群馬大学 vol.8 知的財産の“宝庫” を磨こう 巻頭言 特別寄稿 群馬大学の特許創出∼技術移転活動について 群馬大学TLOレポート 研究者からの提言 研究・知的財産戦略本部提携弁理士寄稿 群馬大学の特許紹介 群馬大学の開放特許一覧 2011年度知的財産活動報告 2012 国立大学法人 群馬大学 研究・知的財産戦略本部 知財ニュース 2012年号 ○巻頭言 ─ 群馬大学 学長 高田 邦昭 ●イノベーションの時代における群馬大学 1 ○特別寄稿 ●知的財産活動のさらなる充実を願って∼産学連携体制の強化を∼ ─ 群馬大学理事(研究・企画担当) ・副学長 研究・知的財産戦略本部長 平塚 浩士 2 ●群馬大学における知財活動の強化に向けて ─ 群馬大学共同研究イノベーションセンター長 大学院工学研究科 教授 教育研究評議員 篠塚 和夫 3 ○群馬大学の特許創出∼技術移転活動について ●産学官連携活動の進化と深化 ─ 群馬大学知的財産戦略室長(兼)共同研究イノベーションセンター教授 伊藤 正実 4 ○群馬大学TLOレポート ●T LO活動報告 ─ 研究・産学連携戦略推進機構 特任教授 研究・知的財産戦略本部 群馬大学TLO長 大澤 隆男 ●研究成果紹介、市場評価、 ニーズ把握に有効な展示会活動 ─ 研究・知的財産戦略本部 群馬大学TLO 知的財産コーディネーター 佐藤 和浩 ●特許情報の活用と特許調査 6 8 研究・知的財産戦略本部 群馬大学T LO 知的財産コーディネーター 窪津 理人 ─ 10 ○研究者からの提言 ●医学・生命科学分野の基礎研究成果の特許出願はどうあるべきか ─ 群馬大学大学院医学系研究科 神経生理学 教授 平井 宏和 12 ●TLO ̶ 知的創造のコーディネーターそしてガーディアン ̶ ─ 群馬大学大学院工学研究科 環境プロセス工学専攻 教授 尾崎 純一 くら あやう 13 ●「特許」 「発明」 「大学での工学教育」雑感 学んで思わざればすなわち罔し。思うて学ばざればすなわち殆し。 ─ 群馬大学大学院工学研究科 電気電子工学専攻 教授 小林 春夫 14 ●特許出願を意識した学生指導の留意点 群馬大学大学院工学研究科 生産システム工学専攻 教授 黒田 真一 ─ 15 ○研究 ・知的財産戦略本部提携弁理士寄稿 ●大学の特許の今後 ─ 特許業務法人 信友国際特許事務所 所長・弁理士 角田 芳末 16 太陽国際特許事務所 副所長・弁理士 加藤 和詳 ●ダブル トラックのその後 ─ 16 ●変貌する世界と産学連携への期待 ─ 西澤国際特許事務所 所長・弁理士 西澤 利夫 17 秀和特許事務所 弁理士 佐貫 伸一 ●米国特許法改正について ─ 17 ●実験成績証明書について ─ 須田特許事務所 所長・弁理士 須田 正義 18 研究・知的財産戦略本部 群馬大学TLO長 大澤 隆男 18 ●提携弁理士の方々の分野別分担 ─ ○群馬大学の特許紹介 ●群馬大学の特許登録状況について ─ 研究・知的財産戦略本部 群馬大学TLO 知的財産コーディネーター 鯉淵 潤子 19 ○群馬大学の開放特許一覧 (平成24年3月現在) ─ 24 研究・知的財産戦略本部 群馬大学TLO長 大澤 隆男 ○2011年度知的財産活動報告 ─ 32 研究・知的財産戦略本部 群馬大学TLO長 大澤 隆男 ○編集後記 ─ 32 33 ○平成23年度 群馬大学 研究・知的財産戦略本部運営組織 ─ GRIP:Gunma University Research & Intellectual Property 巻 巻頭 頭言 言 平成23年は、バブル経済が弾けた後のいわゆる失われた10年が20年を超え、良 いものを早く安く生産する新興国の台頭が進み、高度なものづくりによる付加価値に よる貿易で富を生み出してきた日本の行く末に不安が漂う中で始まりました。様々な打 開策は試みられたものの根本的な解決策は見えず、 なかなか上昇が体感されない中 で、 この平成23年には東日本大震災、台風による災害、 タイの洪水、 そしてギリシャに 端を発したヨーロッパ通貨危機と立てつづけに大きな事件が起こりました。中でも東日 本大震災における福島第一原子力発電所の事故と、 その後の電力不足は、便利さと 目の前の効率をひたすら追究してきた我々の生活基盤の脆弱性を白日の下に晒すこ とになり、今後の日本のあり方に対する大きな警鐘となりました。エネルギー源としての 原子力への依存をどうするのか、世界で知識基盤社会が急速に進む中で現行のも のづくりの路線のままで良いのか等々、 日本の国のあり方についてもう一度その根本か イノベーションの 時代における 群馬大学 ら考え直していくことの必要性が叫ばれています。 この様な混迷の中で明日の知識基盤社会における国のあり方を考える時、知を創 造し、蓄積し、 そして教育や社会貢献を通して社会へ広めていく大学への期待にはき わめて大なるものがあります。政府でも、平成23年8月19日に閣議決定された第4期科 学技術基本計画においては、国家存立の基盤となる科学技術を保持するとともに、絶 群馬大学 学長 えず知の資産を創出し、震災からの復興と持続的成長により、安全で質の高い豊か 高 田 邦 昭 な国民生活を実現する国の将来像を描かれています。そして、 グリーンイノベーション やライフイノベーションをはじめとする科学技術イノベーションを推進し、 その中で産学 官の連携推進や知的財産戦略が課題として取りあげられています。 群馬大学では、すでに平成19年には経済産業省と文部科学省の承認を受けた内 部型TLOを立ち上げ、大学での知的財産の創出、取得、管理、並びに活用を行って います。 このTLOの活動等を通じて、特許の取得、特許のライセンシング、特許に基づ く企業との共同研究など、大学の知をイノベーションへと結びつける活動が活発に展 開されています。 群馬大学が立地する北関東域は、 自動車産業と関連部品製造会社など大企業 から中小企業まで多様な企業が集積し、 日本でも指折りの工業出荷高を誇る地域と なっています。 さらに日本や世界を代表するグローバル企業がある東京から100km 程の距離に位置しています。 このような立地・環境を生かし、 日本経済を担うようなイノ ベーション、 さらには世界を変えるようなイノベーションが群馬大学発の研究から起こる ことを期待しています。 3 特 特別 別寄 寄稿 稿 2011年3月11日に発生した東日本大地震は我が国に大きな災害をひき起こしまし た。特にこの被害を受けた地域が、世界的なサプライチェーンの中で重要な役割を 持っていたことから、 ものづくり産業も大きな痛手を被りました。一方、今年1月25日に我 が国の2011年の貿易収支が発表されましたが、 その結果は31年ぶりの赤字ということ でした。当然、東日本大震災がこの赤字に大きな影響を与えたと考えられますが、主な 原因は有力な製造業が海外に生産拠点を移したことにより工業製品の逆輸入が増加 したため、 と考えられています。つまり大震災の復興がなっても、今後この貿易赤字の 基調は変わらないと見られています。 我が国は、高い技術力と豊富な資金力によって長期にわたり貿易黒字を続けてきま した。 しかし労働力の面ではアジア各国の労働者と比較して高賃金であり、 これが産 業競争力の弱点となっています。 グローバル化した現在では、大量生産を目指す企業 は低い賃金で人材を確保できるアジアに容易に生産拠点を移します。 これに付随して 技術の流失が起こり、急速に日本の産業競争力が低下してきています。 歴代政府は大学の持つ知的財産を活用して産業競争力を高めるために、1998年に 知的財産活動のさ 「大学等技術移転促進法」を、2002年には「知的財産戦略大綱」を定めるなどの改 らなる充実を願って 革を進めてきました。その結果、多くの大学に知的財産本部やTLOが設置され産学 ~産学連携体制の強化を~ 連携に基づく知的財産の活用は大きく進展してきました。 ただし、最近では、一部のTLO でライセンス収入のみでの運営が難しくなり、清算や再編が行われるなどTLO活動が 群馬大学理事 (研究・企画担当) ・副学長 研究・知的財産戦略本部長 平 塚 浩 士 曲がり角にあると言われる状況になっています。 しかしながら、優れた特許は様々な分 野に応用される可能性を持ち、社会に大きなイノベーションをもたらします。本学におけ る知的財産に関する活動は、教育、研究に続く第3の使命である社会貢献の重要な 役割を担っていることから、今後も大学の中で大きな地位を占め続けると考えます。 本学の知的財産活動は、研究を担う大学院研究科や生体調節研究所などの各部 局と、 その成果を活用する知的財産戦略室、群馬大学TLO、共同研究イノベーション センター等の活動によって支えられ、 これまでに多くの実績を挙げています。 しかし、 これ らの産学連携の窓口であるTLOや共同研究イノベーションセンターは逐次的に設置 されたため、縦割り的に活動することを余儀なくされてきました。その結果として、 ワンス トップサービスなどの対応ができず企業関係者と効率的な連携をとることが困難でし た。 そこで、 ワンストップサービスを可能とする効率的な産学連携体制を構築することを 目指して、研究・産学連携推進機構の組織の見直しを行っています。間もなくその結論 が出される予定です。 昨年8月には第4期科学技術基本計画が閣議決定され、震災からの復興や、 グリー ンイノベーション、 ライフイノベーションによる日本経済再生のための科学技術イノベー ションの活用が提示されました。 また、 このための方策として、大学の優れた研究成果 の提供やTLOの活用など産学連携機能の最適化も示されています。本学においても 機能的な産学連携体制を整備すると共に、知財人材の一層の育成に努めて知的財 産の活動を盛んにし、 自立的な活動を目指したいと考えます。 4 特 特別 別寄 寄稿 稿 科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的 な計画であり、今後5年間の科学技術政策を具体化するものとして政府が策定する 「科学技術基本計画」は、本来は平成22年度中に策定されることになっておりました が、昨年3月に起きた東日本大震災により、 その内容が再検討された上で平成23年8 月に閣議決定されると言う、異例の取り扱いになりました。 その中身を見ますと、 目指すべき国の姿としては「国家存立の基盤となる科学技術 を保持する国」、 あるいは今後の科学技術政策の基本方針として「人材とそれを支え る組織の役割の一層の重視」 と言ったことが挙げられています。 また個別の項目とし ては「グリーンイノベーションの促進」、 「ライフイノベーションの促進」、 「産官学の知の ネットワーク強化」や「知的財産戦略及び国際標準化戦略の促進」 と言ったものが目 につく内容となっています。 これらが示すところは、今後我が国が震災からの復興を果 群馬大学におけ る知財活動の 強化に向けて たして行くために、科学技術の進展とその普及に係る者の責務は以前にも増して重 いと言うことであると思います。 本学ではご承知のようにこれまでも低炭素化社会の実現に向けた様々な独創的 研究活動が工学研究科を中心に展開されてきました。 また医学研究科・保健学研究 群馬大学共同研究イノベー ションセンター長 科・生体調節研究所、 さらにこれに工学研究科も加わって、重粒子線がん治療を始め 大学院工学研究科 教授 教育研究評議員 篠 塚 和 夫 とする疾病の予防・診断・治療に関する様々な研究を行ってきました。そのような大学 における「グリーンイノベーション関連研究」あるいは「ライフイノベーション関連研究」 によって生み出されてきた多くの独創的・革新的な成果については、本学の貴重な知 的財産であり、群馬大学TLOや共同研究イノベーションセンターではこれを速やかに 権利化するとともに、 「産」 ・ 「官」の皆様にこのような成果を紹介していく情宣活動に 加えて、その実用化を射程に入れた企業と大学の共同研究・共同開発のマッチング の実現を目標に活動を展開しています。 まさに科学技術基本計画に謳われている事 項について、地道にこれを実践していると言えます。その成果としても平成23年度こ そ震災の影響か、前年度に比べて「特許ライセンス等収入」については件数・金額と も若干低下していますが、 「特許に基づく共同研究」では着実な伸びを記録していま す。今後とも本学では地域の知的センターとして本学の持つ蓄積と強みを活かしつつ 様々な科学技術研究の推進を図りながら、 これを有力な知的財産として社会還元し ていく活動を強化して行く所存であります。皆様方と手を携えつつ行うこのような活動 が、地域の振興、 ひいては我が国の力強い復興を担えるものとして成長して行くことを 祈念して止みません。 5 群馬大学の特許創出〜技術移転活動について 産学官連携活動の進化と深化 群馬大学知的財産戦略室長 (兼) 伊藤 正実 共同研究イノベーションセンター教授 大学の特許技術を企業に使っていただけるような成 にあれば、 自分自身の専門分野と関連して産業界での 果は、一朝一夕に得る事は困難であり、大学研究者に 研究開発のトレンドがどうなっているのか認識しないと とっても様々なプロセスがある。 いけない。その為には企業の技術者や研究者と交流 例えば、企業での研究開発に従事した経験がなく、 することが必要である。学会によっては企業の方がたく 大学の中だけのキャリアで今まで過ごしてきて、大学外 さん来られる学会もあり、そこでの交流が盛んにおこな での付き合いもいわゆる学会等の殆どが大学関係者 われている場合もあるし、地域においては地元での研 だけで構成されるコミュニティに限定される大学研究者 究発表会や交流会がそのチャンネルであろう。当該分 がいたとしたら、 そうした方が社会的なニーズにマッチし 野にどういった社会的なニーズがあって、 自身の専門性 た企業で使える (あるいは使えそうな)研究成果を出せ とこれがどう関わりがあるのか知り、その上でこれに関 るだろうか?産業界とのコミュニケーションなしで、 こうし 連する既存技術等の情報を得ようとする努力がこの場 た事が起こりうる可能性はゼロではないが、確率として 合、必要である。 また、 これによって自身の研究室で社 は非常に低いと断言できる。 会ニーズと関連性の高い研究テーマの立ち上げが出 大学研究者の産学官連携に関する活動は段階を 来るようになる。企業での研究開発のトレンドを本から学 経て進化していくものである。産学官連携を推進してい ぼうと思っても、たいていの場合、本に記述されている くためには、 こうした長期的な視野が極めて重要である 内容は、既に陳腐化されている場合もあり、且つ細部ま と考える。 また、 ある特定の学術分野で周囲にある程度 でこうした動向を理解できるような一般的な書物は殆ど 評価される結果を出すには、大抵の場合10年くらいは なく、 これは企業の研究開発の現場で仕事をしている かかる事も念頭に置かなければならないであろう。以下 人達と信頼関係を構築し、 そこから入手したほうがよい にどんなプロセスを経て、大学研究者における” 産学官 と考えるべきであろう。 連携の進化” がなされるか、記してみたい。 2.連携のステップ 1.