第6章 騒音・振動・悪臭

質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の
(参照:PRTR法は、有害性のある化学物質
促進に関する法律」)に基づく化学物質の排出
の環境への排出量等を把握することなどにより、
量等の届出制度が施行されました。対象となる
化学物質を取り扱う事業者の自主的な管理の改
事業者は、どのような化学物質を1年間にどれだ
善を促進し、化学物質による環境の保全上の支
け環境中へ排出したか、あるいは廃棄物として
障が生ずることを未然に防止することを目的と
移動させたかなどについて報告し、国はそれを
しています。なお、報告が義務付けられている
集計し公表しています。
化学物質は462種類です。)
第6章
1.
(1)
騒音・振動・悪臭
騒音・振動
1 ) 工場・事業所の騒音、振動
指定地域内において、特定施設(一定出
現況
騒音は、公害の中でもとりわけ日常生活と関
力を超える送風機、金属加工機など著しい
係が深く、その発生源は、工場・事業所・建設
騒音・振動を発する施設)を設置しようと
作業・飲食店などの深夜営業等の事業活動から
する者は、事前に市へ届け出ることを義務
発生するもの、自動車や鉄道などの交通手段か
付けています。
2 ) 建設作業の騒音、振動
ら発生するものなど多様です。
近年の騒音に関する苦情内容は、ほとんどが
指定地域内において、特定建設作業(く
騒音規制法の適用を受けない工場や事業所など
い打ち機等を使用する作業等著しい騒音・
の騒音に対する苦情でした。
振動を発生させる作業)を伴う建設工事を
実施しようとする者は、事前に市へ届け出
また、振動に関する苦情は、近年寄せられて
ることを義務付けています。
いません。
3 ) 自動車騒音常時監視
(2)
①
指定地域内において測定路線を選別し自
騒音・振動対策
動車騒音の測定を行っています。測定の結
法律による規制
騒音については、達成することが望ましい基
果、要請限度を超え、道路周辺の生活環境
準である「環境基準」と、遵守しなければなら
が著しく損なわれていると認められるとき
ない「規制基準」があります。また、振動につ
は、県公安委員会に対し、道路交通法の規
いては「規制基準」が定められています。
定による措置を要請します。平成25年度は
騒音、振動については、生活環境を保全する
県道小曽原武生線の測定を行いました。そ
必要があると認める地域(都市計画法で定める
の結果は、調査路線において環境基準達成
用途地域に準ずる。)を指定することにより、
率 が 昼 夜 と も 100% で し た 。 ( 資 料 編 表
地域内において騒音規制法および振動規制法に
3-6-40)
係る届出が必要な特定施設を有する工場・事業
②
所、ならびに届出が必要な特定建設作業につい
ては規制基準が適用されます。
条例による規制
県公害防止条例では、特定工場において発生
する騒音、飲食店営業、ボウリング場営業、カ
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ラオケボックス営業および車両洗浄装置営業に
が県公害防止条例で定める規制基準を満たして
おける深夜(午後11時から翌朝5時まで)の騒音
いました。また、アンモニアは覚書の基準値を
を規制しています。また、午後9時から翌朝8時
満たしていました。(資料編表3-6-31)
までの屋外における拡声器放送について、一部
(3)
の例外を除き禁止しています。
③
①
環境保全(公害防止)協定による規制
市では、協定を締結している事業場に対して、
悪臭に関する規制
法律による規制
悪臭については、住民の生活環境を保全する
法および条例の規制より、厳しい規制を行って
必要があると認める地域を指定し、(原則として
います。
都市計画法で定める用途地域に準ずる。)
市は
規制地域内にある全ての工場・事業所に、規制
2.
(1)
悪臭
基準を適用し指導しています。
②
現況
条例による規制
悪臭は、騒音・振動と同様に「感覚公害」と
県公害防止条例では、悪臭に係る特定施設を
言われ、臭覚を通して人に不快感を与えます。
定め、その使用方法や構造について、市へ届け
臭いの感じ方については、個人の嗜好性や心理
出ることを義務付けています。また、法による
状態、健康状態などによって差があり、臭気に
規制地域外であっても、特定施設設置工場・事
対する評価が異なるため、悪臭公害を複雑にし
業所に対しては規制を設けられています。
ています。近年は、規制地域外や、家庭での生
活そのものから苦情が発生することが少なくあ
環境保全(公害防止)協定による規制
市では、協定を締結している事業所に対して、
法および条例の規制より、厳しい規制を行って
りません。
平成25年度における悪臭に係る苦情件数は、4
件でした。ピークであった平成22年度と比較す
います。
また、平成18年4月に、環境審議会で「環境保
全協定モデル」が答申され、今後、進出する事
ると、16件減少しています。
(2)
③
業所だけではなく、今まで締結している企業に
調査
平成25年度は、1事業所の敷地境界線において
悪臭調査を実施しました。その結果、臭気指数
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対しても協定更新を促し、より規制の強化を図
っています。