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文学部の理念
社会の高度化、情報化、国際化が進む一方で、人間の生存の危機
を生み出している現実がある。人間存在の重みそのものが問われてい
る今日にあって、
キリスト教信仰に基づく本学の文学部の果たすべき役
割は大きい。
文学部は現在5学科制の下に、
文学、
言語学、
哲学、
歴史学、
芸術学、
社会学などの学問分野を擁している。
これら諸分野の存在は、学際研
究の可能性を大きく広げ、人間と文化の本質を究明するための多様な
アプローチを可能にしている。そして文学部の特徴は、学問的課題の
探求が外国語教育を含めた豊富なカリキュラム、少人数制ゼミナール、
実習などによって行われることにある。
世界の現実は、
自国の文化理解と豊かな国際理解とが深く関わり
合っていることを私たちに教えている。
それは、世界の人々との多面的
な結びつきが私たちの生活を支えているからにほかならない。人間の
社会的連帯と人類的視野をもった人間の形成をめざす大学教育の目
的もこの点に関わっている。大学共同体において、文学部こそが、人間
そのもの、人間の多様な営みをトータルに理解するための学問研究と
教育に携わっているのである。
文学部の沿革
現在に至る 2016
比較芸術学科新設 2012
文学部教育学科、心理学科および 2009
文学部第二部教育学科が
教育人間科学部として独立
1977 文学部神学科廃止
日本文学科設置 1966
1968 史学科設置
フランス文学科設置 1962
1961 文学部第二部基督教学科廃止
基督教学科を神学科に名称変更
1950 教育学科設置・
文学部第二部開設(基督教学科設置・教育学科設置・英米文学科設置)
1949 文学部発足(基督教学科、英米文学科)
文学部の学びと進路
文学部共通科目
02
04
05
英米文学科
06
全学共通教育
カリキュラムガイド
専門科目案内
在学生の学生生活
卒業生からのメッセージ
フランス文学科
カリキュラムガイド
専門科目案内
在学生の学生生活
卒業生からのメッセージ
14
20
史学科
26
史学科
カリキュラムガイド
専門科目案内
在学生の学生生活
卒業生からのメッセージ
日本文学科
日本文学科
カリキュラムガイド
専門科目案内
在学生の学生生活
卒業生からのメッセージ
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
文学部の使命は、人文学の「知」を求め、その成果を後世に
伝えることにあると言われています。人文学は哲学、文学、歴史
学を柱とする学門ですが、何か「古臭い」
という印象を持つ人も
いるかもしれません。
しかし決してそんなことはありません。人文
学の歴史は、
「人間とは何か」
という古くて常に新しい問いの答
えを求めて、
「時代」
と格闘して来た歴史であり、
これからもそう
であり続けると言えるでしょう。
文学部では、
2016年度より全科目を半期化し、
それに伴うカ
リキュラム改訂を実施し、科目を新設したほか、
グローバル化に
対応したプログラムも用意しています。
しかし、
どのようなカリ
キュラムであっても、学生の皆さんが主体的に学習するのでな
ければ意味がありません。求められているのは、受け身の学習
ではなく、
アクティブな学習です。特に文学部では少人数クラス
での各種演習における討論が重視されています。
これに積極的
に参加するには、十分な事前学習も必要です。
自分のテーマを
持って臨むならこれも楽しい作業になるはずです。他の分野の
知識が必要になったら、青山スタンダード科目や文学部共通科
目を上手に活用してください。
正規の授業以外では、
「古典」を手に取ってみてほしいと思
います。
自分のテーマを見つけるのに役立つでしょう。
21世紀の
担い手となる学生の皆さんに「古典」を読む楽しさを伝えること
も、文学部、
いや、大学の使命の一つなのかもしれません。
英米文学科
文学部に入学された新入生の皆さんを
心から歓迎いたします。
文学部長
阪本 浩
32
資格・進路/入試制度
38
40
1
留学・進路など
留学制度
比較芸術学科
比較芸術学科
カリキュラムガイド
専門領域案内
在学生の学生生活
文学部の学びと進路
学際的で個性的な4年間の学びを実現
文学部の
特色
文学部の学びの大きな特色は、5学科体制のもとで、文学、言語学、哲学、歴史学、芸術学、社会
学などの学問諸分野を、学生一人ひとりの関心や目標に応じて学べる多様性です。全学共通教育
「青山スタンダード」、文学部共通科目、各学科の外国語科目と専門科目を主体的に組み合わせ
ながら、学際的で個性的な4年間の学びを実現することができます。
現代人に不可欠なテーマを英語で学ぶIEプログラム
英米文学科
「世界の共通語」を学び、
広い世界で活躍する。
英米文学科のIntegrated English(IE)プログラム(1・2年次)では、
「聴く」
「話す」
「読む」
「書く」の4技能をバランス
良く使って様々な活動をし、さらにそれらの活動を通して、人間関係、世界の文化、環境問題、情報とメディアなど、人間に
とって普遍的なテーマや現代社会において重要な問題について考えます。授業は、少人数・レベル別・半期制で行ない、原
則として週4コマの授業をネイティブスピーカーと日本人教師が半分ずつ担当します。外国人教師の国籍は、アメリカ、カ
ナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど様々ですが、全員が専門の資格と豊富な教歴を持っています。
専門科目では英語と文学を通して「人間」を理解
英米文学科においては、世界を知る道具として英語を学ぶと同時に、英語という言語をあやつる人間の能
力、その能力を活かしたコミュニケーション、
さらにはその伝達行為を芸術表現に高めた文学のそれぞれを
専門的研究対象とした学問を専攻します。そして、
これら全ての学問に共通するテーマが「人間」なのです。
フランス語の森に分け入る
フランス文学科
五感で学ぶフランス文化
の奥深い世界。
本学科では、1・2年次でフランス語の基礎力を総合的に身につけます。初めてフランス語に触れる人でも無
理なく学べるように、
「文法」、
「講読」、
「会話」の授業は全て学科スタッフが作成したオリジナル教材を使用して
います。日本人とネイティブの教員が適材適所で指導するので、
より高度な語学力の習得の基礎となるフラン
ス語の総合的な運用能力(聞く、読む、書く)
を効率よく学ぶことができます。1・2年次のネイティブ担当の授業
は15名程度の少人数クラスで、電子黒板を利用した双方向型の授業プログラムを実施しています。生きたフラ
ンス語にじかに触れ、実用的なフランス語の会話力が身につくよう工夫されています。
2年次には、やはりネイ
ティブ教員による
「エクスプレシオン・エクリットⅠ」で「書く」能力と
「聞く」能力を同時に高めることができます。
柔軟な思考力と感性を磨く
専門分野の授業では、1年次からフランスの文化と社会に関する講義が開かれており、2年次からは「演習Ⅰ」
と
「特講」を選択することができます。文学、語学、文化の三つの分野に分かれた「演習Ⅰ」では、発表形式の授業
学生の多様な研究心を満たす豊富な教員と集中講義
日本文学科
ことばを通して、
世界を読み解く。
日本文学科は、
日本文学・日本語学と、それに関係の深い中国古典文学・日本語教育学とから成っています。
在籍する学生の要望もまた多種多様で、日本でも有数の教員スタッフ充実度を誇ります。最も古い上代(奈
良)
から近代(明治以降)
までの文学の領域や日本語学はもちろん、中国古典文学や日本語教育まで、ほぼ全
ての分野をカバーする専任教員がいますので、みなさんが抱いたどのような疑問・相談にもこたえてくれるで
しょう。さらに2013年度から日本文学コースと日本語・日本語教育コースの2コースに分かれ、一層充実をは
かっています。
日本文学・日本語学・中国古典文学の醍醐味を学習で味わう
2∼4年生合同の演習形式の専門科目を多数開講し、みなさんが能動的に学べる環境作りを進めています。
なぜなら日本文学は、講義を聴くだけの受身の学問ではないからです。先行説を広く調べ、それらと自分の考
「暗記もの」ではない歴史を学ぶ
史学科
常識を見直し、
歴史の真実を読み解く。
大学で学ぶ歴史学は、中学校や高等学校で勉強してきた日本史や世界史とは大きく異なります。年号や名
称をひたすら覚える「暗記もの」ではなく、自ら史料を紐解き、主体的に歴史を考え、真実を探る「読み解く歴
史」を学ぶのです。また、現在史学科には日本史・東洋史・西洋史・考古学という大きな枠組みがありますが、近
年はその境界線を越えたより広い視点で捉える歴史研究が注目されています。歴史は、異なる文化が複雑に
関連しながら展開していくものだからです。
歴史学の視点で鑑賞する文化遺産
史学科は、従来の歴史学の枠組みを踏まえたうえで、その枠にとらわれない視点で歴史を学べるような教育
の実践を目指しています。さらに、文化遺産を歴史学の視点で研究し、文化や社会に対してより深い理解力を
養えるカリキュラムを設置しています。
芸術を「比較」しながら学ぶ
比較芸術学科
五感を総動員して
芸術を学ぶ
2
「比較」による学習・研究は、
この学科の学びの基本です。
1年次の「比較芸術学入門」は、本学科の専任スタッフと
一部非常勤講師によってオムニバス形式でおこなわれるもので、展覧会や演奏会、舞台、映画などの鑑賞を前提に、
その解説とレポート作成によって「美術」「音楽」「演劇映像」の実際を比較しながら体験的に学びます。
1・2年次の
「各領域と文芸」でも、
2分野以上を選択することで各領域と文芸との関係とそれぞれの本質を学びます。
文章のデッサン力を鍛える
この学科では1年次の「比較芸術学入門」から3・4年次の「演習」にいたるまで、生の作品鑑賞を基本とする学習・
研究を積み重ねます。そこでの鑑賞レポートはたんなる感想文ではなく、その作品が具体的に美術なら形体や色調、
構図その他、音楽なら楽器や声の音色、アンサンブルその他、演劇なら役者の所作やせりふ回しその他等々、細部に
いたる観察による言語化(ディスクリプション)の訓練を義務づけ、いわば言葉のデッサン力の獲得を目指します。
少人数制ゼミナール
3年次以降、教員との温かい交流の中で学ぶ少人数制ゼミナール(演習)を核とした教育が行われます。全学生がゼミに所属する本学部では、
きめ細やかで工夫を怠らない教員のサポートと、学生同士が切磋琢磨し、
じっくり時間をかけた研究ができる環境があります。教員は、4年次に
取り組む卒業論文の指導などを通して、読解力や分析力などの学生の研究能力を鍛えていきます。
卒業論文は、日本文学科と史学科以外は、選択科目、もしくは選択必修科目ですが、多くの学生がこれに挑戦しています。なお、懸賞論文で優
秀な成績を修めたり、社会的活動を行うなど、学外で学びを実現するゼミナールもあります。
言語と文学は共に、人間そのものと人間が生み出す文化を理解するために欠くことのできないものであり、
また逆に、人間のしくみとその行為を考えずには言語も文学も理解することはできません。
2010年度より6コース制カリキュラムを導入
2010年度よりイギリス文学・文化、
アメリカ文学・文化、
グローバル文学・文化、英語学、
コミュニケーション、
英語教育学の6コース制で構成されたカリキュラムを導入しています。
1・2年次に身につけた英語力をベー
スに、
3
・
4年次は1つのコースを選択し、専門分野の学習を深めることができます。
多数の教員免許状取得者を輩出
英語科教育は「英語の青山」を体現する英米文学科の一つの伝統です。毎年数十人が卒業時に英語の教
員免許状(中学校・高等学校)
を取得しています。
(→P.40 資格・進路) 教職に必要な講義科目、演習
(ゼミ)
科目を充実させ、英語教師を目指す人の意欲に応えるカリキュラムを組んでいます。
を通じて自分の興味や関心を深めつつ、学術的分析の方法を学ぶことができます。3年次からの「演習Ⅱ」では、
文学(思想)、語学、文化、などの分野において探求する能力をさらに高め、実社会でも役立つプレゼンテーショ
ン能力やコミュニケーション能力を培います。また、各分野の専門家が分かりやすい言葉で研究対象について
論じる「特講」では、最先端の研究成果に触れることで、専門知識をさらに深く学ぶことができます。フランス文
学科では、
このような授業を通して、先入観にとらわれない柔軟で人間性あふれる思考力と感性を磨くことを目
指します。
生きたフランス語を学ぶ海外留学
語学教育に定評のあるフランシュ・コンテ大学(ブザンソン大学)の応用言語学センターとの間に協定校留学の
提携を結んでいます。毎年10名前後の選抜された学生が派遣され、現地のハイレベルな語学教育を受けていま
す。現地で取得した単位を本学の卒業単位として認定する制度も整備されています。またパリ第3大学、スイス・
ジュネーヴ大学との間にも協定校交換留学の制度があります。
(→P.18フランス留学、P.38-39留学制度)
えとの相違を整理して発表し、更に学生・教員との議論を通じて、作品の読みやことばの理解が深められて行
くのです。演習の現場は、発見と驚きに満ちた小宇宙です。
日本語を教えるには、日本を理解することから始まる
日本語をまったく話せない人々にことばを教える―日本語教育の現場は、異文化が触れあう交流の場と言
えます。そこで日本語教師に求められるのは、単なる指導技術だけではありません。日本の文化に関する正し
い知識、そして自国のことばに対する深い理解を持った人材が、求められているのです。日本語・日本語教育
コースでは、外国人留学生を対象にした教育実習などを学生が経験することで、異文化の橋渡し役となる人
材になれるよう指導をしています。
教員の充実と多彩な顔ぶれ
豊富なカリキュラムに対応すべく、本学科では16名の専任教員スタッフを始め、約40名にのぼる多彩な顔
ぶれの非常勤講師が授業を担当しています。教員の充実は、他大学に例を見ない、本学の特色のひとつです。
フィールドワークで確かめる歴史の真実
現地に出向いて調査・研究するフィールドワークは、史料を読み解き考えたことを実際に確かめる貴重な機
会です。少人数制の史学科ゼミナールでは、実地研究の場が豊富に設けられています。
3年次には、各ゼミを
主体とした研修旅行が実施されます。歴史を知る、あるいは歴史をもう一度自らの手で検証することは、それ
までの型にはまったものの見方から脱する絶好の機会でもあります。知っているつもりの事件がなぜそうなっ
たのか、それに至る歴史的背景を自分の力で調べ、
自分の頭で考えることが、歴史の真実に迫る第一歩になる
でしょう。
古典テクストを読む
本学科は生の芸術作品を鑑賞することと並行して、古典テクストの読解にも力をいれます。芸術作品はいわば歴
史や文化の「非文字資料」ですが、やはりそれらの編年や意味の詳細を理解するには文字資料であるテクストの読
解が不可欠です。ある国の美術や音楽、演劇映像を真に理解するには、その国々の言語を理解せずして済ますこと
はできません。
「原書講読」では英語はもちろん、漢文・古文のテクストもとり上げます。
芸術鑑賞の基本を学ぶ
「芸術鑑賞の方法」では、そこに何が表され、何を意味しているのかという美術解釈の基本となる図像学をはじ
め、具体的な美術作品の調査法、絵画や彫刻の簡単なデッサンの技法、西洋音楽や日本伝統音楽の楽曲分析、古い
楽譜の解読や演奏法、日本古典芸能や西洋演劇では演技者や舞踊家による実技を前提とした所作や動きの意味、
道具の役割など、作品鑑賞に必須の基礎知識を学びます。
進路状況
語学力と英語圏諸国に関する知識
を生かし、国連などの国際機関、研
究教育機関、通信社などのジャー
ナリズ関連、航空会社や旅行会社、
国際貿易などの企業、中・高の英語
科教員などの教育関連をはじめ、
幅広い分野で活躍できます。
進路状況
フランス語圏での日本語教師、出
版社、マスコミ関連など、進路は多
方面にわたります。フランスに関連
のある外資系企業への就職者が毎
年 い ることも 特 色 。最 近 はコン
ピュータの開発職などに就く人も
増えています。
進路状況
中・高の国語科教員、図書館の司書、
博物館の学芸員として活躍するほ
か、出版・マスコミ関係などの企業
に就職するなど、多彩な進路があ
ります。今後は、国内外で日本語教
育に携わる人も増えていくでしょう。
進路状況
教育界、ジャーナリズム、実業界な
ど、あらゆる分野で活躍できます。
特に、教職、美術館・博物館の学芸
員、公務員、放送・出版、観光・旅行
などの分野において、専門能力を
生かした活躍が期待されています。
大学院への進学により学界で活躍
することもできます。
進路状況
2016年3月に第1回卒業生が出
ることになりますが、取得可能な資
格として学芸員、司書、社会教育主
事があります。また学科関連の分
野としてはマスメディア・文化・芸術
関連はもとより、サービス関連、環
境・福祉・情報関連の企業にも拓か
れています。
3
全学共通教育
それぞれの目標を存分に追究できる多様性を持ったカリキュラム編成
文学部のカリキュラムは、各学科の外国語科目と学科科目のほか、青山スタンダード科目、文学部共通科目で編成されています。青山
スタンダード科目から履修できる科目は学科の方針と学生個人の選択の仕方によって、多様性があります。自主性を生かして個性的
な学びを実現することができます。
■「青山スタンダード科目」の概要
フレッシャーズ・
セミナー
コア科目
さまざまな学部・学科の一年生が、
少人数のゼミ形式で、教員の専門性
を活かしたテーマについて学習します。
専門分野を学んでいくうえで
必要な教養/技能を身につけ
ます。
ウェルカム・レクチャー
キリス
ト教 理
人間
社会
身
情
体
言
報
の
技
歴
自然
史
理
理解
理解
理解
関連
技
の
技
能
解関連
関連
関連
解
関
能
連
コ
葉
科
ア
目
の
技
科目
科目
キリス
ト教 理
科目
人間
科目
社会
能
自然
能
歴
身
情
言
体
報
の
技
能
葉
の
技
史
理
解
理解
関
連
理解
関連
科
理解
解関連
関連
関連
科目
科目
科目
科目
目
能
技
能
2∼4
年次
の
青山スタンダードとは
専門領域を理解していくうえ
での橋渡し役となる科目です。
1年次で学ぶコア科目の応用、
展開科目として位置づけられます。
教 養コア
大学で学問をなぜ学ぶのか、特に「青山
スタンダード科目」を履修する意味に
ついてわかりやすい講義を行います。
1年次
テーマ別科目
その到達目標を「およそ青山学院大学の卒業生であ
れば、
どの学部・学科を卒業したかに関わりなく、一定
の水準の技能・能力と一定の範囲の知識・教養を備え
ているという社会的評価を受けること」
とし、本学に学
ぶ全学部・全学科の学生が履修する<全学共通教育シ
ステム>のことを〈青山スタンダード〉といいます。
外国語教育
第二外国語も重視した実践的な外国語教育
高度情報化時代に対応したスキルを養う
文学部では、外国語教育を重要な柱と位置づけています。言語だけでな
く、その背景にある文化や生活習慣、人々のものの見方や考え方までを
学ぶことも重視します。
ネイティブスピーカーをはじめ、その言語圏での在住経験、言語・文化・
生活習慣などに学識が深い教員が指導します。
情報や資料を使いこなすためのスキルを身に付ける情報関連科目を設け
ています。
学習や研究の内容を高めていくには、幅広い資料や研究論文、専門文献
を閲覧する必要があります。そのような場合、
インターネットで検索、
資料を
収集したり、
データベース化するといった情報技術が欠かせません。
在学中に学ぶことが
できる外国語
4
情報教育
●英語 ●フランス語 ●ドイツ語
●スペイン語 ●中国語 ●ロシア語 ●韓国語 文学部共通科目
文学部は英米文学、
フランス文学、日本文学、史学、比較芸術学の5分野をカバーしています。いずれも伝統
的学問分野からすると「人文学」と呼ばれる点で共通性があり、
「人間について知り、人間のための知を追求する
こと」に目標がおかれています。こうした共通する思いをカリキュラムのなかに活かすため、今から30年ほど前、
各学科が互いに知恵を出し合い、開講したのが文学部共通科目の基礎です。その枠組みは現在まで基本的に変
わっていません。それは、急速に変化する時代を意識しつつ、もっと大きな文化の流れを視野に入れた講義科目
が用意されていることを意味します。
人間を知る
学問
意味のある
多様性
古典ギリシャ語やラテン語の知識は、英米文学、
フランス文学、西洋史を専攻する者には不可欠でしょう。思
想史、文化史、音楽史などについても同じです。こうした古典的性格をもつ科目とともに、学際的な科目もあ
ります。テクスト論、比較文学や比較言語学は細分化された専門科目ではカバーしきれない分野を、総合的に
また相対的な観点から論じるものです。文学部共通科目の発足時から、出版ジャーナリズム、放送ジャーナリ
ズムが開講されていたことは文学部の先輩方の炯眼というべきでしょう。
また、企業・団体などの寄附によって運営される、
“ 寄附講座”
は、教育の場を大学が提供し、教員やカリキュラ
ムのコンテンツなどを外部に委託する授業で、理論面に偏重しがちな大学教育に、社会の現状を踏まえた実践
面での教育を補完する役割を果たしています。文学部共通科目は一部を除いて2・3・4年次向けに開講されて
います。青山スタンダード科目とともに、大学で学ぶことの意義を深めてくれるはずです。
■共通科目の紹介
共通科目
思想・
心理
芸術
文学
芸術文化論Ⅰ
・
Ⅱ
文化財科学Ⅰ
・
Ⅱ
西洋美術史Ⅰ
・
Ⅱ
東洋音楽史Ⅰ
・
Ⅱ
西洋音楽史Ⅰ
・
Ⅱ
ギリシャ・ローマ文学Ⅰ・Ⅱ
テクスト論Ⅰ
・
Ⅱ
日本文化史Ⅰ
・Ⅱ
西洋文化史Ⅰ
・Ⅱ
キリスト教文学Ⅰ
・
Ⅱ
映像文化論Ⅰ
・Ⅱ
児童文学Ⅰ
・
Ⅱ
比較文学Ⅰ
・
Ⅱ
日本の思想Ⅰ
・
Ⅱ
言語学概論Ⅰ
・
Ⅱ
東洋文化史Ⅰ
・Ⅱ
物語文学Ⅰ
・
Ⅱ
世界各地域の文学Ⅰ∼Ⅵ
言語
東洋の思想Ⅰ
・
Ⅱ
詩論Ⅰ
・
Ⅱ
日本美術史Ⅰ
・
Ⅱ
東洋美術史Ⅰ
・
Ⅱ
文化・
ジャーナ
リズム
現代思想Ⅰ
・
Ⅱ
比較言語学Ⅰ
・
Ⅱ
生命倫理学Ⅰ
・
Ⅱ
古典ギリシャ語Ⅰ∼Ⅳ
イタリアの言語と文化Ⅰ∼Ⅳ
出版ジャーナリズムⅠ
・
Ⅱ
ラテン語Ⅰ∼Ⅳ
記号論Ⅰ
・
Ⅱ
精神分析学入門Ⅰ
・
Ⅱ
認知言語学Ⅰ
・
Ⅱ
心理言語学Ⅰ
・
Ⅱ
通訳ワークショップⅠ
・
Ⅱ
放送ジャーナリズムⅠ
・
Ⅱ
通訳ワークショップⅠ
・Ⅱ(日本コンベンションサービス株式会社寄附講座)
通訳ワークショップⅠ
・Ⅱは、コングレス・オーガナイザーの最大手である日本コンベンションサ
ービス株式会社の後援により、2007 年から開設されている寄附講座です。
このワークショップ
では英語と日本語の間の通訳を扱いますが、初歩からていねいに指導しますので、文学部のす
べての学科の学生が受講できます。講師はプロの通訳者が担当し、受講生からも高い評価を受
けています。
5
Department of English
英米文学科
Message
英米文学科は、英語およびその文学の研究を通して、英語圏の文化、社会、歴史、文
学、言語に関する認識を深め、人間と文化の本質を理解することを目標とし、国際的な視
野を備え、社会に貢献できる個性的で創造性豊かな人物を育成したいと願っています。
多数の外国人教員を含む優秀な教授陣を持つ英米文学科は、英米をはじめとする
英語圏の文学・文化のみならず、英語学、
コミュニケーション、英語教育学を学科の柱と
しています。英語の実際的運用力を向上させるさまざまな科目も充実した、
いわば「英語
の青山」を代表する伝統ある学科であり、高い水準と幅広い教育内容を誇りとしていま
す。海外の大学との交換留学(協定校留学)
や認定校留学、短期留学にも積極的にか
かわっています。2011年度からは、新たに自己推薦入学試験(英語資格取得者)
も始ま
りました。
卒業生は、
語学力と英語圏の文化についての豊かな知識を活用して、
ジャーナリズム、
一般企業、研究教育機関など多方面で活躍し、
高い評価を受けています。
さらに研究を
志す人のためには、
大学院が設置されています。
教育研究上の目的
英米文学科は、
イギリス文学・文化、
アメリカ文学・文化、
グローバル文学・文化、英語学、
コ
ミュニケーション、英語教育学の6分野の専門的及び学際的研究を通して、英語圏の社会・
文化・思想に関する認識を深め、人間性を探求することを理念とする。また英語という言語と
英語圏の文化の研究に立脚しながら、国際的な視野を持って社会に貢献できる個性的で創
造性豊かな人材の育成を目標とする。
第二部英米文学科(2011年度より募集停止)
は、英文学・米文学・英語学・コミュニケーシ
ョンの4分野の専門的および学際的研究を通して、英語圏の社会・文化・思想に関する認識を
深め、人間性を探求することを理念とする。また英語という言語と英語圏の文化の研究に立
脚しながら、国際的な視野を持って社会に貢献できる個性的で創造性豊かな人材の育成を
目標とする。
3つのポリシー
■アドミッションポリシー(入学者受入れの方針)
英米文学科は、以下のような能力・意欲等を持った入学生を求める。
1. 生活や文化、価値観、考え方の違う世界の人びととの共生を通じて社会に貢献する意
欲を持った学生。
2. みずからの明確な個性を持つ、あるいは持ちたいと願う学生。
3. みずからと異なった人びとを理解したいと願う学生。
4. 英語圏の文学・語学・文化に興味、関心、好奇心を持ち、
かつこれらを追究するのに必要
な英語力を備えた学生。
6
■カリキュラムポリシー(教育課程編成・実施の方針)
英米文学科の教育課程は、青山スタンダード科目と専門教育科目、それに英語科目で構
成される。特に専門教育科目と英語科目に関するカリキュラム体系と特色は次の通りであ
る。
〈カリキュラム体系〉
英米文学科の履修科目を「英語科目」
「専門科目」の2つに分類し、前者によって英語の実
際的運用能力、後者によって英語圏の文学・語学・文化についての専門的知識を修得しつつ
英語運用能力を社会的に活用する力を獲得できるよう、
カリキュラムを構成している。また、
「英語科目」
と
「専門科目」を連結し総合するために、1・2年次からの専門科目群を適切に配
置している。
〈特色〉
「英語科目」は、Integrated Englishを核とする多彩な授業配置によって総合的に英語
の実際的運用能力向上をはかっている。
「専門科目」では、
「イギリス文学・文化」、
「アメリカ
文学・文化」
「グローバル文学・文化」
「英語学」
「コミュニケーション」
「英語教育学」の6コー
ス制により、専門的知識を一層深化させることが可能となっている。
■ディプロマポリシー(学位授与の方針)
英米文学科は、以下を身につけ、卒業に必要な単位数を修得するなどの要件を満たす学
生に対し、
「学士(文学)」を授与する。
1. 英語圏の文学・語学・文化についての専門的知識。
2. 英語の実際的運用能力。
3. これらの知識と能力を社会的に活用する力。
Department of English
カリキュラムガイド
カリキュラムの特徴
年次
■コースの修了について
本学科の卒業要件
専門科目の選択必修科目を44単位以上修得することが必要です。
コースの修了要件
いずれかのコースの指定科目が20単位以上含まれていれば、そ
