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平成28年度全信協事業計画
課題解決力の強化による地方
Ⅰ
生・地域活性化を目指して
信用金庫をめぐる経営環境
わが国経済は、アベノミクスの推進による円安と株高が持続し、輸出型の大手企業を中心に
企業収益が堅調に推移し、外国人観光客の増加効果もあって、全体として緩やかな回復基調を
続けている。しかし、地域経済の担い手である中小企業の多くは、円安に伴う原材料価格の高
騰や人手不足等に苦しみ、価格転嫁が難しいことから一進一退の状況にあり、景況感の二極化
傾向が強まっている。
こうしたなか、昨年6月、政府は地方 生の深化によるローカル・アベノミクスの実現を図
るため、
「まち・ひと・しごと 生基本方針 2015」を閣議決定し、地域資源の活用、雇用機会
の
出等に向けた施策を
表するとともに、10月には「一億
活躍社会」の実現に向けて、
新しい「3本の矢」、すなわち「強い経済」、
「子育て支援」
、「社会保障」の3つの
野に重点
的に取り組むこととした。
景気の先行きについては、アメリカの金利引き上げ、中国をはじめとする新興国経済の減
速、中東情勢の緊迫化などから不透明感が強まっており、消費税率の再引き上げや環太平洋経
済連携協定(TPP)の動向など懸念材料も少なくない。
一方、金融面を見ると、平成 26年3月期に5年ぶりに増加に転じた全国信用金庫の中小企
業向け貸出が引き続き増加傾向にあるなど明るい兆しも見られるが、金利低下に伴う貸出金利
息の減少が続いている。さらに、日本銀行が年明け後の1月末に「マイナス金利付き量的・質
的金融緩和」の導入を決定し、これに伴う金融機関の貸出金利競争の一段の激化、収益の悪化
が懸念されている。このほかでは、地方銀行等の業務提携・経営統合の進展、決済業務を中心
に金融とITを融合した新たな金融サービス(フィンテック)の普及など、新たな変化も生じ
てきている。
また、制度・規制面では、コーポレートガバナンスの強化、自己資本比率規制等の金融規制
の強化、信用保証制度の見直し、
マイナンバー制度の導入などへの対応を求められてきている。
もとより信用金庫は協同組織の地域金融機関として、その 設以来、豊かで持続可能な地域
(1 )
社会づくりを目指し、長期的な視点のもとで中小企業の育成と地域経済の発展に取り組んでき
たが、今年度はアベノミクスの経済政策、とりわけ、地方
生・地方版 合戦略の推進に呼応
して、業界が従来から取り組んでいる「地域活性化しんきん運動」の推進に一段と注力し、地
域における課題解決力の一層の強化に努めることが何よりも肝要である。
Ⅱ
業界の重要課題
. 地方 生・地域活性化に向けた取組みの深化
⑴ 地域の課題解決を図るための取組みの強化
政府は、
「日本再興戦略」や「まち・ひと・しごと
生
合戦略」などに基づき、地域経済
の活性化や中小企業の成長支援を目指した諸施策に注力しており、信用金庫は、こうした政
府の施策に呼応しながら、地域の課題解決を通じて中小企業の経営改善・成長等に貢献する
ことが強く期待されている。
⑵ 地方 共団体、中小企業関係機関及び外部専門家との連携強化
信用金庫が地方 生・地域活性化に取り組むためには、地方 共団体、商工会議所・商工
会、中小企業基盤整備機構等の中小企業関係機関、弁護士・税理士・大学等の研究機関等の
外部専門家との連携を強化し、
「つなぐ力」を十
に発揮する必要がある。
⑶ 新たな資金需要の 造に向けた広域連携の推進
信用金庫には地域の人口や産業構造等を調査・ 析したうえで、地域経済活性化に資する
多様な提案を行うことが求められている。このため、地産地消による地域の基盤強化を図る
とともに、地域を越えた広域連携を推進し、新たな資金需要の 造、地域の持続可能性の向
上に努めることが重要である。
. 中小企業の成長・発展・再生支援力の強化
⑴ 起業・ 業支援及び新成長 野への進出支援等の充実・強化