交流のステップ 企業との共同研究も、単に対象物を評価・解析するよ もし産学官連携を志向するという意志が大学研究者 うな、企業での研究開発を側面から支援するような形 6 群馬大学の特許創出〜技術移転活動について 態や、共同で一つの技術を構築する連携関係、 さらに 学の中で産まれにくい。即ち、技術移転される発明を生 は、大学の研究成果を実用化する為に補足的に共同 じさせるには” ステップ2” を経る必要性がある。 研究をおこなう場合等、 いくつかのタイプがあるが、企業 からもたらされた対象物を評価・解析するようなタイプの リエゾン・コーディネートをする産学連携部署では、大 共同研究が企業の規模を問わず一番多い傾向があ 学の研究発表会等の企業向けのイベントの企画や、外 る。 しかしながら、 ある企業の研究開発を共同でおこな 部から技術相談を受けて教員に対応を調整すること う経験がなければ、大学研究者自身で、企業で使って や、共同研究プロジェクトの構築等をするが、 これらは もらえるような研究成果を生み出す事は非常に稀であ 必ずしも企業への貢献だけを意味しているものではな る。企業側は、相手を信用して研究費を大学に出して、 い。即ち、上述のステップに倣って、大学教員の産学官 共同開発をする訳であり、 そういった信用を獲得する為 連携活動の進化(深化) を促進する意味がある。 この には、企業での研究開発の考え方や大学とは全く異な ように産学官連携活動と知的財産の活動はそれぞれ る組織文化であることを大学側はよく理解をしなければ 密接不可分の関係にあり、完全に縦割りにしておこなう ならない。即ち、先に述べた” 交流のステップ” の存在が べきものではなく、 ある程度、 シームレスな関係構築が好 ここで述べるような関係を構築する上で非常に重要な ましいと思われる。少なくとも、個々の大学の産学官連 のは言うまでもない。 携の取組のグランドデザインの様なイメージがこの場合 あって、関係各位に共有化されないと、組織内部の混 3.技術移転のステップ 乱を招く可能性があることは容易に理解されうると思う。 大学での研究成果を利用した技術と言っても、既存 日本というのは所謂タテ社会であり、その構造の問 技術と比較し何らかの優位性がなければ企業側は見 題は、産学官連携そのものにも影響を及ぼしているが、 向きもしないであろう。 また、 どんなに既存技術に対して こうした社会構造そのものに起因する問題を解決する 優位性のある研究成果についての特許があったとして 方法論を見出せば、時間はかかるものの、産学官連携 も、企業側は、先ずはこれを回避して同じ効果が得られ は成熟しより今までよりもそれぞれのセクターが満足す る方法がないか、あるいは自前でこれと同等以上の技 る成果をいずれ得られると考える。 しかしながら拙速に 術を自前で開発できないかを考える。当然自社の開発 事を行うのは禁物であろう。何故なら、 日本のこうした組 コストや開発に要する時間から考えて、特許権者にお 織文化の中でいくつかの組織の統廃合を拙速におこな 金を払って、使わせてもらったほうが安いと判断されると い、組織自体の機能が低下した事例は枚挙にいとまが ころで、初めてその特許を活用することを考え始める。 ないからである。 特許ライセンスできる発明とは、少なくとも上述したような 条件を満たす必要がある。大抵の場合、企業との共同 研究をおこなう等の経験がなければ、 こうした発想は大 7 群馬大学TLOレポート① TLO活動報告 研究・産学連携戦略推進機構 特任教授 大澤 隆男 研究・知的財産戦略本部 群馬大学TLO長 群馬大学TLOが、経済産業省・文部科学省から、大 ものについて、研究者自らの発表やパネル展示等によっ 学内部TLOとして承認され、活動を開始して以来、早い て、企業の方々に新技術を紹介し、技術移転や共同研 もので4年と3ヶ月になります。多くの方々のご支援・ご協 究に結びつけるものです。新技術説明会や展示会には、 力をいただき、 この間の技術移転や共同研究の導入並 必要な技術を収集・発見しようと言う意識を持った企業の びに競争的資金の獲得が順調に推移しました。 これら 方々が多く参加するため、技術移転や共同研究に結び は、 TLO発足にあたり、文部科学省や経済産業省に伺 つく可能性が高いと考えています。主に以下の5つの説 う機会があり、 この際にいただいたアドバイスがTLOの 明会や相談会で大学の特許を紹介し、技術移転や共同 活動を進めていく上で有効であったためと認識していま 研究・成果有体物の販売に結びついています。 す。以下にこれらのアドバイスを含め、 この間の活動内容 ①JST共催首都圏北部四大学発新技術説明会 について報告致します。 JST (独立行政法人科学技術振興機構)が、国内の 各大学と共同主催で行う新技術説明会で、大学を中 1. 技術移転活動における留意点 心に年間30回以上の説明会が開催され、 1テーマあ 「技術移転を推進する上で重要なことは、成功してい たり平均70人が参加する説明会。 群馬大学からは、毎年5~6名の研究者の方々に発 る大学に学ぶこと」 という文部科学省からのアドバイスを 表を行っていただいています。 基に、実施許諾料収入で上位を占めていた、北海道大 ②首都圏北部4大学新技術説明キャラバン隊 学・岩手大学・大阪大学・京都大学・奈良先端科学技術 首都圏北部4大学連合によって、各大学の拠点地域 大学院大学を訪問・ヒアリングし、各大学の特徴を把握し で毎年3回程度開催される主に地域企業向けに開催 ました。 この結果、以下の3点が参考になりました。 される新技術説明会です。地域・企業の特質に合わ ①特許は点よりも線、線よりも面の方が強い。個々の特許 せた発表テーマを選定し、 テーマに相応しい特許や でなく群にして移転活動を行う。 研究テーマを紹介し地場の企業の方々との共同研究 ②企業との共同出願については、出願費用について企 や技術移転をはかるものです。 業と良く話し合うこと。 ③JST・群馬県共催新技術説明会 ③大学の財産は特許だけではない。成果有体物も大き 群馬県が、群馬県内の大学から研究テーマを募り、 な財産。 東京のJST本部で全国の企業に向けて研究内容を これらの教訓を基に、 その後の技術移転活動に反映 発信するイベントで、群馬大学から1~2名の研究者 させていただき、本学の成果に結びついています。 に発表を行っていただいています。 文部科学省・ヒアリングに伺った各大学関係者の方々 ④イノベーションジャパン に感謝致します。 日本最大の大学関連の新技術を紹介するイベントで、 研究者の成果に関するパネル展示や新技術説明が 2. 新技術紹介 行われます。 群馬大学の保有する特許の中から、主に単独出願の 8 群馬大学TLOレポート① ⑤大阪商工会議所商談会 討を行っていただき、調査結果を 『「技術戦略マップ」に 各大学のライフサイエンス系の特許を研究者自身に 基づく研究と特許に関する報告書』 として学内の研究者 よって製薬会社に紹介するものです。 の方々に配布し、研究の参考情報としてきました。 これまでに、 「ライフサイエンス分野」 「ナノテクノロジー 3. 群馬大学特許力調査 分野」 「環境分野」について調査を行い、今年度は「情 群馬大学の保有特許は出願中を含め、545件になり 報通信分野」 を対象として調査を行っています。少しでも 研究者の方々に参考になれば幸いです。 ます。 これらの特許が他の大学の特許に比べて強いの か弱いのか、 また社会動向と研究する技術の動向は合 致しているのか等を調査し、研究者の方々にフィードバッ 4. 成果 クすることは極めて重要だと考えています。 また、 これらの 特許実施料等は、TLO発足前に比べ、 3倍~5倍にま フィードバックを行うためには、公平・客観的な指標に基づ で伸びました。 また、特許を基にした共同研究や競争的 く調査が必要です。 そこで、以下を企画しました。 資金の獲得は、JSTやNEDOがテーマの採択にあたり、 ①経済産業省が毎年発行している、 「技術戦略マップ」 特許を重視する傾向が強化されたため、平成20年以降 に掲載されている重点8技術分野に関する国内外の技 大きく増えています。 術開発動向と本学の特許出願動向を比較する。 これらの成果は、群馬大学に優れた特許が豊富に ②出願特許の経過を調査することで特許の強み弱みを あったからこそ、実現出来たものです。研究者の方々に 把握する。 おかれましては、引き続き、特許創出活動にご協力を賜り ③これらを基にして研究者への提言を行う。 ますようよろしくお願い致します。 このため、内部の偏った見方で判断するので無く、外 部のシンクタンクによる客観的・中立的な立場で調査・検 9 群馬大学TLOレポート② 研究成果紹介、市場評価、 ニーズ把握に有効な展示会活動 研究・知的財産戦略本部 佐藤 和浩 群馬大学TLO 知的財産コーディネーター 1.展示会における技術移転活動 者と先 生 方 が 、直 接 、情 報を交 換 する機 会 では、共 群馬大学TLOでは、大学の知を社会に還元し、社 同研究や技術移転を効率よく行うことができます。 しか 会のニーズを大 学に取り込み、社 会 全 体の活 性 化を し、最近の商品や技術は、様々な分野が深く関係して 図ることに貢 献したいと考えております。そのために、 構築されており、その課題解決や性能向上には、幅広 大 学の先 生 方から生まれた研 究 成 果について、様々 い分野に跨った情報や知識を必要とする例が少なくあ な方法で技術移転活動を行っています。例えば、新技 りません。その点、展 示 会に参 加される方にとっては、 術説明会などでは、先生方に研究成果をプレゼンして 広 範 囲の技 術や商 品の情 報を一 堂に収 集でき、 イン 頂き、その後に企業の方々からの個別相談を行ってい ターネットや紙 面などの情 報と異なり、物の品 質、雰 囲 ます。その他にも、直接、企業への個別紹介や技術相 気、周りからの注目度などを直に把握できるというメリッ 談など様々な方法を活用しています。 トがあります。 その技術移転活動の一つに、産学官金連携などの展 さらに、説 明 員との 対 話 の中から、その 研 究 の 課 示 会で研 究 成 果を紹 介する機 会があります。展 示 会 題、公 称 値に隠れた実 力値、開 発 環 境、今 後の開 発 には、エネルギーやバイオなどのテーマを設定し、それ 計 画など、多くの非 公 開 情 報も収 集できます。その様 に関 係する技 術や商 品を一 堂に集めて展 示するもの な点から、学 会での情 報 収 集とは別に、広 範 囲な、 ま や、 イノベーションなどの広いテーマで展 示するものな たは、 より具 体 的な調 査を目的として展 示 会に参 加さ ど、様々なスタイルがあります。 れる方が多くいらっしゃいます。 大きな展示会、例えば、毎年開催されている「イノベー 一 方 、展 示 者 側 である私たちにとっては、研 究 成 ションジャパン-大 学 見 本 市 」では、昨 年の来 場 者 数 果を広く知って頂くことはもちろん、実 際に活 用される が28,000人を超え、展示ブースの数だけでも300を超 ユーザ側の評価を直接伺うことができます。実際、それ えています。群 馬 大 学TLOでは、それぞれの展 示 会 まで知り得なかった貴重な情報や、意外な評価結果を の主旨に合わせ、大 学が持つ研 究 成 果を選 択し、紹 数多く得ることができ、それを先生方にフィードバックで 介パネルを展 示しながら先 生 方の研 究 成 果を紹 介し きたことも少なくありません。 ています。 つまり、展示会は、単に研究成果を紹介する場では なく、今 後の研 究 開 発の方 向 性に影 響しかねない有 2.研究成果紹介、評価、ニーズを把握でき、さらな 効な情報を得られる貴重な場でもあります。 る研究活動に貢献できる展示会活動 学 会 活 動のように、専 門 家である企 業の研 究 開 発 10 群馬大学TLOレポート② 3 . 展 示 会 で は研 究 成 果 の 本 質を短 時 間 で わ かり 羅列ではなく、来場者の方と共通する部分を最大限に やすく説明することが必要 活用して説明するように心掛けています。例えば、数式 実際の展示会では、間取り一間程度の数百のブー 等で表された複 雑な現 象を、 日常目にする分かり易い スが立ち並ぶことも珍しくありません。そのため、参加さ 現象に置きかえて説明したり、来場者の方が属する分 れる企業の方でも、十分な時間をかけて各ブースの研 野での応用例を挙げて説 明したりします。それにより、 究 成 果を理 解できる方や、説 明 員に積 極 的に説 明を その現象の本質をわかって頂くとともに、その価値まで 求める方はほんの一 握りの方です。多くの参 加 者は、 も理解して頂けることもあります。 また、当然ですが、一 展 示 パネルの中のキーワードに注目しながら膨 大な 方的な紹介でなく、来場者からの質問についても対応 ブースを次から次 へと通り過ぎていきます。そのため、 できるように準 備し、お互いの情 報 交 換を効 果 的に行 素晴らしい情報がそこに展示されていても、折角の情 えるように努めています。このためには、私たち自身が 報収集の機会を逃してしまうことは少なくありません。そ 日々の業務を通して、技術の本質や背景を理解してお こで、展示者側の私たちは、興味のない方に無理やり くことが重要だと考えています。 説 明しないよう注 意しながら、できるだけ声をかけ、短 恵まれていることに、私たちTLOは、先生方の研究 時間で研究成果のポイントを紹介しています。 成 果を発 明として特 許出願する際に、学 内 審 議 会で 通り過ぎようとする方に、 「 技 術 内 容を簡 単に紹 介 先 生 方に代わりその発 明 内 容を説 明し、 さらに質 疑 いたしましょうか?」と声をかけても、直ぐに断る方がい 応 答に応える機 会があります。 この審 議 会で、発 明の らっしゃいます。 しかし、 ちょっと面倒だなと困ったような 本質を正しく説明するために、事前に、先生方からレク 顔をしながら、 または、表 情をほとんど変えずに説 明を チャーを受け、疑問点等についてもご教示頂きます。 ま 聞いて下さる方も結 構いらっしゃいます。説 明を聞い た、特 許出願 原 稿 作 成 段 階でも細 部にわたって内 容 て下さる方の中には、いくつかの技術を説明した後に、 を確認する機会があります。 もちろん、私たちは先生方 「えー、こんな技 術 があるんだ。面白いね。」と興 味を のように広範囲にわたり深いレベルで研究内容を把握 示して下さる方も多く、 「じゃ、 ここはどうなの?」、 「こうい することはできませんが、先生方の研究成果の本質を う技術はないの?」、 「性能をもう少し下げてもいいから 理解する上で貴重な機会となります。 コストを下げられない?」 「ここがこうなればこういうとこ 私たちTLOは、 このような機 会を活 用させて頂きな ろに使えるのに!」とそこから話が弾み、1 5 分 、3 0 分と がら、大学と社会のそれぞれがもつシーズとニーズ、あ 説明することも少なくありません。 るいは夢と現実の橋渡し役になりたいと考えています。 