対中東輸出の全体像 ....................................................................................................................................... 4
III 輸出不振の要因 .............................................................................................................................................. 6
IV 輸出増加に転じた品目、相手国について .................................................................................................. 7
<トピックス> ........................................................................................................................................................ 12
アラブ首長国連邦:UOG が欧米でガソリン・スタンド獲得計画 ............................................................... 12
イラク:ロシアと新たな油田開発に調印か ................................................................................................... 12
イラン:South Pars 9 - 10、11 - 12 フェーズ入札 ............................................................................................. 12
オマーン:ガス・パイプライン建設のシンジケート組成開始 .................................................................... 13
クウェート:北部油田開発リストを作成 ........................................................................................................ 13
サウジアラビア:最高石油評議会が増産に向けての調整を石油相に指示 ............................................... 14
トルコ:バクー・ジェイハン・パイプライン下請け業者を決定 ............................................................... 14
リビア:下流部門の拡充に外資の参加を呼びかけ ....................................................................................... 15
カザフスタン:Chevron の Tengizchevroil 社持ち株比率が 50% に上昇 ....................................................... 15
欧州:石油価格高騰への抗議行動 .................................................................................................................... 16
需給:国際石油企業の探鉱・開発に保守的な見方 ........................................................................................ 16
<石油データ> ........................................................................................................................................................ 17
I 価格動向(8 月 30 日∼ 9 月 12 日)................................................................................................................... 17
II 需要、供給、在庫 ............................................................................................................................................. 20
1. 需要動向(9 月 14 日更新).............................................................................................................................. 20
2. 生産動向(9 月 1 日更新)................................................................................................................................ 21
3. 在庫動向(9 月 14 日更新).............................................................................................................................. 22
III 需給実績と短期需給見通し ............................................................................................................................ 25
1. IEA, Oil Market Report, 2000 年 9 月号(9 月 14 日更新)............................................................................. 25
2. 米エネルギー省(DOE/EIA), Short-Term Energy Outlook, 2000 年 9 月号(9 月 14 日更新)..................... 26
3. その他(9 月 1 日更新).................................................................................................................................... 27
4. 原油価格見通し(9 月 14 日更新).................................................................................................................. 28
1
-情勢分析20000914-
海外での資金調達を活発化するイスラエルのハイテク企業と政策面の対応
I 資金調達を国際化するイスラエルのハイテク企業
イスラエル経済は、ハイテク関連製品の輸出好調等を主因に概ね順調に推移している
が、こうした中で、同国のハイテク企業は生産・研究開発拠点の海外展開 (主として米国)
を進める一方で、米国を中心に海外資本市場での資金調達を積極化しており、企業金融
面でもイスラエル企業の国際化が進展している。すなわち、最近におけるイスラエルの
ハイテク企業による海外資本市場での資金調達の動きを見ると、
Floware Wireless Systems
Ltd. 社 (無線データ通信機器等の開発販売)が 2000 年 8 月初、米国の NASDAQ での新規
公開公募により総額 5850 万ドルを調達した (引受幹事は Credit Suisse First Boston、CIBC
World Markets 及び J. P Morgan & Co. の 3 社 <Jerusalem Post, 2000.08.03>)ほか、Giganet
Ltd. (無線通信機器メーカー)も同月初、同じく NASDAQ で新規公開公募を行い、8500 万
ドルの資金調達に成功した (引受幹事はMorgan Stanley Dean Witter & Co.<同2000.08.07>)。
また、2000 年 3 月に NASDAQ に上場された Breezecom Ltd. 社 (無線利用のインターネッ
ト・アクセス関連ソフト・製品の開発販売)は、第二次普通株公開公募 (215 万株)により 2
億ドルを調達することを企図し、
7月に当該公募に係る登録届出書を米国証券取引委員会
へ提出した (引受幹事は CIBC World Markets、 US Bancorp Piper Jaffray、Dain Rauscher
Wessels および Prudential Volpe Technology Group の 4 社 < 同 2000.07.17>)。
上記のようなイスラエル企業による米国資本市場での資金調達を反映して、非居住者
によるイスラエル企業発行証券への投資額も急増しており、イスラエル中央銀行発表の
統計によると、2000年1 - 5月中の非居住者による当該投資額は32.4億ドル (前年同期7.88
億ドル)に達し、このうち 22.5 億ドルが NASDAQ での株式公開に係わるものであった
(Financial Times, 2000.06.22)。
II テルアビブ株式市場への上場手続きの簡素化
イスラエル企業による資金調達の国際化を加速している要因としては、国内資本市場
が狭隘なことがあげられる。テルアビブ証券取引所については、市場の規模が小さいた
め、ハイテク企業を中心に急増している資金需要を吸収することは困難であった。この
ため、ハイテク等成長産業の企業は、資金調達先をNASDAQ等海外の資本市場にシフト
することを余儀なくされてきた。また、イスラエル企業が資金調達を国際化する中で、テ
ルアビブ市況が海外市況 (NASDAQ等)に連動して動く傾向が強まっているが、こうした
状況下では、
市場の取引き規模が小さいと株価変動を必要以上に大きくする惧れもあり、
イスラエル国内資本市場の拡充が喫緊の課題となっている。
こうしたことから、イスラエル大蔵省では 1999 年 11 月、イスラエル資本市場振興策
の一環としてテルアビブ証券取引所への上場手続きの簡素化を提案したが、これを受け
てクネセト (イスラエルの国会)は 2000 年 7 月下旬、関連法の修正法案を採択した。これ
2
-情勢分析20000914-
に伴い、米国の株式市場に上場されているイスラエル企業が、テルアビブ証券取引所へ
の上場を申請する場合に必要な手続きは、当該企業の年次報告書又は米国証券取引委員
会が定める目論見書のいずれかに依拠した登録届出書 (registration statement)をイスラエ
ル証券取引庁 (Israel Securities and Exchange Authority)に提出するだけとなり、同庁の認
可取得は不要となった。さらに、情報開示についても、米国株式市場とテルアビブ証券
取引所の双方に上場されているイスラエル企業に対しては、米国証券取引委員会が要求
する四半期財務報告書の開示事項以上の情報開示は求めないこととされている (Jerusalem
Post, 2000.07.27)。
III 今次措置の効果についての評価
上場手続き簡素化の効果について、テルアビブの証券ブローカーNessuah Zannex Securities の Eli Nahum 社長は、「今次措置に伴い海外および国内投資家は、米国およびテルア
ビブ両株式市場に上場されている企業の株式売買を拡大することが見込まれる」と楽観的
な見方を示した。しかし、スイス系有力投資銀行 UBS W arbourg の調査によれば、
NASDAQ に上場しているイスラエル企業上位 20 社のうち、テルアビブ証券取引所への
上場を検討している先は僅か 6 社に留まっており、同行では、今回の上場手続き簡素化
措置により、長期的にはテルアビブ証券取引所の取引額は拡大するものの、短期的には
価格の変動幅が拡大するとの見通しを示している (Financial Times, 2000.07.31)。
(小平 良一)
3
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2000 年上半期の日本の対中東輸出 --- サウジアラビアは大幅減、イスラエルがシェアを拡大 ---
I 2000 年上半期の日本の輸出動向
2000 年上半期は 1999 年上半期と比べ、10.0% の円高(118.74 円 --->106.74 円)と、原油価
格(*1)の 2 倍に迫る急騰($13.18/b --->$26.19/b)によって特徴づけられる。しかし、円高に
もかかわらず日本の輸出総額は 8.9% の伸び(23 兆 210 億円 --->25 兆 727 億円)を見せた。
その背景には、対アジア輸出の増大がある。最盛期の1995年には全体の46% を占めた対
アジア輸出は、その後のアジア経済危機により 1998 年に 34% まで落ち込んだが(*2)、経
済が回復に向かうにつれて輸出額も増加し、2000 年上半期は前年同期比 22.8% 増の 9 兆
9561.2 億円、39.9% まで回復している(表 1)。日本と東アジア諸国の間には、日本が資本
財、部品類を輸出し、東アジア地域で最終製品を生産するという国際分業体制が確立さ
れており、1999 年以降、双方の景気回復が相互依存関係の深化につながったという側面
がある(*3)。
表1:1999年上半期、2000年上半期の日本の輸出先
その他
中東 4.2%
2.4%
ヨーロッパ
18.7%
その他
中東 4.8%
3.0%
ヨーロッパ
20.0% 内側:
1999年上半期
外側:
2000年上半期
北米
34.9%
北米
36.7%
アジア
35.5%
アジア
39.9%
注:「その他」には太平洋、中南米、アフリカの各地域を含む。
出所:外国貿易概況、日本関税協会
II 対中東輸出の全体像
2000 年上半期の対中東輸出を国別、品目別に、それぞれ金額、増減率、寄与度の面で
ベスト 3、ワースト 3 を挙げると表 2 のようになる。
全体としては、2000年上半期の対中東輸出額は前年同期の6784.4億円から5915.8億円
へと 12.8%も減少した。これに伴い、輸出総額に占める中東地域の割合も3.0%から2.4%
へ低下し、今期の対中東輸出は 1999 年に引き続き、不振を余儀なくされている(表 3)。
産油国(*4)と非産油国の割合はおおよそ 7:3 と大きな変化はないが、今期は原油価格
4
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表2:金額、増減率、寄与度における国別、品目別集計
<国別>(付表1参照)
ベスト3
ワースト3
1
サウジアラビア
1414.4億円
1
イラク
6.6億円
金
2
UAE
1365.5億円
2
スダン
16.3億円
額
3 イスラエル
610.1億円 3 リビア
25.6億円
142.6% 1 アルジェリア
-48.9%
増 1 イラク
47.8% 2 シリア
-44.5%
減 2 リビア
率 3 カタル
24.3% 3 ヨルダン
-43.8%
1.8% 1 サウジアラビア
-22.6%
寄 1 イスラエル
0.8% 2 エジプト
-2.3%
与 2 トルコ
度 3 カタル
0.6% 3 クウェート
-1.3%
<品目別>(付表2参照)・・・全て中分類による
ベスト3
ワースト3
1 輸送用機器
2291.1億円 1 はき物
金 2 一般機械
1205.3億円 2 セメント
額
3 電気機器
799.7億円 3 陶磁器
45.8% 1 はき物
増 1 飲料及びたばこ
5.9% 2 セメント
減 2 食料品及び動物
率
3 陶磁器
0.1% 1 輸送用機器
寄 1 飲料及びたばこ
0.1% 2 一般機械
与 2 食料品及び動物
度 3 はき物
0.0% 3 鉄鋼
0.3億円
1.5億円
2.8億円
-51.7%
-48.7%
-46.4%
-6.9%
-2.6%
-1.0%
(c.f) 小分類における分類では以下のようになる
ベスト3
ワースト3
199.2% 1 船舶類
増 1 自転車
86.6% 2 構造物
減 2 農業用機械
率 3 形鋼
74.2% 3 絶縁電線
-88.2%
-73.1%
-72.6%
出所:関税協会データベースをもとに筆者作成。
注:「構造物」には同建設材を含む
表3:1999年 - 2000年上半期の対中東輸出額変化
(輸出額:億円)
(中東の割合:%)
1500
3.4
対中東輸出額(左掛け)
1400
3.2
輸出総額に占める中東の割合(右掛け)
1300
3.0
1200
2.8
1100
2.6
1000
2.4
900
2.2
800
1999年上半期
円相場:118.74円
原油価格:$13.18/b
1999年下半期
円相場:109.08円
原油価格:$21.72/b
2000年上半期
円相場:106.85円
原油価格:$26.19/b
2.0
700
1.8
Jan Feb
1999年
Mar
Apr
May
Jun
Jul
Aug
Sep
Oct
Nov
Dec
注:原油価格はOPECバスケット平均価格
出所:月例経済報告、経済企画庁;OPEC事務局;外国貿易概況、日本関税協会
5
Jan Feb
2000年
Mar
Apr
May
Jun
-情勢分析20000914-
の大幅上昇に支えられて産油国の収入が増大したにもかかわらず、産油国向け輸出はそ
の減少率が -13.7% (寄与度 -9.3%)と、非産油国の -10.8% (同 -3.5%)を上回る結果となった
(付表 1 参照)。
III 輸出不振の要因
一般的に、円高には日本製品の国際競争力を低下させ、輸出を抑制する作用があるが、
今期は前年同期比で円高が進んだにもかかわらず、アジア向けを始め、米国向け(8 兆
7092 億円、3.7% 増)、ヨーロッパ向け(4 兆 6553 億円、1.6% 増)でもわずかながら輸出は
拡大しており、日本の輸出は好調であったと言える。全体的な輸出増という基調の中で
中東向け輸出のみが大幅に減少した最大の要因は、これまで中東における大きなマー
ケットであったサウジアラビアとエジプトの 2 カ国が、輸入抑制政策を導入したことで
ある。
まず、サウジアラビアは 1998 年 5 月に、油価下落(1998 年平均 $12.28/b)の影響を受け
て、新規プロジェクトの契約禁止や、開発・投資関連の契約済みプロジェクト金額の10%
削減等の支出削減策を打ち出した(*5)。その結果、サウジアラビアでは1999年のプロジェ
クト成約高、成約件数が激減し(表4)、これが輸入額の大幅な減少につながっていると考
えられる。こうした背景から、日本のみならず OECD 主要国はいずれも、対サウジアラ
ビア輸出額を減少させている(表 5)。
次にエジプトは、
輸入急増による急激な経常赤字拡大と外貨準備高の低下に直面して、
いくつかの輸入抑制政策の導入に踏み切った。その代表的なものが、第三国を経由する
輸入の禁止などを含む、経済・外国貿易省令 619 号(1998 年 11 月 28 日発布)である(*6)。
この省令は 1999 年 11 月に若干緩和されたが、今度は同国議会でメガ・プロジェクトに
対する批判が高まり、実際に中止に追い込まれるプロジェクトも現れ始めた。エジプト
表4:サウジアラビアのプロジェクト成約状況
(単位:100万ドル、%、件)
1997 1998
7,682 6,981
n. a.