地方 生を実現するためには、地方に「しごと」をつくり、雇用を生み出すことにより、
人の流れを地方に還流させる必要がある。このため、起業・
業や新成長
野に関する知
識・情報・ノウハウの収集・蓄積に努め、常日頃から幅広いコンサルティング機能の強化を
図ることが重要である。
(2 )
⑵ 経営改善、事業再生、事業承継に関する取組みの支援
地域の活力を維持するには、地域に根ざしている中小企業の経営を持続可能なものとし、
地域の雇用・所得を守ることが重要である。少子高齢化の進行に伴う本格的な人口減少社会
の到来により、倒産よりも廃業が増加する傾向にあるため、信用金庫は取引先中小企業の経
営改善、事業再生、事業承継等に積極的に取り組む必要がある。
⑶ 地域・中小企業に関する各種 的支援制度の活用
国や地方 共団体等は、中小企業の起業・ 業、経営の効率化、ものづくり、販路拡大、
専門家の派遣等を支援するために、広範な補助金、 付金制度を設けている。信用金庫は、
これらの各種
的支援制度に関する情報の発信に努め、取引先に対し 付金等の活用を促す
必要がある。
. 環境変化に対応する経営管理態勢の構築、競争力の強化
⑴ 環境変化に対応する新たな金融サービス等の提供
地域金融機関としてのプレゼンスを高めるためには、刻々と変化する顧客を取り巻く環境
の変化を確実に捉え、一人ひとりの顧客ニーズに応じたきめ細かな金融サービスを適時適切
に提供するとともに、預貸金の増強に加え、預かり資産を含めた提案力の強化に努め、顧客
との関係性を深めていく必要がある。
なかでも保険販売業務は、信用金庫の経営理念である相互扶助との親和性もあり、安定的
な収益が期待できる預かり資産業務として発展を続けてきた。今後は会員を中心とする小規
模事業者の事業継続リスクへの備えや、地域で働く資産形成層向けの保険サービス等を含
め、幅広い保険商品の提案を行っていくことが期待される。
⑵ 法令等遵守態勢等の充実・強化
信用金庫が顧客からの信頼を一層高めるためにも、役職員が一体となって、法令等遵守態
勢・利用者保護態勢を絶えず確認し、充実・強化していくことが必要であり、法令等で求め
られる態勢整備、不祥事件の未然防止・早期発見、反社会的勢力の排除等に引き続き取り組
むことが重要である。
そのほか、高齢顧客に対する金融商品・サービス等の提供に際しては、適切かつ十 な説
明を行うとともに、本年4月1日から施行される障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、ユニ
(3 )
バーサルデザインの積極的採用をはじめ、障がい者に対する実質的な差別の解消に向けた具
体的な取組みをこれまで以上に推進することが求められている。
⑶ ガバナンス強化に向けた自主的な取組みの推進
信用金庫業界では、平成 27年4月に「
代会の機能向上策等に関する業界申し合わせ」
を改定し、 代定年制等の導入や職員外理事の登用、情報開示の充実をはじめとして、会員
の声を 代会等に反映させる仕組みの強化を図った。また、政府はコーポレートガバナンス
の強化を政策目標に掲げており、今後も上場企業を中心に一層の強化・充実に向けた動きが
活発化するものと予想される。
したがって、信用金庫としては、引き続き協同組織のガバナンスのあり方について
究
し、適切な情報開示と透明性の確保、さらには一層の信頼性向上に資する諸施策について前
向きに検討し、取り組んでいくことが肝要である。
⑷ 経済環境変化や国際的な潮流を踏まえたリスク管理態勢の強化
平成 26年3月期から適用が開始されているバーゼルⅢ(国内基準)への対応に取り組む
とともに、先行して適用されている国際統一基準の え方が、概ね国内基準にも準用される
傾向にあることから、信用リスク及びオペレーショナル・リスクに係る標準的な手法の見直
しなどの動向を注視し、早めの対応に努める。
また、アメリカの段階的な利上げに伴い、金利変動(上昇)リスクが高まることも予想さ
れるため、適切なストレステストを実施し、リスク管理態勢の強化を図る必要がある。
.