それには、先生方初め、社会の多くの方々の多大なご 4 . 要 領よく分 かりやす い 説 明を行うためには「 本 協力を得ながら、 日々精進していくつもりです。至らぬ点 質の理解」が必要 も多々あるかと思いますが、今後ともご指導・ご鞭撻の 展示会では、短時間で研究成果の本質が伝わるよ 程、宜しくお願い致します。 うにする必 要 があります。そのためには、専 門 用 語の 11 群馬大学TLOレポート③ 特許情報の活用と特許調査 研究・知的財産戦略本部 窪津 理人 群馬大学TLO 知的財産コーディネーター 1. 特許情報 点的に調べるポイントが、前者は主に技術内容、後者 特 許 出 願は、出 願 から1年6ヶ月が 経 過 すると公 は主に権利範囲と異なっております。 開 特 許 公 報の形で特 許 情 報として一 般に公 開され 発明と届出と評価 ます 。 この特 許 情 報は、基 礎 技 術から応 用 技 術 、 産 業 技 術から家 庭 用の技 術まで極めて広い範 囲を カバーする技術情報の宝庫であるとともに、出願人の 研究開発をほぼそのまま反映したものであることから、 「 技 術 情 報 」として、他に例を見ない貴 重な情 報 で す。 また、特許情報は、新しい技術である発明考案 を公 開する代 償として、一 定 期 間、特 許 権という独占 権の認められる範囲を示した「権利情報」であり、 さら に公 開によって補 償 金 請 求 権が生じるとともに、将 来 また、その他の調 査として、技 術 動 向や競 合 他 社 審査によって特許となる可能性のある技術についての の把 握、研 究 開 発テーマを絞 込むための「 技 術 動 向 「権利情報」でもあります。 従いまして、特許情報は、明確に意識されている方 調 査 」、 開 発を進める上で障 害となる特 許を無 効 は少ないと思いますが、最 新の「 技 術 情 報 」であると 化するため、あるいは公 開 段 階から他 社の権 利 化を 同 時に、権 利の範 囲を示 す「 権 利 情 報 」でもある二 阻止するための「公知例(無効資料)調査」、 さらに、 面性を持つ情報であるといえます。 他 社の公 開 ・ 登 録 特 許を定 期 的に監 視する「ウォチ ング調査」等があります。 2. 特許調査 特 許 調 査を行う際 、最も大 切なことは、何を目的と 特 許 調 査には、主に技 術 的な特 許 調 査と権 利 的 して調 査 するかを調 査 前に明 確しておくことであり、 な特 許 調 査 の2種 類に大 別 することができます 。前 これが明確でないと、調査対象の件数によっては、多 者が特 許出願 前に類 似した特 許が既に出願されて 大な調 査 工 数が発 生したり、有 効な結 果が得られな いないか 確 認するため、関 連する技 術 分 野における い場合があります。 先 行する技 術を調 査する「 先 行 技 術 調 査 」です。 図 は、本 学における発 明 の 届 出と評 価について 後者は、実施するもしくは実施を予定する技術につい 示したものです。 発 明 届 が 提 出されましたら、その て、それが 他 者の特 許 権 等を侵 害していないかどう 後、知 財 委員会で発 明を大 学として承 継し出願する かを調 査する「 権 利 侵 害 調 査 」です。 それぞれ重 かどうか 審 議を行うため、技 術 内 容についてヒアリン 12 群馬大学TLOレポート③ グを行い、その結 果をもとにその発 明に関 連 する技 位等を図や表にあらわしたものです。 術 分 野でどのような先 行 技 術 があるのかを確 認し、 実 際、本 学の重 点 取り組み分 野については、将 来 新 規 性 や 進 歩 性 の 判 断をする「 先 行 技 術 調 査 」を 動向についても一定の予測をもって発明発掘等の知 行います。 的 財 産 活 動を行うため、必 要に応じて、その特 定 技 術分野における過去から現在に至るまでの技術動向 3. パテントマップ を調 査 分 析し、パテントマップを作 成し提 供 すること 前述の「技術動向調査」の調査結果をわかりやす を行っております。 くするため、調 査 結 果をまとめて、パテントマップを作 また、毎 年 、本 学の特 許について、特 許 調 査 会 社 成することがあります。 すなわち、蓄 積された膨 大 の協力を得て、 「特許調査報告書」としてまとめ、提供 な特 許 情 報をそのまま利 用することではなく、利 用目 しております。 図は、昨 年 度 、環 境 領 域 分 野( C O 2 的に応じて検 索・収 集・分 析し、図、 グラフ、表 等に加 固 定 化 、脱フロン対 策 、 3R、化 学 物 質 総 合 管 理 )に 工・整理することにより視覚的に受け入れやすいパテ ついて調 査した「「 技 術 戦 略マップ 2 0 1 0 」に基 づく ントマップを作成します。 研究と特許に関する報告書」の内容の一例です。 パテントマップには、多くの種 類がありますが、大 別 特許力総数を縦軸、特許力/件を横軸、及びバブル すれば 特 許 情 報を統 計 的に解 析した「 統 計 解 析 パ の大きさを出 願 件 数として、群 馬 大 学の特 許 力のポ テントマップ」と、内 容を解 析した「 内 容 解 析パテント ジションを可 視 化したマップを示しています。 なお、 マップ 」に分 類されます 。 「 統 計 解 析 パテントマッ 特 許 力とは出 願 から権 利 化までの審 査 経 過におい プ」は、書 誌 的データ (出願 番 号、出願日、I P C 等 ) を て、各 段 階にあるそれぞれの出願を “ 権 利 存 続中” を 加 工して、出 願 件 数 のランキング・推 移・シェアを統 最高点、 “ 審 査 せ ずに権 利 消 滅 ” を最 低 点として点 計 的に棒グラフ、バブルチャート、 レーダーチャートマ 数 付けを行い、加 算 算出したものであり、出願 人によ トリックス表 示 等に表したものです 。 一 方 、 「内容 る権利化意欲の高さを反映した指標です。 解 析パテントマップ」は、特 許 公 報の【 課 題 】、 【請求 このマップにより、群 馬 大 学 は、出 願 件 数 は 少ない 項 】、 【 要 約 】等の技 術や権 利 内 容について読み込 が、出願1件あたりの特許力が他大学に比べて高く、 み、分 類・整 理し、技 術の変 遷・発 展 、課 題 、構 成 部 効 率良く知 財 活 動を行っているとの評 価となっており ます。 このような本 学の特 許についての調 査 報 告 書が、 本学の研究者の方々に特許創出活動の参考情報と して活用されることを期待しております。 4. 最後に 今 後も、特 許 調 査による有 効 情 報の発 信・提 供を 継 続 するとともに、本 学TLO知 的 財 産コーディネー ターとしての役 割・使 命を常に意 識し、現 在 、何 が 最 も望まれているかを見極めつつ活動していきたいと考 えておりますので、 ご支 援・ご協 力の程よろしくお願い 致します。 13 研究者からの提言 医学・生命科学分野の基礎研究成果の 特許出願はどうあるべきか 群馬大学大学院医学系研究科 神経生理学 教授 平井 宏和 私が特許出願をはじめて行ったのは今から7~8 です。これに対し、研究者の場合は、自分が特許出 年前です。当時、私はJST所属の研究者で、自分の 願した、まだ原石である発見を、科研費等を使って 研究データを技術参事に見せて相談すると「特許に 応用研究を進めることができますし、その過程で得 なると思うので出願しましょう。」とすぐに言われ られたデータが実用化とは直接関係のない結果で ました。その後も3~4件の特許出願をしました あっても論文にまとめることで成果を得ることがで が、どれもフリーパスで出願が決まったような印象 きます。しかも自分の発見に基づく研究であれば研 でした。出願した特許はどれも臨床応用されれば役 究者はモチベーションを高く保つことができます。 立つ可能性があると思いましたが、現在まで一件も 医学・生命科学研究分野の基礎研究成果を実際に 実用化されたものはありません。 患者に応用するには、具体的に応用を見据えたトラ ここ数年は予算の問題だと思いますが、特許出 ンスレーショナルリサーチが不可欠ですが、特許出 願を支援するJSTの審査が急に厳しくなってきまし 願される発明の多くはトランスレーショナルリサー た。研究者は、将来役立つことを考えていると本当 チに移行できるよりずっと前の段階にあり、臨床応 に優れた研究ができなくなる、という意見をよく耳 用ははるか先です。医学・生命科学研究分野の成果 にします。そのとおりかもしれません。しかし、特 を特許出願する場合は、その後も自分自身で臨床応 許出願する場合は実用化の手前まで研究者自身が研 用に向けて研究を進める熱意がある課題でないと時 究を続ける意思があるものでないと、大学が企業に 間と費用をかけてわざわざ出願する価値は、よほど ライセンスできる可能性はきわめて低くなり、採算 の発見でないかぎり研究者にも大学にもない、と最 が全く取れなくなると感じています。多くの企業は 近考えるようになりました。逆に、自分でもそのよ 確実に利益を見込める特許でないと興味を示しませ うな視点で厳選して特許出願をすることで、その後 んが、大学からの出願の多くはすぐには実用化でき の応用研究へのモチベーションを高めることができ ないものばかりであり、企業側が実用化できるかど ると考えています。 うかを投資して見極めるにはリスクが高すぎるから 14 研究者からの提言 TLO -知的創造のコーディネーター そしてガーディアン- 群馬大学大学院工学研究科 環境プロセス工学専攻 教授 尾崎 純一 頭の片隅にあった小さなシミが全体へと急速に拡 呼ぼう。価値の転換は従来の考えの枠を破る力を持 散してくる。しかし、追えば逃げるし、不意にじゃ つ。そして、大学人は他者による突然の価値の創出 れて寄り添う。まるで猫のような気まぐれさを持っ に面食らってしまう。それは、筆者のみかもしれな たもの、それがアイディアである。アイディアを得 いが。 たとき、研究者は興奮を覚える。そして似たような TLOは知的創造のコーディネーターでありガー アイディアが、すでにあることを知った時、不快な ディアンである。探求的アイディアは、学問の世界 発汗を伴う別の興奮に苛まれる。大学人は、学問の で自己完結してしまう。そのアイディアに社会的な 探求において、こんな体験を日常的にしている。こ 価値を見出すことが役割の一と考える。一方、触発 れを探求的アイディアと名付けよう。研究者は、探 的アイディアは、異なる文化が遭遇を含むため危険 求型の思考プロセスを、あたかも息をするように推 が多い。そこには効果的な遭遇の場と妥協着地点の し進めていく。それは、その人が環境より獲得した 形成と提供を行うことが、その二、と思う。 第二の本能のごときものである。 群馬大学TLOは本学の知財創造コーディネーターと 複数の異なる知がぶつかったときに生じるアイ して活躍してきた。そして、平成24年度より自走す ディアもある。大学研究者と企業研究者の遭遇。一 ることになると聞く。本学には旧帝大とは異なる分 方にとっては「息をするように当然の」思考プロセ 野で存在感が求められる。群馬大学TLOには、自走 スが、もう一方の人間にとっては「コロンブスの 後もなお一層本学の知的創造のコーディネーターそ 卵」的に相手に興奮をもたらす。これにより、新 してガーディアンとして活躍いただくことを期待し しい知が創造される。これを触発的アイディアと て筆を擱く。 15 研究者からの提言 「特許」 「発明」 「大学での工学教育」雑感 くら あやう 学んで思わざればすなわち罔し。思うて学ばざればすなわち殆し。 群馬大学大学院工学研究科 電気電子工学専攻 教授 小林 春夫 特許、発明、大学での工学教育について、 日ごろ考えてい ること・調べたことを記します。 特許制度の理念 : 産業・技術の発展のため 特許制度は、発明の保護・利用を図ることで発明を奨励 し、産業発達へ寄与することが目的です。歴史を振り返る と世界最初の特許法は、1474年にヴェネチア共和国で成 立・施行された発明者条例で、同共和国の経済発展の一 因との歴史的評価もあります。 最初に開発することに価値あり 同時期に複数の研究グループが 相互交流なく独立に同じ ものを開発していることを経験します。社会需要・使用でき るテクノロジが共通なためでしょう。最初に開発できたことを 発表すると他のグループはすぐに達成できます。解法は知 らされなくても、 「 解がある」ことがわかるためと思います。 「倫理」と「特許」 特許は利益を伴いますので、技術者・研究者、経営者、大 学、企業、国は適正な倫理が必要と思います。 「商業と道徳とは、油と水のごとく相和せぬように思うのは あやまりである。いかに智識が発達し富が増進しても、道徳 を欠いては、決して世の中に立って大いに力を伸ばすこと はできない。」 (渋沢栄一) 「研究・技術戦略」と「特許」 インターネットの進展により特許検索から技術マップを作成し い技術動向を知り、次に狙う研究・技術戦略を練ることがで きます。 特許での「千三つの法則」 特許は質の高さとともに数を出すことが重要です。 「千個アイデアをだしてモノになるのは三つ。 どんどん新し いアイデアをだそう。」 (メーカー特許関係者) 特許は技術者の勲章 特許出願検索からその技術者・研究者の専門分野を知り 実力の一端を評価するということがなされます。 イノベーション「新しい社会を作る」 工学の面白さは「もの作り」 とともに「新しい社会作り」がで きることでしょう。蒸気機関の発明は交通機関を馬車から 鉄道へ変換し、社会を大きく変えました。 アインシュタインとエジソン 大学の工学部では、科学(真理追求、発見、 アインシュタイ ン的)と技術(実用・産業化、発明、エジソン的)の両方が必 要でしょう。 「大学の教育の価値は、事実を数多く学ぶこと ではない。 教科書からは学べないことを考えるよう、 頭を 鍛えることである。」 (アルバート・アインシュタイン) 自分の研究開発歴を振り返る 何年も研究開発の仕事をして過去を振り返りますと 「特許」 「論文」が後に残ると気が付きます。 「書きとどめよ! 議論したことは風の中に吹き飛ばしてはなら ない。」 (ガリレオ・ガリレイ) 大学での仕事を社会に広める 書き残しておけば社会でそれを継承できます。 「ほかの者 が彼の貢献を利用してくれるときのみ、成果を上げることが できる。」 (貢献のリレー、 ドラッカー) 学んで思う 技術分野はテキスト・論文・特許明細書から学ぶだけでな く、 自分で何かをやってみるとよくわかります。アイデアを出 し、 シミュレーション・実験し、その過程で考え特許、論文を 出します。 それを踏まえますと学生への良い講義になります。 忙中閑あり 研究開発には「動」 と 「静」が必要です。 動:情報を積極的に集めて分析する。 静:一切の情報を断ち、静かな時間をもって思索する。 忙しくても 「自分で考える」ことが重要です。 