基幹理工学研究科 情報理工・情報通信専攻の新設について

2013 年 5 月 21 日
早稲田大学基幹理工学研究科
基幹理工学研究科
情報理工・情報通信専攻の新設について
1.理念と目的
近年のネットワーク技術とコンピュータ技術の進展は著しく、これらの融合技術領域としての情報通
信が、かつてない社会の大きな変革をもたらしています。例えば、各種のセンサを備えた高機能・高性
能スマートフォンは普及の一途にあり、放送をはじめとしたコンテンツ配信は一層の高精細化と高臨場
化の方向に向かい、Facebook や twitter は社会現象を引き起こしています。加えて、情報通信技術の適
用分野も、自動車や家電に加え、電力、交通、医療、金融、コンテンツ制作等、ありとあらゆる社会イ
ンフラや社会活動に影響を及ぼし、日々の活動を支える必須の基盤技術となっています。情報通信技術
に携わる人材は、世界的に激しくなる競争社会の中で、グローバルな視点のみならず、日々変化し続け
る技術革新への対応も求められています。以上のような背景から、大学には、情報通信教育研究の一層
の強化はもちろんのこと、変化に依存しない普遍的な領域と変化に迅速に適応しうる応用的な領域の間
でバランスが取れ、グローバル社会の視点に立った、新しい情報通信教育研究の推進が求められていま
す。
早稲田大学では基幹理工学部情報理工学科および大学院基幹理工学研究科情報理工学専攻において、
情報科学に関わる教育・研究を実施して参りました。一方、情報通信分野は大学院国際情報通信研究科
に研究拠点が設置され、国際化を見据えた広範な研究が展開されてきました。今日の社会情勢の変化を
鑑み、学内に分散していた情報通信分野を基幹理工学部内に一括して設置することで、我が国における
情報通信分野の教育・研究拠点を構築することを目指し、情報科学に重点を置いた情報理工学科に加え
て、情報通信分野に重点を置く情報通信学科を併設いたします。
さらに、学部において情報科学、情報通信の基礎を学んだ学生を、多様化する情報技術の進展に対応
できる人材として育成するため、既存の基幹理工学研究科情報理工学専攻の名称と組織を変更し、両分
野を融合した大学院として情報理工・情報通信専攻を設置いたします。情報理工学専攻および情報通信
研究科が培ってきた教育・研究を発展的に継承することで、複数分野に跨る研究や人的交流の流動性を
高め、情報理工・情報通信分野の専門教育を活性化させると共に、高度なICT技術を有し、豊かで幸
福な社会をこの分野から支援・構築できるグローバルな人材の育成を目指します。
2.概要
専攻の名称:
情報理工・情報通信専攻
学位の名称:
修士(工学)、博士(工学)
入 学 定 員 :
修士課程 170 名(収容定員 340 名)
、
博士後期課程 45 名(収容定員 135 名)
設 置 時 期 :
2014 年 4 月 1 日
3.学門分野・教育方針
情報理工・情報通信専攻では従来の情報理工学専攻における教育を踏襲し、広く関連分野に精通した
知識を系統立てて与えるためのカリキュラムを構成します。具体的には、情報理工分野と情報通信分野
の2分野から構成することとし、各学問分野において、その構成や分野間の相互関係を理解しやすく学
習を進めることができるよう、分野の下に部門を配置し、研究指導を行います。
分野
部門
教育・研究内容
情報理工分野
コンピュータ・ヒューマン・インタラ
(1)マルチメディア/ハイパーメディアシス
クション部門
テム
(2)コンピュータ応用
(3)コンピュータービジョン
情報ネットワーク部門
(1)ノードとリンクの構成と機能
(2)マルチメディア情報処理と符号化
(3)システムアーキテクチャ、プロトコル
(4)広帯域ディジタル統合網の網制御方式と
端末機能
高度計算機部門
(1)知識情報処理
(2)学習する情報処理システム
ソフトウェア部門
(1)プログラム設計論
(2)ソフトウェア開発工学
(3)分散協調ソフトウェア
(4)高信頼ソフトウェア工学
情報アーキテクチャ部門
(1)並列処理ハードウェア/ソフトウェア
(2)基盤ソフトウェアおよび先端的アプリケ
ーション
情報通信分野
情報システム部門
(1)情報システム設計
(2)設計解析システム
通信ネットワーク部門
(1)インターネットコンピューティング
(2)情報通信ネットワーク
(3)ワイヤレスコミュニケーション
(4)ワイヤレスアクセス
(5)無線信号処理
(6)ユビキタス通信システム
(7)分散コンピューティングシステム
(8)ネットワークシステム
メディア・コンテンツ部門
(1)知覚情報処理
(2)画像情報
(3)マルチメディア情報流通システム
(4)オーディオビジュアル情報処理
4.学科新設に伴う基幹理工学研究科の定員変更について
情報理工・情報通信専攻設置に伴い、基幹理工学研究科の入学定員を以下のとおり変更します。基幹
理工学研究科では、国内のみならず、英語プログラムを中心に海外から優秀な学生を積極的に受け入れ、
広く世界に通用するグローバルな人材の育成に取り組みます。
修士課程 入学定員
博士後期課程 入学定員
現行
変更後
現行
変更後
数学応用数理専攻
90
90
25
25
機械科学専攻
115
115
25
25
電子光システム学専攻
45
45
7
7
情報理工学専攻
130
---
30
---
情報理工・情報通信専攻
---
170
---
45
表現工学専攻
45
45
8
8
合
425
465
95
110
計
※文部科学省に届出設置書類提出中です。上記内容は予定であり、変更する可能性があります。
以上