のコースを修了したことを認定します。コースの修了は学生の任意
による登録に基づくもので、特定のコース修了の有無が学科卒業
要件となることはありません。
学科科目
選択必修
能力別少人数クラス制で英語の運用
能力を育成します。
44単位
62単位
24単位
青山スタンダード科目
2
38単位
卒業要件単位
124単位
コース登録(3年次はじめ) コース変更も可能(4年次はじめ)
年次
3
年次
必修として、興味や関心に合わ
せて「演習」を履修します。
4
年次
選択必修科目のうち、特別演
習として「卒業論文」に取り組
むことができます。
Reading Ⅱ
Academic Writing Academic Skills
lntegrated EnglishⅠ∼Ⅲ、IE SeminarA・B
必 修
基礎演習Ⅰ
・
Ⅱ
選択必修
イギリス文学史Ⅰ
・
Ⅱ、
イギリス文学概論Ⅰ
・
Ⅱ
イギリス文化概論Ⅰ
・
Ⅱ
選択科目
アメリカ文学・文化コース
選択必修
イギリス文学特講Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(3)、
イギリス文化特講Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(2)
イギリス文学演習Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(4)
イギリス文化演習Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(3)
英詩概論Ⅰ
・
Ⅱ、
イギリス事情Ⅰ
・
Ⅱ、英語聖書Ⅰ
・
Ⅱ
アメリカ文学史Ⅰ
・
Ⅱ、
アメリカ文学概論Ⅰ
・
Ⅱ
アメリカ文化概論Ⅰ
・
Ⅱ
アメリカ文学特講Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(2)、
アメリカ文化特講Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(2)
アメリカ文学演習Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(4)
アメリカ文化演習Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(4)
アメリカ事情Ⅰ
・
Ⅱ
グローバル文学・文化コース
・
Ⅱ、
グローバル文学理論Ⅰ
・
Ⅱ
選択必修 グローバル文学・文化概論Ⅰ
グローバル文学特講Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(2)、
グローバル文化特講Ⅰ
・
Ⅱ
グローバル文学演習Ⅰ
・
Ⅱ、
グローバル文化演習Ⅰ
・
Ⅱ
英語学コース
選択必修
コミュニケーションコース
英語音声学(講義)/(演習)、英語学概論Ⅰ
・
Ⅱ
英語史Ⅰ
・
Ⅱ、英文法Ⅰ
・
Ⅱ
コミュニケーション概論Ⅰ
・
Ⅱ
異文化間コミュニケーション概論Ⅰ
・
Ⅱ
選択科目
選択必修
英語教育学コース
英語教育学特講Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(3)、英語教育学演習Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(2)
英語教育学概論Ⅰ
・
Ⅱ
英語科教育法、英語科教育法特論、CALL英語教育方法論Ⅰ
・
Ⅱ
英語コーパス研究方法論Ⅰ
・
Ⅱ
スピーチコミュニケーションⅠ
(1)
∼
(4)
オーラルインタープリテーション
(1)
∼
(2)
翻訳Ⅰ
(1)
∼
(2)
青山スタンダード科目
スピーチコミュニケーション Ⅱ
(1)∼(6)
パフォーマンススタディーズ
(1)
∼
(4)
通訳Ⅰ
(1)
∼
(2)、通訳 Ⅱ
(1)
∼
(4)、翻訳 Ⅱ
(1)
∼
(6)
クリエイティブライティング
(1)
∼
(2)
ジャーナリスティックライティング
(1)
∼
(2)
アドヴァンスト・アカデミックライティングⅠ
・
Ⅱ
リスニングコンプリヘンション、eラーニングイングリッシュ
ビジネスイングリッシュⅠ
(1)
∼
(3)・Ⅱ
(1)
∼
(2)
メディアイングリッシュⅠ
・
Ⅱ
(1)
∼
(2)
留学・進路など
自由選択科目
コミュニケーション特講Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(5)
コミュニケーション演習Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(7)
特別演習︵卒業論文︶
特別演習
全学共通科目
英語学特講Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(5)、言語学特講Ⅰ
・
Ⅱ
英語学演習Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
∼
(8)
メディアスタディーズⅠ
・
Ⅱ
選択科目
実践的英語力の向上をめざし、高度な
英語運用能力を育成します。
比較芸術学科
専門科目
選択科目
選択必修
史学科
イギリス文学・文化コース
選 択
日本文学科
英語科目
英語の運用能力を集中的に育成します。 ReadingⅠ
18単位
専門科目
自由選択科目
1・2年次を通した能力別少人数クラス制による、
「Integrated
English」で英語の運用能力を集中的に育成します。
必 修
英語科目
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
1
Curriculum
英米文学科
本学科の専門課程は、イギリス文学・文化、アメリカ文学・文化、グ
ローバル文学・文化、英語学、コミュニケーション、英語教育学の6分
野から成り立ち、
3・4年次ではこのうちひとつの分野についての学
習を深めていくことのできる6コース制が設けられています。そこ
で、
1・2年次には専門基礎科目を偏らないで学んでおくことや、また、
どの分野を選ぶにしても英語力がなければ出発点に立てませんか
ら、英語科目にも十分な努力を払うことが必要でしょう。道具として
の英語力を伸ばす科目は3・4年次にも設置されていますし、通訳、
翻訳、ビジネスイングリッシュなど目的別の授業も用意されていま
す。また、研究上の必要や将来の職業選択のために他学部他学科の
授業を履修した場合、
28単位(約7科目)まで卒業要件単位とする
こともできます。むろん、青山スタンダード科目や文学部共通科目
も大切です。大学ではすべてがみなさんの血となり肉となるのです。
学部・学科の枠を超えた幅広い学問分野のエキスパートが、
学びへの興味や指針を喚起
させる全学共通教育システム。
学科科目、青山スタンダード科目および文学部共通科目、文学部他学科、並びに他学部開講科目を自由に選択して学べます。
7
専門科目案内
イギリス文学・文化
英国文化の個性は、
文学に凝縮している
一口に英国文学といっても、古典語や外国語の著作を残した
(15世紀頃まで)、近代英語文学と分けられますし、詩、小説、劇、
人、外国で英語の作品を書いた人、外国人なのに英語を使った人
評論とジャンルで区別することもあります。英詩は世界文学の中
など無数の例外を内包しています。England, Ireland, Scotland,
で最も見事に霊魂の神秘をとらえ、英国小説は長い伝統と独自の
Walesの地域差にも特色があります。海に囲まれ、社会・産業革命
魅力で多くの読者を得ています。Shakespeareの名は中学生で
を早くに経験したこの国は、独自の長い伝統を誇りつつも、意外
も知っているでしょう。映画や音楽、
ミュージカルといった現代アー
なまでの国際的な多様性を、自国の文化に摂り込んできました。
トの、世界に向けた発信力はご存知の通りです。英国の研究は、知
英国文化は、伝統と多様性に満ちているのです。
的な探求と楽しみの宝庫です。
文学は時代別に、古英語文学(11世紀頃まで)、中英語文学
[イギリス文学・文化教員紹介]
麻生 えりか
Erika Aso
■イギリス小説
現代イギリス小説の分析を通して
イギリスの社会と文化についての
理解を深めます。私たちの生きる現
代社会に引きつけて作品を読んで
います。
Thomas Dabbs
■演劇・文化研究
Shakespeare provides students
with insight into British and
American culture.
Naoyuki Date
■イギリス詩・文化研究
詩・小説などに凝縮された文字表現
を手がかりに、映像や音楽など多様
な表現メディアと歴史背景も視野
に入れて、文学と文化を精読する。
久野 陽一
松井 優子
笹川 渉
■イギリス小説
■イギリス小説
■イギリス詩
主にイギリス18世紀̶17世紀
終わりの名誉革命体制から19世
紀 初 頭 ま で 含 め た「 長 い 1 8 世
紀」̶の文学を、社会や文化の問
題も重ねながら読んでいきます。
19・20世紀イギリス小説を、ロマ
ン 主 義 時 代 の 多 様 な 文 化 や 、ス
コットランド、アイルランドからの
視点にも注意を払いつつ読み直し
ています。
16世紀から17世紀のイギリス詩
を研究しています。同時代の文献
や図像を手掛かりに、作品に反映さ
れた政治や宗教の問題を読み解い
ていきます。
Yoichi Kuno
Wataru Sasakawa
Yuko Matsui
田中 裕介
Yusuke Tanaka
■イギリス批評
19世紀イギリス社会の全体像を、
文化・政治・経済・思想を横断しつつ
主に文学の言葉を読み解くことで
照らし出す。現在の中心課題はオ
スカー・ワイルドと世紀末社会。
短期語学研修
オックスフォード大学ハートフォード・カレッジ
イギリス文化を肌で感じ、
コミュニケーション能力を高める
希望者を対象に、例年夏期休暇中約3週間の日程で、オックスフォード大
学ハートフォード・カレッジにおいて研修を行っています。英語およびイギリ
スの社会や文化に興味のある英米文学科生のために組まれたプログラムで
す。オックスフォード大学の寮生活を体験しながら、イギリスの社会、文化、
文学等に関する少人数で密度の濃い授業を履修します。授業の前後には
Residential Advisor( 生活面の世話をする同大学生)によるアクティビ
ティーも用意されるなど、この研修ならではの魅力がいっぱいです。近くに
は、
『 不思議の国のアリス』ゆかりのお店や、C.S.LewisとJ.R.R.Tolkien
も通ったことで知られるパブもあります。イギリスの社会・文化・文学への理
解を深めながら、コミュニケーション能力を高められる人気の研修です。
8
伊達 直之
[開講科目]括弧内は特講、演習でのテーマ例
■1・2年次開講の、イギリス文学・文化の長い歴史と多様性を概観し、
コースを紹
介する
「イギリス文学概論Ⅰ
・
Ⅱ」、
「イギリス文化概論Ⅰ
・
Ⅱ」、
「イギリス文学史Ⅰ
・
Ⅱ」
■2年次生用の導入ゼミとして「基礎演習Ⅰ
・
Ⅱ」
(「イギリス文化研究入門」など)
「英詩概論 Ⅰ
・
Ⅱ」、
「イギリス事情 Ⅰ
・
Ⅱ」、
「英語聖書 Ⅰ
・
Ⅱ」、
「イギリス
■3・4年次用に、
文学特講Ⅰ
・
Ⅱ」、
「同演習Ⅰ
・
Ⅱ」、
「イギリス文化特講Ⅰ
・
Ⅱ」、
「同演習Ⅰ
・
Ⅱ」
(「Introduction to Shakespeare」
「イングランド・ルネサンス期の文芸」
「女性作家
とゴシック」
「19世紀スコットランドとファンタジー」
「モダニズム文化と小説」
「アイル
「イギリス小説と詩に描かれる戦争」など)
ランドの詩と風景」
Department of English
英米文学科
アメリカ文学・文化
「視点」
と
「表現」のフィールドワーク
アメリカ文学・演劇・映画など、多様な分野を取り上げて多面的に
主義と文学・文化など、
グローバリゼーションの展開を見据えた
アメリカ文学と文化を学ぶコースです。
テーマが取り上げられています。こうした授業によって、高度な専
変容する現代アメリカ社会を視座に置いて、
アメリカの歴史と文
門知識と同時に、国際社会に開かれた鋭い感性と思考力を身につ
化、先住民の文学、移民やアジア系、
アフリカ系アメリカ人の文学・
けることができるでしょう。
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
文化、子どもとアメリカ文学・文化、
フェミニズム、
エコロジー、資本
[アメリカ文学・文化教員紹介]
福田 敬子
西本 あづさ
古井 義昭
■アメリカ小説
■アメリカ研究・小説
■19世紀アメリカ文学・文化史
主に19世紀の小説を扱いながら、
その背景となった歴史や社会の動
きも幅広く考察します。特に、社会改
革運動と女性史に注目しています。
アフリカ系アメリカ文学研究・アメ
リカ研究を通して、多民族国家ア
メリカの歴史・文化・文学を人種と
アイデンティティに注目しつつ考
察します。
19世紀アメリカ文学が専門です。
歴史的観点からアメリカ小説・詩を
読み解きます。ハーマン・メルヴィル
をはじめ、19世紀中葉の作家を主
な研究対象にしています。
Mary A. Knighton
齊藤 弘平
外岡 尚美
■アメリカ研究・文学
■アメリカ小説・文化研究
■アメリカ演劇
アメリカ地域/リージョナリズムと
グローバルモダニズム
(日本文化も
含む)との絡み合いのほか、ポスト
コロニアル理論やフェミニスト理論・
文学批評などが関心の対象です。
19世紀から20世紀にかけてのア
メリカ小説や文化を、知識史の観
点から研究しています。文学と他
分野(医学、心理学、政治経済学な
ど)の間に生じる「知」の影響関係
に興味があります。
ブロードウェイ・ミュージカルやスト
レート・プレイを通して、演劇が描く
アメリカ文化の諸相を考察します。
Takako Fukuda
Naomi Tonooka
Kohei Saito
若林 麻希子
日本文学科
メアリ A. ナイトン
Yoshiaki Furui
Azusa Nishimoto
[開講科目]括弧内は特講、演習でのテーマ例
■アメリカ小説
18世紀から19世紀にかけての小
説を扱いながら、多声なアメリカの
有様に様々な考察を加えます。女
性文学や建国期文学が主な考察対
象です。
史学科
■1・2年次開講の、
アメリカ文学・文化の多様性と統一性を概観し、
コースを紹介
する
「アメリカ文学概論Ⅰ
・
Ⅱ」、
「アメリカ文化概論Ⅰ
・
Ⅱ」、
「アメリカ文学史Ⅰ
・
Ⅱ」
・
Ⅱ」
(「アメリカ短編小説を読む」など)
■2年次生用の導入ゼミとして「基礎演習Ⅰ
■3・4年次用に、
「アメリカ事情 Ⅰ
・
Ⅱ」、
「アメリカ文学特講 Ⅰ
・
Ⅱ」、
「同演習 Ⅰ
・
Ⅱ」、
「アメリカ文化特講 Ⅰ
・
Ⅱ」、
「同演習 Ⅰ
・
Ⅱ」
(「アメリカ建国期の国家アイデンティ
ティ」
「ブロードウェイ・ミュージカル 研 究 」
「19世紀女性文学の展開」
「多民族国家の葛藤」
「アメリカのノンフィク
「Introduction to American Poetry」
ションを読む」
「南北戦争と文学」
「アメリカ自然主義文学」など)
Makiko Wakabayashi
比較芸術学科
グローバル文学・文化
世界に広がる英語の文化、
英語の文学
英語を使う文化と文学はイギリスとアメリカの他にも、いろいろ
各地域の歴史を学び、人種やジェンダーや文化の問題を学ぶこ
とが21世紀には必要になってきました。それに挑戦するための新
れからインドに。それからオーストラリアやニュージーランドにも。
しいコースです。信じられないくらいたくさんのことが、自由に学
そうした各地にある英語の文化と文学を学ぶべき時代が来て
べます。
留学・進路など
な地域にあります。たとえばカナダ、西インド諸島、
アフリカに。そ
います。
[グローバル文学・文化教員紹介]
秦 邦生
Kunio Shin
■英語圏文学・文化研究
19世紀後半から現代にかけてのイ
ギリスならびに英語圏の文学と批
評理論が専門です。最近は「アダプ
テーション」の観点から映像文化に
も視野を拡げています。
[開講科目]括弧内は特講、演習でのテーマ例
■1・2年次開講の、
グローバル文学・文化を見渡す視点を養い、
コースを紹介す
る
「グローバル文学・文化概論Ⅰ
・
Ⅱ」、
「グローバル文学理論Ⅰ
・
Ⅱ」
・
Ⅱ
(「スパイ小説とグローバル文化」など)
■2年次生用の導入ゼミとして基礎演習Ⅰ
■3・4年次用に、
「グローバル文学特講 Ⅰ
・
Ⅱ」、
「同演習 Ⅰ
・
Ⅱ」、
「グローバル文化特講
Ⅰ
・
Ⅱ」、
「同演習Ⅰ
・
Ⅱ」
(「18世紀英語圏の黒人作家たち」
「英領植民地と19世紀小
説」
「世紀末文学とグローバリズム」
「ジャマイカ出身作家の歴史小説」など)
9
英語学
ことばの理解は、
人間理解につながる
人間生活に重要な役割を持つ
“ことば”
の特性を探ることにより、
野があります。そのほかに、
“ことば”
を使用して話し手が自分の意
私たちは人間の思考や精神構造のあり方に迫ることができます。
図することを聞き手に伝え、聞き手はそれをどのようなコンテクス
個別言語としての英語の仕組みは、
さまざまな面からとらえるこ
トでどのように理解するのかについて考察する語用論、英語を通
とができます。英語の音の特徴・音と音との結びつき・音と意味の
時的にとらえ、その歴史的変化について研究する英語史など、英
対応関係などを中心に考察するのが音声学、音韻論、単語の構造・
語学は英語という
“ことば”
にいろいろな角度からアプローチして、
語形成のプロセスなどの研究をするのが形態論、句や文の構造の
“ことば”
の本質、及び
“ことば”
と人間・社会・歴史・文化との関わりを
特徴・どのようにその構造がつくられ、
どのように解釈されるのかに
探り、それによって人間を理解しようとする分野であるといえるで
ついて考えるのが統語論、単語や文の意味の記述を試みるのが意
しょう。
味論など、英語学には
“ことば”
そのものの本質の理解を試みる分
[英語学教員紹介]
Eric McCready Jr.
■英語学/言語学
中澤 和夫
Peter Robinson
Kazuo Nakazawa
■英語学
■英語学
Learn simple mathematical
techniques that are used as
basic tools for examining
natural language phenomena. Both formal semantics
and pragmatics are covered.
論文を精読し、英語の諸構文の多
様な言語事実を観察。統語論的規
制性について考える。英語運用に
も役立つ知識を修得する。
I teach courses in second
language acquisition theory,
and applied psycholinguistics. Basically I am interested
in language, the mind, and
cognition.
武内 信一
髙橋 将一
横谷 輝男
■英語学
■英語学/言語学
■英語学
人間の言語能力に対する最適な理
論の構築を目指します。この目標に
向かって、構造、意味及び、これら2
つの相互作用に注目しながら、具体
的な言語現象を研究していきます。
主に英語の発音に関する授業を担
当しています。ゼミでは例年、無料
の高性能音声分析ソフトを使いな
がら、英語イントネーションの型と
用法を基礎から学んでいます。
Shinichi Takeuchi
“英詩の父”
と呼ばれる中世最大の
詩人ジェフリー・チョーサーの作品
を読み、当時と現代英語との違い
を考察。当時の生活文化について
も理解を深める。
Shoichi Takahashi
Teruo Yokotani
吉波 弘
Hiroshi Yoshiba
[開講科目]
■英語学
■1・2年次開講の「英語学概論 Ⅰ
・
Ⅱ」
「英語史 Ⅰ
・
Ⅱ」
「英文法 Ⅰ
・
Ⅱ」を通して、英語の
構造と歴史的変化を概観し、英語を研究対象として見る基礎を養う。
■2年次には「基礎演習Ⅰ
・
Ⅱ」を導入ゼミとして開講。
■3・4年次開講の特講 Ⅰ
・
Ⅱ、演習 Ⅰ
・
Ⅱ 各科目のテーマ例として、
「英語文化史入
門」
「理論言語学入門」
「形態意味論」
「統語論研究」
「形態論研究」など。
英語音、音節構造、強勢、音調等の
分析と、文法の音韻部門との結び
つき方を研究。英語の発音に関す
る疑問を解決していく。
Our Integrated English Program
The IEP increases the English language ability of 1st and
2nd year students in the English Department in several
ways. First, after a language assessment, each student is
placed in a class where he or she will feel comfortable yet
be given challenging assignments in speaking, reading,
writing, and listening. Next, most classes are small and are
taught by native English speakers. The teachers provide a
valuable intercultural perspective in addition to language
instruction. Furthermore, IEP classes feature an interesting
mix of small group discussions based on topics from
current news, class presentations on interesting themes,
high interest reading to build fluency and vocabulary and an
introduction to literary terms. There is also a focus on
writing, first for communication, then for research and
10
academic purposes. Finally, the classes also include tasks
to improve student listening through small group
interactions, intensive listening to news and features, and
access to a web-based listening course tailored to each
student’
s abilities. The overall goal of the program is to
help students become
self-confident, to show
leadership and to
communicate effectively in
an increasingly global world.
Department of English
英米文学科
コミュニケーション
21世紀の英語コミュニケーション
地球村と言われるほどグローバル化した社会、
また電子情報化
介とした様々なコミュニケーション現象に、理論・実践の両面から
時代にあって、私達の学ぶ「英語」はかつてない明確な立場を獲得
包括的・体系的にアプローチし、高度な英語運用能力と異文化適応
しました。地球の公用語というステータスです。より多くの学術論
能力を有する国際人の養成を目指す」コースです。
「話す・聞く・書
く・読む」4技能の習得にとどまらず、対人/異文化/マスコミュニ
ケーションなど、いろいろあるコミュニケーションのメカニズムを
性・需要はさらに高まっています。
学び、同時に、英語という言語と文化・社会の関係について、各教員
青山の英米文学科のコミュニケーション・コースは、
「 英語を媒
のそれぞれの分野を通し、専門的に習得していきます。
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
文が英語で書かれ、異文化コミュニケーションの大半が英語で、
し
かも非母語話者同士で行われています。英語ということばの必要
[コミュニケーション教員紹介]
Joseph V. Dias
■TESOL
稲生 衣代
水野 的
Kinuyo Ino
Akira Mizuno
■通訳・映像翻訳
■通訳研究・翻訳研究
通訳や映像翻訳の授業で理論と実
践の両面からアプローチすること
で、実践的コミュニケーションスキ
ルの向上を目指しています。
通訳と翻訳の実践を理論的に捉え
返し、そのプロセスとプロダクト、
通訳者・翻訳者の役割などを様々
な隣接分野の知見を参照しながら
研究します。
野邊 修一
大川 道代
小野寺 典子
■非言語コミュニケーション、言語心理学
■スピーチコミュニケーション
■語用論・社会言語学
人は言語的情報と
(顔の表情など)
非 言 語 的 情 報を処 理しながらコ
ミュニケーションを行っています。
その情報内容や心的過程について
議論しています。
スピーチ、ディベート等を担当。被
抑圧者の視点から社会の問題点
を指摘し、解決策を探る「社会変革
のためのパフォーマンス」に取り
組む。
日常のコミュニケーションのメカニ
ズム・原 理( 例えばエスノメソドロ
ジーや談話研究)を学び、また、言
語と文化・社会の関係を考察してゆ
きます。
Shuichi Nobe
Michiyo Okawa
Noriko Onodera
史学科
Gregory Strong
日本文学科
Culture is part of the sea in
which we swim. Intercultural
Communication allows us to
better view that submerged
territory.
[開講科目]*がついたものは、コースの指定科目です。
*、
■1・2年次開講の、当コースを紹介する
「コミュニケーション概論 Ⅰ
・
Ⅱ」
「異文
*。
化間コミュニケーション概論 Ⅰ
・
Ⅱ」
「スピーチコミュニケーション Ⅰ」、
「翻訳
Ⅰ」など。
■2年次開講の「基礎演習Ⅰ
・
Ⅱ」。
*、
■3・4年次開講の、
さらに専門的な「コミュニケーション特講 Ⅰ
・
Ⅱ」
「コミュニ
*、
*、
ケーション演習 Ⅰ
・
Ⅱ」
「メディアスタディーズ Ⅰ
・
Ⅱ」
「 通訳 Ⅰ
・
Ⅱ」、
「 翻訳
Ⅱ」、
「パフォーマンススタディーズ」、
「 eラーニングイングリッシュ」などがあ
ります。
■TESOL
Intercultural Communication
offers the chance of effective
communication with others
through studying kinesics,
verbal styles, and ethnocentricity.