ベンチャー起業の精神 工学部の研究室での研究・技術で、 どんな産業が起こせ るか、産業界で活用してもらえるか、特許が取れるかを考 えるのは楽しいと思っています。 まとめ 特許は様々な側面から知的に面白く、関心を持ち続けてい ます。研究室では毎年数件ですが、産業界との共同研究 成果として特許出願を行ってきています。 16 研究者からの提言 特許出願を意識した学生指導の留意点 群馬大学大学院工学研究科 生産システム工学専攻 教授 黒田 真一 大学における特許出願は、企業との共同研究成果に る。 このことで学生が不利益を被ることは避けなくては よることが多い。 この場合、指導教員として一番注意を いけない。研究を遂行する過程で企業側の意識を確認 払うことは、秘密保持である。特許化するまでは口外し しつつ、必要があれば適切な時点で学生の担当内容 ないことを学生に強く認識させると同時に、学会発表や をコントロールしていくことは、共同研究に従事する指導 論文発表用には何をすればよいか等について見通しを 教員に求められる要件のひとつであろう。 立てて研究に着手しなくてはいけない。 私の場合は、研究専門分野の性格上、 このような管 当面は公表できそうにない研究は、学部学生や学位 理は比較的やりやすいのだと思う。材料のプロセッシン 論文に関係しない者を研究担当の主力すべきである。 グに関わる技術では、特許の骨格を成すところ (材料 つまり、学生のポジションと研究開発に必要な陣容を勘 の特殊性など)は抑えておく必要があるが、 ( 露骨に言 案して研究チームを編成する必要がある。 この際にマ わなければ)現象論的な部分は話しても差し支えない ンパワーが足りなくなる場合は、共同研究先の企業に 場合もある。要は、共同研究相手とのコミュニケーション 人員を要求するなど、研究の初期段階で、無理なく秘 の問題である。企業が秘密主義だとトラブルになり得る 密保持ができる体制をつくることが重要である。 が、そういった経験は私にはなかった。不幸にして強い しかし実際には、特許は出したが詳細をオープンにす 縛りを不本意に受けた場合には、企業側に縛りを緩める るには時期尚早で学術論文にはできないという事態も ように口添えしてくれるような機能を大学のTLOなどが 生じ得る。論文発表までの猶予期間の見込み違いであ 果たして下さると有り難いかも知れない。 17 研究・知的財産戦略本部提携弁理士寄稿 大学の特許の今後 特許業務法人 信友国際特許事務所 所長・弁理士 角田 芳末 大学の特許を扱っていて、感じることがある。言うまでも 私の事務所に特許出願を持ち込んでくる名物教授が なく、大学は発明を発信するが、 自ら実施しない。実施する いる。 ここではK大のS教授としておこう。 S教授は、 アイデ 場合には、発明者自らベンチャー企業を立ち上げるか、既 ア (発明)の泉のような人で、様々な技術分野の発明を行 にある外部企業に実施させるかのどちらかであろう。後者 い、 自ら企業巡りをしている。企業の数は半端ではない。そ は産学連携である。 れが、超一流企業ばかりである。人脈も相当なものだと思 企業の場合は、 自ら実施しない特許を取ることにも意味 う。そんなS教授の行動パターンを見て、 これが未来の大 がある。 なぜなら、実施しない特許であっても、実施する自 学教授のあり方かとも思った。 社技術を守るための他社攻撃用の武器として使える可能 国立大学法人という以上、そこで生まれた発明が企業 性があるからだ。 しかし、大学は、特許で他社を攻撃する 的な価値を生まないのは問題である。 もしかしたら、発明の ようなことを意図していないから、 どこかの企業を攻撃する 価値に気づく人がいないのかもしれない。大学の先生達も ために特許をとるのは不本意であろう。 そうであれば、産学 S教授のように、心当たりの企業巡りをして発明の価値に 連携のための特許取得ということにならざるを得ない。 気づいてもらうような努力をすべきではないか。 ダブルトラックのその後 太陽国際特許事務所 副所長・弁理士 加藤 和詳 特 許 が 有 効か 無 効かの判 断 が、特 許 庁の無 効 審 決の確定が、判決が確定した侵害訴訟の当事者には 判によるルートと裁 判 所の侵 害 訴 訟によるルートとの2 影 響を及ぼさないことが 規 定された。この規 定は、特 つのルートで行われ得るというダブルトラックについて前 許 権の侵 害 訴 訟の終 局 判 決 が 確 定した後に特 許の 回 説 明した。侵 害 訴 訟で特 許 が 有 効であると判 断さ 無効審決が確定したときは、訴訟の当事者であった者 れ、特許権者が勝訴して損害賠償金を獲得したにもか は、 この判 決に対する再 審の訴えにおいて、特 許の無 かわらず、その後 無 効 審 判で特 許が無 効にされると、 効審決が確定したことを主張することができないことを その特許権ははじめから存在しなかったものとみなされ 内容としている。 る。 このため、 ダブルトラックでは、裁判所で紛争が既に すなわち、侵 害を容 認する判 決の確 定 後に無 効 審 決着していたにも拘わらず、再審により紛争が蒸し返さ 決が確定しても、被告であった者は無効審決の確定と れ、損 害 賠 償 金を返 還しなければならないという問 題 いう事 実を主 張することができないことから、再 審の事 が発生し得る。 由がなくなり、再 審の請 求が棄 却される。 この結 果、特 平成の大改正とも言われる今回の特許法の改正に 許権者は、獲得した損害賠償金の返還をしなくても良く おいて、 ダブルトラックそのものについては特 段の改 正 なるのである。 はされなかったが、侵 害 訴 訟の判 決 確 定 後の無 効 審 18 研究・知的財産戦略本部提携弁理士寄稿 変貌する世界と産学連携への期待 西澤国際特許事務所 所長・弁理士 西澤 利夫 昨年(2011年)に中国で受理された特許出願は約 ます。 また、中国から世界各国への出願件数規模はま 5 2 万 件、実 用新 案 5 8 万 件、意 匠 5 2 万 件と、途 方もな だ大きくありません。 しかしながら、中国の国内出願人 い驚きの件数が示されております。中国の国内出願人 による件数規模の大きさは創意工夫の潜在的な国力 ( 企 業、研 究 機 関、大 学など)による出願 件 数は全 特 と、将 来における世 界 的にも強 大な知 財 支 配 力の予 許出願件数の約7~8割の、おおよそ35万件、実用新 兆が読みとれます。 案では9割以上を占めております。 中国のパワーに対し、競 争と協 力の戦 略を展 開す しかもその増加率も目を見張るばかりです。 ることが欠かせない日本の今後をどのように構想する 日本では、特許・実用新案の出願件数は、およそ30 か、その正念場にさしかかっていると言えましょうか。 万件で、国内企業等による出願はおよそ28万件程度 変貌する世界の内で、群馬大学の研究・知的財産 です。 しかも年々減少の傾向にあります。 によるリーダーシップと産業、地域社会との連携には大 もちろん、出願そのものには内容の質の問題があり きな期待が寄せられています。 米国特許法改正について 秀和特許事務所 弁理士 佐貫 伸一 2 0 1 1 年9月1 6日に改 正 米 国 特 許 法 が 成 立しまし るために、 日本の研究者も実験ノートに日付とサインを た。最 大のポイントは、長 年の懸 案であった先 発 明 主 記載し、厳密な管理が要求されるという負担もありまし 義から先願主義への転換です。先発明主義というの た。 さらに、先に出願しても、後から出願されて、先発明 は、先に発明した者が特許を取得できるという制度で を主張されることにより、権利が取れないというケースも あるのに対し、先願主義は、最初に出願した者が特許 ありました。 この改 正は、権 利の安 定 性および出願 人 を取得できるという制度です。 日本や欧州、中国などを の負担軽減という点で歓迎すべきものと存じます。ただ 含めた米国以外の国はもともと先願主義を採用してお し、発明者の認定などでいつ誰によって発明が完成さ りましたが、米国のみ、先発明主義を採用しておりまし れたかなどを証明するために、依然として、実験ノート た。先発明主義は最初に発明をした者が特許を取得 への日付とサインの記入は行った方がよいと考えられ できるという点で公平な制度と言えるのですが、同じ発 ます。なお、先 発 明 主 義から先 願 主 義 への転 換に関 明について誰が最初に発明したかという争いになった する条項の施行は2013年3月16日以降の出願から適 際には、 インターフェアレンスという手続が必要で、 この 用されますので、あと1年少しの間は依然として、先発 手続に数百万~一千万円以上の費用がかかっており 明主義が適用されますことにご注意ください。 ました。 また、米 国 特 許出願について発 明日を証 明す 19 研究・知的財産戦略本部提携弁理士寄稿 実験成績証明書について 須田特許事務所 所長・弁理士 須田 正義 今回は、新 規 性、進歩性欠如の拒絶理由通 知を受 出願人が意見書、実験成績証明書により、反論、釈明 けた際に提 出 する実 験 成 績 証 明 書について述 べま し、上 記 審 査 官の心 証を真 偽 不 明になる程 度まで否 す。化学分野の出願では、公知発明との差異を明確に 定できた場合には拒絶理由は解消されます。上記「同 するために、或いは特 許 請 求の範 囲における数 値 範 一でないこと」は、化 学 分 野の出願の場 合、引用発 明 囲の意 義を明 確にするために、出願当初の明 細 書に との差を物 性 値で評 価することにより、類 似の化 学 構 十分な数の実施例、比較例及び比較結果を記載して 造 式であっても、発 明の効 果が異なることを実 験 成 績 おくことが理 想です。 しかし現 実には少ない実 施 例 及 証明書で明らかにすることが必須です。 び 比 較 例で出願してしまい、上 記のような拒 絶 理 由通 ただし、特 許 請 求の範 囲に記 載した数 値 範 囲の意 知を受けることが良くあります。 義を明確にするために、出願後に実験成績証明書によ 審査官は、審査基準に基づき、請求項に係る発明が り実 験データを補 足しても、平 成 1 7 年 ( 行ケ) 第 1 0 0 4 2 新規性を有しないと、一応の合理的な疑いを抱いた場 号 知 財 高 裁の「 偏 光フィルム事 件 」のサポート要 件 欠 合には、例えば、請求項に係る物と引用発 明に係る物 如の判 例により証 明 書は参 酌されないことに留 意して とが同一でないことを実 験 成 績 証 明 書によって明らか おく必要があります。 にすべきであるとの見解を示す場合があります。そして 提携弁理士の方々の分野別分担 群馬大学 TLO は、大学から創出される多岐にわたる発明に対応するために、5つの弁理士事務所と提携し、 分野別に特許に関する技術相談や出願依頼を行っています。 各事務所の主な分野と分担を下図に示します。 (群馬大学 TLO 長 大澤 隆男) 20 群馬大学の特許紹介 群馬大学の特許登録状況について 研究・知的財産戦略本部 鯉淵 潤子 群馬大学TLO 知的財産コーディネーター 大学の知的財産である研究の成果が、特許として登録されています。平成23年1月から12月の登録は、国内29件、海 外4件でした。 これらの発明について概要を紹介します。 ●「撮影装置及び撮影方法」 特許第4660777号(平成23年1月14日登録) 発明者 : 太田直哉教授(工学研究科) マルチスペクトルカメラは通常のよりバンド幅の狭い光学フィルタを使用している。本発明によれば、 バンドフィルタを通過し た光により得られる画像データと、各バンドフィルタから反射された光により得られる画像データ及び複数の係数から得ら れる所望のバンドに対応する画像データとが合成され、明るい画像を得ることができる。 ●「電気二重層キャパシタ用炭素材と製造方法」 特許第4667215号(平成23年1月21日登録) 発明者 : 宝田恭之教授、 小川由起子産学連携研究員ら (工学研究科) 、 関西熱化学株式会社との共同発明 比較的安価な石炭を原料とし、溶剤抽出という簡便で低コストな処理により得られる抽出物を不活性雰囲気下で加熱 後、得られた固体残渣をアルカリ賦活することを特徴とする製造方法である。電気二重層キャパシタ用の電極材として、 大きな静電容量と低抵抗性を実現可能にする炭素材を提供する。 ●「固体電解コンデンサの電極接合方法およびその方法を使用して製造した固体電解コンデンサ」 特許第4697934号(平成23年3月11日登録) 発明者 : 荘司郁夫教授ら (工学研究科)、 日本カーリット株式会社との共同発明 誘電体皮膜が形成されたアルミニウム箔と、銅またはパラジウムメッキされた陽極端子とを直接重ね合わせた状態で、 超音波接合により直接接合する。固体電解コンデンサのさらなる小型化が可能であり、接合前の処理と接合後の加工も 不必要で、生産性の向上にもつながる。 ●「血糖値測定装置及び方法」 特許第4706028号(平成23年3月25日登録) 発明者 : 伊藤文武名誉教授、櫻井浩教授、古沢伸一准教授ら (工学研究科) グルコース濃度の特性波長が紫外領域に存在し、 その特性波長のスペクトラムはグルコース固有のものであり、 ピーク 位置及びピーク強度がグルコース濃度と相関を持つ点に着目した。無襲撃で精度良く血糖値を測定することができる。 ●「デオキシリボ核酸複合体を固定化したシリコーン構造体の製造方法」 特許第4729711号(平成23年4月28日登録) 発明者 : 槇靖幸助教、土橋敏明教授(工学研究科) 芳香族化合物吸着性を有するDNAと両親媒性分子とから形成される有機溶媒に可溶なDNA複合体を、力学的強 度と弾性とを備えたシリコーンの網状構造内に取り込んだことを特徴とする。芳香族化合物の選択的吸着性による環境 ホルモン等の有害物質の吸着や、 シリコーンの化学的安定性による医療目的での応用が考えられる。 ●「撮影装置」 特許第4729721号(平成23年4月28日登録) 21 群馬大学の特許紹介 発明者:太田直哉教授(工学研究科) スペクトル透過特性が異なる複数のフィルタを用いて被写体を撮影するマルチスペクトルカメラにおいて、単層又は小 数の光学膜が蒸着されたフィルタ用いることにより、 フィルタ製造時の歩留まりを改善する。 さらに各フィルタの透過光量が 多いため、明るい画像を撮影可能な装置を提供することができる。 ●「トリメチルシリル基を有するポルフィリン色素、及びそれを用いた光電変換素子ならびに色素増感太陽電池」 特許第4730951号(平成23年4月28日登録) 発明者 : 花屋実教授、松本英之名誉教授、久新荘一郎教授ら (工学研究科)、住友大阪セメント株式会社 との共同発明 本発明品は、広域の波長領域での吸収能を有する、新規かつ安価な色素体である。 ポルフィリン色素に極性基を導入 し、光電変換素子などを構成する金属酸化物半導体電極との吸着性を向上させるとともに、 トリメチルシリル基を導入す ることにより金属酸化物半導体電極に対する電子供与性を増大させるという効果がある。 ●「PF1022類の製造法」 特許第4734656号(平成23年5月13日登録) 発明者 : 山田圭一助教、奥浩之准教授、片貝良一名誉教授ら (工学研究科) 微生物由来天然ペプチドであるPF1022類は多剤耐性線虫に対して強力な抗線虫活性を示す。環状デプシペプチド を前駆体として合成し、 この前駆体をN-メチル化することにより、PF1022類の合成工程を簡便のものとし収率を大幅に 改善した。 ●「二ホウ化マグネシウムの製造方法」 特許第4752049号(平成23年6月3日登録) 発明者 : 櫻井浩教授、尾池弘美技術専門員ら (工学研究科) マグネシウムの蒸着源とホウ素の蒸着源と基板とを反応室内に配置し、 この反応室内でマグネシウムとホウ素とを同時 に蒸着することにより、100℃以下という比較的低温の基板上に二ホウ化マグネシウム薄膜を形成することが可能になる。 有機材料の上に二ホウ化マグネシウム薄膜を形成しても有機材料が融解することなく微細加工を行うことができ、半導体 装置等の集積回路へ組み込むことができる。 ●「光学素子、成形金型、光学素子の製造方法、マイクロ化学チップおよび分光分析装置」 特許第4756243号(平成23年6月10日登録) 発明者 : 早乙女康典元教授、伊藤直史准教授、山口一郎元教授ら (工学研究科)、東北大学、株式会社 BMGとの共同発明 本発明の金属ガラス製の光学素子は、耐熱性や耐食性に優れ、熱膨張率が小さいために環境の温度が変化しても 安定した光学特性を示す。金属ガラスの表面に、入射スポットを反射する微細凹凸構造を有する回折光学素子と、複数 の柱状突起を有する低反射または無反射光学素子とを設けたことを特徴としている。 ●「臭気物質分解用電極の製法およびそれを用いた臭気分解方法」 特許第4763266号(平成23年6月17日登録) 発明者 : 瀧上昭治准教授(機器分析センター)、松岡昭男准教授ら (工学研究科)、群馬県、 シンコー技研 株式会社との共同発明 針状電極を負電位、光触媒である酸化チタニウムを塗布した板状電極を正電位として直流高電圧を印加し、 プラズマ 放電を発生させるとともに電極間に発生する紫外線により光触媒を活性化する。 プラズマ放電と光触媒の酸化作用によ り臭気物質をより高効率に分解でき、小型かつ簡便な環境浄化用脱臭装置に応用できる。 ●「細胞培養用微粒子及びその製造方法並びにこの微粒子を用いた細胞培養方法」 特許第4764665号(平成23年6月17日登録) 発明者 : 土橋敏明教授ら (工学研究科)、高崎健康福祉大学との共同発明 22 群馬大学の特許紹介 本発明の細胞培養用微粒子は、内部にコラーゲン又は変性コラーゲンが封入されていて、 これを細胞培養担体として 用いて細胞を培養する。本方法により懸濁培養法において細胞を安定して培養することができる。 また、本発明の微粒子 は細胞培養後のトリプシン処理により容易に破壊されるため、 トリプシン処理後の培養細胞と微粒子との分離操作を必要 としないため、培養細胞の回収率が大幅に向上する。 ●「地下構造物用蓋体表面における摩擦係数測定装置及び使用方法」 特許第4783816号(平成23年7月15日登録) 発明者 : 松原雅昭教授(工学研究科)、長島鋳物株式会社との共同発明 本発明は実物の測定蓋体と実物の測定タイヤを昇降機構により相対的に接触、離間可能に配置し、測定タイヤが測 定蓋体の表面に設定された経路を周回させることにより実際の走行に近い条件を作りだしている。車両用タイヤに対する 地下構造物用蓋体表面の摩擦係数を、接地荷重及び摩擦力に基づいて正確に測定できる。 ●「含窒素廃棄物の乾式処理方法とそのための装置」 特許第4787966号(平成23年7月29日登録) 発明者 : 宝田恭之教授ら (工学研究科) 畜産廃棄物、下水汚泥などの含窒素廃棄物を熱分解し、熱分解により生成したガス成分をNi担持炭、Ni担持アルミ ナ、 およびリモナイトから選ばれる少なくとも1種の触媒に接触させる。 できるだけ低温で揮発性の窒素化合物を窒素ガス まで分解し、効率的にガスを無害化でき、悪臭も防止する。 ●「束化アクチンを用いたマイクロアクチュエータ」 特許第4799007号(平成23年8月12日登録) 発明者 : 小濱一弘名誉教授、石川良樹講師、中村彰男講師ら (医学系研究科)、須齋嵩客員教授(研究・ 知的財産戦略本部)、 (独)情報通信研究機構との共同発明 本発明はコロジオン溶液で処理した基板表面にミオシンが担持され、 その上に束化アクチンを積載されていることを特 徴とし、Caイオン濃度により動きを制御できるmotility assay系とマイクロアクチュエータを提供する。 ●「生分解性ポリマーの生分解性を喪失ののち、回復させる方法」 特許第4807613号(平成23年8月26日登録) 発明者 : 三友宏志名誉教授、 粕谷健一教授ら (工学研究科) ( 、独) 日本原子力研究開発機構との共同発明 生分解性材料にカルボン酸ビニルエステルをグラフト重合することにより、生分解性を低下又は喪失させる。使用後に 加水分解処理することにより生分解性が回復するため、微生物による分解が起こりやすい環境中での生分解性材料の 利用が可能になる。 ●「電気二重層キャパシタ用炭素材料及び該材料を用いた電気二重層キャパシタ」 特許第4815205号(平成23年9月2日登録) 発明者 : 大谷朝男名教授、 白石壮志准教授(工学研究科)、株式会社明電舎との共同発明 炭素細孔体とホウ素酸化物の混合物を、不活性雰囲気下で熱処理し得た炭素材料を用いることで、単位面積当たり の二重層容量を向上させた電気二重層キャパシタを製造することができる。 ●「有機ポリマー製モノリスキャピラリーカラム及びその製造方法」 特許第4836167号(平成23年10月7日登録) 発明者 : 角田欣一教授(工学研究科)、名古屋大学、 (独) 日本原子力研究開発機構との共同発明 Co-60γ線を用いた放射線共重合により、 2種類のモノマーをカラム管内で共重合させ、粒子径が小さく且つ単分散の モノリス (連続多孔質分離媒体) ゲルを有する有機ポリマー製モノリスキャピラリーカラムを開発した。本発明により、多様 な分離選択性と適応性を併せ持つカラムの創製が期待できる。 23 群馬大学の特許紹介 ●「N-アセチルトランスフェラーゼ2遺伝子の一塩基多型を検出するためのプライマーセット」 特許第4836168号(平成23年10月7日登録) 発明者 : 土橋邦生教授ら (医学系研究科) 結核治療薬・イソニアジドの代謝に関与するN-アセチルトランスフェラーゼ2遺伝子の9種類の一塩基多型を含む複数 のフラグメントを同時に増幅する、特定の10塩基以上連続した塩基配列を有するプライマーを含むプライマーセット及び、 その検出方法に関する発明。 ●「抗DNP抗体を用いたコレステロール結合剤」 特許第4854088号(平成23年11月4日登録) 発明者 : 竹内利行特任教授、保坂正博客員教授(生体調節研究所) 発明者らはジニトロフェニル基を認識する抗体(抗DNP抗体)が、 コレステロールに特異的に結合することを見出した。 そ の結合を用い、血液などを利用して細胞内コレステロールを簡便に検出し、分布を判定することができる。 ●「重金属成分を含有する処理対象物の処理及び該処理対象物からの重金属成分の回収方法」 特許第4861718号(平成23年11月11日登録) 発明者 : 板橋英之教授(工学研究科)、関東電化工業株式会社、株式会社正田商事との共同発明 重金属成分を含有する処理対象物と磁性粉を水中に分散させ、 この分散液から重金属成分を含有する微粒子及び 磁性粉を磁気的な力で分離する。 さらに分離した微粒子及び磁性粉を抽出剤水溶液に分散させ、重金属成分を微粒 子から抽出剤水溶液中に分離する工程を特徴とする。 ●「内部モデル制御装置および内部モデル制御方法」 特許第4863413号(平成23年11月18日登録) 発明者 : 橋本誠司准教授(工学研究科)、㈲テック・コンシェルジェ熊本との共同発明 内部モデル制御装置において、制御対象の出力とノミナル要素の出力の偏差を外乱オブザーバフィルタを介して制御 対象の入力側にフィードバックするようにした。本発明は高速・高応答・高性能が要求される位置制御系全般に適応する ことができる。 ●「レトロウイルス産生用ベクター」 特許第4867012号(平成23年11月25日登録) 発明者 : 原田彰宏客員教授、佐藤隆史准教授(生体調節研究所)、橋本由起子医員ら (附属病院) 本発明のベクターでは、 ピューロマイシン耐性遺伝子はプロモーターを有さず、両端にはloxP配列を持つ。ベクターを 培養細胞のゲノムに効率よく挿入し、 目的細胞内で発現している遺伝子のみを解析することができ、 ほぼ全ての培養細 胞に用いることが可能である。 ●「電気二重層キャパシタ用電極」 特許第4872061号(平成23年12月2日登録) 発明者 : 大谷朝男名誉教授、 白石壮志准教授(工学研究科) 有機溶媒に不溶な特定の炭素材料原料を、不活性な雰囲気下で加熱処理することにより、特徴的な周期構造を有 しかつ比表面積、特にミクロ孔容積比率が高い炭素材料に変換する。 この炭素材料は二重層容量が高い電気二重層 キャパシタ用電極として利用できる。 ●「抑制性ニューロン特異的にレポーター遺伝子を発現する非ヒト哺乳動物」 特許第4872072号(平成23年12月2日登録) 発明者 : 柳川右千夫教授(医学系研究科)、大学共同利用機関法人自然科学研究機構との共同発明 本発明は小胞型GABAトランスポーター (VGAT)遺伝子の約100kbpの5発現調節領域を含むDNA断片に、発現 可能に連結されたレポーター遺伝子を染色体に保持させた非ヒト哺乳動物であり、抑制性ニューロンを効率よく観察及 び解析することができる。 24 群馬大学の特許紹介 ●「水素吸蔵炭素材料」 特許第4890623号(平成23年12月22日登録) 発明者 : 尾崎純一教授(工学研究科)、北海道大学、 日清紡ホールディングス株式会社との共同発明 炭素材料が水素分子を吸着するのに適した細孔構造を持つこと、及び当該炭素材料の炭素表面において水素分子 の解離反応が効率よく起こることに注目し、全細孔容積と細孔のサイズ分布に特徴を持つ水素吸蔵能が向上した水素 吸蔵炭素材料を提供する。 ●「免疫細胞刺激活性を有する機能ペプチド」 米国特許 US/7893199(平成23年2月22日登録) 発明者 : 若松馨教授(工学研究科) ら 好中球等の免疫細胞刺激機能を有するペプチド配列を、限定分解酵素の切断予測および残基数の限定から予測す る方法を確立した。 さらに予測ペプチドを化学合成し、活性評価を行った。本発明のペプチドおよびその受容体・抗体は 免疫細胞が関与する疾患の治療、診断、予防に利用できる。 ●「荷電粒子線の照準位置決定装置、その使用方法、及び照準位置決定装置を用いた治療装置」 ドイツ特許 112007000128(平成23年5月19日登録) 米国特許 US/7952081(平成23年5月31日登録) 英国特許 GB/2449568(平成23年6月29日登録) 発明者 : 島田博文助教、遊佐顕助教、加藤弘之助教(重粒子線医学研究センター)、 中野隆史教授、岸章 治教授(医学系研究科)、佐藤拓講師、堀内康史助教(医学部附属病院) ら、 ( 独) 日本原子力研 究開発機構との共同発明 炭素イオンビーム等の荷電粒子線及び励起光を、被検体としての被検眼の眼底に照射して眼底画像を撮影すること により荷電粒子線の照準位置を決定し、決定された照準位置に治療用の荷電粒子線を照射する。本発明では、眼底な どの微小領域への高精度の荷電粒子線の照射が可能になる。 ●「トリフェニレン化合物、その製造方法、およびそれを用いた有機電界発光素子」 米国特許 US/8026663(平成23年9月27日登録) 発明者 : 松本英之名誉教授、久新荘一郎教授ら (工学研究科) 励起三重項エネルギーの大きい、 シリルエチニル基を有する新規なトリフェニレン化合物に関する発明。 本発明の化合物は 耐熱性、 耐光性が高く安定であり、 また有機溶媒に可溶であるため加工性が高く、 蛍光や燐光を発する性質を有する。 ●「液晶構造を有するゲルの製造方法及びこの方法で製造された液晶構造を有するゲル」 米国特許 US/8083967(平成23年12月27日登録) 発明者 : 土橋敏明教授、山本隆夫教授ら (工学研究科) 水溶性高分子自体がゲル化機能と液晶形成機能を併せ持ち、光学特性のある種々の水溶性高分子を主成分とする 水に不溶な液晶ゲルを提供する。発明品の液晶ゲルは、化学架橋剤と高分子の間の共有結合で形成されている。 群馬大学では、紹介したものの他にも特許を保有しています。 さらに、出願中の特許についても、積極的に権利化を目 指しています。 これらの特許が技術移転され実施されることが、大学の研究成果が社会に還元されることにつながると考 えられます。 群馬大学が保有する特許につきましては、群馬大学TLOまでお問い合わせください。 25 群馬大学の開放特許一覧 (平成24年3月現在) ナ ノ テ クノロ ジ ー・材 料 発明の名称 出願/公開/登録番号 要 約 整理番号 単一粒子光散乱法による微粒 子構造解析装置 特許第4054876号 (2003/12/1原出願) 液体中に懸濁したマイクロメートルサイズの微粒子の微 細構造を精確かつ容易に測定することのできる、単一粒 子光散乱法による微粒子構造解析装置を提供する。 知財 10 号 カードランからなる液晶ゲル 及びその製造方法 特許第4110255号 (2004/8/30原出願) カードラン分子自体がゲル化機能と液晶形成機能を併せ 持つとともに、人体に害を及ぼさず生分解性を有し、光学 的に複屈折率の勾配を有するカードランからなる液晶ゲ ルを製造する。 IP17-035 カードランからなる液晶ゲル の製造方法 特許第4238370号 (2005/9/20原出願) カードラン分子自体がゲル化機能と液晶形成機能を併せ持 つとともに、人体に害を及ぼさず生分解性を有し、光学的に 複屈折率の勾配を有するカードランからなる液晶ゲルを複 屈折率、透明性及びゲル強度の制御をして製造する。 IP17-002 デオキシリボ核酸複合体を固 定化したシリコーン構造体の 製造方法及び該方法により得 られたシリコーン構造体 特許第4729711号 (2006/7/6原出願) 芳香族化合物吸着性を有し、 かつ力学的強度と弾性とを 備えたDNA複合体を固定化したシリコーン構造体を大量 に製造することができる方法及び該方法により得られたシ リコーン構造体を提供する。 IP18-008 液晶構造を有するゲル及びそ の製造方法 特許第4604202号 (2004/8/30原出願) 核酸分子自体がゲル化機能と液晶形成機能を併せ持つ とともに、芳香族化合物吸着性と光学特性のある、核酸 IPF16-009JP を主成分とする水に不溶な液晶ゲルを安価に量産可能 に製造する。 再表2007/111232 水溶性高分子自体がゲル化機能と液晶形成機能を併せ 液晶構造を有するゲルの製造 方 法 及 び こ の 方 法 で 製 造 さ れ 米国公開US2009-0302271 持ち、光学特性のある種々の水溶性高分子を主成分とす (2006/3/24原出願) る水に不溶な液晶ゲルを製造する。 