-9.1
144
116
53.35 60.18
成約高(100万ドル)
増減率
成約件数
1件当たりの平均金額
1999
2,944
-57.8
107
27.52
出所:MEED
表5:主要国の対サウジアラビア輸出
(単位:100万ドル/月)
米国
日本
イギリス
ドイツ
フランス
計
1998
1999
平均
1Q
877.1
823.5
332.7
265.3
370.9
223.2
200.9
195.8
119.4
111.5
1,901.0 1,619.3
2Q
504.6
250.3
186.0
177.1
104.3
1,222.3
3Q
494.7
307.7
186.0
197.8
103.2
1,289.4
4Q
811.1
284.2
204.5
221.9
119.6
1,641.3
出所:Monthly Statistics of International Trade, July 2000, OECD.
注:各四半期、年平均についても1カ月当たりの平均額
6
1999
平均
658.5
276.9
199.9
198.2
109.7
1,443.2
2000
1Q
563.3
244.2
198.6
173.0
113.8
1,292.9
4月
396.8
213.4
245.0
168.0
84.3
1,107.5
5月
368.7
n. a.
n. a.
n. a.
91.9
n. a.
-情勢分析20000914-
の 2000 年 1 - 2 月期の輸入は、前年同期の EL (エジプト・ポンド)88 億から EL79 億へと
10% 減少しており(*7)、輸入規制の影響は現在も続いていると思われる。
このように我が国の二大市場向けの輸出が減少したことに伴い、
「輸送用機器」を筆頭
にほとんどの品目で輸出実績の減少を余儀なくされた(付表2参照、輸送用機器の国別の
内訳については表 6 参照)。
表6:輸送用機器の輸出額変化
(単位:億円、%)
アルジェリア
バハレーン
イラン
イラク
クウェート
リビア
オマーン
カタル
サウジアラビア
UAE
産油国計
エジプト
イスラエル
ヨルダン
レバノン
モロッコ
スダン
シリア
チュニジア
トルコ
イエメン
非産油国計
中東合計
1999年
1 - 6月
68.6
33.4
60.1
1.1
195.6
9.9
242.0
70.3
714.6
503.3
1,898.8
234.7
233.3
59.7
63.7
63.0
7.5
27.5
35.6
143.5
24.2
892.7
2,791.6
輸送用機器
2000年
1 - 6月 増減率
29.4 -57.20
28.4 -15.09
50.0 -16.70
3.2 188.05
133.7 -31.65
9.0
-9.13
236.3
-2.32
92.0
30.91
578.0 -19.12
464.7
-7.68
1,624.6 -14.44
143.3 -38.92
236.6
1.42
19.9 -66.68
38.0 -40.36
38.3 -39.24
8.6
13.74
11.7 -57.44
34.2
-4.16
125.5 -12.57
18.5 -23.68
674.5 -24.45
2,299.1 -17.64
寄与度
-0.73
-0.19
-0.36
0.26
-1.84
-0.04
-0.24
1.24
-4.81
-1.55
-10.20
-2.43
0.15
-0.58
-0.67
-0.65
0.05
-0.29
-0.06
-0.69
-0.19
-7.17
-17.64
1999年
1 - 6月
32.7
24.6
15.2
0.2
147.3
2.3
133.0
56.0
358.3
344.6
1,114.2
50.4
200.6
23.2
46.4
28.9
1.4
6.7
4.0
38.1
9.7
409.6
1,523.9
乗用車
バス・トラック
2000年
1999年 2000年
1 - 6月 増減率 1 - 6月 1 - 6月 増減率
9.5 -70.99
34.6
18.7 -45.95
18.7 -24.22
6.1
6.4
4.08
18.0
18.66
34.6
12.1 -64.88
1.6 656.80
0.9
1.5
73.93
82.6 -43.91
19.0
16.2 -14.42
2.6
11.82
6.3
5.5 -11.28
129.6
-2.50
71.5
78.4
9.61
73.9
32.07
9.5
11.9
25.09
284.0 -20.73 275.9 241.5 -12.47
312.2
-9.40 101.9 101.5
-0.37
932.8 -16.28 560.2 493.8 -11.85
23.9 -52.65 119.5
77.5 -35.13
204.7
2.02
21.6
23.6
9.09
5.7 -75.52
31.6
11.1 -64.97
24.0 -48.20
7.8
7.9
0.67
11.0 -61.84
33.0
25.6 -22.43
2.7
89.98
5.8
5.1 -13.36
3.8 -43.61
18.1
6.9 -62.09
7.1
76.14
30.4
25.9 -14.68
31.5 -17.27
43.3
26.4 -38.89
5.0 -48.84
10.9
10.4
-5.00
319.4 -22.02 322.0 220.3 -31.59
1,252.3 -17.82 882.2 714.1 -19.05
出所:日本関税協会データベース
注:「輸送用機器」の内訳には「乗用車」「バス・トラック」以外にも「船舶類」などを含むため、「乗用車」と「バス・トラック」
の和は「輸送用機器」と一致しない。
IV 輸出増加に転じた品目、相手国について
1. 中東の情報化と通信機器輸出
構成比、寄与度の面ではその存在は非常に小さいが、IT 関連の輸出がいくつかの国で
爆発的に伸びていることが目を引く(表7)。近年の情報化の波は中東にも押し寄せ、どの
国も情報基盤の整備に乗り出している。
エジプトのAhmad Nazif通信情報技術相は、音声・データ・画像の高速通信ネットワー
クに今後 12 カ月で 10 億ドルを投資すると発表した。イランは 2000 年中に 140 万本の携
帯電話網を敷設して、携帯電話利用者を 200 万人まで拡充する予定である。レバノンは
予想を上回って 2000 年の携帯電話加入者が 71.5 万人に達し、番号システムのアップグ
レードを迫られている。中東では GSM (*8)が普及しており、カタルの加入者は 1 年間で
25% 増えて 8.7 万人、市場浸透率は 17% に達した。UAE では 300 万人に満たない人口に
対して、GSM 加入者は 1999 年に 74% 増え、83 万人に上っている(*9)。
7
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こうした背景から対中東輸出においても、
「ラジオ受信機(*10)」がイラン、オマーン、
シリア、トルコなどで、
「半導体等電子部品(*11)」がサウジアラビア、モロッコなどで飛
躍的に伸びている。
特にイラン向け輸出については、丸紅などが取り組むイラン国鉄の光通信システム敷
設プロジェクト(約 5 億 - 6 億円)や、NEC と住友商事がイラン国営電話会社と契約した大
型通信プロジェクト(約 53 億円)などに支えられ、大幅に増加していると考えられる。こ
れら 2 つのプロジェクトには、 1992 年以来 8 年ぶりに再開した対イラン中長期貿易保険
が適用されており(*12)、政府の取り組みが対中東輸出拡大の追い風になった好例と言え
るだろう。
表7:IT関連品の輸出額変化
(単位:1000円、%)
1999年
1 - 6月
アルジェリア
バハレーン
イラン
イラク
クウェート
リビア
オマーン
カタル
サウジアラビア
UAE
産油国計
エジプト
イスラエル
ヨルダン
レバノン
モロッコ
スダン
シリア
チュニジア
トルコ
イエメン
非産油国計
中東合計
0
774
1,065
0
151,375
817
215
30,439
877,778
904,964
1,967,427
62,455
35,791
15,144
21,783
10,255
0
953
4,455
1,727
0
152,563
2,119,990
ラジオ受信機*
1999年
2000年
7 - 12月
1 - 6月
0
217
0
958
25,801
116,838
0
0
187,791
107,132
999
0
16,248
26,151
24,103
15,969
905,937
769,988
1,074,751
527,857
2,235,630 1,565,110
36,453
14,903
28,623
18,604
12,145
12,845
33,145
34,157
8,875
1,305
0
786
362
2,801
6,222
869
10,937
83,198
1,288
0
138,050
169,468
2,373,680 1,734,578
1999年
増減率
1 - 6月
n.a.
2,319
23.8
699
10,870.7
16,027
n.a.
0
-29.2
4,952
n.a.
238
12,063.3
392
-47.5
660
-12.3
6,381
-41.7
23,246
-20.4
54,914
-76.1
224,536
-48.0
928,862
-15.2
0
56.8
242
-87.3
208,204
n.a.
0
193.9
1,080
-80.5
0
4,717.5
122,894
n.a.
0
11.1 1,485,818
-18.2 1,540,732
半導体等電子部品**
1999年
2000年
7 - 12月
1 - 6月
780
0
0
215
62,102
22,096
8,846
0
1,820
900
31,589
318
0
0
0
0
12,585
20,384
36,571
20,878
154,293
64,791
367,398
279,211
1,139,790 1,478,701
473
1,557
0
0
309,658
478,207
0
0
0
1,943
0
1,425
102,349
93,103
15,323
2,126
1,934,991 2,336,273
2,089,284 2,401,064
増減率
n.a.
-69.2
37.9
n.a.
-81.8
33.6
-100.0
n.a.
219.4
-10.2
18.0
24.4
59.2
n.a.
n.a.
129.7
n.a.
79.9
n.a.
-24.2
n.a.