信用金庫ブランド」の確立とイメージアップ戦略の積極展開
⑴ 身近で信頼される地域金融機関としての「信用金庫ブランド」の確立
信用金庫ブランド」の確立を図るためには、信用金庫が地域に生まれ、地域とともに歩
む、地域の人々や中小企業のための「相互扶助」を経営理念とする協同組織金融機関である
ことを、あらゆる機会を捉えて発信・訴求していくことが重要である。
さらに“身近さ”や“親しみやすさ”を強調するとともに、地域の人々や中小企業に
Face to Face で接する、安心して頼れる街のパートナーとしての役割を訴求するため、信
用金庫のブランドイメージの一層の浸透にも注力する必要がある。
(4 )
⑵ 若年層の信用金庫の理解促進、イメージアップに向けた広報戦略の研究
新規の顧客層を開拓するうえで、若年層に向けた信用金庫の認知度向上と理解促進を図る
取組みが求められる。そこで、若年層が利用する主要なメディアであるスマートフォンを中
心としたインターネット広告の展開を中心に、イメージアップに向けた効果的な広報戦略の
研究、実践に努める。
また、信用金庫に対する理解促進を図るため、毎年6月 15日の「信用金庫の日」を中心
に、全国で地域の特色を生かした多彩な取組みを従来から展開してきているが、それらの活
動との相乗効果を図るため、今年度も業界統一広報事業を実施し、さらなる定着を目指す。
.
信用金庫人」の育成と多様な人材が活躍する職場環境づくり
⑴ 多様な人材が一層活躍することができる職場づくり
信用金庫業界の職員の年齢構成は、30歳代半ばから後半の男性職員が極端に少なくなっ
ており、管理職層の職員の不足やOJTの機能不全をもたらすなど、人事上の隘路として長
期にわたる影響が見込まれている。一方、回復基調にある雇用情勢の下で優秀な人材の確保
が一層難しくなっており、また少子化の進行は信用金庫の新卒採用の制約要因となることが
予想される。
こうした状況を踏まえると、男女、若手・中高年齢者、正規・非正規といった区
にとら
われることなく、すべての職員がその持てる能力を十 に発揮できる職場づくりに努めるこ
とが必要である。
⑵ 次代を担う若手職員・管理職層の なるレベルアップ
信用金庫の最大の経営資源は人であり、地域・お客様とともに成長・発展を遂げるために
は、次代を担う若手職員の成長・育成が必要不可欠である。そのためには、まず若手職員自
らが成長しようとする強い意思・意欲を持つことが大切であり、同時に若手職員の成長・育
成に責任を持つ管理職層が部下育成力の向上に取り組むことが重要である。
⑶ 地域の期待に応える「信用金庫人」の育成および職員の能力開発
信用金庫が地域で必要な役割を果たしていくためには「人づくり」が不可欠であり、金融
業務に関する専門性の向上をはじめとする能力開発はもとより、お客様や地域の発展のため
の意欲と情熱、そして 命感を持ち、自ら え行動することができる「信用金庫人」の育成
(5 )
に力を注ぐ必要がある。
⑷ 職員構成等の環境変化を踏まえた人事制度等の研究
人事制度は、一度構築すれば将来にわたって機能するものではなく、職員構成をはじめ信
用金庫を取り巻く内外の環境の変化に合わせて見直しを行わなければならない。既存の制度
等が新しい環境変化に耐えうるものかを常に検証しつつ、中長期的な視野に立って人事制度
等の着実な改善に努めることが重要である。
. 自主と協調による業界 合力の発揮
⑴ 業界を巡る諸政策の変 、制度改正等への適切な対応
郵政民営化、税制改正、信用補完制度の見直し、自己資本規制(バーゼルⅢ)の強化など、
信用金庫経営に多大な影響を与える経済・金融政策の変
、諸制度の改正等が相次いでい
る。これらに関する迅速な情報収集に努めるとともに、信用金庫の特性発揮、競争力強化に
つながる改正となるよう適切な要望活動に努めることが肝要である。
⑵ 東日本大震災被災地の復興への支援
東日本大震災の発生以後、東日本大震災義援金の取扱いなど、業界を挙げて被災地域の支
援活動に取り組んできた。今後も、東日本大震災事業者再生支援機構や「個人債務者の私的
整理に関するガイドライン」等の活用を通じ、適切な復興支援に努める必要がある。
⑶ システムの安全性向上と高度化・効率化の推進
顧客ニーズに対応した金融商品・金融サービスをタイムリーかつ安定的に提供するために
は、システムの安全性向上はもとより、
なる高度化・効率化を推進していく必要がある。
また、信用金庫業界におけるシステム投資に対する負担感は一段と強まっており、システム
コストの低減を図ることが競争力確保の観点から喫緊の経営課題である。