た液晶構造を有するゲル IPF18011JP,US 金属材料表面を高分子重合体 で被覆する方法及び高分子重 合体で被覆された金属材料 特許第4284415号 (2004/4/12原出願) 平板や、複雑な形状に組立て加工した後の金属材料で あっても、金属材料表面に均一に高分子重合体の被膜 を形成して金属材料に耐食性を与えることができる。 知財 5 号 カーボンナノ材料の製造方法 及び遠心溶融紡糸装置 特許第4552017号 米国特許US/7763228 (2004/8/11原出願) ポリマーブレンドであるコアシェル粒子が相分離を起こさな い温度条件で遠心溶融紡糸を行うことにより、 カーボンナ ノチューブやカーボンナノファイバ等のカーボンナノ材料 を効率良く製造することができる。 IPF16008JP,US 炭化ケイ素系ナノ繊維の製造 方法 特許第4552019号 (2005/2/8原出願) シリコンカーバイド系多孔質 体及びその製造方法 特許第4478797号 (2005/5/25原出願) 高い比表面積を有するシリコンカーバイド系多孔質体及 びその製造方法を提供する。 シリルエチニル基を有するト リフェニレン化合物及びその 製造方法 特許第3777428号 米国特許US8026623 (2004/10/5原出願) シリルエチニル基を有する新規なトリフェニレン化合物を IP16-024 提供する。 IPF16-018US シリル置換基を有する新規カ ルバゾール誘導体 特許第4257434号 (2005/10/25原出願) シリルフェニル基を有する新 規トリフェニレン誘導体 特許第4288356号 (2006/2/22原出願) 極めて細く, かつ長い炭化ケイ素系ナノ繊維を容易に, か つ確実に製造することができる炭化ケイ素系ナノ繊維の IPF17-004JP 製造方法を提供する。 シリル置換基を有する新規カルバゾール誘導体を提供する。 IP16-066 IP17-042 溶解性の低さや製膜性の悪さから素子中において十分 な効果が発揮できないトリフェニレン誘導体の欠点を改 良することで、有機電解発光素子の電子輸送層やホスト 材料などとして有用なシリルフェニル基を有する新規トリ フェニレン誘導体を提供する。 IP17-081 IP16-020 ポリアミド多孔質体及びその 製造方法並びにその使用方法 特許第4257430号 (2004/10/8原出願) 通気性と水浸透性を有する孔質体とそれを支持する多孔 質体からなる二層構造のポリアミド多孔質体を比較的短 時間に製造する。使用済みポリアミド多孔質体の再利用 が容易である。 高分子物質の示差走査熱量測 定データから該物質中の結晶 の結晶長分布を算出する方法 特許第4228080号 (2005/7/20原出願) 熱に敏感で繊細な高分子物質の構造や性質を反映した 結晶長分布を、 X線解析装置及び高純度の安息香酸を 用いることなく、 DSCデータに基づいて算出する。 26 IP17-025 群馬大学の開放特許一覧 (平成24年3月現在) ナ ノ テ クノロ ジ ー・材 料 発明の名称 出願/公開/登録番号 要 約 整理番号 含ケイ素置換基を導入した一重 項酸素発生剤 特許第4899065号 (2005/8/23原出願) 癌等の治療の可能性を持つ一重項酸素発生剤を提供 する。 IPF17-028JP 含ケイ素蛍光化合物および該化 合物を用いた蛍光標識剤 特開2008-115353 (2006/10/10原出願) 蛍光性有機化合物の吸収波長、蛍光波長を長波長化 し、 さらに蛍光量子収率を増大させるとともに、生体関連 分子などとの反応性も有する官能基を結合させた、新規 蛍光性物質を提供する。 IP18-059 新規な蛍光化合物及び蛍光標識剤 特許第4320404号 (2006/1/30原出願) タンパク質やペプチドなどの物質を蛍光標識するための蛍 光標識剤などとして有用な新規化合物を提供する。 IP17-059 PF1022類の製造法 特許第4734656号 (2007/3/30原出願) 環状オクタデプシペプチドPF1022類を効率よく合成する。 新規水溶性イリジウム錯体化合 物およびそれを用いた酸素濃度 測定試薬 特開2010-070494 (2008/9/18原出願) 本発明は、新規なイリジウム錯体およびそれを用いて酸 素濃度をリアルタイムで可視化し、定量することのできる 検出試薬を提供する。 新規化合物およびそれを含む酸 素濃度に依存して発光色が変化 する機能性プローブ 国際公開WO2010/044465 (2008/10/17原出願) 温度応答性デプシペプチドポリ マー 特許第4599567号 米国公開US20090275730 欧州公開EP1806377 (2004/10/20原出願) 乳酸残基を有するデプシペプチド 再表2008/023582 米国公開US20100099846 欧州公開EP2058324 (2006/8/24原出願) 温度応答性配列を含むデプシペ プチド構造と親水性高分子構造 からなるブロック共重合体 特開2009-102488 (2007/10/22原出願) デプシペプチドを構成成分として持つ新規な温度応答性 化合物を提供する。 非結晶性フィブロインフィルム 及びその製造方法 特開2009-280715 (2008/5/23原出願) 柔軟性と十分な強度を併せ持つ、新規な非結晶性フィブ ロインフィルムを提供する。 ポリ乳酸ステレオコンプレック ス結晶の製造方法、ポリ乳酸、 その成形体、合成繊維、多孔体 およびイオン伝導体 国際公開WO2011/030766 (2009/9/10原出願) 耐熱性に優れ、ステレオコンプレックス結晶を高率で含 有するポリ乳酸を効率よく製造しうるポリ乳酸ステレオコ IP20ンプレックス結晶の製造方法、 それにより得られた、 ステ レオコンプレックス結晶を高含有率で含む、耐熱性に優 066JP,US,EP れたポリ乳 酸 、及び 、耐 熱 性に優れた成 形 体 、合 成 繊 維、多孔体及びイオン伝導体を提供する。 超高分子量ポリエチレン製フィ ルムの製造方法 国際公開WO2010/101214 (2009/3/6原出願) 引張り破断強度および引き裂き強度が高く、均一性に優 IP20れた超高分子量ポリエチレン製フィルムを、安価かつ効 067JP,US,EP 率的に製造することが可能な方法を提供する。 ポリ乳酸微粒子の製造方法、ポ リ乳酸微粒子、並びにこれを用 いた結晶核剤及び成形体 国際公開WO2011/142283 (2010/5/10原出願) 粒径が小さく、 かつ、 ポリ−L−乳酸及びポリ−D−乳酸の ステレオコンプレックス晶を多く含むポリ乳酸の微粒子を 製造できるポリ乳酸微粒子の製造方法を提供する。 IP21-072 糖溶液からの発酵阻害物質の分 離方法 特開2011-078327 (2009/10/5原出願) リグノセルロースなど多糖類系バイオマスを加水分解して 得られる糖溶液など、発酵阻害物質を含む糖溶液から発 酵阻害物質を効率よく分離できる方法を提供する。 IP21-029 金属吸着材および金属の分離 方法 特開2011-183376 (2010/2/10原出願) 希少金属や有害金属などの金属を水溶性ポリマーによ り、効率よく吸収して回収する方法を提供する。 IP22-029 金属吸着材および金属の分離 方法 特開2011-236319 (2010/5/10原出願) 希少金属や有害金属などの金属をハイドロゲルにより、 効率よく吸収して回収する方法を提供する。 IP17-070 IP20-035 酸素濃度応答性りん光団とけい光団をリンカーで結合し IP20てなる化合物、およびそれを用いた機能性発光プローブ 034JP,US,EP を提供する。 デプシペプチドを構成成分として持つ新規な温度応答性 化合物を提供する。 IPF16020JP,US,EP 本発明の温度応答性デプシペプチド材料は、生体内で分 解吸収される組成物、土壌などの環境下で分解吸収され IPF18る組成物、細胞接着剤、薬物運搬体、創傷被覆材料、人 022JP,US,EP 工筋肉、 マイクロカプセル、バイオマシン、バイオセンサー、 分離膜、検査キットなどを構成するのに利用できる。 27 IP19-071 IP19-094 IP21-061 群馬大学の開放特許一覧 (平成24年3月現在) ナノテ クノロジー・ 材料 発明の名称 ラ イフサ イエンス 出願/公開/登録番号 要 約 整理番号 WO2011/142048 (2010/05/14原出願) 高 電 圧 充 電によって大きな容 量を発 現し得る、電 気 二 重層キャパシタ用炭素材料及びその製造方法並びに該 材料を用いた電気二重層キャパシタを提供する。高電圧 充電における電気二重層容量を向上し得る電気二重層 キャパシタ用炭素材料及びその製造方法並びに該材料 を用いた電気二重層キャパシタを提供する。 IP22-002 特開2010-229037 (2009/3/25原出願) マトリックスメタロプロテアーゼの発現に注目し、固形がん で解決しなければならない転移、浸潤、播種に対する、放 射線増感剤、遊走阻害を兼ねるがん治療剤、 がん転移予 防剤を提供する。 IP20-009 特開2010-280615 (2009/6/4原出願) 一酸化窒素(NO)および一酸化窒素合成酵素(NOS) の産生抑制活性を有する化合物を有効成分として含有 することを特徴とする放射線がん治療用の放射線増感 性遊走阻害剤を提供する。 IP20-008 5位置換ピリミジンデオキシ ヌクレオチド誘導体、および それを用いた核酸の合成法 特許第4119976号 (2003/2/7原出願) DNAチップによるDNA解析に必要な修飾DNA類の酵 素合成可能な5位置換シチジン誘導体、及びそれを用い た核酸の合成方法を提供できる。 7 新規核酸誘導体及びそれを用い たポリヌクレオチドの製造方法 特許第4621291号 (2005/7/27原出願) 添加剤を使用することなく、機能DNAを簡便に調整する ことができる。 IP17-083 新規ヌクレオシド誘導体、それ を含むポリヌクレオチド及びそ れを用いた塩基の識別方法 特開2010-222303 (2009/3/24原出願) 新たに合成したヌクレオシド誘導体は、塩基種類とメチル 化の有無によって蛍光強度が異なるため、蛍光強度を調 べることで塩基の種類とメチル化の有無を識別することが できる。 IP20-064 マクロファージ活性化剤並び にその製造方法及びスクリー ニング方法 特許第4224586号 米国特許US/7449301 (2004/4/28原出願) マクロファージを効率的に活性化することにより細胞性免 知財 13 号 疫を誘導できるため、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗癌剤等と IPF16-004US して有効使用できる。 CD47部分ペプチドと抗SH PS−1モノクローナル抗体 特許第3936673号 欧州公開EP1637598 (2003/6/2原出願) SHPS−1を介した細胞応答の機能に作用させることの できるCD47部分ペプチドと抗SHPS−1モノクロナール 抗体を提供する。 IP18030JP,EP コレステロール含有膜のコレ ステロール含量の測定方法 特許第4403278号 (2005/5/20原出願) アクリジンオレンジ又はDAMPの膜透過性を利用して生 体膜のコレステロール含量を測定する。細胞内小器官の 生体膜などのコレステロール含量を簡便に測定すること ができる。 IP17-078 コレステロール結合剤および コレステロール検出キット 特許第4355811号 (2006/6/9原出願) コレステロールを簡便かつ特異的に検出することができ る。特に細胞内コレステロールを簡便に検出可能で、白 血球などを利用して細胞内のコレステロール分布を判定でき るため、 高コレステロール血症などの検査に適している。 IP18-009 抗DNP抗体を用いたコレス テロール結合剤 特許第4854088号 (2007/8/21原出願) ジニトロフェニル基を認識する抗体(抗DNP抗体) をコレ ステロール結 合 剤として用い、抗DNP抗 体のコレステ ロール結合性を利用して細胞や組織中のコレステロール を検出するキットを提供する。 IP18-026 新規蛍光化合物およびそれを 用いた細胞内コレステロール の検出方法 特開2008-266192 (2007/4/19原出願) 細胞内コレステロールと同様の挙動を示す、細胞内コレ ステロールの検出などに有用な、新規な蛍光化合物を提 供する。 IP18-061 新規蛍光化合物およびそれを 用いた細胞内コレステロール の検出方法 特開2009-091287 (2007/10/5原出願) ケイ光染色や抗体染色よりも感度のよい、細胞内コレス テロールの検出などに有用な、新規な蛍光化合物を提供 する。 IP19-048 新規蛍光化合物およびそれを 用いた細胞内コレステロール の検出方法 特開2011-184374 (2010/3/9原出願) 細胞内コレステロールの検出などに有用な、新規な蛍光 化合物を提供する。特に本発明の化合物は吸収が可視 光領域にあるため、検出が容易である。 IP21-067 酸素濃度測定試薬および酸素 濃度測定方法 特開2008-281467 (2007/5/11原出願) 癌組織が低酸素濃度状態にあることを利用した癌組織 診断技術を提供する。 IP18-062 電気二重層キャパシタ用炭素 材料及びその製造方法並びに 該材料を用いた電気二重層 キャパシタ がん治療用の遊走阻害剤 がん治療用の遊走阻害剤 28 群馬大学の開放特許一覧 (平成24年3月現在) ラ イフサ イエンス 発明の名称 出願/公開/登録番号 要 約 整理番号 特開2010-044059 (2008/7/16原出願) 新規なイリジウム錯体及びそれを用いた酸素濃度検出試 薬を提供する。 IP21-022 特許第4706028号 (2005/9/6原出願) グルコース濃度の特性波長が紫外域の2つの波長に存 在することに着目し、精度良く血糖値を測定する。 両親媒性の高分子配位子に よって安定化された高分子錯 体および検査用組成物および 医薬組成物 特開2008-308423 (2007/6/13原出願) 金属原子を穏和な条件でも、迅速に簡便かつ安定に配 位させることができる、新規な生体材料としての高分子錯 体、およびこれを利用した医薬組成物を提供する。 微粒子及びその製造方法 特開2009-256324 (2008/3/27原出願) 生理活性物質含有微粒子を効率よく製造する。 熱帯熱マラリア原虫のエノ ラーゼ蛋白質の部分ペプチド の製造方法 特許第4568842号 米国特許US/7713926 タイ公開TH80751 インド出願1781/ CHENP/2007 (2004/9/28原出願) 特定のアミノ酸配列を有する熱帯熱マラリア原虫蛋白質 の部分ペプチドの新規な化学合成法、およびこれを利用 した医薬の製造法を提供する。 水油界面を利用した薬物−シ リカ封入体の製造法 特開2008-266157 (2007/4/17原出願) 穏和な条件で効率よく薬物のシリカ封入体を製造する方 法を提供する。 