57.2
55.8
出所:日本関税協会データベース
注:増減率は2000年1 - 6月期の前年同期比
*「ラジオ受信機」とは「無線電話用、無線電信用又はラジオ放送用の受信機器」を示し、通信機器の一部に分類される。
**「半導体等電子部品」とは「熱電子管、冷陰極管及び光電管」「ダイオード、トランジスターその他これに類する半導体デバイス、
光電性半導体デバイス、発光ダイオード及び圧電結晶素子」「集積回路及び超小型組立」を含む。
2. 輸出増加国の内訳
全般に不振であった対中東輸出だが、
輸出が増加した国も5カ国(絶対額が多い順にイ
スラエル、トルコ、カタル、リビア、イラク)あった。
イスラエルは「電気機器(83.3 億円、41.6% 増)」
「精密機器類(51.4 億円、46.2% 増)」な
どを中心に全体では 17.1% 伸びたが、特定の品目が牽引したわけではなく、 全体的な底
上げの結果といえる。イスラエルではシェケル高が輸入品価格を下落させたため、国内
需要が増大し、2000 年第 I 四半期の輸入は前年同期比 23% 増えた。特に耐久消費財は前
年同期比29%増を記録している(*13)。対中東輸出におけるイスラエルのシェアは1998年
8
-情勢分析20000914-
6.6%、1999 年 8.7%、2000 年上半期 10.3% と年々拡大しており、1999 年に引き続き、イ
スラエルは日本にとって中東で 3 番目に重要なパートナーとなっている。
トルコは、1999 年 8 月、11 月の大地震に伴う復興需要で、2000 年 1 - 5 月期の輸入は
203.7 億ドルと、前年同期の 148.0 億ドルから 37.6% 増加しており(*14)、日本からの輸入
も「鋼板(21.5 億円、310.0% 増)」
「建設用・鉱山用機械(14.0 億円、309.4% 増)」
「農業用
機械(7.9 億円、1553.6% 増)」などを中心に全体で 8.2% 拡大し、544.6 億円となった。特
にトルコでは 1 - 4 月期の自動車及び部品の輸入が前年同期比 71.1% 増加し、輸入金額は
12 億ドル以上に達した(*15)。関税同盟を背景に欧州車が勢力を伸ばす一方、日本の「輸
送用機器」輸出は前年同期比 12.6% 減少した。円高の影響があるため、ドル建てでは
-3.3% の微減(1.21 億ドル --->1.17 億ドル)に留まっているが、今後、欧州車とのシェア争
いは厳しくなると予想される。
カタルではガス開発や石油化学を中心とした大規模プロジェクトが多く進行している
(表 8)。今期は「原動機(11.4 億円、327.1% 増)」
「加熱用又は冷却用機器(14.4 億円、218.0%
増)」
「鋼板(1.6 億円、255.9% 増)」など、プロジェクトに関連していると思われる輸出が
目立ち、全体では 24.3% 増加して、153.9 億円となった。
表8:カタルのプロジェクト成約状況
(単位:100万ドル、%、件)
成約高(100万ドル)
増減率
成約件数
1件当たりの平均金額
1997
1998
872 1,316
n. a. 50.9
29
24
30.06 54.81
1999
1,484
12.8
22
67.47
出所:MEED
リビアは米国による経済制裁下にあり、日本との取引額も少ないが、今期は全体の
92.7% を占める「機械類及び輸送用機器類」が 1.5 倍に拡大し、総額では 17.3 億円から
25.6 億円へと 47.9% 増加した。中でも「ミシン」が 164.6 万円から 1.7 億円へと急増した
ほか、
「重電機器」 も 558.1 万円から 4224.8 万円へと 657.0% 増加している。
イラクも国連による経済制裁下にあるが、オイル・フォー・フード計画のもとで貿易
を拡大させており、それに伴い日本も「一般機械(2.7 億円、240.1% 増)」
「輸送用機器(3.2
億円、188.1% 増)」などを輸出している。しかし、1999 年上半期に 2.7 億円だった対イラ
ク輸出は、1999 年下半期には 32.2 億円へと急増したのに対して、2000 年上半期は 6.6 億
円にとどまっている。イラクの貿易は国連の管理下にあり、輸出入額の増減は政治的な
判断に大きく左右されるため、今後の情勢を注視する必要があろう。
2000 年 7 - 8 月平均の為替相場、原油価格相場はそれぞれ 1 ドル =107.50 円、$28.12/b
と、上半期と比べて大きな変化はない。依然、円高の厳しい状況は続いているが、原油
価格は高い水準を保っている。2000 年下半期は、通信関連を中心に大型プロジェクトが
あるトルコ、イラン向け輸出拡大が期待される。また、石油収入の回復を受けてサウジ
アラビアが輸入を拡大するか否かが一つの鍵となるだろう。
(牛嶋 明子)
9
-情勢分析20000914-
*注
1)本稿中の原油価格は全て OPEC バスケット価格。
2)日本経済新聞、2000.01.06.
3)通商白書 2000、通商産業省。
4) OPEC 加盟国及び GCC 加盟国を産油国、その他を非産油国として分類。
5) Reuters, 1998.07.30.
6) Business Middle East, April 16th - 30th 1999, EIU.
7) MEED, 2000.05.26.
8) Global System for Mobile Communications の略。ヨーロッパで標準化されたデジタル方式の携帯電話システムの規
格。1992 年から商用化が行われ 1997 年末時点で世界 101 カ国、117 の事業者が採用しサービスを行っており、最
も普及しているデジタル携帯電話の方式の一つ。
「移動体通信がわかる」喜田祥昭 他著、技術評論社)
(
9) MEED, 2000.08.25.
10)「無線電話用、無線電信用又はラジオ放送用の受信機器」を示し、通信機器の一部に分類される。
11)「熱電子管、冷陰極管及び光電管」
「ダイオード、トランジスターその他これに類する半導体デバイス、光電性半導
体デバイス、発光ダイオード及び圧電結晶素子」
「集積回路及び超小型組立」を含む。1999 年の日本の「半導体等
電子部品」輸出は、パソコンや携帯電話端末関連の需要増を背景に 3.7 兆円(前年比 0.6% 増)となった。
「日本貿易
(
の現状 -2000 年版 -」日本貿易会)
12) JETRO ホームページ(http://www.jetro.go.jp/re/j/gaikyo/)
「国別概況」
、
中東経済研究所『ニューズレター』Vol.14, No.25「通産省が対イラン長期貿易保険再開」
13) Recent Economic Developments, No.91, January 2000 - June 2000, Bank of Israel.
14) Monthly Economic Bulletin, July 2000, The Central Bank of the Republic of Turkey.
15) Country Report Turkey, July 2000, EIU.
付表1:相手国別輸出総額
(単位:億円、%)
アルジェリア
バハレーン
イラン
イラク
クウェート
リビア
オマーン
カタル
サウジアラビア
UAE
産油国計
エジプト
イスラエル
ヨルダン
レバノン
モロッコ
スダン
シリア
チュニジア
トルコ
イエメン
非産油国計
中東合計
1999年
2000年
1 - 6月 構成比 1 - 6月 構成比 増減率 寄与度
154.0
2.3
78.72
1.33 -48.87
-0.65
61.4
0.9
54.82
0.93 -10.67
-0.10
299.1
4.4
271.57
4.59
-9.20
-0.42
2.7
0.0
6.64
0.11 142.58
0.16
374.6
5.5
273.08
4.62 -27.10
-1.25
17.3
0.3
25.64
0.43
47.85
0.21
370.9
5.5
338.70
5.73
-8.69
-0.50
123.8
1.8
153.85
2.60
24.31
0.63
1828.3
26.9 1414.43
23.91 -22.64
-5.41
1385.3
20.4 1365.52
23.08
-1.43
-0.33
4617.4
68.1 3982.96
67.33 -13.74
-9.25
606.3
8.9
406.08
6.86 -33.03
-2.27
521.2
7.7
610.14
10.31
17.07
1.76
106.3
1.6
59.73
1.01 -43.79
-0.44
101.1
1.5
63.05
1.07 -37.63
-0.40
94.2
1.4
74.70
1.26 -20.72
-0.26
23.2
0.3
16.35
0.28 -29.63
-0.08
106.7
1.6
59.22
1.00 -44.48
-0.45
59.2
0.9
54.40
0.92
-8.18
-0.08
503.2
7.4
544.61
9.21
8.23
0.76
45.6
0.7
44.52
0.75
-2.34
-0.02
2167.0
31.9 1932.80
32.67 -10.81
-3.53
6784.4 100.0 5915.76 100.00 -12.80 -12.80
出所:日本関税協会データベース
10
-情勢分析20000914-
付表2:品目別輸出額変化
(単位:億円、%)
品目名
食料品
食料品及び動物
飲料及びたばこ
繊維及び同製品
化学製品
非金属鉱物製品
セメント
陶磁器
金属及び同製品
鉄鋼
鉄鋼の棒
形鋼
鋼板
鋼管
その他
構造物及び同建設材
機械類及び輸送用機器類
一般機械
原動機
農業用機械
金属加工機械
繊維機械
ミシン
建設用・鉱山用機械
加熱用又は冷却用機器
ポンプ及び遠心分離機
荷役機械
電気機器
重電機器
絶縁電線及び絶縁ケーブル
テレビ受像機
ラジオ受信機
テープレコーダー
家庭用電気機器
半導体等電子部品
輸送用機器
乗用車
バス・トラック
二輪自動車・原動機付自転車
自転車
船舶類
精密機器類
その他
紙類・同製品
ゴムタイヤ及びチューブ
家具
はき物
総 計
1999年
1 - 6月
15.12
10.26
4.86
206.75
164.19
52.29
2.94
5.24
542.06
424.71
7.58
4.05
219.32
163.70
117.34
10.91
5,178.44
1,379.45
290.74
8.45
73.89
43.56
19.03
101.46
233.64
210.59
95.10
848.20
74.24
41.41
52.44
21.20
95.84
52.84
15.41
2,791.58
1,523.86
882.22
50.13
0.02
20.22
159.21
625.57
23.87
272.44
5.59
0.69
6,784.41
構成比
0.22
0.15
0.07
3.05
2.42
0.77
0.04
0.08
7.99
6.26
0.11
0.06
3.23
2.41
1.73
0.16
76.33
20.33
4.29
0.12
1.09
0.64
0.28
1.50
3.44
3.10
1.40
12.50
1.09
0.61
0.77
0.31
1.41
0.78
0.23
41.15
22.46
13.00
0.74
0.00
0.30
2.35
9.22
0.35
4.02
0.08
0.01
100.00
出所:日本関税協会データベース
11
2000年
1 - 6月
17.95
10.86
7.09
162.05
163.33
45.34
1.51
2.81
460.74
356.41
6.10
7.06
202.12
131.92
104.33
2.93
4,446.10
1,205.31
275.94
15.77
79.04
39.99
17.87
88.89
71.55
204.10
106.14
799.65
80.37
11.33
45.07
17.35
93.88
41.50
24.01
2,299.10
1,252.30
714.13
50.01
0.05
2.38
142.04
620.25
20.74
225.56
4.57
0.33
5,915.76
構成比
0.30
0.18
0.12
2.74
2.76
0.77
0.03
0.05
7.79
6.02
0.10
0.12
3.42
2.23
1.76
0.05
75.16
20.37
4.66
0.27
1.34
0.68
0.30
1.50
1.21
3.45
1.79
13.52
1.36
0.19
0.76
0.29
1.59
0.70
0.41
38.86
21.17
12.07
0.85
0.00
0.04
2.40
10.48
0.35
3.81
0.08
0.01
100.00
増減率
18.75
5.93
45.77
-21.62
-0.52
-13.29
-48.72
-46.40
-15.00
-16.08
-19.44
74.22
-7.84
-19.41
-11.09
-73.09
-14.14
-12.62
-5.09
86.63
6.96
-8.19
-6.14
-12.39
-69.38
-3.08
11.61
-5.72
8.26
-72.64
-14.05
-18.18
-2.05
-21.46
55.84
-17.64
-17.82
-19.05
-0.25
199.23
-88.23
-10.79
-0.85
-13.09
-17.21
-18.29
-51.71
-12.80
寄与度
0.06
0.01
0.05
-0.59
-0.01
-0.10
-0.01
-0.02
-1.17
-0.97
-0.02
0.09
-0.27
-0.43
-0.20
-0.04
-10.63
-2.57
-0.24
0.23
0.09
-0.06
-0.02
-0.19
-0.84
-0.11
0.21
-0.77
0.11
-0.14
-0.11
-0.05
-0.03
-0.15
0.23
-6.86
-3.77
-2.30
0.00
0.00
-0.04
-0.26
-0.09
-0.05
-0.66
-0.01
0.00
-12.80
-情勢分析20000914-
<トピックス>
イラク:ロシアと新たな油田開発に調印か
アラブ首長国連邦:UOG が欧米でガソリ
ン・スタンド獲得計画
ロシアの石油会社 Slavneft の代表団が、
イラクの油田開発に関する協議を行うため
に、8 月 22 日にバグダードを訪問した。訪
UAE Offsets Group (UOG)は、イギリスで 問したのは、同社社長の Mikhail Gutseriyev