⑷ 大規模災害時等の相互支援体制の整備
大規模な自然災害等が発生した場合、地域や信用金庫の被災状況に応じて、業界として適
切に対応することが求められる。災害発生時における信用金庫の被害状況等を中央機関等が
迅速に情報共有する体制の構築に向け、引き続き検討する必要がある。
(6 )
⑸ 業界の協力体制の強化による 合力の発揮
経営資源が限られていることを 慮すると、個々の信用金庫にとって独自性や差別化を必
要としない業務・事務処理等については共同で行うなど、一層の合理化・効率化を図る必要
がある。また、同一県内や近隣の信用金庫が相互に協力して 合力を発揮することが肝要で
ある。
Ⅲ
全信協の重点事業
以上のような経営環境認識と業界の重要課題を踏まえ、地方 生・地域活性化と信用金庫の
経営管理態勢の強化を目指し、平成 28年度は、次の重点事業を積極的に推進する。
. 業界③か年計画に基づく中小企業の成長・発展、地域活性化の積極的な支援
⑴ 中小企業の事業性評価、課題解決等に関する情報提供
イ. 信用金庫に適した中小企業の事業性評価(様々なライフステージにある企業の事業の内
容や成長可能性などの適切な評価)の確立に資する情報提供に努める。
ロ. 目利き能力の向上やコンサルティング機能(事業承継、事業再生等の中小企業支援機
能)の強化に資する情報提供に努める。
⑵ 起業・ 業支援、新事業 野への進出等地域活性化に資する情報提供
イ. 起業・ 業に関する支援など、地域活性化の取組み事例等の情報提供に努める。
ロ. 農林水産業の成長産業化、6次産業化への取組みなど、新たな事業
野への進出等を支
援するための情報提供に努める。
⑶ 地方 生、地方版 合戦略に関する施策等の情報提供
イ. 地方 生に向けた諸施策に関する情報提供を行うとともに、諸施策に関する業界意見の
反映に努める。
ロ. 信金中央金庫「しんきん地方 生支援センター」との連携を一層強め、適切かつ迅速な
情報提供に努める。
(7 )
. 環境変化に対応する一層の独自性発揮、競争力の強化
⑴ 環境変化に対応した新たな金融サービス等に関する情報提供
イ. 金融商品・金融サービスに関する適切な情報提供に努める。
ロ. 決済業務高度化への対応等、新たな決済サービスに関する情報提供に努める。
ハ. 中小企業の業務リスクに係る課題解決のための情報提供や、資産形成層の顧客基盤拡充
に資する幅広な預かり資産関連の情報提供に努める。
⑵ 経営者保証に関するガイドライン等への適切な対応支援
イ. 経営者保証に関するガイドラインに係る情報提供等を通じて、信用金庫実務の態勢整備
を支援する。
ロ. 自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインに って、信用金庫の実務対応
を支援する。
⑶
しんきん知識の泉」の活用の促進
イ. 業界の中小企業支援力強化のために構築された情報還元ツール「しんきん知識の泉」の
運営を積極的に支援し、活用を促す。
⑷ 長期ビジョンを踏まえた信用金庫制度のあり方の 究
イ. 2025年信用金庫ビジョン「未来への挑戦」における検討を踏まえ、今後の信用金庫の
あり方について 究する。
ロ. 信用金庫の組織・ガバナンスのあり方について、コーポレートガバナンス・コード等も
参照しつつ、協同組織の特性を踏まえて検討する。
⑸ 顧客ニーズに応え、信頼性を高める業界独自商品の提供
イ. 顧客ニーズに応じた価格優位性のある、
かつ安定供給可能な保険商品の品揃え強化を図る。
ロ. 地域社会の伝統事業を守り育てることを念頭に、会員事業者の業務リスク等に備える補
償性商品の開発・提供を行う。
ハ. 業界の決済機能を活用した業界制度による商品・サービスの一体的な提供を推進し、顧
客利 の向上と囲い込みに寄与する。
(8 )
. 経営管理態勢の充実・強化の推進
⑴ 国際金融規制(バーゼル )の動向を踏まえた経営管理態勢の充実支援
イ. 信用リスクおよびオペレーショナル・リスクに係るバーゼルⅢ標準的手法等の見直しに
当たって、業界の特性に配慮した制度となるよう要望する。
ロ. 平成 28年4月期から実施される流動性モニタリングについて、適切な情報提供を行う。
⑵ リスク管理態勢強化に関する調査研究
イ. 金融行政方針等で求められているリスク管理態勢の強化に資する情報提供に努める。
ロ. 各種制度改正等に伴い発生する新たなリスク管理への対応等に関する情報提供に努める。
⑶ コーポレートガバナンスの向上と法令等遵守態勢等の充実・強化
イ.