比較芸術学科
英語教育学
一貫制英語教育を目指した専門家育成コース
論等)
と英語の授業を英語で行なう実践力を備えた英語教員と専
初等(小学校)英語教育及び中等(中学校・高等学校)英語教育にお
門家の養成を行ないます。これまでに160人以上の英語教員が
ける理論(目的論、方法論、評価論、教材編成論、外国語教育政策
誕生しています。
留学・進路など
学ぶ側の立場に立った小̶中̶高を一貫した英語教育を軸に、
[英語教育学教員紹介]
木村 松雄
Matsuo Kimura
アレン玉井 光江
Allen-Tamai, Mitsue
■英語教育学
■英語教育学
英語教育方法論、言語教育政策論。
初等英語教育に関する目的論、方法
論、
また英語教育評価論。
[開講科目]
英語教育学概論 Ⅰ:生きる力となる英語を教える教師とは
(アレ
ン)/英語教育学概論 Ⅱ
:自立した英語教師になるために
(木村)
/英語教育学特講 Ⅰ
・Ⅱ
(1)
:入門期の中等英語教育(アレン)/
英語教育学特講 Ⅰ
・
Ⅱ
(2)
:英語教育評価論(言語テスト作成)
(木
村)/英語教育学演習 Ⅰ
・
Ⅱ
(1)
:入門期の英語教育(アレン)/英
語教育学演習 Ⅰ
・
Ⅱ
(2)
:英語教育方法論全般(木村)/英語科教
育法*
[教職課程科目]
:中等英語教員免許取得に必要な全分野
(木村)/英語科教育法特論*
[教職課程科目]
:初等英語から中
等英語への橋渡し
(アレン)
11
在学生の学生生活
アメリカ文学・文化コース
イギリス文学・文化コース
英米文学科3年
英米文学科3年
齋藤 あかねさん
As the world of literature is unlimited, I
am able to study freely in the British
Literature and Culture course. However,
it is not enough to just cram my head full
of knowledge or read through a lot of
books. It is difficult but valuable to read
the story while setting up an antenna for
clues which make me find the story more meaningful. British literature
is related to many elements of society: folklore, class, and religion.
We come to each topic as we like and as determined by our
knowledge and our sensitivity. I am fascinated by British literature
and each topic looks attractive to me, so much so that research in
any area comes easy to me. If you have some interest in British
culture, you would find the content of these classes enjoyable to study.
齊藤 華蓮さん
世界のリーダーとしての存在感を提示し
続けるアメリカ。建国からの歴史の短さを
指摘されることもありますが、様々な背景
をもった人々が共に生きる多民族国家への
成長を果たす過程には、多くの葛藤と困難
がありました。アメリカ文学・文化コースで
は、文学、文化、政治、音楽、
さらには美術などを通して、
アメリカの「現在」を
作り上げてきた様々な時代に属する人々の営みに迫り、多角的な視点から
アメリカという国家の歩みを分析します。アメリカを現在へと導いた国家的
リーダーたち、あるいは黒人や先住民族といったマイノリティーたちは、
ど
のような思いで歴史を奔走したのでしょうか。このコースを履修して、アメ
リカの多面性に理解を広げてゆきましょう。
英語学コース
グローバル文学・文化コース
英米文学科4年
英米文学科4年
根本 蔵人さん
岸 彩乃さん
私がグローバル文学・文化コースで19世
「言語」と聞いて、何を思い浮かべますか。
紀のイギリス文学を中心に学んでいる、
と言
今や英語はuniversal languageとして使
うと、
「あれ?両方の文学をやるの?」と、疑問
用されていますが、
「流暢さ」ばかり評価され
に思う人も多いと思います。しかし、経済活
がちな風潮に疑問を感じませんか。英語そ
動や植民地化、移民問題などを通して、欧米
のものを理解して初めて、真の英語話者と
はもちろん、アジア、アフリカなどの多くの
呼べるのではないか。そんな思いで統語論、
国々と深く関わってきたイギリスの文学作品をその国の内側だけで読むこ
形態論そして第二言語習得を学んでいます。慣れ親しんだ英語も、分析する
とはできません。19世紀からすでに作家が海外へ講演に行くなど、
グローバ
と様々な興味深い現象が見られます。さらに私はラテン語と古典ギリシャ語
ル化は最近になって始まったものではないのです。このような大きな枠組み
を学んでから、英語に対する見方ががらりと変わると同時に、自分の言語に
の中で作品を読むことは、次々と新しい発見につながり、ワクワクして、
とて
対する理解がいかに浅く狭いものであったかに気付いて愕然としました。
もやりがいがあります。それだけでなく、
こうした視点は、国際化が一層進む
英語学を学べば、それを切り口に言語に対する理解が深まり、言語を学ぶ
現在の社会で活躍するための基礎作りにもなると思います。ぜひ、
このコー
ことで、人と文化を敬う姿勢が培われます。是非ここで言葉への追究をして
スで有意義な学生生活を過ごしてください!
みませんか。
コミュニケーションコース
英語教育学コース
英米文学科3年
英米文学科4年
大鷹 麻子さん
私は1年生からコミュニケーションに関す
12
松川 達哉さん
私が中学生の頃、英語の授業といえば「読
る授業を中心に履修し、その中で1番面白
んで訳して単語を覚える」というものでした。
いと思った通訳をゼミで更に深く学んでい
しかし、英語教育の授業で、
「言葉を教える」こ
ます。最初はなぜ通訳がコミュニケーション
とがそんなに単純ではないと5分で気づかさ
に含まれるのか理解できませんでしたが、
れました。
訳す内容の時事背景や文化的背景、正確な
英語教育学コースでは、小学生から大人ま
語学力等が求められる、異文化間でのやり取りを円滑にするための一つの
での英語教育、授業内の活動から言語政策までと様々な観点から英語教育に
メディアなのです。コミュニケーションコースは、通訳・翻訳から異文化コ
ついて学び、考えることができます。ほかの生徒とディスカッションをしたり模
ミュニケーションに至るまで、学習内容が多岐に渡ります。様々なメディア
擬授業をしたりと授業も活発に行われます。
を通して、異文化理解やグローバル思考を養うことが出来ます。これらは全
それでも教育実習で教壇に立つと悩むことも沢山ありました。
しかし、授業や
て社会活動に直接応用できるのです。自分なりに考え、分析し、表現する人
ゼミの仲間は何度も真剣に相談に乗って、アドバイスをくれました。今でもそん
材を、皆さんも目指しませんか? な仲間と毎日のように教育について語り合う幸せな日々を過ごしています。
卒業生からのメッセージ
Department of English
英米文学科
大切なのは、
伝える
「こと」が有るかということ
卒業後、紆余曲折を経て、出版社(株)宝島社でメンズファション雑誌『smart』
を編集しています。青学で得た知識
は今の仕事にとても役に立っていますよ。大学在学中にもっとやっておけばよかったなと思うのは、
「自分より年上の
オトナたちと話し、知り合う機会を意識的に持つこと」です。大学の先輩でもいいのですが、もっと年上の人たち。極
端な話、親戚でないおじいさん、おばあさんでも。そういったオトナたちと知り合い、話すことで、得られる知識、情報
は、社会に出ても非常に役に立つと、今、正に感じています。若いとね、なかなか年上のオトナの意見って、素直に聞
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
けないなんて、側面もあるのではないでしょうか。ぜひ早速、いいアドバイスをくれるオトナを探してみましょう。私は
英語が大好きで、
4年間、英米文学科で勉強をしました。文法はもちろん、発音、文学作品を読み込むなど青学の充
実したプログラムで、勉強させていただきました。英米文学の作家たちの思想にも大きく影響を受けたものです。
さて、時は経ち、海外の人たちとの仕事のあとの食事会̶̶なんていうシチュエーションもあったりするのです
太田 智之 さん
株式会社宝島社 smart(スマート)編集長
(英米文学科 1997年卒業)
が、そんな時、感じることは̶̶単語をたくさん知っていることも発音も文法も、それは大切なのでしょう。が、一番
大切なのは、伝える
「こと」が有るかということ、伝えたいという
「内容」が有るかが重要です。どんなに英語の勉強が
できても、その人に伝えるべき「こと、内容」が無いと、
コミュニケーションはできません。逆に言えば、それがあれば、
そこまで完璧な英語でもなくてもいいかも知れない。
東京・青山。このような素敵な場所で、ぜひ毎日色々な人と話をし、知り合い、見聞を広げてみてください。いつか
皆さんとお仕事する日も来るかもしれませんね! 楽しみにしています!
日本文学科
多くの出会いに恵まれた主体的な学びの場
英語が得意で話せるわけでも、留学経験があるわけでもない私が英米文学科を選んだのは、英語に、そ
れも「文法」に興味があったから。どうして疑問文になると、SとVがひっくり返るの?複数形のSってなん
だ?と、高校まででは解決できない、
または飲み込んで進むしかなかったことを、
ちゃんと知りたいと思った
からでした。
実際に学ぶ英語の文法は本当に難しくて、なかなか理解できませんでしたが、一つ疑問をぶつけると
史学科
100で返してくださる知識豊富な先生や、同じ関心を持った仲間と一緒の大学での授業は楽しいもので
した!私は他にも、地学や体育、
ドイツの魔女文学など、
自分の関心のままにいろいろな授業を取り、主体的
な学びの場である大学ならではの多くの出会いに恵まれました。
荻原 香織 さん
三井物産株式会社 次世代・機能推進本部
企業投資開発部 事業開発室 勤務
う会社で、仕事に熱く、豪快で、話していて魅力的な人たちに囲まれ、そして、業務職としてそんな人たちを
全力でサポートしながら、世界中に広がるプロジェクトの一端を担えていることに誇りを持っています。皆
さんにも、大学で素敵な出会いがたくさんありますように!
英文学会
英米文学科公式ウェブサイト
青山学院大学英文学会は、半世紀を超える長い歴史をもち、英
米文学、英語学、
コミュニケーション、英語教育への関心や知識を
http://www.cl.aoyama.ac.jp/english/
英米文学科では公式ウェブサイトを開設し、英米文学科を一
般の方々に知ってもらうとともに、これから入学を考えている
年に7∼10回の講演会の開催に加え、学会誌『英文学思潮』、院
方々や学部学生、院生への情報を発信しています。
生用の『論集』、およびゼミの紹介や論文、教員へのインタヴュー
メニューには、英米文
を掲載した学部学生用の『会報』を発行するなど、活発な活動を
学科の紹介、教員紹介、
展開しています。
ゼミ紹介、IEプログラム
留学・進路など
深めることを目的としています。会員は教員、在学生、卒業生らか
ら構成され、12月の年次大会(講演や研究発表、懇親会など)
や、
比較芸術学科
(英米文学科 2008年卒業)
大学でのそうした出会いが、私を今の会社に導いてくれた気がします。たくさんの人と出会う中で、私に
とって一番大事なのは、働く場所や目的ではなく、そこにいる
「人」だと思ったのです。今私は三井物産とい
紹 介 、カリキュラ ム 紹
介、および資料とリンク
集などがあり、充実した
内 容 構 成になっていま
す。ぜひ一度チェックし
てみてください。
13
Department of
French Language and Literature
フランス文学科
Message
フランスの文化は、
中世以来、
ヨーロッパ文明の中心を成し、
とくにその文学は、優雅と
機知、真摯な追究と寛容な理解がみごとに調和する人間探究の文学として、
ヨーロッパ
文学をつねにリードし続け、
日本の近代文学にも大きな影響を及ぼしました。
その文化と文学を担うフランス語は、美しくもまた理性的な、すぐれて人間的な言語と
して知られ、
長い間、
ヨーロッパ世界の共通語でした。
世界第一の国際語の地位は英語に譲りましたが、今日でも英語に次ぐ国際語として
の地位を保っています。
1962年の創設以来、
フランス文学科は、文学を中心に広くフランス文化全般に触れ
ることによって、先入観にとらわれない柔軟で人間性あふれる思考力と感性を磨く場た
ろうと願ってきました。価値観の多様化が進む現代において、均衡のとれた的確な判断
力と行動力をそなえた人間を形成するうえで、
この理念はますます価値を高めています。
とくにフランス語については、文章を読む能力はもちろんのこと、実際のコミュニケーシ
ョンに必要な、聞き、話し、読み、書く能力の発達を重視すると共に、国際化の進む日本の
社会において、
ひいては国際社会の中で存分に能力を発揮して活躍できる人材の育成
を目ざしており、
現に多くの有能な人材を送り出しています。
教育研究上の目的
フランス文学科では、
フランス語及びフランス文学・言語学・思想を通して、人文
学の幅広い教養と深い専門知識を身につけ、同時に適切な判断力と滋味豊かな人
間性を備えた人材を育成し、広く文化の進展に寄与することを目的とする。
3つのポリシー
■アドミッションポリシー(入学者受入れの方針)
フランス文学科は、以下のような能力・意欲等を持った入学生を求める。
1. フランス文学(思想、哲学を含む)
・語学・文化を学ぶことによって豊かな人間性
を育むことを目指す学生。
2. 異なる文化や社会についての知識を積極的に身につけようとする学生。
3. 語学を身につけるための忍耐力に富み、持続的な努力を怠らない学生。
4. 探究心を持ち、根気強く調査し、考察を深めることができる学生。
5. 周囲の学生や教員との積極的交流を持ち、人間的成長を目指す学生。
■カリキュラムポリシー(教育課程編成・実施の方針)
フランス文学科の教育課程は、青山スタンダード科目と専門教育科目で構成さ
れる。
〈カリキュラム体系〉
本学科では、1・2年次でフランス語の基礎的な運用能力を身につけ、2・3・4年次
でフランス文学、語学、文化の専門知識を深めることを目指している。そのため、原
14
則として1・2年次は必修科目を重点的に学ぶ一方で、2・3・4年次にかけて、文学や
語学、文化に関して、多種多様な科目の中から、知的好奇心に応じて自由に学ぶこ
とができる。2年次から演習科目(ゼミ)
と各分野の専門家による講義科目を履修
することができ、3年次以降は、演習科目と講義科目に加え、確かな読解力をつけ
ることを目指す「講読演習」や、
フランス語運用能力を高めるための科目も用意さ
れている。また、4年間の学習の成果を「卒論」というかたちで集大成することもで
きる。
〈特色〉
独自に開発した教材を用いて、多くの学生にとっての初習外国語の基礎知識の習
得に向けて万全の支援体制を取っている。会話の授業では、最新の設備を利用し、少
人数教育を行っており、ネイティヴ・スピーカーから生きたフランス語をじかに学ぶ環
境を整えている。2年次から3・4年次にかけては、演習で専門的な知識や洞察力をさ
らに深め、高度なプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を培う。また、講
義科目で最先端の研究成果に触れ、高度な文学的・文化的教養の獲得を目指す。
■ディプロマポリシー(学位授与の方針)
フランス文学科は、以下の要件を満たす学生に対し、
「学士(文学)」を授与する。
1. フランス語の確かな運用能力(読む力、書く力、話す力)を身につけていること。
2. フランス文学・語学・文化についての深い専門的知識を身につけていること。
3. 先入見にとらわれない適切な判断力を身につけていること。
4. 高度なプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を身につけていること。
5. 深い専門知識、適切な判断力、高度なコミュニケーション能力に裏打ちされた豊
かな人間性を獲得していること。
Department of French Language
and Literature
カリキュラムガイド
カリキュラムの特徴
1
年次
必修
フランス語
科目
フランス語の基礎能力を集中的に育成します。
フランス語文法Ⅰ
・
Ⅱ
フランス語文法演習Ⅰ
・
Ⅱ
フランス語講読Ⅰ
・
Ⅱ
フランス語会話Ⅰ
・
Ⅱ
広くフランス文化にふれます。
フランスの文化と社会Ⅰ
・
Ⅱ
フランス語科目
16単位
専門科目
64単位
80単位
24単位
青山スタンダード科目
2
自由選択科目
24単位
卒業要件単位
128単位
年次
3
年次
読み、書き、話す力をさらに高 「演習Ⅰ」
「演習Ⅱ」
と各分野の専
めます。
「演習Ⅰ」や「特講」で、 門講義「特講」を中心に履修し
3年生と交流しつつ学びを深
ます。
めます。
必修
フランス文学史概説Ⅰ
・
Ⅱ
フランス語を書き、話し、表現する力を育成します。
エクスプレシオン・エクリットⅠ
・
Ⅱ
エクスプレシオン・オラルⅠ
・
Ⅱ
フランス語を読む力を育成します。
フランス語精読Ⅰ
・
Ⅱ
フランス語速読Ⅰ
・
Ⅱ
年次
これまで学んだことの集大成
として、
「卒業論文」を作成し
ます。
史学科
中世から現代にいたるフランス文学を概観します。
4
日本文学科
「フランスの文化と社会」など
でフランス文化にふれます。少
人数クラスで、
フランス語の基
礎能力を集中的に育成します。
学科科目
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
Curriculum
英米文学科
フランス文学科では、フランス語を初めて学ぶ人にも既習
者にも配慮した学習環境を整え、1・2年次に、文法、講読、作文、
文法演習、発音練習、会話などを有機的に組み合わせたカリキ
ュラムによって、少人数のクラス編成でのフランス語教育を行
い、日本人とネイティブの教育スタッフが適材適所で担当しま
す。これによって、基礎語学力を総合的に身につけることが可
能になります。これと並行して、フランス文学や映像文化まで
含めたフランス文化、さらにフランスの社会や歴史についての
基礎的知識を身につけるための科目が用意されています。
2年次から3・4年次においては、
これらの基礎の上に立って
さらに知識を深めるために、日仏教員による語学、文学、言語
学、文化と社会についての数多くの演習と特講が設置されて
おり、文学、語学、文化の3分野を自由に選択して研究すること
ができます。
エクスプリカシオン
(A)
Ⅰ
・
(A)
Ⅱ、
エクスプリカシオン
(B)
Ⅰ
・
(B)
Ⅱ
コミュニカシオンⅠ
・
Ⅱ
・Ⅲ・Ⅳ
エクスプレシオン・エクリット Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ
ネイティブ教員による授業でフランス語の運用
能力を高めます。
[ 講読演習Ⅰ
・Ⅱ ]
(1)
∼
(6)
[フランス文学特講]
(1)中世文学にみる恋愛と結婚 [フランス文学特講
Ⅰ
・Ⅱ ]
(2)パスカル
『パンセの世界』
(1)
文学における
「女性の表象」
(2)
バルザックの『人間喜劇』
を読む
(3)ヴォルテール
・ディドロ・ルソー (3)
フランス中世のメンタリティー (4)
ヴォルテール、
ディドロ、
サド
(4)エミール・ゾラを読む (5)
17世紀フランス文学における
「モラリスト」
と
「リベルタン」
(5)バルザック
『ゴリオ爺さん』
を読む (6)
ポール・ヴァレリーの
『テスト氏との一夜』
を読む
(6)デュラスを読む
(7)
「クレオール」作家としてのカミュ、
デュラス、ル・クレジオ
フランス語の読解能力を高めます。
文学分野
中世から現代にいたる各時代の小説・詩・演劇や哲
学・思想など、多彩なジャンルの作品の探究と、作
家研究を通して人間の本質に迫ります。
比較芸術学科
選択必修
専門科目
]
(]
1)
2)
(
3)
(4)
(5)
(6)
(7)
[フランス文学演習Ⅰ
・Ⅱ
((
1)
∼
(7)
[フランス文学演習 Ⅲ・Ⅳ]
(1)
∼
(10)
フランス文学研究Ⅰ
・
Ⅱ
[フランス語学特講Ⅰ
・Ⅱ ]
(1)世界の中のフランス語 (2)音声学 (3)
フランス語の諸相:語用論・意味論
語学分野
[フランス語学演習Ⅰ
・Ⅱ ]
(1)
(2)
言語学・音声学・歴史文法などから、言語としての
“フランス語”
そのものを学ぶとともに、語学力のさ
らなる向上を図ります。
[フランス語学演習 Ⅲ・Ⅳ]
(1)
∼
(3)
フランス語学研究Ⅰ
・
Ⅱ
[フランス文化演習Ⅰ
・Ⅱ ]
(1)
(2)
過去から現代までの、身近な映画・演劇・ファッション・
美術・料理などを通してフランスの社会や文化を日
本と比較対照しながら、探究していきます。
自由選択
留学・進路など
[フランス文化特講Ⅰ
・Ⅱ ]
(1)
フランスのポップ・ミュージック (2)
フランス文化における
「風景」
文化分野
[フランス文化演習 Ⅲ・Ⅳ]
(1)
(2)
フランス文化研究Ⅰ
・
Ⅱ
特別演習
特別演習(卒業論文)
4年間培った知識の集大成として、卒業論文を作
成します。
フランス語中級文法Ⅰ
・
Ⅱ、
フランス語作文Ⅰ
・
Ⅱ、
フランス語学概論Ⅰ
・
Ⅱ
フランス語に関する専門的科目を配置していま
す。教員免許取得等に必要な科目もここに含ま
れます。
フランス語教授法Ⅰ
・
Ⅱ
全学共通科目
青山スタンダード科目
自由選択科目
学科科目、
青山スタンダード科目および文学部共通科目、
ド科目および文学部共通科目、
文学部他学科、
並びに他学部開講科目を自由に選択して学べます。
学科科目、
青山スタンダー
文学部他学科、
並びに他学部開講科目を自由に選択して学べます。
学部・学科の所属に関わりなく、専門領域を越えて様々な学問分野の知識を身につけます。
フランス文学特講、
フランス語学特講、
フランス文化特講のテーマは、ある年度の一例です。
15
専門科目案内
フランス文学
フランス文学はフランス文化の結晶であり、今日に至るフランス
の社会・文化の精神的支柱をなしている。フランス文学はケルトや
■フランス文学へのアプローチ
ギリシア・ローマの文化、キリスト教中世など、過去の多様な遺産を
フランス文学への入門的なアプローチは1年次の「講読」に始まる。
継承しつつ、それらを独自の形に変貌させながら発展を遂げてき
2年次に配置された「フランス文学史概説Ⅰ
・
Ⅱ」は、
フランス文学の
た。過去と現在が向き合い、伝統と前衛がせめぎあう文学、それが
流れをつかむとともに、中世から現代までの各時代の主要な作家に
フランス文学と言ってよいかもしれない。
触れることを目的としている。また、
「フランス語精読Ⅰ
・
Ⅱ」では、比較
「フランス文学は人間学の教程である」とは碩学クルティウスの
的容易な文学作品がテキストとして取り上げられ、
フランス語を学び
言葉だが、フランス文学の根底には常に人間探求の精神がある。小
ながらフランス文学の楽しさを原文で味わうことができる。
説や詩、演劇など、どの分野の作品でも、一貫して人間のあり方が
2年次には、フランス文学の理解を一層深めるために「演習Ⅰ
・Ⅱ」
問われている。文学において、人間とは何かという問いは、同時に
が、3年次からは「演習Ⅲ・Ⅳ」が用意されている。フランス文学科のひ
語ること、書くこととは何かという問いでもあるだろう。フランス文
とつの特色は、計10人の文学分野の専任教員を揃えていることで
学がわれわれを魅了してやまない理由は、
この尽きることのない問
あり、中世(西澤)、16世紀(久保田)、17世紀(西村・秋山)、18世紀(井
いにある。