設立した Summit Corporate Services Limited 氏以下で、3 日間の滞在中に、アジーズ副
(Summit)を通じ、欧州、米国、アジアにお 首相並びにラシード石油相と会談し、イラ
いて合計約 1 万カ所のガソリン・スタンド クの油田開発参入に関しての協議を行っ
を獲得する計画を持っている。また、欧州 た。開発の対象となる油田については今の
製油所の獲得の可能性も検討中である。
ところ明らかにされていないが、同行した
Summit は、まず最初に欧州の石油・ガス Slavneft の技術者が対象となる油田の検討
会社の支配的権益を獲得後、同地域で数千 を行ったもようで、イラク南部地域の油田
カ所のガソリン・スタンド獲得を計画して が有力ではないかと思われる。イラクはす
いる。ただし、獲得予定件数では、その後 でにロシアのLukoilとの間でWest Qurna油
に進出を予定している米国の方が多くなり 田の開発について 37 億ドル相当の PS 契約
そうである。ちなみにアジアでも少数のガ を締結しているが、Lukoil 側が国連経済制
ソリン・スタンドを獲得したい意向であ 裁を理由に本格的な開発活動を開始してい
る。そして、スーパーマーケットと提携し ない状況である。今回イラクが Slavneft と
たり、ガソリン・スタンドの設備をアップ 契約を締結する場合には、イラク側は経済
グレードして金融や他のサービスを提供す 制裁を考慮せずに油田の開発計画を策定す
る。
るよう強く求め、これにより Lukoil に対し
ところで、この Summit のプロジェクト ても開発活動開始の圧力をかけていくもの
は、同じUOGが手掛けるドルフィン・プロ と思われる。しかしながら、Slavneft側は経
ジェクト (カタル産ガスを UAE、オマーン 済制裁解除後の油田開発開始を望んでいる
等 へ 供 給 す る プ ロ ジ ェ ク ト ) が 米 国 の ことを表明しており、油田開発契約調印ま
Enron、フランスの TotalFinaElf と戦略的 でには今後さらに交渉が行われていくもの
パートナーシップを結んでいるのと同様、 と思われる。(三田)
一社もしくは複数のエネルギー企業とパー
トナーシップを結ぶもようである。そし イラン:South Pars 9 - 10、11 - 12 フェー
て、両プロジェクトを推進するのがムハン ズ入札
マド国防軍参謀総長と Amin Badr al-Din 前
UOG会長ということも共通している。ちな NIOC は 8 月 29 日、South Pars ガス田開発
みに現在は、前者が U O G 会長、後者が の 9 - 10、11 - 12 フェーズについて、入札
Summit の取締役に就任している。(高橋)
募集を行った。特に、11 - 12 フェーズにつ
いては、産出した天然ガスをイラン初の
LNG 輸出に用いる見込みである。
12
-情勢分析20000914-
各フェーズの産出量及び用途は以下の通
りである。9 - 10フェーズについては、5000
万 m3/d の天然ガスを国内消費のためパイ
プラインに接続し、105 万 t/y の LPG、8 万
b/d のコンデンセート、400t/dの硫黄を輸出
に用い、100 万 t/y のエタンを近隣の石油化
学プラントに供給するとしている。同様に
11 - 12フェーズについては、5500万m3/dの
高硫黄ガスをLNG pre-treatment及び液化施
設に送り、8万b/dのコンデンセートが輸出
に用いられる。
ザンギャネ石油相が、8 月 27 日に国営ラ
ジオで明らかにしたところによると、イラ
ンは日本・中国を含む東アジア・南アジア
への LNG 輸出を希望している。
テンダー・ドキュメントにはバイバック
方式と EPSCC (engineering, procurement,
supply, construction and comissioning)方式の
2 種類が提示してある。バイバック方式は
国際オペレーター企業が責任を持って開発
するものであり、EPSCC方式はエンジニア
リング・コントラクターがイラン石油企業
のオペレーターシップのもとに開発を行う
ものである。(徳原)
オマーン:ガス・パイプライン建設のシン
ジケート組成開始
オマーンが 2 年以内に完成を予定してい
る 2 つのガス・パイプライン建設のための
シンジケートの組成が始まった。8 月 22 日
の融資合意書に基づき、オマーン国営の
Oman Gas Company (OGC)は 4 億 1000 万ド
ルの融資を受ける。OGCはプロジェクト総
工費の 90%をこの融資で、残り10%は自己
資本でまかなうとしている。中心となって
シンジケートを組織しているのは、BNP
Paribas、Arab Banking Corporation、 日本興業
銀行、 A r a b P e t r o l e u m I n v e s t m e n t s
Corporation、 Gulf International Bank、
Greenwich NatWest、 Mediocredito Centraleの
7 金融機関である。この他、住友銀行、東
京三菱銀行、C r e d i t L y o n n a i s 、 A N Z
Investment Bank も参加する。これと同時
に、OGC は 8 月 22 日に 2 本のパイプライン
建設工事について、インドのDodsal (サー・
ニハイダからサラーラまでの 700km、総工
費 1 億 8100 万ドル)、イタリアの Saipem、
Snamprogettiを含むコンソーシアム (ファフ
ドからソハールまでの 305km、総工費 1 億
2400 万ドル)と EPC (エンジニアリング・調
達・建設)契約を交わしている。(山本)
クウェート:北部油田開発リストを作成
KUNA (クウェート国営通信) (2000.08.30)
によると、クウェート北部の油田開発プロ
ジェクトへの外資導入手続きを進めている
クウェートの最高石油審議会 (SPC, 委員長
はサバーハ第一副首相兼外相)は、
プロジェ
クトへの入札参加資格を持つ海外メジャー
を掲載したショートリストを作成し、9 月
末にもこれら企業名を公表することを決定
した。サバーハ議長は詳細についてはコメ
ントしていないが、地元紙はショートリス
トに掲載されているメジャーは Texaco、
C h e v r o n 、C o n o c o 、E x x o n M o b i l 、
TotalFinaElf、Shell、BP Amoco、ENI の 8 社
で、この中から入札で選ばれた複数企業に
よるコンソーシアムと開発契約が締結さ
れ、プロジェクトは2001年初頭にもスター
トする可能性が高いとしている。
この SPC の決定に対して、現在夏季休会
中のクウェート国民議会の反政府議員らは
13
-情勢分析20000914-
怒りをあらわにしている。反政府議員ら
は、議会の同意がないままに外資導入手続
きが進められようとしているとして、断固
として政府に抵抗していく構えを見せてい
る。
クウェート政府は 2000 年 4 月の閣議で、
上流部門への外資導入を認める法案を承認
しているが、政府主導で手続きが進められ
ていることに反対している国民議会の承認
はいまだに得られていない。議会は夏季休
会の終了する 10 月 22 日以降、プロジェク
トの是非について再び議論することになっ
ている。(島末)
サウジアラビア:最高石油評議会が増産に
向けての調整を石油相に指示
MEES誌(2000.09.04)他の各種報道によれ
ば、サウジアラビアの最高石油評議会は 8
月30日、ジッダにおいてファハド国王を議
長として会議を行った。会議後発表された
声明によれば、最高石油評議会は石油相に
対して、石油市場を安定化させるため、適
切な増産を行うべく他のOPEC加盟国と (9
月 10 日の OPEC 総会に向けて)調整を行う
よう指示した。
同時に最高石油評議会は、6月のOPEC総
会での合意に沿った価格レベル ($22 - 28/b)
が望ましいとし、これを実現するためメカ
ニズム (プライス・バンド・メカニズム)の
変更を求めてゆくことを確認した。(9月10
日の OPEC 総会の結果については『ニュー
ズ・レター』Vol. 15, No. 10 <2000 年 9 月 14
日号 > 参照)
また最高石油評議会は、サウジアラビア
の基本的な石油政策として以下を確認し
た。
1) 石油マーケットの安定と消費国に対する
安定供給を保障するため、OPEC 内外の
産油国と協力していく。
2) 国家経済の発展に寄与できる石油産業を
育てるとともに、長期的に石油収入を極
大化する。
3) 世界のエネルギー消費のなかで石油の地
位を維持するとともに、サウジの販売
シェアを維持する。
4) 何時でも適切な生産ができるような (余
剰)生産能力を維持する。
最高石油評議会はさらに、Saudi Aramco
の5カ年計画 (2001 - 2005年)を承認した。そ
のなかで、マーケットを適切に反映するベ
ンチマーク原油の見直し、ガス生産の増
加、適切な原油生産能力の維持について言
及している。(原)
トルコ:バクー・ジェイハン・パイプライ
ン下請け業者を決定
トルコのパイプライン会社である Botas
は、アゼルバイジャンからグルジアを経由
してトルコにつなげるバクー・ジェイハ
ン・パイプライン建設プロジェクトの、ト
ルコ部分の下請け建設業者を決定した。
Botas は下請けとしてドイツの Pipeline Engineering (PLE)に発注する。PLE は Botas の
要請で既に1995 - 96年にかけ、世銀の融資
のもとでFSを完了している。同パイプライ
ンのトルコ部分の総工費は 14 億ドルと見
積もられており、2004 年の完成をめざす。
(山本)
14
-情勢分析20000914-
リビア:下流部門の拡充に外資の参加を呼
びかけ
MEES 誌(2000.09.04)によれば、リビア国
営石油 (NOC)が国際石油会社 (IOC)へリビ
アの製油所や石油化学工場における高度
化・拡張計画に関する共同事業への参加を
呼びかけている。特に NOC は Sebha での新
製油所の建設と Ras Lanuf や Azzawiya の既
存の製油所の高度化計画に力を入れている
ようだ。
Ras Lanuf 製油所は Sirte 湾に位置する
NOC 所有の工場で 1984 年に完成し、22 万
b/dの原油処理装置、3,300 b/dのエチレン装
置、5,600 b/d のナフサ水添装置、3,300 b/d
の接触改質装置を有する。
Azzawiya製油所はトリポリの西、地中海
にある NOC 所有の工場で、1974 年に完成
し、12 万 b/d の原油処理装置、7548 b/d の減
圧装置、13,500 b/d の接触改質装置、16,500
b/dの接触水添装置、3,500 b/dのアスファル
ト製造装置、650 b/d の潤滑油製造装置を
持っている。
今回の外資への参加呼びかけはリビアが
国連制裁の一時停止後、国内への投資を促
進させる姿勢の現れの一つである。
上流部門では既に、1999 年 4 月に制裁停
止 2 週間後のジェノバでの会議で、リビア
政府は、新しい鉱区での、新しい石油関連
法での上流部門プロジェクトに関する門戸
を外国人投資家へ開放した。
2000 年 5 月、NOC の会長 Badri 氏は多数
の IOC へ会議への参加を呼びかけ、現在の
開発や生産分与協定に関する問題について
話し合った。更に 6 月には上流部門開発鉱
区を 3 つの開発パッケージにする事を発表
していた。
ところで、2000年のリビアに関する報告
書の中で米国エネルギー情報局 (EIA)はリ
ビアの生産能力は約148万b/dで、その内72
万b/d はNOCの子会社が所有することを発
表している。内訳は、Waha 石油が 30 万 b/
d、アラビア湾石油が 32 万 b/d、シルト石油
が 10 万 b/d である。その他、NOC と IOC の
合弁企業所有が76万b/dあり、内訳はAgipENI とが 25 万 b/d、OMV とが 15 万 b/d、
Wintershallとが10万b/d、Vebaとが9万5000
b/d、TotalFinaElf とが 8 万 5000 b/d、RepsolYPF とが 8 万 b/d である。国営油田は年間 7
- 8% で自然減少しているが、EIA によれば
リビアはIOCの梃子入れがあれば生産能力
を 200 万 b/d に拡張できるとの事だ。
(佐々木)
カザフスタン:Chevron の Tengizchevroil
社持ち株比率が 50% に上昇
カザフスタン政府は 8 月 29 日、同国最大
の油田テンギス油田で操業している合弁企
業 Tengizchevroil 社の国営 Kazakhoil 社保有
株式 (25%)の一部 (5%)を米 Chevron 社に売
却したと発表した。Chevronはこの買収に4
億 7000 万ドル支払う見込みで、このうち
2000万ドルは首都アスタナの整備に充てら
れる。これにより Chevron のカザフスタン
への総投資額は 2 1 億ドルとなり、
Tengizchevroil社持ち株比率は45%から50%
に上昇する。Tengizchevroil 社には他に
ExxonMobilが25%、LukArco (LukoilとArco
の合弁)が 5% の比率で加わっている。国営
Kazakhoil 社保有株式の一部売却の考えは
1999年の財政危機の際に浮上したが、当時
の国営 Kazakhoil 社カパロフ社長はこれに
反対して解任された経緯がある。テンギス
15
-情勢分析20000914-
油田の生産量は 1993 年の 6 万 b/d から現在 く、原油価格上昇の影響を最小限に抑える
は 21.5 万 b/d に増加、2000 年第 IV 四半期に ために政策協調をしていくこと等を打ち出
はさらに26万b/dに増加する見込みである。 して閉幕した。(高橋)
(遠藤)
需給:国際石油企業の探鉱・開発に保守的
欧州:石油価格高騰への抗議行動
な見方
8 月末にフランスの漁業関係者が起こし
た石油価格高騰への抗議行動が、欧州各地
に飛び火した。
まず、フランスの漁業関係者が港湾封鎖
にでると、フランス政府は社会保障負担の
軽減等を約束した。これに乗じて同国の運
送業者やタクシー運転手、農業関係者も幹
線道路、製油所や石油貯蔵所につながる道
路を封鎖する等の行動にでて、9 月上旬に
は、それぞれ軽油税減税、燃料税一部免除
を勝ち取った。一時はガソリン・スタンド
の多くが休業に追い込まれたり、国内航空
