大会報告書 - YNFP 横浜国立大学フォーミュラプロジェクト team

横浜国立大学フォーミュラプロジェクト
2006 第四回全日本学生フォーミュラ大会
参戦報告書
目次
1.はじめに
2.大会結果
∼総合、各種目順位、得点∼
3.大会参加車両の主要諸元・写真
4.大会概要
5.大会参戦記
6.メンバーの感想
∼リーダー、ドライバー、1年生代表∼
7.チーム体制
8.スポンサーの皆様
9.最後に
∼今後に向けて∼
1.はじめに
まず、私たちの活動を支援、応援していただき誠にありがとうございます。スポンサーの方々、先生方、協力して
くださる方々がいて下さったからこそ、この1年間やってこられたのだと、心から思います。
今期2006年度のリーダーを務めました、篤(アツシ)幸太郎と申します。以降、私の視点から大会に関しご報
告させていただきます。つたない文章ですが、自分なりの思いを書き込みました。よろしくお願いいたします。
2.大会結果
アクセラレーション部門 3位
ウェブサイト賞
総合 12位
3位
/50チーム
/50チーム
/50チーム
▲トロフィー
種目名
順位
得点/満点
タイム
合計
12
597.9/1000
-
コスト審査
24
54.1/100
-
プレゼンテーション
11
56/75
-
デザイン審査
18
109/150
-
アクセラレーション
3
70.53/75
4"717
スキッドパット
13
3.15/50
6"177
オートクロス
18
75.83/150
49"519
エンデュランス&燃費
13
229.71/400(合計)
22'06"557(補正済)
3.大会参加車両の主要諸元・写真
未乗車状態
カウル取り外し状態
▲実車写真
▲CAD による全体図
寸法・重量
フレーム
全長×全幅×全高
mm
2,750×1,120×1,150
ホイールベース
mm
1,530
トレッド
mm
1,100
最低地上高
mm
50
車両乾燥重量
kg
260
前後重量配分[非乗車時]
前:後
44:56 [40:60]
最小回転半径
m
4.5
様式
ねじり剛性
エンジン
動力伝達・走行装置
パイプフレーム
N・m/deg(kgf・m/deg)
663(67.6)
クラッシャブルゾーン
アルミハニカム積層材
エンジン
2005 年式 CBR600RR
最高出力
KW(ps)/rpm
55(76) / 10500
最大トルク
N・m(kg・m)/rpm
52(5.3) / 9500
燃料供給形式
電子制御燃料噴射式-ツインインジェクタ
駆動方式
プロペラシャフト
トランスミッション
6速シーケンシャルトランスミッション
変速機操作
ハンドボタンに連動しシリンダ作動
タイヤ/ホイール
スリックタイヤ/10inch マグネシウムホイール
サスペンション方式
ダブルウィッシュボーン/プルロッド
ブレーキ形式
油圧式アウトボードディスク
4.大会概要
<日時>
2006 9/13∼16
<大会会場>
ECOPA(小笠原総合運動公園) 静岡県袋井市愛野 2300-1
東第一、三駐車場、静岡アリーナ
▲ピット会場(東第一駐車場)
<競技概要>
全日本学生フォーミュラ大会(Formula SAE JAPAN)で行われる競技は大きく「静的競技」と「動的競技」に分ける
ことが出来ます。
「静的競技」とはマシンを走らせずに評価するものです。一方「動的競技」はその名の通り、製作したマシンを走
らせることで行う競技で、各競技の配点は以下のようになっています。
動的競技
静的競技
コスト審査
100 点
アクセラレーション
75 点
プレゼンテーション審査
75 点
スキッドパッド
50 点
デザイン審査
150 点
オートクロス
150 点
エンデュランス
350 点
燃費
50 点
合計・・・1000 点
コスト審査
どんな製作作業においてもコストが必ず考慮を要する重要な要素であることを学ぶため、また、参加者が購入した
部品の製造技術および製造過程を学ぶため、という2つの目的で行われます。
事前に作成・送付してある「コストレポート」記載の情報と、大会時の質疑応答によって採点されます。
プレゼンテーション審査
プレゼンテーションは、チームの開発能力および意見を述べる能力を評価するものです。
1ないし数名が製造業の重役に対し、そのチームのデザインが市場の需要に最もふさわしく、そして有利に製造で
きて売れるということを説明して納得させるという、総合的な場面を設定して行われます。