19世紀(露崎・荒木)、20世紀(和田・濵 野・阿部・Arribert-Narce)の
田)、
作家を対象とするゼミが開講されている。また「講読演習Ⅰ
・
Ⅱ」や「文
学特講Ⅰ
・
Ⅱ」の授業でも、さまざまな作品に親しめるほか、
「フランス
文学研究Ⅰ
・
Ⅱ」でも、
フランス文学の特質をテーマ別に学ぶ機会が設
けられている。
久保田 剛史
西村 哲一
秋山 伸子
■16世紀文学・思想
■17世紀フランス思想
■17世紀フランス文学
ルネサンス期における神学・哲学的
思想の流れを捉えながら、
モンテー
ニュを中心とした16世紀フランス
文学を研究しています。
近世初頭の大きな革新の世紀であ
る17世紀の、
フランスおよび西洋
一般の哲学・思想を、デカルトを中
心にして研究しています。
モリエールを中心に17世紀演劇や
小説を研究。演劇への関心は17世
紀にとどまりません。
井田 尚
露崎 俊和
荒木 善太
■18世紀文学・思想
■19世紀文学・詩
■近代フランス文学
百科全書派のディドロを中心に、啓
蒙期と呼ばれる18世紀フランスの
思想と文学を多面的に研究してい
ます。
19世紀の社会や歴史との関係を
踏まえながら、ボードレー ルや同
時代の他の作家たちを読んでい
ます。
19世紀の旅行記を中心に、場所や
風景といったテーマに関心を持って
調べています。
和田 惠里
濵野 耕一郎
阿部 崇
■20世紀小説
■20世紀文学・思想
■20世紀文学・思想
20世紀の小説、
とくにマルセル・プ
ルースト。第三共和政における社会
の変化と文学の関係にも関心があ
ります。
ジョルジュ・バタイユの作品を中心
に、20世紀の文学・思想を研究して
います。
文化全般との関わりを重視しなが
ら、フーコーを中心としたフランス
現代思想を研究しています。
Takeshi Kubota
Hisashi Ida
Eri Wada
Fabien Arribert-Narce
■20世紀フランス語圏文学
自 伝 文 学 、文 学 と 写 真 の 関 係 、
1945年以降のフランスにおける
日本文化の受容を中心に研究して
います。
16
Tetsuichi Nishimura
Toshikazu Tsuyuzaki
Koichiro Hamano
Nobuko Akiyama
Zenta Araki
Takashi Abe
Department of French Language
and Literature
まず「語学」という言い方について、誤解のないようにしておかな
英米文学科
フランス語学
ければならない。
■フランス語へのアプローチ
「語学を身につけておけば将来役に立つかもしれない」とか、
「語
フランス文学科では、語学関係の専門科目として、2・3年次にフ
学が得意(苦手)だ」といった言い方がよくなされるが、その場合の
ランス語学の諸領域を概観する「フランス語学概論Ⅰ
・
Ⅱ」と、フラン
「語学」とフランス語学の「語学」とは同じ内容を表してはいないと
ス語を時間の流れに沿って研究する「フランス語学研究Ⅰ
・
Ⅱ」を開講
いうことだ。
している。また、2・3・4年次配置の特講の中にも「フランス語音声
フランス語 学はフランス語を対 象に専 門 的な研 究をする学 問
学」、
「フランス語学・一般言語学」などの語学関係の科目を配置し
ており、それぞれの分野の最新の研究成果に触れることができる。
語学関係の演習としては、語彙・意味の領域でフランス語を歴史
れることもある。一般言語学とフランス語学あるいはフランス言語
的および共時的に研究する鳥居ゼミ、現代フランス語の動詞を中
学の間の関係は、互いの成果をやり取りする相互補完的なもので
心とした語彙・構文体系の研究を行っている尾形ゼミがある。
ある。フランス語学で得られた成果は一般言語学のなかにデータ
このようにどの科目も、言語学、文学、文化といった広い視野に
の一つとして取り込まれ、他の言語の研究から得られたデータと照
立って、あるいは日本語との比較対照といった観点からフランス語
らし合わされ、より一般的な言語記述に役立てられる。また、一般言
の本質を解明すべく努めている。
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
で、語学一般を研究する言語学(一般言語学とも言う)の一部をな
しており、その点をはっきりさせるために「フランス言語学」と呼ば
語学で得られた成果はフランス語学で利用されることになる。
鳥居 正文
■フランス語学
■フランス語学
現代フランス語の基本動詞につい
て意味・統辞研究を進めています。
話し手と文の成立条件といった観
点から、
フランス語の文法の見直し
を行っています。また、それと並行
してフランス語の意味変化につい
ても研究を進めています。
Kozue Ogata
日本文学科
尾形 こづえ
Masafumi Torii
史学科
フランス文化
フランス文化は、一貫して人間の自由とその表現を重視するもので
あったし、現代においてもそうである。フランスの文化は多様な姿を
■フランス文化へのアプローチ
とって現れる。衣食住の生活文化から都市開発・文化政策に至るまでの
1年次に配置された「フランスの文化と社会Ⅰ
・
Ⅱ」は、名称どおり、
フ
フランス文化固有の厚みは、
まさにグローバリゼーションが進む現在
ランスの風土、歴史、文化、政治、社会について基礎的な展望をあたえ
の世界にあって、
きわめて興味深い事例となっている。
る。また2年次の「演習Ⅰ」でも、年度により、
また担当教員によっては、
言語や文学の枠にとどまらず、さまざまな文化的題材をあつかうこと
ることは、
これからの世界を考えるためのきわめて有効な方法である。
がある。2年次からは、歴史、法制度、社会問題などの分野での個別の
〈異なるもの〉への好奇心から出発して人間の多様な価値を認め、
問題をアクチュアルな視点から専門的に講じる「フランス文化特講Ⅰ
・
相互に理解する柔軟な精神を養うことは、
どのような分野に進むにせ
Ⅱ」が置かれている。また同じく3・4年次配置の「演習Ⅲ・Ⅳ」では、文化
よ、必然的に国際的な舞台で活躍しなければならないこれからの若者
的側面や言葉の面から日仏を比較し、相違点や共通点を考察する日仏
にとって、大きな力となるはずである。
対照学や、現代フランスにおける最も今日的なテーマをめぐって調査、
比較芸術学科
フランスの文化・社会を学び、それを日本の文化・社会と〈対話〉させ
検討をはかる現代フランス論の授業がフランス人専任教員によって指
導されている。ともにフランス語でのレポートや議論をとおして、
フラ
ンス文化を自発的に、かつ総合的に捉えることを目ざしている。なお、
留学・進路など
専門科目ではないが、青山スタンダード科目の「フランス語圏の社会
と文化」も、
フランス語およびフランス文化の世界的な規模での受容
や継承を知るうえで有意義である。
France Dhorne
Sylvain Adami
■日仏対照言語学
■フランス語教育
日本語とフランス語を比較しながら、
発話理論について研究しています。
フランス語のオンライン教育と
eラーニングを研究しています。
17
講演会・シンポジウム 講演、セミナー、映画、舞台上演などの多彩な催し
フランス文学科では、単独で、あるいは青山学院大学フランス文学会との共催で、
シンポジウムや学会、海外から招聘した研究者や作家によるセミナーや講演、
また卒
業生による講演などを催しています。過去には、映画監督のジャン=ジャック・ベネック
ス、小説家のピエール・ギヨタ、演劇家のバンジャマン・ラザールなど、著名文化人も
来校し、一般聴衆も交えて交流を深めました。2012年度には、長らくパリ・オペラ座
のエトワールとして活躍し、現在は振り付けやバレエ史研究に携わるジャン=ギョー
ム・バール氏を迎えてお話を聴く機会を得ました(写真)。ルネッサンス以来の西欧舞
踏の歴史を踏まえながら、
ビデオ映像を適宜織り交ぜて、今後のバレエ界が向かうべ
き方向を模索するバール氏の真摯な問いかけは聴衆に深い感銘をあたえました。
留学 フランス文学への理解を深め、コミュニケーション能力を高める
■フランス留学
本学は、外国人に対するフランス語教育で世界的に知られる、国立
■語学留学
学生の中には、
コミュニケーション能力の上達を目指し、
「 語学留
フランシュ・コンテ大学の応用言語研修センターとの間に協定校留
学」を希望する者も多くいます。先に挙げた3つの協定校のうち、そ
学の提携を結んでいます。フランス文学科からは毎年十数名の学生
うした学生を受け入れているのがフランシュ・コンテ大学(ブザンソン
が留学し、世界各国の学生とともに、語学力の向上に励んでいます。
大学)です。フランシュ・コンテ大学の教育および生活環境は大変充
また近年はパリ第3大学、スイス・ジュネーヴ大学との間にも協定校
実しており、留学生は毎年大きな成果を上げて帰国します。
交換留学の制度が発足。語学に自信のある学生が、同世代の現地学
なお、現地で取得した単位は、認定を受けた後、本学の卒業要件
生と共に専門的な勉学を進める可能性が開かれました。この他に個
単位に加算されます。3年次に留学すれば、留年せず4年で卒業で
人的に留学を志す学生には、認定校という制度もあります。
きます。
フランス文学会
フランス文学の研究と親睦を深める
フランス文学科公式ウェブサイト
http://www.cl.aoyama.ac.jp/french/
青山学院大学フランス文学会は、学部学生、大学院生、教
フランス文学科では公式ウェブサイト上に学部学生、院生、
員を中心に卒業生有志から成る組織で、研究と親睦を目的と
卒業生、またこれからフランス文学科への入学を考えている
しています。一時休止の期間を経て、1990年に再建され、
方 々に向 けて 、様 々
1992年には学科創設30周年を機に年1回発行の研究誌
な情報を提供してい
「青山フランス文学論集」を復刊し、情報提供の「会報」も毎
ます。カリキュラム、
年発行するようになりました。各界で活躍する卒業生の講
教 員 ゼミ紹 介 、留 学
演、著名な研究者のセミナーや講演、映画上演など、多彩で
案内、講演会・シンポ
活発な活動を続け、現在にいたっています。
ジウム案内などがあ
り、随時更新していま
す。ぜひ一度チェック
してみてください。
18
Department of French Language
and Literature
在学生の学生生活
中村 友香梨 さん
フランス文学科1年
英米文学科
生きたフランス語に触れて
私は高校生の時から、
フランスの生活や文化に強く憧れていたので、仏文科を選びました。実際に入学してみると、仏語初心者の
私でもきちんと仏語を理解し、習得できる環境が整っていました。さらに青学では、少人数で行われるネイティブの先生との授業
はもちろん、留学生との交流を通して、生きた仏語に触れることができます。私は時々、留学生といっしょに昼食を取りながら、日本
語と仏語を教え合っています。自分が学んでいる仏語を実際に使って会話するのは楽しいです。 今後は、語学力向上のために、留
学にも挑戦したいと考えています。
フランス文学科2年
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
新たな発見ができる場所
久保田 佳帆 さん
フランス文学科では仏語を基礎から学び、ネイティブの先生による会話やフランス文化についての授業も少人数でアットホーム
な雰囲気の中で行われており、文学だけでなく幅広くフランスを学ぶことができます。私はサークルにも所属しているので、学科
が違う友達ともたくさん知り合い、交友関係が広まりました。都心にあるこの大学に通い始めたことで外からも内からも刺激を受
け、様々な価値観に出会うことができ、充実した日々を送っています。貴重な大学生活を青学で過ごすことにより、きっと今までと
は違った自分に出会えると思います。
フランス文学科4年
日本文学科
求めよ、
さらば与えられん
安西 真梨 さん
グローバル化が進む世の中で英語以外の言語を身につけたいという思いと、
フランス語の響きと文化への憧れから進学しまし
た。フランス文学科の魅力は自由な授業選択ができることです。現在も入学当時の思いを叶えるべく、
2つのゼミに所属し、語学と
演劇を学んでいます。大学生活ではオーケストラ部に所属しており、
フランスで活躍する指揮者を招いて行った演奏会の際は、
フ
ランス語の文献の翻訳を頼まれ、自分の専門が思わぬところで活きた良い機会でした。青山学院は意欲を持って行動するほど、楽
しい学生生活が送れる最高の場所です。
学生時代のすべてが
今につながっています
横井 和子さん
歩いてきた道の先にしか
見つからないもの
吉野 裕之さん
NPO法人シャローム災害支援センター 勤務
比較芸術学科
字幕翻訳者
(フランス文学科 1995年卒業)
史学科
卒業生からのメッセージ
(フランス文学科 1990年卒業)
卒業後、
ワイン専門商社 輸入課勤務を経て今は字幕翻訳の仕事をしてい
原発事故以降、福島に暮らす子ども達のために職を辞してNPOに移りま
ます。みなさんの中に映画やドラマ好きの方がいらっしゃったら、私が字幕を
した。混乱と猜疑心の中で支えになったのは批判精神と想像力でした。青
担当した作品をご覧いただいたことがあるかもしれませんね。
山仏文で薫陶を受け、文学や芸術の中に身を浸してこそ育むことができた
感受の力です。大切なのは作品を過去に留め置かず、幻想に立ち返りなが
ら常に現在を見つめ直すこと。感性と教養を羅針盤に、織られた物語を再
先のマダムが夕食に出してくれたクネルの味、スーパーでの買い物とマル
び生きること。そこに自分と世界との関係を読み解く能力が培われます。社
シェ(市場)での買い物。現地で暮らしたからこそ分かる感覚は、今の仕事を
会ついて考え、善処に向けて行動することで今を変えることができるので
する上でとても助けになっていると思います。
す。原点は万物を象徴し得る言葉でした。過去
学生時代には、
どうか
“文化”
を意欲的に吸収
から未来に繋がる言葉を見つけ、誰のものでも
してください。映画、美術、演劇。本やマンガ。ま
ない私自身の思考と行動に変容させる。受け
た、もし必修の授業がつまらなそうに感じても、
取った言葉を生き、渡すのです。たとえ過酷な
とにかく出席してみてください。意外な興味の
状況であっても、記された記憶(人文科学)
が助
対象を見つけたり、あとで役に立つことがあった
けになってくれます。学生時代は自由に考えや
りするものです。
経験を伸ばせる時間。文学作品は壁に鏡に、そ
みなさんの学生生活が、実り多く楽しいもの
して扉になってあなたの道を導くでしょう。
留学・進路など 在学中に1年間、
フランス(ブザンソン)に認定校留学をしました。言葉を思
うように操れず苦しんだこともありましたが貴重な経験でした。ホームステイ
になりますように!
19
Department of
Japanese Language and Literature
日本文学科
Message
ことばの向こう側には、
ことばを発する
(話す・書く)主体が存在します。
ことば
を対象にするということは、
ことばを介して、
ことばの向こう側にいる
〈他者〉
と向
き合うことでもあります。
日本文学科での学びの本質は、過去から現在に至る、
日本語で書かれたテ
クストを対象とすることで、
テクストの向こう側にいる見知らぬ〈他者〉
と対話す
る技術を学ぶというところにあるといってもよいでしょう。
〈他者〉
を単なる風景や
異物としてとらえるのではなく、
それ自体独立した人格としてとらえるためには、
〈他者〉の心を思いやる想像力を持つことが不可欠です。
〈文学〉
には、
〈他者〉
の心に分け入ったり、
〈他者〉の目を通して
〈私〉
という存在を見つめ直したりす
る、不思議なメカニズムが内包されています。
日本文学について学ぶということは、
自分とは切り離された他所にある過去
の文化・歴史・言語などについて学ぶことではなく、
ことばという回路を通して、
今、一度きりのかけがえのない人生を生きつつある自分自身と向き合い、
自分自
身の実存について考えるということと等価な営みなのです。
本学の日本文学科は、そのような、
自分という存在について問いかける、最
良の学びの場であるといえるでしょう。
教育研究上の目的
日本文学科は、日本文学・日本語学・日本語教育学、及び中国古典文学に関する専門の
学術研究の方法を学ばせることを基盤に据え、
自らが考え、学ぶことのできる力を身につ
けさせ、国際的・学際的な視野に立った普遍的な人格、堅実な社会人たる人材の育成を目
的としている。
3つのポリシー
■アドミッションポリシー(入学者受入れの方針)
日本語・日本文学について幅広い知識と深い理解力を身につけるとともに、国際的視野
に立って日本文化を位置づけることのできる人材の育成をめざす日本文学科は、
日本語・
日本文学に対して深い関心を持ち、その理解と研究を通じて人間の真実を探究し、社会
に貢献しようとする高い意欲を持った入学生を求める。入学生には、以下のような知識や
能力などを求める。
1. 高等学校の教育課程に真面目に取り組み、高等学校で学ぶ科目について必要な知
識と理解力を身につけている。特に国語について深い関心を持ち、高い文章読解力
と文章表現力を有している。
2. 本学科では、
日本語・日本文学を歴史的に学ぶため、歴史や社会についても関心を持
ち、基礎的な知識を身につけていることが望まれる。
3. 授業を理解し、情報収集・読解・分析・発表・討論などを行うために、
日本語の読解・聞き
取り・表現・会話などの能力を十分に有している。
4. 情報や知識を総合的に捉える論理的思考力と、
日本語文献や文学作品などが表現す
るものを素直に受け止められる感性を有している。
5. 自分自身で調べ、考える力を持ち、
自分から学ぶことの大切さと面白さを知っている。
6. 多様な文化に対して開かれた心を持ち、異なる文化的背景や生活体験を持つ人々を
理解し、それらの人々とともに積極的に社会に貢献できる素地がある。
■カリキュラムポリシー(教育課程編成・実施の方針)
日本文学科の教育課程は、青山スタンダード科目と専門教育科目で構成される。
〈カリキュラム体系〉
本学科では、単なる知識の寄せ集めとしてではなく、総合的に日本語・日本文学を理解・
研究し、
これを通じて普遍的な人間性を探究することを方針に、
カリキュラムを組み立て
20
ている。幅広く日本語・日本文学を学びながら、学年が進むにつれて専門的な研究テーマ
を深めてゆく流れとなっている。3年次からは、
「日本文学コース」
「日本語・日本語教育コ
ース」の2コースに分かれ、それぞれに専門的な科目を履修するようになる。
1・2年次には、学科全体の必修科目「文学研究法」
「日本文学史」などの専門教育科目
において、本学科での学びの目的を自覚しその方法を習得するとともに、青山スタンダー
ド科目において幅広い知識を身につける。3・4年次には、専門教育科目の講義科目にお
いて専門的な知識を蓄え、演習科目において専門的なテーマに関する情報収集・読解・分
析・発表・討論を行って、感性を磨くとともに論理的思考力・問題解決力・表現力を高める。
また文学部共通科目において、世界の言語・文学・文化についての多様な視点を学ぶ。4
年次には本学科での学びの総決算として卒業論文を作成する。
〈特色〉
本学科では、古代から現代までの日本文学、漢文学、
日本語学、
日本語教育と、
日本語・
日本文学に関わる全ての領域に亙る専門教育科目を配置している。また「日本文学コー
ス」を選択した場合にも、
日本語・日本語教育を「副専攻」
として学ぶことができるようにな
っている。専門教育科目では、
オーソドックスな研究方法を通じて着実に論理的思考力・問
題解決力・表現力を高めるとともに、視聴覚芸術やメディアなどを論じる
「表象文化論」も
配置し、芸術と社会に対する関心を深め、問題発見力を育成している。
■ディプロマポリシー(学位授与の方針)
日本文学科は、4年以上(ただし8年を限度とする)在学し、卒業に必要な科目を履修
し、単位数(合計126単位以上)
を修得し、本学科の教育目標に到達した、以下の要件を
満たす学生に対して、
「学士(文学)」を授与する。
1. 日本語・日本文学(および漢文学)
に関する基本的な知識を総合的体系的に習得し、
それを通じて手に入れた幅広い視野に立って、日本の言語・文学・文化を世界の中で
見渡すことができる。
2. 日本語・日本文学(および漢文学)
に関する総合的体系的知識の持つ意味を、
自分自
身、そして人間社会と関連づけて理解できる。
3. 卒業後の社会生活においても必要な情報リテラシー、論理的思考力、問題発見力・解
決力を身につけている。特に本学科の学生としては、高い日本語能力(なかでも文章
表現力)、豊かな感性を求める。
4. 自己管理力を有するとともに、他者に共感し、他者と協働して行動できる。
5. 高い倫理観と、社会の一員としての強い自覚を持ち、本学科で身につけた、
自ら問題
を発見し解決する知恵と力をもって、積極的に社会に貢献できる。
Department of Japanese Language
and Literature
カリキュラムガイド
2013年度から
カリキュラムの特徴
■
必修科目
日本語・日本語
教育コース
2
年次
日本文学や日本語の研究方法から
学びます。
古代から現代までの日本文学と中国古典文学につ
いて、
「文学交流」
「表象文化」などのさまざまな視
点もまじえながら学びます。
日本語・日本語
教育コース
日本語の歴史や現代のことばを研究する日本語学
と、日本語を母語としない人々に日本語を指導す
る日本語教育を学びます。
新しく、こんな科目ができました(新設科目の一部の例です)
文学交流入門
文章表現法
日本文学は、外国の文学や文化の影響を
受けたり、外国に輸出されるなど、どの時
代にも外国と交流しながら作られてきま
した。日本国内だけで日本文学を見るの
ではなく、国際的な視野から日本文学を
見つめ直します。
どんな学 問も仕 事も、文 章を書くことを
避けては通れません。意見文・論説文・ゼ
ミ発 表レジュメやスライド・レポート等の
作成方法を学ぶことで、日本語を書く技
術の習熟を図り、大学での学びの基礎力
を養成します。
表象文化研究概論
音声表現法
文学の世界は、文字で書かれた書物だけ
で閉じられているわけではありません。ア
ニメ作品、映画、舞台、マンガなど、さまざ
ま な ジャン ル の 文 化 に つ な がって い ま
す。そうした多様な表現の世界に分け入
っていきます。
美しい日本語を話すとはどういうことでし
ょうか。明瞭な発声発音・スピーチ・プレゼ
ンテーション・ディスカッション・朗読等の
方法を学び、これらの実践活動を通じて、
日本語口頭表現技術の習熟を図ります。
年次
3
年次
演習科目を中心に、自ら調べて発表する経験を積み、実践的な研究方法
を学びます。必修として、年次ごとに
「演習」をひとつずつ履修します。
[文学研究法]日本文学研究のための
基礎知識・能力
[日本文学史(三)]近世文学
[日本文学史(一)]上代から中古にか [日本文学史(四)]明治・大正・昭和
けての文学史
初頭の文学
[日本文学史(二)]中世の文学史
4
年次
日本文学科
両コース
1
日本文学
コース
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
Curriculum
日本文学コース ■ 日本語・日本語教育コース
英米文学科
2013年度から日本文学科の専門課程は日本文学コースと
日本語・日本語教育コースの2コースに変わりました。
カリキュラムは、1年次ではまず、日本文学・日本語の研究の
何たるかを知ることから出発し、2年次・3年次と、他の学問領
域にも踏み込みつつ、より深い専門研究に取り組むようになっ
ています。最後に4年次の特別演習で、学生生活の総決算であ
る卒業論文の完成に情熱をそそぎ込むまで、専門科目が段階
的に効率よく配置されています。1年次から演習形式授業を取
り入れていますが、とくに2年次・3年次・4年次の演習(ゼミナ
ール)では、少人数できめ細かな指導を受けられるようになっ
ています。また、学生と教員との緊密な関係も日本文学科の特
徴といえます。
なお、学部卒業後、さらに日本語・日本文学のより高度な研究
を志す人のために大学院に博士前期課程・博士後期課程が設
けられています。
日本文学科が変わりました!