代選任手続きの変 等に関する実務対応を支援する。
ロ. 信用金庫法、民法、マイナンバー法等の法令や監督指針等の改正に関する情報提供を行う。
ハ. 不祥事件の未然防止や早期発見のための態勢整備を支援する。
⑷ 金融犯罪防止や金融サービスの不正利用防止への対応支援
イ. サイバーセキュリティ強化に向けた態勢整備を支援するため、金融庁や関係機関と連携
し、業界横断的演習への協力やセキュリティ対策の向上等に資する情報提供を行う。
ロ. 犯罪収益移転防止法の再改正に関して、適切な情報提供を行う。
ハ. 反社会的勢力の排除等に向けて、金融庁・警察庁と連携し、適切な情報提供に努める。
⑸ 顧客からの相談・苦情等への適切な対応
イ. 顧客からの相談・苦情等に対し、信用金庫等と連携して適切に対応する。
ロ. 地区協会等主催の相談担当者向け研修会を支援し、担当者の資質向上に協力する。
ハ. 金融ADR制度を顧客に周知し利用を促す等、 争の早期解決を支援する。
. 諸規制、制度の改正、中小企業政策等への対応
⑴ 法令、監督指針、金融検査マニュアル等諸制度の改正への対応
イ. 法令、監督指針、金融検査マニュアル等の改正に関する情報提供を行う。
ロ. 金融監督・検査に係る改善等に関し、適切な要望活動を行う。
(9 )
⑵ 郵政民営化、税制改正、規制緩和等に関する業界の要望活動の推進
イ. 郵政民営化の進
状況を注視し、ゆうちょ銀行の肥大化阻止の要望活動を行うととも
に、地方 生に向けた提携等について検討する。
ロ. 信用金庫に対する税制上の軽減措置の維持等を要望する。特に、法人税の軽減税率につ
いては、基本税率の引下げと比例的な引下げの実現を引き続き要望する。
ハ. 信用金庫の社会的 命(地方 生、地域・中小企業に対する金融の円滑化等)を果たす
ことに資する税制措置について 究し、必要に応じてその 設等を要望する。
ニ. 実務上隘路となっている規制や制度の改善について、関係省庁等に要望し、その実現に
努める。
⑶ 信用保証制度のあり方を含む中小企業政策等への適切な対応
イ. 信用保証制度の見直しを検討している中小企業政策審議会・金融ワーキンググループ会
合で業界の意見を発信し、必要に応じて要望活動を行う。
ロ. 中小企業に関する各種 的支援制度に係る情報提供に努める。
ハ. 各種 的支援制度の 設・改善に関する要望活動に努める。
. 広報活動の積極的な推進
⑴ インターネット媒体への広告出稿等による若年層への訴求強化
イ. スマートフォンを中心とした広告出稿等を展開し、若年層とのコミュニケーションの深
化を図る。
ロ. ソーシャルメディアの活用等も含め、より適切な広告手法を検討・実施し、インター
ネット媒体を活用した広告展開のノウハウ蓄積を図る。
ハ. 信用金庫に対し、適宜、インターネット広告に関する最新の情報提供を行う。
⑵ イメージキャラクターの活用等による効果的な広報活動の展開
イ. 業界のイメージキャラクター(有村架純さんと石川遼選手)の役割を明確にし、メリハ
リの効いた効果的な広報活動を展開する。
ロ. テレビ、新聞等従来型の広告媒体と、インターネット広告や屋外広告等新 野の広告媒
体に関し、それぞれの特性に応じた有効活用を図る。
ハ. 信用金庫の存在意義や社会的 命・役割について、業界のホームページや機関紙・誌等
を活用して、引き続き周知を図る。
(10)
⑶ 地域活性化、社会貢献等の諸活動に関する情報発信の強化