デザイン審査
デザイン審査は、技術的な努力がカーデザインに落とし込まれているか、どのように市場の意見を技術的に満たし
ているか、ということを評価するものです。これは事前に提出した「デザインレポート」
「スペックシート」および
当日の質疑応答、審査員による車両検査に基づいて採点されます。
アクセラレーション
アクセラレーションは平らな舗装路面における直線での加速性能を評価するものです。
2名のドライバーが2本づつ計4本、75m の距離をスタンディングスタートから加速してタイムを競います。
スキッドパッド
スキッドパッドは平らな路面に作られた一定半径の円を旋回し、車両のコーナリング性能を測るものです。
2名のドライバーが直径 15.25m の円を右回り左回りそれぞれ1本ずつ計4周走り、右回りで速かったほうのタイム、
左回りで速かったほうのタイムを平均したタイムで争われます。
オートクロス
オートクロスは他の競技車両の邪魔が入らない状態で、車両の扱いやすさと厳しいコースでのハンドリング性を評
価するものです。
2名のドライバーが2周ずつ計4周、様々なコーナーが設けられたコースを走り、各チームの一番速かったラップ
タイムで競います。
エンデュランス
エンデュランスは車の性能を総合的に評価し、車輌としての信頼性を試すためのものです。
2名のドライバーで 22km の距離を半分ずつ、様々なコーナーが設けられたコースを走りタイムを競います。
燃費
レース状況下における燃費はほとんどのレースにおいて重要視されるものであると同時に、競技に合わせてその車
輌がどれほどうまく調整されているかを示すものです。
ですので、エンデュランスで同時に計測されます。
左上:デザイン審査
左下:燃費審査
下:アクセラレーション
右:プラクティス(スキッドパッド)
5.大会参戦記
2006年9月
12日
静岡の ECOPA にて
大会前夜
私たちは前日から大会会場入りしており、この日は突然の豪雨。
昨年の第3回大会を思い出します。そのときは台風で競技日が丸1日潰れてしまいまし
▲宿泊先でのミーティングの
た。
それを思い出し、これからの4日間に不安をいだく夜でした。
13日
様子
大会初日
とうとうこの日がやってきました。まがりなりにも一年間かけてやってきました。
自然と気が引き締まります。そんな初日の朝は曇り。
「これなら、何とかなりそうだ」と、ホッとし、ホテルを後にします。
今日は全ての静的審査が行われる日です。そして車検もあります。
競技の日程上、なんとしても今日中に車検に通らなければ!そう、強く思っていました。
▲問題の解決に奔走する。
今日だけで総合1000点のうち325点分が決まります。明日からの動的競技に臨め
るかどうかもかかっています。一年生は初めての大会、やはりものめずらしそうです。
しかし、そんなことをゆっくり感じる暇はありません。私たちのチームは午前中にコス
ト・デザイン両審査が控えており、時間に余裕はありません。
車両のチェックをあらかた終えると急いで車検ブースに向かいました。
順調に各項目をクリアしていきます。
「よしよし、この調子」と思った矢先です。
吸気口が衝突の際に守られる構造ではないという指摘。吸気口を囲うように、ガードを
取り付けなければならなくなりました。これは、すぐには修正できません。
頭をかかえながらも、それ以外の点を進めてもらいます。そこでコストの時間が近づき、
車検を一時中断。すぐ隣にあるコストブースに進みます。
パネルを用意し、時間を計りながらの全体説明。本大会で初めて審査員に対しての説明
の場であり、緊張しました。なんとか伝え終わり、質問タイムに入ります。各担当者が、
各々の問に一所懸命に答えます。無事、審査を終え、再び残った車検へ。問題の
1箇所以外は全てクリアしました。 そして迎えるデザイン審査。無事説明し、審査を終
えます。
マシンは修理場へ移動、技術員の方に助けていただき、ガード作りに励みます。
▲静的審査は立てつづけに
行われる。上:コスト審査、
下:デザイン審査。
ここで雲行きが怪しくなり雨が降り始めます。私と、パワートレインの木下、足回りの
道上とともにスーツに着替え最後の静的審査、プレゼンテーションに向け最後の確認を
行います。
そして、車検をメンバーに任せプレゼンの会場に向かいます。時間まで、
パワーポイントの内容を見直すなどしながら、3人で緊張感を味わっていました。