IP18-080 タンパク質−標的物質の結合 検出方法 特許第4631058号 (2006/3/9原出願) ゲル電気泳動の工程やメンブレンへのトランスファー工 程を含まないことによって、簡便かつ短時間に大量の検 査を高精度で行うことができ、 しかもPCBやダイオキシン 廃棄物の排出量も抑えることのできる、新しいタンパク質 −標的物質検出方法およびスクリーニング方法を提供す る。 IP17-077 本発明は、新規化合物、当該化合物を有効成分とする 細胞性粘菌分化誘導剤、腫瘍細胞増殖阻害剤および 糖代謝促進剤に関する。 IP20-039 新規錯体化合物、並びにそれ を用いた酸素濃度測定試薬お よび癌の診断薬 血糖値測定装置及び方法 新規DIF−1誘導体 特開2010-180160 (2009/2/5原出願) IPF17-025JP IP19-042 IP20-075 IPF16019JP,US,TH,IN 肥満及び糖尿病などの疾患の予防薬又は治療薬として IP16-078 有用な糖代謝促進剤を提供することを目的に、肥満及び IPF17-009US /又は糖尿病治療薬のスクリーニング方法を提供する。 糖代謝促進剤並びに肥満及び 糖尿病治療薬のスクリーニン グ方法 特許第4534039号 米国特許US/7846974 (2005/4/12原出願) 細胞性粘菌を利用した医薬候 補物質のスクリーニング法 特許第4452829号 (2005/6/7原出願) 細胞性粘菌の細胞分化誘導活性を指標にして医薬候 補物質を効率よくスクリーニングする。 IP16-079 抗腫瘍剤 特許第4496369号 (2005/8/2原出願) 細胞性粘菌から単離した化合物であるディクチオグルコ サミンを抗腫瘍剤として提供する。 IP17-018 抗腫瘍剤 特許第4389028号 (2006/1/31原出願) 細胞性粘菌から単離した化合物を抗腫瘍剤や細胞増殖 阻害剤として提供する。 IP17-060 タ ン パ ク 質 固 定 化 用 担 体 お よ 国際公開WO2010/050439 ポリヒスチジン含有タンパク質を担体上に効率よく固定 (2008/10/27原出願) 化する。 びその利用 rab8a遺伝子欠損マウス 特許第4374438号 (2005/9/9原出願) 栄養吸収障害性疾患のモデルマウスを提供する。 レトロウイルス産生用ベクター 特許第4867012号 (2007/3/22原出願) 目的の表現型に関与する遺伝子を効率よく同定するため のレトロウイルス産生用ベクターを提供する。 アシアロGM1発現細胞検出 試薬、これを用いた細胞検出 方法および細胞分類方法並び に老化測定方法 特許第4411438号 (2005/7/4原出願) ポリクローナル抗体を用いた、簡単にアシアロGM1を発 現する細胞を検出できる、新しいアシアロGM1発現細胞 検出試薬を提供する。 メチル−β−シクロデキストリ ンからなるインバリアントナ チュラルキラーT細胞除去剤 特開2009-011208 (2007/7/3原出願) リンパ球からインバリアントナチュラルキラーT細胞を選択 的に除去することができる。 29 IP20-027JP IP17-029 IP18-023 IP16-076 IP19-039 群馬大学の開放特許一覧 (平成24年3月現在) ラ イフサ イエンス 発明の名称 出願/公開/登録番号 要 約 S+L-CCC 細胞を用いたTNFα 活性測定方法、TNFα活性阻害 薬のスクリーニング方法、及び TNFα活性測定用キット 特許第4257428号 (2004/8/26原出願) 新規なTNFα活性測定方法、TNFα活性測定キット及び TNFα活性阻害剤を有する医薬のスクリーニング方法を 提供する。 免疫細胞刺激活性を有する機能 ペプチド 再表2008/038766 米国特許US/7893199 (2006/9/29原出願) 免疫細胞刺激機能を有するペプチドおよび免疫細胞が 関与する疾患もしくは状態の治療、診断および予防に利 用できる。 IPF18025JP,US 組換えミオシン 特許第4367825号 (2002/7/31原出願) アクトミオシン系の動きを電子部品として利用するための ミオシンの改良を行う方法を提供する。 IP17-005 内視鏡手術器具の洗浄装置 特許第4300294号 (2005/2/25原出願) 「固液」界面を形成する場合だけでなく、 「 固気」界面を形 成する場合でも、手術中および手術前後を問わずに簡単 に、かつ適切に、 しかも迅速に内視鏡手術器具をクリア アップすることができ、視野悪化による施術者のストレス を緩和させることをもできる、新しい内視鏡手術器具の洗 浄装置を提供する。 IP16-055 特許第4200220号 (2005/8/12原出願) 煩雑な操作を必要とせずに糸を簡便に保持および開放 することができ、持針器の振り角が小さくても、体内外を問 わず簡便で、迅速な器械結紮を行うことができる持針器 を提供する。 IP17-012 骨格筋検査用キット及び骨格筋 検査方法 特許第4150796号 (2005/3/14原出願) 骨格筋の萎縮の程度を正確に検査するためのキットを提 供する。 IP16-053 インターフェロンα/β受容体 誘導剤 特開2008-195690 (2007/2/15原出願) インターフェロンα/β受容体誘導剤を提供する。 温水循環式顕微培養チャンバー 特許第4117341号 (2002/6/27原出願) 細胞培養液の交換が簡便に行える新しい顕微培養チャ ンバーを提供する。 Gタンパク質共役型受容体G2A の作動薬、及びG2A活性調節 薬のスクリーニング方法 再表2006/137435 (2005/6/22原出願) G2Aの活性を調節する薬剤を取得し、医薬や食品などに 用いる。 IPF17-024JP 持針器 インスリン分泌促進剤 国際公開WO2010/044371 甘味受容体アゴニストを有効成分として用いたインスリン (2008/10/16原出願) 分泌促進剤を提供する。 整理番号 IP16-012 IP18-039 IP16-093 IP20-030JP パルス電圧方法を用いた荷電粒 国際公開WO2011/019036 パルス電圧を用いて、高速且つ安定的に荷電粒子ビーム (2009/8/11原出願) を取り出し、 さらに取り出された荷電粒子ビームの強度を 子ビームの取り出し方法 IP21均一にし、高精度な照射線量の制御を可能にする荷電 005JP,US,EP 粒子ビームの取り出し方法を提供する。 ビームの照射装置及びビーム照 国際公開WO2011/080942 従来にない極めて細いビーム径に成形できるとともに、高 (2009/12/28原出願) 精度にビーム径を制御し、 さらにビーム飛程及びビーム軌 射制御方法 道をも制御できるビーム照射装置及び、照射対象での照 射野の範囲を高精度で制御できるビーム照射制御方法 を提供する。 N−アセチルトランスフェラー ゼ2遺伝子の一塩基多型を検出 するためのプライマーセット 特許第4836168号 (2005/5/10原出願) NAT2遺伝子の9種類の一塩基多型を簡便・且つ効率 的に検出する。 目的遺伝子を脳で小脳プルキン エ細胞、脳幹および嗅球特異的 に過剰発現するトランスジェ ニック非ヒト哺乳動物 特開2011-254701 (2010/06/04原出願) 小脳プルキンエ細胞障害性疾患のモデル動物を作製する。 含ケイ素置換基を導入した化合 物、並びにそれを含む一重項酸 素発生剤及び癌治療薬 PCT/JP2011/069070 (2010/09/02原出願) 本発明は、ケイ素置換基を導入した化合物、及びそれを 含む一重項酸素発生剤及び癌治療薬に関するものであ る。光増感剤であるポルフィリン誘導体にケイ素置換基 を導入するとともにCOO-基を導入することで、一重項酸 素の発生効率や細胞への取り込み率を上昇させ、腫瘍 組織への蓄積性の向上も可能とした。 IP21-039 IP16-083 IP21-081 30 IP22-011 群馬大学の開放特許一覧 (平成24年3月現在) 発明の名称 ライフサイエンス 製造技術 出願/公開/登録番号 要 約 整理番号 バセドウ病の検査方法、バセド ウ病の予防薬または治療薬のス クリーニング方法、およびバセ ドウ病検査用キット 特願2010-266865 (2010/11/30原出願) バセドウ病の再発や再燃を簡便で効率よく検査すること のできる方法を提供する。 IP22-024 燃焼装置 特許第3989872号 (2003/05/13原出願) 燃料ガス、特に微粒子を含む液体燃料を含有する可燃 性液化ガスを長時間、安全に安定して燃焼させることが できるようにした燃焼装置を提供する。 材料試験法 特許第3944558号 米国特許US/6918304 ドイツ特許DE/60311818 (2003/11/11原出願) 被測定物に錘体を取り付けて、錘体に作用する慣性力と 錘体の変位とを測定することによって、力センサを用いず 11JP,US,EP に、被測定物の力学的特性を正確に測定評価できるよう にする。 積分比例系制御装置および積分 比例系制御方法 特許第3909528号 (2004/02/26原出願) 積分比例制御装置において、制御入力が大きくなって積 分要素が飽和動作したときの制御不能を防止し、 ワインド アップ現象を防止する。 14 位置制御装置および位置制御 方法 特許第3888555号 (2004/09/06原出願) 加速度制御系を用いないで構成を簡便にし、理想伝達ゲ インを1に近い伝達特性とし、 しかも速度センサや位置近 似微分の演算手段を必要とせず、位置情報のみを利用し た位置制御系を構成する。 知財 6 号 摩擦試験装置及び摩擦試験方法 特許第4200216号 (2004/5/18原出願) 力センサを用いずに摩擦に関する物理量を検出すること により、被測定物間の摩擦特性を示す摩擦力等の摩擦 に関する物理量を動的な状態でも正確に検出する。 知財 11 号 特許第4192245号 (2004/11/24原出願) 比表面積が大きく、約200℃になっても或いは各種の有 機溶媒に接触しても、微粒子の形状が容易に変形しない 異形高分子微粒子を提供する。 IP16-022 粒子集積構造体の製造方法 特許第4096102号 (2004/3/31原出願) 微粒子が二次元集積化されて、多層または単層の大面 積領域を持つ構造体を簡便に得ることができる。 IP16-026 二ホウ化マグネシウムの製造 方法 特許第4752049号 (2005/3/24原出願) 低温で二ホウ化マグネシウムを形成することにより、微細 加工を安定して行うことを可能にする二ホウ化マグネシウ ムの製造方法を提供する。 IP16-063 ばね型アクチュエータ及びその 製造方法 特許第4269058号 (2005/5/11原出願) 構 造が簡 単で小 型に構 成することができるばね型アク チュエータ、及びばね型アクチュエータを小型に製造し得 るばね型アクチュエータの製造方法。 IP16-088 オゾンガス含有製氷方法及び 装置 特許第4284417号 (2005/5/31原出願) オゾンガスを効率よく、高濃度でその氷塊に含有させるオ ゾン含有製氷方法及び装置。 IP17-007 鋳造における空洞欠陥の原因の 識別方法 特許第4905712号 (2007/8/21原出願) 非破壊で空洞欠陥を調べることが可能であり、 かつ空洞 欠陥の発生原因を識別することが可能である、鋳造にお ける空洞欠陥の原因の識別方法を提供する。 IP18-082 異形高分子微粒子の製造方法 8 噴流騒音防止方法および噴流ノ 国際公開WO2010/013499 噴流中に気流を噴射するために消費される気体量が低減 (2008/7/28原出願) できる噴流騒音防止方法および噴流ノズルの提供する。 ズル IP20-032JP かつ、計測可能 粒 径 計 測 装 置 、 及 び 粒 径 計 測 国際公開WO2011/045961 被計測粒子に非接触で粒径を計測でき、 (2009/10/16原出願) な粒径範囲の拡大が可能とされた粒径計測装置、及び 方法 粒径計測方法を提供する。 IP21-018JP エ ネルギ ー 金属の硬化処理方法 特開2011-202260 (2010/3/26原出願) 高品質でかつ容易に金属表面を硬化することのできる安 価な処理方法を提供する。 IP21-049 金属部材の接合方法 特開2011-200930 (2010/3/26原出願) 安価な方法で、低温かつ固相状態で金属同士を接合す る方法を提供する。 IP21-050 気体燃料インジェクタの瞬間流 量計測装置 特許第4078432号 燃料噴射システム、特に気体燃料インジェクタから噴射さ 米国特許US/7845216 れる気体燃料の各時刻における流量を計測する気体燃 IPF17ドイツ特許DE602006011599.7 料インジェクタの瞬間流量計測装置に関する。 011JP,US,DE (2005/3/29原出願) 31 群馬大学の開放特許一覧 (平成24年3月現在) エ ネルギ ー 発明の名称 出願/公開/登録番号 要 約 整理番号 気体燃料インジェクタの瞬間流 量計測方法 特開2009-14676 (2007/7/9原出願) 気体燃料インジェクタから噴射される気体燃料の瞬間流量 の計測誤差を減らし、実用化レベルまで向上させる。 IP19-041 金属担持担体を用いたバイオマス ガスのガス化方法及びシステム 特許第4221506号 (2005/5/25原出願) タールを分解可能な触媒を安価に調製するとともに、 この 触媒を用いてバイオマスをガス化するときに生成するター ルを効率良く分解・改質して、 H2、 CH4、 CO、 CO2等の 有益なガスを生成し、更に付加価値の高い金属粒子を副 産物として回収する。 IP16-050 特許第4872061号 (2005/5/20原出願) 二重層容量Cを高めることが出来る電気二重層キャパシ タ用電極を提供する。 IP17-006 特許第4644818号 (2006/9/5原出願) 貴金属を含まないため生産コストを押し上げず、 かつ環境 負荷を低減し、耐久性に優れ、 かつ二酸化チタン表面への 固定化に加熱処理過程の不要な太陽電池を提供する。 IP18-027 リチウム二次電池用負極及びそ 国際公開WO2011/058981 安価で環境負荷が小さく、理論容量の高いα−Fe2O3を (2009/11/16原出願) 活物質として使用する際に、集電体と電極層との高密着 の製造方法 性を持続し、サイクル特性の向上と高容量化の双方を同 時に達成し得る、 リチウム二次電池用負極及びその製造 方法を提供する。 IP21-034 特願2011-057528 (2011/03/16原出願) ギ酸を燃料に用いた燃料電池における、時間の経過に伴う 出力の低下を抑制することができる、燃料電池を提供する。 IP22-035 電場を用いた被処理水からのリ ンの除去方法 特許第3536092号 (2001/6/11原出願) 被処理水中のリン酸イオンを水に難溶性の塩にして沈殿 させることにより、処理操作が極めて簡単で、化学薬品を 添加せず、高効率でリンを除去することができる。 