イ. 業界の統一広報事業である「しんきん『地域応援』キャンペーン」や社会貢献賞等の対
外広報を通じて、顧客や地域からの信頼を盤石なものとする。
ロ. 地方
生・地域活性化や社会貢献への取組みに関する情報等について、業界のホーム
ページや機関紙・誌等に紹介し、情報発信力の強化を図る。
ハ. 課題解決型金融の推進、環境問題への取組み等について広報面での支援を強化する。
. 地域の期待に応える「信用金庫人」の育成と人事諸施策への対応
⑴ 若手職員の成長・活躍を支援する取組みの研究
イ. 若手職員の成長には、上司・管理職の積極的関与が不可欠であるため、これらの層の部
下育成力向上策について、理論と実践の両面から検討を行う。
ロ. メンタルヘルス不調の未然防止を目的に、ストレスコントロールを主眼とした方策につ
いて検討する。
⑵ 女性職員の活躍推進に関する取組み支援
イ. 経営者向けセミナーや研修等において、女性活躍推進等に関する意識啓発、情報提供を
行う。
ロ. 女性活躍推進法等にあわせて、平成 26年度に厚生労働省と作成した「見える化支援
ツール」の機能向上を図る。
⑶ 全国信用金庫研修所、通信講座の運営を通じた「信用金庫人」の育成、専門性の向上等へ
の支援
イ. 信用金庫の社会的 命・役割などの理念教育を徹底するとともに、コンプライアンス、
リスク管理、メンタルヘルスを含む管理者のマネジメント能力の向上に資するための講座
内容の充実を図る。
ロ. 女性職員の活躍推進および若手職員の早期戦力化、課題解決型金融の強化等に関する講
座の充実を図る。
ハ. 新成長 野への進出支援や各種法改正等への対応に関する講座を企画し、開催する。
ニ. 金融実務にも大きな影響を与える民法大改正に関し、平成 29年度以降の通信講座内容
の見直しと実務試験問題への反映等を検討する。
(11)
⑷ 労働法制の改正等を踏まえた対応への支援
イ. 労働基準法や育児・介護休業法の改正などにあわせて、信用金庫の人事部門に求められ
る体制整備について支援する。
ロ. 政府が打ち出す指針や労働政策審議会の動向等を注視し、信用金庫の人事部門に影響を
及ぼす事項について、適時適切に情報提供する。
ハ. 全国信用金庫連合企業年金への加入と活用を支援する。
⑸ 信用金庫の採用活動への支援
イ. 首都圏、近畿圏の主要な 合大学を中心に、信用金庫の社会的 命や仕事の魅力を学生
に伝えるために、引き続き業界研究セミナーを開催する。
. 業界 合力の発揮
⑴ 業界一体となった渉外力の発揮、結束力の強化
イ. 信用金庫制度に対する理解促進を強化し、各種要望活動の実現に努める。
ロ. 効果的な渉外活動の 究と展開に努める。
ハ. 渉外力強化の基盤づくりとして調査研究機能の強化に努める。
⑵ 業務、事務処理の共同化・標準化の検討
イ. 業務の共同化に関する事例の収集と発信に努める。
ロ. 業界システム組織等と連携し、業務・事務処理の標準化の推進に努める。
⑶ ポスト国際協同組合年への対応、協同組織間の連携
イ. IYC記念全国協議会の加盟団体との適切な連携に努める。
ロ. IYC記念全国協議会の活動を通じて、信用金庫制度の理解促進に努める。
⑷ 信金中央金庫、地区協会、システム組織、関連会社等との連携強化
イ. 信金中央金庫、地区協会、システム組織、関連会社等との連携を強化し、連帯と協調に
よる業界 合力の発揮に努める。
ロ. 協会事業の適切かつ効率的な運営に努める。
以 上
(12)