そして時間、初めうまくパソコンが機能せず、焦ります。しかし、第一声で
落ち着きました。
▲競技会場から離れた場所
で行われたプレゼン審査
ただ、後で言われるまで気づきませんでしたが、手は震えていたそうです。
みんなで一所懸命作ったマシン、私がそれを伝え損ねるわけにはいきません。
責任重大です。しかし、みんなの思いがつまっているんだ、と思うと不思議とひとり臨
んでいる気にはなりませんでした。自信を持って話すことができました。
うまく説明を終えることができ、再びマシンのもとへ。しばらくして、
やっと技術車検を通ることができました。このとき15:40。
その後、残りの車検をこなし、最後にぎりぎりでチルトテストを行います。
▲実際見てみるとかなり怖
いチルト検査。
ここでノイズとブレーキ審査を残し時間が着ました。撤収です。
14日
大会2日目
本日は朝から雨。静的審査が終わり、あとは動的審査のみ。午前中から早速
アクセラレーションとスキッドパッドが行われます。この二つとも午前中で競技終了で
す。
そのため今日は如何に早く車検を突破できるかが鍵です。早めに行って待機。開場と同
時にマシン準備にとりかかります。
・・・準備完了。あとは車検が始まるのを待つばかり。そこで突然のキャプテンミーテ
▲この日は朝から雨。
ィング。
雨がひどいため、動的審査の無期限延期を伝えられます。
やはり、昨年の競技中止を思い出します。
しかし、今の私たちにとってはチャンスです。今のうちに車検に合格すれば、他チームに
追いつけます。車検開始とともにまずノイズ審査に向かいます。
昨年はここで一度規定オーバーをしましたが、今年は事前のチェックでそれよりも低い
値を出しているので安心です。案の定一発合格。そして、いよいよ最後の難関、ブレー
キテストです。
昨年も今年もブレーキには悩まされ続けていました。しかし、そんな不安とは裏腹に
こちらも一発で合格!思わずメンバーから歓声が起こります。これで車検終了です。
あとは競技再開を待つばかり。
雨足が弱まってきました。そこで、再びキャプテンミーティング。
やはり競技再開の連絡・・・しかし、ここでどよめきが起こります。
本日8時から12時まで行う予定だったアクセラレーションとスキッドパッドを
10時30分から12時30分の予定の半分である2時間に短縮するというのです。
大変な事態です。2時間では、すぐに向かったところで、全てのチームが競技を
▲4つ全てのタイヤをロック
させることが必要となる。
終えられるか分かりません。
私を含め各チームのキャプテンが、自分のピットに向かって走り出します。
雨はあがったばかり。路面はウェット。これではタイムはでない、もう少し待てばドラ
イになるかもしれない。それを待つチームがでてきました。私たちはどうするか。
迷いましたが、待って競技を受けられなければ本も子もありません。スキッドパッド
からスタートします。まずは2年生ドライバー 阪井がまずまずのタイムを記録します。
▲ドライバーも待ちわびた競
技再開。
そしてアクセラレーション。こちらも2年生ドライバーの木下が望みます。
これはなかなかの好タイム、順位が期待できます。なんとか二つとも受けることができ
ました。
あと30分遅かったらおそらくどちらか受けられなかったでしょう。
実際、ここで競技に参加できなかったチームはかなりいました。
路面はダンプ(レインタイヤ・ドライタイヤどちらでも走行可)に。
午後は、オートクロス、こちらは上級生の4年生 佐藤、修士1年の盛合が臨みます。
思うようにタイムは伸びず、暫定19位。特に走った本人、両ドライバーは明日こそは、
▲アクセラレーションのタイ
ムはなかなか公開されなか
った。
という思いを胸に本日の競技終了。明日のエンデュランスを残すのみです。
ここで、昨日の静的審査の結果発表。コスト24位、デザイン18位、プレゼン11位
といまひとつ。やはり、明日のエンデュランスにかかります。
この種目で競技総合得点1000点中 400点ものウエイトがあります。
15日
大会3日目
曇り。私たちのチームはエンデュランス午前スタートになります。そのためあまり時間
▲ オートクロスのタイム順で
に余裕はありません。急いでプラクティスをおこない、ドライバーはマシンに慣れます。 次のエンデュランスの出走順
そして、エンデュランス会場へ。このとき、昨日の動的競技の結果が発表になります。
が決まる
オートクロスは18位、スキッドパッドは13位、そしてアクセラレーションは3位!
