第 3 回定例研ワークショップ この子のための教材作り 浜松市立追分小学校 ことばの教室 松下 剛 先生 <はじめに> ○ 教材を作るときには、 『みんな用』ではなくその子用の教材を作っている。 →ちょっと変更をすることで他の子に応用することもできる。 ※ あまり、ピンポイントだとその子にしか使えないこともある。 ○ HP紹介:幼児の学習素材館(http://happylilac.net/kisetsu-sozai.html) ※ プリント学習を行うときには便利。 <口腔機能を高めるために> 1 ドームの中の発泡スチロールをストローで吹く ※ スチロールの下に絵や文字などを書いたシートを置いておき、ストローで発泡スチロールを吹 き飛ばしながら下に書かれているものを当てる。 2 ピンポン球を吹く ※ 傾斜のある板を使って、ピンポン球を吹く。下に落ちるとそれ ぞれの得点が入る。 (足を変えることにより、高さを調節できる) 3 ストローサッカー ※ ボールをストローで相手のゴールに吹きあう。ボールの重さを 変えることで難易度も変わる。 4 紙コップを用いて ※ 紙コップの中に息を吹き込んで、袋をふくらませる。傘用のビ ニール袋だと負荷がある。 (キャラクターは息の長いものだとすたれない) 2 ピンポン球を吹く 5 息を調節しながらボールを吹く ※ 穴をめがけてボールを吹く。 (ボールの種類を変えることで必要な息の強さが変わる。) 6 1分でできる『吹き上げ』 ※ 息を調節しながらボールを吹く。 ①曲がるストローの先端を2cmほど切って外側に開く。 4紙コップを用いて ②開いた部分に発泡スチロール球(なければ『軽い粘土』を丸めて ボールにしてもOK)を乗せて吹き上げる。 7 ストローで魚を吸って釣り上げる ※ 紙で作った魚をストローで吸い上げる。 (他に吸う訓練としては、ラムネを吸って場所を移動させる、 ひと口ゼリーをストローで吸う等がある) 5息を調節しながらボールを吹く <発音練習> 1 /k/(カラスの人形を使って) ※ 絵カードを指示して、 「好きなものは、 『カーカー』って 食べてね。きらいだったら『カー』って横を向いてね。 」 他にも ○カラス…カーカー ○おさる…キッキッ ○はとさん…クックッ ○カエル…ケロケロ ○にわとり…コッコッ などの動物を使った練習が可能です。 2 dzu・tsu(クリスマスツリーを使って) ※ クリスマスツリーの上に、綿をちぎって「ずんずんつもる」と言いながら綿がなくなるまでひ たすら積もらせる。 3 sa(サンタクロースの指人形を使って) ※ 「えっさ・えっさ さあどうぞ!」と言いながら、プレゼントを渡す。 4 ロバくん ※ ロバの人形から舌が出ており、その舌(赤い靴下)に手を入れて舌を動かす。(口も開閉) ・ 舌や口の体操 ・ 構音時の舌の位置や形の説明 等に利用 担当者が見本を示してしまうとしゃべれないため説明するのが難し いが、ロバくんを使って行うと対象児に説明がしやすい。 5 正しい音の聞き取り ※ 「○の音が聞こえたらドラえもんにどら焼きをあげてね。」と指示する。音が聞こえたときに、 箱に書かれたドラえもんの口の部分にどら焼きを入れる。 <ことばの遅れ改善のために> 1 だれが・どうしたカード(疑問詞の練習) ※ 最初は2語か3語文から初めて、だんだん語を増やしていく。 「だれですか」「どうしたのです か?」などの質問に答える。文作りや吃音の子が話す練習にも使える。 い つ だ れ ど こ な に だ れ ど う し た むきました 2 ドラえもんバスケット(数詞の練習) ※ 指定されたお手玉を取る→お手玉を順番を確認しながら投げ入れる→入っている数や入らなか った数を数える。 <耳の記憶を高める> 1 指令カード ※ 指示を覚えて実行する(徐々に指示の数を増やす) ① コップに 水を入れる。 ② ぞうきんで 窓をふく。 ③ 鉛筆を けずる。 ④ 本を 一冊 持ってくる。 最初は、カードを見て、耳だけでなく視覚でも確認をする。次は、 読んで聞かせるだけ。指示の順番についても正しくやるように促す。 2 逆唱した言葉を当てる ① 意味のある言葉 「らさ」 、 「いけと」 、 「りぎにお」…… ※ 文字数をだんだん増やしていく。 ② 無意味な文字や数字の順唱や逆唱をする。 ※ 最初はホワイトボードに書いて視覚で補う。 