必修科目の特別演習として「特別演
習(卒業論文)」に取り組みます。
[特別演習]
[特別演習(卒業論文)]
[日本語教育概論]
[文章表現法]
[音声表現法]
[日本語教授法]
史学科
[日本語学概論]
[日本語史]
[日本語学講読]
[古典文学概論]江戸文学 [近代文学概論]短編小説の世界 [漢文学概論]中国古典における小説について
[日本語日本文学情報処理法]
[日本語学概論]日本語学の概要
[日本語史]日本語文法の歴史
[表象文化研究概論][日本学入門][文学交流入門]
[日本文学講読][1]『源氏物語』橋姫巻を読む[2]中世の鎌倉
[3]文学の近代、演劇の近代 [日本語学講読]敬語について
[中国古典文学講読]
『 論語』を読む
[日本文化文学入門][日本文学研究のための英語]
選 択
比較芸術学科
選択科目
[日本文学特講][1]『古事記』[2]源氏物語と和歌[3]一人称で書くこと[4]連歌の概要
[5]軍記物語[6]ベストセラーと広告[7]読本『桜姫全伝曙草紙』[8]菊池寛のエッセイ「話の屑籠」
[9]文学作品にあらわれる〈亡霊〉的存在について[10]横光利一研究
[中国古典文学特講]中国古典における詩
[中国文学・思想特講]
『 唐詩選』
[日本語学特講][1]文法の記述方法[2]日本語の文法と意味[3]言語の変異について考える
[表象文化論][1]ファッションと映画で見る現代文化[2]古典の色彩美[3]〈都市〉
と文学
[文学交流特講]
[日本文学とアメリカ・ヨーロッパ]
[日本文学とアジア]
[日本文学演習][1]『萬葉集』の美とその翻訳[2]『古事記』の世界[3]『源氏物語』
夕顔巻を精読する
[4]『紫式部日記』精読[5]『枕草子』[6]『後拾遺和歌集』
[中国古典文学演習]漢詩
[日本語学演習][1]日本語の文法の諸問題[2]敬語の諸問題と考察[3]日本語と他の言語の比較
[4]日本語学研究
[日本語・日本語教育演習][中国文学・思想演習][文学交流演習]
[翻訳演習]
[日本語教授法]
[日本語教育演習A]日本語教育
研究法及びコースデザイン研究
[日本語教育演習B]日本語教育
の学習内容とその問題点
[日本語教育特講]
留学・進路など
[日本語教育概論]
[日本語教育実習]
[集中講義A]能楽入門
[書道の歴史と実技]
外国語科目
外国語Ⅰ
[書理論]
英語講読Ⅰ、英作文、オーラル・イングリッシュⅠ
英語講読 Ⅱ、オーラル・イングリッシュ Ⅱ
全学共通科目
青山スタンダード科目
自由選択科目
学科科目、青山スタンダード科目、外国語選択科目(必要単位以上の履修)、および文学部共通科目、文学部他学科、並びに他学部開講科目を自由に選択して学べます。
学部・学科の所属に関わりなく、専門領域を越えて様々な学問分野の知識を身につけます。
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専門科目案内
日本文学コース
上代
飛鳥・奈良時代の
文学
文学だけでなく歴史もわかる
■上代文学 Izumi Yajima
矢島 泉
上代散文作品を主たる研究対象として、
日本古代文学全般にわたる問題、作品を成立させた歴
史的状況等、
さまざまな角度から光をあてながら、最終的に作品固有の構造・論理・意図の析出を
めざす。ここ数年は、
「古事記」
「日本書紀」を取り上げ、それぞれの論理に即した解読の方法を学
んでいる。
翻訳を通して知る古典の魅力
■上代文学 Yasuhiko Ogawa
小川 靖彦
日本最古の歌集『万葉集』
を中心に古代の書物を研究しています。私の授業では『万葉集』の翻訳を試みています。外国語
に置き換えることの難しさから、
『 万葉集』の新しい魅力や、その背景にある自然観・生命観・宗教感情が見えてきます。世界の
中で日本の古典を考えます。
知の歴史に自ら参画する試み
中古
平安時代の
文学
■中古文学 Hirohiko Takada
高田 祐彦
平安時代の文学が、千年もの時の隔たりを越えて現代に生きるわれわれに関わるのは、なぜ
か。そこには、
われわれの日常をあらためて見直させる別次元の世界が展開されているからであ
る。そうした新鮮な世界を発見するためには、
自分で調べ、考えてゆく営みが欠かせない。その過
程をとおして、多くの先人の精神の軌跡に立ち会い、
自ら知の歴史に参画していってほしい。
討論から生まれる思考と議論の技術
■中古文学 Yoichi Hijikata
土方 洋一
文学作品の本文とは何か、作品を〈読む〉とはどのような行為か、そのような本質的な問
題を意識しつつ、
テクストを精読する。また学生相互の討論を通して、論理的に考え、根拠
を示して自説を主張する、思考と議論の技術を身につけてもらいたい。
中世
鎌倉・南北朝室町
時代の文学
人はなぜ戦うのか
■中世文学 Shinichi Saeki
佐伯 眞一
『平家物語』などの軍記物語は、戦乱の時代に生きる人々のさまざまな姿を描きます。そうした
人々の姿を見つめていると、人はなぜ戦うのかという古くて新しい問いかけが、あらためてわい
てきます。そんな問いをかかえながら物語を読んでゆくことは、人間というものについての深い
思索へと展開してゆきます。
心にしみいる和歌の世界へ
■中世文学 Kazuhito Hiroki
廣木 一人
和歌は長く日本文学の骨格たる文学でした。勅撰集も21集作られました。その中
でももっとも文学として高みに達したのが8番目の勅撰和歌集『新古今集』です。貴
族社会の崩壊と新しい時代の到来、その変動の中で、文学とは何であったかを如実
に我々に見せてくれます。その芳醇でありながら、憂愁の漂う世界へどうぞ。
22
Department of Japanese Language
and Literature
江戸時代の
文学
江戸の魅力
■近世文学 Taeko Oya
英米文学科
近世
大屋 多詠子
江戸時代後期を代表する曲亭馬琴は、伏線が凝らされた伝奇歴史小説である読本(よみほん)
をはじめ、様々なジャンルを執筆しています。当時の風俗・演劇に取材するのみならず、和漢の古
典作品を踏まえており、小説に娯楽と教養を求める読者に応えた作品となっています。馬琴を入
り口に、江戸文学の多彩な魅力を伝えていきたいと思っています。
■近世文学 Susumu Shinohara
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
国際人になるためには、
まず日本文学を
篠原 進
江戸時代を代表する西鶴の小説はふしぎなメッセージに満ちています。近松の舞台はさながら記号の森とも言えます。
300年の時空を超えて発信される、元禄の信号。それを解読して、
テキストの豊饒な魅力を堪能すること。それをゼミのコン
セプトにしています。青山学院は図書館や劇場などの文化的環境にすこぶる恵まれています。そうしたロケーションを生かし
て、劇場にでかけ日本文学をダイナミックにとらえることを目標とします。
明治時代
以降の文学
近代文学研究に不可欠な手続きを知ろう
■近現代文学 Hiroyuki Katayama
日本文学科
近現代
片山 宏行
明治、大正期を中心に活躍した作家とその作品を研究対象としています。これまで志賀直哉、
梶井基次郎、芥川龍之介、菊池寛らの文学をとりあげてきました。学生は一人につき一作品を担
当し、前後期それぞれ一度ずつ研究発表を行い、
まとめとしてレポートを提出します。研究のため
の〈手続き〉を知ってもらい、卒論執筆につなげていってもらいたいと考えています。
史学科
「今」の起源を探る体験へ
■近現代文学 Izumi Sato
佐藤 泉
近代の小説には、汽車や女学生が登場します。あるいは、
「恋愛」、
「労働」、
「社会」や「国家」
という言葉が登
場します。その全てがこの時代にはまだ生まれたばかりの新しい思想でした。そこには「今」の起源が埋め込
まれています。
「今」をとらえかえすために、文学の言葉に向かいあってみましょう。
■近現代文学 Shunji Hioki
比較芸術学科
夏目漱石から村上春樹まで
日置 俊次
居場所を求める作者のあがきが作品として結実し、それが読者に届いたとき、作者は読者の中に居場所を見出します。それ
は同時に作品を通して、読者の側からの居場所探し、自分探しの旅の始まりでもあります。文学をこのように揺れつづけるコ
ミュニケーションの空間として捉えるひとつの視点を提示できればと思います。
夏目漱石から現代の村上春樹まで、広く深くとりあげて論じていきます。
留学・進路など
23
日本語・日本語教育コース
日本語研究
現代日本語の理論的追求
■日本語学 Yasuhiro Kondo
近藤 泰弘
現代日本語の文法を考察することが近藤ゼミの課題である。とくにコンピュータを利用して、
数百万語単位の用例を分析し、それによって全く新しい文法規則や単語の意味を解析してゆくこ
とを目標としている。
私のゼミでは、現代日本語のあらゆる側面について、
コンピュータネットワークなどの最新の機
材を用いて、純粋な理論的追究と技術の実用化への応用との両面から研究を行ってゆきたい。
日本語の意味論と語用論
■日本語学 Jun Sawada
澤田 淳
澤田ゼミでは、
日本語を対象にして、幅広い視点から、
「ことばの意味」にアプローチします。
また、
日本語特有の(歴史的)現象に注意を払いつつ、
日本語を一般言語学的視点から相対化できるように、対照言語学の
視点(日本語と英語、現代語と古典語との対照)
を取り入れた研究をおこなっているのも、私のゼミの特徴の一つです。
日本語
教育研究
世界に向けて心の窓を開く
■日本語教育学 Kiyo Yamashita
山下 喜代
日本語教育の現場は、学習者と教師、
また学習者同士による異文化交流の場と言えます。日本
語教育を学ぶことは、正にそのような交流の場に自ら足を踏み入れることです。授業は、日本語
や、
日本語教育を取り巻くさまざまな事象を観察し、分析する力を身につけ、それを応用すること
のできる力を養うことを目標としています。個人研究の一方で、
グループ・ワークも重視していま
す。
グループ・ワークによって、個人研究にはない達成感を味わうことができるでしょう。
授業風景
日本文学会
日本文学科公式ウェブサイト
青山学院大学日本文学会は、1966年に、日本文学・語学の研
http://www.cl.aoyama.ac.jp/japanese/
究とその発展を目的として作られました。教員・卒業生・在学生に
よって構成される会員総数は1000名を超え、春・秋の大会(講演
会・研究発表会)の開催、機
関誌『青山語文』
・会報の発
行など活発な活動を展開
しています。講演者は最先
端の研究者や卒業生の文
学者やクリエイターです。
24
日本文学科研究室
在学生・卒業生、そしてこれ
から日本文学科へ進学する
ことを考えている高 校 生 の
方に向けて、様々な情報を提
供 し て い ま す 。ぜ ひ 一 度
チェックしてみてください。
Department of Japanese Language
and Literature
在学生の学生生活
日本文学科3年
わくわくする場所
呉 章娣さん
日本文学科3年
英米文学科
文学を通して
時代の謎を解き明かす
石原 玲奈さん
日本文学科のカリキュラムの内容はとても
私が日本文学科に入ることを決意したきっか
豊かです。たとえば「日本文学史」
という授業は
けは、高校時代の源氏物語との出会いでした。
いざ入学してみるとどの時代も魅力的な作品
があることに気付き、今では源氏物語以外にも平安時代の和歌や江戸文学
生活や、社会状況はどうだったのかなど、
すべてが謎に満ちています。神秘
についても学びを深めています。また私は日本文学科の委員会に所属し
的だとは思いませんか?目の前の謎の扉を開くため、今に至るまで人々を
て、委員長として学科の行事のお手伝いや学部生に向けた新聞の発行をし
魅了し続けてきた文学の中に、その鍵を探ります。歴史を通して文学を習
ています。日本文学科の先生方や合同研究室の副手さんとも接する機会が
い、文学を通して歴史を顧みるのです。いにしえの知恵が溢れ出し、人々に
増えたのはとても嬉しいことでした。そして、古典文学について語れる友人
影響を与えるでしょう。これはとても素敵なことだとは思いませんか?青学
達に出会えるのも日本文学科ならではのことだと思います。日本文学、
日本
での日々を大切にし、新しい自分を探しましょう。
語学に興味のある方はぜひ共に日本文学科でわくわくしてみませんか?
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
様々な時代に書かれた文学作品の特質を、そ
の当時の時代背景と重ね合わせて解明することを目的とします。昔の人の
同じ作品でも
多種多様の解釈がある
渡邉 マリコさん
株式会社博報堂 勤務
(日本文学科 2014年卒業)
「なんかいいと思う!」
を
正答にする肉付け
土屋 萌さん
株式会社講談社 週刊少年マガジン編集部 勤務
(日本文学科 2012年卒業)
大学での勉強は、明確な答えのない事柄について、自論を導き出し、そ
えてくれます。高校時代、
わたしは源氏物語絵巻と出会い、千年前の人物が
れが価値だと周囲を説得し得るだけの材料を採集せねばなりません。日本
何を考え何を描きたかったのかを知りたいと思い日本文学科を志しました。
文学科では、例えば『源氏物語』
という作品について、
自説を発表する機会
入学後は作品に対し仮説を立て、
皆で議論することを繰り返しましたが、
同じ
があります。
「何を言っているんだ」
と思われることもあります。
「すごい!」
と
作品でも多種多様の解釈があることを学
感心されることもあります。いかに論拠を纏め
びました。それは今の広告の会社において
上げ、他者に伝達できるかの薫陶。いま私は、
も活きています。答えのない世界で、世の
駆け出しの少年漫画編集者として、面白いと思
中の人が何を思い何を求めているのか、
考
う漫画を届けるために、多くの人を説得する仕
えて言葉にする癖が染み付いています。読
事をしています。それは、漫画家だったり、上司
書はしてもこのように文学に時間を費やす
だったり、雑誌の先にいる読者だったりします。
ことができるのは、
学生時代が最後なので
「何を言っているんだ」と失笑されてばかり。
史学科
文学は無駄ではありません。答えのないものについて考える大切さを教
はないでしょうか。
日本文学科
卒業生からのメッセージ
もっと勉強しておけばよかった!
沖田 泰大さん
株式会社髙島屋 柏店 和洋菓子売場 勤務
(日本文学科 2013年卒業)
人も文学も 最高の出会いを!
比較芸術学科
文学の世界で「遊ぶ」
ということ
小野 洋子さん
NHKエデュケーショナル 特集文化部 シニアプロデューサー
(日本文学科 1996年卒業)
卒業して20年近く、大学での日々は今も私の中でキラキラと輝いてい
本を教わりました。そこで感じたのは自分なりの根拠と仮説を立て、相手を
ます。文学に真正面から向き合うことで鍛えられたのは「想像力」と
「本当
納得させることの難しさです。悩んだ時に頼りになるのが各分野に揃う先
に大切な何かを探し当てる力」だと感じています。行間に漂う作家の苦悩
生方で、気軽に質問できるのは日本文学科ならではだと思います。根拠と
やユーモア、真意など、目に見えないものを自力で導き出すプロセスはと
仮説が求められるのは仕事でも同じです。私は
ても楽しいものでした。
しかも一冊の本に何日も没頭できます。なんて贅
現在、百貨店の和菓子売場担当として販売に
沢な時間の使い方だろうかと、
しみじみ思います。
あたっています。自分なりに季節にあう品揃え
私は、テレビ番組を制作する仕事をしていますが、
など根拠と仮説を立てて考え、お客様が商品
日本文学科で学んだ想像する力は、今の仕事にも
を手に取られたときは何よりもやりがいに感じ
役立っているのではないかと思います。
4年間、勉
ます。大学にいた四年間、文学の世界で「遊ぶ」
強以外のことも十分すぎるほど楽しみました。一番
ことで自分なりの考え方を身につけられたの
の宝は、日本文学科で生涯の友と恩師に出会えた
は得難い経験だと思います。
ことですね。
留学・進路など
入学してすぐの授業で、研究や発表の方法といった文学を学ぶ上での基
25
Department of History
史学科
Message
本学の史学科は文学部の中に置かれています。ギリシア語の“historia”は英語
の“history(歴史)”
と
“story(物語)”
の語源であり、
フランス語の
“histoire”
はいまでも
両方の意味に使われています。
それだけ人間の歴史には物語性があるのでしょう。
しか
し、歴史学はれっきとした科学(scientia)
のひとつであり、人間とその社会の背後にある
真理を明らかにする学問でもあります。
歴史学が人文科学・社会科学の中で最も実証的な学問であることはよく知られていま
す。
しかし、動かしがたい事実に基づいて、物事の是非を判断したり、
自分の意見を述
べたりすることは日常生活でもよく行われていることです。難解な歴史史料との“格闘”
の経験はきっと、
皆さんの将来の社会生活に役立つことでしょう。
人は誰でも自分の幼い頃に対して愛着と郷愁をもっています。歴史に対する愛着とロ
マンも本能的なものと言えるでしょう。
それはまた歴史研究の重要な出発点でもあります。
しかし、歴史を学ぶ目的は、
ただ過去を過去として学ぶのではなく、現代の社会をより正
しく理解することにあります。我々には世界の歴史の動きについて偏らない知識と異文
化を正しく理解し、受け入れる広い視野が求められています。
このように、過去の歴史を
通じて人間とその社会についての広く、深い理解力を養うこと、
それが本学の史学科の
基本方針と言えるでしょう。
教育研究上の目的
史学科では、
日本史、東洋史、西洋史、考古学と、歴史を地域やジャンルをこえて幅広く
学習して、今日の世界情勢や文化を総合的・客観的に分析できる人材、専門的知識の習得
を通して、
自己を確立し、未来への展望を切り開ける人材を社会に送り出すことを目的と
する。
〈ご注意〉 文学部比較芸術学科新設(2012年4月開設)
により、2012年度以降史学科
への入学者は、芸術史コースを選択することができません。
3つのポリシー
■アドミッションポリシー(入学者受入れの方針)
史学科は、以下のような能力・意欲等を持った入学生を求める。
1. 歴史を単なる過去として学ぶのではなく、現代社会をより正確に理解するために、
自
己はもちろん、他者や世界のさまざまな地域の人々が歩んできた軌跡への理解と思
いやりを持つ学生。
2. 歴史学的な手法を通じて今日の世界情勢や文化、人間と社会についての柔軟でか
つ深い理解力を身につけ、社会で広く活躍しようとする熱意を持つ学生。
3. 以上の理念から、本学科では、
自己推薦入試をはじめさまざまな試験制度を導入し、
多様な学生を積極的に受け入れている。
26
■カリキュラムポリシー(教育課程編成・実施の方針)
〈カリキュラム体系〉
史学科の教育課程は、青山スタンダード科目と日本史、東洋史、西洋史、考古学の専門
教育科目で構成される。
〈特色〉
本学科では、1年次では概説を通じて基礎的な内容を幅広く学び、2年次から日本史、
東洋史、西洋史、考古学の各コースに分かれ、学問領域固有の手法を学ぶとともに、専門
的な内容や最新の研究成果を学ぶ。また、
フィールドワーク
(研修旅行)などを通じて自ら
問題を発見し、考え、その解決を通じてさまざまな能力を獲得することをめざす。なお、大
学院と連携し、学部生がより高度な内容を学習し、大学院への進学に有利な制度(大学院
科目特別履修制度)
を導入している。
■ディプロマポリシー(学位授与の方針)
史学科は、以下の要件を満たす学生に対し、
「学士(歴史学)」を授与する。
1. 歴史学や考古学に関する幅広い知識を学ぶ。
2. それぞれの領域固有の専門的な研究手法を学び、歴史的思考を身につける。
3. 必修としている卒業論文の執筆を通じて、歴史的思考を現代社会の理解に役立てる
能力を身につける。
カリキュラムガイド
Department of History
■史学科研修旅行
史学科では、3年次に研修旅行を行っています。ゼミ単位でテーマを考え、
カリキュラムの特徴
そのテーマにあわせて旅の計画を練っていきます。実際に現地へ赴くこと
によって、新しい発見をしたり研究へのヒントを得たりと、大学の中だけでは
史学科の特色として、はじめに広い視野から歴史を見渡し、
ついで深く専門知識を究める、という形がとられています。1
年次では各分野の概説をじっくり聴講し、2年次に、各自の興
味・関心に従ってコースを選択し、それぞれ研究方法の基本を
学びます。同時に、史料や文献を読解するのに必要な外国語や
古文書学も修得します。3年次になると各コースの中で各自が
選んだテーマに従って、ゼミを選択し担当教員から懇切丁寧な
指導を受けます。また、3年次には研修旅行があります。4年次
には学生生活の総決算として卒業論文を全員が執筆します。
なお、学問をさらに深めたい学生のために全コースに大学院
が設けられています。
■史学会
教員と学部生、大学院生、及び卒業生を中心に、歴史学や隣接諸科学の研究、
発表を目的として組織されています。史学会は学会誌として毎年、
『 史友 』
を発行し、さらに秋には史学会大会を開催しています。大会では学生、大学
院生による各部会での研究発表とともに、他大学から講師の先生をお招き
して講演会を行っています。その他に、博物館学芸員の方による講演会を開
催するなど、学部生を中心として活発な活動が行われています。
コース
青山スタンダード科目
28単位
32単位
128単位
128単位
年次
必修
考古学コース
基礎演習A・B
日本史史料講読ⅠA・
ⅠB
古文書学Ⅰ
・
Ⅱ
日本史史料講読 ⅡA・
ⅡB
日本史演習
基礎演習A・B
西洋史原典講読Ⅰ
・
Ⅱ
原典講読 Ⅲ・Ⅳ
西洋史演習
基礎演習A・B
原典講読Ⅰ
・
Ⅱ
原典講読 Ⅲ・Ⅳ
東洋史演習
基礎演習A・B
原典講読Ⅰ
・
Ⅱ
考古学実習ⅠA・
ⅠB
原典講読 Ⅲ・Ⅳ
考古学実習 ⅡA・
ⅡB
考古学演習
自然地理学概論
地誌学 政治学 法律学
博物館経営論
博物館資料論
博物館情報・メディア論
博物館展示論
博物館資料保存論
博物館教育論
*以下の講義テーマはある年の一例です。
年次
学科科目
[日本史特講]
(1)
∼
(13)
博物館概論
博物館実習Ⅰ
4
年次
「演習・ゼミナール」を中心に、
専攻テーマを探究します。特
別演習として「卒業論文」に取
り組みます。
史学科
研究方法や基礎知識を学ぶとともに、2年次には実際に
発掘調査を行い、発掘遺物の報告書作成まで学びます。
3
選択したコースで学習を深め
ます。ゼミを中心に、研修旅行
が行われます。
特別演習︵卒業論文︶
特別演習
西洋史コース
古典古代・西欧中世・西欧近現代・中東欧近現代・南北アメリ
史学入門
カ大陸の歴史を、時代に即して専門的に学習していきます。 史学概論
日本史概説
東洋史コース
西洋史概説
中国・東アジア・インド・イスラム世界など、各地域・各
東洋史概説
時代の歴史を学習していきます。
考古学概説
24単位
日本文学科
年代別に、古代史・中世史・近世史・近代史・現代史を
学習、考察していきます。
8単位
24単位
卒業要件単位
5つの専門コースに分かれて
学びます。
「特講」や「基礎演
習」で、専門研究への基礎を固
めます。
日本史コース
64単位
8単位
自由選択科目
2
年次
東洋史、西洋史
68単位
外国語科目
世界諸地域の歴史全般につい
ての概説を学びます。2年次か
らの学習の方向性を絞り込ん
でいきます。
[日本史特講]
日本史、考古学
学科科目
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
1
英米文学科
Curriculum
味わえない貴重な知的刺激を受けることができます。
博物館実習 Ⅱ
人文地理学概論Ⅰ
・
Ⅱ
[日本史演習]A・B・C・D・E
[西洋史特講]
[西洋史特講]
(1)
∼
(11)
比較芸術学科
(1)
歴史学、日本史学をめぐる近年の状況と問題点(2)
近世日本の国家・社会・人間(3)第一次世界大戦後の日本の国内政治と外交の推移(4)
奈良時代の史料学と平安時代の政治史
(5)日本の開国と異文化交流(6)中世の交通と地域社会(7)15∼17世紀の権力と権威 ―史料を読みながら―
[西洋史演習]A・B・C・D・E
(1)西欧中世世界はどのように形成されたのか(2)イギリスの「産業革命」
(3)東欧からみる中・近世ヨーロッパ史(4)戦争捕虜問題を通してみる第二次世界大戦期のフランス
(5)ローマ共和政末期の内戦と元首政成立の過程(6)
「 近代国家」形成の基礎となった中世ヨーロッパの歴史について
[東洋史特講]
[東洋史特講]
(1)
∼
(9)
[東洋史演習]A・B・C
選択
(1)中国陶磁を通じて、中国社会の歴史および中国と世界の関わりを学ぶ(2)前近代の西アジア・イスラーム世界における移動と交流
(3)東アジアのなかの琉球史、島嶼の生活史、琉球産品からみた中国・日本との対外関係史(4)南アジア(インド)の中世から近代までの歴史(5)中国北朝時代の歴史
[考古学特講]
[考古学特講]
(1)
∼
(7)
[考古学演習]A・B
[史学特講A]
留学・進路など
(1)古代日本と大陸の文化交流/石器からみた人類の進化史(2)古代の壁画の基礎知識と保存修復の歴史(3)縄文時代の考古学(4)考古学から見た朝鮮半島と日本列島の交流―三国時代・古墳時代―
[史学特講A]
(1)
∼
(11)
(1)古代仏教工芸史(2)太平洋戦争の敗戦と大正デモクラシーの凋落(3)人生儀礼∼日本人はヒトの生と死をどのように捉えてきたのか∼(4)近世史料を味わう ― 一点の史料から―
(5)日本の飛鳥∼奈良時代の仏像を中心とする美術の変遷
[史学特講B]
(1)
∼
(15)
[史学特講B]
(1)
グローバル・ヒストリー −日中関係史−(2)それぞれの時代・地域における陶磁器の歴史(3)アメリカとはどのような体制なのか(4)交易を始めとする東南アジアの歴史(5)新古典主義の美術
(6)
スペイン帝国における言語政策の展開(7)共和政ローマの歴史理解(8)考古資料(遺跡・遺構・遺物)を基にした古代日本の生活や文化
外国語科目
外国語 Ⅰ
英語講読Ⅰ 英作文
オーラル・イングリッシュⅠ
英語講読 Ⅱ
オーラル・イングリッシュ Ⅱ
全学共通科目
青山スタンダード科目
自由選択科目
学科科目、
青山スタンダード科目、
外国語選択科目の必要単位以上の履修、
文学部共通科目、
文学部他学科、
他学部開講科目
の履修が可能です。
勉強したい科目を自由に選択し、
卒業に必要な単位とすることができます。
学部・学科の所属に関わりなく、専門領域を越えて様々な学問分野の知識を身につけます。
27
専門科目案内
日本史コース
史料を読むことから史学研究は始まる
■中世史ゼミでの試み
■日本史史料講読と古文書学
日本史研究は、古文書をはじめとした文献史料を読むことから
もう一つの分野、中世史については、ゼミ一般の活動を知って
はじまります。最近では文献以外の諸史料も利用されてはいま
もらうためにも、具体的な活動を記しておきます。中世史研究で
すが、基本は文字史料です。そのため、日本史コースを選択する
は、ある程度の文字史料があるとともに、近年では活発に他の史
と、
2年から史料を読む授業が設定されています。一つは日本史
料を研究の素材に取り上げています。地図や絵図は以前から注
史料講読であり、もう一つが古文書学です。
目されていますが、特に目立つのは、考古学の成果を取り入れた
史料講読は、
2年と3年の2年間にわたって行われ、
ここで、実
り、あるいは、絵巻物をはじめとした絵画史料研究が活発に行わ
際の史料を読み解く力をつけます。一方、古文書学では、様式あ
れている点です。ゼミでもこうした点を反映して、さまざまな研
るいは機能に即して古文書を位置づけ、体系的に学んでいきま
究発表が行われ、絵巻を前にした討論なども行っています。また
す。これが終わって3年になると、専門の分野に分かれて研究を
春と秋2度行っている〈移動教室〉では、鎌倉の発掘現場を訪れ
行うことになります。それがゼミであり、全員がどこかのゼミに所
ることもあります。
属し、そしてそのゼミを〈本拠地〉としていくことになります。現在
さて、どのゼミにせよ、一度ゼミに所属すれば、卒論を書いて