またも歓喜の声があがります。
そんな中、エンデュランス会場に着き、自分たちの出番を待ちます。
盛合がスタート。
あとはもうドライバーの佐藤、盛合に全てを託すしかありません。
「頑張ってくれ!」この思いを胸に、メンバーは周りから走りを見守ります。
順調に周回を重ねていきます。そして、ドライバーチェンジ。ここでも、不安はつのり
ます。
去年、ドライバーチェンジの後エンジンがかからずそのままリタイアになったチームが
いたことを思い出します。
しかしそんな不安をよそに順調な再スタート、胸をなでおろします。
不安な思いで残りの周回を見守ります。順調にタイムをあげていく佐藤。みな自然と声
に力が入ります。が、ここで突然のスピン。それでも佐藤がうまい修正をはかり大きな
▲次々と他チームがリタイア
するなか見事完走のYNFP
ロスにはなりませんでした。
またも胸をなでおろします。そして最終周。
見事完走!!!自分たちの今大会での競技は全て終了しました。
ほっとする思いで胸がいっぱいです。
ピットに戻り、頑張ってくれたドライバーに声をかけに行きます。しかし、見ていた側
とは逆に、ドライバーは楽しんで走れたと言っていました。そうなのか、と思いながら
しばし物思いにふけります。この日のために一年間頑張ってきたのです。いろいろなこ
▲競技を終えたマシンの
撮影会となった
とがありました。
うまく行かないことの方が多かった。やはり、感慨深いものがあります。
あとは、他チームを見回りながら時間をすごします。特に一年生は、この3日間自分た
ちで手一杯だったので、今大会初めてしっかりと他チームのマシンをみられます。
チームで集合写真などをとるなどして、ゆっくりと時間をすごします。
16日
▲集合写真撮影
大会4日目
晴れ。最終日。今日はずいぶんと気が楽です。午前中はプラクティスが使用できる
ということで、今大会走れなかったドライバーを中心に走行を行います。
他のメンバーは昨日に引き続き他チームの見学です。
お昼。エンデュランスの順位が発表されます。13位。頑張りました。しかし、結果は
やはり不満の残るものでした。
その後、大会参加チーム全員で集合写真を撮り、表彰式へ。
私たちは、アクセラレーション、ウェブサイト賞を3位ということでトロフィーを
いただきました。
最後に総合の表彰。
来期こそは総合で表彰台に、という思いを胸に、台の真ん中の上智キャプテンの泣き顔
をみつめます。
総合順位は12位。昨年に比べれば落ちました。しかし、チーム全員頑張りました。
それは疑いようのない事実です。今回大きな経験をしました。それを来期に活かそう。
そうして、私たちの2006年度第4回大会は幕を閉じました。
▲去年に続いて、今年もベストウェブ
▲アクセラレーション 3 位の木下。動
サイト賞 3 位獲得。写真は担当の宮原
的種目ではチームとして初の表彰台。
▲表彰式の会場
6.メンバーの感想
2006 リーダー
篤
幸太郎
第4回大会、大きなマシントラブルなく全ての競技を終えることができました。
自分たちのマシンが途中でリタイアすることなく走りきれたことを、まずとて
も嬉しく思います。
結果は、総合12位と昨年よりも順位を下げてしまいましたが、動的種目のアクセラレーションでは3位、念願の
表彰台に立つことができました。
メンバー、スポンサーの方々、先生方、全てのこの活動に関わっている人々のおかげでこの結果があるのだと思い
ます。本当にありがとうございます。
私は1年生のときからこの活動に参加してきました。
私自身は初めから車に興味があったわけではなく、やってやるぞ!と入ったわけではありませんでした。
きっかけは本当に些細なものでした。普段勧誘のチラシはあまり手に取ることはなかったのですが、その日は校内
でたまたまチラシをもらいました。
「ものづくりか、面白そうだな。せっかく工学部に入ったんだし、こういうのも
いいかもしれない」程度の思いで特に深く考えもせず説明会に足を運びました。