3 必要な言葉を覚える ① 買い物ごっこ ※ 絵カードや模型などを用いて「○○と△△を買ってきてください。」と頼む。 ② 宝探し ※ お金のおもちゃやカードなどを見つける。ヒントとして「コップの中」と「ゴミ箱の下」と ……伝え、だんだんとヒントの数を増やしていく。 4 文を正確に覚える ※ 一文節ずつ増やしていく。 ① かいました。 ② 2つ かいました。 ③ コロッケを 2つ かいました。 ④ 大きな コロッケを 2つ かいました。 ⑤ コンビニで 大きな コロッケを 2つ かいました。 ⑥ お母さんと コンビニで 大きな コロッケを 2つ かいました。 頭に増やしていく方法の他に、後ろに文節を増やす方法、真ん中を増やす方法などもある。 5 話の内容を聞き取る ※ だんだん文を長くしていく。 たかし君は、きのうバスに乗って動物園に行きました。キリンの前 で写真をとりました。お弁当は、おにぎりが2個と卵焼きでした。 ① ② ③ ④ ⑤ たかし君はどこにいきましたか。 動物園に行ったのは、いつですか。 何に乗って行きましたか。 どこで写真をとりましたか。 どんなお弁当でしたか。 <目からの記憶を高める> 1 数字を当てる ※ 数字を見せた後に紙コップをかぶせて中の数字を当てる。(コップの数をだんだん増やす) <空間位置の認識> 1 ○○の上はだれ? ※ 100円ショップの小物入れを上下2段に 積んで使用。 「○○の上は誰?」 「カエルの下に○○をおいてね」 など 上・下・右・左 右から○番目などの練習を行う 2 ○○の前は誰? ※ たててあった小物入れを横にしてバスに見立てる。 「○○の前は誰?」 「カニの後ろに○○を置いてね。 」 ★ 助詞の練習として 「○○がバスに乗る」 「○○がバスから降りる」 などの練習にも利用。 <パズル> 1 色の付いたもの ① 印刷した紙を段ボールに貼る ② 乾いたらカッターで切る ③ 滑らない敷物を下に置くと組み立てがしやすい。 2 モノクロパズル ※ モノクロで線を多くすると難しくなる。見本の絵がないので、自分の頭の中で全体図を考える 必要がある。 <教室掲示> 春夏秋冬で季節ごとに関係のある言葉を集めて模造紙に貼る。 <双六で遊ぼう> ネットを検索するといろいろな双六が出てくるが、子どもの好きなキャラクターだとやる気がちが う。 ① 発音指導には…出た目の数だけ「す」で進む。1回さいころを振るごとに単語を○個言う。 ② 吃音…単語を言いながら進むことで自然にゆっくりと話す。 ③ 発達の遅れ…しりとりで進む。○のつく文字で進む。カードをめくりながら進むなど さいころを変えることで,さまざまな使い方ができる。 (さいころは1~6である必要はない) <双六を作ろう> ★ 準備 ① インターネットで画像検索 ② 画像をパソコンの適当なフォルダに保存する ★ 作成 画像の挿入の仕方 その① テキストボックスの利用 ① 挿入→テキストボックス→シンプル-テキストボックス で四角いテキストボックスが表れる ので、エクスプローラからそのままテキストボックスへ好きな画像をそのままドラッグする。 ② 一つできたら後は『コピー』と『貼り付け』をして画像だけ変えると便利。 画像の挿入の仕方 その② 図形の利用 ① 「図形」から好きな図形をクリックする ② 右クリックしてテキストの追加を選択 ③ カーソルが出たらエクスプローラから画像をドラッグする ② ※ 図形の利点…いろいろな形の中に画像を入れることができる。 ※ スタート、ゴールの文字は『ワードアート』で作るときれい。 ③ <パワーポイントで何ができるの?> パワーポイントは単なるプレゼンテーションソフトではない。 パワーポイントの可能性は? ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 認知力 語彙 視覚的な記憶力 文字や漢字 助詞の使い方 読字力 ゆっくり読む 発音練習 画像が動くのが 魅力 そのほか アイディア次第でいろいろなものが作れそう お勧めのサイト ★ プリントアートファクトリー http://www.printout.jp/ 大量の無料イラストがあり、パワーポイントの素材やテンプレートもあり。 クリップアートファクトリー http://www.printoout.jp/clipart/index.html
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