日本史コースでは5つのゼミが用意されています。日本古代史
卒業するまで、ゼミは一種の運命共同体となっています。そこに
のゼミでは、主に『続日本紀』の講読を中心に活動しています。近
どう関わっていくか、それが日本史コースのみならず、史学科で
世史では、新発見の古文書なども活用して、特に江戸時代の村な
の〈生活〉を決定するはずです。
どの研究が行われています。近代史も、やはり明治期以降の文書
を利用し、政治史や思想史などの研究が活発に行われています。
さらに、戦後を中心とした現代史についても、社会学的手法を用
い、足を使った研究が行われています。
岩田 みゆき
北村 優季
小林 和幸
小宮 京
藤原 良章
■日本近世史
■日本古代史
■日本近代史
■日本現代史
■日本中世史
演習:現代日本の来歴
戦後から現代にいたる日本の
歴史について、政治・文化・社会
など、幅広く扱います。
演習:中世史料の講読と研究発表
中世の様々な史料をとおし
て、中世に生きてきた人々の
多様な生きざまを捉えてい
きたいと思います。
Miyuki Iwata
Masaki Kitamura
Kazuyuki Kobayashi
演習:近世社会の構造と特質 演習:日本古代の政治と社会 演習:近代日本の諸問題の検討
江戸時代の宿場や村の史料 奈良・平安時代の基本史料を 明治維新期から昭和戦前に
を解読・研究します。
読みすすめ、日本古代の多 至る近代日本の政治と文化
様な歴史を学びます。
の歴史を研究します。
Hitoshi Komiya
Yoshiaki Fujiwara
西洋史コース
外国史を学ぶにはまず外国語から
28
■西洋史学の最前線に立ち会う機会
的です。
しかしこの段階ではあまり視野を狭めないでください。例
西洋史コースの固有の科目は2年次から始まります。まず「原典
えばここで中世史を学んで、そこから発展して自分のテーマを近
講読」
という科目がありますが、
これはいわゆる
「原書」を読む訓練
代史に発見するというパターンもあり得るのですから。それから、
です。外国史を学ぶわけですから当然外国語を十分身につけてお
1年次から「特講」を受講することができます。各分野の専門家が
かなければならないのですが、
この科目ではとくに歴史学の専門
専門的な講義を行うわけですから、ある意味では教員が最も緊張
書を読む訓練が目標となります。
する場面と言えます。その講義ノートから論文や著書が生まれるこ
次に「基礎演習」という科目ですが、
これは西洋史の各分野(古
とも少なくありません。学生諸君は西洋史学の最前線をここで見
代、中世、近・現代等)
について演習形式でその基礎を学ぶのが目
ることができるかもしれないのです。
Department of History
3年次からいよいよ「西洋史演習」が始まります。各自のテーマ
洋史の主要な分野をほぼカバーできていると考えています。
研究を行い、各自のテーマを発展させていくのです。
そして4年次には最後の総決算である卒論を作成するために
「特別演習」に参加してもらいます。これは各自のテーマを論文と
現在当学科では、①古典古代 ②西欧中世 ③イギリス近・現代
してまとめ上げる、学生生活の中で最も苦しい、
しかし最も楽しい
④ドイツ近・現代 ⑤南北アメリカ大陸 のゼミが開講されており、西
作業となるでしょう。
阪本 浩
平田 雅博
安村 直己
■西欧中世史
■古典古代史
■西洋近代史
■西洋近代史(南北アメリカ) ■西洋近現代史
Hiroshi Sakamoto
演習:イギリス帝国史
各人の問題関心の開発をめ
ざします。英語もしっかり読
めるようにしたいですね。
Naoki Yasumura
演習:グローバル化と南北アメ
リカ∼人の移動と文化的混交
南北アメリカをめぐるヒトの移
動とその文化的インパクトに焦
点をあて、討議していきます。
割田 聖史
Satoshi Warita
演習:ヨーロッパ近現代史研究
ヨーロッパ近現代史を多面的
に考察し、議論していきます。
ド
イツ語と英語が読めるようにな
るとよいと思います。
フランス文学科 日本文
日学
本科
文学科
演習:ヨーロッパ中世とは
演習:古典古代史研究
「ヨーロッパ中世」の特質を、 古代ギリシア・ローマ史。ラテ
共通性と多様性、持続性と変 ン語、ギリシア語を読めるよ
化に目を配りつつ理解する うになるとよいのですが。
ことをめざします。
Masahiro Hirata
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
菊地 重仁
Shigeto Kikuchi
英米文学科
に合わせてゼミを選択し、少人数のグループの中でより専門的な
東洋史コース
「アジアの時代」
を読み解くための技法
■中国・インド、そしてグローバル・ヒストリー
東洋史コースは、近年の日本での歴史学の研究状況にあわせ、
日本にとって、中国は政治的にも経済的にも、
ますます重要かつ
複線的な研究対象の選択ができるようにしてある。
深刻な存在となっている。またインドも、世界経済の牽引役となっ
「青山東洋史」が扱う分野は幅広い。地域としては中東、ユーラ
ている。中国・インドは長い歴史を持ち、その文明は周辺地域に大
きな影響を与えてきた。それでは、
「 21世紀は中国とインドの世
紀」なのだろうか。こうした問題はつねに歴史の中にその解答が求
また、近年、地域を大きく横断したグローバル・ヒストリーという
バル・ヒストリーを飯島が担当する。
考え方が注目を集めている。例えば、気候変動のような環境の変
学生の中にもこれまでの日本史、東洋史、西洋史の3分野に入ら
化が、
ヒトの生活にどのような影響をおよぼしたのかという、
より大
ない地域、あるいは3分野にまたがるグローバル・ヒストリーを学ぼ
きな視点から歴史を捉えなおす考え方である。
うという学生が増えている。
この考え方は、伝統的な日本史・東洋史・西洋史という枠組みを
比較芸術学科
められるべきであろう。
比較芸術学科
関係。イスラーム史・インド史を二宮が、19世紀以前の中国・東ア
ジア世界を青木が、近世・近現代の東アジアと世界の関係、
グロー
史学科
シア、
インド、中国、東南アジア、
日本、台湾、朝鮮。そしてさらにアメ
リカ・ヨーロッパまでをも含む、
これらすべてのグローバルな相互
史学科
■複線的な歴史研究の必要性
超えて歴史を研究しようとする方法である。東洋史コースでは、
こ
うした視角からの歴史研究を強く意識している。
Atsushi Aoki
飯島 渉
Wataru Iijima
■東アジアのグローバル・
演習:中国前近代史、中国史・ ヒストリー
台湾史
演習:グローバル・ヒストリー
漢文文献を読みつつ、
「中国 中国・朝鮮・琉球・台湾等の東
経済史実験」として、調理実 アジアの近世・近現代史、東
習室において年2回、調理実 南アジアと東アジア・日本の
習を行う。
関係史をグローバル・ヒスト
リーの文脈から研究します。
■中国史
留学・進路など
青木 敦
二宮 文子
Ayako Ninomiya
■南アジア史、
イスラム史
演習:アジアを中心としたム
スリムの歴史
中世∼近代のインドのムスリ
ム社会やイスラーム文化、ペ
ルシア語史料について研究
しています。希望に応じてア
ラビア語、ペルシア語なども
教えます。
29
考古学コース
フィールドワークと講読の二本立て
■フィールドという学びの場
■テーマは自由自在
考古学コースの2年次では、基礎演習・考古学実習・考古学原典講
私の演習では、学生個人個人が自分のテーマを決めて、調べた
読が必修科目です。この段階では、まず、基礎演習で考古学の研究
ことを発表してもらうことにしています。なかには中南米、西アジ
方法や、資料の見方、論文の読み方など専門的に考古学を勉強する
ア、エジプトなど外国のことについて調べる学生もいます。そのよ
際の基礎的な知識を身につけます。
うなテーマで皆に発表してもらうことにより、ある時代や国、地域に
考古学実習では、夏休み期間中に実際に発掘調査を行うことに
生きた人々の生活の様子をゼミ生一人一人がイメージできるよう
よって、考古学的な遺物がどのような手順を通して研究資料になっ
になってくれることを目ざしています。
ていくのかを勉強します。この授業は、史学科の中でも特殊なものと
4年生の専門科目は、考古学演習と卒業論文が主なものですが、
いえますが、泥と汗にまみれる発掘を通して教員と学生、学生同士が
2・3年生のときに勉強したことを基に、卒業論文を書きます。実習
親しくなれる場でもあります。
で覚えた写真撮影や図版作りなどを駆使して資料の整理をし、卒
考古学原典講読では、主に英語のテキストを読みます。外国の考
業論文作成に励むのですが、大学生活の中でもっとも集中的に勉
古学を勉強したいと思っている学生にとってはもちろんのこと、日本
強するのがこの時期で、卒業論文ができ上がったときの達成感は
の考古学を勉強したい学生にとっても語学力をつけておくことと外
格別なものがあるようです。以上のような勉強を通して、堅実な社
国の考古学の状況を知っておくことは重要です。フィールドの違いに
会生活を成しうる人間形成をそれぞれの学生の自覚の基に、行っ
よって研究方法が異なることがあり、それが自分のフィールドを勉強
てもらいたいと希望しています。
する際に大変役立つからです。
このほかに考古学特講や史学特講といった専門科目を勉強します
が、それらは考古学の専門科目であり、関連科目でもあります。この
特殊講義という科目は担当者の専門分野の授業なので、初めて聞く
ような話がたくさん出てきて、真剣に聞けば聞くほど面白い授業で
す。3年次には、考古学実習・考古学原典講読・考古学演習などの専
門科目を勉強します。
考古学実習は、発掘を通して採集した資料を報告書の形にまとめ
るにはどのようにするのかを主に勉強します。原典講読は、
より専門
的な内容のテキストを用いることになります。考古学演習は、自分の
菅頭 明日香
清水 信行
研究テーマを絞って勉強し、実際に皆の前で発表してもらう場です。
■考古学
■日本考古学(古代)
演習:考古学
考古学の遺跡や遺物につい
て、自然科学的な手法を用
いて研究を行います。
演習:生産と交流の考古学
古代の日本と大陸の文化交
流をテーマに、資料の解釈の
仕方について研究します。
それが4年生になって書く卒業論文の基礎になります。
Asuka Kanto
Nobuyuki Shimizu
考古学コースについて
史学科 助教
岩井 浩人
Hiroto Iwai
考古学は、遺跡や遺構、遺物といった「モノ」から歴史を解き明か
す学問です。故に、現地へ赴き実際に「モノ」を見て解釈することが
大変重要になります。学生のみなさんには、講義や実習を通して考
古学の基礎的な知識・技術を習得するとともに、積極的に現地へ足
を運び、
自分の目で資料を見る力を養ってほしいと思います。
また、考古学研究室では、教員や大学院生が研究や報告書の作
成に日々勤しんでおり、発掘調査報告書・雑誌の開架も行っていま
す。研究室を活用し、教員や院生との議論、本の講読を通して得た
知見を、
自らの研究に還元してほしいと思います。
30
Department of History
在学生の学生生活
すてきな学問・人との
出会いで人生に実り
史学科2年
英米文学科
史学科って
何するところ?
史学科3年
鎌田 真有 さん
會澤 正之 さん
皆さんは「医学部は何をするとこ
青学の史学科は2年次にコース
ろ?」と聞かれたら、
「 医療技術を身
選択があります。私は、2年次に日本
史コースを選択しました。そして、今
とすぐに答えが思いつくでしょう。で
は小宮ゼミに所属し日本現代史を学
は、史学科は何をするところでしょう
んでいます。3年生になると4年生と
か? 史学科にもこれ! というもの
一緒のゼミが始まります。先輩と共
があります。それは、史料批判です。歴史学は文献の収集や文章化、発表な
に歴史を学ぶことに、
とてもやりがいを感じている日々です。併せて、現代
どのスキルが必要な学問です。そのなかでも中心になるのは史料批判で
史を学ぶことで、
マスコミ関係=特にアナウンサーへの就職も改めて考え
す。史料批判は簡単にいうと、集めた史料が偽物かどうかや、いつ、誰が
るようになりました。歴史を学ぶということは、
「過去を知り、今に生かし、未
作ったものかなどを吟味する作業です。このスキルを身に着けることで、
よ
来へと繋げていくことだ」
と思います。歴史って奥が深いものですよ。
り信頼性のある情報を得ることができるようになります。史学科に入る皆
また、史学科では中学校の社会科・高校の地理歴史の教員免許も取得す
さんはぜひ史料批判というスキルを身に着けて、
自分が研究したい内容に
ることができます。私も、教職課程を履修しており、毎日が社会勉強です。
ついて理解を深めながら真実を見つけてみましょう! 青山学院大学の史
史学科・ゼミ・サークル・教職仲間との出会いには、本当に感謝しかありま
せん。出会いは大切です。私は、
ここで親友にも出会いました。青学は、
すて
学ぶことができるので、それぞれの分野に触れながら、
自分の専門としたい
きな学問と人に出会える最高の場所だと実感しています。
日本文学科
学科は日本史、西洋史、東洋史、考古学の教員がいるという充実した環境で
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
に着けたり、研究したりするところ」
ことを見つけてください。また、学問だけではなく部活動やサークル活動も
充実していて他学部の友人を作る機会もたくさんあります。大学で様々な
人と出会いながら、
自分のやりたいことを存分に楽しみましょう!
卒業生からのメッセージ
史学科
青山学院で国際的な視点を身につけよう!
九州国立博物館はアジアの視点から日本歴史を観ることをコンセプトにした新しい国立博物館です。私
は文化財の保存や修復、博物館の展示環境を整備し、文化財を科学的に調査・研究する
“博物館科学”
とい
う部門の責任者をしています。博物館科学は日本の博物館で初めて組織された新しい部門です。最近も、
8月にデンマーク・スウェーデン、10月に中国の内蒙古自治区、11月にタイなど、各国と文化財保存を通じ
た国際協力を行ってきました。
私が文化財保存の道に進む契機は、考古学専攻の修士課程1年生の時に、考古学の教授であった吉田
比較芸術学科
章一郎先生と田村晃一先生から、東京国立文化財研究所に通って鉄刀の保存処理を手伝ってくるようにと
指導を受けたのがきっかけです。当時、考古学研究室では千葉の森台古墳群を発掘調査していて、古墳か
ら出土した刀などの鉄製品を劣化から守るために保存処理する必要がありました。まだ目新しかった
“文化
財保存科学”
という学問に接するきっかけを作ってくださったのは両先生のおかげでした。その後、修士課
程と博士課程が終わるまで東京国立文化財研究所に通って文化財保存科学を学びました。就職も福島県
立博物館の立ち上げに参加し、
4年後には奈良県立橿原考古学研究所に移って国際性豊かな馬具で知ら
今津 節生 さん
(史学科 1980年卒業)
大学院博士課程を修了後、福島県立博物館、奈良県
立橿原考古学研究所を経て現職。
立博物館に移り、博物館の環境整備や科学的調査、文化財保存を通した国際協力を実践しています。最
近、海事文化をテーマに研究の幅を広げています。青山学院大学は三上次男先生以来、貿易陶磁研究の
メッカとして学会に知られています。私も、九州国立博物館の一員として、海に沈んだ文化財の調査や保存
を通して貿易陶磁に触れる機会が増えています。今年の10月には田村先生や現在の教授である手塚先
生、清水先生が調査された奄美大島宇検村にある倉木崎海底遺跡をアメリカから持ち込んだ最新の科学
大学院在籍中から文化財科学を学び、博物館の保
機器で探査しました。倉木崎海底遺跡は中国から琉球を経て博多に至る東シナ海交易ルートの拠点です。
存環境や考古遺物の保存・科学調査に携わる。文化
田村先生が調査された当時の方々とお話する機会があり、青山学院大学が実施した緻密な調査成果や地
財の保存を通した国際協力にも積極的。X線CTや
3Dプリンタを文化財研究や博物館展示に応用して
成果を上げている。手に持った土器は3Dプリンタ
で作成した複製品。文化財のデータに触れて感じる
ことができる最新技術。
留学・進路など
九州国立博物館 博物館科学課長・学術博士
れる国宝の藤ノ木古墳出土遺物の保存を担当しました。16年間の勤務を経て2005年に開館した九州国
元の方々との触れ合いなどを伺いました。青山学院大学の先生方、先輩達が築いてくださった基盤があっ
たからこそ、今回の調査がスムーズに実施できたと感謝しています。
青山学院大学の史学科を目指す受験生の皆さん! 青山学院の伝統は日本を国内からだけで観るので
は無く、常に国際的な視点から日本を観る学風にあると思います。青山学院で学ぶ利点は
“国際的な視点”
を身につけられることです。私も、文化財保存や海に沈んだ海事文化財を通じて、常に国際的な視点から
日本を見るように心がけています。
31
Department of
Comparative Arts
比較芸術学科
Message
人間はつねに芸術とともに歩んできました。人類のスタートである原人たちが用いた素朴な
道具に、すでに「用の美」
ともいうべき形態への美意識が芽生えていたことは数々の遺物が物
語っています。
そして、原人から旧人をへて私たちの祖先の新人=現生人類にいたって、
お互
いの意志を伝える原始言語─それには音楽や演劇の原型も含まれていたでしょう─が生まれ、
フランスやスペインの洞窟壁画が制作されるとともに、
やがて文字の出発点としての象形文字
が生まれています。
これらを振り返ると、芸術活動こそが人間を人間たらしめている本質といえ
るかもしれません。
比較芸術学科は、
この人類の根源的能力としての
“芸術”
に着目して生まれました。
ここでは
まず五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)
を総動員して学ぶこと、
それが第一のモットーです。
それらを通じて最終的には
“第六感”
=インスピレーションを獲得することができればとも考えま
す。
ここでのインスピレーションは、
“五感”
を総動員して得られた
“叡知”
や
“創造力”
のことです。
この学科では、
さまざまな芸術が人類の叡智の歴史にいかに寄与してきたか、
¥その芸術的
創造力の本質や魅力を学びます。
本学科は、伝統的・古典的な芸術として長い歴史を刻んできた「美術」
「音楽」
「演劇映像」
という3つの領域で構成されます。
これらは古典や伝統、歴史を基盤とする人文学の基本とい
うだけでなく、現代社会の芸術・文化の本質を知るうえでも欠くべからざる領域といえましょう。
これら芸術諸領域の幅広い比較学習・研究を通じて、学生個々の“人間力”が確立されること
を願っています。
教育研究上の目的
比較芸術学科では、美術、音楽、演劇映像という芸術系3領域の専門的及び学際的比較研究や鑑賞教育
等を通じて、芸術がもつ本来の意義や歴史・思想に関する専門的知識を習得し、その人文科学的「知」の一
翼をになう芸術学的教養や国際的な視野の確立により、福祉・環境・情報など現代社会がもつさまざまな課
題に貢献できる人材を養成する。
3つのポリシー
■アドミッションポリシー(入学者受入れの方針)
比較芸術学科は、以下のような能力・意欲等を持った入学生を求める。
1. 真価をともなった古典的芸術についての謙虚な学びを通じて、社会に貢献する意欲を持った学生。
2. 芸術を学ぶことを通して人間力の回復と獲得を願う学生。
3. 美術、音楽、演劇映像を総合的に理解し、想像力ゆたかな感性を養いたいと願う学生。
4. 西洋、および日本・東洋の芸術全般に知的な好奇心を抱き、
かつこれらを追求するのに必要な知性と
感性を備えた学生。
■カリキュラムポリシー(教育課程編成・実施の方針)
比較芸術学科の教育課程は、青山スタンダード科目、外国語科目、学科科目、自由選択科目で構成され
る。特に学科の専門教育科目に関するカリキュラム体系と特色は次の通りである。
32
〈カリキュラム体系〉
本学科では履修科目を「必修科目」
「選択必修科目」
「選択科目」の3つに分類し、前者によっ
て美術・音楽・演劇映像について領域を横断して学び、基礎的かつ歴史的な専門知識を修得
し、後2者によって各自の得意とする芸術の諸領域をさらに深く追究できるよう、
カリキュラム
を構成している。また、学科の専門科目と有機的な関連を有する文学部共通科目を適切に配
置している。
〈特色〉
必修科目は、
「比較芸術学入門A・B」を導入とする多彩な授業配置によって、美術・音楽・演劇
映像の芸術3領域の研究を総合的に進められるよう配慮している。専門選択科目では、美術、
音楽、演劇映像の3領域にわたり、
「基礎演習」
「原書講読」
「芸術鑑賞の方法」および「比較芸
術学特講」
「比較芸術学演習」などの授業を通じて、専門的な知見を一層深化させることが可
能となっている。
■ディプロマポリシー(学位授与の方針)
比較芸術学科は、以下の要件を満たす学生に対し、
「学士(比較芸術学)」を授与する。
1. 美術・音楽・演劇映像についての専門的知識を身につけていること。
2. 美術・音楽・演劇映像の3領域を研究し、芸術文化の各方面に広い視野を獲得しているこ
と。
3. これらの知識と能力を社会的に活用する力を獲得していること。
Department of
Comparative Arts
■課外ワークショップの実施
比較芸術学科では、
ワークショップを実施し、美術・音楽・演劇映像を実地に触れ
る機会を設け、現場でしか伝えられない「鑑賞のツボ」を直に教授します。2015
年度に実施した(予定を含む)催しは以下の通りです。
カリキュラムの特徴
年次
鑑賞教育の基礎を学ぶことにより、
Ⅰ美術・Ⅱ音楽・Ⅲ演劇映像それぞれ
のジャンルの通史的理解を前提に、
それと同時代の諸文芸との関連を
比較・学習することで芸術系3領域
それぞれの特性のより明確な把握
を目指す。
専門基礎科目
学科必修科目
比較芸術学入門A
比較芸術学入門B
西洋の文芸と美術A
西洋の文芸と音楽A
西洋の文芸と演劇映像A
日本・東洋の文芸と美術A
日本・東洋の文芸と音楽A
日本・東洋の文芸と演劇映像A
20単位
学科科目
(選択必修)
50単位
8単位
外国語科目
24単位
青山スタンダード科目
自由選択科目
26単位
卒業要件単位
128単位
年次
3
年次
各領域における
「基礎演習」
「原書講
読」
「鑑賞の方法」などの専門科目
の比較学習・研究を徹底することに
より、各領域それぞれの共通性や異
質性への学問的認識を深める。
2年次よりひきつづき、比較学習、研
究を徹底する。各領域の専任教員の
もとで本格的な演習の履修がはじ
まり、より専門性の高い教育内容の
修得を目指す。
芸術と文学
芸術と法
※領域は次のように表わされます。
Ⅰ 美術
Ⅱ 音楽
Ⅲ 演劇映像
(ロ)
基礎演習Ⅰ
(1)
(2)、
Ⅱ
(1)
(2)、
Ⅲ
(1)
(2)
4
年次
各領域ゼミナールとも選択必修科
目の「特別演習(卒業論文)」により
卒業論文(本文2万字程度)の作成
指導をおこない、専門的研究の出発
点とする。各専門領域の知識のさら
なる修得に努める。
史学科
(イ)
西洋の文芸と美術B
西洋の文芸と音楽B
西洋の文芸と演劇映像B
日本・東洋の文芸と美術B
日本・東洋の文芸と音楽B
日本・東洋の文芸と演劇映像B
(ハ)
原書講読Ⅰ
(1)
(2)、
Ⅱ
(1)
(2)、
Ⅲ
(1)
(2)
(ニ)
[芸術鑑賞の方法Ⅰ]
(1)
人体・静物等のスケッチと模写・模造 (2)西洋絵画の技法の比較 (3)美術作品の調査法
[芸術鑑賞の方法 Ⅱ ]
(1)
古楽譜の解読と演奏 (2)音楽作品の分析 (3)邦楽器の伝承と実際
[芸術鑑賞の方法 Ⅲ ]
(1)
伝統芸能の鑑賞と実際 (2)舞台芸術はいかにして生まれるか (3)映像芸術の理念と鑑賞
(ホ)
[比較芸術学特講Ⅰ]
(1)15∼17世紀ネーデルラント絵画史 (2)西洋キリスト教文化における表象の問題 (3)新古典主義の美術 (4)西洋風俗画史の諸問題 (5)
日本・東洋美術の特質
(6)
日本中・近世∼近代美術の特質 (7)
・
(8)飛鳥∼鎌倉美術の特質
[比較芸術学特講 Ⅱ ]
(1)
ドイツ作曲家論(リヒャルト・シュトラウス)
(2)
日本近代音楽史 (3)
フランツ・リスト
(1) (4)
フランツ・リスト
(2) (5)
「近代フランス音楽」の諸相 (6)
ロシアの音楽 [比較芸術学特講 Ⅲ ]
(1)
シェイクスピアとエリザベス朝演劇 (2)
シェイクスピアと現代 (3)河竹黙阿弥の歌舞伎 (4)河竹黙阿弥と明治 (5)20世紀前半の映画 (6)20世紀後半以降の映画
(イ)∼(ホ)
までは
上記による、
2つ以上の領域から
単位を取得すること
比較芸術学演習ⅠA・B・C・D、
ⅡA・B、
ⅢA・B・C
特別演習
特別演習(卒業論文)
(ト)
美学・芸術思想Ⅰ
・
Ⅱ 西洋の宗教と芸術Ⅰ
・
Ⅱ
日本・東洋の宗教と芸術Ⅰ
・
Ⅱ
伝統デザイン論Ⅰ
・
Ⅱ
選択科目
外国語科目
留学・進路など
(へ)
比較芸術学科
専門選択科目
2
学科科目
(必修)
日本文学科
1
■芸術鑑賞サロンの開催
芸術鑑賞は、教員から学生へと教えるような縦の関係で成立するものではありません。互
いに一体となって作品の素晴らしさに身を委ねる、そんな対等な関係においてこそ、真の鑑
賞体験は成り立つものです。原始時代のひとびとはなんのために芸術を生みだし、なんのた
めにそれを必要としたのでしょうか。私たちはそのような原点に立って芸術を考え、味わう場
として、芸術を鑑賞し合うサロンを開催し、授業ではなかなかすべてを取り上げることが難し
い舞台作品や映画を、
ビデオなどで全編鑑賞する機会を設けています。これまで、映画や歌舞
伎、戯曲、オペラを鑑賞し、教員が適宜解説を加えつつ、その作品についての理解を深める場
として、活発な議論が戦わされました。教員が個人的に所有する「本物」の美術作品を、直接
鑑賞する機会なども設けられています。
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
Curriculum
英米文学科
「比較学習」
「古典重視」
「鑑賞教育」の3つに集約されます。
「比較学習」は、
3領域それぞれの時代的・地域的比較はもとよ
り、領域相互の比較検討、そして他の人文諸学との比較も含ま
れます。芸術が本来、各ジャンルの相互関連により成り立って
いることを前提としたものです。
「古典重視」は文字通り東西
の古典テクストの読解を重視することです。
「鑑賞教育」は生
の芸術作品の鑑賞を踏まえた教育です。これら基礎の段階か
ら徐々に専門へと、段階を追ってカリキュラムは設定されます
が、大切なことはまず固定観念を棄てること、そして改めて自
分にもっとも合った専門領域を選択していくことです。結果と
してそれは、学生諸君の以後の幅広い芸術的視野からの学習・
研究を可能とし、将来的には社会への着実な貢献を約束してく
れるでしょう。
●劇団俳優座公演『フル・サークル』観劇 ●劇団昴による演技ワークショップ ●バッハ・コレギ
ウム・ジャパン レクチャーコンサート(青学講堂)* ●茶道文化体験(大日本茶道学会)* ●劇団昴
公演『ホテル・スイート』観劇 ●歌舞伎鑑賞教室観劇(国立劇場)* ●子供のためのシェイクスピ
ア公演『ロミオとジュリエット』観劇 ●鎌倉寺院見学会 ●劇団俳優座公演『ヘッダ・ガーブレ
ル』観劇 ●日本フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会
(サントリーホール)
* ●文楽鑑賞教室
観劇(国立劇場小劇場)* *1年次専門基礎科目「比較芸術学入門A・B」での全員必修参加ワークショップ
博物館実習Ⅰ/博物館実習 Ⅱ ※3年次・4年次のみ履修可能
英語講読Ⅰ
英語講読Ⅱ
英作文 オーラル・イングリッシュⅠ オーラル・イングリッシュ Ⅱ
全学共通科目
青山スタンダード科目
自由選択科目
学科科目、
青山スタンダード科目、
外国語選択科目の必要単位以上の履修、
文学部共通科目、
文学部他学科、
他学部開講科目の履修が可能です。
勉強したい科目を自由に選択し、
卒業に必要な単位とすることができます。
学部・学科の所属に関わりなく、専門領域を越えて様々な学問分野の知識を身につけます。
33
専門領域案内
美術
美術と他の芸術との違いはどこにあるでしょうか?