6 含窒素廃棄物の乾式処理方法と そのための装置 特許第4787966号 (2007/3/30原出願) できるだけ低温で揮発性の窒素化合物を窒素ガスまで分 解し、効率的にガスを無害化できる含窒素廃棄物の乾式 処理方法とそのための装置を提供する。 IP18-060 無電解Niめっき廃液中のNi の回収方法と低品位炭のガス化 方法 特開2008-248363 (2007/3/30原出願) ENP廃液からNiを有効な再利用が可能な形態で回収で き、 さらに、各種の有用な用途をもつNi担持炭を安価に、 Ni を再利用する形態で得ることができるENP廃液中のNiの 回収方法と低品位炭のガス化方法を提供する。 IP18-066 内部循環型流動床式低温接触ガ ス化炉装置とそれを用いた家畜 排せつ物のガス化分解処理方法 特開2009-138107 (2007/12/6原出願) 熱効率を大幅に向上させることができ、 コストが低減でき、 小型で運転が容易な内部循環型流動床式低温接触ガ ス化炉装置とそれを用いた家畜排せつ物のガス化分解 処理方法を提供する。 IP19-108 鶏糞を原料とした活性炭の製造 方法 特開2010-016278 (2008/11/11原出願) 鶏糞を原料として、細孔の発達が十分で比表面積の大き い活性炭を、簡易な設備で容易に、安価に製造する方法 を提供できる。 IP20-022 特開2010-240621 (2009/4/9原出願) 反応の際の炭素の析出を抑制することができ、寿命が長 い、触媒を提供する。 IP20-073 2,2,6,6-テトラメチル-4- オキ ソピペリジンの製造方法 特開2011-173842 (2010/2/25原出願) 廃 棄 物として処 理されている下 水 汚 泥から、医 薬 品や 殺虫剤、ポリマーの光安定剤などの中間体として有用な 2,2,6,6-テトラメチル-4-オキソピペリジンを簡便にかつ高 収率、高純度で製造する方法を提供する。 IP21-066 超高分子量ポリエチレン製多孔 化膜の製造方法および超高分子 量ポリエチレン製フィルムの製 造方法およびこれらの方法によ り得られた膜およびフィルム PCT/JP2011/069837 (2010/08/31原出願) 酸素透過性の高い超高分子量ポリエチレン製多孔化膜 を効率よく製造すること、および均一性およびガスバリア 性に優れた超高分子量ポリエチレン製フィルムを安価か つ効率的に製造する。 触媒及びその製造方法 特願2010-265612 (2010/11/29原出願) 反応の際の炭素の析出を抑制することができ、寿命が長 い、触媒を提供する。 IP22-025 特開2008-294207 (2007/5/24原出願) 確実に多値記録を行うことが可能な新規な相変化型の 不揮発性メモリ素子を提供する。 IP18-055 電気二重層キャパシタ用電極 色素増感太陽電池用色素及びこ の色素を用いた光電変換素子並 びに色素増感太陽電池 燃料電池 環境 触媒及びその製造方法 情報 通信 メモリ素子、メモリセル、及び メモリセルアレイ 32 IP22-009 群馬大学の開放特許一覧 (平成24年3月現在) 情報通信 発明の名称 出願/公開/登録番号 要 約 整理番号 メモリ素子、メモリセル、メモ リセルアレイ及び電子機器 特開2009-123847 (2007/11/13原出願) メモリ層の抵抗値を正確に制御することにより、 信頼性の高いメ モリ素子、 メモリセル、 メモリセルアレイ、 及び電子機器を提供する。 IP19-063 監視システム、監視制御方法、 監視制御プログラム、及びネッ トワークシステム 特許第4314369号 (2004/4/6原出願) 従来、人間のコミュニティが有していた相互監視システム を、 コンピュータ技術を用いて、現代社会に合わせて強化し た形で再現することができる監視システムを提供する。 知財 3-2 監視カメラシステム及びその運 用方法 特開2010-118959 (2008/11/13原出願) 一般通行人のプライバシー侵害の危険性を大幅に低減で きる監視カメラシステムを提供することを目的とする。 IP20-026 特許第4729712号 歩留まりを悪化させることなく、明るい画面の画像を撮影 米国公開US2009-066801 することができるようにする。 (2005/1/14原出願) IPF17002JP,US 撮影装置 撮影装置及び撮影方法 特許第4660777号 (2006/2/8原出願) 画像が暗くならないようにした撮像装置を提供する。 IPF17-050JP 周波数測定装置及び周波数測定 方法 再表2007/119488 (2006/3/22原出願) 物体内部位計測システム、物体内 部位計測用演算装置、物体内部位 計測用プログラム及びそのプログ ラムを記録したコンピュータ読み 取り可能な記録媒体 特許第4512833号 米国特許US/7680623 (2004/12/21原出願) この物体内部位計測システムは、物体表面に密着させる 物体表面枠とX線フィルムを密着させるフィルム枠との2 つの枠を互いに離間して有する基準物体と演算装置を 備えて構成される。 顕微鏡観察再現方法、顕微鏡観 察再現装置、顕微鏡観察再現プ ログラムおよびその記録媒体 特許第3837577号 (2005/1/18原出願) 顕微鏡観察を再現する動画を表示させ、且つその動画上 の特定部位に関する噴出し説明を任意に自動表示させる ことのできる顕微鏡観察再現方法ならびにその装置、 プ ログラムおよび記録媒体を提供する。 IP17-017 多孔質半導体膜の形成方法、発 光素子、及び光学センサ 特許第4257431号 (2004/11/15原出願) 可視から紫外で発光が可能な多孔質半導体膜を、簡便 かつ再現性よく形成する多孔質半導体膜の形成方法を 提供する。本発明の方法で多孔質半導体膜が形成され た半導体基板を用いて、可視から紫外で発光が可能な 発光素子及びセンサを提供する。 IP16-033 サンプリング間隔を拡大させることなく、高精度かつ高分 IPF18-010JP 解能で周波数を測定することができるようにする。 IPF17001JP,US 多孔質シリコン膜及びその製造 方法並びに半導体発光素子 特許第4392505号 (2006/5/10原出願) 可視発光が可能で膜厚の均一な多孔質シリコン膜とこ の多孔質シリコン膜を簡便かつ再現性よく製造する製造 方法とを提供する。また、 この多孔質シリコン膜を用いた 高発光効率の半導体発光素子を提供する。 IP17-075 可変インダクタ 特許第4288353号 (2005/4/19原出願) インダクタの形状を変えることなく、 インダクタンス値を変 化させることが可能である可変インダクタを提供する。 IP16-074 スイッチング電源回路 特許第4644826号 (2006/4/21原出願) 低リップル電圧であり、かつ、負荷電流の変動に高速に IPF17-015JP 応答することができるようにする。 高精度マルチバンドパスΔΣ変 調器 特許第4538641号 米国特許US/7629911 (2006/8/1原出願) マルチビットDACを用いることに起因する非線形性ノイズ を減らし、ハードウェア量、消費電力の少ない高精度のΔΣ 変調器を得る。 IPF17052JP,US 複素バンドパスΔΣAD変調器 国際公開WO2010/101058 I及びQ経路間のミスマッチにより生じるイメージ成分の信 IP20(2009/3/4原出願) 及びデジタル無線受信機 号成分への影響を低消費電力で抑制できる複素バンド 057JP,US,EP パスΔΣAD変調器を提供する。 検索装置及びプログラム 特許第4547500号 (2006/7/21原出願) ユーザにとって分かりやすいクラスタにより検索結果を表 示することができるようにする。 IP17-094 特開2009-187305 (2008/2/6原出願) 携帯電話のような小さい表示画面に関連語の分類画面を表 示する場合でも、 ユーザにとっての使い勝手を向上させる。 IP19-100 分光反射率測定装置、及び分光 国際公開WO2011/060575 光源の分光エネルギー分布や、撮像装置の特性によらず (2010/5/11原出願) 反射率測定方法 測定対象物の分光反射率を測定することができ、 かつ、 コ ストの低減が図られた分光反射率測定装置、及び分光 反射率測定方法を提供する。 IP21-063 情報検索システム及び情報検索 装置 33 2011年度知的財産活動報告 2011年度知的財産活動報告 研究・知的財産戦略本部 群馬大学TLO長 大澤 隆男 2 0 1 1 年 度の群 馬 大 学の知 的 財 産について、下 表 のとおり暫定値を報告致します。 発明の届出件数は、昨年に続き今年度も約50件と減 少しました。これは、不 況の影 響により、共 同 研 究 先 が共同出願特許を厳選する傾向と、研究者の方々の 「量より質」であるとの認識に立たれた質の高い特許 に絞り込む動き、および 大 学の特 許 承 継 基 準の見 直 しによるものと見られます。 他方、実施料収入等は、 TLO発足前は年間200万 円未 満であったものが、昨 年に至っては1 , 0 0 0 万円を 超え、今年度についても若干低下したものの740万円 を確保できるようになりました。 これは、大学の先生方が世界初・該当分野初の魅 力的な研究と特許出願を行っていただいた財産が豊 富にあることと、企業の方々に対する積極的な働きか けによって、着 実に大 学の研 究 成 果を社 会に還 元出 来るようになったことによるものと考えています。 大学が特許を承継する基準は、社会貢献に結びつ くものであることは勿論ですが、研究者の方々が競争 的資金に応募するための手段として、特許出願するこ とを積極的に支援することも含まれています。 公 的 機 関が大 学 研 究 者に対して支 援を行う競 争 的資金は、金額が高いものは申請案件に特許がある か 否かを問われるようになって来ましたので、特 許は 技術移転や共同研究の導入のシーズとしてだけでな く、研 究 者の研 究 資 金を応 援 する重 要なツールにも なってきました。 群馬大学研究者の方々におかれましては、特許出 願を着 実に行っていただき、一 層の研 究の高 度 化や 社会貢献、将来の技術移転のために、 ご支援・ご協力 をよろしくお願い致します。 注 発明者への還元は、出願手数料等を控除した金額から所定の割合で分配 図 群馬大学 発明届出・出願件数推移 注 平成 23 年度は見込み 大学内部型の承認TLOとして群馬大学TLOが発足して以来、 4年3ヶ月が経過しました。 この間、経済産業省および文部科学省からの活動支援の補助金をいただいてきましたが、平成23年度 末をもって終了し、平成24年度から大学内部TLOとして自立化していくことになります。 自立化にあたりましては、大学の各関係者の絶大なご尽力とご支援により、現在の組織体制を基本と して活動を継続出来ることとなりました。関係者の方々に篤くお礼を申し上げます。 大学の研究を社会に還元することによって社会貢献を果たすためには、社会の動向や産業界の求 めるものにマッチした研究を行う必要があります。 これまで、群馬大学の特許を分析調査し、彼我との強 み・弱みを把握し、研究者の方々への情報提供を行ってきましたが、今後も様々な形で研究者の方々に 役にたつ情報を発信して参ります。 TLOのメンバー一同で一層努力して参りますので、研究者の方々におかれましては引き続き社会に 貢献する研究や特許の創出にご尽力・ご支援・ご協力下さるよう、 よろしくお願い致します。 (群馬大学TLO長 大澤 隆男) 34 平成23年度 群馬大学研究・知的財産戦略本部運営組織 ○知的財産評価委員会 知的財産戦略室長(委員長) 伊藤 正実 共同研究イノベーションセンター長 篠塚 和夫 事務局長 中島 節夫 知的財産マネージャー 大澤 隆男 知的財産コーディネーター 佐藤 和浩 窪津 理人 鯉淵 潤子 ○知的財産戦略室スタッフ 室長・教授 事務員 伊藤正実 清水聡子 桐生ブランチ TEL. 0277-30-1181 [email protected] 桐生ブランチ TEL. 0277-30-1175 [email protected] * * * * * * * * ○群馬大学TLOスタッフ TLO長 兼 マネージャー コーディネーター 大澤隆男 佐藤和浩 桐生ブランチ TEL. 0277-30-1171 [email protected] 桐生ブランチ TEL. 0277-30-1172 [email protected] コーディネーター コーディネーター 窪津理人 鯉淵潤子 桐生ブランチ TEL. 0277-30-1173 [email protected] 昭和ブランチ TEL. 027-220-8113 [email protected] * * * * * * * * ○産学官連携スタッフ コーディネーター 事務員 塚田光芳 朝日文絵 桐生ブランチ TEL/FAX. 0277-30-1188 [email protected] 桐生ブランチ TEL. 0277-30-1183 [email protected] コーディネーター 事務員 桐生ブランチ TEL. 0277-30-1669 [email protected] 桐生ブランチ TEL. 0277-30-1669 [email protected] 事務員 事務員 平渡みゆき 石田悦子 桐生ブランチ TEL. 0277-30-1182 [email protected] 昭和ブランチ TEL. 027-220-8115 [email protected] 香月 光 伊藤志帆 33 研究・知的財産戦略本部オフィス (桐生ブランチ) 至渋川 群馬大学 荒牧キャンパス JR上越線 至渋川・ 至渋川 伊香保IC 桐生ブランチ 桐生が岡公園 国道 北小 西桐生駅 17 昭和 ブランチ 号 敷島公園 利根川 前橋ゴルフ場 群馬総社駅 関越自動車道 本部 至足利 桐生第一高 東小 至桐生市街 JR両毛線 至小山 至前橋 桐生駅 群馬大学医学部 至前橋IC 至新前橋 群馬大学 工学部 至前橋市街 群馬大学 研究・知的財産戦略本部 本 部 〒371−8510 群馬県前橋市荒牧町4−2 TEL.027−220−7542, 7543 FAX.027−220−7515 桐生ブランチ 〒376−8515 群馬県桐生市天神町1−5−1 TEL.0277−30−1171∼1176 FAX.0277−30−1178 昭和ブランチ 〒371−8511 群馬県前橋市昭和町3-39-22 TEL.027−220−8113 FAX.027−220−8114 ホームページ h t t p : // tl o . o p ri c .gunm a- u.ac.jp/ GRIP 知財ニュース 2012年号 2012年3月30日発行 編集・発行:群馬大学 研究・知的財産戦略本部 お問合せ先:〒376−8515 群馬県桐生市天神町1−5−1 TEL:0277−30−1171∼1176 FAX:0277−30−1178
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