それが、今、こうしてリーダーを経験し感想を書いているとは、不思議な気分です。
3年間あっという間でした。特に今年度の一年間は一瞬でした。今までで一番大変な思いをし、一番いろいろなこ
とを経験できた、そう思うのですが、昨年の大会が昨日のことのように思えるくらい、終わってみれば短いもので
した。それだけ濃密な時間をすごせたのではないかと思います。
振り返る余裕は全くありませんでした。とにかくとにかくずっと走っていました。
多くの経験をしたと思います。しかし、私がリーダーのときはそれをうまくフィードバックできませんでした。
大会が終わってやっと、全体が見えてきた気がします。
これから、今までの貴重な経験をしっかりとフィードバックしていきたいと思います。
これだけのプロジェクトのリーダーを務められたこと、とても感謝しています。
最後に、この活動に協力してくださった方々、そして一緒に頑張ってくれたメンバーに改めて御礼申し上げたいと
思います。本当にありがとうございました。
ファーストドライバー
佐藤
友哉
今年度の大会のコースは舗装されて間もなく、砂が
路面上にたまりやすいコースであったため、ドライで
あってもレイン並みに繊細なペダルワークが要求されました。また、出走時の天候が優れず、路面温度の低い中で
の走行となったので、ドライバーにとっては集中力との戦いでした。しかしコースレイアウトは、全体としては高
速コースとなっており、気持ちよい加速を楽しむことができたと思います。
今回見えてきた課題として、コースウォークの段階で如何に多くの情報を収集できるか、ということがあると思
います。単にコースレイアウトを覚えるだけでなく、どこにギャップや傾斜があるのかということ、どのあたりで
シフト操作やブレーキングを行うのかということを走行前に十分に頭の中に叩き込み、限られた周回数のなかでタ
イムを出すには必須事項であると感じました。
これを踏まえ、来年度大会においては車でもドライバーでも勝てるチームを目指すべき、そう思います。
ドライバー(アクセラレーション)
木下
芳人
今年度私は吸排気・冷却の設計に関わり、そしてアクセラレーションのドライバーとして大会に参加しました。
アクセラレーションはテストランを多くこなし、構内で行ったテストでは昨年の大会で 5 位だったマシンのタイ
ムを大幅に短縮することに成功しました。本大会での路面はウェットで、テストで経験したことのない路面状態で
したが、今までの練習の甲斐あってか 3 位を獲得し念願だった表彰台に上ることが出来ました。設計し、製作し、
運転した結果で表彰台に上れた事は何にも代えられない喜びでした。
これも偏にスポンサー様や先生方、その他多くの方々に助けて頂いたお陰です。本当にありがとう御座いました。
1 年生代表 工学部 生産工学科
佐々木 太雅
9月15日、エコパのエンデュランス会場は昨日まで降
り続いた雨も止み、晴れ間も見えていました。そんな中、
私達の目の前のコーナーを颯爽と走り抜けていく1台のワインレッドのフォーミュラカー。その堂々としたマシ
ンが走り抜けていく度、私はとても熱いものを胸の奥で感じていました。
私が初めてこの横浜国立大学フォーミュラプロジェクトに出会ったのは、入学式でもらった勧誘のチラシであっ
たと思います。そこには真っ赤なフォーミュラカーが堂々と写し出されていて、またそこにあった「Run for win」
・・・
「勝つための走り」というフレーズにとても興味がわいたのがきっかけでした。もともと車には全く関心がなく、
具体的な目的もなく漠然と工学の道に進学した私にとって、自分達学生自らが考え、手を動かしてものづくりを体
感できるというこの活動に出会えたことは本当に幸運なことであったと思います。
入部当初は何もわからず、ただ先輩方に教えられたことを理解するのに必死だったように思います。少しずつ自
分達にも仕事が割り振られ、それをこなしていき、また失敗する中で身をもって様々な新しい知識を得ることがで
きました。