伝統に連なっているからです。作品の真の理解には、美術の伝統を知
洞窟壁画にしても、ギリシア彫刻にしても、飛鳥時代や奈良時代の
ることが不可欠なのです。
仏像にしても、経年による外見の変化こそあれ、
「もの」として今も存
このコースでは「時代に規定されている」
と同時に「時代を超越した
在し続けており、観る者の心に直接訴えてきます。その美しさに見と
存在」でもある美術作品の本質を、さまざまなアプローチを通じて総
れていると
「時の隔たり」を忘れてしまうほどです。
合的に理解してもらうことを目指します。
しかし美術作品にはもう一つの重要な側面があります。どんな作品
であれ「時代の鏡」であり、それを生み出した社会のありかたを反映し
ているのです。たとえば市民階級が成熟して美術の主な受容者に成
長した17世紀のオランダでは親しみやすい分野である風景画、風俗
画、静物画が独立して流行し、同じく町民層の富に支えられた江戸時
代の日本でも庶民的美術の華である浮世絵が大発展を遂げました。
さらに美術作品は「美術それ自体の歴史」にも深く組み込まれてい
ます。古典古代の格言「自然は芸術の師」に倣って表現すれば「美術こ
そが美術の師」であり、一見どれほど独創的に見えようとも、美術作品
というものは、程度の差こそあれ、過去に生みだされた偉大な作品の
浅井 和春
西洋美術
絵画を中心にして、西洋美術における主な素材と技法、ギリシア神話やキリスト教に関
連した主な主題と図像、描写対象による絵画の分類およびその序列の歴史、今日では
とかく
「非実用的なもの」の代表格とみなされがちな美術作品が担ってきた各種の実
用的機能、
「芸術家」のイメージの変遷などさまざまな問題について考えます。
日本・東洋美術
原原始時代から今日まで、
日本や東洋にはさまざまな形の美術が生み出されてきまし
た。日本美術では縄文∼近現代の美術の様式変遷とその歴史的背景を振り返ります。
東洋美術では日本美術と関係の深いもの―仏教美術や水墨画、工芸ほか―に焦点を
あて、その理解を深めるとともに、
日本美術との比較を通して互いの特色を考えます。
Kazuharu Asai
東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。日本・東洋の仏教美術、
とくに仏像彫刻を中心に仏画や工芸の歴史、
さらには東南アジアのヒンドゥー教美術の歴史を研究。
日本近代美術史にも関心をもつ。著書に
『名宝日本の美術7 唐招提寺』
(小学館)、
『日本美術全集4 東大寺と平城京』
(共著、講談社)、
『 世界大美術全集 東洋編12 東南アジア』
(共著、小学館)、
『日本の美術382 不空羂索観音と准胝観音』
(至文堂)、
『日本の美術456 天平の美術』
(至文堂)、
『日本美術全集3 東大寺・正倉院と興
福寺』
(編著、小学館)
ほか。近年の論考としては「東大寺盧舎那大仏造立覚書」
(『佛教藝術』295、2007)、
「明治仏像模刻論」
(『國華』1400、2012)
など。1979年よ
り東京国立博物館に勤務、1992年に同館法隆寺宝物室長。1994年から現職。
日本古代∼中世の彫刻(仏像・神像・肖像)
を中心に、中国・朝鮮・東南アジアの美術(石窟美術・石造彫刻・金銅仏・工芸品)などを研究していま
す。最近、仏像がさまざまな年代の人びとの間でブームとなっていますが、神社・仏閣に縁の薄い若者たちが関心をもつのは良いことだと思っ
ています。あの抹香臭く妙にキンキラしたお寺や七五三等でにぎわう派手な色合いの神社の雰囲気は、専門家の私でももう一つ馴染めませ
んが、そこに古くから伝えられた仏像や神像が祀られているだけで、
ホッとするのも事実です。何故でしょうか?
どうも、いにしえの仏像・神像の姿には、それを護り伝えた人びとの思いがなんらかの形で投影されているようです。幸運にも今日まで伝えられた美術品の数々には、その
色や形のどこかに、それを作り大切にしてきた人びとの心模様が「具体的な姿」で止められているのです。作品を静かに見つめ、それが作られた当時の、
またそれを継承して
きた各時代の人びとの心模様を探し求めること、それが美術史の基本的な課題といえましょう。その探索は、皆さんの前に立ちはだかるさまざまな困難を切り抜ける智慧を
身につけることとも無縁ではないでしょう。いま私は、
日本やアジアの美術の歴史を振りかえるなかで、皆さんのその探索の旅路にささやかなナビゲーションができればと考
えています。
髙橋 達史
Tatsushi Takahashi
1975年東京大学文学部卒業。アムステルダム大学美術史研究所で学んだ後、東京大学助手、東京経済大学専任講師、助教授を経て1996年より青山学院大学文学部教
授。本来の専門は17世紀のオランダ絵画と風俗画の歴史ですが、関心が拡大する一方で困っています。そういう事情で準専門分野は15∼16世紀のネーデルラント絵画
と写本彩飾、印刷聖書挿絵および連作聖書版画の歴史、印刷時祷書を筆頭とする書物史。
私は大学の文学部に5年在籍しました。留年したせいですが、専攻決定まで1年多く猶予期間があったことが結果的に非常に幸いしました。西
洋美術史はそれまで念頭になく、美術は音楽、演劇に比べて自分には縁の薄い分野だと思い込んでいたからです。
幼少時からのピアノで素質の差を痛感しましたし、大学時代はテレビ局でギャグやコントを書いていましたが、 才能の限界は明白でした。自分
の強みがどこにあるかと考えると好奇心と雑学以外は見当たらなかった。あらゆる視覚的情報に満ちた絵画なら、雑知識の豊富さが生きるかも
しれないと思ったのです。日本絵画史の素晴らしい講義を受けて西洋偏重の価値観の見直しを迫られたのが逆に最後の決め手になりました。
造形言語の理解には実は長い時間がかかります。一朝一夕にはいきません。
しかし絵画はほかにも多種多様なアプローチに対して開かれた存在です。本当に優れた芸術は
来る者を拒みません。
この学科を目指す皆さんには、ぜひとも芸術の全領域に関心を注ぎ続けて欲しいと切に願っています。そして東西の双方に目を向けて欲しいと。贅沢な注文ですが。
水野 千依
Chiyori Mizuno
京都大学大学院文学研究科美学美術史学専攻博士後期課程単位取得退学、
フィレンツェ大学、
日本学術振興会特別研究員、京都造形芸術大学教授を経て、2015年より
現職。博士(人間・環境学)。専門は、イタリア中・近世美術史・芸術理論。主著・共著に、
『カラヴァッジョ鑑』
(人文書院、2001年)、
『 イメージの地層』
(名古屋大学出版会、
2011年)、
『 キリストの顔』
(筑摩書房、2014年)、主な訳書に、
ディディ=ユベルマン
『残存するイメージ』
(人文書院、2005年)
など。
『イメージの地層』で、第34回サント
リー学芸賞、第1回フォスコ・マライーニ賞、他受賞。
西洋の美術、なかでも中世からルネサンスにかけてのイタリア美術史を専門に研究しています。
美術作品というと、私たちはまず「美しいもの」
として鑑賞する対象だと考えがちです。
しかし、Artという言葉が「美術」を意味するようになっ
たのは近代以降のことで、古くは「技芸」をさしていました。現在、美術館に収められ、鑑賞対象として眺められている作品の多くは、
かつては崇
拝対象だったり、神への捧げ物だったり、呪術力や奇跡力など、美的価値にとどまらない力をそなえ、見るものに、崇敬、畏怖、祈願、呪詛、魅惑…といった多様な感情をかき立
ててきました。私は、
こうした近代以前の造形物を、伝統的な美術史学の手法で理解するとともに、それらがかつて人々の生活のなかでいかに息づき、いかに受容されてい
たのかを、歴史人類学的視座から考え直したいと思っています。それぞれの時代がいかにイメージを生きてきたのかを問うことは、同時に、何を「美」
としたのかを理解するこ
とにもつながります。西洋美術の歴史を辿りながら、
イメージと人間が取り結ぶ豊かな関係を一緒に考えていくことができれば幸いです。
34
Department of
Comparative Arts
Sachiko Idemitsu
英米文学科
出光 佐千子
慶應義塾大学文学部美学美術史分野(日本美術史)博士課程修了。博士(美学)。専門は日本絵画史。研究テーマは、江戸時代の水墨画の巨匠・池大雅の風景画をめぐる詩
と画の鑑賞サークル。現在は、大雅が憧れた室町水墨画や、近代南画(小杉放菴)、人々の暮らしを描いた風俗画にまで関心が広がる。著書に
『大雅・蕪村・玉堂と仙厓―「笑」
のこころ』
(出光美術館、2011年)、
『 祭―遊楽・祭礼・名所』
(出光美術館、2012年)、共著に
『風俗絵画の文化学』
Ⅰ
・
Ⅱ
・Ⅲ
(思文閣出版、
2009年、
2012年、
2014年)。
水墨画と聞くと、地味で好きになれないと感じてしまう人もいるかもしれませんが、実際にはモノクロームほど、様々な光や音を伴った豊か
な色彩表現はありません。ぜひ寺社や美術館など心静かになれる環境で、水墨で描かれた山水や花鳥と、
じっくり向き合ってみてください。墨
の濃淡を見慣れてくれば、山々は清らかな深緑や紅葉に変わり、川のせせらぎや花鳥の旋律も聴こえてくるはず。
抽象的だからこそ自由な鑑賞をゆるす水墨画の世界は、古来、詩文や名筆を生み出し、それらは時代を超えて画に添えられて一緒に鑑賞さ
れてきました。授業では画と詩の鑑賞を通して、名画は過去のものではなく、現代に生き続けているという感動を味わいます。海外の舞台で活
躍できる人になるためにも、屏風や絵巻などに日本美術のユニークな感性を皆様と再発見してゆきたく思います。
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
音楽
人はなぜ、ある音と音との組み合わせに快を感じるのでしょう。傑作
はどうして万人を感動させるのでしょう。古今の名曲はいったいどうい
う仕組みになっているのか、
なぜそのような作品が生み出されたのか、
どんな社会だったのか……。
ありとあらゆる音楽が溢れ、
しかしメロディもコードも出尽くして、世
西洋音楽
古代ギリシアから現代にいたる西洋音楽について、名曲を学ぶことはもちろん、政治・
宗教や他の芸術との関係、音楽理論や楽譜の変遷、音楽家という職業、楽器とその演奏
法、楽譜出版・演奏会、録音技術の影響など、多角的な視点から考えることにより、音楽
芸術についての幅広い知識と鋭い洞察力を養うことをめざします。
に耐えた古典に立ち返る時です─グレゴリオ聖歌、パレストリーナ、
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、チャイコフスキー、
ヴァーグナー、
ストラヴィンスキー、そしてビートルズ……。古典の真価
に触れた経験は、あなたの人生にとってかけがえのない魂の糧となり
宝となるでしょう。
日本文学科
代を越えた傑作の誕生が行き詰まっている今こそ、過去一千年の風雪
日本・東洋音楽
日本や東洋には様々な楽器や歌による音楽、仮面舞踏や音楽劇のような他の芸術と関
連した多種多様な音楽があります。これらを理解し、その音楽を生み出した人々の美意
識や社会的背景、各楽器や楽譜などの伝承方法と現代への変化の過程などを比較・検
証することで、人間と音楽の関係を考え、豊かな感性を養うことを目指します。
音の美の探求は、中世からヨーロッパの大学で営まれてきた由緒あ
る学問です。知の源泉を訪ねる旅に出ようではありませんか。
史学科
那須 輝彦
Teruhiko Nasu
比較芸術学科
立教大学大学院文学研究科博士後期課程退学、
ケンブリッジ大学大学院修士課程修了(Master of Philosophy)。中世からバロック時代にかけての音楽、
とくにイギ
リスの教会音楽史と中世の音楽理論を専攻。最近の著作に、
『 ヘンリ8世の迷宮∼イギリスのルネサンス君主』
(共著、昭和堂、2012年)、
『 15のテーマで学ぶ中世
ヨーロッパ史』
(共著、
ミネルヴァ書房、2013年)
など。青山学院大学聖歌隊指揮者も務める。
中世ルネサンス∼バロック時代の音楽を研究しています。中世の音楽理論などと聞くと、遥か昔の難解きわまる話に聞こえるでしょ
う。でもじつは西洋音楽の根本を考えるということなのです。たとえばピアノの白鍵と黒鍵はどうしてああいう並び方をしているのか、
ドレミの階名は誰がどうして考えたのか、音の高さやリズムを書き表すためにヨーロッパ人はどのような工夫を重ねてきたか……。当
時の人々の立場に立ってその思考経路を追体験するのはとてもスリリングなことです。もちろん当時の音楽作品も素晴らしい。吟遊
詩人が綴った愛の歌、
ゴシック大聖堂に響いていた絢爛豪華なア・カペラの教会音楽、宮廷舞踏会を彩った典雅な舞曲……。みなさん
にとって未知の傑作がどれほどあることでしょう。過去千年におよぶ音楽の宝庫に足を踏み入れ、感動し、名作がどのように作られた
のか、誰によってどのように演奏されていたのか、音楽の知の探求にでかけようではありませんか!
留学・進路など
広瀬 大介
Daisuke Hirose
国際基督教大学大学院比較文化研究科・博士前期課程修了。一橋大学大学院言語社会研究科・博士後期課程修了。博士(学術)。19世紀後半∼20世紀前半の西洋
音楽、
とくにドイツの作曲家リヒャルト・シュトラウスのオペラ作品を中心に研究活動を行う。著書に
『リヒャルト・シュトラウス 自画像としてのオペラ』
(アルテスパブ
リッシング、2009年)等。訳書にベルリオーズ、
シュトラウス
『管弦楽法』
(音楽之友社、2006年)等。
21世紀という時代を迎えたいまなお、名曲として親しまれている西洋音楽。我々日本人は「クラシック音楽」
という名のもとに、そ
の音楽をさまざまな生活の場面で楽しんでいます。
しかし、数百年前に作曲された異国の音楽が、時を超え、場所を越え、世界中で親
しまれるようになったのは何故なのでしょうか。
「音楽学」
とは、その作品が生まれた社会的・政治的・文化的背景を踏まえつつ、音楽そ
のものへと切り込み、作品の魅力を探る学問です。作曲家が生み出した美しい旋律の背後には、数多くの工夫と試行錯誤が隠れてい
ます。その秘密の一端を知るだけでも、皆さんの音楽の聴き方はその瞬間から劇的に変わることでしょう。交響曲、室内楽曲、
オペラ
など、西洋音楽の世界には、一生をかけても聴ききれないほどの、
さまざまな名作が満ちあふれています。そんな音楽に触れ、その素
晴らしさを貪欲に吸収する意欲に溢れた皆さんと、青山の地でお目にかかれるのを愉しみにしています。
35
演劇映像
演劇映像の領域では、演劇と映像という総合芸術の鑑賞・研究を通
して、芸術の真価やその人生における意味を見きわめる目を養うこ
とを目的とします。
現代の社会を生きる私たちの周囲には、生の舞台芸術はもちろん
のこと、映画やテレビのようにメディアを利用した劇的芸術が氾濫し
ています。そうした演劇や映像の芸術をよりよく理解し、またそこか
ら深い感動を味わうために、私たちは何をなすべきでしょうか?
演劇映像の名作に触れ、ほんものだけがもつ感動を味わうのが第
一歩です。そして、古典のテクストをじっくりと読み込み、たしかな知
識と鑑賞力を育むことが肝要です。
演劇は人類の歴史とともに歩んできました。舞台芸術、およびメ
ディアを活用した映像芸術が成立するためには、多くの専門家が集
い、各自の持てる力を十分に発揮することが不可欠です。まさに総合
芸術といわれる所以です。総合芸術としての演劇映像には、多様な
鑑賞と研究の方法がありえます。古今東西の演劇映像の世界を、美
術や音楽との比較を通じて学び、演劇映像が人類の文化や歴史にお
いて果たしてきた役割について考えていきましょう。
佐久間 康夫
日本古典芸能
日本における芸能や演劇の歴史について学び、広い視野の上に立って、歌舞伎や能楽
など各時代の事例を取り上げます。わが国には古来どのような芸能や演劇が存在して
きたのでしょうか。また近代への移行期には、西洋文明や文化との出会いによって、日
本の演劇はどのような変化をとげてきたのでしょうか。芸能と演劇の概念やその関係、
また芸能の場や劇場形態、芸能者や俳優、観客などの諸問題を考えます。
西洋演劇
ヨーロッパの古代から現代まで2000年以上におよぶ西洋演劇の歴史を把握し、上演
を前提としたテクスト
(戯曲)の読解を行います。演出家、制作者、役者、舞台美術家、音
楽家など演劇にたずさわる人々の仕事を学び、演劇に関するさまざまな視座を構築す
ることを狙いとします。芝居が上演された時代や社会背景に留意しつつ、舞台芸術の本
質を追究していきましょう。
映像・映画
無声からトーキー、白黒からカラー、
フィルムからデジタルへと、
たゆまなく過激な変化
をとげてきた現代のメディアの世界を研究の対象とします。映像、音響、時間、編集、鑑
賞環境といった諸テーマを設定しつつ、映像や映画を批判的に学ぶ眼力を養います。
さらに、映像メディアの誕生と発展が、今日の社会におよぼした影響についても考究し
ていきます。
Yasuo Sakuma
青山学院大学大学院文学研究科博士課程満期退学。ケンブリッジ大学研究員。西洋演劇・イギリス文化専攻。
NHKラジオ「ものしり英語塾」でシェイクスピアの講座を担
当。著訳書に
『心に響け、
シェイクスピア』
(NHK出版)、
『 風土記イギリス』
(共著、新人物往来社)、
『イギリス生まれの物語たち』
(松柏社)、
ロビン・メイ
『世界演劇事典』
(開
文社)、
ロブ・グレアム
『演劇の世界』
(ほんのしろ)
など。
今日のネット社会では、情報はいとも足早に流通しています。教科書的な知識は簡単に受け渡しが可能になりました。
しかし芸術によっ
て与えられる感動となると、
こればかりは「教える」
ことがむずかしい。自分で本気になってつかみとる努力や勇気が大切です。
芸術作品に触れて感動を味わったとき、その度合いをデシベルとかマグニチュードといった数値で表すことはできません。ある舞台に
感激して、その印象をただ「すごいよかった」
と書き記しただけでは、他人とのコミュニケーションは成立しません。そのときもしもあなた
の心がザワザワっと動いたなら、その気持ちをどうやって人に伝えることができるのか ─この学科では、そうした芸術の感動を言葉で表
現する方法を学んでいきましょう。
また、大学で学ぶ4年間のうちに、ぜひ外国の文化にたいする興味を抱いて、
ことばの感覚をとぎすませてほしいと思います。それは必
ず自国の文化やことば、
ひいては芸術全般を理解するうえで大きな助けになります。私自身、
イギリスの文化や演劇と出会ったことは、人
生が大きく変わるきっかけとなりました。
芸術を学ぶことを通して、
自己実現の大きな夢に向かって挑戦してみませんか。
佐藤 かつら
Katsura Sato
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。鶴見大学文学部専任講師、同大学准教授を経て2012年より青山学院大学文学部准教授。専門は日本芸
能史、特に近世近代移行期の歌舞伎。著書に『歌舞伎の幕末・明治―小芝居の時代』
( ぺりかん社、2010年)、共著に『円朝全集』第一・十・十二巻(岩波書店、2012年・
2014年・2015年)等。新潟県生まれ。小さいころから祭礼の芸能を喜んで見物していたことが、今思えば、歌舞伎の研究をしている自分の原点となっています。
私は幕末明治期の歌舞伎、特に小芝居(こしばい)
と呼ばれる、
より大衆の身近にあった芝居に着目し研究しています。当時は歌舞伎に
おいても大きな変革期で、歌舞伎と西洋文化との出会いと衝突など、
とても面白い時代です。
研究者への一番の道しるべとなったのは、後に指導教員となる先生にお話をうかがいに行ったことです。本や研究動向など教えていた
だき、他の先生を紹介していただいたりもしました。多くの先生との出会いが今の自分に大きく影響しています。学生の皆さんには、授業
以外にも積極的に先生と話すことをぜひお勧めします。何かしてもらうという受け身の態度ではなく、主体的な姿勢が必要ですが、得るこ
とがたくさんあるはずです。
歌舞伎には、華やかさ、美しさ、人生の哀しみ、真心と、
さまざまなものが詰まっています。皆さんに、歌舞伎ほか、
日本の芸能の面白さや
魅力、研究の楽しさと面白さを伝えられるよう、努力していきたいと思います。
三浦 哲哉
Tetsuya Miura
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程修了。博士(学術)。専門はフランスおよびアメリカの映画史。著書に
『映画とは何か ――フ
ランス映画思想史』
(筑摩選書、2014年)、
『 サスペンス映画史』
(みすず書房、2012年)、共著に
『ひきずる映画』
(フィルムアート社、2011年)、訳書に
『ジム・ジャームッ
シュ・インタビューズ』
(東邦出版、2006年)。
映画を見るって、
よく考えるととても不思議なことです。知れば知るほどその思いは深まります。映画館は、外の世界の光と音を遮断す
る場所です。その中でいっとき、人工的に再現されたもうひとつの世界に身を委ねる。神秘的な「啓示」がそのとき降りてくるのだ、
という
論者もいます。それぐらい強烈に美しい映画が実際、世の中には存在します
(ぜひ授業でご紹介したいです)。
ネット社会になって、いつでもどこでも好きなものを好きなだけ見られる時代になったといいますが、実際は、
やはりとても限られた趣
味嗜好や流行の範囲内で映像を楽しむという方が大半だと思います。それではあまりにもったいないと私は感じます。私たちの価値観そ
のものを揺さぶるような、そんな映像体験を分かち合えればと願っています。
36
Department of
Comparative Arts
在学生の学生生活
私たちとともに
歩んできた芸術
比較芸術学科1年
英米文学科
比較芸術学科を
目指す皆様へ
比較芸術学科2年
蘆田 創さん
加藤 麻瑚さん
私は演劇を学びたいと思い比較芸術学
2年前の受験期、様々な芸術分野を比較
科に入学したのですが、授業で音楽、美術、
学習・研究するという新しい学び「比較芸術
映画などの様々な芸術について勉強していくうちに演劇以外の分野につ
学科」にくぎ付けになったのを覚えています。入学した私は、現在「演劇映
いても深く学びたいと思うようになりました。一年生ですべての芸術の基
像」を中心に学びを進めています。当初は、自分の興味のある分野を専門
的に学ぶことが一番の近道だと思っていましたが、今では「音楽」や「美術」
分野だと決めつけないで、好きになった気持ちで一生懸命努力しなさい」
など関連分野を知ることで広い視野と新たな考えが得られると感じていま
と言われたことがとても印象に残っています。初めから自分の好きな分野
す。日本史や世界史でも学んだように、私たち人間は芸術活動を通して歴
を決めてしまい自分が本来持つ可能性を狭めてしまうのはもったいないこ
史を刻んできました。私たちが物事に対して美しいと思えるのは、人が常に
とだと思いませんか?比較芸術学科を目指す皆様には是非幅広く芸術に興
芸術とともに歩んできた証です。大切な存在である
「芸術」を学ぶには大学
味を持って頂きたいと思います。多くの皆様が芸術の扉を叩くことをお待
生である今がチャンスだ、
と思うとさらにこの学科が好きになりました。
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
礎を最初に学んでいくのですが、授業の中で教授に「最初から嫌いな芸術
ちしております。
「人間」
を探究し
「私」
を築く
比較芸術学科3年
比較芸術学科2年
小川 大智さん
松本 美咲さん
あらゆる芸術作品が伝統や文化、社会情
今日では芸術を学ぶ場は少なくないのか
勢、思潮といった様々な要素の結実であり、
それらを紐解くことでその作品に対し新たな発見と驚きをもたらしてくれ
日本文学科
渋谷で芸術を学ぶ
もしれません。では、本学科で芸術を専攻す
る意義は何でしょうか。1つには、音楽、美術、映画演劇の大きく3領域を並
行して学ぶことを通して、相対的に芸術に親しむことができ、多様な視点か
動をもたらすものです。その所以は古典芸術が人間の真価を体現しようと
ら芸術を探求する目線を育むことが可能になる事に意義があると考えま
しているからだと思います。
す。さらに、渋谷という街は世界的に見ても芸術の集約地ですので、学生生
文学部および私が在籍する比較芸術科での探究の対象は、文学や芸術
活において多種多様の芸術文化に触れることで、芸術における深淵を垣間
であると同時に「人間」であるということを日々の学びで痛感しています。
見ることができるのではないでしょうか。これらの点が本学で芸術を学ぶ意
正答が用意された学問ではないかもしれませんが、
「 人間」の真価や味わ
義ではないでしょうか。
史学科
ます。
しかし、古典と呼ばれるような芸術はときに時代や文化圏を超えて感
い深さに触れる文学部での学びは、私にとって自己形成に大きく寄与して
いるものであると感じています。
比較芸術学科で
学んだこと
比較芸術学科3年
比較芸術学科3年
鎌田 有紀さん
私は3分野の中でも音楽を専攻し、バ
比較芸術学科
五感すべてで
味わう環境がある
中島 詩菜さん
作品を本の中で見ること、実際に見るこ
と、そして知識を持って見ることは当たり前
います。そのため選択科目が増える2年次からは音楽史や楽典、古い記譜
ですが全く違います。それを初めて体感したのが高校の頃に見た雪舟の
法について扱っている授業を中心に履修しています。また所属している大
「秋冬山水図」です。この絵は想像よりも小柄な作品にも関わらず、圧倒的
学聖歌隊ではグレゴリオ聖歌から現代音楽まで幅広いレパートリーを演奏
な存在感を当時は感じました。大学に入り、
この絵はこれまでにない画面構
しているのですが、授業で学んだことを演奏の中で体感できる瞬間が多く
成の絵であるということを学びました。そうした知識を踏まえて改めて鑑賞
あり、
とても刺激的です。このように、大学には芸術を机上だけで学ぶので
してみると全く違う絵に思えてくるのです。
なく、五感全てを総動員して味わうことができる環境がありますので、入学
予備知識なく眺めることも楽しいものですが、作品の背景を知り、
より深
される方は是非色々な分野に目を向けて、自分が最高に楽しめる場所を探
く見ることもまた興味深いと私は思います。それは世界の広がりとともに
してみてはいかがでしょうか。
自分自身の成長を感じる瞬間です。
留学・進路など
ロック時代以前の宗教音楽について学んで
37
留学制度
留学の方法として、在学留学・休学留学、語学・文化研修の3つがあります。
また、在学留学には、協定校への留学・認定校への留学の2種類があります。
※認定校リストについては下記の国際交流センターのホームページをご覧ください。
▼協定校リスト
UNITED KINGDOM
Oxford Brookes University
The University of Sheffield
University of Hertfordshire
FRANCE
Institut d'Etudes Politiques de
Grenoble
Université de Franche-Comté
Université de la Sorbonne
Nouvelle-Paris III
SWITZERLAND
Université de Genève
POLAND
Jagiellonian University
Warsaw University of Technology
RUSSIA
Moscow State Institute of
International Relations
Moscow State University
FINLAND
Laurea University of Applied
Science
VIETNAM
Heinrich-Heine University of
Düsseldorf
Saarland University
University of Cologne
The University of Social Sciences
and Humanities,Vietnam National
University-Ho Chi Minh City
University of Languages and
International Studies-Vietnam
National University, Hanoi
SPAIN
THAILAND
GERMANY
University of Salamanca
HUNGARY
Chiang Mai University
Chulalongkorn University
Thammasat University
MALAYSIA
BRUNEI
MONGOLIA
TAIWAN
University of Malaya
National University of Mongolia
KAZAKHSTAN
Al-Farabi Kazakh National
University
AUSTRALIA
Southern Cross University
The University of Sydney
Swinburme University of
Technology
KOREA
Korea University
Seoul National University
Yonsei University
CHINA
Beijing Foreign Studies University
Nankai University
Shanghai Normal University
Universiti Brunei Darussalam
Tamkang University
National Taiwan University
National Tsing Hua University
CANADA
Carleton University
The University of British Columbia
The University of Victoria
U.S.A.
