投票ゲームとマッチング問題 ~テキスト第8章ゲーム理論的補足:Sophisticated (Strategic) Voting、マッチング問題~ 鈴木 豊 2005年6月15日 3人の男性( M 1 , M 2 , M 3 )と3人の女性( W1 , W2 , W3 )が結婚相手を見つけようとしてい る。結婚は異性間で行われ、一夫一婦制であるとする。潜在的な結婚相手についての選好 は次のとおりである。 ( M 1 ) : W1 , W3 , S , W2 (W1 ) : M 1 , M 3 , S , M 2 ( M 2 ) : W3 , W1 , S , W2 (W2 ) : M 2 , S , M 3 , M 1 ( M 3 ) : W1 , W3 , S , W2 (W3 ) : M 3 , M 2 , S , M 1 例えば、最初に記述されている選好の読み方は、「男性 M 1 は、女性 W2 と結婚するよりは 独身でいること( S )を好み、独身でいる( S )よりは女性 W3 と結婚することを好み、女 性 W3 と結婚するよりは女性 W1 と結婚することを好む」ということである。 (1)p96のように、投票(多数決)で、理想の結婚相手を選ぶトーナメントを行うと、 男女で、それぞれ誰が優勝するか? (2)その結果はトーナメントの組み方に左右されるか? (3)投票のパラドックスは起こるか? 今、男女のカップルの集合が提案されたとしよう。もしも、そのカップルの集合の中に、 提案された相手よりもお互いに愛し合っている(相思相愛の)男女が存在するならば、そ の(提案された)カップルは解消されるとしよう。 (4)上の6人の男女の結婚マッチング問題の結果はどうなるか?幾通りかの方法で解い てみよ。 (5)男女の優勝者同士(“理想の結婚相手”同士)は、実際、結婚するか?その結果につ いて、上の選好の構造から原因を考察せよ。 参考文献:Alvin Roth, “The Labor Market for Medical Interns and Residents: A Case Study in Game Theory,” Journal of Political Economy (1984) ミルグロム+ロバーツ『組織の経済学』第2章補論
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