便に運休が出るという状況になったが、政
府側の譲歩により国内での抗議行動は収束
に向かいつつある。
しかし、フランスより石油価格、税金が
高いイギリスをはじめ、ベルギー、ドイツ、
スペイン、イタリア、ギリシャ等にも、フ
ランス式抗議行動が拡大してきた。これに
ついて、イギリスのブレア首相は9月11日、
封鎖等を通して政府の石油政策を変えるこ
とはできないし、変えるつもりもないと
し、この問題に関する唯一の良策は OPEC
に圧力をかけることと語った。
このような中、ユーロ通貨圏 11 カ国は 9
月 8 日、蔵相会議を開催し、ユーロ相場に
加えて原油価格の高騰について議論した。
そして 9 月 9 - 10 日にはEU15カ国の非公式
蔵相理事会を行った。各国からは、OPEC
に対する圧力を強めるべきという声が強
16
Goldman Sachs Global Equity Research 社
によれば、国際石油企業による 2000 年の
E&P (exploration and production)支出実績は
1999年並であり、最近の高油価の状況にも
かかわらず、国際石油企業は慎重な姿勢を
見せているという。同社によれば、国際石
油企業は油価が下がらないうちに自社のバ
ランス・シートを再構築する機会を狙って
おり、フリー・キャッシュ・フローの増大
を目指す経営姿勢から、上流部門費用は
2000 年も保守的なままであるという。他
方、Royal Dutch/Shell が 2001 年の北海油田
向け投資額を引き上げると発表したこと
や、Chevron のカザフスタンの油田開発企
業の持株比率の引き上げなど、上流部門投
資への積極姿勢の動きも伝えられている。
上流部門投資の多寡は原油価格の動向予測
に左右されるが、Goldman Sachs Global
Equity Research 社は国際石油企業が原油価
格を、2 0 0 0 年後半から 2 0 0 5 年まで
$20 - 25/b (WTI)で推移すると予測している
としている。
また同社は 2005 年以降の原油価格の不
安定要因として、カスピ海資源の急激な生
産、メキシコ深海資源の生産、カナダの合
成石油生産、そしてさらに重要なものとし
てイラン、イラク、クウェート、リビアが
計画している資源開発の進展をあげてい
る。(徳原)
-情勢分析20000914<石油データ>(今号担当:牛嶋)
I 価格動向(8 月 30 日∼ 9 月 12 日)
(1) WTI は 10 年ぶりの高値
ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油スポット価格は、9 月 10 日の OPEC
総会を前にして、上昇を続けた。米国原油在庫はやや積み増されたもののほとんど材料視され
ず、暖房油需要や、OPEC による増産幅が 50 万 - 70 万 b/d 程度の小幅増産にとどまるのでは
との観測から、9 月 6 日に $34.90/b へと上昇、翌 7 日も $35.38/b まで上昇し、湾岸危機があっ
た 1990 年以来、およそ 10 年ぶりの高値を付けた。10 日の OPEC 総会で 10 月から 80 万 b/d 増
産する事が決定されたが、11 日の価格は、増産幅が予想の範囲だったことや、冬の暖房油需
要に間に合わないのではという不安感から $35.13/b と、8 日の $33.63/b から 1.5 ドル上昇した。
12 日はやや値を下げて $34.28/b となっている。
(2) OPEC バスケット価格
OPEC バスケット価格は 8 月 28 日以降、常に 31 ドル以上で推移している。9 月 4 日には 32
ドルを超え、7 日は $33.84/b と今年最高値を付けた。11 日の価格は $32.45/b だった。
(3) WTI 先物はバックワーデーション
NYMEX の WTI 先物市場は、依然としてバックワーデーション(期近物が期先物より高い
状態)が続いているが、期近物価格が急激に上昇したことから、再び期先物との差が広がって
いる。
最近の原油スポット価格の推移
($/b)
37.00
35.00
33.00
31.00
29.00
27.00
Brent
WTI
Dubai
OPEC Basket
25.00
23.00
6/8
6/14
6/20
6/26
6/30
7/6
7/12
7/18
7/24
出所:Wall Street Journal. 日本経済新聞, OPEC通信。
17
7/28
8/3
8/9
8/15
8/21
8/25
8/31
9/6
9/12
-情勢分析20000914-
原油スポット価格の推移(1年)
($/b)
35.00
33.00
31.00
29.00
27.00
25.00
23.00
Dubai
Brent
WTI
OPEC Basket
21.00
19.00
9/3
10/1
10/29
11/26
12/24
出所:Platt's Oilgram Price Report, OPEC通信。
($/b)
2000年
1/21
2/18
3/17
4/14
5/12
6/9
7/7
8/4
9/1
WTI先物価格価格差(期先物価格-期近物価格)
2.00
コンタンゴ
1.00
0.00
Jan.92
Jan.93
Jan.94
Jan.95
Jan.96
Jan.97
Jan.98
Jan.99
Jan.00
-1.00
-2.00
-3.00
2nd month
3rd month
4th month
-4.00
バックワーデーション
-5.00
出所:PMIおよびOMI, 2000年8月以降についてはWall Street Journalより算出。
NYMEX:製品先物価格の推移(期近物)
(¢/gal)
110.0
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
暖房油
1999年
ガソリン
2000年
50.0
9/8
10/7
出所:Wall Street Journal.
11/5
12/8
1/11
2/10
3/13
18
4/11
5/11
6/12
7/13
8/11
9/12
-情勢分析20000914-
表I - 1 原油価格動向(ロッテルダム・米国湾岸)
(単位: $/b)
1999年
2000年
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
アラビアン・ライト34°
ネットバック
19.73 20.08 21.60 22.16 22.40 23.82 25.22 22.16 23.71 25.99 25.01
スポット
22.48 22.20 24.15 23.95 25.08 26.25 26.30 22.38 27.05 28.80 27.38 27.33
アラビアン・ヘビー27°
ネットバック
18.07 18.70 18.74 20.35 19.60 20.77 23.10 19.72 19.84 22.60 22.51
スポット
21.43 21.05 23.30 22.65 23.73 24.40 24.80 21.43 26.05 29.70 26.18 25.73
イラニアン・ライト34°
ネットバック
19.49 19.88 20.05 21.92 21.54 22.94 24.97 21.88 22.58 25.00 25.77
スポット
22.33 22.05 24.00 23.80 24.93 26.10 26.15 22.23 26.90 28.70 27.28 27.23
クウェート31°
ネットバック
18.72 19.23 19.35 21.09 20.50 21.75 23.93 20.67 21.06 23.63 23.84
スポット
21.78 21.55 23.60 23.15 24.28 25.10 25.35 21.73 26.40 28.15 26.53 26.28
イラク・キルクーク37°
ネットバック
20.17 20.49 20.53 22.44 21.85 23.28 25.44 22.71 23.68 26.21 26.24
スポット
n.a
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
ドバイ・ファテ32°
ネットバック
19.63 20.00 21.49 22.06 22.29 23.73 25.11 22.06 23.60 25.90 25.02
スポット
22.20 21.45 23.55 23.75 23.90 25.15 25.35 21.50 26.75 28.35 26.40 27.05
ナイジェリア・ボニー・ライト37°
ネットバック
21.47 21.55 23.17 23.89 24.40 25.98 27.22 24.73 26.85 29.12 28.40
スポット
23.15 21.80 25.45 25.75 26.45 28.50 29.05 22.90 29.15 30.15 27.85 28.90
OPECバスケット
(7油種平均)*
22.17 21.67 23.75 24.77 24.58 26.84 26.71 22.93 26.94 29.12 27.94 28.30
イギリス・ブレント38°
ネットバック
21.12 21.41 22.78 23.39 23.91 25.65 27.02 24.46 26.42 28.96 28.41
スポット
23.00 21.50 25.30 25.50 26.30 28.10 28.55 22.65 28.80 30.00 28.25 29.65
ノルウェー・エコフスク43°
ネットバック
21.39 21.60 21.63 23.62 23.35 25.24 27.59 25.46 26.33 28.97 30.10
スポット
22.85 21.40 25.40 25.80 26.60 28.60 28.95 22.80 29.20 30.35 27.70 28.60
メキシコ・イスムス34°**
ネットバック
22.32 21.10 21.91 23.27 27.41 28.40 23.78 28.60 29.95 29.29 27.87
スポット
22.37 20.65 24.27 24.63 26.45 28.07 29.16 23.70 28.03 29.66 28.07 29.39
ウェスト・テキサス・インターミディエイト40°**
ネットバック
23.44 22.00 24.22 24.15 26.19 29.49 30.24 27.11 31.70 33.75 31.43
スポット
24.05 22.45 25.70 26.00 28.95 29.90 31.50 26.30 29.85 32.05 31.15 31.63
出所:ネットバックはOil Market Intelligence, スポットはPlatt's Oilgram Price Report月央値, OPECバスケット価格はOPEC通信。
注:*OPECバスケットはサウジ産Arab Light, UAE産Dubai, ナイジェリア産Bonny Light, アルジェリア産Saharan Blend,
ベネズエラ産T.J. Light, インドネシア産Minas, メキシコ産Isthmusの7油種平均。
**米国湾岸市場、他はロッテルダム市場の価格。
表I - 2 製品価格動向(スポット、シンガポール市場)
(単位:$/b, 重油のみ$/Metric Ton)
1999年
8月
ガソリン(プレミアム)
26.16
ジェット燃料
24.80
軽油
21.29
重油(硫黄3.5%)
116.26
出所:Oil Market Intelligence, EIG
注:いずれもf.o.b.価格
9月
26.85
26.32
23.04
126.77
10月
24.81
25.84
23.69
137.76
11月
25.98
27.51
24.70
142.96
12月
25.31
29.53
25.70
142.14
19
2000年
1月
27.96
31.29
28.25
136.55
2月
31.03
31.07
29.83
143.05
3月
33.03
32.91
33.14
171.85
4月
27.98
27.84
26.81
155.08
5月
32.11
29.09
28.07
164.33
6月
32.94
30.99
30.48
174.60
7月
35.96
33.15
31.77
151.92
-情勢分析20000914II 需要、供給、在庫
1. 需要動向(9 月 14 日更新)
(1) 7 月の米国の石油需要 1974.9 万 b/d
DOE, Monthly Energy Review, 2000 年 7 月号によると、2000 年 7 月の米国の石油需要は前年
同月比 1.3% 増の 1974.9 万 b/d となった。
製品別ではガソリンが 2.0%、中間留分が 0.5%の減少、重油が 24.8%の増加となった。
(2) 6 月の日本の石油需要 403.1 万 b/d
石油連盟『石油資料月報』2000 年 8 月号によると、2000 年 6 月の日本の石油需要は前年同
月比 1.7% 減の 403.1 万 b/d となった。
製品別ではガソリンが 2.5% の増加、中間留分が 5.0%、重油が 3.4% の減少となった。
表II- 1
主要7カ国の石油需要動向
(単位:1000b/d, %)
2000年
1月
2月
3月
4月
5月
米国
ガソリン
7,498
(-1.7)
8,222
(1.6)
8,232
(1.9)
8,229
(-1.9)
8,505
(3.3)
中間留分
3,750
(3.1)
3,753
(3.6)
3,660
(-4.2)
3,447
(1.0)
3,637 (15.3)
重油
739 (-13.0)
775 (-19.9)
609 (-35.3)
713 (10.7)
651 (-27.6)
その他
6,605
(-1.9)
6,546
(-0.2)
6,563
(-1.3)
6,201
(-3.4)
6,552 (11.9)
合計
18,592
(-1.4) 19,296
(0.3) 19,064
(-2.2) 18,590
(-1.4) 19,345
(6.6)
日本
ガソリン
862
(-0.1)
965
(4.3)
976
(1.6)
954
(0.8)
1,007
(5.0)
中間留分
1,429
(-7.0)
1,794
(1.2)
1,593
(4.4)
1,141
(-4.8)
962
(3.0)
重油
1,084
(-4.7)
1,272
(-2.4)
1,204
(-1.4)
991
(-1.2)
873
(0.9)
その他
1,136 (-10.7)
1,209 (-10.7)