University of Oregon
University of Florida
University of Washington
MEXICO
Universidad Autónoma de
Guadalajara
ECUADOR
Universidad Del Pacífico
Eötvös Loránd University
長期留学
■協定校への留学
「交換留学制度」を利用した留学です。本学との間に学生の相互交
換の協定を締結した大学(協定校)
に学生を派遣します。この交換留学
制度では、休学せずに留学でき、留学先の大学で取得した単位を本学
の卒業要件単位として認定することができます。留学先の協定校とは
これまでも多くの学生の交換を行っていますので、
こまかな状況も協
定校から来ている交換留学生に聞くことができます。交換留学生にな
るためには学内の選抜試験に合格することが必要です。文学部から協
定校への留学生数は毎年30名程度です。
■認定校への留学
本学学生が留学を希望する外国の大学を、本学が留学先大学として
認定した場合にその大学に留学できる制度です。認定校への留学の場
合も、協定校への留学と同様、留学先の大学で取得した単位を本学の
卒業要件単位として認定することができます。認定校留学の場合に
は、本学と留学先大学の双方へ学費を支払うことになります。
短期留学
海外語学・文化研修は夏期及び春期の休暇期間を利用した約3∼5
週間の短期留学です。多彩なプログラムにより語学力の向上や、それ
ぞれの国の文化・社会に対する国際的な視野を広げることを目的とし
ています。
留学に関する詳細は、本学の国際交流センターにお問い合わせください。
http://web.iec.aoyama.ac.jp/
留学生のための奨学金制度
〈学内の奨学金〉
◆青山学院大学産学合同万代外国留学奨励奨学金
本奨学金は、海外留学を志す本学学生を対象として、本学と株式会社太
平エンジニアリングが合同で学業資金としての奨学金を給付すること
により、経済的負担の軽減と外国留学の奨励を目的とするものです。
◆青山学院国際交流基金奨学金
青山学院国際交流基金事業の一環として、本学院学生に海外留学を奨
励し、国際化時代に対応できる有能な人材を育成すること等を目的とし
た給付奨学金です。協定校・認定校への留学候補者の中から選抜した学
生に対し、一定額を給付します。
〈独立行政法人日本学生支援機構〉
◆海外留学支援制度
諸外国の高等教育機関に短期間派遣される学生に対し、渡航に必要な
経費の一部を奨学金として支援することにより、
グローバル社会におい
て活躍できる人材を育成するとともに、我が国の高等教育機関の国際
化・国際競争力強化に資することを目的とした給付奨学金です。協定校
への留学候補者の中で学内選考を行い、
( 独)日本学生支援機構の審
査に合格した学生に支給されます。
2015年度 留学先実績
■協定校
【アメリカ】University of Oregon, North Central College, Northern Arizona
University, San Francisco State University, Texas Christian University,
University of Florida, University of Washington,
【カナダ】The University of British Columbia
【イギリス】University of Hertfordshire, The University of Sheffield
【オーストラリア】Southern Cross University, Swinburne University of Technology
【フランス】Université de la Sorbonne Nouvelle -Paris III,
Université de Franche-Comté
【スイス】Université de Genève
【ベトナム】University of Social Sciences and Humanities, Vietnam University, Ho Chi Minh City
海外語学・文化研修実施実績
■夏期語学文化研修(2015年度)
【イギリス】University of Gloucestershire
【アメリカ】Washington State University
【カナダ】University of Calgary
【ロシア】Moscow State University
【タイ】Thammasat University
■春期語学文化研修(2015年度)
【アメリカ】University of California, Davis、University of California, Los Angeles
【カナダ】University of Calgary
【オーストラリア】Monash University
38
私たちの留学生活〈交換留学〉
英米文学科
幼い頃から海外の空気や英語の飛び交う毎日に憧れ、日本とは異なる習慣・価値観を肌で感じたいと思
い、留学を志しました。オレゴン大学のあるユージーンは小さな学生都市で、キャンパス周辺には可愛らしい
雑貨屋さんやレストランも豊富にあり、ダウンタウンへは無料バスで10分程です。地元の人々はフレンド
英米文学科
リーで温かく、自然と車いすの方に手を貸す子どもや、ジョギング中笑顔で挨拶を交わす姿があちこちで見
られ、顔見知りのパンケーキ屋のおばさんには私も名前を覚えて声をかけてもらっていました。留学生活を
過ごした寮は他の建物から少し離れ、私以外、ルームメイトを含めほぼ全員がアメリカ人学生だったのです
が、英語に慣れない頃からご飯に誘ってくれて授業で分からないところを教えてくれたり、毎日「おはよう」と
英米文学科4年
米盛 紗貴さん
留学先
オレゴン大学(アメリカ合衆国)
話しかけてくれる子がいたりと、みんな気さくで心休まる場所でした。また、私は異文化間コミュニケーショ
ンに関する授業を多くとり、文化の違いが人間関係や仕事の現場に与える影響などを学んだのですが、
クラ
スメートの国籍も多様で、教室内で文化交流ができる環境は本当に幸せでした。小さなことでももし悩みが
あれば、
どの教授も親身に相談に乗ってくださるので安心できます。キャンパス内の図書館は24時間開館
していて、夜中まで勉強する学生でいつもいっぱいです。特に試験前は私も1日中こもり、よく朝を迎えるこ
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
留学期間
とになっていましたが、今となっては懐かしい日々です。
2013.9月∼2014.6月 (2年から3年次) 英語を道具に自分の限界を高め、実際に現地の人の生活に入り込むという体験。留学生活は毎日が誤解
と失敗の連続で、何でも自分自身で考え、乗り越えていかなければならないからこそ、些細なことも全てが
新鮮で刺激的でした。また、人に恵まれ、たくさんの優しさに助けられる中で、
どれだけ周りに支えられて今
の自分があるのかに初めて気づき、感謝でいっぱいです。常に変化する日々を夢中で突き進んだ経験とその
中での出会いが、今私の大きな自信です。
フランス文学科
私が留学したブザンソンという町はフランスの東部にある、
とても綺麗で静かなところでした。学校ではフ
ランス語のオーラルとスピーキングを中心に歴史や経済、美術などの講座から選択して受講しました。フラン
日本文学科
ス語で学ぶことは、始めは難しくてついていくのに精一杯でしたが、毎日努力を続けることでだんだん授業の
内容を理解し発言も出来るようになりました。また、自分の好きな分野をフランス人の目線で学ぶことは非常
に新鮮で、興味深かったです。
フランス特有の夏の長期休暇には、南仏の町、ニースに1ヶ月ホームステイしたり、
フランス国内の都市や
ベルギー、スイス、モナコなどの国を旅行したりして休暇を有意義に過ごしました。一緒に行った留学仲間も
フランス文学科4年
梅林 京子さん
留学先
フランシュ・コンテ大学
応用言語学センター(フランス)
様々な地域でホームステイをしたり、ボランティアをしたりとそれぞれに活動していました。
留学するなら語学学校より現地の学生と一緒に学べる大学の方がいいと聞くこともありますが、語学学校
に通ってみて、私はそこには大学にない良さがあると思いました。なぜなら語学学校には国も年代も違う人
たちがいるからです。そのような様々な国の人と友達になって、お互いに話し合うことでそれぞれの国の文
化や実情を知ることができ、
フランスだけではなく世界中の国や地域のことを学ぶことができました。
私は、留学は自分を成長させるのに最適な経験だと思いました。日本は安全で素晴らしい国ですが、だか
史学科
留学期間
らこそ、移民問題や格差問題などのさまざまな国際的な問題に直面する機会も、他国の人と知り合い関わる
2014.2月∼2014.12月 (2年から3年次)
機会も少ないと思います。日本を出て留学することでいろいろな国際的問題や、文化、習慣に触れることが
でき、そのような経験をすることにより、異文化についても身近に考える機会を得ることができました。そし
ていろんな外国人と接し話すことで、また、現地で実際に生活してみることで、自分の国の文化や生活などに
今まで以上に興味、関心を持つようになりました。留学したことでこのように視野も広くなり、語学力はもち
ろんのこと、
フランスでの様々な経験とそこでできた友人は私のかけがえのない財産になりました。
日本文学科
アパラチア山脈の麓にあるこの大学は人も環境もとてものどかですが、小さな町のため学校の外では車
比較芸術学科
がないとどこにも行くことができず、便利な青山の環境に慣れてしまった私にはとても新鮮かつ衝撃的です。
私は三年次に、英語翻訳版の源氏物語を再翻訳して読むゼミに入った影響で翻訳に興味を持ちました。そ
こで言葉を操るためにはその国に実際に行き、その言葉で生きる文化を体感しなければと考えたため留学
を決意、今に至ります。そのため留学前に言葉や文化についてある程度の知識は入れてきたつもりでした
が、実際に来てみるとそれらの知識はほんの一部でした。
また留学生ということで現地の学生たちだけでなく、他の様々な国から来ている留学生たちとも仲良くな
日本文学科4年
添田 歩さん
留学期間
2015.8月∼2016.5月(4年次)
のが多いです。彼らと会話をしていると宗教の話になることもありますが、その際はキリスト教概論の講義
での記憶にとても助けられています。また寮生活では、ルームメイト達と深夜にホラー映画を観たり、日本語
を副専攻にしている学生と日本語と英語を混ぜておしゃべりを楽しんだり、同じ階に住む留学生同士で母国
留学・進路など
留学先
アパラチアン州立大学
(アメリカ合衆国)
る機会があるために想像していた以上の数の文化に触れていますし、常識が通じない場での生活は得るも
の食事を振舞ったりしています。
授業はどれも少人数制で発言する機会が多いため、度胸ととっさの思考力を鍛えられている気がしていま
す。予習復習や宿題に追われる日々ですが、
クラブにも所属していますし、誘われればパーティーやハイキン
グなどにも時々顔を出すという、とても活動的な毎日を送っています。正直、学食でアメリカンなお寿司を
売っていること、道を行きかうのがほぼ日本車であることもあって、人と食事を除いて日本が恋しいと思うこ
とはあまりないかもしれません。
留学は勉強面だけでなく資金面でも大変ですが、大学内での奨学金制度も充実しているため、今の時点
で留学に少しでも興味があるのであれば積極的に挑戦してみてください!日本しか知らない、ではなく日本
も知っている、感覚は大きく自分を変えてくれます。
39
資格・進路/入試制度
教員免許状・各種資格取得
幅広い教養を身につけながら資格を取得することができます。
各種の教員養成と、
さまざまな分野の資格取得に向けた教育・指導に、豊かな経験と確かな実績を積み重ねてきました。
◆文学部学科別教員免許状取得件数
英語
年度
英米
文学科
中学1種
高校1種
合計
件数
取得
人数
41
39
32
112
43
40
33
116
84
79
65
228
43
40
33
116
中学1種
高校1種
合計
件数
取得
人数
19
27
35
81
22
29
38
89
41
56
73
170
22
29
38
89
2012
2013
2014
合計
国語
年度
日本
文学科
2012
2013
2014
合計
年度
フランス
文学科
2012
2013
2014
合計
年度
史学科
2012
2013
2014
合計
フランス語
中学1種
高校1種
合計
件数
取得
人数
4
2
2
8
4
2
2
8
8
4
4
16
4
2
2
8
社会
地理歴史
中学1種
高校1種
合計
件数
取得
人数
13
13
22
48
13
15
20
48
26
28
42
96
13
16
24
53
◆文学部学科別各種資格取得件数
年度
司書
英米文 フランス文 日本文
2012
2013
2014
5
10
2
17
合計
年度
司書教諭
1
1
0
2
34
19
11
64
英米文 フランス文 日本文
2012
2013
2014
1
0
3
4
合計
0
0
0
0
5
14
11
30
史
合計
件数
4
7
11
22
44
37
24
105
史
合計
件数
0
1
0
1
6
15
14
35
年度
学芸員
2012
2013
2014
合計
年度
社会教育
主事
2012
2013
2014
合計
英米文 フランス文 日本文
0
1
0
1
1
0
0
1
1
0
2
3
英米文 フランス文 日本文
0
0
0
0
0
0
0
0
2
2
0
4
史
合計
件数
17
23
14
54
19
24
16
59
史
合計
件数
0
0
0
0
2
2
0
4
青山学院大学大学院文学研究科への進学状況
◆大学院進学データ
専 攻
前(一般)
英米文学 (社会人)
後(一般)
前(一般)
フランス
文学・語学 後(一般)
前(一般)
日本文学
・日本語 (社会人)
後(一般)
前(一般)
史 学
(社会人)
後(一般)
比較
芸術学
前(一般)
後(一般)
志願者数
2015年度
合格者数
学内
学外
学内
学外
6
0
2
2
0
5
0
1
12
0
1
4
0
16
3
2
2
0
7
0
0
4
1
1
2
0
5
0
1
1
0
2
0
1
9
0
1
2
0
2
0
0
1
0
1
0
0
1
0
1
0
0
専 攻
前(一般)
英米文学 (社会人)
後(一般)
前(一般)
フランス
文学・語学 後(一般)
前(一般)
日本文学
・日本語 (社会人)
後(一般)
前(一般)
史 学
(社会人)
後(一般)
比較
芸術学
前(一般)
後(一般)
志願者数
2014年度
合格者数
学内
学外
学内
学外
17
0
2
5
0
6
0
1
6
0
2
1
2
15
2
2
3
0
5
0
1
2
2
2
2
0
7
0
2
2
0
4
0
1
6
0
2
1
2
4
2
1
2
0
1
0
0
2
1
1
1
0
専 攻
前(一般)
英米文学 (社会人)
後(一般)
フランス 前(一般)
文学・語学 後(一般)
前(一般)
日本文学
・日本語 (社会人)
後(一般)
前(一般)
史 学
(社会人)
後(一般)
比較
芸術学
前(一般)
後(一般)
志願者数
2013年度
合格者数
学内
学外
学内
学外
11
0
4
5
1
6
0
1
6
0
4
1
0
16
0
1
0
1
7
1
2
2
1
1
2
1
6
0
2
4
0
4
0
1
6
0
4
1
0
3
0
0
0
0
2
0
1
2
0
1
1
1
※学内は本学卒業見込・修了見込で受験した者の人数で、
学外は本学既卒者・既修了者を含みます。
40
文学部卒業生の業種別の主な就職・進路決定先(50音順)
新聞・出版・印刷・放送
(株)旺文社
(株)KADOKAWA
(株)北國新聞社
ゴマブックス
(株)
(株)
サイバーエージェント
サントリーパブリシティサービス(株)
静岡放送(株)
(株)
ジュピターテレコム
大日本印刷(株)
(株)
TBSテレビ
(株)東京放送ホールディングス
(株)電通
(株)電通テック
富山テレビ放送(株)
日本放送協会
(株)
ビーエスフジ
鉄道・運輸等
(株)
ぶんか社
ANA成田エアポートサービス
(株)(株)山形新聞社
日通NECロジスティクス
(株)
日本航空(株)
サービス業
エミレーツ航空
(株)小田急トラベル
ウェスティンホテル東京
近畿日本ツーリスト
(株)
(株)
オリエンタルランド
(株)近鉄エクスプレス
オリックス
(株)
クラブツーリズム
(株)
セコム
(株)
中部国際空港旅客サービス
(株)
京王電鉄(株)
(株)帝国ホテル
(株)
ジェイアール東海ツアーズ
(株)ナムコ
(株)JTB首都圏
日本ヒルトン
(株)
(株)
JTBコーポレートセールス
(株)
ニュー・オータニ
商船三井ロジスティクス
(株)
(株)
ホテルオークラ
シンガポール航空
(株)
ホテルオークラ東京ベイ
(株)JALスカイ
住商グローバル・ロジスティクス(株)
三菱地所プロパティマネジメント(株)
(株)住友倉庫
(株)
ミリアルリゾートホテルズ
(株)森ビルホスピタリティコーポレーション
全日本空輸(株)
(株)
リクルートキャリア
西日本鉄道(株)
日本通運(株)
東日本電信電話(株)
情報・調査・通信
東日本旅客鉄道(株)
NTTコミュニケーションズ
(株)
(株)
日立物流
NTTコムソリューションズ
(株)
(株)AIRDO
NECソリューションイノベータ(株)
三井倉庫(株)
ヤマトグローバルエキスプレス(株)
SCSK(株)
住友商事フィナンシャルマネジメント(株)
(株)
JR東日本情報システム
第一生命情報システム
(株)
(株)東京海上日動コミュニケーションズ
(監)
トーマツ
(株)
日立システムズ
(株)富士通システムズ・イースト
富士フイルムソフトウエア
(株)
(株)
ミクシィ
みずほ総合研究所(株)
ヤマトシステム開発(株)
(弁)四谷麹町法律事務所
楽天(株)
リクルートジョブズ
(株)
教育
教員・秋田県公立(高等学校)
教員・神奈川県公立(小・中・高等学校)
教員・埼玉県公立(小・高等学校)
教員・千葉県公立(小・高等学校)
教員・東京都公立(幼・小・中・高等学校)
教員・神奈川県私立(幼稚園)
教員・埼玉県私立(幼・高等学校)
教員・東京都私立(幼・小・中・高等学校)
教員・長崎県私立(幼稚園)
教員・北海道私立(幼稚園)
教員・山梨県私立(幼稚園)
(株)
ABC Cook
i
ng Stud
i
o
(福)恩賜財団済生会
(学)国際医療福祉大学
(学)大妻学院
(財)聖路加国際病院
(学)文教大学学園
(学)明治学院
公務員
文部科学省
農林水産省
防衛省
東京高等裁判所
地方公務員(神奈川県・警察官)
地方公務員(埼玉県・警察官)
地方公務員(東京都・警察官)
地方公務員(茨城県・消防官)
地方公務員(神奈川県・市町村)
地方公務員(群馬県・市町村)
地方公務員(埼玉県・市町村)
地方公務員(東京都・特別区)
地方公務員(福島県・市町村)
史学科
アメリカンファミリーライフアシュア
ランスカンパニーオブコロンバス
岡三証券(株)
国家公務員共済組合連合会
(株)
ジェーシービー
(株)静岡銀行
シティバンク銀行(株)
(株)常陽銀行
信金中央金庫
全国共済農業協同組合連合会
損害保険ジャパン日本興亜(株)
第一生命保険(株)
(株)千葉銀行
三井住友信託銀行(株)
東京海上日動あんしん生命保険(株)
東京海上日動火災保険(株)
SMBC日興証券(株)
日本銀行
ヤマトロジスティクス
(株)
郵船ロジスティクス
(株)
日本郵便(株)
(株)
ユーラシア旅行社
日本文学科
卸・小売
伊藤忠紙パルプ
(株)
伊藤忠商事(株)
伊藤忠プラスチックス
(株)
伊藤忠メタルズ
(株)
(株)
イトーヨーカ堂
岡谷鋼機(株)
片岡物産(株)
カネボウ化粧品販売(株)
グラクソ・スミスクライン
(株)
金融・保険・不動産
(株)
日本政策金融公庫
(株)
日本政策投資銀行
日本生命保険(相)
日本マスタートラスト信託銀行(株)
農林中央金庫
野村證券(株)
富国生命保険(相)
みずほ証券(株)
(株)みずほ銀行
みずほ信託銀行(株)
三井住友カード
(株)
三井住友海上火災保険(株)
(株)三井住友銀行
三井生命保険(株)
(株)三菱東京UFJ銀行
三菱UFJ信託銀行(株)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(株)
明治安田生命保険(相)
(株)
ゆうちょ銀行
(株)横浜銀行
(株)
りそな銀行
英
フ米
ラ文
ン学ス
科文学科
(株)LIXIL
大塚製薬(株)
(株)
オンワードホールディングス
キリンビバレッジ
(株)
(株)
コーセー
(株)小松製作所
(株)資生堂
清水建設(株)
JX日鉱日石エネルギー(株)
新日鐵住金(株)
積水ハウス
(株)
ダイキン工業(株)
大成建設(株)
帝人(株)
(株)
デンソー
(株)東芝
日本電気(株)
日産自動車(株)
ハウス食品(株)
パナソニック
(株)
(株)
バンダイ
(株)
日立製作所
富士重工業(株)
富士ゼロックス
(株)
富士通(株)
古河電気工業(株)
(株)
ポニーキャニオン
(株)
ポーラ
三菱重工業(株)
三菱電機(株)
森永乳業(株)
雪印メグミルク
(株)
ヤマハ
(株)
(株)
リコー
(株)
ロッテ
(株)
ワコール
(株)京王百貨店
サントリーフーズ
(株)
(株)JR東海パッセンジャーズ
JFE商事(株)
住友商事(株)
日鉄住金物産(株)
住商機電貿易(株)
セイコーウオッチ
(株)
(株)
セブン-イレブン・ジャパン
双日
(株)
双日エアロスペース
(株)
ソフトバンク
(株)
(株)髙島屋
(株)東急百貨店
豊田通商(株)
(株)
日食
阪和興業(株)
(株)
ファーストリテイリング
(株)
ファンケル
(株)丸井グループ
丸紅(株)
三井物産スティールトレード
(株)
三井物産プラスチック
(株)
三井物産メタルズ
(株)
三菱商事(株)
三菱商事パッケージング
(株)
三菱商事マシナリ
ヤマハ発動機販売(株)
英米文学科
建設・製造
比較芸術学科
多様な入試制度 (2016年度入試)
下記以外にも、編入学制度などの多様な入試制度を設けています。年度によって変更がありますので詳しくは、入学広報部にお問い合わせください。
入試制度
一般入学試験
推薦・特別入学試験
フランス
文学科
日本
文学科
史学科
比較芸術
学科
○
○
○
○
○
A・B・C
A・B
A・B
○
○
大学入試センター試験利用入学試験(前期日程)
○
○
○
○
○
指定校推薦入学試験
○
○
○
○
○
スポーツに優れた者の入学試験
―
―
―
○
○
スポーツに優れた者の入学試験(強化指定部制)
―
―
―
○
○
自己推薦入学試験
―
―
―
○
○
自己推薦入学試験(英語資格取得者)
○
―
―
―
―
難民を対象とする推薦 ※
○
○
○
○
○
海外就学経験者入学試験
―
―
○
―
―
外国人留学生入学試験
○
○
○
○
―
○
○
○
○
○
一般入学試験(個別学部日程)
高等部から大学への内部進学
留学・進路など
センター試験
一般入学試験(全学部日程)
英米
文学科
※国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所との協定による難民を対象とする推薦者がいた場合
41
副
都
心
線
線
JR山手
線
田園都市線
井の頭線
●
宮益坂
●
渋谷駅
り
通
山
青
渋谷クロス
タワー
正門
青山
キャンパス
至品川
線
横
東
六本木通り・首都高速3号
キャンパスMAP
間島
記念館
号館
青学会館
4号館
5号館
11
号館
2号館
1号館
17号館
7号館
←表参道
西門
15号館
6号館
記念館
兼
体育館
9号館
3号館
8号館
ウェスレー・
ホール
16
号館
大学
図書館
ベリーホール
東門
10
● B1出口
国連大学
渋谷郵便局
東口
道玄坂
東京メトロ
表参道駅
明治通り
至新宿
周辺MAP
14号館
正門
渋谷→
青山キャンパス
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
■JR山手線、JR埼京線、東急東横線、東急田園都市線、
京王井の頭線、東京メトロ副都心線「渋谷駅」より徒歩10分
■東京メトロ(銀座線・千代田線・半蔵門線)
「表参道駅」より徒歩5分
青山学院大学 文学部
文学部案内に関するお問い合わせ先
〈学務部教務課〉
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷 4-4-25
Tel 03-3409-9527
http://www.aoyama.ac.jp/college/
【青山学院スクール・モットー】
地の塩、世の光
The Salt of the Earth, The Light of the World
2016.2.1 発行 Printed by YOSHIDA PRINTING INC.