夏休みにはいると朝から晩まで大学にある工場で作業し、工場が閉まったあとはマシンの組み付けをするという
日が続きました。はじめは名前も使い方も分からなかった機械や工具類も自然と手になじんでいき、ものをつくる
楽しさが増していきました。
大会を振り返ってみて、私はものづくりの厳しさ、おもしろさ、喜びとここまで私達が来られたのは常に支えて
下さったスポンサーの方々の御支援あってのことだということを改めて感じました。来年、さらに進化を遂げたマ
シンをチーム一丸となって作り上げ、上位入賞を達成するため、そして各チームメンバーがより優れた技術者やそ
れぞれの目標へ一歩でも近づくために、これからも御支援をよろしくお願いしたいと思います。ありがとうござい
ました。
7.チーム体制
チーム構成は、チームリーダー、サブリーダー、そしてそれぞれパートリーダーをおき、運営、パワートレイン、足回り、電装、フ
レーム、カウル、ウェブサイトの各班に分かれています。顧問の先生方のもと、全学からメンバーが集まっています。
顧問
于 強(Qiang YU) 横浜国立大学工学部生産工学科助教授
佐藤 恭一(SATO Yasukazu) 横浜国立大学工学部生産工学科助教授
和田 大志(WADA Taishi) 横浜国立大学工学部海洋空間のシステムデザインコース助教授
松澤 卓(MATSUZAWA Suguru) 横浜国立大学機械工場技術職員
アドバイザ
市村 正明(ICHIMURA Masaaki) 横浜国立大学工学部生産工学科非常勤研究員
学生アドバイザ(シャシパート)
盛合 健(MORIAI Ken) 大学院工学府システム統合工学専攻1年
チームリーダー
篤 幸太郎(ATSUSHI Koutarou) 工学部生産工学科 3 年
サブリーダー
佐藤 友哉(SATO Yuya) 経営学部経営学科 4 年
運営班
岡山 菜緒(OKAYAMA Nao) 経営学部国際経営学科 4 年
阪井 啓介(SAKAI Keisuke) 教育人間科学部マルチメディア文化課程 2 年
松本 栄志(MATSUMOTO Eishi) 工学部生産工学科 2 年
パワートレイン班
国谷 喜洋(KUNIYA Yoshihiro) 工学部生産工学科 3 年
木下 芳人(KINOSHITA Yoshito) 工学部生産工学科 2 年
友岡 諒介(TOMOOKA Ryosuke) 工学部生産工学科 2 年
村山 達也(MURAYAMA Tatsuya) 工学部生産工学科 2 年
菊間 裕也(KIKUMA Yuya) 工学部生産工学科1年
中西 真崇(NAKANISHI Masataka) 工学部生産工学科1年
矢田 宏樹(YADA Hiroki) 工学部生産工学科1年
足回り班
戸坂 彰彦(TOSAKA akihiko) 工学部生産工学科 4 年
澤井 泰(SAWAI Yutaka) 工学部電子情報工学科3年
曽根 竜介(SONE Ryusuke) 工学部生産工学科 2 年
田中 優(TANAKA Suguru) 工学部建設学科 海洋空間のシステムデザインコース 2 年
荒深 和志(ARAFUKA Kazushi) 工学部生産工学科1年
國分 乾太(KOKUBUN Kenta) 工学部生産工学科1年
佐々木 太雅(SASAKI Taiga) 工学部生産工学科1年
道上 俊(MICHIGAMI Takashi) 工学部生産工学科1年
電装班
北田 健(KITADA Ken) 工学部電子情報工学科 3 年
フレーム班
山田 考浩(YAMADA Takahiro) 工学部建設学科 海洋空間のシステムデザインコース 2 年
鶴田 真人(TSURUTA Masato) 工学部生産工学科1年
渡辺 和人(WATANABE Kazuto) 工学部生産工学科1年
カウル班
国実 曜弘(KUNIMI Akihiro) 工学部生産工学科 2 年
荒木 洸(ARAKI Hikaru) 工学部電子情報工学科1年
ウェブサイト班
宮原 優(MIYAHARA Yuu) 経済学部経済システム学科 2 年
8.スポンサーの皆様