1,363
(-0.9)
1,105
(2.0)
1,050
(-3.7)
合計
4,511
(-6.2)
5,239
(-2.1)
5,136
(1.1)
4,191
(-1.0)
3,892
(1.1)
ドイツ
ガソリン
550 (-11.3)
660
(0.0)
680
(-9.3)
680
(-2.9)
710
(-1.4)
中間留分
1,110
(-8.3)
1,280 (-26.0)
1,280 (-36.3)
1,190 (21.4)
1,190 (20.2)
重油
180 (20.0)
180 (12.5)
170
(6.3)
170 (21.4)
160
(6.7)
その他
570
(-3.4)
600
(-3.2)
620
(-1.6)
610
(-1.6)
630
(0.0)
合計
2,410
(-6.2)
2,720 (-14.2)
2,750 (-22.5)
2,650
(8.6)
2,690
(8.0)
フランス
ガソリン
290
(3.6)
310
(0.0)
330
(0.0)
320
(-8.6)
330
(0.0)
中間留分
1,190 (16.7)
1,180
(-0.8)
1,150
(6.5)
1,020
(2.0)
980 (15.3)
重油
190
(-9.5)
180
(0.0)
150 (-11.8)
140
(0.0)
120
(9.1)
その他
460
(-6.1)
440 (-17.0)
460
(-9.8)
440 (-17.0)
400
(-4.8)
合計
2,130
(6.5)
2,110
(-4.5)
2,090
(0.0)
1,920
(-5.0)
1,830
(7.0)
イギリス
ガソリン
460
(2.2)
490
(-3.9)
500
(-3.8)
470
(-6.0)
490
(0.0)
中間留分
760
(0.0)
840
(-1.2)
840
(2.4)
750
(0.0)
770
(8.5)
重油
90 (-18.2)
70 (-41.7)
80 (-27.3)
80 (-11.1)
70 (-22.2)
その他
360 (-12.2)
390
(-4.9)
390
(-7.1)
370
(-5.1)
370
(0.0)
合計
1,670
(-3.5)
1,790
(-5.3)
1,810
(-3.2)
1,670
(-3.5)
1,700
(2.4)
イタリア
ガソリン
380
(-2.6)
420
(-2.3)
400 (-11.1)
430 (-12.2)
420
(-2.3)
中間留分
630
(-1.6)
690
(7.8)
640
(-5.9)
580
(5.5)
590
(7.3)
重油
450 (-13.5)
450 (-13.5)
450
(-2.2)
390
(-7.1)
360
(0.0)
その他
320 (-17.9)
380
(-9.5)
370 (19.4)
330
(3.1)
340
(6.3)
合計
1,780
(-8.2)
1,940
(-3.5)
1,860
(-2.1)
1,730
(-2.8)
1,710
(3.0)
カナダ
ガソリン
590
(0.0)
640
(1.6)
610
(-3.2)
620
(-1.6)
670
(3.1)
中間留分
640
(4.9)
670
(6.3)
600
(1.7)
530
(-1.9)
610 (15.1)
重油
120 (-25.0)
130 (-13.3)
120 (-25.0)
100 (-28.6)
130 (18.2)
その他
570
(0.0)
670 (13.6)
580
(7.4)
610
(7.0)
690 (21.1)
合計
1,920
(-0.5)
2,110
(5.5)
1,910
(-0.5)
1,860
(-1.1)
2,100 (12.9)
主要7カ国計
ガソリン
10,630
(-1.8) 11,707
(1.3) 11,728
(0.1) 11,703
(-2.5) 12,132
(2.7)
中間留分
9,509
(1.0) 10,207
(-2.2)
9,763
(-7.2)
8,658
(2.7)
8,739 (13.2)
重油
2,853
(-9.1)
3,057 (-10.1)
2,783 (-13.6)
2,584
(0.3)
2,364
(-8.5)
その他
10,021
(-4.2) 10,235
(-2.3) 10,346
(-0.8)
9,666
(-2.7) 10,032
(8.4)
合計
33,013
(-2.4) 35,205
(-1.9) 34,620
(-3.6) 32,611
(-1.0) 33,267
(6.0)
出所:米国:Monthly Energy Review, DOE
日本:石油連盟『石油資料月報』
ドイツ, イギリス, フランス, イタリア, カナダ:Oil Market Report, IEA
注:( )内は前年同月比。
日本はキロリットルからバーレルに換算している。中間留分は軽油と灯油の和とする。
ドイツ, イギリス, フランス, イタリア, カナダの中間留分はJet/Kerosene, Diesel, Other Gasoilの和とする。
20
6月
7月
8,663
3,554
846
6,770
19,833
(-1.0)
(3.0)
(14.3)
(-0.4)
(0.5)
978
923
981
1,149
4,031
(2.5)
(-5.0)
(-3.4)
(-0.7)
(-1.7)
8,609
3,403
962
6,775
19,749
(-2.0)
(-0.5)
(24.8)
(3.8)
(1.3)
-情勢分析200009142. 生産動向(9 月 1 日更新)
(1) 7 月の OPEC 原油生産量は 2871.5 万 b/d
EIG, Oil Market Intelligence, 2000 年 8 月号によると、2000 年 7 月の OPEC 原油生産量は、6
月の OPEC 総会で増産が合意されたため、サウジアラビアが 25 万 b/d、UAE が 3.5 万 b/d、ク
ウェート、カタルが 2.5 万 b/d などの増産が相次ぎ、 全体では前月より 35 万 b/d 増の 2871.5 万
b/d となった。
(2) 非 OPEC 生産は 4031.1 万 b/d
同誌によると、2000 年 7 月の非 OPEC 原油生産量は、 ノルウェーが 16.5 万 b/d 増、旧ソ連が
8.5 万 b/d 増 などの結果、 全体では前月より 33.7 万 b/d 増の 4031.1 万 b/d となった。
表II - 2 原油生産動向*
1999年 2000年
12月
1月
2月
サウジアラビア
7,550
7,550
7,550
イラン
3,400
3,430
3,540
イラク
1,400
2,210
2,640
クウェート
1,610
1,650
1,700
UAE
2,075
2,160
2,170
カタル
650
660
670
中立地帯
625
625
630
ナイジェリア
1,940
1,840
1,950
リビア
1,330
1,330
1,350
アルジェリア
760
760
760
ベネズエラ
2,740
2,740
2,800
インドネシア
1,300
1,300
1,310
OPEC計
25,380 26,255 27,070
米国
5,899
5,833
5,889
うちアラスカ
1,058
1,024
1,031
メキシコ
2,793
3,032
2,897
イギリス(北海のみ)
2,614
2,706
2,632
ノルウェー(北海のみ) 3,408
3,240
3,355
中国
3,223
3,274
3,287
旧ソ連
7,200
7,210
7,201
その他
14,976 14,881 15,003
非OPEC計
40,113 40,176 40,264
世界計
65,493 66,431 67,334
出所:Oil Market Intelligence, EIG
アラスカのみMonthly Energy Review, DOE
注:* NGLとコンデンセートは含まない。
**2000年7月1日からの合意産油量。
(単位:1,000b/d)
00年6月
3月
4月
5月
6月
7月 合意**
7,600
7,800
8,080
8,100
8,350
8,253
3,600
3,650
3,650
3,700
3,715
3,727
2,210
2,680
3,080
2,590
2,560
1,750
1,800
1,780
1,850
1,875
2,037
2,200
2,300
2,300
2,335
2,370
2,219
670
680
700
700
725
658
580
600
620
640
645
1,970
2,050
2,000
2,030
2,010
2,091
1,350
1,380
1,400
1,400
1,420
1,361
760
800
810
820
820
811
2,800
2,850
2,850
2,900
2,920
2,926
1,310
1,310
1,300
1,300
1,305
1,317
26,800 27,900 28,570 28,365 28,715 25,400
5,873
5,499
5,485
5,409
5,420
1,011
1,008
966
925
907
2,998
3,041
3,040
3,056
3,100
2,642
2,466
2,230
2,442
2,490
3,264
3,077
3,153
3,125
3,290
3,281
3,300
3,251
3,294
3,300
7,315
7,291
7,341
7,421
7,506
15,194 15,110 15,072 15,227 15,205
40,567 39,784 39,572 39,974 40,311
67,367 67,684 68,142 68,339 69,026
21
-情勢分析200009143. 在庫動向(9 月 14 日更新)
(1) OECD 諸国の在庫動向
IEA, Oil Market Report, 2000 年 9 月号によると、2000 年 7 月の OECD 諸国の民間原油在庫は、
8 億 9600 万バーレルとなり、前月の 9 億 1500 万バーレルより 1900 万バーレル減少した。
製品別ではガソリンが 3 億 9300 万バーレル、中間留分が 4 億 8900 万バーレル、重油が 1 億
4800 万バーレルとなった。
(2) 米国の在庫動向
API (米国石油協会), Weekly Statistical Bulletin 最新号によると、2000 年 9 月第 1 週(9/2 ∼ 8)
の米国の民間原油在庫は、2 億 8861.5 万バーレルとなり、前週の 2 億 9055.2 万バーレルより
193.7 万バーレル増加した。
製品別ではガソリンが 1 億 9592.7 万バーレル、軽油が 1 億 1500.8 万バーレルとなった。
表II - 3 OECD諸国の民間在庫
(単位:100万バーレル)
1997年 1998年 1999年 2000年
7月
7月
7月
2月
在庫変動(対前月比)
3月
4月
5月
6月
7月
5月
6月
7月
384
232
180
42
584
1,106
392
235
168
43
578
1,106
401
239
173
43
601
1,142
398
239
179
45
622
1,159
391
241
182
45
632
1,164
380
241
189
42
646
1,169
-3
0
6
2
21
17
-7
2
3
0
10
5
-11
0
7
-3
14
5
359
121
276
78
565
982
326
134
233
79
540
928
345
126
216
79
516
926
320
123
226
82
528
915
331
116
221
81
514
906
338
121
213
82
513
915
333
127
221
83
529
926
11
-7
-5
-1
-14
-9
7
5
-8
1
-1
9
-5
6
8
1
16
11
192
24
74
25
186
466
185
26
73
24
187
455
171
26
62
22
172
424
171
26
58
22
162
410
170
28
66
23
175
426
181
27
67
23
181
443
186
26
70
22
180
446
182
25
79
24
192
457
11
-1
1
0
6
17
5
-1
3
-1
-1
3
-4
-1
9
2
12
11
977
396
561
164
1,471
2,760
976
379
569
157
1,442
2,717
882
392
475
144
1,296
2,459
908
387
441
144
1,256
2,442
891
390
465
147
1,304
2,482
910
383
467
149
1,316
2,508
915
388
465
148
1,325
2,525
896
393
489
148
1,366
2,552
19
-7
2
2
12
26
5
5
-2
-1
9
17
-19
5
24
0
41
27
北米
原油
ガソリン
中間留分
重油
製品計*
北米計
396
215
200
46
638
1,188
434
245
228
50
716
1,310
433
232
219
54
690
1,280
欧州
原油
ガソリン
中間留分
重油
製品計*
欧州計
323
120
223
89
520
903
351
127
260
90
568
984
太平洋
原油
ガソリン
中間留分
重油
製品計*
太平洋計
197
24
85
28
204
491
OECD**
原油
ガソリン
中間留分
重油
製品計*
OECD合計
916
358
507
162
1,362
2,583
出所: Oil Market Report, IEA
*製品計はガソリン、中間留分、重油その他の石油製品の合計を示す。
**OECDには全加盟国(29カ国)を含む。
注:いずれも月末値
22
-情勢分析20000914-
OECD諸国の民間原油在庫(1995∼2000年)
(100万バーレル)
1020
1000
980
1996
1997
1998
1999
2000
960
940
920
900
880
860
Jan
Feb
Mar
Apr
May
Jun
Jul
Aug
Sep
Oct
Nov
Dec
OECD諸国の民間ガソリン在庫(1995∼2000年)
(100万バーレル)
460
440
420
1996
1997
1998
1999
2000
400
380
360
340
Jan
Feb
Mar
(100万バーレル)
Apr
May
Jun
Jul
Aug
Sep
Oct
Nov
Dec
OECD諸国の民間中間留分在庫(1995∼2000年)
650
600
1996
1997
1998
1999
2000
550
500
450
400
Jan
Feb
Mar
Apr
May
Jun
Jul
出所:Oil Market Report, IEA
23
Aug
Sep
Oct
Nov
Dec
-情勢分析20000914-
米国の原油在庫(1996年∼2000年)
(100万バーレル)
360
350
340
330
320
310
1996
1997
1998
300
1999
2000
290
280
270
J
F
M
A
(100万バーレル)
M
J
J
A
S
O
N
D
米国のガソリン在庫(1996∼2000年)
235
230
225
1996
1997
1998
220
1999
2000
215
210
205
200
195
190
185
J
F
M
A
(100万バーレル)
M
J
J
A
S
O
N
D
米国の中間留分在庫(1996∼2000年)
160
150
140
130
120
1996
1997
1998
1999
2000
110
100
90
80
J
F
M
A
M
J
J
A
出所:API, Weekly Statistical Bulletin
注:月ラベルは2000年各月第1週の位置に表記。
2000年は9月8日までの数値(週末値)。
24
S
O
N
D
-情勢分析20000914III 需給実績と短期需給見通し
1. IEA, Oil Market Report, 2000 年 9 月号(9 月 14 日更新)
・原油価格は製品価格と低在庫に主導され、追加供給量の不確実性から上昇基調にあり、ア
ジア、ヨーロッパ、米国の指標原油価格は 10 年来の高値で取り引きされている(9 月 6 日)。
・高油価のため、2000 年の需要増加量は 20 万 - 90 万 b/d (1.2%)減少すると予測される。2000
年平均で 7560 万 b/d という需要量は、中国、インドを中心とする非 OECD 諸国の需要の弱
さを反映している。
・8 月の世界の原油生産量は 7 月から 40 万 b/d 増加して 7710 万 b/d となった。OPEC 供給量が
66.5 万 b/d 増加し、非 OPEC 供給量が 26.5 万 b/d 減少した。OPEC 10 の生産量は 7 月 1 日か
らの合意生産量を 44.0 万 b/d 超過している。第 IV 四半期の非 OPEC 供給は第 III 四半期より
94.5 万 b/d 増加する見通しである。
・ガソリン需要のため製油所の稼働率が上がった結果、7月のOECD民間在庫は主に製品が積
み増された。
・OECD 諸国の 7 月の通油量は 4% (150 万 b/d)上がった。 ヨーロッパでマージンに支えられて
80 万 b/d 増加し、日本で製油所メンテナンス終了に伴い 70 万 b/d 増加した。10 月に集中し
ている米国の製油所メンテナンスは、すでに在庫が致命的なレベルにある大西洋州の暖房
油供給を、制限することになるだろう。
表III - 1 石油需給見通し(IEA, 9月11日予測)
(単位:100万b/d, %)
1997年 1998年 1999年
<需要>
北米
欧州
太平洋
OECD計*
旧ソ連
中国
欧州
中南米
アジア
中東
アフリカ
非OECD計
需要合計
<供給>
OECD諸国*
旧ソ連
中国
その他非OPEC
プロセスゲイン**
非OPEC計
2000年
2001年
平均
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
22.7
15.0
9.0
23.1
15.3
8.4
23.6
15.8
9.4
23.5
14.4
7.9
24.1
14.7
8.2
24.3
15.7
9.1
23.9
15.1
8.6
23.4
15.1
9.3
23.6
14.5
8.0
24.4
15.0
8.3
24.7
15.9
9.3
24.0
15.1
8.7
24.0
15.3
9.6
24.1
14.7
8.2
24.8
15.2
8.5
25.2
16.0
9.5
24.5
15.3
8.9
46.7
46.8
48.8
45.7
47.0
49.0
47.6
47.7
46.1
47.8
49.9
47.9
48.9
47.0
48.5
50.7
48.8
(1.7)
(0.2)
(3.4)
(0.7)
(0.9)
(1.9)
(1.7)
(-2.3)
(0.9)
(1.7)
(1.8)
(0.6)
(2.5)
(2.0)
(1.5)
(1.6)
(1.9)
3.8
4.2
0.8
4.7
6.7
4.0
2.3
3.7
4.2
0.8
4.8
6.8
4.2
2.3
3.6
4.4
0.8
4.6
7.0
4.2
2.3
3.3
4.6
0.7
4.8
7.1
4.3
2.3
3.4
4.3
0.7
4.9
7.0
4.3
2.3
3.7
4.6
0.7
4.8
7.1
4.1
2.4
3.5
4.5
0.7
4.8
7.0
4.3
2.3
3.5
4.7
0.8
4.7
7.1
4.2
2.4
3.4
4.5
0.8
4.8
7.4
4.4
2.4
3.4
4.5
0.7
4.9
7.4
4.5
2.3
3.7
5.0
0.8
5.0
7.5
4.3
2.4
3.5
4.7
0.8
4.8
7.3
4.3
2.4
3.6
5.0
0.8
4.8
7.4
4.4
2.4
3.4
4.8
0.8
4.9
7.7
4.6
2.4
3.3
4.8
0.7
5.1
7.7
4.6
2.4
3.5
5.3
0.8
5.1
7.9
4.5
2.5
3.4
5.0
0.8
5.0
7.7
4.5
2.4
26.5
26.7
26.9
27.1
27.0
27.4
27.1
27.4
27.6
27.7
28.5
27.8
28.4
28.6
28.6
29.4
28.8
(3.1)
(0.8)
(-1.8)
(-0.4)
(0.7)
(1.9)
(1.5)
(1.9)
(1.8)
(2.6)
(4.0)
(2.6)
(3.6)
(3.6)
(3.2)
(3.2)
(3.6)
73.1
(2.1)
73.5
(0.5)
75.7
(1.6)
72.8
(0.3)
74.0
(0.8)
76.4
(2.0)
74.7
(1.6)
75.1
(-0.8)
73.7
(1.2)
75.5
(2.0)
78.4
(2.6)
75.7
(1.3)
77.3
(2.9)
75.6
(2.6)
77.1
(2.1)
80.1
(2.2)
77.5
(2.4)
22.1
7.2
3.2
10.4
1.6
21.9
7.3
3.2
10.7
1.6
21.5
7.4
3.2
10.9
1.7
20.9
7.4
3.2
10.8
1.6
21.3
7.5
3.2
10.9
1.6
22.0
7.6
3.2
11.0
1.7
21.4
7.5
3.2
10.9
1.7
22.2
7.7
3.3
10.9
1.7
21.9
7.8
3.2
10.9
1.7
21.9
7.9
3.2
10.9
1.7
22.6
8.0
3.2
11.0
1.7
22.2
7.9
3.2
10.9
1.7
22.7
8.0
3.2
11.0
1.8
22.3
8.0
3.2
11.0
1.7
22.3
8.1
3.2
11.0
1.7
22.8
8.1
3.2
11.1
1.8
22.5
8.0
3.2
11.0
1.8
44.5
44.7
44.6
44.0
44.5
45.5
44.6
45.7
45.5
45.7
46.6
45.9
46.7
46.3
46.4
47.1
46.6
(2.1)
(0.4)
(-1.5)
(-1.6)
(1.1)
(1.8)
(-0.2)
(2.5)
(3.4)
(2.7)
(2.4)
(2.9)
(2.2)
(1.8)
(1.5)
(1.1)
(1.5)
OPEC 原油
OPEC・NGL
27.2
2.7
28.0
2.8
27.8
2.8
26.3
2.8
26.2
2.8
26.1
2.8
26.6
2.8
26.5
2.8
27.9
2.9
26.9
2.9
28.9
2.9
27.0
2.8
27.7
2.9
26.4
2.9
27.7
3.0
30.0
3.0
27.9
3.0
OPEC合計
29.9
(5.3)
30.8
(3.0)
30.6
(-2.2)
29.1
(-6.7)
29.0
(-4.3)
28.9
(-5.2)
29.4
(-4.5)
29.3
(-4.2)
30.7
(5.5)
29.8
(2.8)
31.8
(10.0)
29.8
(1.4)
30.6
(4.4)
29.3
(-4.6)
30.7
(3.0)
33.0
(3.8)
30.9
(3.7)
供給合計
74.3
(3.2)
75.5
(1.6)
75.2
(-2.0)
73.1
(-3.6)
73.5
(-1.2)
74.4
(-1.1)
74.1
(-1.9)
75.1
(-0.1)
76.2
(4.2)
75.5
(2.7)
78.4
(5.4)
75.7
(2.2)
77.3
(2.9)
75.6
(-0.8)
77.1
(2.1)
80.1
(2.2)
77.5
(2.4)
在庫変動
1.2
1.9
-0.5
0.2
-0.5
-2.0
-0.7
0.0
2.4
-
-
-
-
-
-
-
-
出所:Oil Market Report 2000年9月号, IEA
注:( )内は対前年伸び率。
2000年第III 四半期以降(囲み部分)は当研究所にて在庫変動0で試算。
*OECDには全加盟国(29カ国)を含む。
**プロセスゲインは精製過程(ただし旧ソ連、中国、非OECDヨーロッパは含まない)、海上輸送損失におけるネット量。
25
-情勢分析200009142. 米エネルギー省(DOE/EIA), Short-Term Energy Outlook, 2000 年 9 月号(9 月 14 日更新)
・7 月 3 日にサウジアラビアが、価格が下がらなければ 50 万 b/d 追加増産すると発表したが、
それほどの増産量は第 III 四半期には明らかになっていない。しかし、9 月 8 日の OPEC 総
会ではそれと同程度の増産が決定されるだろう。2000年第IV 四半期のOPEC生産量は第 III
四半期より 50 万 b/d 増加するだろうが、それ以上の増産はないと予想される。
・ イラクの生産量は第 I 四半期の 230 万 b/d から、第 II 四半期には 280 万 b/d へと増加した。 6 - 7 月のイラク生産量は輸送、市場の問題で落ち込んだが、2000年下半期は300 万 - 310万
b/d へ、2001 年末までには 330 万 b/d へと増加するだろう。
・非 OPEC 生産は 2000 年中に、主に旧ソ連から 110 万 b/d 程度増加する。ロシアの生産量拡
大に加えて、2001 年末にはカスピ海パイプライン・コンソーシアムによるカザフスタン原
油の供給が開始される。2001 年中は北海からのさらなる供給は見込めないだろう。
・2000 年の石油需要は約 100 万バーレル(1.3%)増加して約 7600 万 b/d と、アジア経済危機が
あった 1998 年を除いて、1993 年以来最低の水準になる見込みである。2001年の需要増加量
は約 200 万 b/d で、1995 - 1997 年と同程度となろう。
・OECD諸国の在庫量は低いレベルに留まり、
石油の供給不足や冬の寒波などに対して市場を
不安定化させる要因になるだろう。
表III - 2 石油需給見通し(DOE, 9月7日予測) (単位:100万b/d, %)
<需要>
北米
欧州
太平洋
OECD計*
旧ソ連
欧州
中国
その他アジア
その他非OECD
非OECD計
需要合計
<供給>**
OECD諸国*
旧ソ連
中国
メキシコ
その他
非OPEC計
OPEC
供給合計
在庫変動
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
平均
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
20.7
14.4
6.6
21.1
14.7
6.4
21.4
15.2
7.2
21.4
13.8
6.0
22.1
14.1
6.2
22.2
15.0
6.9
21.7
14.5
6.6
21.4
14.5
7.0
21.6
13.7
6.1
22.3
14.4
6.3
22.4
15.1
6.8
21.9
14.4
6.5
22.0
14.9
7.2
22.1
13.9
6.0
22.7
14.5
6.3
22.8
15.1
6.8
22.4
14.6
6.5
41.8
42.2
43.8
41.2
42.4
44.0
42.8
42.8
41.2
43.0
44.3
42.8
44.1
42.1
43.4
44.7
43.6
(1.2)
(1.0)
(2.8)
(0.5)
(0.5)
(1.9)
(1.4)
(-2.3)
(0.0)
(1.4)
(0.7)
(0.0)
(3.0)
(2.2)
(0.9)
(0.9)
(1.9)
4.4
4.2
3.8
3.5
3.6
3.7
3.6
3.8
3.6
3.6
3.6
3.7
3.8
3.7
3.7
3.7
3.7
1.4
3.9
8.8
13.0
1.5
3.9
8.7
13.2
1.6
4.4
8.8
13.4
1.6
4.3
8.8
13.6
1.5
4.3
8.7
13.7
1.6
4.3
9.0
13.7
1.6
4.3
8.8
13.6
1.6
4.6
9.2
13.7
1.6
4.5
9.2
14.0
1.6
4.5
9.0
14.1
1.6
4.5
9.4
14.0
1.6
4.5
9.2
14.0
1.7
4.8
9.7
14.2
1.7
4.8
9.7
14.4
1.7
4.7
9.4
14.5
1.7
4.8
9.9
14.5
1.7
4.8
9.7
14.4
31.4
31.5
31.9
31.8
31.7
32.3
31.9
32.9
33.0
32.8
33.2
33.0
34.2
34.3
34.0
34.5
34.2
(3.0)
(0.3)
(0.6)
(1.0)
(1.0)
(2.5)
(1.3)
(3.1)
(3.8)
(3.5)
(2.8)
(3.4)
(4.0)
(3.9)
(3.7)
(3.9)
(3.6)
73.2
73.8
75.7
73.1
74.1
76.3
74.8
75.7
74.3
75.8
77.4
75.8
78.4
76.4
77.4
79.2
77.8
(1.9)
(0.8)
(1.9)
(0.8)