dSPACE JAPAN 株式会社 様:活動資金等を支援していただきました。
MOTUL(テクノイルジャポン K.K.) 様:オイルを支援して頂きました。
NSK(日本精工株式会社) 様:ベアリングを支援して頂きました。
NTN 株式会社 様:ドライブシャフトを支援して頂きました。
S-GRID 様:CBR600RR レースベース車を支援して頂きました。
エムエスシーソフトウェア株式会社 様:MSC.Software 製品を支援して頂きました。
オートデスク株式会社 様:設計ソフト「Autodesk Inventor 9」 を支援して頂きました。
株式会社ショーワ 様:ショックアブソーバーを支援して頂きました。
株式会社ダイナテック 様:データロガーを貸して頂けることになりました。
株式会社つくる(旧:有限会社奈良商会)様:横浜港 150 周年記念イベント用チラシを支援して頂きました。
株式会社電通国際情報サービス 様:解析ソフト「MSC.ADAMS」を支援して頂きました。
株式会社東京アールアンドデー 様:パーツ等を支援して頂きました。
株式会社東日製作所 様:トルクレンチを支援して頂きました。
株式会社冨士精密 様:ゆるみ止めナットを支援して頂きました。
株式会社プロト 様:ブレーキホースとフューエルホース等を支援していただきました。
小原歯車工業株式会社 様:ラック&ピニオンを支援して頂きました。
サイバネットシステム株式会社 様:解析ソフト「ANSYS」を支援していただきました。
ジュニアモーターパーク クイック羽生 様:テスト走行をさせて頂いております。
新星機工株式会社 様:スプライン加工を支援して頂きました。
スーパーオートバックス横浜みなとみらい 様:シャシーダイナモを割引価格にて使用させていただきました。
スパルコ R&D 様:ステアリングホイール、キルスイッチなどを支援して頂きました。
住友ゴム工業株式会社(ダンロップ) 様:スリックタイヤを支援して頂きました。
筑波鉄工株式会社 様:フレーム製作の支援をしていただきました。
東日エアトルク販売株式会社 様:トルクレンチの交換ヘッドを支援して頂きました。
とくきん 様:樹脂材料と鉄パイプを支援して頂きました。
トップラインプロダクト 様:SAMCO 製シリコンホースを支援して頂きました。
トルンプ株式会社 様:ブレーキディスクを製作して頂きました。
日信工業株式会社 様:キャリパー、マスターシリンダーを支援して頂きました。
日本発条株式会社 様:コイルスプリングを支援して頂きました。
本田技研工業株式会社 様:CBR600RR レースベース車 1 台を支援して頂きました。
ミネベア株式会社 様:大会用のロッドエンドを割引価格で提供していただきました。
有限会社アートディレクト 様:大会やイベントで着用するチームユニフォームをご支援いただきました。
ワークショップ・イトー 様:安全靴等を割引価格にて支援して頂きました
9.最後に
私たちのチームは、3年前の11月に発足し、多くの方々の援助のもと昨年、初出場でルーキー賞
総合8位とい
う好成績を収めることが出来ました。今年は立ち上げメンバーがほとんど抜け、1,2年生中心の若いチームでし
た。その分、苦労も大きかったと思います。結果12位。みな悔しい思いをしました。しかし、ここでとても大き
なことは、そのほぼ全メンバーが来期に臨むという事です。それが、若い代が中心となった当チームのかなりの利
点だと思っています。来期こそは総合での表彰台を目指します!今後とも変わらぬご支援のほど、よろしくお願い
します。ご拝読いただきありがとうございました。
横浜国立大学フォーミュラプロジェクト
〒240−8501 神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79−5共同推進センター
Team Web Site
Team Mail
http://www.ynfp.jp/
[email protected]