(0.7)
(2.1)
(1.4)
(0.0)
(1.6)
(2.3)
(1.4)
(1.3)
(3.6)
(2.8)
(2.1)
(2.3)
(2.6)
19.9
19.7
19.2
19.0
19.3
20.2
19.4
20.2
19.7
19.9
20.2
20.0
20.1
20.1
20.1
20.3
20.1
7.1
3.2
3.4
10.5
44.1
7.2
3.2
3.5
10.9
44.5
7.3
3.2
3.6
11.2
44.5
7.3
3.2
3.4
11.1
44.0
7.5
3.2
3.3
11.3
44.6
7.5
3.2
3.3
11.3
45.5
7.4
3.2
3.4
11.2
44.6
7.6
3.3
3.5
11.1
45.7
7.7
3.3
3.5
11.2
45.4
7.7
3.3
3.6
11.2
45.7
7.7
3.3
3.6
11.2
46.0
7.7
3.3
3.5
11.2
45.7
7.8
3.3
3.7
11.2
46.1
7.8
3.3
3.7
11.2
46.1
7.9
3.3
3.7
11.3
46.3
8.0
3.3
3.7
11.5
46.8
7.9
3.3
3.7
11.3
46.3
(1.6)
(0.9)
(-1.1)
(-1.1)
(1.6)
(2.2)
(0.2)
(2.7)
(3.2)
(2.5)
(1.1)
(2.5)
(0.9)
(1.5)
(1.3)
(1.7)
(1.3)
29.9
30.4
30.4
28.9
29.2
28.7
29.3
29.3
30.7
31.4
31.6
30.8
31.7
31.8
31.9
32.0
31.9
(5.7)
(1.7)
(-1.6)
(-6.2)
(-3.0)
(-4.3)
(-3.6)
(-3.6)
(6.2)
(7.5)
(10.1)
(5.1)
(8.2)
(3.6)
(1.6)
(1.3)
(3.6)
74.0
74.9
74.9
72.9
73.8
74.2
73.9
75.0
76.1
77.1
77.6
76.5
77.8
77.9
78.2
78.8
78.2
(3.2)
(1.2)
(-1.3)
(-3.2)
(-0.3)
(-0.4)
(-1.3)
(0.1)
(4.4)
(4.5)
(4.6)
(3.5)
(3.7)
(2.4)
(1.4)
(1.5)
(2.2)
-0.8
-1.2
0.8
0.1
0.3
2.1
0.8
0.7
-1.8
-1.2
-0.2
-0.6
0.5
-1.5
-0.8
0.4
-0.4
出所:Short Term Energy Outlook, 2000年9月号, DOE/EIA
注:( )内は対前年伸び率。
*OECDにはチェコ、ハンガリー、メキシコ、ポーランド、韓国は含まない。
**供給にはNGL、コンデンセート等も含む。
26
-情勢分析200009143. その他(9 月 1 日更新)
Petroleum Argus 社 , Petroleum Argus Weekly Global Markets, 2000 年 8 月 21 日号
・OPEC が 9 月に再び増産したとしても、原油を製油所へ輸送するためのタンカーやパイプラ
インの容量は既にいっぱいである。この 2 カ月間米国の製油所はフル稼働しているし、8 月
は欧州やアジアでも通油量が急速に増えた。
・第 IV 四半期までに、非 OPEC 供給によって総供給量は 7800 万 b/d 以上になるだろう。同時
期の需要は、アジア需要の増大によって第 II 四半期よりも 400 万 b/d 増加し、7860 万 b/d に
達すると予想される。この需要量は 2001 年第 I 四半期まで続くだろう。
・製品在庫が 1996年レベルのまま第III四半期末になると、追加需要は製油所稼働によって賄
われなければならず、通油量は限界に達する。
・大西洋市場の中間留分在庫は、6カ月間最大限にガソリン生産を行った結果、季節的な標準
量からはかなり低い水準にある。米国の在庫は 1996 年レベルを下回っているし、欧州在庫
は第 I 四半期末から増えていない。
・欧州には100万b/dの精製余力があるが、クラッキング余力は残っていない。アジアにはアッ
プグレーディング・ユニットがほとんどない。しかし、追加供給される原油は重質高硫黄
原油であるため、アップグレードしなければ中間留分の生産量が低い。そこで軽質低硫黄
原油に対する需要が増大している。
表III - 3 石油需給見通し(Argus, 8月21日予測) (単位:100万b/d, %)
1998年
1999年
2000年
2001年
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
IIQ
IIIQ
IVQ
平均
IQ
47.3
45.5
46.7
48.1
46.8
48.6
45.7
46.9
49.0
47.6
47.7
46.2
47.6
49.8
47.8
49.7
27.3
27.4
27.1
27.0
27.2
27.3
27.1
27.6
27.6
27.4
28.2
28.1
28.2
28.8
28.4
28.8
74.6
72.9
73.8
75.1
74.0
75.9
72.8
74.5
76.6
75.0
75.9
74.3
75.8
78.6
76.2
78.5
(0.9)
(0.8)
(0.5)
(-0.8)
(0.3)
(1.7)
(-0.1)
(0.9)
(2.0)
(1.4)
(0.0)
(2.1)
(1.7)
(2.6)
(1.6)
(3.4)
22.7
22.1
21.3
21.6
21.9
21.5
20.9
21.2
22.0
21.4
22.3
21.9
22.0
22.7
22.2
22.8
22.6
22.6
22.7
23.0
22.7
23.0
23.0
23.2
23.4
23.1
23.5
23.7
23.9
24.0
23.8
24.2
45.3
44.7
44.0
44.6
44.6
44.5
43.9
44.4
45.4
44.5
45.8
45.6
45.9
46.7
46.0
47.0
(2.0)
(1.4)
(-0.7)
(-0.4)
(0.5)
(-1.8)
(-1.8)
(0.9)
(1.8)
(-0.2)
(2.9)
(3.9)
(3.4)
(2.9)
(3.4)
(2.6)
28.6
28.2
27.2
27.1
27.8
27.6
26.1
26.3
26.0
26.5
26.3
27.9
28.5
28.6
27.9
28.6
2.8
2.8
2.8
2.9
2.8
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
2.9
31.4
31.0
30.0
30.0
30.6
30.5
29.0
29.2
28.9
29.4
29.2
30.8
31.4
31.5
30.8
31.5
(6.1)
(4.7)
(-0.3)
(-2.0)
(2.0)
(-2.9)
(-6.5)
(-2.7)
(-3.7)
(-3.9)
(-4.3)
(6.2)
(7.5)
(9.0)
(4.6)
(7.9)
76.7
75.7
74.0
74.6
75.2
75.0
72.9
73.6
74.3
73.9
75.0
76.4
77.3
78.2
76.8
78.5
(3.6)
(2.7)
(-0.5)
(-1.1)
(1.1)
(-2.2)
(-3.7)
(-0.5)
(-0.4)
(-1.7)
(0.0)
(4.8)
(5.0)
(5.2)
(3.9)
(4.7)
2.1
2.7
0.2
-0.6
1.3
-1.0
0.0
-1.0
-2.4
-1.1
-1.0
2.0
1.5
-0.4
0.6
0.0
需要
供給
50.6
45.8
50.0
44.9
50.8
43.7
51.2
44.5
50.5
44.7
51.0
44.2
49.0
43.3
50.5
43.7
51.9
44.7
50.6
44.0
50.0
44.9
49.7
44.9
50.7
45.3
52.8
46.2
50.8
45.3
52.1
46.4
供給-需要***
-4.7
-5.1
-7.1
-6.7
-5.7
-6.8
-5.7
-6.8
-7.2
-6.6
-5.1
-4.8
-5.4
-6.6
-5.5
-5.7
需要
19.9
18.6
18.6
19.6
19.3
20.7
19.5
19.7
20.6
20.1
21.7
20.2
20.6
21.6
21.0
22.1
供給
8.2
8.1
8.2
8.0
8.1
8.1
8.0
8.1
8.2
8.1
8.3
8.3
8.4
8.4
8.4
8.4
-11.7
-10.5
-10.4
-11.7
-11.2
-12.6
-11.5
-11.6
-12.4
-12.0
-13.4
-11.9
-12.2
-13.2
-12.7
-13.7
<需要>
OECD諸国
非OECD
需要合計
<供給>
OECD諸国
その他非OPEC
非OPEC計*
OPEC原油
OPEC NGLs
OPEC計
供給合計
供給-需要
大西洋市場**
アジア太平洋市場
供給-需要***
中東市場
需要
4.2
4.3
4.4
4.2
4.2
4.2
4.3
4.4
4.1
4.3
4.2
4.4
4.4
4.2
4.3
4.3
供給
22.7
22.7
22.1
22.1
22.4
22.7
21.5
21.8
21.4
21.8
21.7
23.1
23.5
23.6
23.0
23.7
供給-需要***
18.6
18.4
17.6
17.9
18.2
18.5
17.1
17.4
17.3
17.6
17.5
18.7
19.1
19.4
18.7
19.4
出所:Petroleum Argus Weekly Global Markets, Petroleum Argus社
注:( )内は対前年伸び率。
*非OPEC供給はプロセス・ゲイン(160万b/d)を含む。
**大西洋市場には南北米、欧州、旧ソ、アフリカを含む。
***大西洋市場、アジア太平洋市場、中東市場の需給バランスは在庫変動0とする。
27
-情勢分析200009144. 原油価格見通し
予測者(機関)
価格見通し
理由・根拠
CGES
UBS Warburg
Honeywell
ESAI
Merrill Lynch
平均
・Brent価格
2000 2000
4Q
平均
28.31 27.51
25.75 26.50
25.63 26.74
25.50 26.60
23.50 26.50
25.74 26.77
細川 強氏
(出光興産海外部長)
・30ドル前後から大きく下がらない
(ドバイ原油)
2001
平均
21.60
21.50
21.56
20.00
21.50
21.23
・米国輸入原油
DOE/EIA
(Energy Information Administration)
1999 2000
1Q
10.91 26.84
2Q
15.44
26.56
3Q
19.63
28.74
4Q
23.01
28.51
Avg. 17.21
27.69
(斜体は実績)
日石三菱
2001
26.25
24.34
24.02
23.61
24.53
・OPEC総会増産しなかった場合
$33/b程度にまで急騰
・OPEC総会で50万b/d増産した場合
$23 - 28/b程度で落ち着く
デビッド・ステッドマン氏
・年末までに40ドル越えもありうる
(大和総研ヨーロッパ、アナリスト)
(OPEC総会前)
・サウジが10月以降もこれまで通り
デビッド・ステッドマン氏
(大和総研ヨーロッパ、アナリスト)超過生産を続けた場合、30ドルを
(OPEC総会後)
下回る
・ 冬の暖房油危機から、アナリストた
ちは価格を上方修正している。ブレ
ント価格は第IV四半期にピークを迎
え、2000年平均では27ドル近くなる
が、OPECの増産で2001年は軟化する
だろう。
・ 第IV四半期の需要は200万b/dを越える
と予想され、IEAの需要予測は楽観的
すぎると多くのアナリストは考えて
いる。
Petroleum Argus
Global Markets
200.8.28
・ 大半のOPEC加盟国は現在の価格水準
に不満を持っていないため、増産は
50万b/d程度の小幅にとどまるだろ
う。今後、冬場の需要期に向かうこ
ともあり、OPEC総会後も価格は堅調
に推移する可能性が高い。
日経新聞
2000.9.6
・ 国際的、国内的な需給逼迫状況か
ら、価格を上方修正した。2000年第
IV四半期の暖房油価格は前年同期比
30%上昇し、2001年第I四半期は2000
年第I四半期と同程度かそれ以上の水
準になるだろう。WTI原油価格は2000
年末まで30ドルを越える水準にな
る。2001年は次第に下落し、平均で
は2000年平均を3ドルほど下回るだろ
う。
Short-Term Energy
Outlook
Sep. 00
・ 2000年のアジア需要が前年比5.3%
増、ヨーロッパは同0.3%増と拡大し
ているうえ、世界の商業原油在庫水
準が44億bbl台にとどまっている。
OPEC加盟国の増産余力も少ない。
日経産業新聞
2000.9.8
・ 50万b/d程度の増産では20数年ぶりの
低水準にある米国の石油在庫の急回
復は難しい。9月後半からは米欧の製
油所の多くが補修に入ってガソリ
ン・灯油の供給能力が落ち込む。在
庫不足と寒波が重なれば40ドル越え
もありうる。
・ 需給期を迎える冬場を控え、需給
ギャップが解消するには、OPECが実
質どのくらい増産するかが焦点にな
る。
日経新聞
2000.9.7
・ 今後3カ月は高止まりを続け、4 - 6カ ・ OPEC合意は短期的に価格低下につな
月後には数ドル程度の低下も見込め
がるほどの影響力はないが、サウジ
る
は増産を履行しており、今後も価格
を見ながら増産していくだろう。
・今後1 - 2カ月は価格上昇の可能性あり ・ 今回の増産分が出荷されるのは10月
K.クーパー氏
以降で、最終製品の在庫増にまでつ
(ソロモン・スミス・バーニー、
11月以降は徐々に下落に向かう
ながるのは11月以降になる。
アナリスト)
B.オグラディ氏
・2 - 3週間は高止まりする
・ 灯油在庫の不足や、秋口は例年価格
(AGエドワード、アナリスト)
が上がりやすいため。しかしサウジ
は価格抑制を明確にしており、寒波
などの異常事態がなければ現在の水
準が今年の最高値圏になる。
・$40 - 41/bという高値を試す展開
・ OPECの増産は不十分。米国灯油在庫
T.ベンツ氏
は過去5年の平均に比べ2500万bblも少
(パリバ・フューチャー、アナリスト)
なく、灯油先行の値上がりは避けが
たい。
L.ゴースドステイン氏
(石油産業研究財団社長)
28
出所
日経新聞
2000.9.12
日経新聞
2000.9.13